JP5107318B2 - 加熱処理装置 - Google Patents

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Description

本発明は、基板を加熱処理する加熱処理装置に関する。
半導体デバイスの製造プロセスにおけるフォトリソグラフィ工程では、半導体基板(以下、半導体基板のことを単に「ウェハ」又は「基板」という。)の表面に塗布された例えばレジスト、BARC(Bottom Anti-Reflective Coating)、SOG(Spin On Glass)等の各種の薬液に含まれる溶剤を蒸発させるための加熱処理(プリベーキング)、パターンの露光後に、ウェハ上のレジスト膜の化学反応を促進させるための加熱処理(ポストエクスポージャーベーキング)、現像処理後の加熱処理(ポストベーキング)等の種々の加熱処理が行われている。
上述した加熱処理は、通常、熱板を備えたオーブン等の加熱処理装置において、所望の熱処理温度に維持された熱板上にウェハを載置することによって行われている。
熱板は、各生産ロット毎にレジストに適合した設定温度で加熱処理を行えるように、設定温度を変更する機能を有している。また、プロセスの微細化に伴って種々のレジストが開発されるのに伴って、通常よりも低い温度で加熱処理が行われる場合がある。通常よりも低い温度で加熱処理するレジスト(低温化レジスト)と通常の温度で加熱処理するレジスト(通常のレジスト)とを、同一の加熱処理装置を用いて加熱処理する場合、熱板の設定温度をその都度変更する場合がある。このような場合、生産性を低下させないために、設定温度の変更を高速に行わなければならない場合がある。
このうち、熱板の設定温度を上昇させるときは、高速に変更することができる。一方、設定温度を下降させる、すなわち熱板を冷却するときは、室温との温度差が小さい低温領域において放熱に時間がかかるため、上昇させるときに比べて時間がかかる。従って、熱板に冷却用のガスを吹き付けて冷却する場合がある。例えば、基板を熱板上で加熱するように構成された加熱処理装置において、熱板の裏面に対して冷却用のガスを吹き付けるノズルを有することを特徴とする加熱処理装置が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2001−118789号公報
ところが、上記した加熱処理装置において熱板を冷却する場合、次のような問題がある。
加熱処理装置においては、熱板は、上方に設けられたカバー(蓋体)により覆われる場合があり、カバー(蓋体)に断熱構造を設けて熱板の設定後の温度の安定性(断熱性)を向上させる場合がある。しかし、断熱構造を設けることによって、熱板の温度の安定性(断熱性)は向上するものの、熱板を冷却する場合には、冷却速度が低下する場合がある。また、熱板の冷却に要する時間に、カバー(蓋体)の冷却に要する時間が大きく影響する場合がある。また、低温領域では、冷却速度の低下が大きい場合がある。
一方、カバー(蓋体)に断熱構造を設けなければ、熱板の冷却速度は向上するものの、熱板の温度の安定性(断熱性)が低下する場合がある。
本発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、熱板のカバー(蓋体)の断熱性を確保しつつ、低温領域での熱板の設定温度の変更にも高速で追従することができる加熱処理装置を提供する。
上記の課題を解決するために本発明では、次に述べる各手段を講じたことを特徴とするものである。
本発明は、基板の表面に塗布膜が形成された基板を処理室内で加熱処理する加熱処理装置において、基板を載置し加熱する熱板と、前記熱板上に載置された前記基板を覆い前記処理室を形成する蓋体と、前記蓋体の温度を計測する温度センサとを有し、前記蓋体は、上面と下面との間に形成された空間層を有し、前記蓋体を冷却するときに、前記空間層に冷却用気体を通流させて、前記温度センサの出力信号に基づいて、前記冷却用気体の流量を制御し、前記蓋体は、前記上面と前記下面との間に形成された第2の空間層を有し、前記第2の空間層は、前記処理室の内部と外部とを連通し、前記第2の空間層に第2の冷却用気体を通流させて、前記温度センサの出力信号に基づいて、前記第2の冷却用気体の流量を制御する、ことを特徴とする。
本発明によれば、加熱処理装置において、熱板のカバー(蓋体)の断熱性を確保しつつ、低温領域での熱板の設定温度の変更にも高速で追従することができる。
第1の実施の形態に係る加熱処理装置が組み込まれた塗布現像処理装置の構成を示す概略平面図である。 第1の実施の形態に係る加熱処理装置が組み込まれた塗布現像処理装置の構成を示す概略背面図である。 第1の実施の形態に係る加熱処理装置の構成を示す概略縦断面図である。 第1の実施の形態に係る加熱処理装置の構成を示す概略横断面図である。 第1の実施の形態に係る加熱処理装置における冷却工程の各工程の手順を説明するためのフローチャートである。 第1の実施の形態の第1の変形例に係る加熱処理装置の構成を示す概略縦断面図である。 第1の実施の形態の第1の変形例に係る加熱処理装置における冷却工程の各工程の手順を説明するためのフローチャートである。 第1の実施の形態の第2の変形例に係る加熱処理装置の構成を示す概略縦断面図である。 第2の実施の形態に係る加熱処理装置の構成を示す概略縦断面図である。 第2の実施の形態に係る加熱処理装置における冷却工程の各工程の手順を説明するためのフローチャートである。 第2の実施の形態の変形例に係る加熱処理装置の構成を示す概略縦断面図である。 第2の実施の形態の変形例に係る加熱処理装置における冷却工程の各工程の手順を説明するためのフローチャートである。 第3の実施の形態に係る加熱処理装置の構成を示す概略縦断面図である。 第3の実施の形態に係る加熱処理装置における冷却工程の各工程の手順を説明するためのフローチャートである。
次に、本発明を実施するための形態について図面と共に説明する。
(第1の実施の形態)
始めに、図1から図5を参照し、第1の実施の形態に係る加熱処理装置について説明する。
最初に、図1及び図2を参照し、本実施の形態に係る加熱処理装置が組み込まれた塗布現像処理装置について説明する。図1は、本実施の形態に係る加熱処理装置が組み込まれた塗布現像処理装置の構成を示す概略平面図、図2は、塗布現像処理装置の構成を示す概略背面図である。
塗布現像処理装置1は、例えば25枚のウェハWをカセットC単位で外部から塗布現像処理装置1に対して搬入出したり、カセットCに対してウェハWを搬入出したりするカセットステーション2と、塗布現像処理工程の中で枚葉式に所定の処理を施すユニットとしての各種処理装置を多段配置してなる処理ステーション3と、処理ステーション3に隣接して設けられている露光装置(図示せず)との間でウェハWの受け渡しをするインターフェイス部4とを一体に接続した構成を有している。
カセットステーション2では、カセット載置台5上の所定の位置に、複数のカセットCをX方向(図1中の上下方向)に一列に載置自在である。そして、このX方向とカセットCに収容されたウェハWのウェハ配列方向(Z方向;鉛直方向)に対して移動自在かつθ方向に回転自在なウェハ搬送体7が搬送路8に沿って設けられており、各カセットCに対して選択的にアクセスできるようになっている。
ウェハ搬送体7は、後述するように処理ステーション3側の第3の処理ユニット群G3に属するアライメントユニット(ALIM)32とエクステンションユニット(EXT)33に対してアクセスできるように構成されている。
処理ステーション3では、その中心部に主搬送装置16が設けられており、主搬送装置16の周辺には各種処理ユニットが多段に配置された処理ユニット群を構成している。塗布現像処理装置1においては、4つの処理ユニット群G1、G2、G3、G4が配置されており、第1及び第2の処理ユニット群G1、G2は塗布現像処理装置1の正面側に、第3の処理ユニット群G3は、カセットステーション2に隣接して配置され、第4の処理ユニット群G4は、インターフェイス部4に隣接して配置されている。なおオプションとして、破線で示した第5の処理ユニット群G5が背面側に別途配置可能である。
第1の処理ユニット群G1、第2の処理ユニット群G2は、各々スピンナ型処理ユニット、例えばウェハWに対してレジストを塗布して処理するレジスト塗布処理ユニット17、18と、ウェハWに現像液を供給して処理する現像処理ユニット(図示せず)が下から順に2段に配置されている。
第3の処理ユニット群G3は、図2に示すように、ウェハWを載置台に載せて所定の処理を行うクーリングユニット(COL)30、レジスト液とウェハWとの定着性を高めるためのアドヒージョンユニット(AD)31、ウェハWの位置合わせを行うアライメントユニット(ALIM)32、ウェハWを待機させるエクステンションユニット(EXT)33、レジスト液塗布後にシンナー溶剤を乾燥させるプリベーキングユニット(PREBAKE)34、35及び現像処理後の加熱処理を施すポストベーキングユニット(POBAKE)36、37等が下から順に例えば7段に重ねられている。
第4の処理ユニット群G4では、例えばクーリングユニット(COL)40、そして本実施の形態に係る加熱処理装置としてのポストエクスポージャーベーキングユニット(PEB)41、エクステンションユニット(EXT)42、プリベーキングユニット(PREBAKE)43、44、ポストベーキングユニット(POBAKE)45、46等が下から順に例えば7段に重ねられている。
インターフェイス部4の中央部には、X方向に移動自在かθ方向に回転自在なウェハ搬送体47が設けられている。ウェハ搬送体47は、第4の処理ユニット群G4に属するエクステンションユニット(EXT)42、及び周辺露光装置48及びパターンの露光装置(図示せず)に対してアクセスできるように構成されている。
次に、図3及び図4を参照し、加熱処理装置としてのポストエクスポージャーベーキングユニット41について、説明する。図3は、本実施の形態に係る加熱処理装置の構成を示す概略縦断面図である。図4は、本実施の形態に係る加熱処理装置の構成を示す概略横断面図である。図4は、図3におけるA−A線に沿う断面図である。
加熱処理装置41は、熱板50、サポートリング51、蓋体60、冷却用気体供給系80、冷却用気体排出系90、温度センサ100、制御部101を有する。加熱処理装置は、基板の表面に塗布膜が形成された基板を処理室内で加熱処理する。
熱板50は、例えば厚みのある円盤形状を有し、熱板50内には、例えばヒータ52が内蔵されている。このヒータ52によって熱板50は、所定の加熱温度例えば130℃に昇温できる。熱板50は、レジスト、BARC、SOG等の各薬液が塗布されたウェハWを熱板50に載置して所定温度例えば130℃に加熱する。
サポートリング51は、例えば上下面が開口した略円筒状の形態を有しており、サポートリング51の内側に熱板50が収容されている。
サポートリング51に収容された熱板50の中央付近には、複数例えば3個の貫通孔53が設けられている。各貫通孔53には、昇降駆動機構54により昇降する支持ピン55がそれぞれ貫挿可能に形成されている。この支持ピン55によって、熱板50上でウェハWを昇降し、熱板50と主搬送装置16との間でウェハWの受け渡しを行うことができる。
蓋体60は、サポートリング51に保持された熱板50の上方に、例えば上下動自在に設けられ、サポートリング51と一体となって熱板50を収容する処理室(加熱処理装置)41を形成する。蓋体60は、蓋体本体部61、外周部62、中心凸部63を有する。蓋体本体部61は、上面及び下面を有し、略円板形状を有する。蓋体本体部61の上面の中心側には、処理室41の中心軸に沿って、蓋体60の上面よりも上方に突出した中心凸部63が設けられる。また、蓋体60の外周側には、下方側すなわち熱板50側に折曲し、L字形状を有する外周部62が設けられる。外周部62の下端が熱板50のサポートリング51の外周部56と当接又は近接し、処理室41の内部の処理空間Sを処理室41の外部と区画する。
中心凸部63には、略同軸に、中心側から外周側に向けて、後述するガス供給流路64、ガス排出流路65、冷却用気体排出流路66が設けられている。なお、中心凸部63において、ガス供給流路64、ガス排出流路65、冷却用気体排出流路66の配置の順序は限定されるものではなく、中心側からが外周側に向けていずれの順序であってもよい。
次に、蓋体60に設けられたガス供給流路64及びガス排出流路65について説明する。
ガス供給流路64は、中心凸部63の上端付近において、水平方向蓋体60外周側に延びるガス供給管67と連通する。ガス供給管67は、図示しないガス供給部に接続されている。また、ガス供給流路64は、中心凸部63の下端付近において、蓋体60の下面に開口する第1の開口部68と連通する。
蓋体60の下面には、第1の開口部68を下方側すなわち熱板50側から覆うように、多数の微細孔69が形成されたシャワープレート70が設けられており、図示しないガス供給系から供給されたガスを面内で均一に熱板50に向けて供給することができる。
ガス排出流路65は、蓋体本体部61において、後述する第1の空間層と積層するように設けられる。ガス排出流路65のうち、蓋体本体部61における部分を第2の空間層71とする。ガス排出流路65(第2の空間層71)は、蓋体本体部61の下面外周側において、シャワープレート70の外周に、連続又は飛び飛びに環状に設けられた第2の開口部72と連通する。また、ガス排出流路65は、蓋体本体部61の中心側であって中心凸部63の下端において、上方側すなわち熱板50側と反対側に折曲する。また、ガス排出流路65は、中心凸部63の上端付近において、水平方向蓋体60外周側に延びるガス排出管73と連通する。
上記した構成により、図示しないガス供給系からガス供給管67を通して供給されたガスは、ガス供給流路64、第1の開口部68を通り、シャワープレート70の多数の微細孔69から処理室41内の処理空間Sに供給される。処理空間Sに供給されたガスは、第2の開口部72、第2の空間層71、ガス排出流路65を通り、ガス排出管73を通して排出される。処理空間Sに供給されるガスは、レジスト等の各種の薬液が塗布されたウェハが加熱処理される際に、処理空間S内に放出される成分を排出するとともに、処理空間S内における気体の成分を一定に保持するものであり、例えば温度、湿度をコントロールしたエアー、窒素ガス(Nガス)等が用いられる。
次に、蓋体60に設けられた冷却機能を有する第1の空間層74、75について説明する。
蓋体60は、上面と下面との間に形成された第1の空間層74、75を有する。第1の空間層74、75は、空気を流通又は貯留することによって空気層を形成し、熱板50で発生する熱が加熱処理装置41の外部へ逃げないように断熱する機能を有する。
第1の空間層74、75は、複数層形成されてもよい。本実施の形態では、図3に示すように、第1の空間層74、75は、仕切板76によって上面側空間層74及び下面側空間層75の2層に仕切られている。
外周部62の一の箇所において、上面側空間層74及び下面側空間層75は、図3及び図4に示すように、外周部62の内部まで連続して設けられてもよく、外周部62の形状に沿って、断面L字形状の空間を構成する。図4は、図3のA−A線に沿う断面図であり、下面側空間層75を、後述するように、処理室41内の処理空間Sを冷却するときに、冷却用気体(以下「第1の冷却用気体」という。)が外周側から中心側へ向けて流れる状態を矢印で示す。
なお、図3において、蓋体本体部61は水平方向に平行な上面及び下面を備え、一様な厚さを有する円板であり、上面側空間層74及び下面側空間層75も上面及び下面に平行に、一様な空間高さを有するように設けられているが、図3の形状は模式的なものであり、後述する断熱機能及び冷却機能を最適化するために、蓋体本体部61の上面を外周側から中心側にかけて傾斜させ、それに伴って上面側空間層74及び下面側空間層75を傾斜させてもよく、その他種々の形状に変形することは、本発明に基づく設計事項の範囲内である。
冷却用気体供給系80は、冷却用気体供給管81及び大気取り入れ口82を有する。
外周部62の一の箇所において、上面側空間層74及び下面側空間層75は、それぞれ冷却用気体供給管81と接続される。冷却用気体供給管81は、図示しない冷却用気体供給部により第1の冷却用気体を供給してもよく、単に処理空間の外部から大気を導入してもよい。本実施の形態では、図3に示すように、冷却用気体供給管81は、逆止弁83を介して大気取入れ口82に接続され、大気取入れ口82から一方向のみに大気を導入できるように構成される。また、冷却用気体供給管81は、単に開口され、大気開放されていてもよい。
蓋体本体部61の中心側において、上面側空間層74及び下面側空間層75は、中心凸部63の下端において折曲して合流し、中心凸部63内に設けられた冷却用気体排出流路66に連通する。冷却用気体排出流路66は、中心凸部63の上端付近において中心凸部63と接続され、水平方向に延びる後述する冷却用気体排出系90の冷却用気体排出管91と連通する。
冷却用気体排出系90は、冷却用気体排出管91及び冷却用気体排出部92を有する。第1の冷却用気体は、後述するように、熱板50の設定温度の変更に伴って蓋体60を冷却する際に用いるものであり、例えばドライエアー、窒素ガス(Nガス)、加熱処理装置の周辺雰囲気のエア等が用いられる。
冷却用気体排出部92は、ポンプ又はエジェクタ等よりなる。冷却用気体排出管91は、ポンプ又はエジェクタ等の冷却用気体排出部92に接続され、冷却用気体排出部92により第1の冷却用気体を排出する。本実施の形態では、図3に示すように、冷却用気体排出管91は、逆止弁93を介してエジェクタ92に接続され、エジェクタ92により上面側空間層74及び下面側空間層75から第1の冷却用気体を排出する。
エジェクタ92は、直線状の主管95、及び主管95に対してT字型に分岐する支管96を有し、主管95の圧力差を利用して無圧状態の支管96にある流体を引き込み混合して流すものである。直線状の主管95入口側に液体又は気体の流体を流すと、T字型に分岐する部分において、流路の径が細く絞り込んであるため、真空状態が発生する。これにより、支管96側の流体が主管95出口側に引き込まれる。
本実施の形態では、図3に示すように、エジェクタ92の主管95入口側に流体を供給する流体供給部97を、開閉バルブ98を介して接続し、支管96に冷却用気体排出管91を逆止弁93を介して接続する。本実施の形態では、開閉バルブ98は、開度の調節はせず、開状態、閉状態の2つの状態を切り換えるものである。また、流体供給部97から供給する流体として、水、エア、窒素ガス等を用いることができる。
なお、本実施の形態に係る冷却用気体排出部は、本発明における排出部に相当する(以下の変形例及び実施の形態においても同様)。
温度センサ100は、蓋体60に取付けられる。温度センサ100は、蓋体60の温度を計測する。温度センサ100が取付けられる位置は、限定されないが、例えば外周部62の側周面77等に取り付けることができる。側周面77と熱的に接触できるように取り付けてもよく、側周面77を貫通して、処理室41の内部の処理空間Sに露出するように取り付けてもよい。あるいは、熱板50の温度制御に用いる温度センサ100を兼用してもよい。
制御部101は、温度センサ100からの出力信号が制御部101に入力されるように、温度センサ100と電気的に接続される。また、制御部101は、制御部101からの出力信号が開閉バルブ98の開閉状態を制御するように、開閉バルブ98の図示しない駆動部と電気的に接続される。
次に、図5を参照し、本実施の形態に係る加熱処理装置における処理室内を冷却する冷却工程について説明する。図5は、本実施の形態に係る加熱処理装置における冷却工程の各工程の手順を説明するためのフローチャートである。
本実施の形態では、開閉バルブ98を用いることにより、冷却用気体排出部92からの第1の冷却用気体の排出量を温度センサ100の出力信号と設定温度との差に基づいてオンオフ制御する。
ここでは、前の加熱処理工程を温度T1で行った後、次の加熱処理工程を温度T2(<T1)で行う場合に行う冷却工程について説明する。
冷却工程は、開閉バルブ98を開く工程(ステップS11)、温度を計測する工程(ステップS12)、計測した温度を制御部101に送る工程(ステップS13)、計測した温度が設定値以下であるかを判定する工程(ステップS14)、及び開閉バルブ98を閉じる工程(ステップS15)を含む。
前の加熱処理工程を温度T1で行った後、冷却工程を開始する。最初に、ステップS11を行う。ステップS11では、エジェクタ92の主管95入口側の開閉バルブ98を開く。これにより、前の加熱処理工程において、ガスを通流させておらず加熱温度の付近で蓄熱している上面側空間層74及び下面側空間層75において、大気取り入れ口82から冷却用気体供給管81を介して、第1の冷却用気体を通流させる。
次に、ステップS12を行う。ステップS12では、温度センサ100により蓋体60の温度Tを計測する。
次に、ステップS13を行う。ステップS13では、温度センサ100の出力信号を制御部101に入力することにより、温度センサ100により計測した温度Tを制御部101に送る。
次に、ステップS14を行う。ステップS14では、温度センサ100の出力信号に基づいて、温度Tが設定値T2以下であるかを判定する。温度Tが設定値T2より大きい場合には、再びステップS12に戻り、ステップS12からステップS14の工程を繰り返す。一方、温度Tが設定値T2以下である場合には、ステップS15に進む。
ステップS15では、温度Tが設定値T2以下である場合には、蓋体60の温度が冷却したことになるため、エジェクタ92の主管95入口側の開閉バルブ98を閉じ、冷却工程を終了する。冷却工程が終了した後、次の温度T2において、加熱処理工程を行う。
なお、上述した冷却工程において、蓋体60の温度の設定値T1、T2は、それぞれの場合における熱板50の温度の設定値T1´、T2´と同一でもよく、加熱処理装置41の構造等に基づいて異ならせてもよい。T1、T2と、T1´、T2´との関係は、予め温度センサ100と熱板50を制御するための図示しない温度センサとの値の関係を調べることによって、決定することができる。
第1の冷却用気体の温度を23℃とし、エジェクタ92の主管95の流体を圧力空気とし、主管95入口側での圧力を200Paとすることにより、第1の冷却用気体の流量を5〜10L/minとすることができる。このような条件で第1の空間層である上面側空間層74及び下面側空間層75に第1の冷却用気体を流して冷却工程を行うことにより、例えばT1=110℃からT2=80℃に温度を変更する場合、30秒程度で冷却工程を行うことができる。
一方、第1の空間層である上面側空間層74及び下面側空間層75に第1の冷却用気体を流さずに例えばT1=110℃からT2=80℃に温度を変更する場合、このような低温領域では冷却速度が遅く、冷却工程を行うのに200秒程度の時間を要する。従って、第1の空間層である上面側空間層74及び下面側空間層75に第1の冷却用気体を通流させることにより、7倍程度の高速で設定温度を変更することができる。
以上、本実施の形態によれば、加熱処理工程において断熱機構として機能する蓋体の空間層を、冷却工程において第1の冷却用気体を通流させて蓋体を冷却する冷却機構として機能させることができる。従って、蓋体の断熱性を確保しつつ、低温領域での熱板の設定温度の変更にも高速で追従することができる。
(第1の実施の形態の第1の変形例)
次に、図6及び図7を参照し、第1の実施の形態の第1の変形例に係る加熱処理装置について説明する。
図6は、本変形例に係る加熱処理装置の構成を示す概略縦断面図である。図7は、本変形例に係る加熱処理装置における冷却工程の各工程の手順を説明するためのフローチャートである。また、以下の文中では、先に説明した部分には同一の符号を付し、説明を省略する場合がある(以下の変形例及び実施の形態についても同様)。
本変形例に係る加熱処理装置41aは、排出部からの第1の冷却用気体の排出量を、温度センサの出力信号と設定温度との差に比例して制御する点で、第1の実施の形態に係る加熱処理装置と相違する。
本変形例に係る加熱処理装置41aも、塗布現像処理装置1に組み込まれる点において、第1の実施の形態と同様である。また、熱板50、サポートリング51、蓋体60、冷却用気体供給系80については、第1の実施の形態と同様である。また、冷却用気体排出系90の冷却用気体排出管91については、第1の実施の形態と同様である。
一方、本変形例では、冷却用気体排出系90の冷却用気体排出部92、及び制御部101aについて、第1の実施の形態と相違する。
本変形例でも、冷却用気体排出部92にエジェクタを用い、エジェクタ92の主管95入口側にバルブを介して流体供給部97を接続する。ただし、本変形例では、図6に示すように、バルブとして、第1の実施の形態で用いた開閉バルブに代え、調整バルブ98aを用いる。
調整バルブ98aを用いることにより、冷却用気体排出部92からの第1の冷却用気体の排出量を温度センサ100の出力信号と設定温度との差に比例して制御することができるため、冷却しすぎることがなく、設定値に安定するまでの待ち時間を更に短縮することができる。
次に、図7を参照し、本変形例に係る加熱処理装置における処理室内を冷却する冷却工程について説明する。
ここでも、第1の実施の形態と同様に、前の加熱処理工程を温度T1で行った後、次の加熱処理工程を温度T2(<T1)で行う場合に行う冷却工程について説明する。
冷却工程は、調整バルブ98aを開く工程(ステップS21)、温度を計測する工程(ステップS22)、計測した温度を制御部101aに送る工程(ステップS23)、計測した温度が設定値以下であるかを判定する工程(ステップS24)、調整バルブ98aの開度を絞る工程(ステップS25)、及び調整バルブ98aの開度が0であるかを確認する工程(ステップS26)を含む。
前の加熱処理工程を温度T1で行った後、冷却工程を開始する。最初に、ステップS21を行う。ステップS21では、エジェクタ94の主管95入口側の調整バルブ98aを開く。これにより、前の加熱処理工程において、ガスを通流させておらず加熱温度の付近で蓄熱している上面側空間層74及び下面側空間層75において、大気取り入れ口82から冷却用気体供給管81を介して、第1の冷却用気体を通流させる。また、このときの調整バルブ98aの開度PをP=P0とする。
次に、ステップS22を行う。ステップS22では、温度センサ100により蓋体60の温度Tを計測する。
次に、ステップS23を行う。ステップS23では、温度センサ100の出力信号を制御部101aに入力することにより、温度センサ100により計測した温度Tを制御部101aに送る。
次に、ステップS24を行う。ステップS24では、温度センサ100の出力信号に基づいて、温度Tが設定値T2以下であるかを判定する。
ステップS24において温度Tが設定値T2より大きい場合には、ステップS25に進む。ステップS25は、エジェクタ92の主管95入口側の調整バルブ98aの開度Pを、温度センサ100の出力信号と設定温度との差に比例して制御する工程である。具体的には、P=P0(T−T2)に絞る。ステップS25を行った後、再びステップS22に戻り、ステップS22からステップS24の工程を繰り返す。
一方、ステップS24において温度Tが設定値T2以下である場合には、ステップS26に進む。ステップS26は、蓋体60の温度が冷却したことになるため、調整バルブ98aの開度Pが0になっていることを確認し、開度Pが0になっていなければエジェクタ92の主管95入口側の調整バルブ98aを閉じ、冷却工程を終了する。冷却工程が終了した後、次の温度T2において、加熱処理工程を行う。
なお、ステップS25では、エジェクタ92の主管95入口側の調整バルブ98aの開度Pを、温度センサ100の出力信号と設定温度との差T−T2に比例して制御する比例動作を行うが、開度Pを、T−T2を時間で積分した値に基づいて制御する積分動作、T−T2を時間で微分した値に基づいて制御する微分動作を組合せた、例えばPID制御等の種々の制御方法を用いてもよい。
また、蓋体60の温度の設定値T1、T2は、それぞれの場合における熱板50の温度の設定値T1´、T2´と同一でもよく、加熱処理装置41aの構造等に基づいて異ならせてもよい。
本変形例によれば、冷却用気体排出部からの第1の冷却用気体の排出量を温度センサの出力信号と設定温度との差に比例して制御することができるため、冷却しすぎることがなく、設定値に安定するまでの待ち時間を更に短縮することができる。
(第1の実施の形態の第2の変形例)
次に、図8を参照し、第1の実施の形態の第2の変形例に係る加熱処理装置について説明する。図8は、本変形例に係る加熱処理装置の構成を示す概略縦断面図である。
本変形例に係る加熱処理装置41bは、空間層が単一層である点で、第1の実施の形態に係る加熱処理装置と相違する。
本変形例に係る加熱処理装置41bも、塗布現像処理装置1に組み込まれる点において、第1の実施の形態と同様である。また、熱板50、サポートリング51、冷却用気体供給系80、冷却用気体排出系90、及び制御部101については、第1の実施の形態と同様である。また、蓋体60の中心凸部63については、第1の実施の形態と同様である。また、蓋体60の蓋体本体部61に設けられたガス供給流路64及びガス排出流路65については、第1の実施の形態と同様である。
一方、本変形例では、蓋体60の蓋体本体部61及び外周部62に形成される第1の空間層の構造が、第1の実施の形態と相違する。
第1の実施の形態では、第1の空間層が仕切板によって上面側空間層及び下面側空間層の2層に仕切られているところ、本変形例では、図8に示すように、仕切板が設けられておらず、第1の空間層74bは一体として形成されている。そのため、外周部62の一の箇所において第1の空間層74bに第1の冷却用気体を供給する冷却用気体供給管81も一つの供給口を有する。
本変形例でも、加熱処理工程において断熱機構として機能する蓋体に第1の冷却用気体を通流させることにより、第1の冷却用気体を通流させない場合よりも、高速で蓋体を冷却させることができる。従って、蓋体の断熱層を確保しつつ、低温領域での熱板の設定温度の変更にも高速で追従することができる。
(第2の実施の形態)
次に、図9及び図10を参照し、第2の実施の形態に係る加熱処理装置について説明する。
図9は、本実施の形態に係る加熱処理装置の構成を示す概略縦断面図である。図10は、本実施の形態に係る加熱処理装置における冷却工程の各工程の手順を説明するためのフローチャートである。
本実施の形態に係る加熱処理装置41cは、温度センサの出力信号に基づいて、第1の冷却用気体の供給量を制御する点で、第1の実施の形態に係る加熱処理装置と相違する。
本実施の形態に係る加熱処理装置41cも、塗布現像処理装置1に組み込まれる点において、第1の実施の形態と同様である。また、熱板50、サポートリング51及び蓋体60については、第1の実施の形態と同様である。
一方、本実施の形態では、冷却用気体供給系80c、冷却用気体排出系90c、及び制御部101cについて、第1の実施の形態と相違する。
冷却用気体供給系80cは、冷却用気体供給管81及び冷却用気体供給部84を有する。冷却用気体供給管81が、上面側空間層74及び下面側空間層75のそれぞれに接続されるのは、第1の実施の形態と同様である。本実施の形態では、図9に示すように、冷却用気体供給管81は、逆止弁83及び開閉バルブ85を介して冷却用気体供給部84に接続され、冷却用気体供給部84から第1の冷却用気体を供給できるように構成される。冷却用気体供給部84は、例えばガスボンベ、工場内高圧ガス配管等よりなり、冷却用気体を高圧で供給する。
なお、本実施の形態に係る冷却用気体供給部は、本発明における供給部に相当する(以下の変形例及び実施の形態においても同様)。
一方、冷却用気体排出系90cは、冷却用気体排出管91を有するものの、冷却用気体排出部を有していない。例えば、冷却用気体排出管91は、逆止弁93を介して大気を排出することができる。
温度センサ100は、第1の実施の形態と同様に、蓋体60に取付けられる。
制御部101cは、第1の実施の形態と同様に、温度センサ100からの出力信号が制御部101cに入力されるように、温度センサ100と電気的に接続される。また、制御部101cは、制御部101cからの出力信号が冷却用気体供給系80cの開閉バルブ85の開閉状態を制御するように、開閉バルブ85の図示しない駆動部と電気的に接続される。
次に、図10を参照し、本実施の形態に係る加熱処理装置における処理室内を冷却する冷却工程について説明する。
ここでも、前の加熱処理工程を温度T1で行った後、次の加熱処理工程を温度T2(<T1)で行う場合に行う冷却工程について説明する。
本実施の形態では、開閉バルブ85を用いることにより、冷却用気体供給系80cからの第1の冷却用気体の供給量を温度センサ100の出力信号と設定温度との差に基づいてオンオフ制御する。
冷却工程は、開閉バルブ85を開く工程(ステップS31)、温度を計測する工程(ステップS32)、計測した温度を制御部101cに送る工程(ステップS33)、計測した温度が設定値以下であるかを判定する工程(ステップS34)、及び開閉バルブ85を閉じる工程(ステップS35)を含む。
前の加熱処理工程を温度T1で行った後、冷却工程を開始する。最初に、ステップS31を行う。ステップS31では、冷却用気体供給系80cの開閉バルブ85を開く。これにより、前の加熱処理工程において、ガスを通流させておらず加熱温度の付近で蓄熱している上面側空間層74及び下面側空間層75において、冷却用気体供給部84から冷却用気体供給管81を介して、第1の冷却用気体を通流させる。
次に、ステップS32を行う。ステップS32では、温度センサ100により蓋体60の温度Tを計測する。
次に、ステップS33を行う。ステップS33では、温度センサ100の出力信号を制御部101cに入力することにより、温度センサ100により計測した温度Tを制御部101cに送る。
次に、ステップS34を行う。ステップS34では、温度センサ100の出力信号に基づいて、温度Tが設定値T2以下であるかを判定する。温度Tが設定値T2より大きい場合には、再びステップS32に戻り、ステップS32からステップS34の工程を繰り返す。一方、温度Tが設定値T2以下である場合には、ステップS35に進む。
ステップS35では、温度Tが設定値T2以下である場合には、蓋体60の温度が冷却したことになるため、冷却用気体供給系80cの開閉バルブ85を閉じ、冷却工程を終了する。冷却工程が終了した後、次の温度T2において、加熱処理工程を行う。
なお、蓋体60の温度の設定値T1、T2は、それぞれの場合における熱板50の温度の設定値T1´、T2´と同一でもよく、加熱処理装置41cの構造等に基づいて異ならせてもよい。
本実施の形態でも、加熱処理工程において断熱機構として機能する蓋体の空間層を、冷却工程において第1の冷却用気体を通流させて蓋体を冷却する冷却機構として機能させることができる。従って、蓋体の断熱性を確保しつつ、低温領域での熱板の設定温度の変更にも高速で追従することができる。
(第2の実施の形態の変形例)
次に、図11及び図12を参照し、第2の実施の形態の変形例に係る加熱処理装置について説明する。
図11は、本変形例に係る加熱処理装置の構成を示す概略縦断面図である。図12は、本変形例に係る加熱処理装置における冷却工程の各工程の手順を説明するためのフローチャートである。
本変形例に係る加熱処理装置41dは、冷却用気体供給部84からの第1の冷却用気体の供給量を、温度センサの出力信号と設定温度との差に比例して制御する点で、第2の実施の形態に係る加熱処理装置と相違する。
本変形例に係る加熱処理装置41dも、塗布現像処理装置1に組み込まれる点において、第2の実施の形態と同様である。また、熱板50、サポートリング51、蓋体60、冷却用気体排出系90cについては、第2の実施の形態と同様である。また、冷却用気体供給系80dのバルブ以外の部分については、第2の実施の形態と同様である。
一方、本変形例では、冷却用気体供給系80dのバルブ及び制御部101dについて、第2の実施の形態と相違する。
本変形例では、図11に示すように、バルブとして、第2の実施の形態で用いた開閉バルブに代え、調整バルブ85dを用いる。調整バルブ85dを用いることにより、冷却用気体供給部84からの第1の冷却用気体の供給量を温度センサ100の出力信号と設定温度との差に比例して制御することができるため、冷却しすぎることがなく、設定値に安定するまでの待ち時間を更に短縮することができる。
次に、図12を参照し、本変形例に係る加熱処理装置における処理室41d内を冷却する冷却工程について説明する。ここでも、第2の実施の形態と同様に、前の加熱処理工程を温度T1で行った後、次の加熱処理工程を温度T2(<T1)で行う場合に行う冷却工程について説明する。
冷却工程は、調整バルブ85dを開く工程(ステップS41)、温度を計測する工程(ステップS42)、計測した温度を制御部101dに送る工程(ステップS43)、計測した温度が設定値以下であるかを判定する工程(ステップS44)、調整バルブ85dの開度を絞る工程(ステップS45)、及び調整バルブ85dの開度が0であるかを確認する工程(ステップS46)を含む。
前の加熱処理工程を温度T1で行った後、冷却工程を開始する。最初に、ステップS41を行う。ステップS41では、冷却用気体供給系80dの調整バルブ85dを開く。これにより、前の加熱処理工程において、ガスを通流させておらず加熱温度の付近で蓄熱している上面側空間層74及び下面側空間層75において、冷却用気体供給部84から冷却用気体供給管81を介して、第1の冷却用気体を通流させる。また、このときの調整バルブ85dの開度PをP=P0とする。
次に、ステップS42を行う。ステップS42では、温度センサ100により蓋体60の温度Tを計測する。
次に、ステップS43を行う。ステップS43では、温度センサ100の出力信号を制御部101dに入力することにより、温度センサ100により計測した温度Tを制御部101dに送る。
次に、ステップS44を行う。ステップS44では、温度センサ100の出力信号に基づいて、温度Tが設定値T2以下であるかを判定する。
ステップS44において温度Tが設定値T2より大きい場合には、ステップS45に進む。ステップS45は、冷却用気体供給系80dの調整バルブ85dの開度Pを、温度センサ100の出力信号と設定温度との差に比例して制御する工程である。具体的には、P=P0(T−T2)に絞る。ステップS45を行った後、再びステップS42に戻り、ステップS42からステップS44の工程を繰り返す。
一方、ステップS44において温度Tが設定値T2以下である場合には、ステップS46に進む。ステップS46は、蓋体60の温度が冷却したことになるため、調整バルブ85dの開度Pが0になっていることを確認し、開度Pが0になっていなければ調整バルブ85dを閉じ、冷却工程を終了する。冷却工程が終了した後、次の温度T2において、加熱処理工程を行う。
なお、ステップS45でも、冷却用気体供給系80dの調整バルブ85dの開度Pを、温度センサ100の出力信号と設定温度との差T−T2に基づき、例えばPID制御等の種々の制御方法を用いてもよい。
また、蓋体60の温度の設定値T1、T2は、それぞれの場合における熱板50の温度の設定値T1´、T2´と同一でもよく、加熱処理装置41dの構造等に基づいて異ならせてもよい。
本変形例によれば、冷却用気体排出部からの第1の冷却用気体の供給量を温度センサの出力信号と設定温度との差に比例して制御することができるため、冷却しすぎることがなく、設定値に安定するまでの待ち時間を更に短縮することができる。
(第3の実施の形態)
次に、図13及び図14を参照し、第3の実施の形態に係る加熱処理装置について説明する。
図13は、本実施の形態に係る加熱処理装置の構成を示す概略縦断面図である。図14は、本実施の形態に係る加熱処理装置における冷却工程の各工程の手順を説明するためのフローチャートである。
本実施の形態に係る加熱処理装置41eは、第2の空間層71であるガス排出流路65に第2の冷却用気体を流し、温度センサ100の出力信号に基づいて、第2の冷却用気体の流量を制御する点で、第1の実施の形態に係る加熱処理装置と相違する。
一方、本実施の形態では、第1の実施の形態と同様に、上面側空間層74及び下面側空間層75よりなる第1の空間層74、75に第1の冷却用気体を流し、温度センサ100の出力信号に基づいて、第1の冷却用気体の流量も制御する。
本実施の形態に係る加熱処理装置41eも、塗布現像処理装置1に組み込まれる点において、第1の実施の形態と同様である。また、熱板50、サポートリング51、蓋体60、冷却用気体供給系80、冷却用気体排出系90については、第1の実施の形態と同様である。
一方、本実施の形態では、第2の冷却用気体供給系110、制御部101eについて、第1の実施の形態と相違する。第2の冷却用気体供給系110は、第2の冷却用気体供給部111、開閉バルブ112を有する。
本実施の形態では、冷却工程において、上面側空間層74及び下面側空間層75よりなる第1の空間層74、75に第1の冷却用気体を通流させるのに加え、蓋体本体部61の上面側空間層74及び下面側空間層75と積層して設けられたガス排気流路65を第2の空間層71とし、第2の空間層71に第2の冷却用気体を通流させることにより、蓋体60を更に高速に冷却する。従って、ガス供給管67に接続するように、第2の冷却用気体供給系110が設けられる。第2の冷却用気体供給系110として、第2の冷却用気体供給部111が設けられる。第2の冷却用気体供給部111は、開閉バルブ112を介してガス供給管67に接続される。また、第2の冷却用気体として、例えばドライエアー、Nガス等が用いられる。
第1の実施の形態で説明したように、ガス排出流路65は、蓋体本体部61の下面外周側において、第2の開口部72と連通し、中心凸部63の上端付近において、水平方向蓋体60外周側に延びるガス排出管73と連通する。従って、第2の空間層71は、処理室41の内部と外部とを連通する。
温度センサ100は、第1の実施の形態と同様に、蓋体60に取付けられる。
制御部101eは、第1の実施の形態と同様に、温度センサ100からの出力信号が制御部101eに入力されるように、温度センサ100と電気的に接続される。また、制御部101eは、第1の実施の形態と同様に、制御部101eからの出力信号がエジェクタ92の主管95入口側の開閉バルブ98の開度を制御するように、開閉バルブ98の図示しない駆動部と電気的に接続される。更に、制御部101eは、制御部101eからの出力信号が第2の冷却用気体供給系110の開閉バルブ112の開度を制御するように、開閉バルブ112の図示しない駆動部と電気的に接続される。
次に、図14を参照し、本実施の形態に係る加熱処理装置における処理室41e内を冷却する冷却工程について説明する。ここでも、前の加熱処理工程を温度T1で行った後、次の加熱処理工程を温度T2(<T1)で行う場合に行う冷却工程について説明する。
本実施の形態では、温度センサ100の出力信号と設定温度との差に基づいて、冷却用気体排出部92の開閉バルブ98及び第2の冷却用気体供給系110の開閉バルブ112を、オンオフ制御する。
冷却工程は、開閉バルブ98、112を開く工程(ステップS51)、温度を計測する工程(ステップS52)、計測した温度を制御部101eに送る工程(ステップS53)、計測した温度が設定値以下であるかを判定する工程(ステップS54)、及び開閉バルブ98、112を閉じる工程(ステップS55)を含む。
前の加熱処理工程を温度T1で行った後、冷却工程を開始する。最初に、ステップS51を行う。ステップS51では、第1の冷却用気体排出系90のエジェクタ92の主管95入口側の開閉バルブ98及び第2の冷却用気体供給系110の開閉バルブ112を開く。これにより、前の加熱処理工程において、ガスを通流させておらず加熱温度の付近で蓄熱している上面側空間層74及び下面側空間層75において、大気取り入れ口82から冷却用気体供給管81を介して、第1の冷却用気体を通流させる。また、第2の冷却用気体供給系110の第2の冷却用気体供給部111から、ガス供給流路64、第1の開口部68、シャワープレート70の微細孔69、処理空間S、第2の開口部72、第2の空間層71(ガス排気流路65)、ガス排気管73を通って、第2の冷却用気体を通流させる。
次に、ステップS52を行う。ステップS52では、温度センサ100により蓋体60の温度Tを計測する。
次に、ステップS53を行う。ステップS53では、温度センサ100の出力信号を制御部101eに入力することにより、温度センサ100により計測した温度Tを制御部101eに送る。
次に、ステップS54を行う。ステップS54では、温度センサ100の出力信号に基づいて、温度Tが設定値T2以下であるかを判定する。温度Tが設定値T2より大きい場合には、再びステップS52に戻り、ステップS52からステップS54の工程を繰り返す。一方、温度Tが設定値T2以下である場合には、ステップS55に進む。
ステップS55では、温度Tが設定値T2以下である場合には、蓋体60の温度が冷却したことになるため、第1の冷却用気体排出系90のエジェクタ92の主管95入口側の開閉バルブ98及び第2の冷却用気体供給系110の開閉バルブ112を閉じ、冷却工程を終了する。冷却工程が終了した後、次の温度T2において、加熱処理工程を行う。
なお、蓋体60の温度の設定値T1、T2は、それぞれの場合における熱板50の温度の設定値T1´、T2´と同一でもよく、加熱処理装置41eの構造等に基づいて異ならせてもよい。
本実施の形態では、処理室内の処理空間内並びに蓋体に設けられたガス供給流路及びガス排出流路よりなる第2の空間層にも第2の冷却用気体を通流させて蓋体を冷却する冷却機構として機能させることができる。従って、蓋体の断熱性を確保しつつ、低温領域での熱板の設定温度の変更に更に高速で追従することができる。
なお、本実施の形態では、温度センサの出力信号と設定温度との差に基づいて、ガス供給管からの第2の冷却用気体の供給量を制御する方法に限定されない。それに代え、中心凸部の上端においてガス排出流路に接続されたガス排出管に例えばエジェクタ又はポンプ等よりなるガス排出部を接続し、ガス排出部からの第2の冷却用気体の排出量を制御する方法を行ってもよい。また、第2の冷却用気体を、通常の加熱処理工程を行う際にガス供給流路及びガス排出流路に通流させるガスと同一の供給部により供給してもよい。また、開閉バルブに代え、バルブの開度を調整できる調整バルブを用いてもよい。
以上、本発明の好ましい実施の形態について記述したが、本発明はかかる特定の実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲内に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
また、本発明は、塗布現像処理装置のみならず、基板洗浄装置、成膜装置、エッチング装置その他の各種装置に適用することが可能である。また、本発明は、半導体基板、ガラス基板その他の各種基板を搬送する工程を含む装置に適用することが可能である。
1 塗布現像処理装置
16 主搬送装置
41、41a〜41e 加熱処理装置(処理室)
50 熱板
60 蓋体
71 第2の空間層
74 上面側空間層(第1の空間層)
75 下面側空間層(第1の空間層)
76 仕切板
80、80c、80d 冷却用気体供給系
85、98、112 開閉バルブ
85d、98a 調整バルブ
90、90c 冷却用気体排出系
92 冷却用気体排出部(エジェクタ)
100 温度センサ
101、101a、101c、101d、101e 制御部

Claims (6)

  1. 基板の表面に塗布膜が形成された基板を処理室内で加熱処理する加熱処理装置において、
    基板を載置し加熱する熱板と、
    前記熱板上に載置された前記基板を覆い前記処理室を形成する蓋体と、
    前記蓋体の温度を計測する温度センサと
    を有し、
    前記蓋体は、上面と下面との間に形成された空間層を有し、
    前記蓋体を冷却するときに、
    前記空間層に冷却用気体を通流させて、前記温度センサの出力信号に基づいて、前記冷却用気体の流量を制御し、
    前記蓋体は、前記上面と前記下面との間に形成された第2の空間層を有し、
    前記第2の空間層は、前記処理室の内部と外部とを連通し、
    前記第2の空間層に第2の冷却用気体を通流させて、前記温度センサの出力信号に基づいて、前記第2の冷却用気体の流量を制御する、
    ことを特徴とする加熱処理装置。
  2. 前記空間層から前記冷却用気体を排出する排出部を有し、
    前記温度センサの出力信号に基づいて、前記排出部からの前記冷却用気体の排出量を制御することを特徴とする請求項1に記載の加熱処理装置。
  3. 前記排出部からの前記冷却用気体の排出量をオンオフ制御することを特徴とする請求項2に記載の加熱処理装置。
  4. 前記排出部は、エジェクタを有することを特徴とする請求項2又は請求項3に記載の加熱処理装置。
  5. 前記空間層は、複数層であることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載の加熱処理装置。
  6. 前記空間層に前記冷却用気体を供給する供給部を有し、
    前記温度センサの出力信号に基づいて、前記供給部からの前記冷却用気体の供給量を制御することを特徴とする請求項1から請求項5のいずれかに記載の加熱処理装置。
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