JP3409647B2 - エンジンのhc吸着剤の劣化診断装置 - Google Patents

エンジンのhc吸着剤の劣化診断装置

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JP3409647B2 JP15708897A JP15708897A JP3409647B2 JP 3409647 B2 JP3409647 B2 JP 3409647B2 JP 15708897 A JP15708897 A JP 15708897A JP 15708897 A JP15708897 A JP 15708897A JP 3409647 B2 JP3409647 B2 JP 3409647B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明はエンジンのHC吸
着剤の劣化診断装置に関する。
【0002】
【従来の技術】エンジン冷間始動直後は排気温度が低く
三元触媒が活性化する温度(300℃前後)に達しない
ことから、HC(炭化水素)の浄化がほとんど行われな
い。このため、排気系にHCの吸着剤を設けておき、冷
間始動直後に浄化されずに排出されるHCをこの吸着剤
に吸着させ、その後に吸着剤よりHCを脱離させて燃焼
させるようにしたものがある。
【0003】この場合、吸着剤は、高温の排気に晒され
たり、排気中に含まれるオイル分が付着堆積したりする
ことによって劣化し、HCの吸着性能が低下することが
あるので、HCを吸着するときに生じる熱(吸着熱)
を、吸着剤の内部温度あるいは吸着剤の入口と出口の各
排気温度を温度センサにより検出し、その検出結果より
吸着剤が劣化したかどうかを判定するものが提案されて
いる。
【0004】たとえば、実開平7−10418号公報で
はエンジン停止後所定の時間が経過して排気温度が十分
に低下した(吸着剤の温度が安定した)後に燃料タンク
内に発生する未燃ガス(HCガス)を吸着剤に導いて吸
着剤の内部温度を検出し、その内部温度の上昇量が基準
値よりも小さくなったとき劣化が生じたと、また、特開
平6−101452号公報では始動後のアイドル等の安
定した運転条件において、吸着剤の入口と出口の各排気
温度を検出し、この温度差に吸入空気量を乗じた値を単
位期間当たりの吸着熱量として所定期間での総吸着熱量
を演算し、この総吸着熱量が目標総吸着熱量以下となっ
たとき劣化が生じたとそれぞれ判定している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、実開平
7−10418号公報のように温度そのものと所定値の
比較により吸着剤の劣化を判定する方式では、その劣化
判定の精度を温度センサによる温度検出の絶対値精度が
左右するため、劣化判定の精度を高めるには高精度の温
度センサが必要となる(コストが高くなる)。
【0006】また、特開平6−101452号公報のよ
うに、総吸着熱量と目標総吸着熱量の比較により劣化判
定を行うものでは、温度的に安定しない条件で吸着熱量
の演算精度が悪く、劣化判定の精度が悪化する。つま
り、吸着熱により吸着剤の温度が上昇する場合に、吸着
剤に流入する排気の温度と吸着剤そのものの温度との間
に温度差が生じている条件では、排気と吸着剤の間に熱
伝達が生じ、これによる温度の変化と吸着熱による温度
の変化を分離することができないのである。これをさら
に詳述すると、たとえば冷間始動直後の吸着条件で急加
速を行ったとき、吸着剤に流入する排気の温度が高温と
なり、これに対して吸着剤そのものの温度はまだ低い状
態にある。この場合、排気の熱は吸着剤に熱伝達し、吸
着剤の昇温に奪われるため、吸着剤の出口排気温度が入
口排気温度に対して低下してしまう。温度的に安定した
条件であれば吸着熱により吸着剤の入口排気温度よりも
出口排気温度が高くなり、その差が吸着熱量に対応する
のであるが、吸着剤の昇温に排気の熱が奪われる条件で
は、入口と出口の排気温度差が吸着熱量に応じた値とな
らないのである。かといって、劣化判定を、始動後のア
イドルを継続している場合等の温度的に安定した条件に
限って行うことにしたのでは、劣化判定の機会を狭めて
しまう。
【0007】そこで本発明は、吸着剤の上流部と下流部
の内部温度を検出するセンサを用いて、吸着条件での内
部温度の各ピーク発生時期を計測し、これら2つのピー
ク発生時期の比較から吸着剤に劣化が生じたかどうかを
判定することにより、絶対値精度の高い温度センサを用
いなくても劣化判定精度を高めることを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】第1の発明は、図8に示
すように、エンジン低温時にエンジンより排出されるH
Cを吸着する吸着剤21と、この吸着剤21の上流部と
下流部の内部温度をそれぞれ検出するセンサ22、23
と、前記吸着剤21が前記HCを吸着する条件にあるか
どうかを判定する手段24と、この判定結果より吸着条
件にあるとき前記各温度センサ出力22、23のピーク
発生時期を計測する手段25、26と、これらの2つの
ピーク発生時期の比較から前記吸着剤21に劣化が生じ
たかどうかを判定する手段27とを設けた。
【0009】第2の発明は、図9に示すように、エンジ
ン低温時にエンジンより排出されるHCを吸着する吸着
剤21と、この吸着剤21の上流部と下流部の内部温度
をそれぞれ検出するセンサ22、23と、これらの温度
センサ22、23出力を時間でそれぞれ微分する手段3
1、32と、前記吸着剤21が前記HCを吸着する条件
にあるかどうかを判定する手段24と、この判定結果よ
り吸着条件にあるとき前記各温度センサ出力22、23
の時間微分値のピーク発生時期を計測する手段33、3
4と、これら2つのピーク発生時期の比較から前記吸着
剤21に劣化が生じたかどうかを判定する手段27とを
設けた。
【0010】第3の発明は、図10に示すように、エン
ジン低温時にエンジンより排出されるHCを吸着する吸
着剤21と、この吸着剤21の上流部と下流部の内部温
度をそれぞれ検出するセンサ22、23と、これらの温
度センサ22、23出力を時間でそれぞれ微分する手段
31、32と、前記吸着剤21が前記HCを吸着する条
件にあるかどうかを判定する手段24と、前記吸着剤の
入口排気温度と前記上流部温度の差が所定値以下である
かどうかを判定する手段41と、これらの判定結果より
吸着条件にありかつ吸着剤の入口排気温度と上流部温度
の差が所定値以下である場合に前記各温度センサ出力2
2、23のピーク発生時期を、また、吸着条件にありか
つ吸着剤の入口排気温度と上流部温度の差が所定値を超
えている場合に前記各温度センサ出力22、23の時間
微分値のピーク発生時期をそれぞれ計測する手段42、
43と、前記吸着条件にありかつ前記吸着剤の入口排気
温度と前記上流部温度の差が所定値以下である場合に前
記温度センサ出力22、23の2つのピーク発生時期の
比較から、また、前記吸着条件にありかつ前記吸着剤の
入口排気温度と前記上流部温度の差が所定値を超えてい
る場合に前記温度センサ出力22、23の時間微分値の
2つのピーク発生時期の比較から前記吸着剤21に劣化
が生じたかどうかを判定する手段44とを設けた。
【0011】第4の発明では、第1または第3の発明に
おいて前記各温度センサ出力22、23のピーク発生時
期が吸着開始タイミングより前記温度センサ出力22、
23がピークをとったタイミングまでの時間である。
【0012】第5の発明では、第1または第3の発明に
おいて前記各温度センサ出力22、23の時間微分値の
ピーク発生時期が吸着開始タイミングより前記温度セン
サ22、23出力の時間微分値がピークをとったタイミ
ングまでの時間である。
【0013】第6の発明では、第1から第5までのいず
れか一つの発明において前記劣化判定手段が、前記2つ
のピーク発生時期の時間差と基準値との比較により2つ
のピーク発生時期の時間差が基準値未満である場合に吸
着剤に劣化が生じていると、また2つのピーク発生時期
の時間差が基準値以上である場合に吸着剤に劣化が生じ
ていないと判定する手段である。
【0014】第7の発明では、第6の発明において前記
基準値が前記HCの吸着期間中の排気量に応じた値であ
る。
【0015】第8の発明では、第1から第5までのいず
れか一つの発明において前記2つのピーク発生時期の比
較が前記2つのピーク発生時期の比と基準値との比較で
ある。
【0016】第9の発明では、第1から第8までのいず
れか一つの発明において前回運転時に前記吸着剤からの
HCの脱離が完了していない場合に前記劣化判定を中止
する。
【0017】
【発明の効果】吸着剤に流入する排気の温度が吸着剤の
温度とほぼ同等である場合に、吸着剤には、吸着条件に
おいてその内部温度にピークが発生する。その場合、吸
着剤を上流部と下流部に分けると、上流部の内部温度の
ピーク発生時期よりも下流部の内部温度のピーク発生時
期が遅れる。しかも、吸着剤に劣化が生じたときには下
流部の内部温度のピークが、劣化が生じてないときより
も早期に生じる。
【0018】吸着剤のこの性質を利用して、吸着剤に流
入する排気の温度が吸着剤の温度とほぼ同等である場合
に、第1の発明により吸着条件において吸着剤の上流部
と下流部の温度センサ出力の各ピーク発生時期を計測す
るのであれば、各温度センサにより温度の絶対値を精度
よく検出することは必要でなく、したがって、吸着剤の
内部温度検出の絶対値精度が高い高価な温度センサを必
要とすることなく吸着剤の劣化を高精度に判定すること
ができる。
【0019】冷間始動直後の吸着条件において加速を行
う場合のように、吸着剤に流入する排気の温度が吸着剤
の温度と相違する場合には、吸着条件において吸着剤の
内部温度の時間微分値にピークが発生する。その場合、
吸着剤を上流部と下流部に分けると、上流部の内部温度
の時間微分値のピーク発生時期よりも下流部の内部温度
の時間微分値のピーク発生時期が遅れる。しかも、吸着
剤に劣化が生じたときには下流部の内部温度の時間微分
値のピークが、劣化が生じてないときよりも早期に生じ
る。
【0020】吸着剤のこの性質を利用して、吸着剤に流
入する排気の温度が吸着剤の温度と相違する場合に、第
2の発明により、吸着条件において吸着剤の上流部と下
流部の温度センサ出力の時間微分値の各ピーク発生時期
を計測し、両者の比較から劣化判定を行うので、冷間始
動直後の吸着条件で急加速を行う場合など、吸着条件に
おいて吸着剤に流入する排気と吸着剤の間に温度差があ
る場合であっても、高価な温度センサを必要とすること
なく吸着剤の劣化を高精度に検出判定することができ
る。
【0021】第3の発明では、吸着剤に流入する排気の
温度と吸着剤そのものの温度との間に温度差があろうと
なかろうと、高価な温度センサを必要とすることなく高
精度に吸着剤の劣化判定を行うことが可能となる。
【0022】吸着期間中の排気量が多くなるほど吸着剤
に流れ込むHCの量が増加し、吸着剤の内部温度がピー
クをとるタイミングが早くなることに合わせて、第7の
発明では基準値を吸着期間中の平均排気量に応じて設定
するので、吸着期間中の排気量が相違しても、精度よく
劣化判定を行うことができる。
【0023】2つのピーク発生時期の比を用いるときは
吸着期間中の排気量が相違しても、基準値が一定値でよ
いことから、第8の発明では、基準値を吸着期間中の排
気量に応じたテーブルで設定する必要がなく、これによ
ってメモリ容量を削減することができる。
【0024】前回運転時に吸着剤にHCが残ったままで
劣化判定を行ったのでは、下流部の内部温度のピークが
早期に生じ、これによって劣化が生じていないのに劣化
が生じたと誤判定する可能性があるが、このとき第9の
発明では劣化判定を中止するので、誤判定が生じること
を避けることができる。
【0025】
【発明の実施の形態】図1において、1はエンジン本
体、2は排気管、3は三元触媒である。
【0026】三元触媒3の下流で排気管2が主通路2a
とバイパス通路2bに分岐され、両通路の分岐部に排気
の流れを主通路2aとバイパス通路2bとに切換えるた
めの弁4が設けられる。この切換弁4はコントロールユ
ニット11により直接にあるいは図示しないアクチュエ
ータを介して駆動される。
【0027】上記のバイパス通路2bには、上流側より
HCの吸着剤5と電熱触媒6がこの順に、また、吸着剤
5のすぐ上流側に空気を供給するため、空気供給通路8
と空気ポンプ9からなる二次空気供給装置がそれぞれ設
置されている。
【0028】ここで、吸着剤5はゼオライト粉末を主成
分とするスラリーをハニカム単体にコーティングしたも
ので、吸着剤には低温時にHCを吸着し一定温度(20
0℃〜300℃)を超えるとHCを脱離するという性質
がある。なお、吸着剤はゼオライトをベースとしたもの
に限られず、活性炭などを吸着剤として用いてもかまわ
ない。
【0029】三元触媒下流の排気温度を検出するため、
切換弁4の上流側に温度センサ12を備える。このセン
サ12からの温度信号はマイコンからなるコントロール
ユニット11に入力され、この温度信号に基づいてコン
トロールユニット11では切換弁4、電熱触媒6、空気
ポンプ9を制御することで、HCの吸着と脱離および脱
離したHCの浄化の3つの各処理を行う。
【0030】なお、HCの吸着と脱離およびHCの浄化
の方法については公知であるため(特開平6−1014
52号公報参照)、フローチャートに基づいての説明は
省略し、その内容を概説する。
【0031】排気管2の上流側に設けられる三元触媒3
は、貴金属(白金、ロジウム等)またはその他の金属を
担持したもので、300℃前後の活性状態では排気中の
有害成分であるHC、CO、NOxを同時に浄化する
(HC、COを酸化するとともに、NOxを還元す
る)。
【0032】しかしながら、エンジン1の冷間始動直後
は排気の温度が低く、三元触媒3の活性温度(300℃
程度)に達しないため、排気中のHCが三元触媒3によ
ってはほとんど浄化されずに排気管2内を下流へと流れ
てくる。このときの排気温度が温度センサ12により検
出され、コントロールユニット11に入力される。コン
トロールユニット11では、センサ12により検出した
排気温度と所定温度(たとえば300℃)を比較し、排
気温度が所定温度より低いときは、切換弁4に対してメ
イン通路2aを閉じ、バイパス通路2bを開くように駆
動信号を出力する。この結果、排気の全量がバイパス通
路4に流れ、吸着剤5によりHCがトラップされる。こ
のとき、電熱触媒6は非通電状態、空気ポンプ9は非作
動状態である。
【0033】その後、三元触媒3が活性化すると、三元
触媒3下流の排気温度が上昇する。排気温度が上記の所
定温度を超えたときは、コントロールユニット11が切
換弁4に対して今度はバイパス通路2bを閉じ、メイン
通路2aを開くように駆動信号を出力し、かつ電熱触媒
6への通電を開始する。この操作により三元触媒3で浄
化された排気がメイン通路2aを通って排出される。こ
のとき、吸着剤5はHCをトラップしたままの状態であ
る。
【0034】通電により電熱触媒6が活性温度(たとえ
ば350℃)まで上昇すると、吸着剤5よりHCを脱離
させるためバイパス通路2b側が一部(または全部)開
くように切換弁4を制御して高温の排気をバイパス通路
2bに流入させる。同時に、空気ポンプ9を作動させ、
空気供給通路8を介してバイパス通路2bに二次空気を
導入する。高温の排気を導いて吸着剤5からHCを脱離
させるとともに、この脱離したHCを二次空気中に多く
存在する酸素を用いて電熱触媒6内で酸化処理により浄
化するわけである。このHCの吸着剤からの脱離処理と
電熱触媒での浄化処理は、所定時間が経過したとき終了
させる。
【0035】なお、電熱触媒6が活性化したかどうかは
電熱触媒6への通電時間で判断している。もちろん、電
熱触媒6の内部や下流部に設けた温度センサによって電
熱触媒6の温度を検出し、この検出した温度と所定温度
との比較により電熱触媒6が活性化したかどうかを判定
するようにすることも可能である。
【0036】ここで、センサ12により検出される排気
温度が所定温度より低くてバイパス通路2bが開かれて
いることが、後述する吸着条件であり、また電熱触媒6
が活性温度まで上昇してバイパス通路2bが再び開かれ
ていることが、後述する脱離条件である。
【0037】さて、吸着剤5は、高温の排気に晒された
り、排気中に含まれるオイル分が付着堆積したりするこ
とによって劣化し、吸着性能が低下することがあるの
で、吸着熱を、吸着剤の内部温度あるいは吸着剤の入口
と出口の各排気温度を温度センサにより検出し、その検
出結果より吸着剤が劣化したかどうかを判定するものが
提案されているが、温度そのものと所定値の比較により
劣化を判定する方式では、その劣化判定の精度を温度セ
ンサによる温度検出の絶対値精度が左右するため、劣化
判定の精度を高めるには高精度の温度センサが必要とな
る。また、総吸着熱量と目標総吸着熱量の比較により劣
化判定を行うものでは、温度的に安定しない条件で吸着
熱量の演算精度が悪く、劣化判定の精度が悪化する。
【0038】これに対処するため本発明では、吸着剤の
上流部と下流部の内部温度を検出するセンサを用いて、
吸着条件での温度ピークや温度の時間微分値のピークの
発生時期を計測し、これら2つのピーク発生時期の比較
から吸着剤に劣化が生じたかどうかを判定する。
【0039】ここで、図2、図3を用いて本発明による
劣化判定の原理を説明する。
【0040】本発明においても、吸着熱による吸着剤の
内部温度の変化を利用するものである。すなわち、図2
上段に示すように、吸着剤に劣化が生じていない場合
は、吸着条件において、吸着剤の上流部の内部温度(以
下単に上流部温度という)が、吸着開始(劣化判定開
始)と同時に吸着熱により昇温し、その後は吸着剤に流
入する排気の温度(入口排気温度)に近づいてゆくの
で、所定の時期に温度ピークが生じる。これは次の理由
による。吸着剤の特定部分(この場合、上流側の測温部
分)において考えると、その特定部分にHCがほとんど
吸着していない初期状態では、流入してきたHCを非常
に良く吸着するため吸着熱が多く発生するのに対し、時
間が経過してある程度吸着が進行すると、その特定部分
の吸着量がそれほど増加しなくなる。しかも、流入する
排気よりも、その特定部分の温度が吸着熱により上昇し
ているため、その特定部分の温度と排気の温度との温度
差により吸着剤から排気への熱伝達が生じ、その特定部
分の温度が排気温度に近づいてゆく(つまり吸着剤の特
定部分の温度が低下し始める)ことから、温度ピークが
現れるわけである。吸着剤の下流部の内部温度(以下単
に下流部温度という)についても、上記と同様の理由に
よりある時期まで昇温したあと低下を始めることから温
度ピークを生じる。
【0041】ここで注目されるのは、上流部温度のピー
ク発生時期よりも、下流部温度のピーク発生時期が遅れ
ることである。これは、吸着剤にHCが流入すると、ま
ず上流部でそのほとんどを吸着するため、吸着初期にお
いては下流部にはHCがあまり存在せず、下流部での吸
着熱の発生が少ないためである。その後、上流部の吸着
がある程度飽和状態になると、下流部にもHCが流れて
くるため、下流部で吸着が行われ、吸着熱が発生するの
で、上流部に対して下流部の温度ピークの発生時期が遅
れるわけである。
【0042】これに対して、吸着剤が劣化してくると、
温度ピークの発生時期に変化が生じる。吸着剤の劣化は
吸着剤が高温の排気に晒されたり、排気中に含まれるオ
イル分が吸着剤に付着したりすることによって生じるた
め、上流部の劣化が顕著であり、吸着初期に上流部で吸
着できる量が減少するぶん吸着初期においても下流部に
多量のHCが流入する。その結果、図2下段に示すよう
に下流部での温度ピークが早期に生じるのである。
【0043】このように、吸着剤に劣化が生じてない場
合と劣化が生じている場合とで、上流部温度のピーク発
生時期と下流部温度のピーク発生時期が異なることか
ら、上流部温度のピーク発生時期と下流部温度のピーク
発生時期を比較することで、吸着剤に劣化が生じたかど
うかを推定することが可能となる。この場合、温度の絶
対値は問題でなく、少しぐらい真の値から外れていて
も、温度のピーク発生時期が分かりさえすればよいの
で、温度の絶対値を精度よく検出することは必要でな
く、従って高価な温度センサを必要としない。
【0044】以上は吸着条件において吸着剤に流入する
排気の温度が吸着剤の温度とほぼ同等な場合であった。
【0045】次に、吸着条件において吸着剤に流入する
排気の温度と吸着剤の温度が相違する場合を説明する。
図3上段は、吸着条件においてたとえば冷間始動直後に
加速を行うことにより比較的高温の排気が低温状態にあ
る吸着剤に流入したときの、吸着剤の上流部温度と下流
部温度の温度変化を示したものである。図示のように、
上流部温度は吸着初期に吸着熱により昇温した後、温度
上昇が小さくなり入口排気温度に近づくものの、排気の
温度が高いため吸着剤の温度低下が起こらず、従って温
度ピークが発生しない。同様にして下流部温度にも温度
ピークが発生していない。
【0046】しかしながら、下流部温度の吸着熱による
急激な温度上昇時期は遅れている。そこでこのような条
件では、それぞれの温度を時間で微分すると、図3下段
のように、各温度の時間微分値にピークが生じる。つま
り、これら時間微分値も吸着熱による温度の急激な上昇
を示したものであり、吸着剤に劣化が生じてくると、下
流部温度の微分値のピークが、吸着剤に劣化が生じてな
いときよりも早期に生じる(図示しない)。したがっ
て、吸着条件において吸着剤に流入する排気の温度と吸
着剤の温度が相違する場合には、上記各温度の微分値の
ピーク発生時期を計測し、両者を比較することで、吸着
剤に劣化が生じたかどうかを判定することが可能とな
る。しかも、この場合には、劣化判定を温度的に安定し
た条件に限定する必要がない。
【0047】本発明では、このように吸着条件におい
て、 吸着剤に流入する排気の温度が吸着剤の温度とほぼ同
等な場合に上流部温度と下流部温度の各ピーク発生時期
を計測して両者を比較することにより、各温度センサの
温度検出の絶対値精度に影響されることなく、吸着剤の
劣化を高精度に判定することができ、また、 吸着剤に流入する排気の温度と吸着剤の温度が相違す
る場合に上流部温度の時間微分値と下流部温度の時間微
分値の各ピーク発生時期を計測して両者を比較すること
により、吸着剤に流入する排気と吸着剤の温度差に拘わ
らず、高価な温度センサを必要とすることなく吸着剤の
劣化を高精度に判定することができるのである。
【0048】これで本発明による吸着剤の劣化判定の原
理説明を終える。
【0049】コントロールユニット11で実行されるこ
の制御の内容を、以下のフローチャートに従って説明す
る。
【0050】図4のフローチャートは吸着剤に流入する
排気の温度が吸着剤の温度とほぼ同等であることを前提
として吸着剤の劣化判定を行うためのものである。図4
の処理はHCの吸着開始と同時にスタートし、一定時間
毎(たとえば1秒毎)に実行する。
【0051】なお、吸着剤5の上流部と下流部には、そ
れぞれ吸着剤5の内部温度を検出するセンサ13、14
(図1参照)が設けられており、これらの出力がコント
ロールユニット11に入力されている。
【0052】ステップ0では始動判定中かどうかを始動
判定フラグよりみて、始動判定中であれば、ステップ
3、4、5に進み、タイマTMに0を入れるとともに、
吸着剤の上流部温度T1を変数T1MAXに、吸着剤の
下流部温度T2を変数T2MAXに入れて、今回の処理
を終了する。ステップ3、4、5は初期値を設定する部
分である。
【0053】ステップ1、2では診断経験フラグ(始動
時に“0”に初期設定)をみる。このフラグは今回運転
時に吸着剤の劣化判定を経験したとき、後述するステッ
プ16で“1”となるフラグである。
【0054】始動後に吸着剤の劣化判定をまだ経験して
なければ、診断経験フラグ=0であるので、ステップ2
に進み、劣化診断許可フラグより劣化判定許可条件かど
うかをみる。この劣化判定許可フラグの設定については
図5のフローチャートにより説明する。
【0055】ステップ21ではHCの吸着を開始したか
どうかをみる。吸着を開始したかどうかは、たとえば始
動後に吸着剤の入口排気温度(センサ12により検出さ
れる排気温度を用いる)と所定値(約300℃)を比較
することにより行う(入口排気温度が所定値以下である
とき、吸着を開始したと判定)。
【0056】吸着を開始したときはステップ22に進
み、フラグFDより前回運転時のHCの脱離条件におい
て、HCが完全に脱離しているかどうかをみる。
【0057】ここで、フラグFD=1は前回運転時の脱
離条件においてHCが完全に脱離していることを、ま
た、FD=0は前回運転時の脱離条件においてHCの脱
離が未完了であることを表す。このフラグFDを設定す
るためのフローは省略するが、脱離条件でHCの脱離時
間を計測し、その脱離時間を所定値と比較することによ
り、脱離時間が所定値よりも長かったとき(つまりHC
の脱離が完了したとき)、フラグFDを“1”に、また
脱離時間が所定値よりも短かったとき(つまりHCの脱
離が未完了のとき)、フラグFDを“0”にそれぞれ設
定し、かつその設定結果をバックアップRAMに格納し
ておくことで、今回運転時にフラグFDみたとき、前回
運転時の脱離条件において、HCが完全に脱離している
かどうかが分かるのである。
【0058】FD=1のときは劣化判定を許可するた
め、ステップ23に進んで劣化判定許可フラグを“1”
に設定する。つまり、吸着剤が前回運転時の脱離条件に
おいて完全にHCの脱離を完了している場合にのみ、劣
化判定を行うことになる。
【0059】これに対して、FD=0のときはステップ
24に進み、劣化判定許可フラグを“0”に設定する。
つまり、吸着を開始していても、前回運転時にHCの脱
離が未完了のときは劣化判定を許可しない。これは、H
C吸着剤にHCが残ったままで劣化判定を行ったので
は、劣化していないのに劣化したと誤判定する可能性が
あるので、これを避けるためである。
【0060】なお、HCの吸着を開始していないとき
も、ステップ24に進んで劣化判定許可フラグを“0”
に設定することはいうまでもない。
【0061】図4に戻り、ステップ2で、劣化判定許可
条件でないときは、診断経験フラグ=1のときと同じに
そのまま今回の処理を終了する。
【0062】劣化判定許可条件になると、ステップ2よ
りステップ6に進み、タイマTMをインクリメントす
る。このタイマTMは劣化判定が許可されてからの経過
時間を計測するためのものである。
【0063】ステップ7では吸着剤のそのときの上流部
温度T1と変数T1MAXを比較し、T1MAX≧T1
であればステップ8に進んでそのときのタイマTMの値
を変数TM1MAXに移し、T1MAX<T1であると
きはステップ8を飛ばす。
【0064】上流部温度T1は、図2上段に示したよう
に、劣化判定開始より徐々に大きくなってピークをと
り、その後に減少していく値であるから、T1が上昇し
ていく間だけタイマTMの値が変数T1MAXに格納さ
れる。つまり、T1MAXは劣化判定開始タイミングよ
りT1がピークをとったタイミングまでの時間を表すこ
とになる(図2上段参照)。
【0065】続くステップ9、10では、ステップ7、
8と同様にして吸着剤のそのときの下流部温度T2と変
数T2MAXを比較し、T2MAX≧T2であるときだ
けタイマTMの値を変数TM2MAXに移す。TM2M
AXに劣化判定開始タイミングよりT2がピークをとっ
たタイミングまでの時間を格納するわけである(図2上
段参照)。
【0066】ステップ11、12では、今回吸着条件で
あるかどうか、前回は吸着条件であったかどうかをみ
る。今回吸着条件になく前回は吸着条件であったとき
(つまり吸着を終了したとき)だけステップ13に進
み、変数TM1MAXとTM2MAXの差DTMを計算
し、この時間差DTMをステップ14において基準値D
TM1と比較する。
【0067】ここで、DTM1は吸着剤の劣化を判定す
るための値であり、あらかじめ実験等で求めた値であ
る。DTM<DTM1であれば、吸着剤に劣化が生じた
と判断してステップ15に進み、ドライバーに吸着剤の
劣化を知らせるため警告ランプを点灯し、DTM≧DT
M1であるときは、吸着剤に劣化が生じてないと判断し
てステップ15を飛ばす。
【0068】ステップ16では診断経験フラグに“1”
を入れて今回の処理を終了する。このフラグの“1”へ
のセットにより次回からはステップ2へと進むことがで
きない。つまり、吸着剤の劣化判定は一運転当たり一回
の頻度で行うことになる。
【0069】このようにして第1実施形態では、吸着条
件において吸着剤に流入する排気の温度が吸着剤の温度
とほぼ同等であることを前提として、吸着剤の上流部温
度と下流部温度の各ピーク発生時期をそれぞれ計測し、
両者を比較することにより劣化判定を行うので、温度セ
ンサ13、14により温度の絶対値を精度よく検出する
ことは必要でなく、したがって、温度検出の絶対値精度
が高い高価な温度センサを必要とすることなく吸着剤の
劣化を高精度に判定することができる。
【0070】図6のフローチャートは第2実施形態で、
図4に対応する。なお、図4と同一の部分には同一のス
テップ番号をつけている。
【0071】第2実施形態は、吸着条件において吸着剤
に流入する排気の温度と吸着剤の温度が相違しているこ
とを前提とするものである。
【0072】図4と相違する部分を主に説明すると、始
動判定中は、ステップ0よりステップ31、32に進ん
で、変数DT1MAX、DT2MAXに初期値の0を入
れる。
【0073】診断経験フラグ=0かつ劣化判定許可条件
になると、ステップ33で吸着剤のそのときの上流部温
度T1の時間微分値DT1と変数DT1MAXを比較
し、DT1MAX≧DT1であるときだけステップ8に
進んで、そのときのタイマTMの値を変数TM1MAX
に移す。TM1MAXに、劣化判定開始タイミングより
T1の時間微分値がピークをとったタイミングまでの時
間を格納するわけである(図3下段参照)。
【0074】同様にして、ステップ34で吸着剤のその
ときの下流部温度T2の時間微分値DT2と変数DT2
MAXを比較し、DT2MAX≧DT2であるときだけ
ステップ10に進んで、そのときのタイマTMの値を変
数TM1MAXに移すことで、TM2MAXに、劣化判
定開始タイミングよりT2の時間微分値がピークをとっ
たタイミングまでの時間を格納する(図3下段参照)。
【0075】このようにして第2実施形態では、吸着剤
の上流部温度の時間微分値と下流部温度の時間微分値の
各ピーク発生時期を計測し、両者を比較することにより
吸着剤に劣化が生じたかどうかを判定するので、冷間始
動直後の吸着条件で急加速を行う場合など、吸着条件に
おいて吸着剤に流入する排気と吸着剤の間に温度差があ
る場合であっても、高価な温度センサを必要とすること
なく吸着剤の劣化を高精度に検出判定することができ
る。
【0076】なお、冷間始動直後の吸着条件における加
速によって、センサ12により検出される排気の温度が
300℃以上になれば吸着条件でなくなり(この点は図
5のフローに入れていない)、劣化判定が行われること
はない。
【0077】また、劣化判定開始時の吸着剤の入口排気
温度と吸着剤の内部温度との比較結果に応じて上記の第
1実施形態と第2実施形態のいずれかを選択することも
有効な手段である(第3実施形態)。すなわち、劣化判
定開始時に入口排気温度TEXHと吸着剤の上流部温度
T1の差DT(=TEXH−T1)を計算し、この温度
差DTと所定値(たとえば50℃)を比較し、その温度
差DTが所定値以下であれば吸着剤の内部温度にピーク
が生じるため、第1実施形態の劣化判定を行わせ、その
温度差DTが所定値を超えるときは吸着剤の内部温度に
ピークが生じない場合もあるので、内部温度の時間微分
値のピーク発生時期を用いる第2実施形態の劣化判定を
行わせる。これにより、第3実施形態では吸着剤に流入
する排気の温度と吸着剤そのものの温度との間に温度差
があろうとなかろうと、高価な温度センサを必要とする
ことなく高精度に吸着剤の劣化判定を行うことが可能と
なる。
【0078】図7の特性図は第4実施形態である。上記
3つの実施形態(第1実施形態と第2実施形態と第3実
施形態)の基準値DTM1が一定値であったのに対し
て、第4実施形態ではDTM1を吸着期間中の平均排気
流量に応じて設定したものである。図7のようにDTM
1の値を排気量が多くなるほど小さくするのは、排気量
が多くなるほど吸着剤に流れ込むHCの量が増加し、吸
着剤の上流部温度T1、下流部温度T2がピークをとる
タイミングが早くなるからである。
【0079】このように第4実施形態では、劣化を判定
するための基準値DTM1を、吸着期間中の平均排気量
に応じて設定することで、排気量(つまり吸着期間中の
運転条件(エンジンの負荷と回転数から定まる))が相
違しても、精度よく劣化判定を行うことができる。
【0080】なお、第4実施形態では、平均排気量を直
接検出することはせず、エンジンの吸入空気量を計測す
るエアフローメータの出力の平均値で代用している。
【0081】第1、第2、第3の各実施形態では、変数
TM2MAXとTM1MAXの差DTMと基準値DTM
1との比較により劣化判定を行っているが、変数TM1
MAXとTM2MAXの比、つまり、R=TM2MAX
/TM1MAXとし、この比Rとあらかじめ実験で求め
た基準値DTM2とを比較することにより R<DTM
2である場合に吸着剤に劣化が生じたと、またR≧DT
M2である場合に劣化が生じてないと判定する他の実施
形態(第5実施形態)が考えられる。この場合に、第4
実施形態で前述したように、吸着剤の上流部温度T1、
下流部温度T2がピークをとるタイミングが吸着期間中
の排気量に応じて変化するため、変数TM2MAXとT
M1MAXの比は吸着期間中の排気量に影響されず一定
値となる(吸着剤の劣化程度によってのみTM2MAX
とTM1MAXの比が変化する)。つまり、第5実施形
態では上記の基準値DTM2が固定値でよいことから、
DTM2を吸着期間中の排気量に応じたテーブルで設定
する必要がなく、これによって、第1、第2、第3の各
実施形態と同じに精度よく吸着剤の劣化判定を行うこと
ができるほか、メモリ容量を削減することができる。
【0082】なお、変数TM1MAXとTM2MAXの
比をR2=TM1MAX/TM2MAXとするときは、
この比R2とあらかじめ実験で求めた基準値DTM3と
の比較によりR2≧DTM3である場合に吸着剤に劣化
が生じたと、またR2<DTM3である場合に劣化が生
じてないと判定することはいうまでもない。
【0083】実施形態では、吸着剤がバイパス通路に設
けられている場合について説明したが、バイパス通路を
持たない排気系において、吸着剤をメインの排気管の途
中に設けている場合においても、吸着熱による内部温度
のピークが発生するので、本発明による吸着剤の劣化判
定を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態の制御システム図である。
【図2】吸着条件における吸着剤に流入する排気の温度
が吸着剤の温度とほぼ同等な場合の吸着剤の上流部温度
と下流部温度の各変化を示す波形図である。
【図3】吸着条件における吸着剤に流入する排気の温度
が吸着剤の温度と相違する場合の吸着剤の上流部温度と
下流部温度の各変化を示す波形図である。
【図4】吸着剤の劣化判定を説明するためのフローチャ
ートである。
【図5】劣化判定許可フラグの設定を説明するためのフ
ローチャートである。
【図6】第2実施形態の吸着剤の劣化判定を説明するた
めのフローチャートである。
【図7】第4実施形態の基準値DTM1の特性図であ
る。
【図8】第1の発明のクレーム対応図である。
【図9】第2の発明のクレーム対応図である。
【図10】第3の発明のクレーム対応図である。
【符号の説明】
2 排気管 5 吸着剤 11 コントロールユニット 12 排気温度センサ 13 上流部温度センサ 14 下流部温度センサ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 岡田 圭司 神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地 日 産自動車株式会社内 (56)参考文献 特開 平8−14035(JP,A) 特開 平6−101452(JP,A) 特開 平6−93843(JP,A) 特開 平6−58139(JP,A) 実開 平7−10418(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F01N 3/08 F01N 3/20 F01N 3/24

Claims (9)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】エンジン低温時にエンジンより排出される
    HCを吸着する吸着剤と、 この吸着剤の上流部と下流部の内部温度をそれぞれ検出
    するセンサと、 前記吸着剤が前記HCを吸着する条件にあるかどうかを
    判定する手段と、 この判定結果より吸着条件にあるとき前記各温度センサ
    出力のピーク発生時期を計測する手段と、 これらの2つのピーク発生時期の比較から前記吸着剤に
    劣化が生じたかどうかを判定する手段とを設けたことを
    特徴とするエンジンのHC吸着剤の劣化診断装置。
  2. 【請求項2】エンジン低温時にエンジンより排出される
    HCを吸着する吸着剤と、 この吸着剤の上流部と下流部の内部温度をそれぞれ検出
    するセンサと、 これらの温度センサ出力を時間でそれぞれ微分する手段
    と、 前記吸着剤が前記HCを吸着する条件にあるかどうかを
    判定する手段と、 この判定結果より吸着条件にあるとき前記各温度センサ
    出力の時間微分値のピーク発生時期を計測する手段と、 これら2つのピーク発生時期の比較から前記吸着剤に劣
    化が生じたかどうかを判定する手段とを設けたことを特
    徴とするエンジンのHC吸着剤の劣化診断装置。
  3. 【請求項3】エンジン低温時にエンジンより排出される
    HCを吸着する吸着剤と、 この吸着剤の上流部と下流部の内部温度をそれぞれ検出
    するセンサと、 これらの温度センサ出力を時間でそれぞれ微分する手段
    と、 前記吸着剤が前記HCを吸着する条件にあるかどうかを
    判定する手段と、 前記吸着剤の入口排気温度と前記上流部温度の差が所定
    値以下であるかどうかを判定する手段と、 これらの判定結果より吸着条件にありかつ吸着剤の入口
    排気温度と上流部温度の差が所定値以下である場合に前
    記各温度センサ出力のピーク発生時期を、また、吸着条
    件にありかつ吸着剤の入口排気温度と上流部温度の差が
    所定値を超えている場合に前記各温度センサ出力の時間
    微分値のピーク発生時期をそれぞれ計測する手段と、 前記吸着条件にありかつ前記吸着剤の入口排気温度と前
    記上流部温度の差が所定値以下である場合に前記温度セ
    ンサ出力の2つのピーク発生時期の比較から、また、前
    記吸着条件にありかつ前記吸着剤の入口排気温度と前記
    上流部温度の差が所定値を超えている場合に前記温度セ
    ンサ出力の時間微分値の2つのピーク発生時期の比較か
    ら前記吸着剤に劣化が生じたかどうかを判定する手段と
    を設けたことを特徴とするエンジンのHC吸着剤の劣化
    診断装置。
  4. 【請求項4】前記各温度センサ出力のピーク発生時期は
    吸着開始タイミングより前記温度センサ出力がピークを
    とったタイミングまでの時間であることを特徴とする請
    求項1または3に記載のエンジンのHC吸着剤の劣化診
    断装置。
  5. 【請求項5】前記各温度センサ出力の時間微分値のピー
    ク発生時期は吸着開始タイミングより前記温度センサ出
    力の時間微分値がピークをとったタイミングまでの時間
    であることを特徴とする請求項1または3に記載のエン
    ジンのHC吸着剤の劣化診断装置。
  6. 【請求項6】前記劣化判定手段は、前記2つのピーク発
    生時期の時間差と基準値との比較により2つのピーク発
    生時期の時間差が基準値未満である場合に吸着剤に劣化
    が生じていると、また2つのピーク発生時期の時間差が
    基準値以上である場合に吸着剤に劣化が生じていないと
    判定する手段であることを特徴とする請求項1から5ま
    でのいずれか一つに記載のエンジンのHC吸着剤の劣化
    診断装置。
  7. 【請求項7】前記基準値は前記HCの吸着期間中の排気
    量に応じた値であることを特徴とする請求項6に記載の
    エンジンのHC吸着剤の劣化診断装置。
  8. 【請求項8】前記2つのピーク発生時期の比較は前記2
    つのピーク発生時期の比と基準値との比較であることを
    特徴とする請求項1から5までのいずれか一つに記載の
    エンジンのHC吸着剤の劣化診断装置。
  9. 【請求項9】前回運転時に前記吸着剤からのHCの脱離
    が完了していない場合に前記劣化判定を中止することを
    特徴とする請求項1から8までのいずれか一つに記載の
    エンジンのHC吸着剤の劣化診断装置。
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