JP3647267B2 - 面発光レーザーを用いた表面プラズモン共鳴センサ装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、試料中の測定対象を光を利用して測定するセンサに関し、より詳しくは、光透過性媒体上に設けられた金属薄膜における光の全反射条件で生じる光−表面プラズモン波の相互作用を利用して特定物質を検出ないし測定するセンサに関して、更に詳しくは垂直共振器面発光レーザーとCCDなどのセンサアレイを同一の基板に持ち、この基板と光透過性媒体および金属薄膜が一体となっている光学系を用いた核酸検出装置などのセンサ装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
試料濃度を測定する化学センサでは、測定対象の酸化還元反応や呈色試薬との発色反応などが用いられる。いずれの場合にも、高感度で高選択的なセンサを構築するには、測定対象を基質とし、この基質に対して高い親和性を有する生体物質、つまり抗原に対する抗体のような生体物質を用いるとよい。また、測定対象が核酸であれば、該核酸の塩基配列の一部に相補的な塩基配列を有するいわゆるプローブ核酸を用いるとよい。
【0003】
近年、この生物化学的な反応に伴う誘電率の変化を光学的に測定する高感度な方法が提案されている(特開昭61−292045号公報)。この方法は、光透過性媒体上に設けられた金属薄膜における光の全反射条件で生じる光−表面プラズモン波の相互作用を利用するもので、その測定原理は以下の通りである。
【0004】
表面プラズモン波は、金属と絶縁体間の界面に生じる電磁波であり、金属と絶縁体の界面近傍の屈折率(つまり誘電率)とその厚さにより決められた共鳴条件を満たすことにより光学的に引き起こすことができる。まず、金属薄膜を有する光透過性媒体において、光透過性媒体面で全反射が起きるようにp偏光した光を入射する。このとき、金属薄膜と光透過性媒体の界面において光の入射角を変数とする波数のエバネッセント波が生じる。一方、金属薄膜上では光のトンネル効果により表面プラズモン波が生じる。金属薄膜の両面で生じたエバネッセント波と表面プラズモン波の波数が一致したときに表面プラズモン共鳴が起こり、入射した光のエネルギーの一部が表面プラズモン波の励起エネルギーに用いられる。
【0005】
エネルギー保存則より、金属薄膜面で反射した光強度は、入射光強度と表面プラズモン波の励起で失われた光強度の差となる。従って、反射光強度の入射角依存性を測定することにより、表面プラズモン共鳴が観測できる。この共鳴条件は、入射光の波長、入射角、光透過性媒体と金属薄膜の複素誘電率、および金属薄膜上に設けたセンサ感応膜の複素誘電率などで規定される。感応膜における生物化学的な反応により複素誘電率が変化すれば共鳴条件が変わり、波長一定の条件では表面プラズモン共鳴が起きる光の入射角が変化する。これを求めることにより、生物化学的な反応の基質濃度、つまり測定対象の濃度を求めることができる。
【0006】
また、表面プラズモン波は金属薄膜上およそ数100nmの領域に生じるため、誘電率変化をもたらす基質と生体物質との生物化学的な反応は、この領域で起きなければならない。このため、生体物質を固定した感応膜は極めて薄い膜で十分である。さらに、表面プラズモン共鳴では金属薄膜近傍のみを測定することができるので、着色した試料や懸濁した試料でも影響を受けることなく測定することができる。
【0007】
この表面プラズモン共鳴を利用して、これまでに蛋白質の抗原検出センサなどが実用化されている(例えば、ファルマシア社製BIAcore)。このセンサでは、表面プラズモン共鳴が起きる金薄膜上に感応膜として有機薄膜が担持されており、この有機薄膜中に抗体を固定している。固定された抗体と被検体中の抗原とが選択的に結合することにより有機薄膜の誘電率が僅かに変化し、これを共鳴角度の変化から測定することができる。これは核酸センサなどとしても使用でき、このセンサでは表面プラズモン共鳴が起きる金薄膜上に感応膜として有機薄膜が担持されており、有機薄膜上に核酸等を固定している。固定された標的核酸、あるいはプローブ核酸と被検体中のそれぞれプローブ核酸、あるいは標的核酸とが選択的に結合することにより有機薄膜の誘電率が僅かに変化し、これを共鳴角度の変化から測定することができる。
【0008】
この表面プラズモン共鳴を利用した測定装置としては、特開平5−18890号公報、特開平6−58873号公報、特開平6−167443号公報、特開平6−265336号公報、および特開平7−174693号公報のほか、Sensors and Actuators B329(1995)pp268−273、Sensors and Actuators B32(1996)ppl49−155などに記載のものがある。これらは全て、プリズム上に金属薄膜を形成し、プリズム外部から光を入射して生じた表面プラズモン共鳴をプリズム外部に設置した検出器により測定するものである。これらの装置は、共鳴角の変化を測定するために金属薄膜への光の入射角が可変である必要があり、光源、プリズム、検出器、可動装置などからなる比較的大きな装置である。従って、このような装置構成では可撓性に富んだセンサを作製することは困難である。
【0009】
一方、表面プラズモン共鳴が生じる金属薄膜部分は極微小な面積で十分観測できるので、測定部のみを微小化して、いわゆるセンサ型とした提案もなされている。例えば、Sensors and Actuators B34(1996)pp328−333では光ファイバーを用いたセンサが提案されている。光ファイバー中を伝搬する光の群速度は波長によって決まるので、光の波長と光ファイバーの特性によってコア−クラッド界面で光が全反射する際の入射角および反射角が決まる。ここで、光ファイバーのクラッド部分を一部取り除き、コア部分の表面に金属薄膜を形成する。様々な波長の光のうち、コア−金属薄膜部分で全反射される際に生じるエバネッセント波と金属薄膜の表面プラズモン波の間に共鳴が起れば、その波長の光は減衰する。従って、白色光を光ファイバーに導入し、コア−金属薄膜を通過してきた光の波長分散を調べれば、表面プラズモン共鳴が生じている部分の波長域で光強度の減衰を観測することができる。これらの方法は、表面プラズモン共鳴を利用したセンサの実用性を飛躍的に高めるものである。しかし、光源と光ファイバーの結合、光ファイバーと光検出器との結合など、光学的に厳密な位置決めが要求される。
【0010】
光ファイバーを用いた類似のセンサ技術としては、ヨーロッパ特許出願公開公報第0282009号が挙げられる。これは、炭化水素との相互作用に起因する反射率変化を利用した光ファイバー検知器であり、その作動原理は炭化水素の存在によってクラッド材の屈折率が変化することに基づくものである。また、米国特許第259,556号には、光ファイバーの末端に金属薄膜が施された、光ファイバー化学センサが開示されている。金属薄膜が化学物質と接触することにより、薄膜の厚みが変化し、結果としてその反射特性が変化することを利用している。
【0011】
また、入射角変化のための駆動部を持たず、プリズムと光検出器を一体としたデバイスも提案されている。例えば、特開平7−225185号公報では、ガラス基板に光導波路、導波型レンズ、CCD検出器を備えたセンサが開示されている。センサ外部から半導体レーザーを入射して表面プラズモン共鳴を測定するが、それぞれの光学素子の相対的な位置をセンサ完成後に調整する必要がない利点を有している。
【0012】
また、Sensors and Actuators B35−36(1996)pp212−216では発光ダイオードとフォトダイオードアレイを一体化したセンサが提案されている。このセンサは、表面プラズモン共鳴測定に必要な全ての光学素子が1つにパッケージされており、パッケージ上に形成された金属薄膜に感応膜を取り付けることによりセンサとして機能する。また、発光ダイオードの出射光が広がりを持つことを利用して、金属薄膜への入射角幅をとり、それぞれの入射角に対応する光強度をフォトダイオードアレイで検出できるように工夫されている。このセンサは、表面プラズモン共鳴を測定するための光学配置の調整が全く不必要で、金属薄膜に目的の生体物質を固定することによりセンサとして機能する。しかし、1つの測定対象に対して1つのセンサが必要であり、多成分センシングには不適当である。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
以上述べた様に、表面プラズモン共鳴を利用した化学センサでは、光の全反射において反射光の強度が入射角により変化することを利用して測定する。従って、高精度な測定には、光源、p偏光子、レンズ、光透過媒体、および光検出器の相対位置が厳密に規定されていなければならない。また、光の入射角を変化させながら反射光を測定する方法では、それぞれの光学素子を高い位置精度で移動させなければならない。このように各光学素子を配置するには、剛性の高い材料で固定する必要があり、取り付け精度や駆動精度が要求され、また駆動のための制御系などで装置の大型化は避けられない。
【0014】
また、光ファイバーのコア部分で表面プラズモン共鳴を測定する方法は、可撓性が高く汎用のセンサとなるが、光源や光検出器と光ファイバーとの結合が必要なこと、温度など外的な影響を受けやすいためリファレンス部を設けた方がよいこと、多成分同時測定では測定対象の数だけセンサ部分を作製する必要があること、さらに波長分散より表面プラズモン共鳴を測定するので多数の分光器や光検出器が必要になること、などが問題に挙げられ、センサの量産性や汎用性に欠けていた。
【0015】
一方、光源や偏光子、光検出器を光透過性媒体とともに一体化した表面プラズモン共鳴センサは、上記のような光学素子の厳密な位置決めが不必要であり、駆動部もないため、センサの小型化やセンサ応答の安定化が可能である。しかし、発光ダイオードを光源とした場合、出射光はダイオード輝点から円錐状に広がる為、前述のようなフォトダイードアレイを用いても一成分の測定しか行なえない欠点がある。試料中には色々な成分が含まれており、それらを同時に測定するという要求も少なくない。さらに、試料中の測定対象の濃度も広い範囲に及ぶこともあり、ダイナミックレンジが大きなセンサの開発も望まれている。
【0016】
本発明は、これらの問題点を解決するために、光源として光の指向性、偏光面制御性に優れ、アレイ化に適した面発光レーザーを、また光検出器としてCCDなどのセンサアレイを用い、これらを同一の基板に作製し、基板上に設けた或は存在する光透過性媒体と金属薄膜により単一成分のみならず、多成分の測定も容易に可能とし、更にはダイナミックレンジも容易に広げられる構成を有する表面プラズモン共鳴センサ装置を提供することを目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】
現在、波長400nm程度の青色から通信波長帯である1.55μmまでの面発光レーザーが開発されつつあり、サファイア基板上のGaN系、GaAs基板上のGaAlInP系、InGaAs系、GaInNAs系、およびGaAlAs系、InP基板上のGaInAsP系、GaAlInAs系などの材料系で研究されている。面発光レーザーの基本的な構造を図1に示す。
【0018】
半導体基板1の上に作製した数μm厚程度のエピタキシャル成長層2に活性層3を設け、その両面に99%以上の高反射率を持つ誘電体多層膜ミラー4、5を形成する。ピクセル6は活性層3の外形を示しており、基板1から垂直にレーザー光が出射する。反射膜4、5としては、屈折率の異なるλ/4厚の膜を多層にしたものが主に用いられ、材料としては誘電体ガラスあるいはエピ成長した半導体が一般的である。エピ成長したミラーの例としては、ELECTRONICSLETTERS, 31, p.560(1995)にあるように、GaAs基板上にAlAs/GaAsの多層膜ミラーと活性層などを1回の成長で行うものや、APPLIED PHYSICS LETTERS, 66, p.1030(1995)にあるように、InP基板上に成長したInGaAsP/InP系のレーザー構造にGaAs基板上のGaAs/AlAsミラーを直接接合により貼り付けたものなどがある。また、特開平5−167192号公報あるいは特開平6−237043号公報などに開示されているような孔を有する基板からエピタキシャル成長させて作製することもできる。
【0019】
レーザー素子の発光部の大きさは5〜30μmであり、ガスレーザーや通常の半導体レーザーと比較するとビーム広がり角が極めて小さい(指向性に優れる)特徴を有している。また、レーザー発光面を偏心させることにより偏光子を用いることなく出射光を偏光させることができる。さらに、プロセス技術によりー枚のシリコン基板に多数の面発光レーザーをアレイ状に作製することも比較的容易にできる。
【0020】
一方、光検出器であるCCDなどのセンサは1次元あるいは2次元でアレイ状に配置できることは周知のとおりである。
【0021】
以上のような特徴に基づき、本発明の表面プラズモン共鳴センサ装置は、同一の基板に面発光レーザーとCCDなどのセンサアレイを作製し、レーザー光の広がり角を一軸方向に広げる光学素子をレーザー前面に設け、さらに基板上部に金属薄膜を有する光透過性媒体を設けて(反射防止膜を内表面上に持つ空気(光透過性媒体である)を閉じ込めた樹脂ケースなどの外表面に金属薄膜を設けたものなどでもよい)、レーザー光が光透過性媒体界面で全反射すると共に、ビーム広がり角方向の光強度をセンサアレイで測定できるように各要素を配置することにより、前記の問題を解決するものである。
【0022】
本発明で使用される金属薄膜を構成する金属は、「表面」 Vol.20 No.6(1982)p.289〜304に記載されているように、複素誘電率の実部が負で大きなAg、Au、Cu、Zn、Al、Kが望ましく、虚部の大きさの関係から特にAg、Auが好適で、Pd、Ni、Feは望ましくない。また、金属薄膜は合金組成で構成することもできるが、AuにPdを混合した場合には表面プラズモンが消滅するため、この合金の使用は好ましくない。さらに、金属薄膜は、光透過性媒体への密着性を向上させるために、例えばその表面にCr膜を極めて薄く形成し、その上にAu膜等を形成した多層構造をもって構成することもできる。
【0023】
より具体的な1つのセンサ装置では、面発光レーザー開口部が楕円型に偏心した1つのレーザー素子からの光が金属薄膜へp偏光入射するように配置し、好ましくは、この偏光面に沿ってビームを広げるようなレンズあるいはホログラム素子を設け、広い入射角範囲で光透過性媒体界面で全反射が起きるようにする。生じた表面プラズモン共鳴の入射角依存性は、面発光レーザーと同一の基板に偏光面に沿って設置された1次元のCCDなどのセンサアレイで測定する。なお、1次元CCDセンサアレイのアレイ数は、CCDセンサアレイで受光する入射角範囲と表面プラズモン共鳴角の変化によって規定されるが、入射角範囲が10°で共鳴角変化が2°であれば100以上の素子のアレイで構成されていれば十分である。また、レーザービームを広げるためホログラム素子を用いれば、薄く軽い素子でビーム広がり角を自由に設定でき、また後述のようなレーザーアレイ上の光学位置決めも容易である。
【0024】
より具体的な他のセンサ装置では、上記の面発光レーザーとCCDなどの1次元センサアレイ、および好ましくは付随する光学素子が並列した構成となっている。面発光レーザー光のp偏光方向は好ましくはレンズにより更に広げられるが、これと垂直な方向ではレーザー光の広がり角が著しく小さいため、並列構造としても隣り合う面発光レーザー光は重なることがなく、2次元のCCDなどのセンサアレイにおけるクロストークはほとんど発生しない。このため、それぞれの面発光レーザーにより表面プラズモン共鳴が生じる金属薄膜のストリップ部分に異なる生体物質を固定し、多成分ないし項目を同時に測定することができる。また、同じ生体物質を異なる濃度で金属薄膜ストリップ上に固定し、それぞれのダイナミックレンジを変えたセンサ構成とすることもできる。
【0025】
より具体的な更に他のセンサ装置では、上記のセンサにおいて面発光レーザーが2次元アレイとなった構成である。面発光レーザーのp偏光方向に並んだレーザーは、好ましくはレンズにより、光透過性媒体と金属薄膜の界面に或る入射角範囲で入射するが、それぞれのレーザー入射角範囲が連続するようにレンズを設けることにより、1つの面発光レーザーでは実現できなかった広い入射角範囲を多数のレーザーでカバーすることができる。この広い入射角に対応する全反射光強度はCCDのどのセンサアレイにより測定する。金属薄膜に固定する感応膜の複素誘電率が評価できない場合、表面プラズモン共鳴が起きる共鳴角が算出できず、狭い入射角範囲しか持たないセンサでは設計が困難となる。このような場合、広い入射角範囲を持つセンサは感受性誘電体層の広い誘電率に対して表面プラズモン共鳴を測定できるので極めて有用である。また、上記1次元レーザーアレイを持つセンサ装置と同様、金属薄膜ストリップ部分に異なる生体物質を固定し、広い入射角で多成分あるいは単一成分を大きなダイナミックレンジで測定することもできる。
【0026】
なお、金属薄膜へのレーザー光の入射角が大きな範囲になると、センサ1素子で受光できる光の放射角が小さくなるため、観測される光強度が減少する。このような場合、CCDなどのセンサ信号を補正処理すれば正確な表面プラズモン共鳴スペクトルが得られる。
【0027】
なお、本発明で使用される感受性誘電体層とは、測定対象物と選択的に相互作用し、その屈折率及び厚さ等の物理化学的変化が惹起されるものを指し、具体的には抗原や抗体等を担持した高分子層、特定の有機化合物に親和性を示すラングミュア−ブロジェト膜、ホルモン、リセプター、ポリベプチド、核酸、細胞、細胞膜、糖タンパク質、脂質、色素から選ばれたものを担持した高分子層などである。また、測定対象物は気体状でも液体状でもかまわない。
【0028】
また、更には、本発明で使用される感受性誘電体層とは測定対象である核酸と選択的に相互作用し、その屈折率及び厚さ等の物理化学的変化が惹起されるものを指し、具体的には上記測定対象となる標的核酸の塩基配列の一部に相補的な塩基配列を有するプローブ核酸、より具体的にはプローブとなるDNA、RNA、PNA等を含む層である。この場合には標的核酸が反応対象となる。また、逆に感受性誘電体層として標的核酸、より具体的にはDNA、cDNA等のDNA、あるいはmRNA、tRNA、rRNA等のRNAを含む層でもよい。この場合はプローブ核酸が反応対象となる。
【0029】
【作用】
このような構成の表面プラズモン共鳴センサ装置においては、面発光レーザーとCCDなどの検出器が同一基板上に形成されており、さらに基板上に設けられて光透過性樹脂に金属薄膜を形成することにより、表面プラズモン共鳴を測定するのに必要な光学素子が全て1つのチップ上に作製される。このため、センサの小型化、低コスト化、量産化が可能となる。また、面発光レーザー光の平行性を利用して、多チャンネル化することにより多成分の同時センシングも可能となる。さらに、面発光レーザーは容易にアレイ化できるので、CCDなどの検出器アレイと組み合わせることにより検出器への広い入射角を実現することができ、多成分センシングセンサや広い濃度範囲で適用できるセンサを構築することができる。
【0030】
【発明の実施の形態】
以下に、実施例をもって本発明を説明するが、これらは本発明の範囲をなんら限定するものではない。
【0031】
[実施例1]
実施例1は、面発光レーザーと1次元CCDセンサアレイを用いた表面プラズモン共鳴センサ装置に関する。センサの装置構成の平面図を図2(a)に示し、側面図を図2(b)に示す。図2に示すように、Si基板1に面発光レーザー2と1次元CCDセンサアレイ3を一列(図2の左右方向)になるように配置する。面発光レーザー2の発振波長は640nm、出力は0.1mWである。このSi基板1は、機械的強度を保つため、窓を持つパッケージに入れてもよいし、また絶縁基板4で保持してもよい。これらパッケージあるいは絶縁基板4から、面発光レーザー2を駆動するための端子5およびCCDセンサ信号を取り出すための端子5が引き出されている。また、誘電率(屈折率)は温度依存性を示すので、望ましくはSi基板1上あるいはその近傍にサーミスタのような温度センサを設け、この信号も端子5より引き出して、表面プラズモン共鳴信号の温度補正を行うとよい。面発光レーザー光は一軸方向に偏光しているが、CCDセンサアレイ3の配列方向に偏光面を合わせるように楕円形に偏心した面発光レーザー2を作製するか、あるいは偏光子などで偏光面を傾ける。
【0032】
出射したレーザー光をCCDセンサアレイ3の配列方向に広げるため、面発光レーザー1の上にシリンドリカルレンズ6が設けられている。これら素子を光透過性のポリメチルメタクリレート樹脂7でモールドし、センサ装置とする。なお、広げられたレーザー光は金属薄膜8を形成した光透過性樹脂表面で全反射するが、この全反射した光の強度が入射角に対応してCCDセンサアレイ3で測定できるようにシリンドリカルレンズ6の焦点距離が規定されている。センサアレイ3を広めに設けて全反射光が充分正確に受光されるようにすれば、樹脂7内でのシリンドリカルレンズ6の位置はそれほど厳密に行なわれる必要はない。金属薄膜8としては、光透過性樹脂7の表面に金を500オングストローム蒸着する。
【0033】
この金薄膜8上に以下のようにして抗HIV−1 emv gp120/160モノクローナル抗体を担持し、感受性誘電体層を形成した。
(1)シスタミン2塩酸塩(東京化成工業株式会社製)をクロロホルムに溶解し0.005Mとした。センサ装置の樹脂モールド面に形成した金薄膜8をこの溶液中に浸し、3時間静置して金薄膜上にアミノ基を導入した。
(2)次に、BS3[Bis(sulfosuccinimidyl)suberate](PIERCE社製)を、0.15M NaClを含む20mMりん酸ナトリウム緩衝液、pH7.5に溶解し2mMとした。この溶液中にアミノ基を導入した金薄膜8を10分間浸し、金薄膜上にスクシンイミジル基を導入した。
(3)次に、抗HIV−1 emv gp 120/160モノクローナル抗体(バイオライン社製)を、0.15M NaClを含む20mMりん酸ナトリウム緩衝液、pH7.5に溶解し1 mg/mlとした。この溶液に金薄膜8を1時間浸し、金薄膜上に抗HIV−1 emvgp 120/160モノクローナル抗体を担持した。
(4)最後にlM Tris−HClバッファーpH7.5に金薄膜8を10分間浸し、金薄膜上の未反応のスクシンイミジル基を反応させた。
【0034】
このセンサ装置を、0.15M NaClを含む20mMりん酸ナトリウム緩衝液、pH7.5に浸し、金薄膜8からの反射光をCCDセンサアレイ3により検出して、その信号を端子5より取り出した。この出力信号をシンクロスコープで観測し、各入射角に対応する表面プラズモン共鳴を測定した。この結果、図3(a)に示す(太い点線)ように、入射角62.0°に極小を持つ共鳴スペクトルが得られた。
【0035】
次に、緩衝液に検出対象物質である抗原物質リコンビナントHIV−1 gp120(レプリジェン社製)を0.02mg/mlとなるように溶解した。この抗原物質溶液にセンサ装置を浸したときの共鳴スペクトルを同様にして測定したところ、図3(a)に示す(細い点線)、入射角64.0°に極小を持つスペクトルが得られた。これより、本発明の表面プラズモン共鳴センサ装置が、抗原−抗体反応の検出に応用可能であることが明らかにされた。
【0036】
次に、第2の場合として、上記金薄膜8上に以下のようにしてプローブDNAを担持し、感受性誘電体層を形成した。
(1)シスタミン2塩酸塩(東京化成工業株式会社製)をクロロホルムに溶解し0.005Mとした。センサ装置の樹脂モールド面に形成した金薄膜8をこの溶液中に浸し、3時間静置して金薄膜上にアミノ基を導入した。
(2)次に、BS3[Bis(sulfosuccinimidyl)suberate](PIERCE社製)を、0.15M NaClを含む20mMりん酸ナトリウム緩衝液、pH7.5に溶解し2mMとした。この溶液中にアミノ基を導入した金薄膜8を10分間浸し、金薄膜上にスクシンイミジル基を導入した。
(3)DNAプローブとして、5’末端の水酸基にリン酸基とヘキサメチレンを介してアミノ基を結合した18量体のオリゴマー▲1▼を用いた。用いたDNAは、すべて日本製粉株式会社より、HPLC精製グレードを購入し、そのまま用いた(以下の実施例でも同様)。プローブの塩基配列は、1本鎖DNAであるM13mp18ssのマルチプルクローニングサイトの一部の塩基配列に相補的な配列である。以下に各プローブの塩基配列とリンケージの構造を示す。
▲1▼5’ NH2−(CH2)6−O−PO2−O−TGTAAAACGACGGCCAGT
また、これとは別に被検対象DNAとして▲1▼と相補的な塩基配列を有するDNA▲2▼を用いた。
▲1▼を、0.15M NaClを含む20mMりん酸ナトリウム緩衝液、pH7.5に溶解し0.5mg/mlとした。この溶液に金薄膜8を1時間浸し、金薄膜上にプローブDNAを結合した。
(4)最後に1M Tris−HClバッファーpH7.5に金薄膜8を10分間浸し、金薄膜上の未反応のスクシンイミジル基を反応させた。
【0037】
このセンサ装置を、0.15M NaClを含む20mMりん酸ナトリウム緩衝液、pH7.5に浸し、金薄膜8からの反射光をCCDセンサアレイ3により検出して、その信号を端子5より取り出した。この出力信号をシンクロスコープで観測し、各入射角に対応する表面プラズモン共鳴を測定した。この結果、図3(b)に示す(細い点線)ように、入射角58.0°に極小を持つ共鳴スペクトルが得られた。
【0038】
次に、緩衝液に検出対象物質である▲2▼を0.005mg/mlとなるように溶解した。この溶液にセンサ装置を浸したときの共鳴スペクトルを同様にして測定したところ、図3(b)に示す(太い点線)ように、入射角58.7°に極小を持つスペクトルが得られた。これより、本発明の表面プラズモン共鳴センサ装置が、核酸オリゴマーの検出にも応用可能であることが明らかにされた。
【0039】
[実施例2]
実施例2は、1次元面発光レーザーアレイと2次元CCDセンサアレイを用いた表面プラズモン共鳴センサ装置(多成分を同時に測定できる)に関する。センサの装置構成の平面図を図4(a)に示し、側面図を図4(b)に示す。図4に示すように、実施例1と同様にして、Si基板に、1次元面発光レーザーアレイ9と2次元CCDセンサアレイ10を配置する。また、出射した各レーザー光を2次元CCDセンサアレイ10の配列方向(図4の左右方向)に広げるため、面発光レーザーアレイ9の上にシリンドリカルレンズ11(これは実施例1のシリンドリカルレンズ6を図4(a)の上下方向に長く伸ばしたものである)を設ける。さらに、広げられた各レーザー光が、金属薄膜12を形成した光透過性樹脂表面で全反射するが、この全反射した光の強度が入射角に対応してCCDセンサアレイ10で測定できるようにシリンドリカルレンズの焦点距離が規定されている。
【0040】
金属薄膜12として、実施例1と同様に光透過性樹脂の表面に金を500オングストローム蒸着するが、それぞれの面発光レーザー光が金薄膜面で反射して、それぞれのCCDセンサアレイ(図4の左右方向に伸びた各1次元センサアレイ)で表面プラズモン共鳴が測定できるように、蒸着面積を広くする。この金薄膜12をストリップ状に分け、幾つかのストリップ上に、実施例1の第1の場合と同様にして、抗HIV−1 emv gp 120/160モノクローナル抗体を担持し、感受性誘電体層を形成した。また、これ以外の幾つかのストリップ上に抗HIV−1 emv gp 120/160モノクローナル抗体の替わりにイムノグロブリンG(シグマ社製)を同様にして固定した。
【0041】
このセンサ装置を、0.15M NaClを含む20mMりん酸ナトリウム緩衝液、pH7.5に浸し、金薄膜12のそれぞれのストリップからの反射光をCCDセンサアレイ10により検出して、その出力信号を多チャンネルのシンクロスコープで観測し、それぞれのストリップにおいて各入射角に対応する表面プラズモン共鳴を測定した。この結果、抗HIV−1 emv gp 120/160モノクローナル抗体を固定したストリップでは入射角62.0°に極小を持つ共鳴スペクトルが、またイムノグロブリンGを固定したストリップでは入射角66.0°に極小を持つ共鳴スペクトルが得られた。
【0042】
次に、緩衝液に検出対象物質である抗原物質リコンビナントHIV−1 gp120を0.02mg/mlとなるように溶解した。この抗原物質溶液にセンサ装置を浸したときの共鳴スペクトルを同様にして測定したところ、抗HIV−1 emv gp 120/160モノクローナル抗体を固定したストリップでは入射角64.0°に極小を持つスペクトルが得られた。一方、イムノグロブリンGを固定したストリップでは共鳴角の変化は観測されなかった。
【0043】
さらに、緩衝液に検出対象物質であるアンチイムノグロブリンGを0.02mg/mlとなるように溶解し、この溶液にセンサ装置を浸したとき、抗HIV−1 emv gp 120/160モノクローナル抗体を固定したストリップでは入射角62.0°に極小を持つスペクトルとなりブランクと同じスペクトルとなったが、イムノグロブリンGを固定したストリップでは共鳴角が67.5°に変化した。これより、本発明の表面プラズモン共鳴センサ装置が、金薄膜上のそれぞれのストリップに固定した抗原に対応して、それぞれの抗体を多成分同時かつ特異的に検出できることがわかった。
【0044】
続いて、第2の場合として、上記金薄膜12をストリップ状に分け、幾つかのストリップ上に実施例1の第2の場合と同様にしてプローブDNA▲1▼を担持し、感受性誘電体層を形成した。また、これ以外の幾つかのストリップ上に▲1▼の替わりにデオキシリボチミジル酸の25量体(T25)を同様にして固定した。
【0045】
このセンサ装置を、0.15M NaClを含む20mMりん酸ナトリウム緩衝液、pH7.5に浸し、金薄膜12のそれぞれのストリップからの反射光をCCDセンサアレイ10により検出して、その出力信号を多チャンネルのシンクロスコープで観測し、それぞれのストリップにおいて各入射角に対応する表面プラズモン共鳴を測定した。この結果、▲1▼を固定したストリップでは入射角58.0°に極小を持つ共鳴スペクトルが、また、T25を固定したストリップでも同様に入射角58.0°に極小を持つ共鳴スペクトルが得られた。
【0046】
次に、緩衝液に検出対象物質である▲2▼を0.005mg/mlとなるように溶解した。この抗原物質溶液にセンサ装置を浸したときの共鳴スペクトルを同様にして測定したところ、▲1▼を固定したストリップでは入射角58.7°に極小を持つスペクトルが得られた。一方、(T25)を固定したストリップでは共鳴角の変化は観測されなかった。
【0047】
さらに、緩衝液に他方の検出対象物質であるデオキシアデニル酸の25量体(A25)を0.005mg/mlとなるように溶解し、この溶液にセンサ装置を浸したとき、▲1▼を固定したストリップでは入射角58.0°に極小を持つスペクトルとなりプランクと同じスペクトルとなったが、T25を固定したストリップでは共鳴角が59.0°に変化した。これより、この様な場合でも、本発明の表面プラズモン共鳴センサ装置が、金薄膜上のそれぞれのストリップに固定した抗原に対応して、それぞれの抗体を多成分同時かつ特異的に検出できることがわかった。
【0048】
[実施例3]
実施例3は、1次元面発光レーザーアレイと2次元CCDセンサアレイを用いた表面プラズモン共鳴センサ装置(同一成分を広い濃度範囲で測定)に関する。センサの装置構成は図4の実施例2と同じである。実施例2と同様にして、金薄膜をストリップ状に分け、幾つかのストリップ上に実施例1の第1の場合と同様にして抗HIV−1 emv gp 120/160モノクローナル抗体を担持し、感受性誘電体層を形成した。また、これ以外の幾つかのストリップ上に抗HIV−1 emv gp 120/160モノクローナル抗体の濃度を1/100として固定処理を行った。
【0049】
このセンサ装置を、0.15M NaClを含む20mMりん酸ナトリウム緩衝液、pH7.5に浸し、金薄膜12のそれぞれのストリップからの反射光をCCDセンサアレイ10により検出して、その出力信号を多チャンネルのシンクロスコープで観測し、それぞれのストリップにおいて各入射角に対応する表面プラズモン共鳴を測定した。この結果、実施例1の第1の場合のように抗HIV−1emv gp 120/160モノクローナル抗体を固定したストリップでは入射角62.0°に極小を持つ共鳴スペクトルが、また抗体濃度を1/100としたストリップでは入射角61.0°に極小を持つ共鳴スペクトルが得られた。
【0050】
次に、緩衝液に検出対象物質である抗原物質リコンビナントHIV−1 gp120を0.02mg/mlとなるように溶解した。この抗原物質溶液にセンサ装置を浸したときの共鳴スペクトルを同様にして測定したところ、実施例1の第1の場合のように抗HIV−1 emv gp 120/160モノクローナル抗体を固定したストリップでは入射角64.0°に極小を持つスペクトルが得られた。一方、抗体濃度を1/100としたストリップでは共鳴角が僅かに大きくなっただけであった。
【0051】
さらに、緩衝液に検出対象物質であるリコンビナントHIV−1 gp l20を0.2mg/mlとなるように溶解し、この溶液にセンサ装置を浸したとき、抗体濃度を1/100としたストリップでは入射角62.0°に極小を持つスペクトルとなった。これより、本発明の表面プラズモン共鳴センサ装置が、金薄膜上のそれぞれのストリップに固定した抗原濃度に対応して、その抗体を特異的かつ広いダイナミックレンジで検出できることがわかった。
【0052】
続いて、第2の場合として、実施例2と同様にして、金薄膜をストリップ状に分け、幾つかのストリップ上に実施例1の第2の場合と同様にして▲1▼を担持し、感受性誘電体層を形成した。また、これ以外の幾つかのストリップ上に▲1▼の濃度を1/100として固定処理を行った。
【0053】
このセンサ装置を、0.15M NaClを含む20mMりん酸ナトリウム緩衝液、pH7.5に浸し、金薄膜12のそれぞれのストリップからの反射光をCCDセンサアレイ10により検出して、その出力信号を多チャンネルのシンクロスコープで観測し、それぞれのストリップにおいて各入射角に対応する表面プラズモン共鳴を測定した。この結果、実施例1の第2の場合のように▲1▼を固定したストリップでは入射角58.0°に極小を持つ共鳴スペクトルが、また濃度を1/100としたストリップでは入射角57.6°に極小を持つ共鳴スペクトルが得られた。
【0054】
次に、緩衝液に検出対象物質である▲2▼を0.005mg/mlとなるように溶解した。この抗原物質溶液にセンサ装置を浸したときの共鳴スペクトルを同様にして測定したところ、実施例1の第2の場合のように▲1▼を固定したストリップでは入射角58.7°に極小を持つスペクトルが得られた。一方、▲1▼の濃度を1/100としたストリップでは共鳴角が僅かに大きくなっただけであった。
【0055】
さらに、緩衝液に▲2▼を0.005mg/mlとなるように溶解し、この溶液にセンサ装置を浸したとき、▲1▼の濃度を1/100としたストリップでは入射角58.1°に極小を持つスペクトルとなった。これより、この場合でも、本発明の表面プラズモン共鳴センサ装置が、金薄膜上のそれぞれのストリップに固定したプローブ濃度に対応して、相補鎖を特異的かつ広いダイナミックレンジで検出できることがわかった。
【0056】
[実施例4]
実施例4は、2次元面発光レーザーアレイと2次元CCDセンサアレイを用いた表面プラズモン共鳴センサ装置に関する。センサの装置構成の平面図を図5(a)に示し、側面図を図5(b)に示す。実施例2と同様にして、Si基板に、2次元面発光レーザーアレイ13と2次元CCDセンサアレイ14を配置する。また、2次元面発光レーザー13から出射した各レーザー光を2次元CCDセンサアレイ14の配列方向(図5の左右方向)に広げるため、2次元面発光レーザーアレイ13の上に面発光レーザーの列に対応したシリンドリカルレンズアレイ15(図5(a)の上下方向に長く伸びるシリンドリカルレンズが図5(b)の左右方向に配列される)を設ける。さらに、広げられたレーザー光が金属薄膜16を形成した光透過性樹脂表面で全反射するが、この全反射した光の強度が入射角に対応してCCDセンサアレイ14で測定できるように各シリンドリカルレンズ13の焦点距離が規定されている。
【0057】
金属薄膜16として、実施例2と同様に光透過性樹脂の表面に金を500オングストローム蒸着する。この金薄膜をストリップ状に分け、幾つかのストリップ上に抗HIV−1 emv gp 120/160モノクローナル抗体を、また幾つかのストリップ上にはイムノグロブリンGを実施例2の第1の場合と同様にして担持した。さらに、幾つかのストリップ上には以下のようにして蛋白質を固定した。
【0058】
(1)脱酸素したアセトンに0.01
mMとなるようにジチオ−ビス−プロピオン酸スクシンイミドを溶解した。
(2)この溶液に金薄膜16のストリップを浸し、金表面でジスルフィドが自己組織化することを利用して、スクシンイミドを固定した。
(3)次に、牛血清アルブミン(シグマ社製)を、20mMりん酸ナトリウム緩衝液、pH7.5に溶解し1%濃度となるようにした。この溶液に金ストリップを1時間浸し、金薄膜上にアルブミンを固定した。
【0059】
このセンサ装置を0.15M NaClを含む20mMりん酸ナトリウム緩衝液、pH7.5に浸し、金薄膜16のそれぞれのストリップからの反射光をCCDセンサアレイ14により検出して、その出力信号を多チャンネルのシンクロスコープで観測し、それぞれのストリップにおいて各入射角に対応する表面プラズモン共鳴を測定した。この結果、抗HIV−1 emv gp 120/160モノクローナル抗体を固定したストリップ、およびイムノグロブリンGを固定したストリップでは実施例2の第1の場合と同様な応答を示した。
【0060】
次に、緩衝液に検出対象物質である脂肪酸結合蛋白質(B.Specht et. al, J.Biotechnol., 33 (1994) 259−269)を0.02mg/mlとなるように溶解した。この溶液にセンサ装置を浸したときの共鳴スペクトルを同様にして測定したところ、抗HIV−1 emv gp 120/160モノクローナル抗体を固定したストリップ、およびイムノグロブリンGを固定したストリップでは共鳴角の変化は観測されなかった。一方、牛血清アルブミンを固定したストリップでは共鳴角は43.0°から44.5°に変化し、それぞれのストリップにおいて検出対象に対して特異的に応答することがわかった。また、牛血清アルブミンを固定したストリップでは、実施例2で測定可能な入射角よりも大きな角度で表面プラズモン共鳴が生じていた。従って、面発光レーザーをアレイ化することにより広い入射角スペクトルが測定でき、金属薄膜に固定した物質との相互作用を広くセンシングできることがわかった。
【0061】
続いて、第2の場合として、上記金薄膜16をストリップ状に分け、幾つかのストリップ上に▲1▼を、また幾つかのストリップ上には実施例2の第2の場合と同様にして担持した。さらに、幾つかのストリップ上にはACGTの繰り返し配列を有する20量体のオリゴデオキシヌクレオチド(AGCT)を固定化した。
【0062】
このセンサ装置を0.15M NaClを含む20mMりん酸ナトリウム緩衝液、pH7.5に浸し、金薄膜16のそれぞれのストリップからの反射光をCCDセンサアレイ14により検出して、その出力信号を多チャンネルのシンクロスコープで観測し、それぞれのストリップにおいて各入射角に対応する表面プラズモン共鳴を測定したところ(AGCT)のストリップを含めて、それぞれのストリップでは実施例2の第2の場合と同様な応答を示した。
【0063】
次に、実施例1〜3の第2の場合の検出対象物質に比較した分子量の大きな1本鎖DNA、M13mp18ssを0.02mg/mlとなるように溶解した。この溶液にセンサ装置を浸したときの共鳴スペクトルを同様にして測定したところ、T25と(AGCT)を固定したストリップでは共鳴角の変化は観測されなかった。▲1▼を固定したストリップでは共鳴角は58.0°から61.5°に変化し、それぞれのストリップにおいて検出対象に対して特異的に応答することがわかった。また、▲1▼を固定したストリップでは、実施例2で測定可能な入射角よりも大きな角度で表面プラズモン共鳴が生じていた。従って、この場合にも、面発光レーザーをアレイ化することにより広い入射角スペクトルが測定でき、金属薄膜に固定した物質との相互作用を広くセンシングできることがわかった。
【0064】
【発明の効果】
以上説明した如く、本発明の面発光レーザーを用いた表面プラズモン共鳴方式によるセンサ装置では、必要な光学素子が全て1つのチップ上に作製されるので、センサの小型化、低コスト化、量産化が可能となる。また、面発光レーザーの特徴を利用して、多成分センシングセンサや広い濃度範囲で適用できるセンサを構築することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、面発光レーザーの典型的なアレー化構成を示す一部を切り欠いた斜視図である。
【図2】図2は、1つの面発光レーザーと1次元のCCDセンサアレイが同一の基板に形成された実施例1の表面プラズモン共鳴センサ装置の平面と側面を示す図である。
【図3】図3は、各実施例の各場合の共鳴スペクトルの様子を示す図である。
【図4】図4は、1次元の面発光レーザーアレイと2次元のCCDセンサアレイが同一の基板に形成された実施例2、3の表面プラズモン共鳴センサ装置の平面と側面を示す図である。
【図5】図5は、2次元の面発光レーザーアレイと2次元のCCDセンサアレイが同一の基板に形成された実施例4の表面プラズモン共鳴センサ装置の平面と側面を示す図である。
【符号の説明】
1 Si基板
2 面発光レーザー
3 1次元CCDセンサアレイ
4 絶縁基板
5 端子
6、11 シリンドリカルレンズ
7 光透過性樹脂
8、12、16 金属薄膜
9 1次元面発光レーザーアレイ
10、14 2次元CCDセンサアレイ
13 2次元面発光レーザーアレイ
15 シリンドリカルレンズアレイ
21 半導体基板
22 エピタキシャル成長層
23 活性層
24、25 多層膜ミラー
26 ピクセル
Claims (22)
- 垂直共振器面発光レーザーとセンサアレイが同一の基板に形成されたチップと、該基板上の設けられた光透過性媒体と、該面発光レーザーからの出射光角度を広げるための光学素子と、該面発光レーザーからの出射光による表面プラズモン共鳴を起こすための該光透過性媒体上に形成された金属薄膜からなり、生じた表面プラズモン共鳴による該出射光の金属薄膜における反射光の強度を該センサアレイにより測定することを特徴とする表面プラズモン共鳴センサ装置。
- 前記金属薄膜に接して光透過性媒体の外側に1種類以上の感受性誘電体層を設けたことを特徴とする請求項1に記載の表面プラズモン共鳴センサ装置。
- 前記感受性誘電体層が、抗原、抗体、ホルモン、リセプター、ポリペプチド、核酸、細胞、細胞膜、糖タンパク質、脂質、色素から選んだ1つ以上を固定化したものであることを特徴とする請求項2に記載の表面プラズモン共鳴センサ装置。
- 前記感受性誘電体層が、1種類以上の第1の核酸、もしくは、核酸類縁体を固定化したものであることを特徴とする請求項2に記載の表面プラズモン共鳴センサ装置。
- 前記感受性誘電体層がガス中あるいは液体中に含まれる試料と相互作用することにより該誘電体層の物理化学的性状が変化することを特徴とする請求項2、3または4に記載の表面プラズモン共鳴センサ装置。
- 前記感受性誘電体層が試料中の第2の核酸と相互作用することにより該誘電体層の物理化学的性状が変化することを特徴とする請求項4に記載の表面プラズモン共鳴センサ装置。
- 前記第2の核酸が試料中の測定対象の標的核酸であり、第1の核酸が該標的核酸の塩基配列の一部に相補的に塩基配列を有するプローブ核酸であることを特徴とする請求項6に記載の表面プラズモン共鳴センサ装置。
- 前記標的核酸がDNA、cDNA、RNAであることを特徴とする請求項7に記載の表面プラズモン共鳴センサ装置。
- 前記RNAがmRNA、tRNA、rRNAであることを特徴とする請求項8に記載の表面プラズモン共鳴センサ装置。
- 前記プローブ核酸がDNA、cDNA、RNAであることを特徴とする請求項7に記載の表面プラズモン共鳴センサ装置。
- 前記プローブ核酸がPNA(protein
nucleic acid)であることを特徴とする請求項7に記載の表面プラズモン共鳴センサ装置。 - 前記RNAがmRNA、tRNA、rRNAであることを特徴とする請求項10に記載の表面プラズモン共鳴センサ装置。
- 前記標的核酸がPNA(protein
nucleicacid)であることを特徴とする請求項7に記載の表面プラズモン共鳴センサ装置。 - 前記光学素子がレンズであることを特徴とする請求項1に記載の表面プラズモン共鳴センサ装置。
- 前記光学素子がホログラム素子であることを特徴とする請求項1に記載の表面プラズモン共鳴センサ装置。
- 1つの前記面発光レーザーとその表面プラズモン共鳴光を測定するための1次元の前記センサアレイを有することを特徴とする請求項1乃至15の何れかに記載の表面プラズモン共鳴センサ装置。
- 1次元の前記面発光レーザーのアレイとそれぞれの該面発光レーザーについて表面プラズモン共鳴光を測定するための2次元の前記センサアレイを有することを特徴とする請求項1乃至15の何れかに記載の表面プラズモン共鳴センサ装置。
- 2次元の垂直共振器面発光レーザーのアレイと2次元のセンサアレイが同一の基板に形成されたチップと、該基板上の設けられた光透過性媒体と、該面発光レーザ ーからの出射光による表面プラズモン共鳴を起こすための該光透過性媒体上に形成された金属薄膜からなり、それぞれの該面発光レーザーについて、生じた表面プラズモン共鳴による該出射光の金属薄膜における反射光の強度を該2次元のセンサアレイにより測定することを特徴とする表面プラズモン共鳴センサ装置。
- 前記基板がシリコン基板であることを特徴とする請求項1乃至18の何れかに記載の表面プラズモン共鳴センサ装置。
- 前記光透過性媒体がガラスおよび/あるいはプラスチックからなることを特徴とする請求項1乃至19の何れかに記載の表面プラズモン共鳴センサ装置。
- 前記金属薄膜が金、銀、銅、亜鉛、アルミニウム、カリウムから選ばれた1つ以上の金属からなることを特徴とする請求項1乃至20の何れかに記載の表面プラズモン共鳴センサ装置。
- 前記センサアレイが電荷結合型デバイス(CCD)センサアレイからなることを特徴とする請求項1乃至21の何れかに記載の表面プラズモン共鳴センサ装置。
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