JP3739876B2 - 排気浄化装置 - Google Patents
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Description
【技術分野】
本発明はエンジンの排気浄化装置に関するものであり,特に故障診断機能に優れた排気浄化装置に関する。
【0002】
【従来技術】
自動車の排気ガスを浄化する一つの方法として貴金属(白金,ロジウム等)などを触媒として担持した触媒装置を用いる排気ガス浄化方法がある。
この方法でのHC(炭化水素)の浄化には,一般に触媒活性化温度350℃以上を必要とする。しかしながら,エンジンの始動直後においては,上記触媒が触媒活性温度に達していないため,HC浄化がほとんど行われないと言う問題がある。
【0003】
そこで上記の問題を解決するため,エンジンの排気系に触媒装置を配備すると共に,その上流側または下流側にエンジン冷間時に排出されたHC(以下コールドHCと呼ぶ)を吸着するための吸着剤を収めたHCトラッパーを配備した排気浄化装置が提案されている(特開平4−17710号公報,特開平4−311618号公報,)。
特開平4−17710号公報,特開平4−311618号公報にかかる排気浄化装置は,吸着剤を含むHCトラッパーを触媒装置の下流側に,メイン排気流路と並列のパイパス流路に配置すると共に,HCトラッパーを含むバイパス流路とメイン排気流路のいずれかに流路を切り換える切換弁を設けている。
【0004】
そして,エンジン始動直後から所定時間の間,上記切換弁を操作し,排気ガスをバイパス流路へ流し,その間コールドHCはHCトラッパーに吸着される。
一方,吸着剤からコールドHCが脱離する高温時には,上記切換弁はメイン排気流路に排気ガスを流すように操作され,この時,HCトラッパー下流側とエンジン吸気管とをつなぐHCの還流配管にエンジンの吸気管の負圧が加わり,脱離したHCは上記吸気管へ吸い込まれて再びエンジン内で燃焼するように構成されている。
【0005】
また,本願の発明者等は,特開平8−93458号公報において,上記HC還流流路の還流先を触媒装置の上流側とすると共に,上記切換弁等の故障の有無を検知する故障診断装置を設けた排気浄化装置を既に提案している。
即ち,上記公報に示された第1の方法では,上記吸着装置の温度を測定し,排気ガスをバイパス流路へ流す上記第1の動作状態においては上記温度の上昇速度が設定値以下である場合に切換弁の故障(メイン排気通路への排気漏れ過大)と判定し,メイン排気流路に排気ガスを流す上記第2動作状態においては上記吸着装置の温度の上昇速度が所定の上限値以上又は下限値以下である場合に切換弁の故障(前者はパイパス流路への切換弁の排気漏れ過大,後者は還流流路の開閉弁の閉塞)と判定する。
【0006】
また,上記公報記載の第2の方法では,上記吸着装置の温度に代えて吸着装置を通る排気ガスの流量により,同様に切換弁や開閉弁の故障を把握する。
更に,上記公報記載の第3の方法では,特定の排出ガスの排出濃度を測定し,排出濃度の異常から装置の故障を判定する。
そして,上記公報記載の第4の方法では,第2動作状態において還流流路から還流された排気ガスの総量を積算し,この還流総量の異常から装置故障を判定する。
また,上記公報記載の第5の方法では,吸着装置の下流の排気温度と還流流路の排気温度との相関度から,還流流路の開閉弁の故障を検出する。
【0007】
【解決しようとする課題】
しかしながら,上記特開平8−93458号公報において提案した故障診断方法では,上記切換弁の少量の排気ガスの漏洩の検知は極めて困難である。即ち,切換弁の歪みや異物の噛み込み等によって生ずる比較的少量の排気ガスの漏れに対しては,吸着装置の昇温速度や排気流量に大きな変化が生ぜず,切換弁の漏洩によるものか他の要因によるものかの区別が出来なくなる。
【0008】
例えば,吸着装置の昇温速度は,負荷変動による排気流量の変動によって変化し(同公報の図5,図6参照),また外気温度の変化や触媒装置の劣化等によって変化する。
即ち,夏期と冬期との外気温度の影響を比較すると,冬期には外気温度が低いため排気ガスは周囲から熱を奪われ,また吸着装置自体も周囲から冷却されるので,吸着装置の昇温が遅くなる。また,触媒装置が劣化すると触媒の反応量が減少して排気ガスの昇温の大きさが減少すると共に昇温が遅れ,同様に排気ガスの昇温速度が減少し,吸着装置の昇温速度も相対的に遅くなる。
【0009】
同様に,吸着装置を通る排気ガスの流量の変化に基づく第2の方法も,切換弁の少量の漏れを検知することは困難である。
本願発明の第1の課題は,このような,切換弁の不完全故障による排気の漏れを検知できる精度の高い排気浄化装置を提供しようとするものである。
【0010】
また,本願発明の第2の課題は,出来るだけ安価な構成要素を用いて切換弁等の故障の検知を可能とすることである。
例えば,前記特開平8−93458号公報の故障検知装置の第1の方法に用いる温度センサーは,温度の昇温速度(動特性)を把握するためのものであるから,応答性に優れた高価な温度センサーでなければならない。同公報の上記第5の方法に用いる温度センサーも同様に温度の動的特性を把握する為のものであるから高価な温度センサーを用いる必要がある。
【0011】
また,流量のセンサー(前記第2,第4の方法)やガスの濃度センサー(前記第3の方法)は,一般に温度センサーよりも高価である。
加えて,同公報の第4の方法における判定のアルゴリズムは,かなり複雑であり,エンジンの特性に対応した判定基準が必要になる。また,同公報の上記第5の方法における相関度の判断は,アルゴリズムが一段と複雑になる。
本発明は,かかる従来の問題点に鑑みてなされたものであり,開閉手段に対する故障の検知感度が高く且つ安価な故障診断機能を有する排気浄化装置を提供しようとするものである。
【0012】
【課題の解決手段】
請求項1の発明は,吸着装置の下流側から触媒装置の上流側に至る還流流路を形成した排気浄化装置に関するものであり,制御手段は,排気の低温時においては,上記還流流路を閉路すると共にバイパス流路を開路する第1の動作状態に切換弁及び方向性流路開閉手段を操作し,また排気の高温時においては,上記還流流路を開路すると共にバイパス流路を閉路する第2の動作状態に上記切換弁及び方向性流路開閉手段を操作し,更に上記第2の動作状態から所定の時間経過後は上記第2動作状態から還流流路を閉路した第3の動作状態に上記切換弁及び方向性流路開閉手段を操作する。
【0013】
そして,特に注目すべきことは,故障診断装置が上記吸着装置の下流の排気温度を検知する温度検知手段を有しており,故障診断装置は,上記第3動作状態に切り換えられ且つエンジンの定常運転状態にある場合において,上記第3動作状態から第1動作状態に一時的に動作状態を切り換え,切り換えの前後における吸着装置下流の排気温度の差値に基づいて上記切換弁の良否を判定することである。
【0014】
切換弁が正常であって閉弁状態における漏れが少なく且つエンジンの定常運転状態にある場合には,第3動作状態では吸着装置に排気ガスは流れず,一方第1動作状態では排気ガスが大量に流れることから,上記2つの動作状態の間の吸着装置の温度差ΔT1には大きな差異が生ずる。しかしながら,切換弁にある程度の排気ガスの漏れがある場合には,漏れの大小に対応して2つの動作状態の間の吸着装置の温度差ΔT1が減少する。従って,上記温度差ΔT1の大小を算出することにより,切換弁の故障(漏れ)を判断することができる。切換弁が完全に動作しない場合にも同様である。
【0015】
そして,定常運転状態では,正常時における上記温度差ΔT1は,外気温度その他の運転状態による変動は比較的小さいから,切換弁に対する故障検知感度は,良好である。また,判定のアルゴリズムも比較的単純で複雑ではない。
また,上記故障診断装置に用いる温度検知手段は,上記温度差ΔT1が変動しなければよく,動特性その他の特性に対する要求レベルは低いから安価である。
そして,故障診断装置が第1,第3動作状態に切り換える上記エンジンの定常運転状態には,請求項2記載のように,エンジンのアイドリング時等がある。アイドリング状態は極めて安定した運転状態であり,上記温度差ΔT1は非常に安定しているから,上記故障判定を行うのに好適である。
【0016】
請求項3の発明は,吸着装置の下流側からエンジンの吸気側に至る還流流路を形成した排気浄化装置に関するものであり,特に注目すべきことは,故障診断装置は上記還流流路の排気温度を検知する還流温度検知手段を有しており,故障診断装置は,エンジンの定常運転中において,閉状態にある還流流路の開閉手段を一時的に開状態を切り換え,切り換え後における上記還流温度検知手段の検出値に基づいて上記開閉手段の良否を判定することである。
【0017】
エンジンの走行運転中におけるエンジンの吸気側の圧力は,吸着装置の下流側よりも常に低くなるから,開閉手段が正常に動作する場合には,還流流路中を排気ガスが常時流れるようになる。従って,上記開閉手段を操作した場合における還流温度検知手段の温度検出値の差値ΔT2が大きくなる。
一方,開閉手段が故障して,還流流路に排気ガスが流れない場合または還流流路に排気ガスが常時流れる場合には,上記差値ΔT2が大幅に低下する。従って,上記温度差ΔT2の大小を算出することにより,還流流路の開閉手段の故障(漏れまたは閉塞)を判断することができる。
その他の点については,請求項1の発明と同様である。
【0018】
なお,故障診断装置が上記開閉手段を切り換えるタイミングは,請求項4に記載のように,前記の第2動作状態であることが好ましい。第2動作状態では還流流路は開閉手段が開かれており,しかも一定時間の後には開閉手段は閉じられるから,この開閉タイミングと上記故障診断の為の開閉手段の開閉とを同期させることにより,開閉手段の作動回数を減少させることが可能となるからである。
【0019】
次に請求項5の発明は,吸着装置の下流側からエンジンの吸気側に至る還流流路を形成した排気浄化装置に関するものであり,特に注目すべきことは,故障診断装置は,上記バイパス流路における還流流路の分岐部と切換弁との中間に温度検知手段を有しており,エンジンの走行運転中かつ上記第2動作状態もしくは第3動作状態において,閉または開状態にある還流流路の開閉手段を一時的に開または閉状態に切り換え,切り換え前後における上記切換弁上流の温度検知手段の検出値に基づいて上記切換弁の良否を判定することである。
【0020】
切換弁の動作が良好で閉弁時の漏れがない場合には,還流流路を開閉しても,上記切換弁上流の温度検知手段の検出値に大きな差は生じない。しかしながら,切換弁に漏れがある場合には,切換弁上流の温度検知手段の検出値に大きな差が生ずることになる。即ち,還流流路を閉じている場合には,切換弁の漏れ部(間隙)を通して吸着装置の下流からメイン排気流路に向かって排気ガスの流れが形成され(図9の破線の矢印参照),還流流路を開いた場合には,切換弁の漏れ部(間隙)を通してメイン排気流路から還流流路に向かって排気ガスが逆流することになる(図9の実線の矢印参照)。
【0021】
即ち,還流流路を開いた場合にはエンジンの吸気側の負圧によりメイン排気流路の排気ガスは,上記漏れ部(間隙)から吸着装置の下流側を経て還流流路に流入する。
その結果,還流流路の開閉前後の検出値の差ΔT3は,切換弁の漏れの有無により大きく変化することになる。それ故,上記差値ΔT3の大小から切換弁の漏れを検出することができる。
その他の点については,請求項3の発明と同様である。
【0022】
なお,上記切換弁上流の温度検知手段は,請求項7記載のように,切換弁の開閉部近傍に配置することが好ましい。できるだけ切換弁の近傍に,上記温度検知手段を配置することにより,還流流路の開閉前後の上記差値ΔT3の変化が顕著となり,切換弁の漏れを精度よく検出することができるからである。
また,請求項6記載のように,請求項5の発明の故障診断手段は,請求項3,4の発明の故障診断手段と併用することができる。
【0023】
即ち,請求項6の発明に係る故障診断装置は,還流流路の排気温度を検知する還流温度検知手段を有し,エンジンの定常運転状態において閉状態にある還流流路の開閉手段を一時的に開状態を切り換え,切り換え後における上記還流温度検知手段の検出値に基づいて開閉手段の良否を判定すると共に,
更にバイパス流路における還流流路の分岐部と切換弁との中間に温度検知手段を有しており,エンジンが定常運転状態にあり且つ上記第2動作状態もしくは第3動作状態にある場合において,閉または開状態にある還流流路の開閉手段を一時的に開または閉状態に切り換え,切り換え前後における上記切換弁上流の温度検知手段の検出値に基づいて切換弁の良否を判定する。
【0024】
上記記述の前半に述べる請求項3,4の発明の故障診断手法により,前記のように還流流路の開閉手段の故障を検知し,上記記述の後半に述べる請求項5の発明の故障診断手法により,前記のように切換弁の漏れ故障を検知することができる。
【0025】
【発明の実施の形態】
実施形態例1
本例は,図1に示すように,エンジン51の排気通路31に設けられた排気浄化装置1であって,排気浄化装置1は,排気通路31の上流側に位置し排気ガスを浄化する触媒装置21と,触媒装置21の下流のメイン排気流路32に並列に流路を形成したバイパス流路33に配置した吸着装置22と,吸着装置22の下流側においてメイン排気流路32とバイパス流路33とを選択的に切り換える切換弁23と,バイパス流路33の吸着装置22の下流側から分岐し触媒装置21の上流側に至る還流流路35を形成すると共に触媒装置21に向かう流れだけを許容する流路の開閉手段25を設けた還流手段と,切換弁23及び方向性を有する流路開閉手段25を操作する制御手段41と,装置1の不具合を自己診断する故障診断装置10とを有している。
【0026】
制御手段41は,排気の低温時においては,還流流路35を閉路すると共にバイパス流路33を開路する第1の動作状態に切換弁23及び方向性流路開閉手段25を操作し,一方,排気の高温時においては,還流流路35を開路すると共にバイパス流路33を閉路する第2の動作状態に切換弁23及び方向性流路開閉手段25を操作し,更に上記第2の動作状態から所定の時間経過後は上記第2動作状態から還流流路35を閉路した第3の動作状態に切換弁23及び方向性流路開閉手段25を操作する。
【0027】
そして,故障診断装置10は,吸着装置22の下流の排気温度を検知する温度検知手段(温度センサー)11を有しており,上記第3動作状態に切り換えられ且つエンジンの定常運転状態にある場合において,上記第3動作状態から第1動作状態に一時的に動作状態を切り換え,切り換えの前後における吸着装置22下流の排気温度の差値ΔTに基づいて切換弁23の良否を判定する。
【0028】
以下それぞれについて,説明を補足する。
図1に示すように,エンジン51の排気通路31には,排気マニホルド52の直後の位置に触媒装置21を配置してある。また,排気通路31における触媒装置21の下流には,大径部を設けてあり,この中に吸着装置22を収納したバイパス流路33とメイン流路32が形成されている。
吸着装置22はステンレス鋼またはコージェライト等のセラミックからなり,大径部の径に合致する半円筒形状を有し,図2に示すように,平行な多数の通孔221を有し,吸着剤担持層220にはゼオライト系吸着剤が担持されている。
【0029】
なお,吸着装置22は,上記大径部の形状に合わせて楕円形状や方形形状とすることができる。
そして,図1に示すように,吸着装置22の吸着剤担持層220の後端直後には,切換弁23を配設してある。
また,触媒装置21と吸着装置22との距離は,触媒装置21が排気ガスに加熱されて活性化温度に達するタイミングと,吸着装置22に担持された吸着剤が加熱されて吸着機能を失うタイミングとがほぼ一致するような距離に設定されている。
【0030】
吸着装置22は,メイン流路32との間が隔壁223によって分離・保持されている。隔壁223には,図2に示すように,穴224が設けられている。また,図2に示すように,吸着装置22の上流側には整流板225が配備されており,吸着装置22に流れる排気ガスの流速分布を均一にし,吸着効率を高めている。隔壁223と整流板225とは,図2のように一体構造でもよいし,分離されていてもよい。
【0031】
そして,バイパス流路33の後端に近い位置から還流流路35が分岐し,還流流路35は管内の排気の流れを一方向に制御する方向弁251と開閉弁252とを一体化した方向性の流路開閉手段25を備えており,排気マニホールド52に連通する。切換弁23にはアクチュエータ231を設けてあり,アクチュエータ231はシャフト232により切換弁23のブレード230に連結せしめてある。図1において,符号239は,ブレード230が当接するストッパーである。
【0032】
アクチュエータ231は,これを作動させる負圧を供給するための吸気管361,362を経て,エンジン51上流部のサージタンク53に連通されている。そして,吸気管361と362の間には第1電磁弁27が配設されている。
方向性流路開閉手段25は,還流流路35から触媒装置21の上流側に向かう排気の流通のみを許容する。
そして,開閉弁252は,負圧で作動するダイヤフラム等により作動する。そして,開閉弁252は,これに負圧を供給する吸気管371により,前記吸気管362に連通しており,吸気管371には第2電磁弁253が介設されている。なお,初期状態(無入力状態)では,切換弁23は,開(メイン流路32開)状態にあり,還流流路35は閉じられている。
【0033】
制御手段41は,ハードウエアとしてのマイクロコンピュータ40と図3に示すフローチャートに沿った制御プログラムとからなり,エンジン51やエンジン水温温度センサー45からの信号を受け,運転状態に応じて第1,第2電磁弁27,253を開閉制御し,これにより切換弁23及び開閉弁252を制御する。また,故障診断装置10は,ハードウエアとしてのマイクロコンピュータ40と,図3のフローチャートに示す故障診断プログラムとからなる。
【0034】
次に,本装置1の制御の流れを,図1のシステム構成図,図3に示すフローチャート及び図4に示すタイミングチャートを用いて説明する。なお,図4は,米国の排気ガス規制において用いられている代表的な走行パターンである75TFPで車を走行した場合におけるタイミングチャートである。同図の符号831は,車速の変化を示し,符号835は切換弁23に漏れがなく正常な場合の吸着装置22下流の排気ガス温度,符号836は切換弁23に漏れがある場合の吸着装置22下流の排気ガス温度を示す。
【0035】
始めに,ステップ601において,エンジンスタートの信号(IG ON=イグニッション・オン)を受けて,タイマーの時間tをリセットする(t=0)。次いで,ステップ602において,制御手段41は,エンジン水温センサー45からの信号をうけ,水温Twが所定値Two以下であるか否かをチェックし,これによって触媒装置21が作動状態にあるか否かを判定する。
【0036】
例えば,冷間始動の場合には,触媒装置21は低温であり,水温Twが所定値Two以下であるから,ステップ602の結果は是となり,ステップ603に進む(なお,暖機始動等により,ステップ602の結果が否の場合には,直ちに第3動作状態とすることができるから,後述するステップ610にダイレクトに進む)。
ステップ603で,制御手段41は,第1電磁弁27を開弁させ,吸気管361,362を連通させる。その結果,サージタンク53の負圧がアクチュエータ231に働き,ダイヤフラムを変形させ,図1の破線で示すようにブレード230を時計方向に回転させ,メイン流路32を閉路してバイパス流路33を開路し,前記第1動作状態となる。
【0037】
その結果,低温の排気ガスは,触媒装置21では浄化されないままバイパス流路33を流れ,排気ガス中のコールドHCは吸着装置22に吸着され,図示しないマフラーから大気中に放出される。即ち,排気ガス流は,吸着装置22のゼオライトを担持してない吸着剤無担持層229(図2)からゼオライトを担持した吸着剤担持層220に流れ,コールドHCは吸着剤に吸着される。そして,コールドHCが除去された排気ガスは排出流路34を経て大気中に放出される。
この時,整流板225が排気ガスの流れを整流しているため,排気ガスは均一な流速分布となって,吸着装置22内を流れている。
【0038】
上記のように吸着装置22がコールドHCを吸着している間,吸着装置22は排気ガスによって熱せられる。この間,制御手段41のタイマーの時間tは刻々と進行する。
そして,ステップ604において,タイマーの時間tが所定値ta以上となると,ステップ605に進む。上記所定値taは,吸着装置22の吸着剤が吸着可能温度を越えると共に触媒装置21が作動可能となる目安の時間長である。
【0039】
ステップ605では,制御手段41からの制御信号により第1電磁弁27を閉弁し,これによってアクチュエータ231への負圧の供給が絶たれ,アクチュエータ231のスプリングの付勢力により,シャフト232を駆動し,図1の実線で示すようにブレード230を反時計方向に回転させ,メイン流路32を開路すると共にバイパス流路33を閉路し,前記第2動作状態となる。
このときは,触媒装置21は既に活性化温度に達しており,排気ガス中のHCは触媒装置21で浄化され,HCをほとんど含まない排気ガスが,メイン流路32から排出流路34を経て大気中に放出される。
【0040】
この後,ステップ606に進み,吸着装置22の吸着ガスの脱離が完了するまて,次のような処理が継続される。即ち,第1電磁弁27が閉弁した直後に,制御手段41からの制御指令により第2電磁弁253が開弁する。その結果,サージタンク53から開閉弁252に負圧が印加され,開閉弁252は開弁する。
一方,吸着装置22の側面では,既に高温となった排気ガスがメイン流路32を流通している。この温度の排気ガスは図2に示す隔壁223の穴224を介し,吸着装置22の吸着剤担持層220と接している。
そのため,排気ガスの熱は吸着剤担持層220に良好に伝えられ吸着剤が昇温してHCの脱離を促進する。
【0041】
このとき,上記のように第2電磁弁253は開弁されているから排気マニホールド52内に発生する排気脈動は還流流路35を介して方向弁251を断続的に開弁させる。
これにより吸着装置22の吸着剤担持層220の吸着剤から脱離したHCは還流流路35を経て排気マニホールド52に流入する。そしてエンジン51からの排気ガス中のHCとともに触媒装置21で浄化される。
【0042】
ステップ607において,触媒装置21で排気ガスを浄化すると共に吸着装置22の脱離を促進する上記第2動作状態となり所定の時間tbだけ経過したか否かをチェックし,是の場合は吸着装置22の脱離が終了しているから,ステップ608に進む。上記所定の時間tbは吸着ガスの脱離が完了する目安となる時間である。
ステップ608では,制御手段41からの制御信号により,第2電磁弁253を閉弁し,開閉弁252を閉じて,還流流路35を閉路する。
【0043】
その後,ステップ610に進み,故障診断装置10はタイマーをモニターし,吸着装置21の温度が定常状態となる目安の時間tcが経過すると,ステップ611に進む。
ステップ611では,エンジン51の運転状態が定常状態にあるか否かを,本例ではアイドリング運転状態であるか否かにより判定する。
そして,ステップ611の結果が是てあるならば,ステップ612において,温度センサー11により排気ガス温度を測定し,この時の温度Tbを記憶する。
【0044】
次に,ステップ613において,故障診断装置10は,タイマーをリセット(t=0)すると共に,第1電磁弁27を開路しアクチュエータ231を作動させ切換弁23を切り換えて,メイン流路32を閉じてバイパス流路33を開路する(第1動作状態)。その後,ステップ614において,タイマーの時間tが所定値tdを越えたか否かを判定する。上記所定値tdは,切り換えた状態が過渡状態を過ぎて安定状態となる目安の時間である。
そして,ステップ615に進み,以前としてアイドル運転状態であるか否かを判定し,ステップ611と同じアイドリング状態であることを条件にステップ616に進む。
【0045】
ステップ616では,故障診断装置10は,再度排気温度センサー11により,排気ガスの温度を測定しこの温度をTaとする。
その後,ステップ617において,再び第1電磁弁27を閉弁しアクチュエータ231を作動させて,メイン流路32を開いてバイパス流路33を閉路し元の第3動作状態とする。
そして,次のステップ618において,上記TaとTbとの差ΔT1(=Ta−Tb)が所定値ΔT1o以下であるか否かを判定する。
【0046】
上記ΔT1oは,切換弁23に漏れの無い場合に上記TaとTbとの間に生ずるべき温度差に基づいて決められた値であり,この値ΔT1oよりも小さい場合には,切換弁23に漏れがあると考えられる値である(図4)。即ち,上記ΔT1oは,切換弁23に漏れの無い場合に生ずるべき温度差に,外気温度の変化や触媒装置21の触媒の劣化等を勘案して決定する。
【0047】
即ち,切換弁23が正常である場合または漏れが非常に少ない場合であって,閉弁状態における漏れがなく且つエンジン51が定常運転状態にある場合には,第3動作状態では吸着装置22の内部を排気ガスは流通せず,一方第1動作状態では排気ガスが大量に吸着装置22を流れることから,上記2つの動作状態の間の吸着装置の温度には大きな差異が生じ,ΔT1oよりも大きくなる(図5の棒グラフ811〜813)。
なお,図5の(a),(b)は新品の排気浄化装置1における実測値であり,(c)は5万マイルを走行した排気浄化装置1の実測データである。そして,(a),(c)は外気温度25℃の場合の実測データ,(b)は外気温度−30℃の場合の実測データである。
【0048】
しかしながら,切換弁23の閉弁時に排気ガスに一定以上の漏れがある場合には,漏れの大小に対応して第3動作状態でも吸着装置22に排気ガスが流れることになり,2つの動作状態の間の吸着装置の温度差ΔT1が減少し,ΔT1oよりも小さくなる(図5の棒グラフ821〜823)。従って,上記温度差ΔT1が適切に選定した値ΔT1o以下であるか否かにより切換弁の故障(漏れ)を判断することができる。
それ故,ステップ618の結果が是の場合には,ステップ620において故障の表示をし,否の場合には同様にルーチンを繰り返し運転を継続する。
【0049】
上記のように,本例の故障診断装置10によれば,切換弁23の漏れによる軽故障の不具合を検知することができる。
また,故障診断装置10に用いる温度センサー11は,上記温度差ΔT1が変化しなければよく,応答スピード等の動特性に対する要求レベルは低いから安価に入手することができる。
【0050】
実施形態例2
本例は,実施形態例1において,図6に示すように吸着装置22の下流側からエンジン51の吸気側のサージタンク53に至る還流流路35を形成すると共に故障診断装置15を変更したもう一つの実施形態例である。そして,図6に示すように,還流流路35には開閉弁24が配置されているが方向弁は設けていない。即ち,還流流路35の接続先であるサージタンク53は常時負圧状態にあるから,実施形態例1で設けた方向弁251に不要である。
【0051】
そして,故障診断装置15は,還流流路35の排気温度を検知する還流温度検知手段(温度センサー)16を備え,エンジン51の定常運転状態において閉状態にある還流流路35の開閉弁24を一時的に開状態を切り換え,切り換え後における温度センサー16の検出値に基づいて開閉手段の良否を判定する。
また,故障診断装置15は,更に,バイパス流路33における還流流路35の分岐部と切換弁23との中間の切換弁23の近傍に温度検知手段(温度センサー)11を配置しており,エンジン51が定常運転状態にあり且つ前記第3動作状態もしくは第2動作状態にある場合において,閉または開状態にある還流流路35の開閉弁24を一時的に開または閉状態に切り換え,切り換え前後における温度センサー11の検出値に基づいて切換弁23の良否を判定する。
【0052】
以下それぞれについて説明を補足する。
本例では,吸着装置22で脱離したHCは,還流流路35を通ってサージタンク53に流入し,還流HCはエンジン51で燃焼するか又は触媒装置21で浄化される。なお,還流された排気ガスは,エンジン51の燃焼を悪化させることもあるため,EGR(Exhaust Gas Rcirculation System)制御の場合と同様に,本例では,開閉弁24を開弁してHCを還流させるタイミングは,エンジン51の暖機後の中回転で中負荷の場合に限定する。
【0053】
次に本装置1の制御の流れを図6のシステム構成図,図7のフローチャート及び図8のタイミングチャートを用いて,実施形態例1との相違点を中心に説明する。なお,図8の(a)は還流流路35の開閉状態を示し,(b)は切換弁23の上流直前の温度(温度センサー11の検出値)であり,符号845は切換弁23が正常な場合の温度変化カーブを,符号符号846は切換弁23に漏れがある場合の温度変化カーブを示す。
【0054】
ステップ601〜ステップ605まで(第1動作状態完了まで)は,実施形態例1と同様なので説明を省略する。
HCの吸着装置22への吸着が完了し,ステップ605において切換弁23を切り換えてバスパス流路33を閉じた後,始めにステップ631,632において,エンジン51の運転状態をチェックする。
【0055】
即ち,ステップ631において,エンジン51の回転数が中位の回転数であるか否かをチェックし,ステップ632において,エンジン51の回転数が中位の負荷水準であるか否かをチェックする。そして,ステップ631,632の結果が共に是ならば,ステップ634に進み,少なくともステップ631,632の一方の結果が否ならばステップ633に進み,還流流路35を閉じて前記のように排気ガスを還流させない。
ステップ631,632の結果が共に是である場合,即ちエンジン51が中回転,中負荷である場合には,ステップ634において第2電磁弁253を開いて開閉弁24に負圧を供給して開閉弁24を開き,排気ガスをエンジン51の吸気側のサージタンク53に還流する。なお,この時,故障診断装置15は第2のタイマーを作動させ,開閉弁24(第2電磁弁253)の作動(開)時間t’を積算する。
【0056】
そして,ステップ635において,エンジン作動後の時間t(第1タイマー)が所定値tc以上となっているか否か,即ち,排気ガスの温度が高温となっているかどうかをチェックし,否ならば条件を満たす迄ステップ631〜634のルーチンを継続する。その結果,次のステップ636に進んだ段階では,吸着装置22から排出される排気ガスは既に高温状態になっている。
そして,ステップ636で温度センサー31により還流排気ガスの温度T2を測定する。
【0057】
そして,ステップ637において,上記温度T2が所定値T2o以上となっているか否かをチェックし,否ならばステップ650に進み装置故障であることを表示する。吸着装置22から排出される排気ガスが既に高温状態になっているにも関わらず,還流排気ガスの温度T2が所定値T2o以下であることは,開閉弁24が十分に開弁していないこと(第2電磁弁253又は弁24の故障等)を示しているからである。
【0058】
ステップ637の結果が是ならば,ステップ638に進み,還流流路35の開路時間(第2タイマー)の積算値t’が前記所定値tbを越えたか否かをチェックする。その結果が否ならば,ステップ631に戻りステップ638の結果が是となるまで,ステップ631からのルーチンを継続する。上記所定値tbは,吸着装置22から吸着HCの脱離を完了する時間である。
ステップ638の結果が是ならば,ステップ639に進み前記の操作手順により還流流路35を閉じて第3動作状態に入る。
【0059】
ステップ640からのルーチンは切換弁23の漏れ故障を検出するルーチンである。
始めにステップ640において,還流流路35の閉路状態における切換弁23上流の温度T3cを温度センサー11を用いて測定する。この時,切換弁23に漏れがある場合には,図9の破線矢印で示すように排気ガスが流れるために,上記温度T3cはメイン流路32を流れる排気ガスの温度より低い温度となる。
そして,次のステップ641〜643において,前記ステップ631〜633と同様にエンジン51が中回転,中負荷であるという条件(タイミング)を満足させ,ステップ644に進む。
【0060】
そして,ステップ644において,前記の操作手順により還流流路35を開路し,ステップ645において再び切換弁23上流の温度T3dを温度センサー11を用いて測定する。このとき切換弁23に漏れがある場合には,還流流路35が開路してサージタンク53の負圧に連通しているから,この負圧により図10の実線矢印で示すように排気ガスが漏れて流れるために,上記温度T3dはメイン流路32を流れる排気ガスの温度に近くなり高い温度となる。一方,切換弁23に漏れがない場合には,上記温度T3dは還流流路35の閉路状態における切換弁23上流の温度T3cに近い値である。
【0061】
従って,温度T3dと温度T3cとの差ΔT3(=T3d−T3c)は,切換弁23の漏れがあるに大きな値となり,切換弁23の漏れが少ない場合には所定値T3o以下となる。
そして,ステップ646において,上記温度差ΔT3(=T3d−T3c)が所定値T3o以下であるか否かをチェックする。結果が是であれば,切換弁23のもれは零もしくは微小であり,ステップ647において,還流流路35を復元して故障表示をすることなく,一連のルーチンを終了する。
【0062】
一方,ステップ646の結果が否ならば,ステップ650において故障表示をした後,還流流路35を復元し一連のルーチンを終了する。
その他については実施形態例1と同様である。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態例1の排気浄化装置のシステム構成図。
【図2】実施形態例1の吸着装置の分解斜視図。
【図3】実施形態例1の排気浄化装置の制御及び故障診断の流れを示すフローチャート。
【図4】実施形態例1で示した故障診断ルーチンにおける車速と吸着装置温度の時間推移と図3のフローチャートのステップの発動タイミングの位置を示す図。
【図5】実施形態例1で示した故障診断ルーチンにおいて外気温度と吸着装置の使用時間とを変えて実測した,切換弁の切り換え前後における吸着装置の温度差ΔT1の例を示した図((a)及び(b)は新品の排気浄化装置の場合を(c)は5万マイル走行後の排気浄化装置に対するもの)。
【図6】実施形態例2の排気浄化装置のシステム構成図。
【図7】実施形態例2の排気浄化装置の制御及び故障診断の流れを示すフローチャート。
【図8】実施形態例2で示した故障診断ルーチンにおける車速と切換弁の直前上流の温度と還流開路の開閉状態の時間推移と図7のフローチャートのステップの発動タイミングの位置を示す図。
【図9】図6の切換弁のブレードと温度センサー近傍の拡大図。
【符号の説明】
10,15...故障診断装置,
11...温度センサー,
21...触媒装置,
22...吸着装置,
23...切換弁,
32...メイン流路,
33...バイパス流路,
35...還流流路,
Claims (7)
- エンジンの排気通路に設けられた排気浄化装置であって,該排気浄化装置は,排気通路の上流側に位置し排気ガスを浄化する触媒装置と,上記触媒装置の下流のメイン排気流路に並列に流路を形成したバイパス流路に配置した吸着装置と,上記吸着装置の下流側においてメイン排気流路とバイパス流路とを選択的に切り換える切換弁と,上記バイパス流路の吸着装置の下流側から分岐し上記触媒装置の上流側に至る還流流路を形成すると共に触媒装置に向かう流れだけを許容する流路の開閉手段を設けた還流手段と,上記切換弁及び方向性を有する流路開閉手段を操作する制御手段と,装置の不具合を自己診断する故障診断装置とを有しており,
上記制御手段は,排気の低温時においては,上記還流流路を閉路すると共にバイパス流路を開路する第1の動作状態に上記切換弁及び方向性流路開閉手段を操作し,一方,排気の高温時においては,上記還流流路を開路すると共にバイパス流路を閉路する第2の動作状態に上記切換弁及び方向性流路開閉手段を操作し,更に上記第2の動作状態から所定の時間経過後は上記第2動作状態から還流流路を閉路した第3の動作状態に上記切換弁及び方向性流路開閉手段を操作し,
上記故障診断装置は,上記吸着装置の下流の排気温度を検知する温度検知手段を有しており,上記第3動作状態に切り換えられ且つエンジンの定常運転状態にある場合において,上記第3動作状態から第1動作状態に一時的に動作状態を切り換え,切り換えの前後における吸着装置下流の排気温度の差値に基づいて上記切換弁の良否を判定することを特徴とする排気浄化装置。 - 請求項1において,前記故障診断装置が動作状態を切り換えるエンジンの定常運転状態は,エンジンのアイドリング時であることを特徴とする排気浄化装置。
- エンジンの排気通路に設けられた排気浄化装置であって,該排気浄化装置は,排気通路の上流側に位置し排気ガスを浄化する触媒装置と,上記触媒装置の下流のメイン排気流路に並列に流路を形成したバイパス流路に配置した吸着装置と,上記吸着装置の下流側においてメイン排気流路とバイパス流路とを選択的に切り換える切換弁と,上記バイパス流路の吸着装置の下流側から分岐しエンジンの吸気側に至る還流流路を形成すると共に流路の開閉手段を設けた還流手段と,上記切換弁及び流路開閉手段を操作する制御手段と,装置の不具合を自己診断する故障診断装置とを有しており,
上記制御手段は,排気の低温時においては,上記還流流路を閉路すると共にバイパス流路を開路する第1の動作状態に上記切換弁及び流路開閉手段を操作し,一方,排気の高温時においては,上記還流流路を開路すると共にバイパス流路を閉路する第2の動作状態に上記切換弁及び流路開閉手段を操作し,更に上記第2の動作状態から所定の時間経過後は上記第2動作状態から還流流路を閉路した第3の動作状態に上記切換弁及び流路開閉手段を操作し,
上記故障診断装置は,上記還流流路の排気温度を検知する還流温度検知手段を有しており,エンジンの定常運転状態において,閉状態にある還流流路の開閉手段を一時的に開状態を切り換え,切り換え後における上記還流温度検知手段の検出値に基づいて上記開閉手段の良否を判定することを特徴とする排気浄化装置。 - 請求項3において,前記故障診断装置が前記開閉手段を切り換えるタイミングは,前記第2動作状態であることを特徴とする排気浄化装置。
- エンジンの排気通路に設けられた排気浄化装置であって,該排気浄化装置は,排気通路の上流側に位置し排気ガスを浄化する触媒装置と,上記触媒装置の下流のメイン排気流路に並列に流路を形成したバイパス流路に配置した吸着装置と,上記吸着装置の下流側においてメイン排気流路とバイパス流路とを選択的に切り換える切換弁と,上記バイパス流路の吸着装置の下流側から分岐しエンジンの吸気側に至る還流流路を形成すると共に流路の開閉手段を設けた還流手段と,上記切換弁及び流路開閉手段を操作する制御手段と,装置の不具合を自己診断する故障診断装置とを有しており,
上記制御手段は,排気の低温時においては,上記還流流路を閉路すると共にバイパス流路を開路する第1の動作状態に上記切換弁及び流路開閉手段を操作し,一方,排気の高温時においては,上記還流流路を開路すると共にバイパス流路を閉路する第2の動作状態に上記切換弁及び流路開閉手段を操作し,更に上記第2の動作状態から所定の時間経過後は上記第2動作状態から還流流路を閉路した第3の動作状態に上記切換弁及び流路開閉手段を操作し,
上記故障診断装置は,上記バイパス流路における還流流路の分岐部と切換弁との中間に温度検知手段を有しており,エンジンが定常運転状態にあり且つ上記第2動作状態もしくは第3動作状態にある場合において,閉または開状態にある還流流路の開閉手段を一時的に開または閉状態に切り換え,切り換え前後における上記切換弁上流の温度検知手段の検出値に基づいて上記切換弁の良否を判定することを特徴とする排気浄化装置。 - 請求項3または請求項4において,前記故障診断装置は,前記バイパス流路における還流流路の分岐部と切換弁との中間に温度検知手段を有しており,エンジンの走行運転中において,閉状態にある還流流路の開閉手段を一時的に開状態を切り換え,切り換え後における上記切換弁上流の温度検知手段の検出値に基づいて上記切換弁の良否を判定することを特徴とする排気浄化装置。
- 請求項5または請求項6において,前記切換弁上流の温度検知手段は,前記切換弁の開閉部近傍に配置されていることを特徴とする排気浄化装置。
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