JP2004235469A - 熱的処理方法および熱的処理装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】形状精度に優れた回路パターンが得られるようにレジスト塗布膜が形成された基板を熱的に処理する熱的処理方法および熱的処理装置を提供する。
【解決手段】表面にレジスト液が塗布されて塗布膜が形成されたウエハWを加熱処理チャンバ31の内部に収容されたホットプレート33上に載置する工程と、ウエハWの加熱処理中に加熱処理チャンバ31の容積を変化させてウエハWを加熱することにより塗布膜に含まれる所定の物質の蒸発速度を制御して、塗布膜の厚さ方向においてこの物質に分布を生じさせる工程と、ホットプレート33からウエハWをクーリングプレート43に移載してウエハWを冷却する工程と、を有する。
【選択図】 図5
【解決手段】表面にレジスト液が塗布されて塗布膜が形成されたウエハWを加熱処理チャンバ31の内部に収容されたホットプレート33上に載置する工程と、ウエハWの加熱処理中に加熱処理チャンバ31の容積を変化させてウエハWを加熱することにより塗布膜に含まれる所定の物質の蒸発速度を制御して、塗布膜の厚さ方向においてこの物質に分布を生じさせる工程と、ホットプレート33からウエハWをクーリングプレート43に移載してウエハWを冷却する工程と、を有する。
【選択図】 図5
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、表面にレジスト液が塗布されて塗布膜が形成された基板を熱的に処理する熱的処理方法および熱的処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば、半導体デバイスの製造プロセスにおいては、いわゆるフォトリソグラフィー技術を用いて、半導体ウエハの表面に所定の回路パターンを形成している。このフォトリソグラフィー工程では、例えば、洗浄処理されたウエハにフォトレジスト液を塗布して膜を形成し、これを所定のパターンで露光し、さらに現像処理するという一連の処理が行われている。
【0003】
ここで、ウエハ表面へのレジスト膜の形成方法としては、ウエハをスピンチャックに保持してウエハの中心部に所定量のレジスト液を供給し、次いでスピンチャックを回転させることによって遠心力を利用してレジスト液をウエハの外周に拡げて膜を形成し、次に膜が形成されたウエハをホットプレートに載置して加熱処理する、という方法が広く用いられている。
【0004】
ウエハにレジスト膜を形成するために使用される熱処理装置として、特開平8−162405号公報(特許文献1)には、ウエハを載置して加熱するホットプレートと、ホットプレートを収容するチャンバと、加熱処理されたウエハを冷却する上部冷却片および下部冷却片(以下「冷却片」という)と、この冷却片にウエハが保持されるように冷却片をホットプレート側へ移動させる移動機構と、を有する熱的処理装置が開示されている。チャンバには、ウエハの加熱処理時にレジスト膜から蒸発(または昇華)する蒸気をチャンバの外部に排出するために排気装置が取り付けられている。
【0005】
この熱処理装置によるウエハの加熱処理は、ホットプレートの温度を一定に保持することによってウエハが設定温度に達するまでの加熱時間を一定とし、また、チャンバからの排気量を一定として行われている。
【0006】
【特許文献1】
特開平8−162405号公報(第5−6項、第2図)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような条件一定の加熱処理方法では、レジスト材料の多様化やレジスト膜の薄膜化、回路パターンの微細化および細線化が急速に進み、フォトリソグラフィー工程によって形成される回路パターンに対して高い形状精度が要求されるようになってきている中で、この要求される精度を満足することが困難となってきている。
【0008】
本発明はかかる事情に鑑みてなされたものであり、レジスト液が塗布されて塗布膜が形成された基板を、形状精度に優れた回路パターンが最終的に形成されるように熱的に処理する熱的処理方法および熱的処理装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明の第1の観点によれば、表面にレジスト液が塗布されて塗布膜が形成された基板の熱的処理方法であって、
チャンバの内部に収容されたホットプレート上に前記基板を載置する工程と、
前記塗布膜に含まれる所定の物質が前記塗布膜の厚さ方向において所定の分布を生じるように、前記ホットプレートによる前記基板の加熱処理中に前記チャンバの容積を変化させることによって、前記所定の物質の蒸発速度を制御する工程と、
前記ホットプレートから前記基板を離隔させて前記基板を冷却する工程と、
を有することを特徴とする熱的処理方法、が提供される。
【0010】
本発明の第2の観点によれば、表面にレジスト液が塗布されて塗布膜が形成された基板の熱的処理方法であって、
チャンバの内部に収容されたホットプレート上に前記基板を載置する工程と、
前記塗布膜に含まれる所定の物質が前記塗布膜の厚さ方向において所定の分布を生じるように、前記ホットプレートによる前記基板の加熱処理中に前記チャンバへの給気量および前記チャンバからの排気量を変化させることによって、前記所定の物質の蒸発速度を制御する工程と、
前記ホットプレートから前記基板を離隔させて前記基板を冷却する工程と、
を有することを特徴とする熱的処理方法、が提供される。
【0011】
本発明の第3の観点によれば、表面にレジスト液が塗布されて塗布膜が形成された基板の熱的処理方法であって、
チャンバの内部に収容されたホットプレート上に前記基板を載置する工程と、
前記塗布膜に含まれる所定の物質が前記塗布膜の厚さ方向において所定の分布を生じるように、前記ホットプレートによる前記基板の加熱処理中に、前記基板の表面に向けて略鉛直下向きに供給するガスの流速を変化させるとともに略鉛直上向きに排気するガスの流速を変化させることによって、前記所定の物質の蒸発速度を制御する工程と、
前記ホットプレートから前記基板を離隔させて前記基板を冷却する工程と、
を有することを特徴とする熱的処理方法、が提供される。
【0012】
本発明の第4の観点によれば、表面にレジスト液が塗布されて塗布膜が形成された基板の熱的処理方法であって、
高さの異なるピンを表面に備えたホットプレートの上に前記基板を前記基板が前記ピンの中で最も長いピンに支持されるように載置する工程と、
前記塗布膜に含まれる所定の物質が前記塗布膜の厚さ方向において所定の分布を生じるように、前記基板が前記最も長いピンに支持された状態で所定時間が経過したときに前記基板が前記最も長いピンの次に長いピンに支持されるように前記最も長いピンを所定の位置に待避させて、さらに前記基板を所定時間加熱することによって、前記所定の物質の蒸発速度を制御する工程と、
前記ホットプレートから前記基板を離隔させて前記基板を冷却する工程と、
を有することを特徴とする熱的処理方法、が提供される。
【0013】
本発明の第5の観点によれば、表面にレジスト液が塗布されて塗布膜が形成された基板の熱的処理方法であって、
ホットプレート上に前記基板を載置する工程と、
前記塗布膜に含まれる所定の物質が前記塗布膜の厚さ方向において所定の分布を生じるように、予め準備された複数の加熱処理レシピの中から前記レジスト液の種類および性状に適した1のレシピを選択して、前記ホットプレートを前記レシピに従って昇温し、前記基板を加熱することによって、前記所定の物質の蒸発速度を制御する工程と、
前記ホットプレートから前記基板を離隔させて前記基板を冷却する工程と、
を有することを特徴とする熱的処理方法、が提供される。
【0014】
また本発明によれば、このような熱的処理方法を行うに適した熱的処理装置が提供される。すなわち、本発明の第6の観点によれば、表面にレジスト液が塗布されて塗布膜が形成された基板を前記塗布膜に含まれる所定の物質の蒸発速度が制御されるように熱的に処理することによって、前記所定の物質の前記塗布膜の厚さ方向における分布を制御する熱的処理装置であって、
前記基板を載置して前記基板を加熱する加熱プレートと、
上面が開口した下部容器および下面が開口した上部容器とを有し、前記加熱プレートを収容するチャンバと、
前記下部容器と前記上部容器の相対的な配置位置を変えることにより前記チャンバの容積を調節する容積調節機構と、
前記基板を載置して前記基板を冷却する冷却プレートと、
前記加熱プレートから前記冷却プレートへ前記基板を移載させる基板搬送手段と、
を具備することを特徴とする熱的処理装置、が提供される。
【0015】
本発明の第7の観点によれば、表面にレジスト液が塗布されて塗布膜が形成された基板を前記塗布膜に含まれる所定の物質の蒸発速度が制御されるように熱的に処理することによって、前記所定の物質の前記塗布膜の厚さ方向における分布を制御する熱的処理装置であって、
前記基板を載置して前記基板を加熱する加熱プレートと、
前記加熱プレートを収容するチャンバと、
前記チャンバに所定のガスを供給するガス供給手段と、
前記チャンバからの排気を行う排気手段と、
前記チャンバへのガス供給量および前記チャンバからの排気量を調節する給排気調節機構と、
前記基板を載置して前記基板を冷却する冷却プレートと、
前記加熱プレートから前記冷却プレートへ前記基板を移載させる基板搬送手段と、
を具備することを特徴とする熱的処理装置、が提供される。
【0016】
本発明の第8の観点によれば、表面にレジスト液が塗布されて塗布膜が形成された基板を前記塗布膜に含まれる所定の物質の蒸発速度が制御されるように熱的に処理することによって、前記所定の物質の前記塗布膜の厚さ方向における分布を制御する熱的処理装置であって、
前記基板を載置して前記基板を加熱する加熱プレートと、
前記加熱プレートを収容するチャンバと、
前記基板の表面に向けて略鉛直下向きに所定のガスを供給するガス供給機構と、
略鉛直上向きに前記チャンバ内の雰囲気を排気するガス排気機構と、
前記ガス供給機構によって前記基板に供給されるガスの流速を変化させ、かつ、前記ガス排気機構による排気ガスの流速を変化させる給排気制御装置と、
前記基板を載置して前記基板を冷却する冷却プレートと、
前記加熱プレートから前記冷却プレートへ前記基板を移載させる基板搬送手段と、
を具備することを特徴とする熱的処理装置、が提供される。
【0017】
本発明の第9の観点によれば、表面にレジスト液が塗布されて塗布膜が形成された基板を前記塗布膜に含まれる所定の物質の蒸発速度が制御されるように熱的に処理することによって、前記所定の物質の前記塗布膜の厚さ方向における分布を制御する熱的処理装置であって、
前記基板を載置して前記基板を加熱する加熱プレートと、
前記加熱プレートを収容するチャンバと、
前記基板の表面に向けて略鉛直下向きに所定のガスを吹き出すガス吹き出し口と前記チャンバ内の雰囲気を排気する排気口とを備えた給排気ノズルと、
前記給排気ノズルと前記基板との間隔を調節するノズル位置調節機構と、
前記基板を載置して前記基板を冷却する冷却プレートと、
前記加熱プレートから前記冷却プレートへ前記基板を移載させる基板搬送手段と、
を具備することを特徴とする熱的処理装置、が提供される。
【0018】
本発明の第10の観点によれば、表面にレジスト液が塗布されて塗布膜が形成された基板を前記塗布膜に含まれる所定の物質の蒸発速度が制御されるように熱的に処理することによって、前記所定の物質の前記塗布膜の厚さ方向における分布を制御する熱的処理装置であって、
前記基板を載置して前記基板を加熱する加熱プレートと、
前記加熱プレートを収容するチャンバと、
前記基板を載置して前記基板を冷却する冷却プレートと、
前記加熱プレートから前記冷却プレートへ前記基板を移載させる基板搬送手段と、
を具備し、
前記加熱プレートは、
ヒータを備えたプレート部材と、
同じ長さを有する少なくとも3本のピンを1組として前記プレート部材の表面に前記基板を支持することができるように配置され、各組ごとに前記ピンの高さが異なる複数の組からなる支持ピン群と、
前記支持ピン群を構成する各組ごとに、その組に属するピンを前記基板を支持する位置と前記基板から離隔する位置との間で移動させるピン移動機構と、
を有することを特徴とする熱的処理装置、が提供される。
【0019】
本発明の第11の観点によれば、表面にレジスト液が塗布されて塗布膜が形成された基板を前記塗布膜に含まれる所定の物質の蒸発速度が制御されるように熱的に処理することによって、前記所定の物質の前記塗布膜の厚さ方向における分布を制御する熱的処理装置であって、
ヒータを備え、前記基板を載置して前記基板を加熱する加熱プレートと、
前記レジスト液の種類および性状に合わせた複数の加熱処理レシピおよび前記複数のレシピから1のレシピを選択するレシピ選択手段を備え、選択されたレシピにしたがって前記ヒータの発熱量を調整するヒータ制御装置と、
前記加熱プレートを収容するチャンバと、
前記基板を載置して前記基板を冷却する冷却プレートと、
前記加熱プレートから前記冷却プレートへ前記基板を移載させる基板搬送手段と、
を具備することを特徴とする熱的処理装置、が提供される。
【0020】
このような熱的処理方法および熱的処理装置によれば、表面にレジスト液が塗布されて塗布膜が形成された基板を、塗布膜に含まれる所定の物質の塗布膜の厚さ方向における分布が制御されるように、熱的に処理することができる。これによって、熱処理後に得られるレジスト膜の露光特性および現像特性が改善され、従来と同様に露光、現像処理した場合においても、形状精度に優れた回路パターンが形成されるようになる。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。ここでは、塗布膜が形成された半導体ウエハを熱処理する加熱/冷却ユニットを備え、レジスト液の塗布から現像処理までを一貫して行うレジスト塗布・現像処理システムを例に挙げて説明することとする。なお、本説明において「塗布膜」とは、レジスト液をウエハの表面に拡げることによって形成された膜であって、熱処理が行われていない膜をいうものとする。これに対して「レジスト膜」は塗布膜に熱処理を施すことによって得られる膜を指すものとする。
【0022】
図1は、レジスト塗布・現像処理システム1を示す概略平面図、図2はその正面図、図3はその背面図である。レジスト塗布・現像処理システム1は、搬送ステーションであるカセットステーション10と、複数の処理ユニットを有する処理ステーション11と、処理ステーション11に隣接して設けられる図示しない露光装置との間でウエハWを受け渡すためのインターフェイスステーション12と、を具備している。
【0023】
カセットステーション10は、ウエハWを複数枚(例えば25枚)収容可能なウエハカセットCRを載置するカセット載置台20を有している。レジスト塗布・現像処理システム1において処理すべきウエハWが収容されたウエハカセットCRは、他のシステムからカセットステーション10のカセット載置台20へ搬入され、逆に、レジスト塗布・現像処理システム1における処理を終えたウエハWが収容されたウエハWが収容されたウエハカセットCRは、カセット載置台20から他のシステムへ搬出される。
【0024】
カセット載置台20上には、図1中X方向に沿って複数(図では4個)の位置決め突起20aが形成されており、位置決め突起20aの位置にウエハカセットCRがそれぞれのウエハ出入口を処理ステーション11側に向けて1列に載置可能となっている。ウエハカセットCRにおいてはウエハWが鉛直方向(Z方向)に配列されている。
【0025】
カセットステーション10はまた、カセット載置台20と処理ステーション11との間にウエハ搬送機構21を備えている。このウエハ搬送機構21は、カセット配列方向(X方向)およびその中のウエハWの配列方向(Z方向)に移動可能であり、かつ、図1中に示されるθ方向に回転可能なウエハ搬送用ピック21aを有している。こうしてウエハ搬送用ピック21aは、カセット載置台20に載置されたウエハカセットCRの所定位置に収容されたウエハWに対して選択的にアクセスすることができ、また、後述する処理ステーション11側の第3の処理部G3に属するアライメントユニット(ALIM)およびエクステンションユニット(EXT)にもアクセスできるようになっている。
【0026】
処理ステーション11は、ウエハWに対してレジスト液の塗布および現像を行う際の一連の工程を実施するための複数の処理ユニットを備え、これらが所定位置に多段に配置されている。各処理ユニットにおいてウエハWは1枚ずつ処理される。この処理ステーション11は、図1に示すように、中心部にウエハ搬送路22aを有しており、この中に主ウエハ搬送機構22が設けられ、ウエハ搬送路22aの周りに全ての処理ユニットが配置された構成となっている。これら複数の処理ユニットは、複数の処理部に分かれており、各処理部は複数の処理ユニットが鉛直方向(Z方向)に沿って多段に配置されている。
【0027】
主ウエハ搬送機構22は、図3に示すように、筒状支持体79の内側にウエハ搬送装置76を鉛直方向(Z方向)に昇降自在に装備している。筒状支持体79は図示しないモータの回転駆動力によって回転可能となっており、それに伴ってウエハ搬送装置76も一体的に回転可能となっている。ウエハ搬送装置76は、搬送基台77の前後方向に移動自在な複数本の保持アーム78を備え、これらの保持アーム78によって各処理ユニット間でのウエハWの受け渡しを実現している。
【0028】
図1に示すように、レジスト塗布・現像処理システム1においては、4個の処理部G1・G2・G3・G4がウエハ搬送路22aの周囲に配置されている。これらのうち、第1および第2の処理部G1・G2はレジスト塗布・現像処理システム1の正面側(図1における手前側)に並列に配置され、第3の処理部G3はカセットステーション10に隣接して配置され、第4の処理部G4はインターフェイスステーション12に隣接して配置されている。また、レジスト塗布・現像処理システム1においては、背面部に第5の処理部G5を配置することができるようになっている。
【0029】
第1の処理部G1では、コータカップ(CP)内でウエハWを図示しないスピンチャックに乗せて所定の処理を行う2台のスピナ型処理ユニットであるレジスト塗布処理ユニット(COT)およびレジストのパターンを現像する現像処理ユニット(DEV)が下から順に2段に重ねられている。第2の処理部G2も同様に、2台のスピナ型処理ユニットとしてレジスト塗布処理ユニット(COT)および現像処理ユニット(DEV)が下から順に2段に重ねられている。
【0030】
第3の処理部G3においては、図3に示すように、ウエハWを載置台SPに載せて所定の処理を行うオーブン型の処理ユニットが多段に重ねられている。すなわち、レジストの定着性を高めるためのいわゆる疎水化処理を行うアドヒージョンユニット(AD)、位置合わせを行うアライメントユニット(ALIM)、ウエハWの搬入出を行うエクステンションユニット(EXT)、冷却処理を行う冷却ユニット(COL)、レジスト液が塗布されたウエハWに対して加熱処理と冷却処理とを連続して行う2つの加熱/冷却ユニット(HP/COL)、現像処理後のウエハWまたは露光処理後のウエハWに対して加熱処理を行う2つの加熱ユニット(HP)が下から順に8段に重ねられている。
【0031】
なお、アライメントユニット(ALIM)の代わりに冷却ユニット(COL)を設け、冷却ユニット(COL)にアライメント機能を持たせてもよい。加熱/冷却ユニット(HP/COL)の構造については後に詳細に説明する。
【0032】
第4の処理部G4においても、オーブン型の処理ユニットが多段に重ねられている。すなわち、冷却ユニット(COL)、クーリングプレートを備えたウエハ搬入出部であるエクステンション・クーリングプレートユニット(EXTCOL)、エクステンションユニット(EXT)、冷却ユニット(COL)、および4つの加熱ユニット(HP)が下から順に8段に重ねられている。
【0033】
主ウエハ搬送機構22の背部側に第5の処理部G5を設ける場合に、第5の処理部G5は、案内レール25に沿って主ウエハ搬送機構22から見て側方へ移動できるようになっている。これにより、第5の処理部G5を設けた場合でも、これを案内レール25に沿ってスライドすることによって空間部が確保されるために、主ウエハ搬送機構22に対して背後からメンテナンス作業を容易に行うことができる。
【0034】
インターフェイスステーション12は、奥行方向(X方向)については、処理ステーション11と同じ長さを有している。図1、図2に示すように、このインターフェイスステーション12の正面部には、可搬性のピックアップカセットPRと定置型のバッファカセットBRが2段に配置され、背面部には周辺露光装置23が配設され、中央部にはウエハ搬送機構24が配設されている。このウエハ搬送機構24はウエハ搬送用アーム24aを有しており、このウエハ搬送用アーム24aは、X方向、Z方向に移動して両カセットPR・BRおよび周辺露光装置23にアクセス可能となっている。
【0035】
なお、ウエハ搬送用アーム24aはθ方向に回転可能であり、処理ステーション11の第4の処理部G4に属するエクステンションユニット(EXT)や、さらには隣接する露光装置側のウエハ受け渡し台(図示せず)にもアクセス可能となっている。
【0036】
上述したレジスト塗布・現像処理システム1においては、まず、カセットステーション10において、ウエハ搬送機構21のウエハ搬送用ピック21aがカセット載置台20上の未処理のウエハWを収容しているウエハカセットCRにアクセスして1枚のウエハWを取り出し、第3の処理部G3のエクステンションユニット(EXT)に搬送する。
【0037】
ウエハWは、このエクステンションユニット(EXT)から、主ウエハ搬送機構22のウエハ搬送装置76により、処理ステーション11に搬入される。そして、第3の処理部G3のアライメントユニット(ALIM)によりアライメントされた後、アドヒージョン処理ユニット(AD)に搬送され、そこでレジストの定着性を高めるための疎水化処理(HMDS処理)が施される。この処理は加熱を伴うため、その後ウエハWは、ウエハ搬送装置76により冷却ユニット(COL)に搬送されて冷却される。
【0038】
アドヒージョン処理ユニット(AD)での処理が終了して冷却ユニット(COL)で冷却されたウエハW、またはアドヒージョン処理ユニット(AD)での処理を行わないウエハWは、引き続き、ウエハ搬送装置76によりレジスト塗布処理ユニット(COT)に搬送され、そこでレジスト液が塗布され塗布膜が形成される。レジスト液の塗布処理終了後、ウエハWは、第3の処理部G3の加熱/冷却ユニット(HP/COL)へ搬送されて、そこでプリベーク処理される。
【0039】
レジスト膜が形成されたウエハWは、第3の処理部G3のアライメントユニット(ALIM)に搬送され、そこでアライメントされた後、第4の処理部G4のエクステンションユニット(EXT)を介してインターフェイスステーション12に搬送される。
【0040】
ウエハWは、インターフェイスステーション12において周辺露光装置23により周辺露光されて余分なレジスト膜が除去された後、インターフェイスステーション12に隣接して設けられた図示しない露光装置に搬送される。露光装置においては、ウエハWのレジスト膜に所定のパターンで露光処理が施される。
【0041】
露光処理が終了したウエハWは、再びインターフェイスステーション12に戻され、ウエハ搬送機構24により、第4の処理部G4に属するエクステンションユニット(EXT)に搬送される。そしてウエハWは、ウエハ搬送装置76により第3の処理部G3または第4の処理部G4の加熱ユニット(HP)へ搬送されて、そこでポストエクスポージャーベーク処理が施される。ポストエクスポージャーベーク処理においては、ウエハWは所定温度まで冷却されるが、ウエハWはその後に必要に応じて冷却ユニット(COL)に搬送され、そこでさらに冷却処理される。
【0042】
その後、ウエハWは現像処理ユニット(DEV)に搬送され、そこで露光パターンの現像が行われる。現像終了後、ウエハWは第3の処理部G3または第4の処理部G4に設けられた加熱ユニット(HP)へ搬送されて、そこでポストベーク処理が行われる。ポストベーク処理が終了したウエハWは、必要に応じてウエハWは第3の処理部G3または第4の処理部G4に設けられた冷却ユニット(COL)で所定の温度まで冷却された後に、第3の処理部G3のエクステンションユニット(EXT)を介してカセットステーション10に戻され、いずれかのウエハカセットCRに収容される。
【0043】
次に、加熱/冷却ユニット(HP/COL)の構成について、さらに詳細に説明する。図4は、加熱/冷却ユニット(HP/COL)の概略構造を示す平面図であり、図5は加熱/冷却ユニット(HP/COL)の概略断面図である。ここで、図5(a)は加熱処理中の状態を示しており、図5(b)はウエハWを加熱/冷却ユニット(HP/COL)に搬入出させる際の状態を示している。
【0044】
加熱/冷却ユニット(HP/COL)は、加熱処理チャンバ31とこれに隣接して設けられた冷却処理チャンバ32とを有している。加熱処理チャンバ31と冷却処理チャンバ32の間にはこれらの間でウエハWの受渡を行う際に開閉されるシャッタ41が設けられ、加熱処理チャンバ31には、主ウエハ搬送機構22が有する保持アーム78との間でウエハWの受け渡しを行う際に開閉されるシャッタ42が設けられている。
【0045】
加熱処理チャンバ31は、上面が開口した下部容器36aと、下面が開口した上部容器36bから構成され、その内部にはヒータ33aが埋設されたホットプレート33が収容されている。ホットプレート33の表面には図示しない支持ピンが複数箇所に設けられており、ウエハWを支持した際にウエハWの裏面とホットプレート33の上面との間には、所定の隙間が形成されるようになっている。
【0046】
ホットプレート33上でウエハWを昇降させる昇降ピン34がホットプレート33を貫通して設けられている。昇降ピン34は、昇降ピン34とウエハ搬送装置76との間でウエハWを受け渡しする際には、ウエハWをホットプレート33から持ち上げて所定の高さ位置でウエハWを支持し、ウエハWの加熱処理中は、例えば、その先端がホットプレート33の上面と同じ高さとなるように保持される。
【0047】
下部容器36aの底壁にはガス供給口39aが形成されており、図示しないガス供給装置からガス供給口39aを通して加熱処理チャンバ31の内部に窒素(N2)等の不活性ガスが供給されるようになっている。また、上部容器36bの天井壁には排気口39bが設けられており、図示しない排気装置によってこの排気口39bを通して加熱処理チャンバ31内の雰囲気が排気されるようになっている。
【0048】
上部容器36bは昇降機構35によって昇降自在であり、これによってウエハWをホットプレート33に載置した状態において、加熱処理チャンバ31の容積を任意に変化させることができるようになっている。また、下部容器36aと上部容器36bの間は摺り合わせ構造またはシール構造(図示せず)となっており、下部容器36aと上部容器36bとの間からは実質的に加熱処理チャンバ31内の雰囲気が外部に漏れないようになっている。
【0049】
加熱処理チャンバ31と冷却処理チャンバ32との間は、シャッタ41により開閉可能な連通口41aを介して連通している。冷却処理チャンバ32には、ウエハWを載置して冷却するためのクーリングプレート43と、クーリングプレート43を水平方向に移動させるためのガイドプレート44および移動機構45と、が設けられている。
【0050】
昇降ピン34によってウエハWがホットプレート33の上方の所定の高さに保持している状態において、移動機構45を駆動することによってクーリングプレート43を連通口41aを通して加熱処理チャンバ31内に進入させる。このとき、クーリングプレート43が昇降ピン34と衝突しないように、クーリングプレート43には昇降ピン34が設けられている位置に合わせて溝48が設けられている。ウエハWの下にクーリングプレート43が進入した状態で昇降ピン34を降下させると、ウエハWは昇降ピン34からクーリングプレート43に受け渡される。ウエハWを保持したクーリングプレート43を冷却処理チャンバ32内に引き戻してウエハWを冷却する。クーリングプレート43の設定温度は、例えば、15℃〜25℃とされる。
【0051】
冷却処理チャンバ32の天井壁に設けられた給気口46bからは、冷却処理チャンバ32の内部へ清浄なN2(または空気)が供給されるようになっており、冷却処理チャンバ32に供給されたN2は、冷却処理チャンバ32の底壁に形成されている排気口46aから排気されるようになっている。
【0052】
このような構成を有する加熱/冷却ユニット(HP/COL)によるウエハWの熱的処理工程を以下に説明する。まずシャッタ42を開いて塗布膜が形成されたウエハWを保持した保持アーム78を加熱処理チャンバ31へ進入させる。次いで昇降ピン34を上昇させると、ウエハWは昇降ピン34に支持されて、保持アーム78がフリーな状態となる。保持アーム78を加熱処理チャンバ31から退出させてシャッタ42を閉じ、昇降ピン34を効果させてウエハWをホットプレート33上に載置し、ウエハWの加熱処理を開始する。
【0053】
ウエハWの加熱処理中に、上部容器36bの高さを昇降機構35によっての相対的な配置位置を変えることにより加熱処理チャンバ31の容積を調節する。これによりウエハWの周辺の気流が変化して、加熱によって塗布膜から蒸発または昇華する成分物質(以下「熱拡散物質」ということとする)の蒸発速度を変化させることができる。
【0054】
例えば、レジスト液には酸成分と、この酸成分を失活させるクエンチャが含まれている。このクエンチャは熱拡散物質の一種である。加熱処理チャンバ31への給気量および加熱処理チャンバ31からの排気量を一定として、上部容器36bを低い位置で保持してウエハWの上側に形成される空間を狭くすると、ウエハWの表面近傍(つまりレジスト膜の表面近傍)の気流の流速が速くなるためにクエンチャの蒸発が促進され、クエンチャの濃度は相対的にレジスト膜の表面側で高く、ウエハW側で低くなる。このようなレジスト膜を現像処理すると、上部の幅が広く下部の幅の狭い壁部(溝と溝の間の突起部)からなる配線パターンが得られ易い。
【0055】
逆に、上部容器36bを高い位置で保持してウエハWの上側に形成される空間を広くすると、ウエハWの表面近傍の気流の流速は遅くなるために、レジスト膜内でのクエンチャの拡散が抑制されて、クエンチャの蒸発が抑制される。この場合には、レジスト膜の表面側とウエハW側とでクエンチャの濃度は相対的にほぼ等しくなる。このようなレジスト膜を現像処理すると上部は丸みを帯びて幅が狭く、下部の幅の広い壁部からなる配線パターンが得られ易い。したがって、上部容器36bの高さを調節して加熱処理チャンバ31の容積を変化させることによって、側面が鉛直な壁部からなる回路パターンを得ることが可能となる。
【0056】
このように熱拡散物質の蒸発速度を変えることによって、塗布膜の厚さ方向における熱拡散物質の分布(濃度分布)を変化させること、つまり、熱処理後に得られるレジスト膜における成分分布を制御すること、が可能となり、露光特性と現像特性に優れたレジスト膜を得ることができるようになる。
【0057】
必要な処理時間が経過したら、昇降ピン34を上昇させてウエハWを所定の高さまで持ち上げる。シャッタ41を開いて、クーリングプレート43を加熱処理チャンバ31へスライドさせ、続いて昇降ピン34を降下させることにより、ウエハWは昇降ピン34からクーリングプレート43へと受け渡される。ウエハWを保持したクーリングプレート43を冷却処理チャンバ32へ戻して、ウエハWを冷却する。このように、加熱処理後に速やかにウエハWを冷却することによって熱拡散物質の蒸発を防止することができるため、レジスト膜内での熱拡散物質の分布状態を保持することができる。
【0058】
冷却処理されたウエハWは、クーリングプレート43に乗せられた状態で再び加熱処理チャンバ31へ戻され、昇降ピン34に受け渡される。クーリングプレート43を冷却処理チャンバ32に戻した後に、シャッタ42を開いて保持アーム78を加熱処理チャンバ31に進入させ、次いで昇降ピン34を降下させることにより、ウエハWは保持アーム78に保持されて加熱処理チャンバ31から搬出される。
【0059】
図6に加熱処理チャンバ31の容積を変化させた場合に得られる回路パターンの部分的な断面図を示す。図6(a)は上部容器36bを低い位置に保持した場合を、図6(c)は上部容器36bを高い位置に保持した場合を、図6(b)は上部容器36bを図6(a)と図6(c)の場合の中間の高さに保持した場合の、それぞれの回路パターンの壁部形状である。図6(a)に示されるように、加熱処理チャンバ31の容積を小さくした場合には、クエンチャの蒸発が促進されるために、上部の幅が広く下部の幅の狭い壁部が得られている。この状態から加熱処理チャンバ31の容積を大きくしていくと、図6(b)、(c)に示されるように、壁部における上部の幅と下部の幅との差を小さくすることができ、より鉛直な側面を有する壁部を形成することができることが確認された。
【0060】
次に、加熱/冷却ユニット(HP/COL)における加熱処理チャンバ31の別の実施の形態(加熱処理チャンバ31a〜31e)について説明する。図7は加熱処理チャンバ31aの概略断面図である。なお、加熱処理チャンバ31aに連設される冷却処理チャンバ32の構造には変わりはないために、冷却処理チャンバ32の図示は省略する。加熱処理チャンバ31aは、容積不変のハウジング51の内部にヒータ33aが埋設されたホットプレート33が収容され、昇降ピン34がホットプレート33を貫通して配置された構造を有している。
【0061】
ハウジング51の底壁にはガス供給口51aが形成されており、このガス供給口51aを通して、ガス供給装置53からN2が加熱処理チャンバ31aの内部に供給される。また、ハウジング51の天井壁には排気口51bが形成されており、この排気口51bには排気装置54が取り付けられている。ガス供給装置53と排気装置54の運転は給排気制御装置55によって行われる。
【0062】
加熱処理チャンバ31aを用いた場合には、ガス供給装置53からの給気量および排気装置54による排気量を給排気制御装置55で制御することによって、ホットプレート33に載置されたウエハWの周囲に生ずる気流の流速を変化させることができる。これにより、加熱処理チャンバ31を用いた場合と同様に、熱処理中に塗布膜から蒸発する熱拡散物質の蒸発速度を制御することができる。
【0063】
加熱処理チャンバ31への給気量および加熱処理チャンバ31aからの排気量を変化させる工程において、さらにこの給気量と排気量とのバランスを変えることによって、加熱処理チャンバ31aの内圧を変化させることができる。加熱処理チャンバ31aの内圧を高くすることによって熱拡散物質の蒸発速度を遅くすることができ、逆に加熱処理チャンバ31aの内圧を低くすることによって熱拡散物質の蒸発速度を速くすることができる。
【0064】
なお、加熱処理チャンバ31aを用いたウエハWの処理方法は、ウエハWの加熱処理中に加熱処理チャンバ31aへの給気量および加熱処理チャンバ31aからの排気量を適宜調節することを除いて、加熱処理チャンバ31を用いたウエハWの処理方法と同じであるから、その詳細は説明の重複となるために省略する。
【0065】
図8は加熱処理チャンバ31bの概略断面図である。図8においても図7と同様に冷却処理チャンバ32の図示を省略する。加熱処理チャンバ31bは下部容器61aと上部容器61bからなり、その内部にヒータ33aが埋設されたホットプレート33が収容され、昇降ピン34がホットプレート33を貫通して配置された構造を有している。
【0066】
上部容器61bの天井面には、ガス供給装置53から供給されるN2を加熱処理チャンバ31b内に略鉛直下向きに噴射するガス噴射口58が複数箇所に形成されている。また、上部容器61bの天井面には、排気装置54に接続され、加熱処理チャンバ31bからの排気を略鉛直上向きに行う排気口59も複数箇所に形成されている。ガス供給装置53からの給気量および排気装置54による排気量は、給排気制御装置55によって制御される。このように、加熱処理チャンバ31bにおいては、上部容器61bが、ガス噴射ノズルおよびガス排気ノズルとして機能する。なお、加熱処理チャンバ31bにおいては、上部容器61bの位置は固定されている。
【0067】
図9は加熱処理チャンバ31bの内部に生ずる気流を模式的に示す説明図である。ガス噴射口58からの給気が弱く(このことは給気量が少ないことと同じである)、かつ、排気口59からの排気も弱い場合には、図9(a)に示されるように上部容器61bの近傍で略U字型で深さの浅い気流が生ずる。この場合にはウエハWの周辺の気流は弱いものとなる。これに対して、ガス噴射口58から噴射するN2の流速を速くし(このことは給気量を増大させることと同じである)、排気口59からの排気を強めた場合には、N2がウエハWの近傍にまで達する深い略U字型の気流が生じ、こうしてウエハWの周辺の気流の流れが強くなる。
【0068】
加熱処理チャンバ31bを用いた場合には、ガス噴射口58から噴射されるN2のガス流速(給気量)および排気装置54による排気流速(排気量)を給排気制御装置55で制御することによって、ホットプレート33に載置されたウエハWの周囲に生ずる気流を変化させることができる。これにより加熱処理チャンバ31を用いた場合と同様に、熱処理中に塗布膜から蒸発する熱拡散物質の蒸発速度を制御することができる。
【0069】
図10は、図8に示した加熱処理チャンバ31bを構成する上部容器61bを昇降機構35により昇降自在とした加熱処理チャンバ31cの概略断面図である。加熱処理チャンバ31cでは、ガス噴射口58から噴射されるN2のガス流速および排気装置54による排気流速を一定の条件に固定した状態で、上部容器61bの高さを昇降機構35によって調節することによって、ホットプレート33に載置されたウエハWの周囲に生ずる気流を変化させることができる。勿論、上部容器61bの高さを調節しながら、ガス噴射口58から噴射されるN2のガス流速および排気装置54による排気流速をさらに調節することによって、より細かにウエハWの周囲に生ずる気流を変化させることができ、これによってウエハWからの熱拡散物質の蒸発速度を制御することができる。
【0070】
図11は加熱処理チャンバ31dの概略断面図である。図11においても図7と同様に冷却処理チャンバ32の図示を省略する。加熱処理チャンバ31dは容積不変のハウジング65の内部に、ヒータ66aが埋設されたホットプレート66が収容され、3本の昇降ピン67(図11には2本のみを図示)がホットプレート66を貫通して配置された構造を有している。加熱処理チャンバ31dの内部には、ハウジング65の底壁に設けられたガス供給口65aを通して外部からN2が供給されるようになっており、ハウジング65の天井壁に設けられた排気口65bを通して加熱処理チャンバ31d内の雰囲気が排気されるようになっている。昇降ピン67は昇降機構68によって昇降自在である。
【0071】
図12はホットプレート66の概略平面図である。ホットプレート66の表面には、同じ高さの4本のピン71を1組とし、同じ高さの4本のピン72(ピン71とは高さが異なる)を1組とし、同じ高さの4本のピン73(ピン71とピン72とは高さが異なる)を1組として、組毎にウエハWを支持することができるように位置決めがされた支持ピン群70が配置されている。なお、支持ピン群70は、4組以上のピンから構成されていてもよく、各組のピンの数は、3本でもよく、5本以上であってもよい。
【0072】
ここで、ピン71が最も高く(例えば、0.5mm)、次にピン72が高く(例えば、0.3mm)、ピン73が最も低い(例えば、0.1mm)ものとする。4本の支持ピン71は、スライド機構等のピン移動機構74によって、ウエハWを支持する位置(支持位置)とウエハWから離隔する位置(退避位置)との間で移動させることができる。同様に、4本の支持ピン72もまたピン移動機構75によって支持位置と退避位置との間で移動可能となっている。ピン73は支持位置で固定されている。ピン71〜73の支持位置は、ピン71〜73がウエハWの周縁部でウエハWを支持するように定める。
【0073】
このような加熱処理チャンバ31dを用いた加熱処理の第1の方法は、ウエハWとホットプレート66の表面との間の間隔を経時的に変更して、ウエハWを加熱する方法である。例えば、最初にピン71・72を支持位置に配置し、ホットプレート66を所定の温度で保持する。昇降ピン67を上昇させてウエハWを保持アーム78から受け取った後に、昇降ピン67を降下させると、ウエハWは最も高いピン71に支持されて加熱処理される。次に、処理レシピに従って所定時間が経過したときに、ピン移動機構74を駆動してピン71を退避位置へと移動させると、ウエハWはピン72に支持されて加熱処理される。さらに、処理レシピに従って所定時間が経過したときに、ピン移動機構75を駆動してピン72を退避位置へと移動させると、ウエハWはピン73に支持されて加熱処理される。
【0074】
なお、ピン71を退避させる際にピン71とウエハWとの間に生ずる摩擦力は、ピン71それぞれでほぼ同じであるが、ピン71を退避させる際のウエハWの位置ずれを防止するために、ホットプレート66の表面には、ウエハWの水平方向の位置を固定するガイド等を設けることが好ましい。このガイド等は、ピン72を移動させる際にも有効に機能するものであることが好ましい。
【0075】
このような加熱処理方法では、ウエハWを支持するピンを変えてウエハWを保持する高さを変えることにより、ウエハWの昇温速度を多段階に変えた加熱処理を行うことができる。このような加熱処理によって、塗布膜に含まれる熱拡散物質の蒸発速度を制御することができる。なお、ウエハWがピン71に支持された状態においてピン72を退避位置に移動させておけば、ピン71からピン73にウエハWが受け渡すことができる。ウエハWの多段階加熱処理は、例えば、昇降ピン67の高さを調節することによっても行うことができるが、この場合には昇降ピン67の昇降精度を極めて高くしなければならなくなり、装置コストの高騰を招く。支持ピン群70をホットプレート66に設けることによって、容易かつ高精度な多段階加熱処理を行うことができる。
【0076】
加熱処理チャンバ31dを用いた加熱処理の第2の方法は、レジスト液の種類や塗布膜の厚さに応じて、ウエハWを支持するピンをピン71〜73から選択する方法であり、このような方法によっても、露光特性や現像特性に優れたレジスト膜を形成することができる。例えば、ピン71・72を退避位置に移動させた状態で、ウエハWをホットプレート66に載置すれば、ウエハWはピン73に支持されて熱処理される。この場合には、昇温速度が最も速い条件で加熱処理が行われる。
【0077】
図13は加熱処理チャンバ31eの概略断面図である。図13においても図7と同様に冷却処理チャンバ32の図示を省略する。加熱処理チャンバ31eは、容積不変のハウジング81の内部にヒータ83aが埋設されたホットプレート83が収容され、3本の昇降ピン84(図13には2本のみを図示)がホットプレート83を貫通して配置された構造を有している。加熱処理チャンバ31eの内部には、ハウジング81の底壁に設けられたガス供給口81aを通して外部からN2が供給されるようになっており、ハウジング81の天井壁に設けられた排気口81bを通して加熱処理チャンバ31e内の雰囲気が排気されるようになっている。昇降ピン84は図示しない昇降機構によって昇降自在となっている。
【0078】
ホットプレート83の表面には図示しない支持ピンが配置されており、ウエハWはこの支持ピンに支持される。ヒータ83aの温度はヒータ出力制御装置87によって制御され、ヒータ出力制御装置87は処理レシピ記憶装置88から送られるレシピにしたがってヒータ83aの温度調節を行う。処理レシピ選択装置89によって、処理レシピ記憶装置88に記憶された複数のレシピから1の処理レシピを選択することができるようになっている。処理レシピは、例えば、昇温速度、最高保持温度、処理時間等の情報を含んでいる。
【0079】
加熱処理チャンバ31eを用いた熱処理では、レジスト塗布・現像処理装置1のオペレータは、レジスト塗布処理ユニット(COT)において使用されたレジスト液の種類や、形成される塗布膜の厚さ等の情報に基づいて、ウエハWを熱処理するためのレシピを処理レシピ選択装置89から選択する。ウエハWをこの選択されたレシピにしたがって熱的に処理することによって、塗布膜に含まれる熱拡散物質の蒸発速度を制御することができる。
【0080】
以上、本発明の実施の形態について説明してきたが、本発明はこのような形態に限定されるものでない。例えば、ウエハWの周辺の気流(雰囲気)を制御することによって熱拡散物質の塗布膜からの蒸発速度を制御する方法と、ホットプレート上でのウエハの高さ位置やヒータの加熱レシピを変えることによって熱拡散物質の塗布膜からの蒸発速度を制御する方法は、上記説明のように単独で用いることができるのは勿論のこと、複数の方法を組み合わせて用いることができることはいうまでもない。同様に、ウエハWの周囲の気流を制御する複数の方法から任意に2以上の方法を選択してウエハWを熱的に処理することができる。また、ホットプレート上でのウエハWの保持位置を変えながら、かつ、ヒータの出力を調整することによって、ウエハWを熱的に処理してもよい。
【0081】
上記説明においては、基板として半導体ウエハを取り上げたが、フラットパネルディスプレイ(FPD)用ガラス基板等の他の基板のフォトリソグラフィー工程に対しても、本発明の熱的処理方法および熱的処理装置を適用することができる。
【0082】
【発明の効果】
上述の通り、本発明によれば、基板の周辺の気流の周囲の気流(雰囲気)を制御することによって、または基板の加熱処理条件を適切なものとすることによって、基板に形成された塗布膜に含まれる所定の成分の塗布膜からの蒸発速度を制御することができる。これによって塗布膜の厚さ方向における所定の物質の分布が制御され、熱的処理後に得られるレジスト膜の露光特性および現像特性が改善される。こうして、従来と同様に露光、現像処理した場合においても、形状精度に優れた回路パターンが形成されるようになり、品質や信頼性が向上し、しかも、生産歩留まりも向上するという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】レジスト塗布・現像処理システムの概略構造を示す平面図。
【図2】レジスト塗布・現像処理システムの概略構造を示す正面図。
【図3】レジスト塗布・現像処理システムの概略構造を示す背面図。
【図4】加熱/冷却ユニット(HP/COL)の概略構造を示す平面図。
【図5】加熱/冷却ユニット(HP/COL)の概略構造を示す断面図。
【図6】図5に示す加熱処理チャンバの容積を変化させた場合に得られる回路パターンの部分的な断面図。
【図7】加熱処理チャンバの別の実施形態を示す概略断面図。
【図8】加熱処理チャンバのさらに別の実施形態を示す概略断面図。
【図9】図8に示す加熱処理チャンバの内部に生ずる気流を模式的に示す説明図。
【図10】加熱処理チャンバのさらに別の実施形態を示す概略断面図。
【図11】加熱処理チャンバのさらに別の実施形態を示す概略断面図。
【図12】図11に示す加熱処理チャンバが具備するホットプレートの概略平面図。
【図13】加熱処理チャンバのさらに別の実施形態を示す概略断面図。
【符号の説明】
1;レジスト塗布・現像処理システム
31;加熱処理チャンバ
32;冷却処理チャンバ
33;ホットプレート
33a;ヒータ
34;昇降ピン
35;昇降機構
36a;下部容器
36b;上部容器
39a;ガス供給口
39b;排気口
43;クーリングプレート
53;ガス供給装置
54;排気装置
55;給排気制御装置
58;ガス噴射口
59;排気口
70;支持ピン群
71・72・73;ピン
74・75;ピン移動機構
87;ヒータ出力制御装置
88;処理レシピ記憶装置
89;処理レシピ選択装置
HP/COL;加熱/冷却ユニット
W;半導体ウエハ
【発明の属する技術分野】
本発明は、表面にレジスト液が塗布されて塗布膜が形成された基板を熱的に処理する熱的処理方法および熱的処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば、半導体デバイスの製造プロセスにおいては、いわゆるフォトリソグラフィー技術を用いて、半導体ウエハの表面に所定の回路パターンを形成している。このフォトリソグラフィー工程では、例えば、洗浄処理されたウエハにフォトレジスト液を塗布して膜を形成し、これを所定のパターンで露光し、さらに現像処理するという一連の処理が行われている。
【0003】
ここで、ウエハ表面へのレジスト膜の形成方法としては、ウエハをスピンチャックに保持してウエハの中心部に所定量のレジスト液を供給し、次いでスピンチャックを回転させることによって遠心力を利用してレジスト液をウエハの外周に拡げて膜を形成し、次に膜が形成されたウエハをホットプレートに載置して加熱処理する、という方法が広く用いられている。
【0004】
ウエハにレジスト膜を形成するために使用される熱処理装置として、特開平8−162405号公報(特許文献1)には、ウエハを載置して加熱するホットプレートと、ホットプレートを収容するチャンバと、加熱処理されたウエハを冷却する上部冷却片および下部冷却片(以下「冷却片」という)と、この冷却片にウエハが保持されるように冷却片をホットプレート側へ移動させる移動機構と、を有する熱的処理装置が開示されている。チャンバには、ウエハの加熱処理時にレジスト膜から蒸発(または昇華)する蒸気をチャンバの外部に排出するために排気装置が取り付けられている。
【0005】
この熱処理装置によるウエハの加熱処理は、ホットプレートの温度を一定に保持することによってウエハが設定温度に達するまでの加熱時間を一定とし、また、チャンバからの排気量を一定として行われている。
【0006】
【特許文献1】
特開平8−162405号公報(第5−6項、第2図)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような条件一定の加熱処理方法では、レジスト材料の多様化やレジスト膜の薄膜化、回路パターンの微細化および細線化が急速に進み、フォトリソグラフィー工程によって形成される回路パターンに対して高い形状精度が要求されるようになってきている中で、この要求される精度を満足することが困難となってきている。
【0008】
本発明はかかる事情に鑑みてなされたものであり、レジスト液が塗布されて塗布膜が形成された基板を、形状精度に優れた回路パターンが最終的に形成されるように熱的に処理する熱的処理方法および熱的処理装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明の第1の観点によれば、表面にレジスト液が塗布されて塗布膜が形成された基板の熱的処理方法であって、
チャンバの内部に収容されたホットプレート上に前記基板を載置する工程と、
前記塗布膜に含まれる所定の物質が前記塗布膜の厚さ方向において所定の分布を生じるように、前記ホットプレートによる前記基板の加熱処理中に前記チャンバの容積を変化させることによって、前記所定の物質の蒸発速度を制御する工程と、
前記ホットプレートから前記基板を離隔させて前記基板を冷却する工程と、
を有することを特徴とする熱的処理方法、が提供される。
【0010】
本発明の第2の観点によれば、表面にレジスト液が塗布されて塗布膜が形成された基板の熱的処理方法であって、
チャンバの内部に収容されたホットプレート上に前記基板を載置する工程と、
前記塗布膜に含まれる所定の物質が前記塗布膜の厚さ方向において所定の分布を生じるように、前記ホットプレートによる前記基板の加熱処理中に前記チャンバへの給気量および前記チャンバからの排気量を変化させることによって、前記所定の物質の蒸発速度を制御する工程と、
前記ホットプレートから前記基板を離隔させて前記基板を冷却する工程と、
を有することを特徴とする熱的処理方法、が提供される。
【0011】
本発明の第3の観点によれば、表面にレジスト液が塗布されて塗布膜が形成された基板の熱的処理方法であって、
チャンバの内部に収容されたホットプレート上に前記基板を載置する工程と、
前記塗布膜に含まれる所定の物質が前記塗布膜の厚さ方向において所定の分布を生じるように、前記ホットプレートによる前記基板の加熱処理中に、前記基板の表面に向けて略鉛直下向きに供給するガスの流速を変化させるとともに略鉛直上向きに排気するガスの流速を変化させることによって、前記所定の物質の蒸発速度を制御する工程と、
前記ホットプレートから前記基板を離隔させて前記基板を冷却する工程と、
を有することを特徴とする熱的処理方法、が提供される。
【0012】
本発明の第4の観点によれば、表面にレジスト液が塗布されて塗布膜が形成された基板の熱的処理方法であって、
高さの異なるピンを表面に備えたホットプレートの上に前記基板を前記基板が前記ピンの中で最も長いピンに支持されるように載置する工程と、
前記塗布膜に含まれる所定の物質が前記塗布膜の厚さ方向において所定の分布を生じるように、前記基板が前記最も長いピンに支持された状態で所定時間が経過したときに前記基板が前記最も長いピンの次に長いピンに支持されるように前記最も長いピンを所定の位置に待避させて、さらに前記基板を所定時間加熱することによって、前記所定の物質の蒸発速度を制御する工程と、
前記ホットプレートから前記基板を離隔させて前記基板を冷却する工程と、
を有することを特徴とする熱的処理方法、が提供される。
【0013】
本発明の第5の観点によれば、表面にレジスト液が塗布されて塗布膜が形成された基板の熱的処理方法であって、
ホットプレート上に前記基板を載置する工程と、
前記塗布膜に含まれる所定の物質が前記塗布膜の厚さ方向において所定の分布を生じるように、予め準備された複数の加熱処理レシピの中から前記レジスト液の種類および性状に適した1のレシピを選択して、前記ホットプレートを前記レシピに従って昇温し、前記基板を加熱することによって、前記所定の物質の蒸発速度を制御する工程と、
前記ホットプレートから前記基板を離隔させて前記基板を冷却する工程と、
を有することを特徴とする熱的処理方法、が提供される。
【0014】
また本発明によれば、このような熱的処理方法を行うに適した熱的処理装置が提供される。すなわち、本発明の第6の観点によれば、表面にレジスト液が塗布されて塗布膜が形成された基板を前記塗布膜に含まれる所定の物質の蒸発速度が制御されるように熱的に処理することによって、前記所定の物質の前記塗布膜の厚さ方向における分布を制御する熱的処理装置であって、
前記基板を載置して前記基板を加熱する加熱プレートと、
上面が開口した下部容器および下面が開口した上部容器とを有し、前記加熱プレートを収容するチャンバと、
前記下部容器と前記上部容器の相対的な配置位置を変えることにより前記チャンバの容積を調節する容積調節機構と、
前記基板を載置して前記基板を冷却する冷却プレートと、
前記加熱プレートから前記冷却プレートへ前記基板を移載させる基板搬送手段と、
を具備することを特徴とする熱的処理装置、が提供される。
【0015】
本発明の第7の観点によれば、表面にレジスト液が塗布されて塗布膜が形成された基板を前記塗布膜に含まれる所定の物質の蒸発速度が制御されるように熱的に処理することによって、前記所定の物質の前記塗布膜の厚さ方向における分布を制御する熱的処理装置であって、
前記基板を載置して前記基板を加熱する加熱プレートと、
前記加熱プレートを収容するチャンバと、
前記チャンバに所定のガスを供給するガス供給手段と、
前記チャンバからの排気を行う排気手段と、
前記チャンバへのガス供給量および前記チャンバからの排気量を調節する給排気調節機構と、
前記基板を載置して前記基板を冷却する冷却プレートと、
前記加熱プレートから前記冷却プレートへ前記基板を移載させる基板搬送手段と、
を具備することを特徴とする熱的処理装置、が提供される。
【0016】
本発明の第8の観点によれば、表面にレジスト液が塗布されて塗布膜が形成された基板を前記塗布膜に含まれる所定の物質の蒸発速度が制御されるように熱的に処理することによって、前記所定の物質の前記塗布膜の厚さ方向における分布を制御する熱的処理装置であって、
前記基板を載置して前記基板を加熱する加熱プレートと、
前記加熱プレートを収容するチャンバと、
前記基板の表面に向けて略鉛直下向きに所定のガスを供給するガス供給機構と、
略鉛直上向きに前記チャンバ内の雰囲気を排気するガス排気機構と、
前記ガス供給機構によって前記基板に供給されるガスの流速を変化させ、かつ、前記ガス排気機構による排気ガスの流速を変化させる給排気制御装置と、
前記基板を載置して前記基板を冷却する冷却プレートと、
前記加熱プレートから前記冷却プレートへ前記基板を移載させる基板搬送手段と、
を具備することを特徴とする熱的処理装置、が提供される。
【0017】
本発明の第9の観点によれば、表面にレジスト液が塗布されて塗布膜が形成された基板を前記塗布膜に含まれる所定の物質の蒸発速度が制御されるように熱的に処理することによって、前記所定の物質の前記塗布膜の厚さ方向における分布を制御する熱的処理装置であって、
前記基板を載置して前記基板を加熱する加熱プレートと、
前記加熱プレートを収容するチャンバと、
前記基板の表面に向けて略鉛直下向きに所定のガスを吹き出すガス吹き出し口と前記チャンバ内の雰囲気を排気する排気口とを備えた給排気ノズルと、
前記給排気ノズルと前記基板との間隔を調節するノズル位置調節機構と、
前記基板を載置して前記基板を冷却する冷却プレートと、
前記加熱プレートから前記冷却プレートへ前記基板を移載させる基板搬送手段と、
を具備することを特徴とする熱的処理装置、が提供される。
【0018】
本発明の第10の観点によれば、表面にレジスト液が塗布されて塗布膜が形成された基板を前記塗布膜に含まれる所定の物質の蒸発速度が制御されるように熱的に処理することによって、前記所定の物質の前記塗布膜の厚さ方向における分布を制御する熱的処理装置であって、
前記基板を載置して前記基板を加熱する加熱プレートと、
前記加熱プレートを収容するチャンバと、
前記基板を載置して前記基板を冷却する冷却プレートと、
前記加熱プレートから前記冷却プレートへ前記基板を移載させる基板搬送手段と、
を具備し、
前記加熱プレートは、
ヒータを備えたプレート部材と、
同じ長さを有する少なくとも3本のピンを1組として前記プレート部材の表面に前記基板を支持することができるように配置され、各組ごとに前記ピンの高さが異なる複数の組からなる支持ピン群と、
前記支持ピン群を構成する各組ごとに、その組に属するピンを前記基板を支持する位置と前記基板から離隔する位置との間で移動させるピン移動機構と、
を有することを特徴とする熱的処理装置、が提供される。
【0019】
本発明の第11の観点によれば、表面にレジスト液が塗布されて塗布膜が形成された基板を前記塗布膜に含まれる所定の物質の蒸発速度が制御されるように熱的に処理することによって、前記所定の物質の前記塗布膜の厚さ方向における分布を制御する熱的処理装置であって、
ヒータを備え、前記基板を載置して前記基板を加熱する加熱プレートと、
前記レジスト液の種類および性状に合わせた複数の加熱処理レシピおよび前記複数のレシピから1のレシピを選択するレシピ選択手段を備え、選択されたレシピにしたがって前記ヒータの発熱量を調整するヒータ制御装置と、
前記加熱プレートを収容するチャンバと、
前記基板を載置して前記基板を冷却する冷却プレートと、
前記加熱プレートから前記冷却プレートへ前記基板を移載させる基板搬送手段と、
を具備することを特徴とする熱的処理装置、が提供される。
【0020】
このような熱的処理方法および熱的処理装置によれば、表面にレジスト液が塗布されて塗布膜が形成された基板を、塗布膜に含まれる所定の物質の塗布膜の厚さ方向における分布が制御されるように、熱的に処理することができる。これによって、熱処理後に得られるレジスト膜の露光特性および現像特性が改善され、従来と同様に露光、現像処理した場合においても、形状精度に優れた回路パターンが形成されるようになる。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。ここでは、塗布膜が形成された半導体ウエハを熱処理する加熱/冷却ユニットを備え、レジスト液の塗布から現像処理までを一貫して行うレジスト塗布・現像処理システムを例に挙げて説明することとする。なお、本説明において「塗布膜」とは、レジスト液をウエハの表面に拡げることによって形成された膜であって、熱処理が行われていない膜をいうものとする。これに対して「レジスト膜」は塗布膜に熱処理を施すことによって得られる膜を指すものとする。
【0022】
図1は、レジスト塗布・現像処理システム1を示す概略平面図、図2はその正面図、図3はその背面図である。レジスト塗布・現像処理システム1は、搬送ステーションであるカセットステーション10と、複数の処理ユニットを有する処理ステーション11と、処理ステーション11に隣接して設けられる図示しない露光装置との間でウエハWを受け渡すためのインターフェイスステーション12と、を具備している。
【0023】
カセットステーション10は、ウエハWを複数枚(例えば25枚)収容可能なウエハカセットCRを載置するカセット載置台20を有している。レジスト塗布・現像処理システム1において処理すべきウエハWが収容されたウエハカセットCRは、他のシステムからカセットステーション10のカセット載置台20へ搬入され、逆に、レジスト塗布・現像処理システム1における処理を終えたウエハWが収容されたウエハWが収容されたウエハカセットCRは、カセット載置台20から他のシステムへ搬出される。
【0024】
カセット載置台20上には、図1中X方向に沿って複数(図では4個)の位置決め突起20aが形成されており、位置決め突起20aの位置にウエハカセットCRがそれぞれのウエハ出入口を処理ステーション11側に向けて1列に載置可能となっている。ウエハカセットCRにおいてはウエハWが鉛直方向(Z方向)に配列されている。
【0025】
カセットステーション10はまた、カセット載置台20と処理ステーション11との間にウエハ搬送機構21を備えている。このウエハ搬送機構21は、カセット配列方向(X方向)およびその中のウエハWの配列方向(Z方向)に移動可能であり、かつ、図1中に示されるθ方向に回転可能なウエハ搬送用ピック21aを有している。こうしてウエハ搬送用ピック21aは、カセット載置台20に載置されたウエハカセットCRの所定位置に収容されたウエハWに対して選択的にアクセスすることができ、また、後述する処理ステーション11側の第3の処理部G3に属するアライメントユニット(ALIM)およびエクステンションユニット(EXT)にもアクセスできるようになっている。
【0026】
処理ステーション11は、ウエハWに対してレジスト液の塗布および現像を行う際の一連の工程を実施するための複数の処理ユニットを備え、これらが所定位置に多段に配置されている。各処理ユニットにおいてウエハWは1枚ずつ処理される。この処理ステーション11は、図1に示すように、中心部にウエハ搬送路22aを有しており、この中に主ウエハ搬送機構22が設けられ、ウエハ搬送路22aの周りに全ての処理ユニットが配置された構成となっている。これら複数の処理ユニットは、複数の処理部に分かれており、各処理部は複数の処理ユニットが鉛直方向(Z方向)に沿って多段に配置されている。
【0027】
主ウエハ搬送機構22は、図3に示すように、筒状支持体79の内側にウエハ搬送装置76を鉛直方向(Z方向)に昇降自在に装備している。筒状支持体79は図示しないモータの回転駆動力によって回転可能となっており、それに伴ってウエハ搬送装置76も一体的に回転可能となっている。ウエハ搬送装置76は、搬送基台77の前後方向に移動自在な複数本の保持アーム78を備え、これらの保持アーム78によって各処理ユニット間でのウエハWの受け渡しを実現している。
【0028】
図1に示すように、レジスト塗布・現像処理システム1においては、4個の処理部G1・G2・G3・G4がウエハ搬送路22aの周囲に配置されている。これらのうち、第1および第2の処理部G1・G2はレジスト塗布・現像処理システム1の正面側(図1における手前側)に並列に配置され、第3の処理部G3はカセットステーション10に隣接して配置され、第4の処理部G4はインターフェイスステーション12に隣接して配置されている。また、レジスト塗布・現像処理システム1においては、背面部に第5の処理部G5を配置することができるようになっている。
【0029】
第1の処理部G1では、コータカップ(CP)内でウエハWを図示しないスピンチャックに乗せて所定の処理を行う2台のスピナ型処理ユニットであるレジスト塗布処理ユニット(COT)およびレジストのパターンを現像する現像処理ユニット(DEV)が下から順に2段に重ねられている。第2の処理部G2も同様に、2台のスピナ型処理ユニットとしてレジスト塗布処理ユニット(COT)および現像処理ユニット(DEV)が下から順に2段に重ねられている。
【0030】
第3の処理部G3においては、図3に示すように、ウエハWを載置台SPに載せて所定の処理を行うオーブン型の処理ユニットが多段に重ねられている。すなわち、レジストの定着性を高めるためのいわゆる疎水化処理を行うアドヒージョンユニット(AD)、位置合わせを行うアライメントユニット(ALIM)、ウエハWの搬入出を行うエクステンションユニット(EXT)、冷却処理を行う冷却ユニット(COL)、レジスト液が塗布されたウエハWに対して加熱処理と冷却処理とを連続して行う2つの加熱/冷却ユニット(HP/COL)、現像処理後のウエハWまたは露光処理後のウエハWに対して加熱処理を行う2つの加熱ユニット(HP)が下から順に8段に重ねられている。
【0031】
なお、アライメントユニット(ALIM)の代わりに冷却ユニット(COL)を設け、冷却ユニット(COL)にアライメント機能を持たせてもよい。加熱/冷却ユニット(HP/COL)の構造については後に詳細に説明する。
【0032】
第4の処理部G4においても、オーブン型の処理ユニットが多段に重ねられている。すなわち、冷却ユニット(COL)、クーリングプレートを備えたウエハ搬入出部であるエクステンション・クーリングプレートユニット(EXTCOL)、エクステンションユニット(EXT)、冷却ユニット(COL)、および4つの加熱ユニット(HP)が下から順に8段に重ねられている。
【0033】
主ウエハ搬送機構22の背部側に第5の処理部G5を設ける場合に、第5の処理部G5は、案内レール25に沿って主ウエハ搬送機構22から見て側方へ移動できるようになっている。これにより、第5の処理部G5を設けた場合でも、これを案内レール25に沿ってスライドすることによって空間部が確保されるために、主ウエハ搬送機構22に対して背後からメンテナンス作業を容易に行うことができる。
【0034】
インターフェイスステーション12は、奥行方向(X方向)については、処理ステーション11と同じ長さを有している。図1、図2に示すように、このインターフェイスステーション12の正面部には、可搬性のピックアップカセットPRと定置型のバッファカセットBRが2段に配置され、背面部には周辺露光装置23が配設され、中央部にはウエハ搬送機構24が配設されている。このウエハ搬送機構24はウエハ搬送用アーム24aを有しており、このウエハ搬送用アーム24aは、X方向、Z方向に移動して両カセットPR・BRおよび周辺露光装置23にアクセス可能となっている。
【0035】
なお、ウエハ搬送用アーム24aはθ方向に回転可能であり、処理ステーション11の第4の処理部G4に属するエクステンションユニット(EXT)や、さらには隣接する露光装置側のウエハ受け渡し台(図示せず)にもアクセス可能となっている。
【0036】
上述したレジスト塗布・現像処理システム1においては、まず、カセットステーション10において、ウエハ搬送機構21のウエハ搬送用ピック21aがカセット載置台20上の未処理のウエハWを収容しているウエハカセットCRにアクセスして1枚のウエハWを取り出し、第3の処理部G3のエクステンションユニット(EXT)に搬送する。
【0037】
ウエハWは、このエクステンションユニット(EXT)から、主ウエハ搬送機構22のウエハ搬送装置76により、処理ステーション11に搬入される。そして、第3の処理部G3のアライメントユニット(ALIM)によりアライメントされた後、アドヒージョン処理ユニット(AD)に搬送され、そこでレジストの定着性を高めるための疎水化処理(HMDS処理)が施される。この処理は加熱を伴うため、その後ウエハWは、ウエハ搬送装置76により冷却ユニット(COL)に搬送されて冷却される。
【0038】
アドヒージョン処理ユニット(AD)での処理が終了して冷却ユニット(COL)で冷却されたウエハW、またはアドヒージョン処理ユニット(AD)での処理を行わないウエハWは、引き続き、ウエハ搬送装置76によりレジスト塗布処理ユニット(COT)に搬送され、そこでレジスト液が塗布され塗布膜が形成される。レジスト液の塗布処理終了後、ウエハWは、第3の処理部G3の加熱/冷却ユニット(HP/COL)へ搬送されて、そこでプリベーク処理される。
【0039】
レジスト膜が形成されたウエハWは、第3の処理部G3のアライメントユニット(ALIM)に搬送され、そこでアライメントされた後、第4の処理部G4のエクステンションユニット(EXT)を介してインターフェイスステーション12に搬送される。
【0040】
ウエハWは、インターフェイスステーション12において周辺露光装置23により周辺露光されて余分なレジスト膜が除去された後、インターフェイスステーション12に隣接して設けられた図示しない露光装置に搬送される。露光装置においては、ウエハWのレジスト膜に所定のパターンで露光処理が施される。
【0041】
露光処理が終了したウエハWは、再びインターフェイスステーション12に戻され、ウエハ搬送機構24により、第4の処理部G4に属するエクステンションユニット(EXT)に搬送される。そしてウエハWは、ウエハ搬送装置76により第3の処理部G3または第4の処理部G4の加熱ユニット(HP)へ搬送されて、そこでポストエクスポージャーベーク処理が施される。ポストエクスポージャーベーク処理においては、ウエハWは所定温度まで冷却されるが、ウエハWはその後に必要に応じて冷却ユニット(COL)に搬送され、そこでさらに冷却処理される。
【0042】
その後、ウエハWは現像処理ユニット(DEV)に搬送され、そこで露光パターンの現像が行われる。現像終了後、ウエハWは第3の処理部G3または第4の処理部G4に設けられた加熱ユニット(HP)へ搬送されて、そこでポストベーク処理が行われる。ポストベーク処理が終了したウエハWは、必要に応じてウエハWは第3の処理部G3または第4の処理部G4に設けられた冷却ユニット(COL)で所定の温度まで冷却された後に、第3の処理部G3のエクステンションユニット(EXT)を介してカセットステーション10に戻され、いずれかのウエハカセットCRに収容される。
【0043】
次に、加熱/冷却ユニット(HP/COL)の構成について、さらに詳細に説明する。図4は、加熱/冷却ユニット(HP/COL)の概略構造を示す平面図であり、図5は加熱/冷却ユニット(HP/COL)の概略断面図である。ここで、図5(a)は加熱処理中の状態を示しており、図5(b)はウエハWを加熱/冷却ユニット(HP/COL)に搬入出させる際の状態を示している。
【0044】
加熱/冷却ユニット(HP/COL)は、加熱処理チャンバ31とこれに隣接して設けられた冷却処理チャンバ32とを有している。加熱処理チャンバ31と冷却処理チャンバ32の間にはこれらの間でウエハWの受渡を行う際に開閉されるシャッタ41が設けられ、加熱処理チャンバ31には、主ウエハ搬送機構22が有する保持アーム78との間でウエハWの受け渡しを行う際に開閉されるシャッタ42が設けられている。
【0045】
加熱処理チャンバ31は、上面が開口した下部容器36aと、下面が開口した上部容器36bから構成され、その内部にはヒータ33aが埋設されたホットプレート33が収容されている。ホットプレート33の表面には図示しない支持ピンが複数箇所に設けられており、ウエハWを支持した際にウエハWの裏面とホットプレート33の上面との間には、所定の隙間が形成されるようになっている。
【0046】
ホットプレート33上でウエハWを昇降させる昇降ピン34がホットプレート33を貫通して設けられている。昇降ピン34は、昇降ピン34とウエハ搬送装置76との間でウエハWを受け渡しする際には、ウエハWをホットプレート33から持ち上げて所定の高さ位置でウエハWを支持し、ウエハWの加熱処理中は、例えば、その先端がホットプレート33の上面と同じ高さとなるように保持される。
【0047】
下部容器36aの底壁にはガス供給口39aが形成されており、図示しないガス供給装置からガス供給口39aを通して加熱処理チャンバ31の内部に窒素(N2)等の不活性ガスが供給されるようになっている。また、上部容器36bの天井壁には排気口39bが設けられており、図示しない排気装置によってこの排気口39bを通して加熱処理チャンバ31内の雰囲気が排気されるようになっている。
【0048】
上部容器36bは昇降機構35によって昇降自在であり、これによってウエハWをホットプレート33に載置した状態において、加熱処理チャンバ31の容積を任意に変化させることができるようになっている。また、下部容器36aと上部容器36bの間は摺り合わせ構造またはシール構造(図示せず)となっており、下部容器36aと上部容器36bとの間からは実質的に加熱処理チャンバ31内の雰囲気が外部に漏れないようになっている。
【0049】
加熱処理チャンバ31と冷却処理チャンバ32との間は、シャッタ41により開閉可能な連通口41aを介して連通している。冷却処理チャンバ32には、ウエハWを載置して冷却するためのクーリングプレート43と、クーリングプレート43を水平方向に移動させるためのガイドプレート44および移動機構45と、が設けられている。
【0050】
昇降ピン34によってウエハWがホットプレート33の上方の所定の高さに保持している状態において、移動機構45を駆動することによってクーリングプレート43を連通口41aを通して加熱処理チャンバ31内に進入させる。このとき、クーリングプレート43が昇降ピン34と衝突しないように、クーリングプレート43には昇降ピン34が設けられている位置に合わせて溝48が設けられている。ウエハWの下にクーリングプレート43が進入した状態で昇降ピン34を降下させると、ウエハWは昇降ピン34からクーリングプレート43に受け渡される。ウエハWを保持したクーリングプレート43を冷却処理チャンバ32内に引き戻してウエハWを冷却する。クーリングプレート43の設定温度は、例えば、15℃〜25℃とされる。
【0051】
冷却処理チャンバ32の天井壁に設けられた給気口46bからは、冷却処理チャンバ32の内部へ清浄なN2(または空気)が供給されるようになっており、冷却処理チャンバ32に供給されたN2は、冷却処理チャンバ32の底壁に形成されている排気口46aから排気されるようになっている。
【0052】
このような構成を有する加熱/冷却ユニット(HP/COL)によるウエハWの熱的処理工程を以下に説明する。まずシャッタ42を開いて塗布膜が形成されたウエハWを保持した保持アーム78を加熱処理チャンバ31へ進入させる。次いで昇降ピン34を上昇させると、ウエハWは昇降ピン34に支持されて、保持アーム78がフリーな状態となる。保持アーム78を加熱処理チャンバ31から退出させてシャッタ42を閉じ、昇降ピン34を効果させてウエハWをホットプレート33上に載置し、ウエハWの加熱処理を開始する。
【0053】
ウエハWの加熱処理中に、上部容器36bの高さを昇降機構35によっての相対的な配置位置を変えることにより加熱処理チャンバ31の容積を調節する。これによりウエハWの周辺の気流が変化して、加熱によって塗布膜から蒸発または昇華する成分物質(以下「熱拡散物質」ということとする)の蒸発速度を変化させることができる。
【0054】
例えば、レジスト液には酸成分と、この酸成分を失活させるクエンチャが含まれている。このクエンチャは熱拡散物質の一種である。加熱処理チャンバ31への給気量および加熱処理チャンバ31からの排気量を一定として、上部容器36bを低い位置で保持してウエハWの上側に形成される空間を狭くすると、ウエハWの表面近傍(つまりレジスト膜の表面近傍)の気流の流速が速くなるためにクエンチャの蒸発が促進され、クエンチャの濃度は相対的にレジスト膜の表面側で高く、ウエハW側で低くなる。このようなレジスト膜を現像処理すると、上部の幅が広く下部の幅の狭い壁部(溝と溝の間の突起部)からなる配線パターンが得られ易い。
【0055】
逆に、上部容器36bを高い位置で保持してウエハWの上側に形成される空間を広くすると、ウエハWの表面近傍の気流の流速は遅くなるために、レジスト膜内でのクエンチャの拡散が抑制されて、クエンチャの蒸発が抑制される。この場合には、レジスト膜の表面側とウエハW側とでクエンチャの濃度は相対的にほぼ等しくなる。このようなレジスト膜を現像処理すると上部は丸みを帯びて幅が狭く、下部の幅の広い壁部からなる配線パターンが得られ易い。したがって、上部容器36bの高さを調節して加熱処理チャンバ31の容積を変化させることによって、側面が鉛直な壁部からなる回路パターンを得ることが可能となる。
【0056】
このように熱拡散物質の蒸発速度を変えることによって、塗布膜の厚さ方向における熱拡散物質の分布(濃度分布)を変化させること、つまり、熱処理後に得られるレジスト膜における成分分布を制御すること、が可能となり、露光特性と現像特性に優れたレジスト膜を得ることができるようになる。
【0057】
必要な処理時間が経過したら、昇降ピン34を上昇させてウエハWを所定の高さまで持ち上げる。シャッタ41を開いて、クーリングプレート43を加熱処理チャンバ31へスライドさせ、続いて昇降ピン34を降下させることにより、ウエハWは昇降ピン34からクーリングプレート43へと受け渡される。ウエハWを保持したクーリングプレート43を冷却処理チャンバ32へ戻して、ウエハWを冷却する。このように、加熱処理後に速やかにウエハWを冷却することによって熱拡散物質の蒸発を防止することができるため、レジスト膜内での熱拡散物質の分布状態を保持することができる。
【0058】
冷却処理されたウエハWは、クーリングプレート43に乗せられた状態で再び加熱処理チャンバ31へ戻され、昇降ピン34に受け渡される。クーリングプレート43を冷却処理チャンバ32に戻した後に、シャッタ42を開いて保持アーム78を加熱処理チャンバ31に進入させ、次いで昇降ピン34を降下させることにより、ウエハWは保持アーム78に保持されて加熱処理チャンバ31から搬出される。
【0059】
図6に加熱処理チャンバ31の容積を変化させた場合に得られる回路パターンの部分的な断面図を示す。図6(a)は上部容器36bを低い位置に保持した場合を、図6(c)は上部容器36bを高い位置に保持した場合を、図6(b)は上部容器36bを図6(a)と図6(c)の場合の中間の高さに保持した場合の、それぞれの回路パターンの壁部形状である。図6(a)に示されるように、加熱処理チャンバ31の容積を小さくした場合には、クエンチャの蒸発が促進されるために、上部の幅が広く下部の幅の狭い壁部が得られている。この状態から加熱処理チャンバ31の容積を大きくしていくと、図6(b)、(c)に示されるように、壁部における上部の幅と下部の幅との差を小さくすることができ、より鉛直な側面を有する壁部を形成することができることが確認された。
【0060】
次に、加熱/冷却ユニット(HP/COL)における加熱処理チャンバ31の別の実施の形態(加熱処理チャンバ31a〜31e)について説明する。図7は加熱処理チャンバ31aの概略断面図である。なお、加熱処理チャンバ31aに連設される冷却処理チャンバ32の構造には変わりはないために、冷却処理チャンバ32の図示は省略する。加熱処理チャンバ31aは、容積不変のハウジング51の内部にヒータ33aが埋設されたホットプレート33が収容され、昇降ピン34がホットプレート33を貫通して配置された構造を有している。
【0061】
ハウジング51の底壁にはガス供給口51aが形成されており、このガス供給口51aを通して、ガス供給装置53からN2が加熱処理チャンバ31aの内部に供給される。また、ハウジング51の天井壁には排気口51bが形成されており、この排気口51bには排気装置54が取り付けられている。ガス供給装置53と排気装置54の運転は給排気制御装置55によって行われる。
【0062】
加熱処理チャンバ31aを用いた場合には、ガス供給装置53からの給気量および排気装置54による排気量を給排気制御装置55で制御することによって、ホットプレート33に載置されたウエハWの周囲に生ずる気流の流速を変化させることができる。これにより、加熱処理チャンバ31を用いた場合と同様に、熱処理中に塗布膜から蒸発する熱拡散物質の蒸発速度を制御することができる。
【0063】
加熱処理チャンバ31への給気量および加熱処理チャンバ31aからの排気量を変化させる工程において、さらにこの給気量と排気量とのバランスを変えることによって、加熱処理チャンバ31aの内圧を変化させることができる。加熱処理チャンバ31aの内圧を高くすることによって熱拡散物質の蒸発速度を遅くすることができ、逆に加熱処理チャンバ31aの内圧を低くすることによって熱拡散物質の蒸発速度を速くすることができる。
【0064】
なお、加熱処理チャンバ31aを用いたウエハWの処理方法は、ウエハWの加熱処理中に加熱処理チャンバ31aへの給気量および加熱処理チャンバ31aからの排気量を適宜調節することを除いて、加熱処理チャンバ31を用いたウエハWの処理方法と同じであるから、その詳細は説明の重複となるために省略する。
【0065】
図8は加熱処理チャンバ31bの概略断面図である。図8においても図7と同様に冷却処理チャンバ32の図示を省略する。加熱処理チャンバ31bは下部容器61aと上部容器61bからなり、その内部にヒータ33aが埋設されたホットプレート33が収容され、昇降ピン34がホットプレート33を貫通して配置された構造を有している。
【0066】
上部容器61bの天井面には、ガス供給装置53から供給されるN2を加熱処理チャンバ31b内に略鉛直下向きに噴射するガス噴射口58が複数箇所に形成されている。また、上部容器61bの天井面には、排気装置54に接続され、加熱処理チャンバ31bからの排気を略鉛直上向きに行う排気口59も複数箇所に形成されている。ガス供給装置53からの給気量および排気装置54による排気量は、給排気制御装置55によって制御される。このように、加熱処理チャンバ31bにおいては、上部容器61bが、ガス噴射ノズルおよびガス排気ノズルとして機能する。なお、加熱処理チャンバ31bにおいては、上部容器61bの位置は固定されている。
【0067】
図9は加熱処理チャンバ31bの内部に生ずる気流を模式的に示す説明図である。ガス噴射口58からの給気が弱く(このことは給気量が少ないことと同じである)、かつ、排気口59からの排気も弱い場合には、図9(a)に示されるように上部容器61bの近傍で略U字型で深さの浅い気流が生ずる。この場合にはウエハWの周辺の気流は弱いものとなる。これに対して、ガス噴射口58から噴射するN2の流速を速くし(このことは給気量を増大させることと同じである)、排気口59からの排気を強めた場合には、N2がウエハWの近傍にまで達する深い略U字型の気流が生じ、こうしてウエハWの周辺の気流の流れが強くなる。
【0068】
加熱処理チャンバ31bを用いた場合には、ガス噴射口58から噴射されるN2のガス流速(給気量)および排気装置54による排気流速(排気量)を給排気制御装置55で制御することによって、ホットプレート33に載置されたウエハWの周囲に生ずる気流を変化させることができる。これにより加熱処理チャンバ31を用いた場合と同様に、熱処理中に塗布膜から蒸発する熱拡散物質の蒸発速度を制御することができる。
【0069】
図10は、図8に示した加熱処理チャンバ31bを構成する上部容器61bを昇降機構35により昇降自在とした加熱処理チャンバ31cの概略断面図である。加熱処理チャンバ31cでは、ガス噴射口58から噴射されるN2のガス流速および排気装置54による排気流速を一定の条件に固定した状態で、上部容器61bの高さを昇降機構35によって調節することによって、ホットプレート33に載置されたウエハWの周囲に生ずる気流を変化させることができる。勿論、上部容器61bの高さを調節しながら、ガス噴射口58から噴射されるN2のガス流速および排気装置54による排気流速をさらに調節することによって、より細かにウエハWの周囲に生ずる気流を変化させることができ、これによってウエハWからの熱拡散物質の蒸発速度を制御することができる。
【0070】
図11は加熱処理チャンバ31dの概略断面図である。図11においても図7と同様に冷却処理チャンバ32の図示を省略する。加熱処理チャンバ31dは容積不変のハウジング65の内部に、ヒータ66aが埋設されたホットプレート66が収容され、3本の昇降ピン67(図11には2本のみを図示)がホットプレート66を貫通して配置された構造を有している。加熱処理チャンバ31dの内部には、ハウジング65の底壁に設けられたガス供給口65aを通して外部からN2が供給されるようになっており、ハウジング65の天井壁に設けられた排気口65bを通して加熱処理チャンバ31d内の雰囲気が排気されるようになっている。昇降ピン67は昇降機構68によって昇降自在である。
【0071】
図12はホットプレート66の概略平面図である。ホットプレート66の表面には、同じ高さの4本のピン71を1組とし、同じ高さの4本のピン72(ピン71とは高さが異なる)を1組とし、同じ高さの4本のピン73(ピン71とピン72とは高さが異なる)を1組として、組毎にウエハWを支持することができるように位置決めがされた支持ピン群70が配置されている。なお、支持ピン群70は、4組以上のピンから構成されていてもよく、各組のピンの数は、3本でもよく、5本以上であってもよい。
【0072】
ここで、ピン71が最も高く(例えば、0.5mm)、次にピン72が高く(例えば、0.3mm)、ピン73が最も低い(例えば、0.1mm)ものとする。4本の支持ピン71は、スライド機構等のピン移動機構74によって、ウエハWを支持する位置(支持位置)とウエハWから離隔する位置(退避位置)との間で移動させることができる。同様に、4本の支持ピン72もまたピン移動機構75によって支持位置と退避位置との間で移動可能となっている。ピン73は支持位置で固定されている。ピン71〜73の支持位置は、ピン71〜73がウエハWの周縁部でウエハWを支持するように定める。
【0073】
このような加熱処理チャンバ31dを用いた加熱処理の第1の方法は、ウエハWとホットプレート66の表面との間の間隔を経時的に変更して、ウエハWを加熱する方法である。例えば、最初にピン71・72を支持位置に配置し、ホットプレート66を所定の温度で保持する。昇降ピン67を上昇させてウエハWを保持アーム78から受け取った後に、昇降ピン67を降下させると、ウエハWは最も高いピン71に支持されて加熱処理される。次に、処理レシピに従って所定時間が経過したときに、ピン移動機構74を駆動してピン71を退避位置へと移動させると、ウエハWはピン72に支持されて加熱処理される。さらに、処理レシピに従って所定時間が経過したときに、ピン移動機構75を駆動してピン72を退避位置へと移動させると、ウエハWはピン73に支持されて加熱処理される。
【0074】
なお、ピン71を退避させる際にピン71とウエハWとの間に生ずる摩擦力は、ピン71それぞれでほぼ同じであるが、ピン71を退避させる際のウエハWの位置ずれを防止するために、ホットプレート66の表面には、ウエハWの水平方向の位置を固定するガイド等を設けることが好ましい。このガイド等は、ピン72を移動させる際にも有効に機能するものであることが好ましい。
【0075】
このような加熱処理方法では、ウエハWを支持するピンを変えてウエハWを保持する高さを変えることにより、ウエハWの昇温速度を多段階に変えた加熱処理を行うことができる。このような加熱処理によって、塗布膜に含まれる熱拡散物質の蒸発速度を制御することができる。なお、ウエハWがピン71に支持された状態においてピン72を退避位置に移動させておけば、ピン71からピン73にウエハWが受け渡すことができる。ウエハWの多段階加熱処理は、例えば、昇降ピン67の高さを調節することによっても行うことができるが、この場合には昇降ピン67の昇降精度を極めて高くしなければならなくなり、装置コストの高騰を招く。支持ピン群70をホットプレート66に設けることによって、容易かつ高精度な多段階加熱処理を行うことができる。
【0076】
加熱処理チャンバ31dを用いた加熱処理の第2の方法は、レジスト液の種類や塗布膜の厚さに応じて、ウエハWを支持するピンをピン71〜73から選択する方法であり、このような方法によっても、露光特性や現像特性に優れたレジスト膜を形成することができる。例えば、ピン71・72を退避位置に移動させた状態で、ウエハWをホットプレート66に載置すれば、ウエハWはピン73に支持されて熱処理される。この場合には、昇温速度が最も速い条件で加熱処理が行われる。
【0077】
図13は加熱処理チャンバ31eの概略断面図である。図13においても図7と同様に冷却処理チャンバ32の図示を省略する。加熱処理チャンバ31eは、容積不変のハウジング81の内部にヒータ83aが埋設されたホットプレート83が収容され、3本の昇降ピン84(図13には2本のみを図示)がホットプレート83を貫通して配置された構造を有している。加熱処理チャンバ31eの内部には、ハウジング81の底壁に設けられたガス供給口81aを通して外部からN2が供給されるようになっており、ハウジング81の天井壁に設けられた排気口81bを通して加熱処理チャンバ31e内の雰囲気が排気されるようになっている。昇降ピン84は図示しない昇降機構によって昇降自在となっている。
【0078】
ホットプレート83の表面には図示しない支持ピンが配置されており、ウエハWはこの支持ピンに支持される。ヒータ83aの温度はヒータ出力制御装置87によって制御され、ヒータ出力制御装置87は処理レシピ記憶装置88から送られるレシピにしたがってヒータ83aの温度調節を行う。処理レシピ選択装置89によって、処理レシピ記憶装置88に記憶された複数のレシピから1の処理レシピを選択することができるようになっている。処理レシピは、例えば、昇温速度、最高保持温度、処理時間等の情報を含んでいる。
【0079】
加熱処理チャンバ31eを用いた熱処理では、レジスト塗布・現像処理装置1のオペレータは、レジスト塗布処理ユニット(COT)において使用されたレジスト液の種類や、形成される塗布膜の厚さ等の情報に基づいて、ウエハWを熱処理するためのレシピを処理レシピ選択装置89から選択する。ウエハWをこの選択されたレシピにしたがって熱的に処理することによって、塗布膜に含まれる熱拡散物質の蒸発速度を制御することができる。
【0080】
以上、本発明の実施の形態について説明してきたが、本発明はこのような形態に限定されるものでない。例えば、ウエハWの周辺の気流(雰囲気)を制御することによって熱拡散物質の塗布膜からの蒸発速度を制御する方法と、ホットプレート上でのウエハの高さ位置やヒータの加熱レシピを変えることによって熱拡散物質の塗布膜からの蒸発速度を制御する方法は、上記説明のように単独で用いることができるのは勿論のこと、複数の方法を組み合わせて用いることができることはいうまでもない。同様に、ウエハWの周囲の気流を制御する複数の方法から任意に2以上の方法を選択してウエハWを熱的に処理することができる。また、ホットプレート上でのウエハWの保持位置を変えながら、かつ、ヒータの出力を調整することによって、ウエハWを熱的に処理してもよい。
【0081】
上記説明においては、基板として半導体ウエハを取り上げたが、フラットパネルディスプレイ(FPD)用ガラス基板等の他の基板のフォトリソグラフィー工程に対しても、本発明の熱的処理方法および熱的処理装置を適用することができる。
【0082】
【発明の効果】
上述の通り、本発明によれば、基板の周辺の気流の周囲の気流(雰囲気)を制御することによって、または基板の加熱処理条件を適切なものとすることによって、基板に形成された塗布膜に含まれる所定の成分の塗布膜からの蒸発速度を制御することができる。これによって塗布膜の厚さ方向における所定の物質の分布が制御され、熱的処理後に得られるレジスト膜の露光特性および現像特性が改善される。こうして、従来と同様に露光、現像処理した場合においても、形状精度に優れた回路パターンが形成されるようになり、品質や信頼性が向上し、しかも、生産歩留まりも向上するという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】レジスト塗布・現像処理システムの概略構造を示す平面図。
【図2】レジスト塗布・現像処理システムの概略構造を示す正面図。
【図3】レジスト塗布・現像処理システムの概略構造を示す背面図。
【図4】加熱/冷却ユニット(HP/COL)の概略構造を示す平面図。
【図5】加熱/冷却ユニット(HP/COL)の概略構造を示す断面図。
【図6】図5に示す加熱処理チャンバの容積を変化させた場合に得られる回路パターンの部分的な断面図。
【図7】加熱処理チャンバの別の実施形態を示す概略断面図。
【図8】加熱処理チャンバのさらに別の実施形態を示す概略断面図。
【図9】図8に示す加熱処理チャンバの内部に生ずる気流を模式的に示す説明図。
【図10】加熱処理チャンバのさらに別の実施形態を示す概略断面図。
【図11】加熱処理チャンバのさらに別の実施形態を示す概略断面図。
【図12】図11に示す加熱処理チャンバが具備するホットプレートの概略平面図。
【図13】加熱処理チャンバのさらに別の実施形態を示す概略断面図。
【符号の説明】
1;レジスト塗布・現像処理システム
31;加熱処理チャンバ
32;冷却処理チャンバ
33;ホットプレート
33a;ヒータ
34;昇降ピン
35;昇降機構
36a;下部容器
36b;上部容器
39a;ガス供給口
39b;排気口
43;クーリングプレート
53;ガス供給装置
54;排気装置
55;給排気制御装置
58;ガス噴射口
59;排気口
70;支持ピン群
71・72・73;ピン
74・75;ピン移動機構
87;ヒータ出力制御装置
88;処理レシピ記憶装置
89;処理レシピ選択装置
HP/COL;加熱/冷却ユニット
W;半導体ウエハ
Claims (15)
- 表面にレジスト液が塗布されて塗布膜が形成された基板の熱的処理方法であって、
チャンバの内部に収容されたホットプレート上に前記基板を載置する工程と、
前記塗布膜に含まれる所定の物質が前記塗布膜の厚さ方向において所定の分布を生じるように、前記ホットプレートによる前記基板の加熱処理中に前記チャンバの容積を変化させることによって、前記所定の物質の蒸発速度を制御する工程と、
前記ホットプレートから前記基板を離隔させて前記基板を冷却する工程と、
を有することを特徴とする熱的処理方法。 - 表面にレジスト液が塗布されて塗布膜が形成された基板の熱的処理方法であって、
チャンバの内部に収容されたホットプレート上に前記基板を載置する工程と、
前記塗布膜に含まれる所定の物質が前記塗布膜の厚さ方向において所定の分布を生じるように、前記ホットプレートによる前記基板の加熱処理中に前記チャンバへの給気量および前記チャンバからの排気量を変化させることによって、前記所定の物質の蒸発速度を制御する工程と、
前記ホットプレートから前記基板を離隔させて前記基板を冷却する工程と、
を有することを特徴とする熱的処理方法。 - 前記チャンバへの給気量および前記チャンバからの排気量を変化させる工程においては、前記給気量と前記排気量とのバランスを変えることによって、前記チャンバの内圧を変化させることを特徴とする請求項2に記載の熱的処理方法。
- 表面にレジスト液が塗布されて塗布膜が形成された基板の熱的処理方法であって、
チャンバの内部に収容されたホットプレート上に前記基板を載置する工程と、
前記塗布膜に含まれる所定の物質が前記塗布膜の厚さ方向において所定の分布を生じるように、前記ホットプレートによる前記基板の加熱処理中に、前記基板の表面に向けて略鉛直下向きに供給するガスの流速を変化させるとともに略鉛直上向きに排気するガスの流速を変化させることによって、前記所定の物質の蒸発速度を制御する工程と、
前記ホットプレートから前記基板を離隔させて前記基板を冷却する工程と、
を有することを特徴とする熱的処理方法。 - 前記給気および排気のガス流速を変化させる工程は、
前記チャンバの天井部から前記基板に向けて吹き出されるガス量を変化させ、かつ、前記チャンバの天井部から排気するガス量を変化させることによって行われることを特徴とする請求項4に記載の熱的処理方法。 - 前記給気および排気のガス流速を変化させる工程は、
前記チャンバの天井部から前記基板に向けて吹き出されるガス量と前記チャンバの天井部から排気するガス量を一定に保持した状態で、前記チャンバの天井部と前記基板との間隔を変化させることによって行われることを特徴とする請求項4に記載の熱的処理方法。 - 表面にレジスト液が塗布されて塗布膜が形成された基板の熱的処理方法であって、
高さの異なるピンを表面に備えたホットプレートの上に前記基板を前記基板が前記ピンの中で最も長いピンに支持されるように載置する工程と、
前記塗布膜に含まれる所定の物質が前記塗布膜の厚さ方向において所定の分布を生じるように、前記基板が前記最も長いピンに支持された状態で所定時間が経過したときに前記基板が前記最も長いピンの次に長いピンに支持されるように前記最も長いピンを所定の位置に待避させて、さらに前記基板を所定時間加熱することによって、前記所定の物質の蒸発速度を制御する工程と、
前記ホットプレートから前記基板を離隔させて前記基板を冷却する工程と、
を有することを特徴とする熱的処理方法。 - 表面にレジスト液が塗布されて塗布膜が形成された基板の熱的処理方法であって、
ホットプレート上に前記基板を載置する工程と、
前記塗布膜に含まれる所定の物質が前記塗布膜の厚さ方向において所定の分布を生じるように、予め準備された複数の加熱処理レシピの中から前記レジスト液の種類および性状に適した1のレシピを選択して、前記ホットプレートを前記レシピに従って昇温し、前記基板を加熱することによって、前記所定の物質の蒸発速度を制御する工程と、
前記ホットプレートから前記基板を離隔させて前記基板を冷却する工程と、
を有することを特徴とする熱的処理方法。 - 前記所定の物質は前記塗布膜に含まれる酸成分を失活させるクエンチャであって、
前記クエンチャの蒸発速度を制御することによって前記クエンチャの前記塗布膜内での分布を制御することを特徴とする請求項1から請求項8のいずれか1項に記載の熱的処理方法。 - 表面にレジスト液が塗布されて塗布膜が形成された基板を前記塗布膜に含まれる所定の物質の蒸発速度が制御されるように熱的に処理することによって、前記所定の物質の前記塗布膜の厚さ方向における分布を制御する熱的処理装置であって、
前記基板を載置して前記基板を加熱する加熱プレートと、
上面が開口した下部容器および下面が開口した上部容器とを有し、前記加熱プレートを収容するチャンバと、
前記下部容器と前記上部容器の相対的な配置位置を変えることにより前記チャンバの容積を調節する容積調節機構と、
前記基板を載置して前記基板を冷却する冷却プレートと、
前記加熱プレートから前記冷却プレートへ前記基板を移載させる基板搬送手段と、
を具備することを特徴とする熱的処理装置。 - 表面にレジスト液が塗布されて塗布膜が形成された基板を前記塗布膜に含まれる所定の物質の蒸発速度が制御されるように熱的に処理することによって、前記所定の物質の前記塗布膜の厚さ方向における分布を制御する熱的処理装置であって、
前記基板を載置して前記基板を加熱する加熱プレートと、
前記加熱プレートを収容するチャンバと、
前記チャンバに所定のガスを供給するガス供給手段と、
前記チャンバからの排気を行う排気手段と、
前記チャンバへのガス供給量および前記チャンバからの排気量を調節する給排気調節機構と、
前記基板を載置して前記基板を冷却する冷却プレートと、
前記加熱プレートから前記冷却プレートへ前記基板を移載させる基板搬送手段と、
を具備することを特徴とする熱的処理装置。 - 表面にレジスト液が塗布されて塗布膜が形成された基板を前記塗布膜に含まれる所定の物質の蒸発速度が制御されるように熱的に処理することによって、前記所定の物質の前記塗布膜の厚さ方向における分布を制御する熱的処理装置であって、
前記基板を載置して前記基板を加熱する加熱プレートと、
前記加熱プレートを収容するチャンバと、
前記基板の表面に向けて略鉛直下向きに所定のガスを供給するガス供給機構と、
略鉛直上向きに前記チャンバ内の雰囲気を排気するガス排気機構と、
前記ガス供給機構によって前記基板に供給されるガスの流速を変化させ、かつ、前記ガス排気機構による排気ガスの流速を変化させる給排気制御装置と、
前記基板を載置して前記基板を冷却する冷却プレートと、
前記加熱プレートから前記冷却プレートへ前記基板を移載させる基板搬送手段と、
を具備することを特徴とする熱的処理装置。 - 表面にレジスト液が塗布されて塗布膜が形成された基板を前記塗布膜に含まれる所定の物質の蒸発速度が制御されるように熱的に処理することによって、前記所定の物質の前記塗布膜の厚さ方向における分布を制御する熱的処理装置であって、
前記基板を載置して前記基板を加熱する加熱プレートと、
前記加熱プレートを収容するチャンバと、
前記基板の表面に向けて略鉛直下向きに所定のガスを吹き出すガス吹き出し口と前記チャンバ内の雰囲気を排気する排気口とを備えた給排気ノズルと、
前記給排気ノズルと前記基板との間隔を調節するノズル位置調節機構と、
前記基板を載置して前記基板を冷却する冷却プレートと、
前記加熱プレートから前記冷却プレートへ前記基板を移載させる基板搬送手段と、
を具備することを特徴とする熱的処理装置。 - 表面にレジスト液が塗布されて塗布膜が形成された基板を前記塗布膜に含まれる所定の物質の蒸発速度が制御されるように熱的に処理することによって、前記所定の物質の前記塗布膜の厚さ方向における分布を制御する熱的処理装置であって、
前記基板を載置して前記基板を加熱する加熱プレートと、
前記加熱プレートを収容するチャンバと、
前記基板を載置して前記基板を冷却する冷却プレートと、
前記加熱プレートから前記冷却プレートへ前記基板を移載させる基板搬送手段と、
を具備し、
前記加熱プレートは、
ヒータを備えたプレート部材と、
同じ長さを有する少なくとも3本のピンを1組として前記プレート部材の表面に前記基板を支持することができるように配置され、各組ごとに前記ピンの高さが異なる複数の組からなる支持ピン群と、
前記支持ピン群を構成する各組ごとに、その組に属するピンを前記基板を支持する位置と前記基板から離隔する位置との間で移動させるピン移動機構と、
を有することを特徴とする熱的処理装置。 - 表面にレジスト液が塗布されて塗布膜が形成された基板を前記塗布膜に含まれる所定の物質の蒸発速度が制御されるように熱的に処理することによって、前記所定の物質の前記塗布膜の厚さ方向における分布を制御する熱的処理装置であって、
ヒータを備え、前記基板を載置して前記基板を加熱する加熱プレートと、
前記レジスト液の種類および性状に合わせた複数の加熱処理レシピおよび前記複数のレシピから1のレシピを選択するレシピ選択手段を備え、選択されたレシピにしたがって前記ヒータの発熱量を調整するヒータ制御装置と、
前記加熱プレートを収容するチャンバと、
前記基板を載置して前記基板を冷却する冷却プレートと、
前記加熱プレートから前記冷却プレートへ前記基板を移載させる基板搬送手段と、
を具備することを特徴とする熱的処理装置。
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