JP3648745B2 - 水性分散体及び防水剤 - Google Patents
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Description
本発明は、多孔性土木建築材料の表面に用いることにより、防水効果と美粧性とを長期間にわたって持続する水性分散体及び防水剤に関する。
背景技術
多孔性土木建築材料は、建築、建材等の種々の用途に広く用いられている。このような多孔性土木建築材料としては、例えば、打ち放しコンクリート、軽量コンクリート、プレキャストコンクリート、軽量気泡コンクリート(ALC)、石綿スレート、モルタル、ケイ酸カルシウム板、パルプセメント板、木毛セメント板、石膏ボード、ハードボード、しっくい、れんが、ブロック、タイル、石膏プラスター、ドロマイトプラスター、天然石、人工石、ガラスウール等の無機質材料系多孔性土木建築材料;木材、合板、パーチクルボード等の有機材料系多孔性土木建築材料等を挙げることができる。
これら多孔性土木建築材料は、厳重な防水処理を施さないと長期間を経るうちに水が内部に浸透し、膨張等によるクラックの原因となり、また内部に鉄筋等がある場合には、当該鉄筋の錆を誘発し、膨張によるクラックの原因となる。更に、防水処理が不完全であると表面にいわゆるぬれ色が生じて美粧性を低下させる原因となる。
多孔性土木建築材料の表面に被覆又は吸収させて当該材料の防水を防止する防水剤については、従来、有機ケイ素化合物等が用いられていたが、材料表面に長期間にわたって水が滞留する条件下で用いた場合に充分な防水性を発揮することができない欠点を有していた。
特開平3−232527号公報には、アルキルアルコキシシランを、溶剤を用いずに水性化することにより、コンクリート用の浸透性吸水防止剤として用いる技術が開示されている。このものは、防水効果を有するものとして公知のアルキルアルコキシシランを特定の乳化剤を用いて水性化することにより、有機溶剤による公害防止を図るとともに浸透性を獲得させて良好な防水性を得るものであるが、長期間にわたって効果を持続させるに乏しいものであった。
多孔性土木建築材料の美粧性についての研究も行われている。特開平5−124880号公報には、水性シリコーン化合物を主成分とする下塗り材、顔料を含有するか又は含有しないフッ素樹脂塗料からなる上塗り材を順次塗装する仕上げ方法が開示されている。この技術によれば、上記の防水性の持続効果のほか、例えば、コンクリートの打ちっぱなし調等の美粧性を付与することができるものであった。
しかしながら、この技術は、基材に二度塗りをしなければならず、現場において手間が掛かると同時に、再現性や品質維持性に問題の残るものであった。
特開平4−33942号公報にはフルオロオレフィン系水性樹脂分散体(A)と、フルオロアルキル系水性樹脂分散体(B)とを含有する水性塗料組成物が、耐候性、耐薬品性、耐汚染性等に優れた塗料として有用である旨が開示されている。しかしながらこの技術においてフルオロオレフィン系水性樹脂分散体(A)とは、フルオロオレフィンを主体とする各種のα,β−エチレン性不飽和化合物の乳化共重合体のことであり(同公報3頁右上欄10行以下)、フルオロアルキル系水性樹脂分散体(B)とは、フルオロアルキル基含有ビニル単量体を主体とする各種のビニル単量体の乳化共重合体のことであり(同公報4頁左下欄1行以下)、ともにその構成を限定されたものであって、しかもその奏する効果は、防水性を発揮させることまで至っていなかった。
特開平8−259892号公報には、合成樹脂エマルジョンとシリコン化合物及び/又はその部分加水分解縮合物の乳化物とからなる水性塗料用樹脂組成物が耐候性、耐水性に優れた塗膜を形成しうる旨が開示されている。しかしながらこの技術において用いられる合成樹脂エマルジョンは、ビニル系重合体等であり、得られる効果もまた耐候性、耐汚染性等に限定されるものであった。
発明の要約
上記の現状に鑑み、本発明は、水性の一液型であって塗装に簡便性があり、しかも美粧性と充分の防水性とを兼ね備えた多孔性土木建築材料用の水性分散体および防水剤を提供することを目的とするものである。
本発明の水性分散体は、下記一般式(I)
(式中、R1は炭素数1〜18の飽和アルキル基を表し、nが2以上の場合には同一であっても異なっていてもよい。R2は、炭素数1〜5の飽和アルキル基を表し、nが2以上の場合には同一であっても異なっていてもよい。nは、1〜9の整数を表す。)で表される有機ケイ素化合物(1)、及び、含フッ素樹脂水性分散体からなるフッ素含有樹脂(2)を含有してなり、上記有機ケイ素化合物(1)の上記フッ素含有樹脂(2)に対する固形分重量比は、(有機ケイ素化合物(1)):(フッ素含有樹脂(2))=50:50〜99:1であるものである。
本発明の防水剤は、上記水性分散体からなるものである。
発明の詳細な開示
以下に本発明を詳述する。
本発明の水性分散体は、有機ケイ素化合物(1)とフッ素含有樹脂(2)とを含有してなる。
まず、上記有機ケイ素化合物(1)について説明する。
上記有機ケイ素化合物(1)は、上記一般式(I)で表される。
上記R1で表される炭素数1〜18の飽和アルキル基としては特に限定されず、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基等を挙げることができ、これらは直鎖状であっても分岐状であってもよい。特に、炭素数5〜18の飽和アルキル基が好ましい。
上記R2で表される炭素数1〜5の飽和アルキル基としては特に限定されず、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基等を挙げることができ、これは直鎖状であっても分岐状であってもよい。
上記nは、1〜9の整数である。
上記有機ケイ素化合物(1)としては、更に具体的には、例えば、メチルトリメトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、プロピルトリメトキシシラン、ブチルトリメトキシシラン、ペンチルトリメトキシシラン、ヘキシルトリメトキシシラン、ヘプチルトリメトキシシラン、オクチルトリメトキシシラン、ノニルトリメトキシシラン、デシルトリメトキシシラン、ウンデシルトリメトキシシラン、ドデシルトリメトキシシラン、トリデシルトリメトキシシラン、テトラデシルトリメトキシシラン、ペンタデシルトリメトキシシラン、ヘキサデシルトリメトキシシラン、ヘプタデシルトリメトキシシラン、オクタデシルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、プロピルトリエトキシシラン、ブチルトリエトキシシラン、ペンチルトリエトキシシラン、ヘキシルトリエトキシシラン、ヘプチルトリエトキシシラン、オクチルトリエトキシシラン、ノニルトリエトキシシラン、デシルトリエトキシシラン、ウンデシルトリエトキシシラン、ドデシルトリエトキシシラン、トリデシルトリエトキシシラン、テトラデシルトリエトキシシラン、ペンタデシルトリエトキシシラン、ヘキサデシルトリエトキシシラン、ヘプタデシルトリエトキシシラン、オクタデシルトリエトキシシラン等を挙げることができる。
また、上記有機ケイ素化合物のダイマー等も、本発明に用いる有機ケイ素化合物(1)として使用することができ、このようなものとしては、上記一般式(I)において、nが2のもの等を挙げることができる。また更に、nが9までの整数のものであっても良い。
本発明の水性分散体を調製するにあたっては、上記有機ケイ素化合物(1)は、乳化して用いられる。このような乳化は、従来公知の方法によってすることができ、例えば、乳化剤を用いる方法等を挙げることができる。上記乳化剤としては特に限定されず、例えば、ノニオン性乳化剤、アニオン性乳化剤等を挙げることができる。
上記ノニオン性乳化剤としては特に限定されず、例えば、一般的なノニオン性乳化剤としては、グリセロールモノステアレート、グリセロールモノオレエート、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノバルミテート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンモノオレエート、ソルビタンモノトリオレート、ソルビタンモノセスキオレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノパルミテート、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート,ポリオキシエチレンソルビタンモノトリオレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノセスキオレート、ポリオキシエチレンソルビトールテトラオレート、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレン高級アルコールエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル等を挙げることができる。
また、上記ノニオン性乳化剤として、フッ素系乳化剤、シリコーン系乳化剤等を挙げることができる。上記フッ素系乳化剤としては、以下のフッ素含有樹脂(2)の項の説明で詳述するもの等を挙げることができる。上記シリコーン系乳化剤としては、例えば、下記の二つの一般式で表されるポリアルキレン変成ポリジメチルシロキサン化合物等を挙げることができる。
式中、Rは、水素又はアルキル基を表す。m2、n2、a2、b2、c2、d2、e2は、繰り返し数を示す整数を表す。
上記アニオン性乳化剤としては特に限定されず、例えば、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸アンモニウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、アルキルナフタレンスルホン酸ナトリウム、ジアルキルスルホコハク酸ナトリウム、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム、アルキルリン酸ジエタノールアミン塩、アルキルリン酸カリウム塩、ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸トリエタノールアミン、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸ナトリウム、アルカンスルホン酸ナトリウム、混合脂肪酸ソーダ石鹸、半硬化牛脂肪酸ソーダ石鹸、半硬化牛脂肪酸カリ石鹸、ステアリン酸ソーダ石鹸、オレイン酸カリ石鹸、ヒマシ油カリ石鹸、高級アルコール硫酸ナトリウム、β−ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物のナトリウム塩、特殊芳香族スルホン酸ホルマリン縮合物、特殊カルボン酸型界面活性剤、特殊ポリカルボン酸型界面活性剤、特殊ポリカルボン酸型高分子界面活性剤等を挙げることができる。
全乳化剤中のアニオン性乳化剤の割合は、格別限定されないが、0.01〜20重量%が好ましい。上記ノニオン性乳化剤のいずれか及び上記アニオン性乳化剤のいずれかは、それぞれを単独で用いても併用しても良いし、ノニオン性乳化剤とアニオン性乳化剤とを併用して用いても良いが、ノニオン性乳化剤のいずれか及び上記アニオン性乳化剤のいずれかを併用することが好ましい。また、ノニオン性乳化剤としては、ポリアルキレンオキサイド変成ポリジメチルシロキサン、フッ素化アルキル基含有ポリアルキレンオキサイドが好ましい。
上記乳化剤を用いて本発明の有機ケイ素化合物(1)を乳化する方法は特に限定されないが、例えば、上記有機ケイ素化合物(1)と上記乳化剤との混合物をホモミキサー等で高速攪拌させながら、これに水を少しずつ滴下することによって乳化することができる。このように攪拌した後に、完全に均一状態になっていれば、水の添加によって安定な乳化状の水性分散体を得ることができる。また、水を少しずつ加えてゆくと、始めは濃度と粘度とが高くなったり不溶物が生じたり、透明液になったりする場合があるが、水の量を次第に増やしてゆくと、均一な水性分散体とすることができる。
以上で有機ケイ素化合物(1)の説明を終えたので、以下にフッ素含有樹脂(2)について説明する。
上記フッ素含有樹脂(2)は、含フッ素樹脂水性分散体からなる。
また、上記フッ素含有樹脂(2)は、含フッ素樹脂からなるものであるか、又は、含フッ素樹脂と他樹脂との混合物からなる。上記他樹脂としては、例えば、アクリル樹脂、アクリルシリコーン樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、エステル系樹脂等を挙げることができるが、本発明の防水剤の安定性や耐久性の面からアクリル樹脂が好ましい。
上記の説明から明白なように、本明細書において、「フッ素含有樹脂」とは、上記「含フッ素樹脂」そのものか、又は、上記「含フッ素樹脂」と「他樹脂」との混合物を意味する。更に、本明細書において、「他樹脂」とは、アクリル樹脂、アクリルシリコーン樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、エステル系樹脂等を意味するが、好ましくは、アクリル樹脂のみを意味する。
上記他樹脂としてのアクリル樹脂については、後に詳述する。
上記含フッ素樹脂は、以下の4つに大別することができる。
フルオロオレフィンとビニル系単量体との共重合体からなる含フッ素樹脂(1)
フルオロオレフィンの共重合体からなる含フッ素樹脂(2)
フルオロオレフィンの単独重合体からなる含フッ素樹脂(3)
含フッ素樹脂水性分散体において、上記含フッ素樹脂(1)、上記含フッ素樹脂(2)又は上記含フッ素樹脂(3)とアクリル樹脂とがシード重合されてなる含フッ素樹脂(4)
上記の説明から明白なように、本明細書において、「含フッ素樹脂」とは、1種若しくは2種以上のフルオロオレフィンと1種若しくは2種以上のビニル系単量体との共重合体、2種以上のフルオロオレフィンの共重合体、又は、フルオロオレフィンの単独重合体を意味する。本明細書においては、更に、「含フッ素樹脂」とは、上記(1)〜(3)に加えて、後に詳述する「含フッ素樹脂水性分散体」において、上記含フッ素樹脂(1)、上記含フッ素樹脂(2)又は上記含フッ素樹脂(3)からなる樹脂粒子の存在下にアクリル系単量体により水性媒体中で複合樹脂を形成させることにより得られるアクリル樹脂がシード重合されてなる含フッ素樹脂(4)をも意味する。
以下に、本発明のフッ素含有樹脂を構成する他樹脂としてのアクリル樹脂について説明する。
上記アクリル樹脂としては、主鎖がアクリル系及び/又はメタクリル酸に起因する炭化水素鎖で構成されている重合体であれば特に限定されず、通常、アクリル系単量体の単独重合体、アクリル系単量体とこれと共重合可能なエチレン性不飽和二重結合を有する他の単量体との共重合体等を挙げることができる。
上記アクリル系単量体としては、アクリル酸及び/又はメタクリル酸(以下「(メタ)アクリル酸」ともいう)を含有するものであれば特に限定されず、例えば、アクリル酸、アクリル酸アルキルエステル、メタクリル酸、メタクリル酸アルキルエステル等を挙げることができる。
上記(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては特に限定されず、例えば、アルキル基の炭素数が1〜18のアクリル酸アルキルエステル、アルキル基の炭素数が1〜18のメタクリル酸アルキルエステル等を挙げることができる。
上記アルキル基の炭素数が1〜18のアクリル酸アルキルエステルとしては、例えば、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸i−プロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸i−ブチル、アクリル酸t−ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸n−ヘキシル、アクリル酸t−ブチルシクロヘキシル、アクリル酸ステアリル、アクリル酸ラウリル等を挙げることができる。
上記アルキル基の炭素数が1〜18のメタクリル酸アルキルエステルとしては、例えば、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−プロピル、メタクリル酸i−プロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸i−ブチル、メタクリル酸t−ブチル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸n−ヘキシル、メタクリル酸t−ブチルシクロヘキシル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸ラウリル等を挙げることができる。
上記アクリル系単量体には、耐溶剤性、耐水性向上の目的で、エチレングリコールジメタクリレート、プロピレングリコールジメタクリレート等の多官能性単量体を共重合することもできる。
上記アクリル酸エステル、上記メタクリル酸エステルと共重合可能なエチレン性不飽和結合を有する単量体としては、下記(I)及び下記(II)等を挙げることができる。
(I)反応性を有する官能基を持つ単量体、例えば、マレイン酸、無水イタコン酸、無水コハク酸、クロトン酸等のエチレン性不飽和カルボン酸類;アクリルアミド、メタクリルアミド、N−メチルアクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、N−ブトキシメチルアクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミド、N−メチルメタクリルアミド、N−ブトキシメチルメタクリルアミド等のアミド化合物;アクリル酸ヒドロキシエチル、メタクリル酸ヒドロキシエチル、アクリル酸ヒドロキシプロピル、メタクリル酸ヒドロキシプロピル等の水酸基含有単量体:アクリル酸グリシジル、メタクリル酸グリシジル等のエポキシ基含有単量体:γ−トリメトキシシランメタクリレート、γ−トリエトキシシランメタクリレート等のシラノール基含有単量体;アクロレイン等のアルデヒド基含有単量体;カプロラクトン変性ヒドロキシアクリレート、カプロラクトン変性ヒドロキシメタクリレート。
(II)その他ビニル化合物、例えば、エチレン、プロピレン、イソブチレン等のαオレフィン類;エチルビニルエーテル(EVE)、シクロヘキシルビニルエーテル(CHVE)、ヒドロキシブチルビニルエーテル(HBVE)、ブチルビニルエーテル、イソブチルビニルエーテル、メチルビニルエーテル、ポリオキシエチレンビニルエーテル等のビニルエーテル類;ポリオキシエチレンアリルエーテル、エチルアリルエーテル、ヒドロキシエチルアリルエーテル、アリルアルコール、アリルエーテル等のアルケニル類;酢酸ビニル、乳酸ビニル、酪酸ビニル、ピバリン酸ビニル、安息香酸ビニル、VEOVA9、VEOVA10(シェル社製)等のビニルエステル類;無水イタコン酸、無水コハク酸、クロトン酸等のエチレン性不飽和カルボン酸類;スチレン、αメチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン等の芳香族ビニル化合物類;アクリロニトリル等。
上記アクリル酸エステル、上記メタクリル酸エステルと共重合可能なエチレン性不飽和結合を有する単量体として、親水性部位を含む低分子量のポリマー又はオリゴマーを分子中に含む化合物を用いることもできる。上記親水性部位とは、親水性基を有する部位又は親水性の結合を有する部位、及び、これらの組み合せからなる部位を意味する。上記親水性基は、イオン性、非イオン性、両性及びこれらの組合せのいずれであってもよいが、非イオン性、アニオン性の親水性基が好ましい。また、公知の反応性乳化剤であってもよい。
上記アクリル酸エステル、上記メタクリル酸エステルと共重合可能なエチレン性不飽和結合を有する単量体、反応性乳化剤としては、例えば、ポリエチレングリコールメタクリレート、ポリプロピレングリコールメタクリレート、メトキシポリエチレングリコールメタクリレート、ポリエチレングリコールアクリレート、ポリプロピレングリコールアクリレート、メトキシポリエチレングリコールアクリレート、ポリエチレングリコールアリルエーテル、メトキシポリエチレングリコールアリルエーテル、ポリエチレングリコールポリプロピレングリコールモノメタクリレート、ポリエチレングリコールポリテトラメチレングリコールモノメタクリレート、ポリオキシエチレンアルキルアリルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアリルフェニルエーテル硫酸塩、スチレンスルホン酸塩、アリルアルキルスルホン酸塩、ポリエチレングリコールメタクリレート硫酸塩、アルキルアリルスルホコハク酸塩、ビス(ポリオキシエチレン多環フェニルエーテル)メタクリレート化硫酸エステル塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルアクリル酸エステル、メタクリロイルオキシポリオキシアルキレン硫酸エステル塩、メタクリロイルオキシアルキレン硫酸エステル塩、ポリオキシエチレンビニルエーテル、ポリオキシエチレンビニルエステル等を挙げることができる。
本発明のアクリル樹脂を取得するため、上記アクリル系単量体の単独重合体、上記アクリル系単量体とその他の共重合可能な単量体との共重合体を調製するための重合方法としては特に限定されず、従来公知の方法、例えば、乳化重合、懸濁重合、塊状重合等を適宜選択して用いることができる。また、重合後の重合体の分子量等についても、その用途を考慮して適宜選択することができる。
また、重合するにあたって用いる重合器、重合方法、重合開始剤、重合禁止剤、その他の助剤、乳化重合における乳化補助剤、界面活性剤、その他の添加剤等についても、従来公知のものを適宜選択して用いることができる。これらの選択にあたっては、取得されるアクリル樹脂が適切なものであれば、従来公知のいかなるものも使用することができる。
本発明のフッ素含有樹脂を構成するために混合するアクリル樹脂の混合量は、0〜90重量%がよく、特に好ましくは、0〜80重量%である。混合量が多すぎると、耐候性が悪くなる。
上記混合方法としては特に限定されず、通常知られた方法を用いることができる。
以上で、他樹脂としてのアクリル樹脂についての説明を終えた。
以下に、本発明のフッ素含有樹脂(2)に係る「含フッ素樹脂水性分散体」について説明する。
上記含フッ素樹脂水性分散体は、水性媒体中に含フッ素樹脂粒子が分散されてなる基本構造を有する。上記含フッ素樹脂水性分散体は、アクリル樹脂をシード重合した含フッ素樹脂水性分散体(2−1)と、アクリル樹脂をシード重合していない含フッ素樹脂水性分散体(2−2)とからなる。
上記含フッ素樹脂水性分散体(2−1)は、含フッ素樹脂粒子の存在下に、アクリル系単量体により水性媒体中でフッ素系複合樹脂を形成させることにより得られる。
上記水性媒体としては特に限定されず、水に後に詳述する添加剤や溶剤等を添加したもの等を挙げることができる。
上記アクリル樹脂をシード重合した含フッ素樹脂水性分散体(2−1)において、上記含フッ素樹脂粒子を構成する含フッ素樹脂は、フルオロオレフィンの共重合体である含フッ素樹脂(2)である。上記フルオロオレフィンの共重合体は、水性媒体中においては粒子状で分散されており、上記アクリル系単量体によりフッ素系複合樹脂を形成するときには、いわゆるシード重合により重合される。本明細書においては、「シード重合」とは、樹脂粒子の存在する水性媒体中において他の単量体と重合する反応を意味する。上記フッ素系複合樹脂は、従って、上記シード重合後のシード重合体を意味し、上記樹脂粒子は、シード重合におけるシード粒子を意味する。
以下に、フルオロオレフィンの共重合体である含フッ素樹脂(2)について説明する。
上記フルオロオレフィンとしては特に限定されず、例えば、ビニリデンフルオライド(VdF)、テトラフルオロエチレン(TFE)、クロロトリフルオロエチレン(CTFE)、ヘキサフルオロプロピレン(HFP)等を挙げることができる。上記フルオロオレフィンの共重合体としては特に限定されず、例えば、VdF/TFE共重合体、VdF/CTFE共重合体、VdF/HFP共重合体、TFE/CTFE共重合体、TFE/HFP共重合体、CTFE/HFP共重合体、VdF/TFE/CTFE共重合体、VdF/TFE/HFP共重合体、VdF/CTFE/HFP共重合体、VdF/TFE/CTFE共重合体、VdF/TFE/HFP共重合体、VdF/CTFE/HFP共重合体、TFE/CTFE/HFP共重合体、VdF/TFE/CTFE/HFP共重合体等を挙げることができる。
上記シード粒子を構成するフルオロオレフィンの共重合体としては、VdFとVdF以外のフルオロオレフィンとの共重合体であるVdF系共重合体が好ましく、更にVdFを70モル%以上含んでなる共重合体が好ましい。VdFが70モル%以上であると、シード粒子とアクリル系単量体からなる重合体との相溶性がよくなる。
上記シード粒子の平均粒子径は、シード重合後のフッ素系複合樹脂の平均粒子径と密接に関連しており、シード重合後のフッ素系複合樹脂の平均粒子径を50〜300nmとするため、40〜290nmにすることが好ましい。
上記シード粒子を構成する共重合体は、通常の乳化重合法によって得ることができる。例えば、親水性部位を有するフッ素系反応性乳化剤を水に対して0.01〜1.0重量%、フッ素系乳化剤を0〜1.0重量%それぞれ共存させて、上記フルオロオレフィンを含む単量体混合物を乳化重合させることにより調製することができる。
また、水に対して1.0重量%以下、好ましくは0.5重量%以下、より好ましくは0.2重量%以下(下限は通常0.01重量%)のフッ素系界面活性剤と水に対して0.001〜0.1重量%、好ましくは0.01〜0.05重量%のノニオン性非フッ素系界面活性剤との共存下に上記フルオロオレフィンを含む単量体混合物を乳化重合させることにより調製することができる。これらの方法により得られた水性分散液は、平均粒子径0.2μm以下のシード粒子を30〜50重量%の高濃度で安定に含むことができる。
上記親水性部位を有するフッ素系反応性乳化剤としては、例えば、CF2=CF−(CF2CFX)nY(式中、Xは、F又はCF3、Yは、SO3M、COOM(Mは、水素原子、アミン、アンモニウム又はアルカリ金属)、nは、整数を表す。)、CF2=CF−O(CFX)nY(式中、X、Y、nは上記と同じ。)、CH2=CF−CF2−O(CF(CF3)CF2O)n−CF(CF3)Y(式中、Y、nは、上記と同じ。)、CF2=CF−CF2−O(CF(CF3)CF2O)n−CF(CF3)Y(式中、Y、nは、上記と同じ。)で表される構造を有するもの等を挙げることができるが、水への溶解性と界面活性の点から、nは0〜3の範囲にあるものが好ましい。
より具体的には、CF2=CF−CF2−O(CF(CF3)CF2O)n−CF(CF3)COOHの構造で、nが0〜2のものが用いられる。
重合温度は、20〜120℃、好ましくは30〜70℃である。重合温度が20℃より低いと概して生成ラテックスの安定性が低くなり、重合温度が120℃より高いと連鎖移動による重合速度の失速が起こる傾向がある。重合は、重合体の種類にもよるが、通常、1.0〜50kgf/cm2(ゲージ圧)の加圧下に5〜100時間加熱されて行われる。
上記シード粒子の乳化重合に用いられる上記フッ素系乳化剤としては、構造中にフッ素原子を含み界面活性能を有する化合物の1種又は2種以上の混合物等を挙げることができる。例えば、X(CF2)nCOOH(nは、6〜20の整数、Xは、F又は水素原子を表す。)で表される酸及びそのアルカリ金属塩、アンモニウム塩、アミン塩又は第四アンモニウム塩;Y(CH2CF2)mCOOH(mは、6〜13の整数、Yは、F又は塩素原子を表す。)で表される酸及びそのアルカリ金属塩、アンモニウム塩、アミン塩又は第四アンモニウム塩等を挙げることができる。より具体的には、パーフルオロオクタン酸のアンモニウム塩、パーフルオロノナン酸のアンモニウム塩等を挙げることができる。その他、公知のフッ素系界面活性剤を使用することもできる。
シード粒子を得るときの乳化重合においては、フッ素系界面活性剤の存在下少量のノニオン性非フッ素系界面活性剤も用いることができ、その具体例としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル類、ポリオキシエチレンアルキルエステル類、ソルビタンアルキルエステル類、ポリオキシエチレンソルビタンアルキルエステル類、グリセリンエステル類及びその誘導体等を挙げることができる。
より具体的には、ポリオキシエチレンアルキルエーテル類としては、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンベヘニルエーテル等を挙げることができ、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル類としては、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル等を挙げることができ、ポリオキシエチレンアルキルエステル類としては、モノラウリル酸ポリエチレングリコール、モノオレイン酸ポリエチレングリコール、モノステアリン酸ポリエチレングリコール等を挙げることができ、ソルビタンアルキルエステル類としては、モノラウリン酸ポリオキシエチレンソルビタン、モノパルミチン酸ポリオキシエチレンソルビタン、モノステアリン酸ポリオキシエチレンソルビタン、モノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン等を挙げることができ、グリセリンエステル類としては、モノミリスチン酸グリセリル、モノステアリン酸グリセリル、モノオレイン酸グリセリル等を挙げることができる。
またこれらの誘導体としては、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシエチレンアルキルフェニル−ホルムアルデヒド縮合物、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸塩等を挙げることができる。特に好ましいものは、ポリオキシエチレンアルキルエーテル類及びポリオキシエチレンアルキルエステル類であって、HLB値が10〜18のものであり、具体的には、ポリオキシエチレンラウリルエーテル(EO:5〜20。EOはエチレンオキシドユニット数を表す。)、モノステアリン酸ポリエチレングリコール(EO:6〜10)である。
本発明に係る上記アクリル系単量体としては特に限定されず、例えば、アルキル基の炭素数が1〜18のアクリル酸アルキルエステル、アルキル基の炭素数が1〜18のメタクリル酸アルキルエステル、これらと共重合可能なエチレン性不飽和結合を有する単量体等を挙げることができる。
上記アルキル基の炭素数が1〜18のアクリル酸アルキルエステルとしては、例えば、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸i−プロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸i−ブチル、アクリル酸t−ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸n−ヘキシル、アクリル酸t−ブチルシクロヘキシル、アクリル酸ステアリル、アクリル酸ラウリル等を挙げることができる。
上記アルキル基の炭素数が1〜18のメタクリル酸アルキルエステルとしては、例えば、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−プロピル、メタクリル酸i−プロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸i−ブチル、メタクリル酸t−ブチル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸n−ヘキシル、メタクリル酸t−ブチルシクロヘキシル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸ラウリル等を挙げることができる。
また、耐溶剤性、耐水性向上の目的で、エチレングリコールジメタクリレート、プロピレングリコールジメタクリレート等の多官能性単量体を共重合することもできる。
上記アクリル酸エステル、上記メタクリル酸エステルと共重合可能なエチレン性不飽和結合を有する単量体としては、下記(I)及び下記(II)等を挙げることができる。
(I)反応性を有する官能基を持つ単量体、例えば、マレイン酸、無水イタコン酸、無水コハク酸、クロトン酸等のエチレン性不飽和カルボン酸類;アクリルアミド、メタクリルアミド、N−メチルアクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、N−ブトキシメチルアクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミド、N−メチルメタクリルアミド、N−ブトキシメチルメタクリルアミド等のアミド化合物;アクリル酸ヒドロキシエチル、メタクリル酸ヒドロキシエチル、アクリル酸ヒドロキシプロピル、メタクリル酸ヒドロキシプロピル等の水酸基含有単量体;アクリル酸グリシジル、メタクリル酸グリシジル等のエポキシ基含有単量体;γ−トリメトキシシランメタクリレート、γ−トリエトキシシランメタクリレート等のシラノール基含有単量体;アクロレイン等のアルデヒド基含有単量体;カプロラクトン変性ヒドロキシアクリレート、カプロラクトン変性ヒドロキシメタクリレート。
(II)その他ビニル化合物、例えば、エチレン、プロピレン、イソブチレン等のαオレフィン類;エチルビニルエーテル(EVE)、シクロヘキシルビニルエーテル(CHVE)、ヒドロキシブチルビニルエーテル(HBVE)、ブチルビニルエーテル、イソブチルビニルエーテル、メチルビニルエーテル、ポリオキシエチレンビニルエーテル等のビニルエーテル類;ポリオキシエチレンアリルエーテル、エチルアリルエーテル、ヒドロキシエチルアリルエーテル、アリルアルコール、アリルエーテル等のアルケニル類;酢酸ビニル、乳酸ビニル、酪酸ビニル、ピバリン酸ビニル、安息香酸ビニル、VEOVA9、VEOVA10(シェル社製)等のビニルエステル類;無水イタコン酸、無水コハク酸、クロトン酸等のエチレン性不飽和カルボン酸類;スチレン、αメチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン等の芳香族ビニル化合物類;アクリロニトリル等。
上記アクリル酸エステル、上記メタクリル酸エステルと共重合可能なエチレン性不飽和結合を有する単量体として、親水性部位を含む低分子量のポリマー又はオリゴマーを分子中に含む化合物を用いることもできる。上記親水性部位とは、親水性基を有する部位又は親水性の結合を有する部位、及び、これらの組み合せからなる部位を意味する。上記親水性基は、イオン性、非イオン性、両性及びこれらの組合せのいずれであってもよいが、非イオン性、アニオン性の親水性基が好ましい。また、公知の反応性乳化剤であってもよい。
上記アクリル酸エステル、上記メタクリル酸エステルと共重合可能なエチレン性不飽和結合を有する単量体、反応性乳化剤としては、例えば、ポリエチレングリコールメタクリレート、ポリプロピレングリコールメタクリレート、メトキシポリエチレングリコールメタクリレート、ポリエチレングリコールアクリレート、ポリプロピレングリコールアクリレート、メトキシポリエチレングリコールアクリレート、ポリエチレングリコールアリルエーテル、メトキシポリエチレングリコールアリルエーテル、ポリエチレングリコールポリプロピレングリコールモノメタクリレート、ポリエチレングリコールポリテトラメチレングリコールモノメタクリレート、ポリオキシエチレンアルキルアリルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアリルフェニルエーテル硫酸塩、スチレンスルホン酸塩、アリルアルキルスルホン酸塩、ポリエチレングリコールメタクリレート硫酸塩、アルキルアリルスルホコハク酸塩、ビス(ポリオキシエチレン多環フェニルエーテル)メタクリレート化硫酸エステル塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルアクリル酸エステル、メタクリロイルオキシポリオキシアルキレン硫酸エステル塩、メタクリロイルオキシアルキレン硫酸エステル塩、ポリオキシエチレンビニルエーテル、ポリオキシエチレンビニルエステル等を挙げることができる。
本発明において、上記アクリル系単量体を含フッ素樹脂粒子の存在下にシード重合させると、まず上記アクリル系単量体の含フッ素樹脂への膨潤が起こり、この時点で上記アクリル系単量体が均一溶解した水性分散体の状態となる。その後、重合開始剤を添加することによって上記アクリル系単量体が重合し、分子鎖のからまりあった相溶体粒子が形成される。上記アクリル系単量体が多官能性である場合には、相互侵入網目構造(IPN)を形成することもできる。上記多官能性アクリル系単量体としては、例えば、モノグリコールジメタクリレート、ジグリコールジメタクリレート等を挙げることができる。
上記アクリル系単量体のシード重合は、公知の方法、例えば、含フッ素樹脂粒子の存在下に反応系にアクリル系単量体の全量を一括して仕込む方法、アクリル系単量体の一部を仕込み反応させた後、残りを連続又は分割して仕込む方法、アクリル系単量体の全量を連続して仕込む方法等によって行うことができる。また、上記シード重合の重合条件は、通常の乳化重合と同様であって、例えば、含フッ素樹脂粒子を含む水性媒体中に、界面活性剤、重合開始剤、連鎖移動剤、場合によってはキレート化剤、pH調整剤及び溶剤等を添加し、10〜90℃の温度で0.5〜6時間反応を行うことにより重合することができる。
上記乳化重合の際に用いる界面活性剤としては、アニオン性、ノニオン性又はアニオン性−ノニオン性の組み合せを用いることができ、場合によっては両性界面活性剤を用いることもできる。
上記アニオン性界面活性剤としては、例えば、高級アルコール硫酸エステル、アルキルスルホン酸ナトリウム塩、アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム塩、コハク酸ジアルキルエステル、スルホン酸ナトリウム塩、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム塩等の炭化水素系アニオン性界面活性剤のほか、フルオロアルキルカルボン酸塩、フルオロアルキルスルホン酸塩、フルオロアルキル硫酸エステル等の含フッ素アニオン性界面活性剤等を挙げることができる。
上記ノニオン性界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル類、ポリオキシエチレンアルキルエステル類、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエステル類、ソルビタンアルキルエステル類、グリセリンエステル類及びその誘導体等を挙げることができる。
上記両性界面活性剤としては、例えば、ラウリルベタイン等を挙げることができる。
また、上記界面活性剤として、アクリル系単量体と共重合可能な、いわゆる反応性乳化剤等を用いることができ、更に、このような反応性乳化剤と上記乳化剤とを併用することもできる。
上記界面活性剤の使用量は、通常、アクリル系単量体100重量部あたり、0.05〜5.0重量部である。
上記シード重合の際に用いる重合開始剤としては、水性媒体中でフリーラジカル反応に供し得るラジカルを20〜90℃の間で発生するものであれば特に限定されず、場合によっては、還元剤と組み合せて用いることも可能である。このようなものとして、通常水溶性の重合開始剤としては、過硫酸塩、過酸化水素、還元剤としては、ピロ重亜硫酸ナトリウム、亜硫酸水素ナトリウム、L−アスコルビン酸ナトリウム、ロンガリット等を挙げることができる。油溶性の重合開始剤としては、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート(IPP)、過酸化ベンゾイル、過酸化ジブチル、アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)等を挙げることができる。
上記重合開始剤の使用量は、通常、アクリル系単量体100重量部あたり、0.05〜2.0重量部である。
上記シード重合の際に用いる連鎖移動剤としては、例えば、クロロホルム、四塩化炭素等のハロゲン化炭化水素;n−ドデシルメルカプタン、tert−ドデシルメルカプタン、n−オクチルメルカプタン等のメルカプタン類等を挙げることができる。上記連鎖移剤の使用量は、通常、アクリル系単量体100重量部あたり、0〜5.0重量部である。
上記シード重合の際に用いる溶剤は、作業性、防災安全性、環境安全性、製造安全性を損なわない範囲、例えば、20重量%以下の範囲で用いられ、例えば、メチルエチルケトン、アセトン、トリクロロトリフルオロエタン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、メチルカルビトール、エチルカルビトール、ブチルカルビトール、ジオキサン、ブチルカルビトールアセテート、テキサノール、酢酸エチル、酢酸ブチル等を挙げることができる。
このような溶剤の添加によって含フッ素樹脂粒子へのアクリル系単量体の膨潤性が改良されることがある。
本発明の含フッ素樹脂粒子の含フッ素樹脂水性分散体中での粒子径は、50〜300nmが好ましい。より好ましくは、50〜200nmである。
上記粒子径が50nm未満であると、濃度が実用的範囲である30%以上において含フッ素樹脂水性分散液の粘度が著しく増大し、塗料化の作業に支障を来す。上記粒子径が300nmを超えると、得られる含フッ素樹脂水性分散体の沈降安定性が悪くなり、同じ組成の樹脂構成であっても、含フッ素樹脂水性分散体の最低成膜温度の上昇を招くこととなる。
上に詳述した含フッ素樹脂水性分散体(2−1)のほか、本発明に係る含フッ素樹脂水性分散体は、含フッ素樹脂水性分散体(2−2)からなる。上記含フッ素樹脂水性分散体(2−2)は、アクリル樹脂をシード重合していない含フッ素樹脂水性分散体である。
上記含フッ素樹脂水性分散体(2−2)は、水性媒体中に含フッ素樹脂粒子が分散されてなる基本構造を有する。上記含フッ素樹脂粒子を構成する含フッ素樹脂は、フルオロオレフィンの共重合体からなる含フッ素樹脂(2)であるか、又は、フルオロオレフィンとビニル系単量体との共重合体からなる含フッ素樹脂(1)である。上記フルオロオレフィンの共重合体からなる含フッ素樹脂(2)は、既に含フッ素樹脂水性分散体(2−1)の箇所で説明したものと同一のものである。
上記フルオロオレフィンとビニル系単量体との共重合体からなる含フッ素樹脂(1)としては、好ましくは、下記のものである。
上記含フッ素樹脂(1)を構成する上記フルオロオレフィンとしては、フッ化ビニル(VF)、ビニリデンフルオライド(VdF)、テトラフルオロエチレン(TFE)、クロロトリフルオロエチレン(CTFE)、ヘキサフルオロプロピレン(HFP)、トリフルオロエチレン(TrFE)等の炭素数2〜4程度のフルオロオレフィン等を挙げることができる。
上記ビニル系単量体としては、エチレン、プロピレン、イソブチレン等のオレフィン類;エチルビニルエーテル(EVE)、シクロヘキシルビニルエーテル(CHVE)、ヒドロキシブチルビニルエーテル(HBVE)、ブチルビニルエーテル、イソブチルビニルエーテル、メチルビニルエーテル、ポリオキシエチレンビニルエーテル等のビニルエーテル類;ポリオキシエチレンアリルエーテル、エチルアリルエーテル、ヒドロキシエチルアリルエーテル、アリルアルコール、アリルエーテル等のアルケニル類;酢酸ビニル、乳酸ビニル、酪酸ビニル、ピバリン酸ビニル、安息香酸ビニル、VEOVA9(シェル社製)、VEOVA10(シェル社製)等のビニルエステル類、無水イタコン酸、無水コハク酸、クロトン酸等のエチレン性不飽和カルボン酸類等を挙げることができる。
上記フルオロオレフィンとビニル系単量体との共重合体からなる含フッ素樹脂(1)としては、CTFE/ビニルエーテル共重合体、CTFE/ビニルエステル共重合体、TFE/ビニルエーテル共重合体、TFE/ビニルエステル共重合体、TFE/エチレン共重合体、TFE/プロピレン共重合体、CTFE/エチレン共重合体、CTFE/プロピレン共重合体、CTFE/エチレン/ビニルエーテル共重合体、CTFE/エチレン/ビニルエステル共重合体、及び、それらの共重合体を少量の共重合可能な単量体により変性したもの等を挙げることができる。
上記含フッ素樹脂水性分散体(2−2)は、例えば、溶剤中等で上記含フッ素樹脂粒子を構成する含フッ素樹脂を重合して得た後、乳化剤の存在下、水中に分散し、溶剤を留去する相転換法、上記含フッ素樹脂粒子を構成する含フッ素樹脂の乳化重合を水性媒体中で行う方法等を挙げることができるが、溶剤の削減と工程の簡略化のためには、水性媒体中で乳化重合を行う方法が好ましい。
上記乳化重合は、通常行われる乳化重合と同様の方法により行うことができ、例えば、密閉容器中、水性媒体中で、界面活性剤、重合開始剤、連鎖移動剤、場合によってはキレート化剤、pH調整剤及び溶剤等の存在下、フルオロオレフィン、フルオロオレフィンと共重合可能な単量体等の単量体を10〜90℃の温度で0.5〜40時間反応させることにより得ることができる。
上記界面活性剤としては、アニオン性、ノニオン性又はアニオン性−ノニオン性の組み合せを用いることができ、場合によっては両性界面活性剤を用いることもできる。
上記アニオン性界面活性剤としては、例えば、高級アルコール硫酸エステル、アルキルスルホン酸ナトリウム塩、アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム塩、コハク酸ジアルキルエステルスルホン酸ナトリウム塩、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム塩等の炭化水素系アニオン性界面活性剤のほか、フルオロアルキルカルボン酸塩、フルオロアルキルスルホン酸塩、フルオロアルキル硫酸エステル等の含フッ素アニオン性界面活性剤等を挙げることができる。
上記ノニオン性界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル類、ポリオキシエチレンアルキルエステル類、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエステル類、ソルビタンアルキルエステル類、グリセリンエステル類及びその誘導体等を挙げることができる。
上記両性界面活性剤としては、例えば、ラウリルベタイン等を挙げることができる。
また、上記界面活性剤として、いわゆる反応性乳化剤等を用いることができ、更に、このような反応性乳化剤と上記乳化剤とを併用することもできる。
上記乳化重合の際に用いる重合開始剤としては、水性媒体中でフリーラジカル反応に供し得るラジカルを10〜90℃の間で発生するものであれば特に限定されず、場合によっては、還元剤と組み合せて用いることも可能である。このようなものとして、通常水溶性の重合開始剤としては、過硫酸塩、過酸化水素、還元剤としては、ピロ重亜硫酸ナトリウム、亜硫酸水素ナトリウム、L−アスコルビン酸ナトリウム、ロンガリット等を挙げることができる。油溶性の重合開始剤としては、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート(IPP)、過酸化ベンゾイル、過酸化ジブチル、アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)等を挙げることができる。
上記乳化重合の際に用いる連鎖移動剤としては、例えば、クロロホルム、四塩化炭素等のハロゲン化炭化水素;n−ドデシルメルカプタン、tert−ドデシルメルカプタン、n−オクチルメルカプタン等のメルカプタン類等を挙げることができる。
上記乳化重合の際に用いる溶剤は、作業性、防災安全性、環境安全性、製造安全性を損なわない範囲内、例えば、20重量%以下の範囲で用いられ、例えば、メチルエチルケトン、アセトン、トリクロロトリフルオロエタン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、エチルセロリルブ、ブチルセロソルブ、メチルカルビトール、エチルカルビトール、ブチルカルビトール、ジオキサン、ブチルカルビトールアセテート、テキサノール、酢酸エチル、酢酸ブチル等を挙げることができる。
以上で、本発明に係る「含フッ素樹脂水性分散体」についての説明を終えた。
繰り返しになるが、本発明のフッ素含有樹脂(2)は、含フッ素樹脂と他樹脂との混合物であってもよいので、以上で説明した「含フッ素樹脂水性分散体」を本発明のフッ素含有樹脂の一つの形態として用いる場合には、いずれの含フッ素樹脂水性分散体であっても、当該含フッ素樹脂水性分散体そのもののほか、他樹脂、好ましくはアクリル樹脂との混合物である場合も本発明のフッ素含有樹脂(2)の一つとなる。
以上で、本発明のフッ素含有樹脂(2)についての説明を終えた。これまでの説明を以下に要約して記載する。
(1)本発明のフッ素含有樹脂は、含フッ素樹脂からなるものであるか、又は、含フッ素樹脂と他樹脂との混合物からなるものである。
(2)本発明のフッ素含有樹脂を構成する上記他樹脂は、アクリル樹脂であることが好ましい。
(3)本発明のフッ素含有樹脂を構成する含フッ素樹脂の1種は、フルオロオレフィンとビニル系単量体との共重合体である。この場合においても、当該フッ素含有樹脂は、含フッ素樹脂からなるものであるか、又は、含フッ素樹脂と他樹脂(特にアクリル樹脂)との混合物からなるものである。
(4)本発明のフッ素含有樹脂を構成する含フッ素樹脂の1種は、フルオロオレフィンの共重合体である。この場合においても、当該フッ素含有樹脂は、含フッ素樹脂からなるものであるか、又は、含フッ素樹脂と他樹脂(特にアクリル樹脂)との混合物からなるものである。
(5)上記(4)の場合において、当該フルオロオレフィンの共重合体は、ビニリデンフルオライドとビニリデンフルオライド以外のフルオロオレフィンとの共重合体であることが好ましい。この場合においても、当該フッ素含有樹脂は、含フッ素樹脂からなるものであるか、又は、含フッ素樹脂と他樹脂(特にアクリル樹脂)との混合物からなるものである。
以上でフッ素含有樹脂の構成についての詳細な説明を終えた。
以上で有機ケイ素化合物(1)及びフッ素含有樹脂(2)の説明を終えたので、これらを含有する本発明の水性分散体について説明する。
本発明の水性分散体は、上記有機ケイ素化合物(1)の水性分散体と含フッ素樹脂水性分散体からなる上記フッ素含有樹脂(2)とを混合することにより得ることができる。上記混合は通常の方法を適宜選択して行うことができ、例えば、ホモミキサー等の攪拌機を用いて二つを攪拌することにより得ることができる。
上記の二つの混合割合は、固形分重量比にして、(有機ケイ素化合物(1)):(フッ素含有樹脂(2))=50:50〜99:1となるような割合とする。フッ素含有樹脂(2)の量が少なすぎると耐久性が低下して経時での防水効果の低下を招き、フッ素含有樹脂(2)の量が多すぎると、基材のもつ自然な風合いや外観が損なわれる。より好ましくは、60:40〜97:3であり、特に好ましくは、70:30〜95:5である。
本発明の防水剤は、上記のようにして得られる本発明の水性分散体からなるものである。
本発明の防水剤には、被膜形成組成物が形成する塗膜の耐久性、耐溶剤性を更に向上させる目的で、所望により、硬化剤を添加させてもよい。上述したように、上記フッ素含有樹脂(2)が含有しているアクリル樹脂は官能基を有するものである場合があり、そのような場合には、当該フッ素含有樹脂(2)は硬化剤と反応する官能基を有している。上記硬化剤としては特に限定されず、例えば、イソシアネート系硬化剤、メラミン系硬化剤等を挙げることができる。
本発明の防水性が極めて良好な防水性と美粧性とを有する理由は必ずしも明らかではないが、上記のようにして量比を限定された有機ケイ素化合物(1)が優れた撥水効果を獲得するとともに、同時に含有されるフッ素含有樹脂(2)が長期間の使用にも耐えうる持続性を付与するものと考えられる。
本発明の防水剤を調製するにあたっては、上記のほか、更に、適宜添加剤を含有させることができる。このような添加剤としては特に限定されず、例えば、顔料、防腐剤、抗菌剤、防黴剤、難燃剤、表面調整剤、硬化触媒、粘度調整剤、レベリング剤、紫外線吸収剤、皮バリ防止剤、分散剤、消泡剤等のような通常用いられる公知の添加剤等を挙げることができ、またこれらの添加量も特に限定されず、通常の添加量を採用することができる。
本発明の防水剤に、抗菌剤(防腐剤、防カビ剤)を添加する場合には、防腐・防カビ用の塗膜としての効果を同時に発揮することができる。更に、添加剤の種類によっては、汚水汚染防止用剤等としても適用することができる。このような防黴効果を有する防水剤もまた、本発明の一つである。
上記抗菌剤としては特に限定されず、例えば、ノプコサイドSN−135(サンノプコ社製)、ノプコサイドN−54−D(同)、マリンサイドSN−70718(同)、ノプコサイドSN−215(同)、ノプコサイド96(同)、デルトップ(武田薬品工業社製)、スラオフS(同)、スラオフ95(同)、デルトップ110(同)、コートサイドD(同)、コートサイド55D(同)、モニサイドWG(同)、スラオフAB(同)、スラルゲンL(同)、バイカムAK−LN(大塚化学社製)、バイカムAK−LS(同)等を挙げることができる。
本発明の防水剤を塗装してなる塗装物品もまた、本発明の一つである。
上記塗装物品としては、種々のものを挙げることができるが、例えば、表面が多孔質であるもの等を挙げることができる。このように表面が多孔質である多孔性土木建築材料としては、例えば、打ち放しコンクリート、軽量コンクリート、プレキャストコンクリート、軽量気泡コンクリート(ALC)等のコンクリート;石綿スレート、モルタル、ケイ酸カルシウム板、パルプセメント板、木目セメント板、石膏ボード、ハードボード、しっくい、れんが、ブロック、タイル、石膏プラスター、ドロマイトプラスター、天然石、人工石、ガラスウール等の無機質材料系多孔性土木建築材料;木材、合板、パーチクルボード等の有機材料系多孔性土木建築材料等を挙げることができる。なかでも、コンクリートが好適に用いられる。
本発明の防水剤が有する優れた効果は、主として、コンクリート構造体が外部と接する箇所において発揮されるものであることを考えると、上記コンクリートに対しては、例えば、既に構築されているコンクリート構造物の表面部分に本発明の防水剤を塗装する方法も用いることができる。
本発明の防水剤を塗装したコンクリートは、優れた防水性効果を有することから、これらの性質を積極的に活用しうる分野において有用である。例えば、常時水と接する護岸用ブロック、冷却導入水路、養殖用水槽、貯水槽等の水処理施設;美粧性が重要なプレハブ車庫、プレハブ住宅、コンクリートかわら、車体支持床等のその外の形成品等を挙げることができ、これら自体及びこれらの表面を覆う用途等として活用することができる。
発明を実施するための最良の形態
以下に実施例を掲げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるものではない。
有機ケイ素化合物(1)の調製
合成例1
n−ヘキシルトリエトキシシラン20g、ポリオキシエチレンステアリルエーテル4g及びラウリン酸ナトリウム0.02gを混合し1500rpmで高速攪拌してこれに水80gを徐々に加えることによって白色水性エマルジョンを得た。このものを表1中、有機ケイ素化合物(1)の「A」と表示した。
合成例2
n−オクチルトリエトキシシラン20g、ポリオキシエチレンステアリルエーテル4g及びラウリン酸ナトリウム0.02gを混合し1500rpmで高速攪拌してこれに水80gを徐々に加えることによって白色水性エマルジョンを得た。このものを表1中、有機ケイ素化合物(1)の「B」と表示した。
合成例3
エチルトリエトキシシラン20g、ポリオキシエチレンステアリルエーテル4g及びラウリン酸ナトリウム0.02gを混合し1500rpmで高速攪拌してこれに水80gを徐々に加えることによって白色水性エマルジョンを得た。このものを表1中、有機ケイ素化合物(1)の「C」と表示した。
フッ素含有樹脂(2)の調製
合成例4
内容量1Lの攪拌機付耐圧反応容器に、脱イオン水500mL、パーフルオロオクタン酸アンモニウム塩0.5g、及び、CH2=CF−CF2−OCF(CF3)CF2O−CF(CF3)COOHで表される構造の反応性乳化剤5.0gを仕込み、窒素ガスの圧入、脱気を繰り返して、溶存空気を除去した後、VdF/TFE/CTFEの74/14/12モル%比の混合モノマーを、60℃で容器の内圧が8kgf/cm2になるまで圧入した。次に、酢酸エチル1.5gを圧入し、さらに、過硫酸アンモニウム0.2gを仕込み、容器の内圧が8kgf/cm2で一定となるように上記混合モノマーを連続して供給し、45時間重合を行った後、容器内を常温、常圧に戻して重合を終了し、共重合体水性分散液を得た。元素分析の結果、VdF/TFE/CTFE=74/14/12(モル%)の共重合体が得られたことが判った。このものを「共重合体水性分散液S」と称する。
上記の「共重合体水性分散液S」70gを、攪拌翼、冷却管、温度計を備えた内容量200mLの四つ口フラスコに仕込み、これにJS2(三洋化成工業社製)を上記の「共重合体水性分散液S」の固形分に対して0.5重量%となる量添加した。攪拌下に水浴中で加温し、容器内温度が80℃に達したところで、メタクリル酸メチル(MMA)10g、メタクリル酸シクロヘキシル(CHMA)1.2g、PKA5003(日本油脂社製)1.5g及びチオグリコール酸イソオクチルエステル0.3gをJS2の0.5重量%水溶液で乳化したエマルジョンを1時間かけて滴下した。直後に、過硫酸アンモニウムの2重量%水溶液1mLを添加し反応を開始した。反応開始後3時間後に、容器内温度を85℃に上げ、1時間保持した後冷却し、アンモニア水でpHを7に調整したのちに、300メッシュの金網で濾過して青白色の含フッ素樹脂水性分散体を得た。このものに、造膜助剤として、アジピン酸ジエチルを固形分比5重量%含有させ、フッ素含有樹脂(2)の「A」と表示して、実施例に用いた。
合成例5
四つ口フラスコにラウリルスルホン酸ナトリウム3重量部、イオン交換水160重量部を仕込んで、窒素気流中で60℃まで昇温し、ついで過硫酸アンモニウム0.5重量部、亜硫酸水素ナトリウム0.2重量部を添加し、メタクリル酸メチル/メタクリル酸エチル/メタクリル酸n−ブチル=63/30/7(モル%)の混合物100重量部を3時間かけて滴下した。滴下反応時の温度は、60〜70℃に制御した。
滴下終了後も2時間の間、同温度範囲内で攪拌を続行し反応を続けてから冷却した。その後、15%アンモニア水でpHを8〜9に調整し、固形分30%の安定なエマルジョンを得た。このものを「アクリルエマルジョン樹脂」と称する。
上記の「アクリルエマルジョン樹脂」と、上記の「共重合体水性分散液S」とを、固形分比で3:7となるように、常法により混合し、水性樹脂分散体を得た。続いて、このものに、造膜助剤として、アジピン酸ジエチルを固形分比5重量%含有させ、フッ素含有樹脂(2)の「B」と表示して、実施例に用いた。
合成例6
200ミリリットルのステンレス製攪拌機付きオートクレーブに、シクロヘキシルビニルエーテル(CHVE)17.8g、ポリオキシエチレンアリルエーテル(POEAE、日本油脂社製、商品名PKA5003)4.2g、エチルビニルエーテル(EVE)6.1g、イオン交換水66.1g、パーフルオロオクタン酸アンモニウム(乳化剤)0.3g、炭酸カリウム0.35g、亜硫酸水素ナトリウム0.02g、過硫酸アンモニウム(開始剤)0.08gを仕込み、氷で冷却して窒素ガスを3.5kgf/cm2となるように加圧し脱気した。この加圧脱気を2回繰り返した後、10mmHgまで脱気して溶存酸素を除去した後、クロロトリフルオロエチレン(CTFE)27.5gを仕込み、30℃で12時間反応を行い、水性樹脂分散体を得た。このものに、造膜助剤として、アジピン酸ジエチルを固形分比5重量%含有させ、フッ素含有樹脂(2)の「C」と表示して、実施例に用いた。
合成例7
上記の「アクリルエマルジョン樹脂」に、造膜助剤として、アジピン酸ジエチルを固形分比5重量%含有させて、水性樹脂分散体を得た。このものはフッ素含有樹脂ではないが、実施例記載の都合上、フッ素含有樹脂(2)の「D」と表示して、実施例に用いた。
実施例及び比較例
基材としてコンクリートを採用して、当該コンクリートの表面に、各被検物を固形分で5g/m2塗布した後、以下のようにして外観及び対水接触角を求めた。その後、SWOM(サンシャインウェザオメーター)1000時間試験を行った後、同様に外観及び対水接触角を求めた。結果を表1に示した。
外観
基材であるコンクリートの表面について、日本電色工業社製の測定機を用いて色度を測定した。各被検物を塗布した後、乾燥させて、同様に色度を測定した。そして、その色差(ΔE)を求め、以下のように評価した。
SWOM試験前
○:塗装乾燥後の未塗装板との色差が、1未満である
○△:塗装乾燥後の未塗装板との色差が、1〜2である
△:塗装乾燥後の未塗装板との色差が、2〜4である
×:塗装乾燥後の未塗装板との色差が、4を超える
SWOM試験後
○:未塗装板との色差が、1未満である
○△:未塗装板との色差が、1〜2である
△:未塗装板との色差が、2〜4である
×:未塗装板との色差が、4を超える
対水接触角の測定
上記と同様に、各被検物の塗布前及び塗布乾燥後の対水接触角を求めた。測定は、液滴法により行った。協和界面科学社製CA−DT型測定機を用いた。
産業上の利用可能性
本発明の防水剤は、上述の構成よりなるので、優れた防水性と美粧性とを兼ね備え、多孔性土木建築材料の防水剤として極めて好適である。
Claims (16)
- 下記一般式(I)
フッ素含有樹脂(2)の水性分散体
を混合することにより得られる水性分散体であって、
上記フッ素含有樹脂(2)は、アクリル樹脂をシード重合した含フッ素樹脂からなるものであり、
上記有機ケイ素化合物(1)の上記フッ素含有樹脂(2)に対する固形分重量比は、(有機ケイ素化合物(1)):(フッ素含有樹脂(2))=60:40〜97:3であることを特徴とする水性分散体。 - フッ素含有樹脂(2)は、含フッ素樹脂からなるものであるか、又は、含フッ素樹脂と他樹脂との混合物からなるものである請求項1記載の水性分散体。
- 他樹脂は、アクリル樹脂である請求項2記載の水性分散体。
- 含フッ素樹脂は、フルオロオレフィンとビニル系単量体との共重合体である請求項2又は3記載の水性分散体。
- 含フッ素樹脂は、フルオロオレフィンの共重合体である請求項2又は3記載の水性分散体。
- フルオロオレフィンの共重合体は、ビニリデンフルオライドとビニリデンフルオライド以外のフルオロオレフィンとの共重合体である請求項5記載の水性分散体。
- R1は、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基又はオクチル基である請求項1、2、3、4、5又は6記載の水性分散体。
- 下記一般式(I)
フッ素含有樹脂(2)の水性分散体
を混合することにより得られる水性分散体であって、
上記フッ素含有樹脂(2)は、含フッ素樹脂からなるものであるか、又は、含フッ素樹脂と他樹脂との混合物からなるものであり、
上記含フッ素樹脂は、樹脂粒子の存在下にアクリル系単 量体により水性媒体中で複合樹脂を形成させることによ り得られる、アクリル樹脂がシード重合されてなる含フ ッ素樹脂(4)であり、
上記樹脂粒子は、フルオロオレフィンとビニル系単量体との共重合体からなる含フッ素樹脂(1)又はフルオロオレフィンの共重合体からなる含フッ素樹脂(2)から なるものであり、
上記有機ケイ素化合物(1)の上記フッ素含有樹脂(2)に対する固形分重量比は、(有機ケイ素化合物(1)):(フッ素含有樹脂(2))=50:50〜99:1であることを特徴とする水性分散体。 - 他樹脂は、アクリル樹脂である請求項8記載の水性分散体。
- フルオロオレフィンの共重合体は、ビニリデンフルオライドとビニリデンフルオライド以外のフルオロオレフィンとの共重合体である請求項8又は9記載の水性分散体。
- R1は、炭素数5〜18の飽和アルキル基である請求項8、9又は10記載の水性分散体。
- R1は、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基又はオクチル基である請求項8、9、10又は11記載の水性分散体。
- 請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11又は12記載の水性分散体からなることを特徴とする防水剤。
- 請求項13記載の防水剤を塗装してなることを特徴とする塗装物品。
- 塗装物品は、表面が多孔質基材である請求項14記載の塗装物品。
- 多孔質基材は、コンクリートである請求項15記載の塗装物品。
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