JP3647278B2 - 基板熱処理装置および基板熱処理方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、基板に所定の熱処理を行う基板熱処理装置および基板熱処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
半導体ウエハ、フォトマスク用ガラス基板、液晶表示装置用ガラス基板、光ディスク用基板等の基板の処理工程の1つに、基板上にレジストパターンを形成するフォトリソグラフィ工程がある。フォトリソグラフィ工程では、基板上にレジスト液が回転塗布された後、プリべーク処理、露光処理および現像処理がそれぞれ行われる。
【0003】
プリベーク処理とは、基板上に塗布されたレジスト液中の余分な溶媒を蒸発させるための処理であり、基板熱処理装置を用いて行われる。
【0004】
図4は従来の基板熱処理装置の概略構成を示す模式的断面図である。図4において、基板熱処理装置は、基板搬入出口2を有する筐体1を備える。筐体1の基板搬入出口2には、シャッタ3が駆動装置4により開閉自在に設けられている。
【0005】
筐体1内には加熱プレート5が設けられている。加熱プレート5にはヒータ等の熱源が内蔵されており、その上面には基板Wの裏面を支持する3つの球状スペーサ6が設けられている。
【0006】
筐体1内の上部には、複数の孔23を有する天板22が筐体1の上面と間隔を隔てて設けられている。加熱プレート5と天板22との間には処理空間30が形成されている。筐体1の上面には、窒素ガス等の不活性ガスを供給する給気管路8が接続されており、筐体1の上面と天板22との間にはガス導入空間21が形成されている。不活性ガスは給気管路8からガス導入空間21内に供給され、さらに天板22の孔23を通して処理空間30内に供給される。
【0007】
また、加熱プレート5の周囲には排気孔14が設けられている。排気孔14は筐体1の排気口15に連通している。さらに、排気口15は、排気管路17を介して工場の排気設備(図示せず)に接続されている。これにより、給気管路8を通して処理空間30に供給された不活性ガスは、処理空間30内で基板W上のレジスト液中から蒸発した溶媒を伴って排気孔14から排気口15および排気管路17を通して外部へ排気される。
【0008】
通常、不活性ガスの供給量は、不活性ガスが処理空間30内で対流して処理空間30内の温度分布を乱さないように低く抑えられている。例えば、外径200mmの基板Wを処理する基板熱処理装置の場合、処理空間30内には窒素ガスが1L/分で供給され、ゲージ圧力表示で−50Paの圧力で排気される。
【0009】
基板Wの搬入または搬出時には、駆動装置4によりシャッタ3が開かれ、基板搬入出口2が開放される。そして、開放された基板搬入出口2を通して筐体1内に基板Wが搬入または搬出される。
【0010】
プリベーク処理時には、レジスト液が塗布された基板Wが加熱プレート5の球状スペーサ6上に支持され、加熱プレート5に内蔵された熱源により約100℃に昇温される。それにより、基板W上のレジスト液中から余分な溶媒が蒸発して除去される。プリベーク処理が終了した基板Wは、基板冷却装置に移され、ほぼ常温にまで降温される。
【0011】
近年では、半導体デバイスの高集積化に伴って基板上に形成されるパターンが微細化している。このため、基板上に塗布されるレジスト膜の膜厚も小さくなり、膜厚の許容誤差も厳しくなっている。基板熱処理装置による基板のプリベーク処理では、レジスト膜の膜厚は、昇温時の基板Wの温度に影響される。すなわち、基板Wの温度が所定の温度から外れると、それに伴ってレジスト膜の膜厚も所望の値から外れる。
【0012】
また、基板Wの面内で温度不均一が生じると、溶媒の蒸発量にむらが生じ、それによってレジスト膜の膜厚が不均一となる。このため、基板Wが保持される基板熱処理装置の処理空間30内の温度分布を均一に保つことが要求されている。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、基板Wの搬入または搬出時に、基板搬入出口2が開放されると、基板熱処理装置の上方から下降する低温の清浄な外気の一部が処理空間30内に侵入する。また、基板熱処理装置の処理空間30内の高温の不活性ガスの一部が基板搬入出口2から外部に排出される。このため、基板搬入出口2側の基板Wの部分は、基板搬入出口2と反対側(処理空間30の奥側)の基板Wの部分に比べて低温の外気の影響を受けやすい。
【0014】
図5はプリベーク処理における基板の温度変化(a)とシャッタの開閉(b)との関係を示す図である。図5(a)において、実線は基板搬入出口2側での基板の温度変化を示し、破線は基板搬入出口2と反対側での基板の温度変化を示している。
【0015】
加熱プレート5は熱源によりほぼ一定温度に昇温されている。このため、基板Wの搬入前の処理空間30の温度はほぼ一定の温度に保持されている。
【0016】
基板Wの搬入時には、基板搬入出口2が開放され、基板Wが処理空間30内に搬入され、球状スペーサ6上に載置される。その後、基板搬入出口2が閉塞される。この際には、処理空間30内の温度よりも低温の外気が基板搬入出口2から処理空間30内に侵入する。このため、処理空間30内の基板搬入出口2側の温度が低下し、基板Wの基板搬入出口2側の昇温速度が基板搬入出口2と反対側の基板Wの昇温速度に比べて遅くなる。
【0017】
また、所定時間の熱処理が終了すると、基板搬入出口2が開放され、基板Wが処理空間30から外部へ搬出される。この際には、再び低温の外気が基板搬入出口2から処理空間30内に侵入する。そのため、処理空間30内の基板搬入出口2側の温度が低下し、基板Wの基板搬入出口2側の降温速度が基板搬入出口2と反対側の基板Wの降温速度に比べて速くなる。
【0018】
このように、従来の基板熱処理装置においては、基板Wの搬入時または搬出時に基板搬入出口2から外気が処理空間30内に侵入することにより、基板搬入出口2側とその反対側とで温度分布が不均一となり、基板Wに供給される熱量に差が生じる。この結果、基板W上のレジスト膜の膜厚に不均一が生じるおそれがある。
【0019】
本発明の目的は、基板が保持される処理空間の温度分布を均一化することができる基板熱処理装置および基板熱処理方法を提供することである。
【0020】
【課題を解決するための手段および発明の効果】
第1の発明に係る基板熱処理装置は、基板に熱処理を行う基板熱処理装置であって、基板を支持する支持部および基板を昇温する熱源を有する基台と、基台の支持部に支持された基板の上方および周囲を取り囲み、基板の搬入および搬出のための基板搬入出口を有する筐体と、筐体の基板搬入出口を開閉する開閉手段と、筐体内に気体を供給する給気手段と、筐体内の気体を排出する排気手段と、給気手段により筐体内に供給される気体の量を開閉手段の開閉動作に連動して調整する給気量調整手段とを備え、給気量調整手段は、開 閉手段により筐体の基板搬入出口が開放される際に筐体内に供給される気体の量を増加させ、開閉手段により筐体の基板搬入出口が閉塞された際に筐体内に供給される気体の量を減少させるものである。
【0021】
本発明に係る基板熱処理装置においては、給気手段により筐体内に気体が供給され、排気手段により筐体内の気体が排出される。開閉手段により筐体の基板搬入出口が開放され、基板が基板搬入出口を通して筐体内に搬入され、基台の支持部に支持される。そして、開閉手段により基板搬入出口が閉塞された後、支持部に支持された基板が熱源により昇温された後、所定温度に保持される。熱処理の終了後、開閉手段により筐体の基板搬入出口が開放され、基板が基板搬入出口から外部に搬出される。
【0022】
基板の搬入および搬出時には、開閉手段により開放された筐体の基板搬入出口から低温の外気が筐体内に侵入するとともに筐体内の高温の気体の一部が基板搬入出口から外部に漏れ出ることにより、筐体内の温度分布が乱されやすい。
【0023】
この場合、開閉手段により筐体の基板搬入出口が開放された際に筐体内に供給される気体の量が増加するので、筐体内に基板搬入出口から外気が侵入することが困難になる。また、筐体内に基板搬入出口から外気が侵入した場合でも、筐体内に侵入した外気が筐体内の気体により速やかに攪拌される。その結果、筐体内の温度分布が均一化される。
【0024】
また、開閉手段により筐体の基板搬入出口が閉塞された際に筐体内に供給される気体の量が減少するので、熱処理中には筐体内の気体の流動による均熱性の乱れが防止される。
【0025】
このように、筐体内の温度分布の均一性を保持することができる。したがって、均一な温度分布下で基板の熱処理を行うことができる。
【0026】
第2の発明に係る基板熱処理装置は、第1の発明に係る基板熱処理装置の構成において、給気量調整手段は、筐体の基板搬入出口が開放される際において開閉手段により筐体の基板搬入出口が開放される前に筐体内に供給される気体の量を増加させるものである。
【0027】
この場合、開閉手段により筐体の基板搬入出口が開放される前に筐体内に供給される気体の量が増加するので、筐体内に基板搬入出口から外気が侵入することが困難になる。また、筐体内に基板搬入出口から外気が侵入した場合でも、筐体内に侵入した外気が筐体内の気体により速やかに攪拌される。その結果、筐体内の温度分布が均一化される。
【0028】
第3の発明に係る基板熱処理装置は、第1または第2の発明に係る基板熱処理装置の構成において、給気量調整手段は、筐体の基板搬入出口が閉塞された際において開閉手段により筐体の基板搬入出口が閉塞された後に筐体内に供給される気体の量を減少させるものである。
【0029】
この場合、開閉手段により筐体の基板搬入出口が閉塞された後に筐体内に供給される気体の量が減少するので、熱処理中には筐体内の気体の流動による均熱性の乱れが防止される。
【0030】
第4の発明に係る基板熱処理装置は、第1〜第3のいずれかの発明に係る基板熱処理装置の構成において、給気手段は、気体供給源と、気体供給源からの気体を筐体内に導く給気管路とを備え、給気量調整手段は、給気管路の通気量を調整する第1の通気量調整手段と、開閉手段の開閉動作に連動して第1の通気量調整手段を制御する給気制御手段とを備えたものである。
【0031】
この場合、気体供給源から給気管路を通して筐体内に気体が導かれる。開閉手段の開閉動作に連動して第1の通気量調整手段を制御することにより、給気管路の通気量が調整される。それにより、基板搬入出口の開放時および閉塞時を通じて筐体内の温度分布を均一に保持し、基板に均一な熱処理を行うことができる。
【0032】
第5の発明に係る基板熱処理装置は、第1〜第4のいずれかの発明に係る基板熱処理装置の構成において、排気手段により筐体内から排出される気体の量を開閉手段の開閉動作に連動して調整する排気量調整手段をさらに備え、排気量調整手段は、開閉手段により筐体の基板搬入出口が開放される際に筐体内から排出される気体の量を増加させるものである。
【0033】
この場合、開閉手段の開閉動作に連動して排気量調整手段により筐体内から排出される気体の量が調整される。それにより、筐体内の気体の流動状態を所望の状態に調整することができる。したがって、筐体内の温度分布をより均一に保持することができる。
【0034】
この場合、開閉手段により筐体の基板搬入出口が開放される際に筐体内から排出される気体の量が増加するので、筐体内の気体が新たに供給される気体で速やかに置換される。
【0035】
第6の発明に係る基板熱処理装置は、第5の発明に係る基板熱処理装置の構成において、排気量調整手段は、筐体の基板搬入出口が開放される際において開閉手段により筐体の基板搬入出口が開放される前に筐体内から排出される気体の量を増加させるものである。
【0036】
この場合、開閉手段により筐体の基板搬入出口が開放される前に筐体内から排出される気体の量が増加するので、筐体内の気体が新たに供給される気体で速やかに置換される。
【0037】
第7の発明に係る基板熱処理装置は、第1〜第4のいずれかの発明に係る基板熱処理装置の構成において、排気手段により筐体内から排出される気体の量を開閉手段の開閉動作に連動して調整する排気量調整手段をさらに備え、排気量調整手段は、開閉手段により筐体の基板搬入出口が閉塞された際に筐体内から排出される気体の量を減少させるものである。
【0038】
この場合、開閉手段の開閉動作に連動して排気量調整手段により筐体内から排出される気体の量が調整される。それにより、筐体内の気体の流動状態を所望の状態に調整することができる。したがって、筐体内の温度分布をより均一に保持することができる。
【0039】
また、開閉手段により筐体の基板搬入出口が閉塞された際に筐体内から排出される気体の量が減少するので、熱処理中には筐体内の気体の流動による均熱性の乱れが防止される。
【0040】
第8の発明に係る基板熱処理装置は、第7の発明に係る基板熱処理装置の構成において、排気量調整手段は、筐体の基板搬入出口が閉塞された際において開閉手段により筐体の基板搬入出口が閉塞された後に筐体内から排出される気体の量を減少させるものである。
【0041】
この場合、開閉手段により筐体の基板搬入出口が閉塞された後に筐体内から排出される気体の量が減少するので、熱処理中には筐体内の気体の流動による均熱性の乱れが防止される。
【0042】
第9の発明に係る基板熱処理装置は、第5〜第8のいずれかの発明に係る基板熱処理装置の構成において、排気手段が、筐体内の気体を所定の排気設備に導く排気管路を備え、排気量調整手段が、排気管路の通気量を調整する第2の通気量調整手段と、開閉手段の開閉動作に連動して第2の通気量調整手段を制御する排気制御手段とを備えたものである。
【0043】
この場合、排気管路を通して筐体内の気体が排気設備に導かれる。開閉手段の開閉動作に連動して第2の通気量調整手段を制御することにより、排気管路の通気量が調整される。それにより、基板搬入出口の開放時および閉塞時を通じて筐体内の温度分布を均一に保持し、基板に均一な熱処理を行うことができる。
【0044】
第10の発明に係る基板熱処理装置は、第1〜第9のいずれかの発明に係る基板熱処理装置の構成において、支持部は、基板を静止状態で支持するものである。
【0045】
第11の発明に係る基板熱処理方法は、開閉可能な基板搬入出口を有する筐体内に気体を供給するとともに筐体内の気体を排出しつつ、筐体内で基板に熱処理を行う基板熱処理方法であって、筐体の基板搬入出口の開放に連動して筐体内に供給される気体の量を増加させ、筐体の基板搬入出口の閉塞に連動して筐体内に供給される気体の量を減少させるものである。
【0046】
本発明に係る基板熱処理装置においては、筐体内に気体が供給されるとともに筐体内から気体が排出される。筐体の基板搬入出口が開放され、基板が基板搬入出口を通して筐体内に搬入される。そして、基板搬入出口が閉塞された後、筐体内の基板が昇温された後、所定温度に保持される。熱処理の終了後、筐体の基板搬入出口が開放され、基板が基板搬入出口から外部に搬出される。
【0047】
基板の搬入および搬出時には、開放された筐体の基板搬入出口から低温の外気が筐体内に侵入するとともに筐体内の高温の気体の一部が基板搬入出口から外部に漏れ出ることにより、筐体内の温度分布が乱されやすい。
【0048】
この場合、筐体の基板搬入出口が開放された際に筐体内に供給される気体の量が増加するので、筐体内に基板搬入出口から外気が侵入することが困難になる。また、筐体内に基板搬入出口から外気が侵入した場合でも、筐体内に侵入した外気が筐体内の気体により速やかに攪拌される。その結果、筐体内の温度分布が均一化される。
【0049】
また、筐体の基板搬入出口が閉塞された際に筐体内に供給される気体の量が減少するので、熱処理中には筐体内の気体の流動による均熱性の乱れが防止される。
【0050】
このように、筐体内の温度分布の均一性を保持することができる。したがって、均一な温度分布下で基板の熱処理を行うことができる。
【0051】
【発明の実施の形態】
図1は本発明の一実施例による基板熱処理装置の模式的断面図である。
【0052】
図1において、基板熱処理装置は、基板搬入出口2を有する筐体1を備える。筐体1の基板搬入出口2には、シャッタ3がエアシリンダ等の駆動装置4により開閉自在に設けられている。
【0053】
筐体1内には加熱プレート5が配置されている。加熱プレート5の上面には、基板Wの裏面を支持する3つの球状スペーサ6が三角形状に配置されている。また、加熱プレート5にはヒータ、ペルチェ素子等からなる熱源(図示せず)が内蔵されている。
【0054】
筐体1内の上部には、複数の孔23を有する天板22が筐体1の上面と間隔を隔てて設けられている。加熱プレート5と天板22との間には処理空間30が形成されている。また、筐体1の上面と天板22との間にはガス導入空間21が形成されている。筐体1の上面にはガス導入空間21に窒素ガス等の不活性ガスを供給するガス供給系7が接続されている。
【0055】
ガス供給系7は、不活性ガスを通過させる給気管路8、給気管路8内の通気量を測定する流量計9、給気管路8内の通気量を調整する流量調整弁10、フィルタ11、給気管路8を開閉する開閉弁12および不活性ガスを供給するガス供給源13を備える。ガス供給系13から開閉弁12、フィルタ11、流量調整弁10、流量計9および給気管路8を通して不活性ガスがガス導入空間21内に供給され、さらに天板22の孔23を通して処理空間30内に供給される。
【0056】
加熱プレート5の周囲には排気孔14が環状に設けられている。排気孔14は筐体1の排気口15に連通している。排気口15には排気系16が接続されている。排気系16は、排気口15と工場の排気用力設備19とを接続する排気管路17、および排気管路17内の通気量を調整する流量調整弁18を備える。処理空間30に供給された不活性ガスは、処理空間30内で基板W上のレジスト液から蒸発する溶媒を伴って排気孔14、排気口15、排気管路17および流量調整弁18を通して排気用力設備19により外部へ排出される。
【0057】
制御部20は、シャッタ3の駆動装置4および流量調整弁10,18の各動作を制御するコントローラおよびCPU(中央演算処理装置)を備える。
【0058】
本実施例では、加熱プレート5が基台に相当し、シャッタ3および駆動装置4が開閉手段を構成し、ガス供給系7が給気手段に相当し、排気系16が排気手段に相当する。また、流量調整弁10および制御部20が給気量調整手段を構成し、ガス供給源13が気体供給源に相当し、流量調整弁10が第1の通気量調整手段に相当し、制御部20が給気制御手段に相当する。流量調整弁18および制御部20が排気量調整手段を構成し、流量調整弁18が第2の通気量調整手段に相当し、制御部20が排気制御手段に相当する。
【0059】
次に、上記の基板熱処理装置を用いた基板の熱処理について説明する。フォトリソグラフィ工程では、基板W上に回転塗布された処理液であるレジスト液の薄膜(以下、レジスト膜と称する)にパターンの露光処理を行う前にプリベーク処理が行われる。プリベーク処理は、基板Wを昇温してレジスト膜中の余分な溶媒を蒸発させるために行われる。
【0060】
図2はプリベーク処理における基板の温度変化(a)、シャッタの開閉(b)、処理空間へのガス供給量(c)および処理空間からの排気量(d)の関係を示す図である。以下の基板熱処理装置の動作において、シャッタ3の駆動装置4、流量調整弁10および流量調整弁18の各動作は制御部20により制御されている。
【0061】
プリベーク処理中、加熱プレート5に内蔵された熱源は連続的にして駆動され、処理空間30内を予め所定の温度に保持する。
【0062】
プリベーク処理の開始時には、ガス供給系7から低供給量、例えば1L/分の不活性ガスが処理空間30内に供給されるとともに、排気系16を通して低排気量で排気が行われている。
【0063】
図2の(b)〜(d)において、シャッタ3が開かれる数秒前には、制御部20がガス供給系7の流量調整弁10の開度を増加させ、給気管路8から天板22の孔23を通して処理空間30内に供給される不活性ガスの供給量を増加させる。同時に、制御部20は排気系16の流量調整弁18の開度を増加させ、処理空間30からの排気量を増加させる。例えば、ガス供給系7では不活性ガスの供給量を2〜3L/分に増加させ、排気系16ではゲージ圧力表示で−100Paの圧力で排気する。
【0064】
基板Wの搬入時には、シャッタ3が開かれ、基板搬入出口2が開放される。そして、レジスト液が塗布された基板Wが基板搬入出口2から処理空間30内に搬入され、球状スペーサ6上に載置される。
【0065】
このとき、処理空間30内では不活性ガスの供給量および排気量が増加され、不活性ガスが対流状態になっている。このため、この基板熱処理装置が設置されたクリーンルーム内の上方から降下する低温の外気が基板搬入出口2から処理空間30に侵入しにくくなる。また、基板搬入出口2から処理空間30内に低温の外気が侵入した場合でも、その外気が不活性ガスの対流により速やかに攪拌され、処理空間30内の温度分布が均一化される。
【0066】
基板Wの搬入が終了すると、シャッタ3が閉じられ、基板搬入出口2が閉塞される。これにより、基板Wは外気と遮断された処理空間30内に保持される。
【0067】
基板搬入出口2が閉塞されると、数秒後に制御部20はガス供給系7の流量調整弁10の開度を絞り、処理空間30へ供給される不活性ガスの供給量を減少させる。また、制御部20は排気系16の流量調整弁18の開度を絞り、処理空間30からの排気量を減少させる。例えば、ガス供給系7では不活性ガスの供給量を1L/分に減少させ、排気系16ではゲージ圧力表示で−50Paの圧力で排気する。この場合には、処理空間30内での不活性ガスの対流は抑制され、対流による均熱性の乱れが発生するおそれがなくなる。基板W上のレジスト膜から蒸発した溶媒は、不活性ガスとともに処理空間30から排気系16を通して外部に排出される。
【0068】
さらに、基板Wの熱処理が終了する数秒前から、再び制御部20がガス供給系7の流量調整弁10の開度を増加させて処理空間30への不活性ガスの供給量を増加させるとともに、排気系16の流量調整弁18の開度を増加させて処理空間30からの排気量を増加させる。これにより、処理空間30内で不活性ガスが対流状態になる。
【0069】
この状態で、シャッタ3が開かれ、基板搬入出口2が開放される。そして、熱処理が終了した基板Wが基板搬入出口2から筐体1の外部へ搬出される。
【0070】
この際、基板の搬入時と同様に、処理空間30内では不活性ガスが対流しているので、外気の侵入が抑制される。また、低温の外気が処理空間30内に侵入した場合でも、不活性ガスにより速やかに攪拌される。これにより、処理空間30内の温度分布が均一に保持される。その後、基板Wが筐体1の外部に搬出されると、外気に触れて基板Wの全体の温度がほぼ均一に降下する。
【0071】
このように、基板搬入出口2が開放される際に、処理空間30への不活性ガスの供給量および処理空間30からの排気量を増加させることにより、処理空間30内の温度分布を均一化することができる。これにより、図2(a)に示すように、基板Wの温度を全面にわたって均一に変化させることができ、温度分布の不均一によるレジスト膜の膜厚不均一の発生を防止することができる。
【0072】
処理空間30への不活性ガスの供給量が所定の値となるように流量計9を用いて流量調整弁10の開度を予め求めておいてもよく、流量計9の出力を制御部20に与え、その出力に基づいて流量調整弁10の開度を調整してもよい。
【0073】
上記実施例では、1系統のガス供給系7を用いる場合について説明したが、複数系統のガス供給系を設けてもよい。図3は複数系統のガス供給系を備えた基板熱処理装置の要部の平面模式図である。
【0074】
図3においては、筐体1には主となるガス供給系7に加えて補助のガス供給系50が接続されている。補助のガス供給系50は、給気管路51、開閉弁52およびガス供給源53から構成される。基板の搬入および搬出時以外には、補助のガス供給系50の開閉弁52を閉じ、基板の搬入および搬出時には、開閉弁52を開き、不活性ガスの供給量を増加させる。
【0075】
ガス供給系7,50の給気管路8,51の下流端は筐体1の上面の複数の箇所に均等に分散して接続されることが好ましい。これにより、処理空間30内に均一に不活性ガスの対流を生じさせることができる。
【0076】
また、上記実施例の基板熱処理装置において、排気系16の排気能力を高めるために、排気管路17中にアスピレータ等の排気手段をさらに設けてもよい。
【0077】
なお、本発明に係る基板熱処理装置は、レジスト膜が塗布された基板のプリベーク処理のみならず他の処理液が供給された基板の熱処理に用いることもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例による基板熱処理装置の構成を示す模式的断面図である。
【図2】プリベーク処理における基板の温度変化、シャッタの開閉、処理空間へのガス供給量および処理空間からの排気量の関係を示す図である。
【図3】複数系統のガス供給系を有する基板熱処理装置の要部の平面模式図である。
【図4】従来の基板熱処理装置の概略構成を示す模式的断面図である。
【図5】プリベーク処理における基板温度の変化とシャッタの開閉との関係を示す図である。
【符号の説明】
1 筐体
2 基板搬入出口
3 シャッタ
5 加熱プレート
6 球状スペーサ
7 ガス供給系
8 給気管路
9 流量計
10,18 流量調整弁
13,53 ガス供給源
16 排気系
17 排気管路
20 制御部
21 ガス導入空間
30 処理空間
Claims (11)
- 基板に熱処理を行う基板熱処理装置であって、
基板を支持する支持部および基板を昇温する熱源を有する基台と、
前記基台の前記支持部に支持された基板の上方および周囲を取り囲み、基板の搬入および搬出のための基板搬入出口を有する筐体と、
前記筐体の前記基板搬入出口を開閉する開閉手段と、
前記筐体内に気体を供給する給気手段と、
前記筐体内の気体を排出する排気手段と、
前記給気手段により前記筐体内に供給される気体の量を前記開閉手段の開閉動作に連動して調整する給気量調整手段とを備え、
前記給気量調整手段は、前記開閉手段により前記筐体の前記基板搬入出口が開放される際に前記筐体内に供給される気体の量を増加させ、前記開閉手段により前記筐体の前記基板搬入出口が閉塞された際に前記筐体内に供給される気体の量を減少させることを特徴とする基板熱処理装置。 - 前記給気量調整手段は、前記筐体の前記基板搬入出口が開放される際において前記開閉手段により前記筐体の前記基板搬入出口が開放される前に前記筐体内に供給される気体の量を増加させることを特徴とする請求項1記載の基板熱処理装置。
- 前記給気量調整手段は、前記筐体の前記基板搬入出口が閉塞された際において前記開閉手段により前記筐体の前記基板搬入出口が閉塞された後に前記筐体内に供給される気体の量を減少させることを特徴とする請求項1または2記載の基板熱処理装置。
- 前記給気手段は、気体供給源と、前記気体供給源からの気体を前記筐体内に導く給気管路とを備え、
前記給気量調整手段は、前記給気管路の通気量を調整する第1の通気量調整手段と、前記開閉手段の開閉動作に連動して前記第1の通気量調整手段を制御する給気制御手段とを備えたことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の基板熱処理装置。 - 前記排気手段により前記筐体内から排出される気体の量を前記開閉手段の開閉動作に連動して調整する排気量調整手段をさらに備え、
前記排気量調整手段は、前記開閉手段により前記筐体の前記基板搬入出口が開放される際に前記筐体内から排出される気体の量を増加させることを特徴とする請求項1〜4のいずかに記載の基板熱処理装置。 - 前記排気量調整手段は、前記筐体の前記基板搬入出口が開放される際において前記開閉手段により前記筐体の前記基板搬入出口が開放される前に前記筐体内から排出される気体の量を増加させることを特徴とする請求項5記載の基板熱処理装置。
- 前記排気手段により前記筐体内から排出される気体の量を前記開閉手段の開閉動作に連動して調整する排気量調整手段をさらに備え、
前記排気量調整手段は、前記開閉手段により前記筐体の前記基板搬入出口が閉塞された際に前記筐体内から排出される気体の量を減少させることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の基板熱処理装置。 - 前記排気量調整手段は、前記筐体の前記基板搬入出口が閉塞された際において前記開閉手段により前記筐体の前記基板搬入出口が閉塞された後に前記筐体内から排出される気体の量を減少させることを特徴とする請求項7記載の基板熱処理装置。
- 前記排気手段は、前記筐体内の気体を所定の排気設備に導く排気管路を備え、
前記排気量調整手段は、前記排気管路の通気量を調整する第2の通気量調整手段と、前記開閉手段の開閉動作に連動して前記第2の通気量調整手段を制御する排気制御手段とを備えたことを特徴とする請求項5〜8のいずれかに記載の基板熱処理装置。 - 前記支持部は、基板を静止状態で支持することを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の基板熱処理装置。
- 開閉可能な基板搬入出口を有する筐体内に気体を供給するとともに前記筐体内の気体を排出しつつ、前記筐体内で基板に熱処理を行う基板熱処理方法であって、
前記筐体の前記基板搬入出口の開放に連動して前記筐体内に供給される気体の量を増加させ、前記筐体の前記基板搬入出口の閉塞に連動して前記筐体内に供給される気体の量を減少させることを特徴とする基板熱処理方法。
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