JP3647191B2 - 半導体装置の製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体装置とその製造方法に係わり、より詳細には、低コスト基板上に形成可能な薄膜結晶を使用した高性能な薄膜結晶太陽電池等の半導体装置とその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
各種機器の駆動エネルギー源や商用電力と系統連系させる電源として、太陽電池(太陽電池素子)が広く研究されている。太陽電池はコスト的要請から低価格基板上に素子を形成できることが望まれる。太陽電池を構成する半導体としては一般にシリコンが用いられおり、中でも光エネルギーを電力に変換する効率すなわち光電変換効率の観点からは、単結晶シリコンが極めて優れている。一方大面積化および低コスト化の観点からは、アモルファスシリコンが有利である。また、近年アモルファスシリコンなみの低コストと単結晶なみの高エネルギー変換効率とを得る目的で、多結晶シリコンが使用されるようになってきた。
【0003】
ところが、このような単結晶や多結晶シリコンを用いた半導体装置の製造方法では、塊状の結晶をスライスして板状の基板とするため、その厚さを0.3mm以下にすることは困難である。スライスされて得られた基板は一般に入射光の吸収に必要な厚さ(20μm〜50μm)以上の厚さを有し、厚み的に材料が十分有効に利用されていなかった。最近では溶融したシリコンの液滴を鋳型に流し込むスピン法によりシリコンシートを形成する方法が提案されているが、それでも厚さは最低でも0.1mm〜0.2mm程度である。従って、シリコンをさらに薄型化する事により、更に使用される材料を減らすことができ、低コスト化を図る余地がある。また結晶を薄型化すると太陽電池などの半導体装置は、軽量化でき、又は必要に応じてフレキシブルにできるので、その利用範囲が広がる上に、特に太陽電池に用いた場合、薄い結晶は厚い結晶より降雹等の外部からの衝撃に対してもかえって強くなり、実用上の信頼性を向上する意味からも好ましい。
【0004】
このように、高性能な太陽電池などの半導体装置が製造できる、高品質な結晶、特に単結晶を安価で、さらに薄型化する技術が望まれている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、このような現状に鑑みなされたものであって、高品質でより薄型化された半導体装置の製造方法を提供することを目的とする。
【0006】
また、本発明は、より低コストの薄膜化された半導体層を有する半導体装置の製造方法を提供することを目的とする。
【0007】
本発明のさらに別の目的は結晶基板を必要な厚さずつ、スライスしたものを薄膜の結晶層である平滑層形成のために利用することにより、結晶基板を有効利用し、より低コストな太陽電池などの半導体装置を提供することができる半導体装置の製造方法を提供することを目的とする。
【0008】
加えて、本発明の目的は、様々な利用形態がとれる、廉価でフレキシブルな基板上に薄膜結晶半導体層を有する高性能な(例えば、太陽電池の場合は高効率な)半導体装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記目的を達成するために成されたもので、半導体装置の製造方法であって、
(a)結晶性の基体の表面を変性し、多数の微細孔を含む多孔質層を所定の厚さ形成する工程と、
(b)PH 3 を混合した水素気流中で熱処理することにより、前記多孔質層の表面を含む一部を、実質上微細孔を含まない結晶性の平滑層に変性する工程と、
(c)前記平滑層に変性されずに残った多孔質層の部分から、前記結晶性の平滑層を前記結晶性の基体より剥離する工程と、
を有する半導体装置の製造方法において、
前記結晶性の基体より前記平滑層を剥離する前に、前記平滑層の内部に半導体接合を形成する工程を有することを特徴とする。
【0010】
また、本発明の半導体装置の製造方法は、
(a)結晶性の基体の表面を変性し、多数の微細孔を含む多孔質層を所定の厚さ形成する工程と、
(b)PH 3 を混合した水素気流中で熱処理することにより、前記多孔質層の表面を含む一部を、実質上微細孔を含まない結晶性の平滑層に変性する工程と、
(c)前記平滑層に変性されずに残った多孔質層の部分から、前記結晶性の平滑層を前記結晶性の基体より剥離する工程と、
を有する半導体装置の製造方法において、
前記剥離する工程の前に、前記平滑層の表面に、前記平滑層とは導電型の異なる結晶性の層を形成することにより半導体接合を形成する工程を有する。
更に、上記半導体接合を形成する工程は、上記平滑層の表面からのドーパントの熱拡散を含む。また、上記平滑層とは導電型の異なる結晶性の層を形成する工程は、液相成長を含むことを特徴とする。
【0011】
また、上記半導体装置の製造方法は、上記多孔質層を平滑層に変性する工程が、水素雰囲気下での熱処理を含み、また、上記多孔質層を平滑層に変性する工程が、上記多孔質層の表面からのエネルギー放射を含み、上記エネルギーが、波長600nm以下の電磁波を含み、上記エネルギーが、電子線を含むことを特徴とする。さらに、上記半導体装置は太陽電池を含むものである。
【0012】
また、上記(a)〜(c)に加え、(d)上記結晶性の基体より剥離された平滑層の半導体上にグリッドワイヤを接合し、更にその上に反射防止膜及びラミネート層を積層する工程を有し、さらに、(e)上記剥離された平滑層の裏に金属板を貼り付ける工程を有し、上記平滑層が剥離された上記結晶体の基体は、再度上記工程(a)の結晶体の基体として利用されることを特徴とする。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の半導体装置とその製造方法について、必要に応じて図面を参照しながら説明する。尚、本発明は、以下の説明及び図面に限定されるわけではなく、本発明の主旨の範囲内で、適宜変形、組合せできることはいうまでもない。
【0014】
本発明の半導体装置の製造方法の一例を、図1示される模式的断面図を用いて説明する。本発明の半導体製造方法は、少なくとも、
(a)結晶性の基体100の表面に、多数の微細孔を含む多孔質層101を所定の厚さ形成する工程(図1(a))と、
(b)前記多孔質層101の表面を含む一部を、実質上微細孔を含まない結晶性の平滑層102に変性する工程(図1(b))と、
(d)前記半導体接合104が形成された平滑層102を、前記平滑層102に変性されずに残った多孔質層の部分103から、前記結晶性の基体100より剥離する工程(図1(d))と、を有する。
【0015】
また、図1には、図1(b)と図1(d)との間に、図1(c)として
(c)前記平滑層102の内部に半導体接合104を形成する工程、
を有する場合の一例が示されている。
【0016】
半導体として、太陽電池を製造する場合には、上記半導体接合104は太陽電池の起電力を得るための接合(例えば、pn接合)とすることができる。
【0017】
以下、太陽電池を好適な一例として本発明を説明する。
【0018】
ここで上記の工程のポイントを説明する。SiやGaAsなどの基板100をふっ酸の溶液に浸漬し正の電位をかけて電流を流すと、その内部に10nm程度の極めて微細な孔が形成されつつ結晶が侵食され、時間の経過とともに微細な孔が結晶の厚さ方向に広がっていく事は、たとえばR.Herino, G.Bomchil, K.Barla, and C.Bertrand: J. Electrochm.Soc. Vol.134('87) p1994-2000や P.Schmuki, J.Fraser, C.M.Vitus, M.J.Graham and H.S.Lsaacs: J. Electrochm.Soc. Vol.143('96) p3316-3322、などに記載があり広く知られている。本発明の説明の中ではこの様な電気化学的方法を、陽極化成と呼び、陽極化成等の方法で形成された微細な孔を多数含む層を多孔質層と呼ぶ。
【0019】
図1において、多孔質層101は走査型電子顕微鏡(SEM)で観察すると極めて不規則な形状を示し、構造的に弱いので、外部から力が加わると下の基体層120から薄膜として引き剥がす事ができる。
【0020】
しかし微細な孔の表面におけるキャリアの再結合の影響が大きく、電子バイスを構成する材料として利用する事はできない。それにも関わらず、結晶学的には多孔質層101は単結晶としての性質を保持しているので、たとえばこの上にエピタキシャル成長をする事ができる。
【0021】
この事実を利用して、たとえば特開平6−45622号公報においては、シリコンウエハ表面に陽極化成により多孔質シリコン層を形成した後、剥離し、剥離した多孔質層を金属基板上に固着させてから多孔質層上にエピタキシャル層を形成し、これを用いて薄膜結晶太陽電池を作製する方法が開示されている。
【0022】
しかし本発明者らは、多孔質層に励起エネルギーを与え変性して得られた平滑な層が実質的に元の単結晶基板の結晶性を引き継いでいて、該平滑な層が太陽電池が作成できるほど高品質であり、また太陽電池として必要とされる厚さに成長できることを見出した。そのような素材の変性手段としては、熱エネルギーまたは光エネルギーを利用できる。また励起エネルギーを与える環境を水素雰囲気とすることでその作用を促進する事ができる。本発明者らは、現在のところ、多孔質層101はその内部の微細な孔の表面エネルギーの為、微細な孔を含まない平滑な層にくらべエネルギー的に不安定な状態にあるので、励起エネルギーが与えられ多孔質層101を構成する原子の結合が緩むと、安定な状態である平滑な層102に変性されるものと考えている。特に水素が結晶を構成する原子に結合すると、さらに結晶原子間の結合が不安定化し、励起エネルギーの効果が促進されると思われる。その際、多孔質層101はもとの結晶基板100の結晶性を保持しているため、平滑層102も元の結晶基板100の結晶性を引き継ぐものと考えられる。
【0023】
このように、多孔質層101を一部残して、平滑層102とすることにより、極めて薄い結晶性薄膜を剥離することができ、半導体装置の半導体層として極めて有用である。
【0024】
ここで、上記方法を進め過ぎた結果、多孔質層101を完全に平滑層102に変性した場合は、元々の結晶基板と同等になってしまい、薄い層に剥離できなくなる場合がある。これを考慮すると、多孔質層101の微細孔の大きさ、例えば微細孔の径や多孔質の多さを指標する多孔度を、基板100の表面側から奥に向けて変化させることが好ましい。図4にその一例を示す。ここで、基板100は、結晶性の基体300の結晶基板320と、多孔質層の多孔質層301’と、平滑化される平滑層301”とから構成される。基板100の表面に設けた平滑層301”は、例えば、その奥の多孔質層301’より微細孔が順次小さくなって平滑される。この様な構成をとることにより、同一の励起エネルギーを与えた際に平滑層301”は完全に平滑化するが、多孔質層301’の中にはかなり大きな孔が残り、この部分から平滑化した平滑層301”を剥離する事ができる。これは、微細孔が大きいと、その表面エネルギーが下がるので、平滑層との安定性の差が少なく変性の推進力が弱くなるためと考えられる。
【0025】
また、この様な構造の多孔質層を作成するためには、例えば陽極化成の途中で化成の条件を変えれば良い。SEM観察の結果によると、他の条件が同一なら一般にふっ酸の濃度が低いほど微細孔は大きくなる。また化成の電流を大きくする程微細孔は大きくなる。従って始め高濃度のふっ酸で化成をしてから、引き続き低濃度のふっ酸で化成をする、あるいは始め小電流で化成をしてから引き続き大電流で化成をする等の方法が採用できる。
【0026】
また、図5に示すように、多孔質層の微細孔の大きさは一定でも、励起エネルギーを多孔質層の表面側程強く与える事によって表面側を実質的に平滑層401”に変性し、奥の方に多孔質層401’を残す事ができる。そのためには表面側からエネルギー放射402を与えると良い。電磁波、特に物質に強く吸収される波長の短い輻射や、電子線の様に物質との相互作用の強いエネルギー粒子線は表面近くで吸収されてしまい、奥の方では相対的に変性の作用が弱まるので本発明で用いる励起エネルギー源として効果的である。本発明者らの知見によると、その様な励起エネルギーの放射源としては、たとえば波長が600nmより短い光(紫外光を含む)を強く放射する光源が好適で、キセノンランプ、エキシマレーザー、YAGレーザー(第2高調波以上)等が利用可能である。また真空排気可能なチャンバー内に設けられた電子銃を使用した電子線ビームの放射も好適に使用することができる。
【0027】
さて、結晶層が太陽電池として機能するためには、少なくとも一つの半導体接合を形成する事が必要となる。その為の最も一般的な方法は適当なドーパントの熱拡散である。
【0028】
図1では、平滑層102の表面から熱拡散を行い、半導体接合104を形成する例を示した。例えば平滑層102がp-であると、平滑層102の表面からn型のドーパントを拡散して、表面側をn+とし(工程(c))、ついで半導体接合104の形成された平滑層102を基体100から剥離すればよい(工程(d))。
【0029】
半導体接合104を形成するためには、図2または図3に示したように平滑層202の表面に、これとは導電型の異なる結晶層205を成長する事もできる。ここで、図2の構成においては、導電型の異なる結晶層205を平滑層204に比べ薄くしており、太陽光は結晶層205側から入射するのに適しているが、図3の構成においては、導電型の異なる結晶層205’を平滑層204に比べ厚くしており、太陽光は平滑層204側から入射するのに適している。太陽電池モジュールとしてどのような工程をとるかにより、適宜図2または図3の構成を選択すればよい。ただし、図3の構成においては結晶層205’が厚いためシラン、ジクロルシラン、トリクロルシラン等のガスを用いる気相成長法では、成長に時間がかかる、1バッチの処理枚数が多く取れない、またはガスのコストがかかる等の問題が生じる。
【0030】
この点から、溶融したSn、In、Cu、A1等の金属中にシリコン粒を溶かし込み、この中に結晶性の基板を浸漬した後、溶液を過飽和状態として、この基板上にシリコンを成長させる液相成長法が有利である。液相成長法は成長速度を速くすることができ、1バッチの処理枚数を多くする事が可能で、かつ使用原料が廉価で、原料を無駄にする部分も少ない。
【0031】
また以上説明した工程(a)−(d)を終了した後、表面の多孔質層が剥離された結晶基体層120,220は、エッチング等の適当な表面処理の後、再度工程(a)にまわし多孔質層を形成し、以下同様にして繰り返し使用ができるので、結晶基体のコストは低廉になる。
【0032】
なお、本発明の図において、説明の都合上、多孔質層の厚さは基板の厚さの半分近くあるように表現しているが、実際には、多孔質層の厚さ、即ち1回の太陽電池の製造で減少する厚さは、数十μm乃至数μm程度で、基板の厚さの数十分の一乃至数百分の一に過ぎず、基板は多数回の繰り返し使用が可能である。
【0033】
また繰り返し使用に伴い結晶基体の厚さが減少するが、これは表面処理の終わった基体に、液相成長法等で減少分だけ結晶層を成長させ補う事が可能で、数十回〜数百回にわたり結晶基体を繰り返し使用することができる。
【0034】
以上説明してきた通り、本発明によると高性能な太陽電池を作る事ができるが高価な単結晶基板を実質的に必要な厚さだけスライスしながら使う事ができるので太陽電池の材料コストを低減できる。さらには単結晶基板をスライスした部分を半導体接合の一部として使用しながら、量産性に液相成長法で厚さを補うことができるので、さらに材料コストを大きく低減できる。しかもこの場合には、新たにドーパントの熱拡散等の接合形成は不要となり工程を簡略化できる。
【0035】
【実施例】
以下、本発明の薄膜結晶太陽電池の製造方法の実施例をより詳細に説明するが、本発明の趣旨はこれまで説明してきた通りであり、本発明は以下の実施例により限定されるものではない。
【0036】
[実施例1]
本実施例は、図1に示した太陽電池の製法をさらに詳細に説明するもので、その製造工程について、図6に従って説明する。
【0037】
工程(a) 結晶基体としての500μm厚の単結晶シリコンウエハ100に、BCl3を熱拡散源として、1200℃の温度でホウ素(B)の熱拡散を行って、p+層101として形成した。基体層120上に予めp+層101を形成することにより、陽極化成で望ましい形状の多孔質層101を得られる。p+層101はHF溶液中で、表1の条件で陽極化成を行い、多孔質シリコン層とされる。
【0038】
[表1]
陽極化成溶液 HF:H2O:C25OH=1:1:1
電流密度 5mA/cm2 → 30mA/cm2
化成時間 20min → 20 sec
工程(b) 次にシリコンウエファー100を水素雰囲気中で熱処理をした。まず石英管内にウエファ100を配列し、常圧の水素気流中で、1050℃に昇温し、30分間の熱処理を行った。この熱処理の前後での多孔質層102の形状の変化を見るため、倍率10万倍のSEMでウエファーの断面を観察した。熱処理前は、ウエファーの表面から深さ20μm以上にわたって直径10nm程度の微細な孔がウエファーの深さ方向に伸びているのが観察された。特に最深部の厚さ0.5μm程では孔の直径が他の部分の2倍以上あり、空隙も広がっているのが認めれた。これは陽極化成の工程で電流密度を30mA/cm2に高めた時に形成されたと考えられる。熱処理後には微細孔は、もともと微細孔が大きかった部分103を除いて認められなくなっていた。また微細孔の大きかった部分103でも、もともとあった不規則な形状がほぼスムーズな丸みを帯びた形状に変化していた。また電子線回折法で結晶性を確認したところ、基板100と同じ方位を持つ単結晶であることが確認された。
【0039】
こうして形成された平滑層102の表面に、粘着テープを貼り、平滑層102を引き剥がし、抵抗率を測定した所、比抵抗率は約0.1Ωcmであった。多孔質層101は本来p+層から形成されているが、平滑層102の比抵抗はやや高くなった。陽極化成及び、平滑層102への変性の過程で、平滑層102中でドーパントが偏析し、低濃度化した可能性がある。
【0040】
しかし、太陽電池用の半導体接合に用いるp-層としては、これではやや低抵抗なので、熱処理を行う際、水素気流中に2ppmの濃度のフォスフィン(PH3)を混合し、やや真性化したところ、2Ωcmの比抵抗率が得られた。以降はこの条件で得られた平滑層102を用いた。
【0041】
工程(c) ついで平滑層102の表面に半導体接合104を形成した。そのために、まずCVD装置にて、温度560℃で、平滑層102の表面にPSG層(Phospho Silicate Glass)を20nm堆積した。これを窒素気流中で、温度1050℃で30分アニールし、平滑層102にリン(P)を拡散し、半導体接合104の表面をn+層とした。残ったPSGはふっ酸水溶液でエッチング除去した。表面の抵抗は0.006Ω/□だった。
【0042】
工程(d) つぎに工程(c)で形成される半導体接合104の表面n+層は、基板の縁辺にも形成されため、この部分から接合がリークしやすいので、基板の周辺部のn+層を、Q−SW付きの出力6WのYAGレーザーを用いて除去し、図6(d)に示す105の様な輪郭の角の部分を研削した形状とした。この様な工程は4弗化メタンと酸素等を用いたドライエッチングや、ふっ硝酸系のエッチング液を用いたウエットエッチングによる事が多いが、レーザービームの使用によりマスクの形成等が不要となり生産性を高める事ができた。
【0043】
工程(e) n+層105は抵抗が必ずしも十分低くない。そこで発生した電流を収集するために導電性の接着層でコートした太さ100μの銅のグリッドワイヤ106をn+層105の表面に熱融着した。グリッドとしては一般に、印刷された導電性インクのパターンを焼成して形成される事が多いが、銅のワイヤ106を用いる事により断面形状で高さ/幅の比を大きくしやすく、また焼成したパターンと異なり銅の本来の抵抗値が利用できるので、入射光に対する影の面積の割に、抵抗の低いグリッドを得る事ができた(図6(e))。
【0044】
工程(f) Si、GaAs等の半導体結晶は一般に屈折率が高く、そのままでは入射光の反射損失が大きいので、反射防止層107として2酸化チタンの層を形成した。TiO(NO22からなるスプレー液を塗布し、大気中で400℃で焼成し、厚さ約55nmの反射防止層107を形成した(図6(f))。太陽電池用の反射防止層の材料としては、SnO2、ITO、ZnO等も利用可能であるが、2酸化チタンの方がこれらの材料より近赤外線領域の透過率が高く、屈折率も高いので高効率が得やすい。また塗布・焼成で形成したためCVD、スパッタリング等に比べ生産性を高める事ができた。
【0045】
工程(g) 反射防止層107側に接着材としてEVAシートとETFEシート(商品名テフゼル)を張り合わせ、180℃で1時間で熱圧着し、ラミネーション層108とした。ついで基板100の裏側を真空でチャッキングし、ラミネーション層を端の方から引っ張ったところ、多孔質層103の内部から破壊が起こり、平滑層102以上の部分が剥がれた。剥がし終わった基板100、平滑層102には、各々破壊された多孔質層の残さ109が残った(図6(g))。
【0046】
工程(h) 剥離された平滑層102の裏にステンレス板110を、アルミペースト111を接着剤として貼りけ、150℃でキュアした。この時、平滑層102の裏面の多孔質層の残さ109は特に除去しなかった。こうして表面にラミネーションがかかった太陽電池が形成された。基体層120の表面に残った多孔質層の残さ109はふっ酸水溶液でエッチングし除去することができ、基体層120は再利用に供される。
【0047】
本実施例ではn+層105の方から太陽光が入射される構成になっている。すなわち半導体接合104の近傍に主たる空乏層が形成される。一方多孔質層の残さ109はp+層なので、高抵抗化した平滑層102との間にBSF(Backing Surface Field)を形成し、裏面側でのキャリアの再結合を防止し変換効率の向上に寄与する。AM1.5(100mW/cm2)光照射下で、この太陽電池をのI―V特性を測定したところ変換効率12.6%を得た。また工程(g)で再生された基板100の基体層120を、再度工程(a)−(h)に回し、同様な太陽電池を形成し、I―V特性を測定したところ変換効率12.8%を得た。こうして本発明の方法で繰り返し太陽電池が作製できる事が分かった。このように表面を処理した基板は再度利用する事ができた。また本実施例の太陽電池は曲率半径3cmに湾曲させた後、再度測定しても変化は認められず、極めてフレキシビリティが高い事が分かった。
【0048】
[実施例2]
本実施例は図3に示した太陽電池の製法を、図7を参照しつつさらに詳細に説明するものである。
【0049】
工程(a) 結晶基体としての500μm厚の単結晶シリコンウエハ200に、BCl3を熱拡散源として、1200℃の温度でBの熱拡散を行ってp+層201を形成した(図7(a))。結晶基体層220上のp+層201は、陽極化成で望ましい形状の多孔質層を得るために形成する。次にHF溶液中で、表2の条件で陽極化成を行い、p+層201を多孔質シリコン層とした。
【0050】
[表2]
陽極化成溶液 HF:H2O:C25OH=1:1:1
電流密度 5mA/cm2 → 30 mA/cm2
化成時間 1 min → 20 sec
工程(b) 次にシリコンウエファー200を水素雰囲気中で熱処理した。まず石英管内にウエファを配列し常圧の水素気流中で1050℃に昇温し30分間の熱処理を行った(図7(b))。この熱処理の前後での多孔質層の形状の変化を見るため、倍率10万倍のSEMでウエファーの断面を観察した。熱処理前は、ウエファーの表面から深さ1μm以上にわたって、直径10nm程度の微細な孔がウエファーの深さ方向に伸びているのが観察された。特に最深部の厚さ0.5μm程では孔の直径が他の部分の2倍以上あり、空隙も広がっているのが認めれた。熱処理後には微細孔は、もともと微細孔が大きかった部分203を除いて認められなくなっていた。また微細孔の大きかった部分203でも、もともとあった不規則な形状がほぼスムーズな丸みを帯びた形状に変化していた。また電子線回折法で結晶性を確認したところ、基板と同じ方位を持つ単結晶であることが確認された。
【0051】
工程(c) こうして得られた平滑層202の表面に徐冷法と呼ばれる方法でシリコンの液相エピタシャル成長を行なった。まず水素気流中のカーボン・ボート内で900℃で金属インジウム(In)を溶融した。溶液を攪拌しつつこの中に多結晶シリコン粒を溶かして飽和とした後、さらにSiの0.001at%のリンを溶かし込んでn-層成長用の溶液とした。次に基板の温度が水素気流中で溶液の温度に一致するまで待ってから、溶液中に浸漬し冷却速度−1.0℃/分で徐冷して平滑層202の上に厚さ30μmのn-層205を堆積し溶液から引き上げた。ついでさらに別に用意されたカーボン・ボート内に900℃で金属インジウム(In)を溶融しSiで飽和とし、さらにSiの0.1at%のリンを溶かし込みn+層成長用の溶液とした。この中にn-層205まで形成された基板を浸漬し、厚さ0.5μmのn+層206を堆積して溶液から引き上げた(図7(c))。液相成長法では、成長初期に基板の表面がある程度溶かし込まれてしまうメルトバックと呼ばれる現象が起こりやすい。本発明者らの検討によると、メルトの過飽和度を厳密に制御しないと、10nm−100nm程度のメルトバックが起りうるが、本実施例の様に平滑層202の厚さを約0.5μm程度にしておくとメルトバックによるトラブルは起こらない。
【0052】
工程(d) 本実施例では、実施例1とは異なり、成長が終わった表面にステンレス板207をアルミペースト208で貼り付け焼成した。この後基板200をチャッキングして、ステンレス板207を端の方から引っ張った所、多孔質層のまま残っていた部分203から剥がれた(図7(d))。
【0053】
基板の表面に残った多孔質層の残さ209はふっ酸水溶液でエッチングし除去することができた。こうして剥がして現れた平滑層の表面の抵抗を測定したところ、0.005Ω/□と低い値になっており、平滑層202はp+層と呼びうる事が確認された。
【0054】
工程(e) 本実施例の場合は平滑層202の多孔質層の残さ209もふっ酸水溶液にて除去した。多孔質層は比表面積が大きいので平滑層202に比べエッチング速度がはるかに大きいので、平滑層202に殆ど損傷なく除去する事ができた。ついで実施例1と同様にしてYAGレーザーにて平滑層202の周辺をスクライブした(図7(e))。
【0055】
工程(f) 実施例1と同様に、グリッドワイヤ210を熱融着した。
【0056】
工程(g) 実施例1と同様にして、TiO2の反射防止層211を形成した。
【0057】
工程(h) 実施例1と同様にして、ラミネーション層212を形成した。
【0058】
本実施例では平滑層(p+層)202の方から太陽光が入射される構成になっている。すなわち半導体接合204の近傍に主たる空乏層が形成される。一方表面側に設けたn+層は n-層205との間にBSF(Backing Surface Field)を形成し、n+層側でのキャリアの再結合を防止し、変換効率の向上に寄与する。AM1.5(100mW/cm2)光照射下で、この太陽電池をのI―V特性を測定したところ変換効率14.7%を得た。また工程(d)で再生された基板200を、再度工程(a)−(h)に回し、同様な太陽電池を形成し、I―V特性を測定したところ変換効率14.5%を得た。こうして本発明の方法で繰り返し太陽電池が作製できる事が分かった。このように表面を処理した基板は再度利用する事ができた。このように表面を処理した基板は、再度工程(a)に回し再度利用する事ができた。また本実施例の太陽電池は、曲率半径3cmに湾曲させた後再度測定しても変化は認められず、極めてフレキシビリティが高い事が分かった。
【0059】
[実施例3]
本実施例は第1図に示した太陽電池の、実施例1とは異なる製法を説明するものである。
【0060】
工程(a)実施例1と同様にして陽極化成法により多孔質層101を形成した。ただし、化成電流は表3に示した通り終始一定とした。
【0061】
[表3]
陽極化成溶液 HF:H2O:C25OH=1:1:1
電流密度 5 mA/cm2
化成時間 20 min
工程(b)この基板を外気からの遮断が可能な容器内に設けられたステージに固定し、アルゴン雰囲気中で、表面からXeClエキシマレーザーを照射した。発振波長=308nmで、10Hzで発振し、パルス幅は35nsecであった。ビームは均一化の後、ほぼ10×10mm2の面積に集光され、その強度は約100mJ/cm2であった。また、ステージを駆動して基板の全面積がレーザーの照射を受けるようにした。レーザー照射の前後での多孔質層の形状の変化を見るため、倍率10万倍のSEMでウエファーを面を観察した。レーザー照射前は、ウエファーの表面から深さ20μm以上にわたって、直径10nm程度の微細な孔がウエファーの深さ方向に伸びているのが観察された。一方ステージを駆動して、基板面に平均してパルスを100発程度照射した後は、微細孔は殆ど認められなくなったが、深い部分103では、ほぼスムーズな丸みを帯びた形状の孔が集中していた。これは強くレーザー照射を吸収した表面から、多孔質層の変性が進み、陽極化成されていない部分との界面に、微細孔がパイルアップしたためと思われる。
【0062】
また電子線回折法で結晶性を確認したところ、基板と同じ方位を持つ単結晶であることが確認された。こうして形成された平滑層102の表面に、粘着テープを貼り、平滑層102を引き剥がし、抵抗率を測定した所、比抵抗率は約0.1Ωcmであった。多孔質層101は本来p+層から形成されているが、平滑層102の比抵抗はやや高くなった。陽極化成及び、平滑層102への変性の過程で、平滑層102中でドーパントが偏析し、低濃度化した可能性がある。
【0063】
しかし、太陽電池用の半導体接合に用いるp-層としては、これではやや低抵抗なので、レーザー照射を行う際アルゴン気流中に10ppmの濃度の5弗化リン(PF5)を混合し、やや真性化したところ、1Ωcmの比抵抗率が得られた。以降はこの条件で得られた平滑層102を用いた。なお、本実施例の方法では、陽極化成によって多孔質層に構造を持たせる必要がない。化成電流の制御により微細孔の大きな層を形成する方法では、特に多孔質層が厚い場合は、電流の制御の精度が低いと化成処理中に多孔質層が剥離してしまう場合があったが、本実施例の方法では、微細孔が極端に大きくなることがなく、容易に剥離の再現性が得られた。
【0064】
工程(c)−(h)は、実施例1と同様に実施した。
【0065】
AM1.5(100mW/cm2)光照射下で、この太陽電池をのI―V特性を測定したところ、変換効率11.5%を得た。また工程(g)で再生された基板100を、再度工程(a)−(h)に回し、同様な太陽電池を形成し、I―V特性を測定したところ、変換効率11.7%を得た。こうして本発明の方法で繰り返し太陽電池が作製できる事が分かった。このように表面を処理した基板は、再度利用する事ができた。また本実施例の太陽電池は、曲率半径3cmに湾曲させた後、再度測定しても変化は認められず、極めてフレキシビリティが高い事が分かった。
【0066】
[実施例4]
本実施例は図2に示した太陽電池の、実施例2とは異なる製法について説明する為のものである。
【0067】
工程(a)実施例2と同様にして、陽極化成法により多孔質層103を形成した。ただし化成電流は、表4に示した通り終始一定とした。
【0068】
[表4]
陽極化成溶液 HF:H2O:C25OH=1:1:1
電流密度 5 mA/cm2
化成時間 1 min
工程(b)この基板を、電子銃の装備された真空チャンバー内のステージに固定した。1.3×10-4Paまで真空排気した後、表面から電子ビームを照射した。加速電圧は5kV、電子ビーム電流は0.5Aであった。また、ビームを20×20mm2の範囲で、10Hzで走査した。また、電子ビーム照射の前後での多孔質層の形状の変化を見るため、倍率10万倍のSEMでウエファー表面を観察した。ビーム照射後は、基板の表面から深さ1μm以上にわたって直径10nm程度の微細な孔がウエファーの深さ方向に伸びているのが観察された。一方ステージを駆動して、基板面にビームを平均して10回程度照射した後は、微細孔は殆ど認められなくなったが、深い部分103では、ほぼスムーズな丸みを帯びた形状の孔が集中していた。これは強く電子線を吸収した表面から、多孔質層の変性が進み、陽極化成されていない部分との界面に、微細孔がパイルアップしたためと思われる。
【0069】
また電子線回折法で結晶性を確認したところ、基板と同じ方位を持つ単結晶であることが確認された。本実施例では、平滑層はp+層として使用するため、より低抵抗化することが望ましいが、電子ビーム照射後、高抵抗化している恐れがあるので、ビーム照射を行う際、水素で5%に希釈した弗化ホウ素(BF3)を流し、圧力を1.3×10-3Paとし、Bをドーピングした。また、SEM観察によると、この方法で得られた平滑層のほうが表面の平坦性が優れているように思われた。これは電子ビーム照射を行った際に、若干の水素を流したことによる効果の可能性がある。以降はこの条件で得られた平滑層202を用いた。なお、本実施例の方法は、真空排気可能な装置を必要とする難点があるが、他の方法に比べて、処理時間が短いことが特徴である。
【0070】
工程(c)−(h)は、実施例2と同様に実施した。
【0071】
AM1.5(100mW/cm2)光照射下で、この太陽電池をのI―V特性を測定したところ、変換効率13.5%を得た。また工程(g)で再生された基板200を、再度工程(a)−(h)に回し、同様な太陽電池を形成し、I―V特性を測定したところ、変換効率13.2%を得た。こうして本発明の方法で繰り返し太陽電池が作製できる事が分かった。このように表面を処理した基板は、再度利用する事ができた。また本実施例の太陽電池は、曲率半径3cmに湾曲させた後、再度測定しても変化は認められず、極めてフレキシビリティが高い事が分かった。
【0072】
[実施例5]
本実施例は本発明の方法が化合物半導体に適用できることを示すものである。以下、図6に則して説明する。
【0073】
工程(a)結晶基体としての500μm厚のSiドープのn型単結晶ガリウム砒素ウエハ100を、表5の条件で陽極化成を行い、多孔質101を形成した。
【0074】
[表5]
陽極化成溶液 H2SO4=0.1M, HCL=0.1M水溶液
電流密度 5mA/cm2 → 50mA/cm2
化成時間 4 min → 8 sec
工程(b)次にガリウム砒素ウエハ100を、水素雰囲気中で熱処理をした。まず石英管内にウエファ100を配列し、常圧の水素気流中で、850℃に昇温し、30分間の熱処理を行った。この熱処理の前後での多孔質層の形状の変化を見るため、倍率10万倍のSEMでウエファーの断面を観察した。熱処理前は、ウエファーの表面から深さ2μm以上にわたって直径10nm程度の微細な孔がウエファーの深さ方向に伸びているのが観察された。特に最深部の厚さ0.5μm程では、孔の直径が他の部分の2倍以上あり、空隙も広がっているのが認めれた。これは陽極化成の工程で、電流密度を50mA/cm2に高めた時に形成されたと考えられる。熱処理後には、微細孔はもともと微細孔が大きかった部分103を除いて認められなくなっていた。また微細孔の大きかった部分103でも、もともとあった不規則な形状がほぼスムーズな丸みを帯びた形状に変化していた。また電子線回折法で結晶性を確認したところ、基板と同じ方位を持つ単結晶であることが確認された。
【0075】
こうして形成された平滑層102の表面に、粘着テープを貼り、平滑層102を引き剥がし、熱起電力法で導電型を調べたところ、p型になっていた。基板は本来n型のはずであるが、Gaの格子点を占めていたSiがAsの格子点を占めるようになったものと思われる。
【0076】
工程(c)ついで平滑層102の表面に半導体接合104を形成した。この基板を外気からの遮断が可能な容器内に設けられたステージに固定し、アルゴン雰囲気中で、表面からXeClエキシマレーザーを照射した。発振波長=308nmで、10Hzで発振し、パルス幅は35nsecであった。ビームは均一化の後、ほぼ10×10mm2の面積に集光され、その強度は約150mJ/cm2であった。また、ステージを駆動して基板の全面積がレーザーの照射を受けるようにした。ここで、表面にスポットを当てながら、低電位用の表面電位形で平滑層の光起電力を測定した。レーザー光照射の前は殆ど起電力がでなかったが、レーザー光照射後は−0.5Vの起電力が認められた。これは強くレーザー光を吸収した平滑層の表面近傍で、温度の作用により、Asの格子点を占めていたSiが再度Gaの格子点を占めるようになり、n+に変化し、p型のままだった部分との間に半導体接合104が形成されたためと思われる。本工程の方法によれば、熱拡散や導電型の異なる層の堆積等が不要で、半導体接合が特に簡単に形成できることがわかった。
【0077】
工程(d)−(h)は、実施例1と同様に実施した。
【0078】
本実施例ではn+層105の方から太陽光が入射される構成になっている。すなわち半導体接合104の近傍に主たる空乏層が形成される。AM1.5(100mW/cm2)光照射下で、この太陽電池をのI―V特性を測定したところ変換効率15.6%を得た。また工程(g)で再生された基板100を、再度工程(a)−(h)に回し、同様な太陽電池を形成しI―V特性を測定したところ変換効率15.5%を得た。こうして本発明の方法で繰り返し太陽電池が作製できる事が分かった。このように表面を処理した基板は再度利用する事ができた。また本実施例の太陽電池は曲率半径2cmに湾曲させた後、再度測定しても変化は認められず、極めてフレキシビリティが高い事が分かった。なお、本実施例では、直接遷移型のGaAsを使用しているため、光の吸収が強く、厚さ2μm程度でも十分に太陽光を吸収することができる。すなわち、結晶を基板のまま使うのに比べ、本発明の方法のコスト面での優位性がSiの場合以上に際立った。
【0079】
【発明の効果】
以上述べてきたように、本発明によれば低コストでフレキシビリティのある基板上に、変換効率の高い薄膜結晶太陽電池を形成できるため、太陽電池の用途を広げる事ができるようになった。また本発明によれば、特性の良好な薄膜結晶太陽電池を基板から剥離した後、該基板を再生して繰り返し使用することで、材料の有効利用が図られ、太陽電池の製造コストが低減できるようになった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による太陽電池の製造工程の第1の例の要点を示したものである。
【図2】本発明による太陽電池の製造工程の第2の例の要点を示したものである。
【図3】本発明による太陽電池の製造工程の第2の例の要点を示したものである。
【図4】剥離が可能となる様な多孔質層の構造を示す模式図である。
【図5】図4の様な多孔質層を形成するための方法の1例を示すものである。
【図6】本発明による太陽電池の製造工程の第1の例の全工程を示すものである。
【図7】本発明による太陽電池の製造工程の第2の例の全工程を示すものである。
【符号の説明】
100、200、300、400 結晶基体
101、201、301’、301”,401’ 多孔質層
102 平滑層(p-層)
103、203 平滑層に変性されずに残った多孔質層
104、204 半導体接合
105 熱拡散層(n+層)
106、210 グリッドワイヤ
107、211 反射防止層
108、212 ラミネーション層
109、209 多孔質層残さ
110、207 ステンレス板
111、208 導電性接着層
202 平滑層(p-層)
202’ 平滑層(p+層)
205 液相成長層(n+層)
205’ 液相成長層(n-層)
120、220、320、420 基体層

Claims (12)

  1. (a)結晶性の基体の表面を変性し、多数の微細孔を含む多孔質層を所定の厚さ形成する工程と、
    (b)PH 3 を混合した水素気流中で熱処理することにより、前記多孔質層の表面を含む一部を、実質上微細孔を含まない結晶性の平滑層に変性する工程と、
    (c)前記平滑層に変性されずに残った多孔質層の部分から、前記結晶性の平滑層を前記結晶性の基体より剥離する工程と、
    を有する半導体装置の製造方法において、
    前記結晶性の基体より前記平滑層を剥離する前に、前記平滑層の内部に半導体接合を形成する工程を有することを特徴とする半導体装置の製造方法。
  2. (a)結晶性の基体の表面を変性し、多数の微細孔を含む多孔質層を所定の厚さ形成する工程と、
    (b)PH 3 を混合した水素気流中で熱処理することにより、前記多孔質層の表面を含む一部を、実質上微細孔を含まない結晶性の平滑層に変性する工程と、
    (c)前記平滑層に変性されずに残った多孔質層の部分から、前記結晶性の平滑層を前記結晶性の基体より剥離する工程と、
    を有する半導体装置の製造方法において、
    前記剥離する工程の前に、前記平滑層の表面に、前記平滑層とは導電型の異なる結晶性の層を形成することにより半導体接合を形成する工程を有することを特徴とする半導体装置の製造方法。
  3. 前記半導体接合を形成する工程は、前記平滑層の表面からのドーパントの熱拡散を含む請求項1に記載の半導体装置の製造方法。
  4. 前記平滑層とは導電型の異なる結晶性の層を形成する工程は、液相成長を含む請求項2に記載の半導体装置の製造方法。
  5. 前記多孔質層を平滑層に変性する工程が、前記結晶性の基体から前記多孔質層の表面に向けて微細孔の大きさが順次小さくなるように平滑化することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法。
  6. (a)結晶性の基体の表面を変性し、多数の微細孔を含む多孔質層を所定の厚さ形成する工程と、
    (b)前記多孔質層の表面を含む一部を、実質上微細孔を含まない結晶性の平滑層に変性する工程と、
    (c)前記平滑層に変性されずに残った多孔質層の部分から、前記結晶性の平滑層を前記結晶性の基体より剥離する工程と、
    を有する半導体装置の製造方法において、
    前記多孔質層を平滑層に変性する工程が、前記多孔質層の表面からのエネルギーの放射を含むことを特徴とする半導体装置の製造方法。
  7. 前記エネルギーが、波長600nm以下の電磁波を含む請求項6に記載の半導体装置の製造方法。
  8. 前記エネルギーが、電子線を含む請求項6に記載の半導体装置の製造方法。
  9. 前記半導体装置は太陽電池を含む請求項1乃至8のいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法。
  10. さらに(d)前記結晶性の基体より剥離された平滑層の半導体上にグリッドワイヤを接合し、更にその上に反射防止膜及びラミネート層を積層する工程を有する請求項9に記載の半導体装置の製造方法。
  11. (e)前記剥離された平滑層の裏に金属板を貼り付ける工程を有する請求項10に記載半導体装置の製造方法。
  12. 前記平滑層が剥離された前記結晶性の基体は、再度前記工程(a)の結晶性の基体として利用される請求項1乃至8のいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法。
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