JP2833924B2 - 結晶太陽電池およびその製造方法 - Google Patents

結晶太陽電池およびその製造方法

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    • Y02E10/548Amorphous silicon PV cells

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、各種電子機器や、駆動
機器の電源および電力用電源として応用される結晶太陽
電池およびその製造方法に関し、特に非核形成面に設け
られた微小な核形成面上に単結晶体を成長させ、粒界を
形成させず、少原材料で開放端電圧の高い結晶太陽電池
およびその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】太陽電池は機能部分にpn接合を用いて
おり、pn接合を構成する半導体としては一般にシリコ
ンが用いられている。光エネルギーを起電力に変換する
効率の点からは、単結晶シリコンを用いるのが好ましい
が、大面積化および低コスト化の点からはアモルファス
シリコンが有利とされている。
【0003】近年、アモルファスシリコンなみの低コス
トと単結晶シリコンなみの高エネルギー変換効率とを得
る目的でそれぞれの優れている点を用いた多結晶シリコ
ンの使用が検討されている。ところが、従来提案されて
いる方法では、塊状の多結晶をスライスして板状体と
し、これを用いていたために厚さを0.3mm以下にす
ることは困難であり、したがって光量を十分に吸収する
のに必要以上の厚さとなり、この点で材料の有効利用が
十分ではなかった。即ちコストを下げるためには十分な
薄型化が必要である。
【0004】そこで、化学的気相成長法(CVD)等の
薄膜形成技術を用いて多結晶シリコンの薄膜を形成する
試みがなされているが、結晶粒径がせいぜい百分の数ミ
クロン程度にしかならず、塊状多結晶シリコンスライス
法の場合に比べてもエネルギー変換効率が低い。
【0005】また、上述したCVD法により形成した多
結晶シリコン薄膜にP等の不純物原子をイオン打ち込み
により導入して多結晶シリコン薄膜を過飽和状態にした
後、高温でアニールすることにより、結晶粒径を膜厚の
10倍以上に拡大させるいわゆる異常粒成長技術が報告
されているが(Yasuo Wada and Shi
geru Nishimatsu,Journal o
f Electrochemical Societ
y,Solid−State Scienceand
Technology,125(1978)149
9)、不純物濃度が高すぎて光電流を発生させる活性層
に用いることができない。
【0006】さらに、多結晶シリコン薄膜にレーザ光を
照射し、溶融再結晶化させて結晶粒径を大きくするとい
う試みもなされているが、低コスト化が十分でなく、ま
た安定した製造も困難である。
【0007】このような事情はシリコンのみならず、化
合物半導体においても共通な問題となっている。
【0008】これに対し、特開昭63−182872号
公報に開示されている方法、即ち、太陽電池の製造方法
において、基板表面上に基板表面の材料よりも核形成密
度が十分に大きく、かつ、単一の核だけが成長する程度
に十分微細な異種材料を設け、次いで堆積により異種材
料に核を形成させ、該核によって結晶を成長させる工程
を含んで上述した基板表面上に第1の導電型の半導体の
単結晶層を形成し、単結晶層の上方に第2の導電型の半
導体の単結晶層を形成することにより、薄型で結晶粒径
の十分大きい、良好なエネルギー変換効率を有する単結
晶の集りである多結晶太陽電池が得られることが示され
た。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】上述した従来の方法
は、核形成面となる微細な異種材料上に形成された、単
一核によって成長した単結晶体が互いに接する部位に結
晶粒界(以下粒界と略記)が形成されるという欠点があ
った。
【0010】一般に、多結晶半導体では、様々な結晶方
位をもった多数の単結晶粒子同士が多数の粒界を形成し
ており、粒界には未結合手をもつ原子があるために禁制
帯中に欠陥準位を形成している。半導体デバイスの特性
は作製される半導体層の欠陥密度と密接に関係し、粒界
には欠陥準位が形成されているとともに不純物等が析出
しやすく、これらがデバイス特性の低下をもたらすの
で、多結晶半導体では粒界の制御によりデバイス特性が
大きく左右されると考えられている。即ち、多結晶を半
導体層に用いた半導体デバイスの特性を向上させるに
は、半導体層中に存在する粒界の量を低減させることが
効果的である。上述の方法は粒径を拡大させることで粒
界の量を減らすことを目的としている。
【0011】図7(a),(b)はそれぞれ従来の製造
方法によって製造された太陽電池の模式断面図である。
同図(a)は一般的な多結晶半導体層を示し、粒界50
2が接合面501を上下各相にわたって多数存在してい
る。同図(b)は核形成面となる微細な異種材料上に結
晶を形成させる選択結晶成長方法による単結晶体Si層
の集合した半導体を示し、単結晶体の各Si層503の
間には粒界504が存在している。
【0012】通常、pn接合は光入射面となる側の半導
体層の表面近傍に形成されるが、多結晶半導体の場合、
図7(a)に示すように活性な粒界502がpn接合の
中に含まれるため、再結晶・発生電流が生じ、単結晶半
導体に比べて暗電流が非常に多くなって特性劣化、特に
開放電圧が低下するという欠点があった。通常のシリコ
ン多結晶太陽電池の開放電圧は、水素パシベーション等
の処理を行わない場合には大体0.5V以下である。上
述の方法においても、第1の単結晶層の上に連続して第
2の単結晶層を形成するため、通常の粒径の小さい多結
晶半導体に比較して粒界の量は少なくなっているもの
の、図7(b)に示すようにやはり粒界504が接合中
に含まれてしまい、開放電圧は単結晶半導体に比べて低
い。このように、多結晶シリコンは、再結晶・発生電流
が支配的となって暗電流のレベルが高くなる。そこで、
再結晶・発生電流が生じる粒界の形成が回避できれば、
暗電流は激減し、開放電圧の大幅な向上が期待される。
【0013】通常のCVD等で作製される多結晶シリコ
ン膜では核発生がランダムに起きるので、結晶粒径はば
らつき、粒界の位置も規定できない。これに対し、特開
昭63−182872号公報に開示されている方法によ
れば、単結晶体の発生する場所および粒径のばらつきを
制御することが可能なので、粒界の位置を規定すること
ができる。
【0014】図6(a)〜(d)はこのようにしてシリ
コン膜を形成する場合の様子を示す図であって、(a)
は基板上の核形成面の配置を示す図、(b)は同図
(a)のA−A′側断面図、(c)は(a)に示す基板
に単結晶体が成長した様子を示す図、(d)は同図
(c)のB−B′側断面図である。
【0015】基板401上の非核形成面402に格子状
に、距離1の間隔で一辺の長さがkのほぼ正方形の核形
成面404が複数形成され、選択的結晶成長を行うこと
によって粒径が大きく、かつ粒界405が碁盤の目のよ
うになった、単結晶Si層403からなる多結晶シリコ
ン膜が形成される。このように粒界が碁盤の目のように
なるのは、核発生位置、すなわち単結晶体の発生位置と
単結晶体の成長中の粒径が制御されているためである。
【0016】そこで、このような粒界の形成を回避する
目的で、非核形成面内に設けられた微小な核形成面上に
単結晶体を成長させて半導体層が形成されている太陽電
池において、前記核形成面が前記非核形成面内に規則的
に配列して形成され、前記核形成面上に成長した、隣接
する前記単結晶体同士が結晶粒界を形成していないこと
を特徴とする結晶太陽電池により、結晶粒界のない良好
な特性を有する単結晶の集りである結晶太陽電池が示さ
れた。
【0017】図8は比較のため示す太陽電池の側断面図
であり、601はステンレススチール等の基板、602
はシリサイド層603は絶縁層、604は選択的結晶成
長によるSi層であり、605は半導体層、606は透
明電極であり、607は集電電極である。
【0018】この構成では、単結晶体は互いに分離され
ており、結晶粒界を作らないため開放電圧の大幅な向上
が可能である。
【0019】しかしながら、分離したことにより、単結
晶体が連結して連続膜を形成した場合に比べてはるかに
結晶の表面積が増大するため、接合界面、あるいは半導
体層と透明電極との接触面の面積が増大して界面再結合
成分が増え、この分による開放電圧の落ち込みが存在す
ることがわかった。そのため、さらに性能を向上させる
ために本発明は、図8に示す太陽電池を改良したもので
ある。
【0020】そこで、上記界面再結合の問題を解決する
ために、選択的結晶成長を行い、隣接する単結晶体同士
が接触して粒界を形成する直前あるいはそれ以前に成長
をやめさせて、粒界のない単結晶体の集合からなる結晶
シリコン層を得た後に結晶表面に薄い絶縁層を付け、該
絶縁層の一部のみを除去して、その部分に接合を形成す
ることで界面再結合の影響を抑える。
【0021】本発明の目的は、核発生により成長させた
単結晶体の粒界を制御し、粒界のない、開放端電圧の高
い結晶太陽電池およびその製造方法を提供することであ
る。
【0022】また、本発明の他の目的は、基板上に大粒
径の単結晶体シリコン層を成長させることによって安価
な結晶太陽電池およびその製造方法を提供することであ
る。
【0023】また、本発明の別の目的は、表面(界面)
再結合の影響を少なくし、より高い開放端電圧を得て、
ひいてはより高い変換効率を有する結晶太陽電池および
その製造方法を提供することである。
【0024】
【課題を解決するための手段】本発明の結晶太陽電池
は、非核形成面内に設けられた前記非核形成面よりも核
形成密度が高く単結晶体となる核が唯一形成され得るに
十分小さい核形成部に単結晶体を成長させ、隣接する前
記単結晶体同士が結晶粒界を有しない太陽電池におい
て、前記単結晶体上に開口部を有する絶縁層を有し、該
開口部下の単結晶体に半導体接合が形成されていること
を特徴とする。
【0025】本発明の結晶太陽電池は、前記核形成部が
前記非核形成面内に規則的に配列していること、およ
び、前記単結晶体同士が基板に対して鋭角に立っている
ことが好ましい。前記絶縁層にはSiO2 またはSi3
4 を用いることができる。前記絶縁層の厚さは50〜
200Åであることが好ましい。前記半導体接合の形成
に用いる不純物にはP,As,Sb,B,Al,Inま
たはGaがある。本発明の結晶太陽電池は、前記半導体
接合が前記単結晶体表面に形成されていることができ
る。前記半導体接合を形成する半導体層の厚さは0.0
5〜3μmであることが好ましい。前記単結晶体の粒径
は10〜500μmであることが好ましい。(ここで粒
径とは、単結晶体の真上からの投影面積を真円に変換し
たときの直径とする。)本発明の結晶太陽電池の製造方
法は、基板上の非核形成面内に、核形成部を設ける工程
と、選択的結晶成長法により前記基板上の前記核形成部
上のみに単結晶体を発生させ成長させる工程と、隣接す
る前記単結晶体同士が成長して互いに接触して結晶粒界
を形成する前に前記単結晶体の成長を終える工程と、前
記単結晶体表面に絶縁層を形成する工程と、前記絶縁層
の一部を開口して前記単結晶体に半導体接合を形成する
工程と、前記開口部上に透明導電層および集電電極を形
成する工程とを含むことを特徴とする。
【0026】本発明の結晶太陽電池の製造方法は、前記
核形成部を前記非核形成面内に設ける工程において、前
記核形成部を規則的に配列していること、および、前記
単結晶体を成長させる工程において、前記単結晶体同士
が基板に対して鋭角に立っていることが好ましい。前記
絶縁層にはSiO2 またはSi34 を用いることがで
きる。前記絶縁層の厚さは50〜200Åであることが
好ましい。前記半導体接合を形成する工程は、不純物の
熱拡散もしくはイオン打ち込みにより、またはヘテロ接
合により行うことができる。前記半導体接合の形成に用
いる不純物にはP,As,Sb,B,Al,Inまたは
Gaがある。本発明の結晶太陽電池の製造方法は、前記
半導体接合を形成する工程において、前記半導体接合が
前記単結晶体表面に形成されていることができる。前記
半導体接合を形成する半導体層の厚さは0.05〜3μ
mであることが好ましい。前記単結晶体の粒径は10〜
500μmであることが好ましい。
【0027】
【作用】本発明の完成までにたどった経過について説明
する。
【0028】500μm厚のMo基板の表面に300Å
程度の厚さのSiを蒸着し、600℃、30分の熱処理
によりシリサイド層を形成した。この上に絶縁層として
SiO2 を常圧CVD装置を用いて1000Å形成し、
フォトリソグラフィーを用いてエッチングを行い、図6
(a),(b)に示すように一辺がk=1.2μmの正
方形の開口部をl=30μmの間隔で格子点状に設け
た。ここで、SiO2 が非核形成面に、開口部を通して
露出したシリサイド層が核形成面となる。開口部の形は
特に制限はなく、核形成ができれば長方形、円など様々
な形とすることができる。
【0029】また、開口部の間隔は成長した結晶が接し
なければ様々な間隔をとることができるが、形成上、規
則正しいことが望ましい。次に減圧CVD装置(LPC
VD装置)によって選択的結晶成長を行った。原料ガス
にはSiH2 Cl2 を用い、キャリアガスとしてH2
さらに絶縁層SiO2 上での核の発生を抑制するために
HClを添加した。このときの成長条件を表1に示す。
【0030】
【表1】 成長時間が150分経ったところで成長を終え、その後
基板表面の様子を光学顕微鏡で観察したところ、図6
(c),(d)に示すような山型ファセットを有する単
結晶体が30μm間隔で格子点状に規則正しく配列して
おり、上述のように決められた開口部のパターンにした
がって選択結晶成長が行われていることが確かめられ
た。このとき、粒界の位置も同時に格子状に決められ
る。
【0031】次に、表1と同じ条件で成長時間を80分
として選択結晶成長を行ったところ、今度は一部隣接す
る単結晶体同士がちょうど接触する程度にまで成長して
いた。
【0032】さらに成長時間を短くして70分としたと
ころで、全ての単結晶体が他と隣接しない、即ち粒界を
形成しない状態が得られた。
【0033】このようにすることで、図5(a)および
その断面図である図5(b)に示すように、粒界のない
単結晶のSi層403′が得られる。
【0034】次に、シリサイド層が核形成面、SiO2
が非核形成面である基板を用いて、表2に示す条件でL
PCVD法により単結晶体からなる結晶シリコン薄膜を
成長した。
【0035】
【表2】 *PH3 添加:PH3 /SiH2 Cl2 =3×10-4 得られた単結晶体の集合からなるシリコン層の表面にイ
オン・インプランテーションによりB+ を20keV,
1×1015cm-2の条件で打ち込み、550℃、1時間
/800℃,30分/550℃,1時間で連続でアニー
ルして不純物の活性化およびイオン打ち込みによるダメ
ージの回復を行い、接合を形成した。最後に、結晶表面
に透明導電膜および集電電極を真空蒸着して太陽電池を
作製した。比較のために、上述と同じ基板を用いて、表
2において2段階目の成長時間を60分から140分と
長くして粒界のある多結晶シリコン膜を成長させ、これ
に上述と同じプロセスで接合を形成し、さらに透明導電
膜および集電電極を真空蒸着して太陽電池としたものを
用意した。
【0036】このようにして得られた単結晶体の集合か
らなる粒界のない太陽電池の電圧−電流特性について調
べたところ、逆方向飽和電流(暗電流)は10-9A/c
2以下であった。粒界のある多結晶シリコン太陽電池
の暗電流は10-5A/cm2となった。このように結晶
粒界を作らないことにより粒界のある場合と比べて4桁
以上暗電流が低減された。
【0037】次に、AM1.5(100mW/cm2
光照射下での電流−電圧特性(I−V特性)について測
定を行った。単結晶体からなる粒界のない太陽電池で
は、セル面積0.36cm2 で開放電圧0.55V、短
絡光電流22mA/cm2 、曲線因子0.72となり、
変換効率8.7%を得た。また、粒界のある多結晶シリ
コン太陽電池では、セル面積0.36cm2 で開放電圧
0.36V、短絡光電流25mA/cm2 、曲線因子
0.62、変換効率5.6%となり、粒界のない方が粒
界のある場合よりも開放電圧が大きく向上している。
【0038】粒界のある多結晶シリコン太陽電池に比べ
て単結晶体からなる粒界のない太陽電池の方が結晶全体
の体積が少ないにも係らず、両者の短絡光電流にあまり
差がないのは、粒界がない方が光入射の表面積が大き
、かつその表面のうち基板に対して鋭角に立っている
ものが多いため、散乱により光吸収が有効に行われるた
めであると考えられる。
【0039】次に、上述と同様にして、シリサイド層が
核形成面、SiO2 が非核形成面である基板を用いて表
2に示す条件でLPCVD法により単結晶体からなる結
晶シリコン薄膜を成長した。得られた山型単結晶体の集
合からなる結晶シリコン表面に絶縁層として、SiO2
層100Åを形成し、さらにその上に粘度を調節したフ
ォトレジストを塗布して山型単結晶体の頭頂部分を露出
させた。HF水溶液で露出させたSiO2 層をエッチン
グした後、レジストが付いた状態で結晶シリコン層の表
面にイオン・インプランテーションによりB+ を20k
eV、1×10 15cm-2の条件で打ち込み、レジスト剥
離後に550℃、1時間/800℃、30分/550
℃、1時間で連続でアニールして不純物の活性化および
イオン打ち込みによるダメージの回復を行い、接合を形
成した。最後に、結晶表面に透明導電膜および集電電極
を真空蒸着して太陽電池とした。
【0040】このようにして得られた単結晶体の集合か
らなる粒界のないかつ結晶表面が絶縁層で覆われた太陽
電池の暗電流について調べたところ、上述の絶縁層がな
い場合に比べてさらに約1桁低い値を示した。
【0041】また、AM1.5光照射下でのI−V特性
について測定したところ、セル面積0.36cm2 で開
放電圧0.57V、短絡光電流24mA/cm2 、曲線
因子0.71となり、変換効率9.7%を得た。
【0042】このように、単結晶体の集合からなる粒界
のない多結晶表面に対して結晶表面を絶縁層で覆って一
部を開口して接合を形成することにより、界面再結合に
よる暗電流成分を減らすことができ、これにより開放電
圧が高く、特性の良好な太陽電池が得られる。
【0043】
【実施例】次に、本発明の実施例について図面を参照し
て説明する。
【0044】図1は本発明の結晶太陽電池の一実施例を
示す模式図である。
【0045】金属の基板101上に薄いシリサイド層1
02を挟んで非核形成面をなすSiO2 等の絶縁層10
3および絶縁層103上に、隣接するもの同士の間で粒
界を有しない単結晶体からなるSi層104が積層され
ている。Si層104上には、絶縁層109および半導
体接合である単結晶の半導体層105が形成され、さら
にその上には反射防止膜を兼ねた透明導電膜106と、
集電電極107が備えられている。
【0046】金属の基板101の材料としては、導電性
が良好でシリコンとシリサイド等の化合物を形成する任
意の金属が用いられ、代表的なものとしてW,Mo,C
r等が挙げられる。もちろん、それ以外であっても表面
に上述の性質を有する金属が付着しているものであれば
何でもよく、したがって金属以外の安価な基板上にスパ
ッタリング等により上述の金属を付着させたものも使用
可能である。シリサイド層102の厚さについては特に
規定はないが、0.01〜0.1μmとするのが望まし
い。絶縁層103の厚さについては特に規定はないが、
0.02〜1μmの範囲とするのが適当である。また、
単結晶体のSi層104の粒径については太陽電池の特
性上の要求とプロセスの制約から、10〜500μmが
適当であり、好ましくは20〜500μmが望ましい。
半導体層105の厚さとしては導入される不純物の量に
もよるが0.05〜3μmの範囲とするのが適当であ
り、好ましくは0.1〜1μmとするのが望ましい。
【0047】また、絶縁層109には、界面特性の安定
しているSiO2 、Si34 等を使用するのが好まし
く、厚さとしては表面反射を抑える点から50〜200
Åの範囲とするのが適当である。
【0048】次に、本実施例の結晶太陽電池の製造方法
について説明する。
【0049】図3(a)〜(e)は本実施例の結晶太陽
電池の製造プロセスを示す工程図である。金属の基板1
01上に真空蒸着装置またはLPCVD装置等でシリコ
ン層を堆積させ、アニールによりシリサイド層102を
得る(図3(a))。次に、シリサイド層102の表面
に絶縁層103を形成し(例えば熱酸化あるいは常圧C
VD法による酸化膜)、フォトリソグラフィーを用いて
エッチングを行い、絶縁層103に規則的に微小の開口
部108を設けてシリサイド表面を露出させ、これを核
形成面とする(図3(b))。選択的結晶成長法および
横方向成長法により微小の開口部108から結晶成長を
行って単結晶体のSi層104を得る。このとき、結晶
成長の終点において隣接する単結晶体シリコン層同士が
接触しないようにする。また、結晶成長の初期にドーピ
ングにより高濃度の不純物原子(例えばn型ならばP)
を導入してシリサイド層102とのオーミックコンタク
トをとることもできる。得られた単結晶体シリコン層1
04の表面に熱酸化等の方法による酸化膜などの絶縁層
109を形成する(図3(c))。粘度を調節したフォ
トレジストを塗布して山型単結晶体の頭頂部分を露出さ
せ、露出した絶縁層の部分のみを除去した後にレジスト
を剥離した。
【0050】次に、不純物拡散あるいはイオン打ち込み
等により結晶表面にp+ 層(またはn+ 層)からなる半
導体層105を形成し(図3(d))、透明導電膜10
6/集電電極107を形成する(図3(e))。
【0051】非核形成面となる絶縁層103の材質とし
ては、結晶成長中に核発生を抑制する点からその表面で
の核形成密度がシリコンのそれに比べてかなり小さいよ
うな材質が用いられる。例えば、SiO2 ,Si34
等が代表的なものとして使用される。また、金属酸化物
あるいはシリサイドの酸化物等も用いることができる。
非核形成面上に設けられる開口部108の形状には特に
規定はなく、どのような形でもよい。開口部108が正
方形の場合には辺の長さとしてはk=1〜4μmが適当
である。開口部108の配置の仕方としては特に規定は
ないが、格子状あるいは成長させた単結晶体のSi層1
04が最密充填となるハニカム状等が代表的なものとし
て挙げられる。開口部108を配置する間隔(周期)と
しては成長させる単結晶体シリコンの大きさによって適
宜決められるが、大体l=10〜500μmの範囲とす
るのが適当である。選択的結晶成長法にはLPCVD法
を含む熱CVD法、プラズマCVD法、光CVD法、ま
たは液相成長法等があるが、主にLPCVD法が用いら
れる。
【0052】図2はLPCVD装置の一例を示す模式図
であり、ガス供給装置201、ヒータ202、石英反応
管203、基板204、サセプタ205等から概略構成
されている。選択的結晶成長用の原料ガスとしては、S
iH2 Cl2 ,SiCl4 ,SiHCl3 ,SiH4
Si26 ,SiH22 ,Si26 等のシラン類お
よびハロゲン化シラン類が代表的なものとして挙げられ
る。また、キャリアガスとして、あるいは結晶成長を促
進させる還元雰囲気を得る目的で原料ガスに加えてH2
が添加される。原料ガスと水素との量の割合は、単結晶
体の形成方法および原料ガスの種類や絶縁層の材質、さ
らに形成条件により適宜所望にしたがって決められる
が、好ましくは1:10以上1:1000以下(導入流
量比)が適当であり、より好ましくは1:20以上1:
800以下とするのが望ましい。
【0053】また、絶縁層上での核の発生を抑制する目
的でHClが用いられる。原料ガスに対するHClの添
加量は、形成方法および原料ガスの種類や絶縁層の材
質、さらに形成条件により適宜所望にしたがって決めら
れるが、概ね1:0.1以上1:100以下が適当であ
り、より好ましくは1:0.2以上1:80以下とされ
るのが望ましい。
【0054】選択的結晶成長が行われる温度および圧力
としては、単結晶体の形成方法および使用する原料ガス
の種類、原料ガスとH2 およびHClとの流量比等の形
成条件によって異なるが、温度については例えば通常の
LPCVD法では概ね600℃以上1250℃以下が適
当であり、より好ましくは650℃以上1200℃以下
に制御されるのが望ましい。
【0055】また、本発明の結晶太陽電池を形成する別
の形成方法として、溶媒に基板を接触させ、結晶を形成
させる液相成長法を行うこともできる。
【0056】この場合には溶媒の種類によるが、Snを
用いる場合には850℃以上1050℃以下に制御され
るのが望ましい。また、プラズマCVD法等の低温プロ
セスでは概ね200℃以上600℃以下が適当であり、
より好ましくは200℃以上500℃以下に制御される
のが望ましい。同様に、圧力については概ね10-2To
rr〜760Torrが適当であり、より好ましくは1
-1Torr〜760Torrの範囲が望ましい。接合
を形成する方法として、単結晶体を成長させた後に不純
物拡散やイオン打ち込みにより形成する方法がある。ま
た、単結晶体の成長中にドーピングにより形成すること
も可能である。その他に単結晶Si以外の異種半導体a
−Si,a−SiGe,μc−Si,μc−SiC等と
の間でヘテロ接合を形成してもよい。接合を形成する際
に使用される不純物原子としては、n型としてはP,A
s,Sbが、またp型としてはB,Al,In,Gaが
代表的なものとして用いられる。
【0057】[製作例1]基板101に厚さ0.9mm
のMo板を用い、この上に図2に示すようなLPCVD
装置を用いてSiH4 を630℃で熱分解して500Å
のシリコンを堆積させ、温度をそのままに保って30分
間置き、シリサイド層102を形成した。
【0058】次に、シリサイド層102の表面に図2と
同様なLPCVD装置により絶縁層103としてSi3
4 を1000Å堆積し、ドライエッチングを行って一
辺がk=1μmであるような正方形の開口部を1=50
μmの間隔で格子点状に設け、非核形成面(Si3
4 )および核形成面(シリサイド)を形成した。
【0059】図2に示すようなLPCVD装置により表
3の条件で選択結晶成長を行い、単結晶体のSi層10
4を得た。このとき得られた単結晶体シリコン粒径と膜
厚は、それぞれ約45μm、約22μmであった。
【0060】
【表3】 *PH3 添加:PH3 /SiH2 Cl2 =3×10-4 得られた単結晶体シリコン層104の表面に熱酸化によ
りSiO2 を150Å形成し、さらにその上に粘度を調
節したフォトレジストを塗布して山型単結晶体の頭頂部
分を露出させた。頭頂部およびその周辺部のみを露出さ
せるには、山型単結晶体の表面の凹凸の高さ(lの寸法
に関係)に応じてレジストの粘度を調節する必要があ
る。
【0061】この場合には、粘度が35CPのものを用
いた。HF水溶液で露出させたSiO2 をエッチングし
た後、レジストを剥離し、単結晶体の表面にイオン打ち
込みによりBを20keV,1×1015cm-2の条件で
打ち込み、550℃,1時間/800℃,30分/55
0℃,1時間でアニールしてp+ 層の半導体層105を
形成した。最後にEB(Electron Beam)
蒸着によりITOの透明導電膜106(820Å)/集
電電極107(Cr/Ag/Cr(200Å/1μm/
400Å))を半導体層105上に形成した。
【0062】このようにして得られた結晶シリコン太陽
電池についてAM1.5(100mW/cm2 )光を照
射してI−V特性について測定したところ、セル面積
0.36cm2 で開放電圧0.58V、短絡光電流27
mA/cm2 、曲線因子0.72となり、エネルギー変
換効率11.3%を得た。このように非単結晶基板を用
いて良好な特性を示す結晶太陽電池を作製した。
【0063】[製作例2]製作例1と同様にしてp+
-+ 型結晶太陽電池を作製した。前述したようにMo
の基板101上にシリコンを堆積させてシリサイド層1
02を形成し、その上に絶縁層103としてSiO2
通常の常圧CVD装置で1000Å堆積し、フォトリソ
グラフィーを用いてパターニングを行い、SiO2 層に
開口部をk=1.2μm、l=50μmの間隔で周期的
に設けた。次に図2に示すようなLPCVD装置により
表4の条件で選択的結晶成長を行い、単結晶体のSi層
104を得た。
【0064】
【表4】 * PH3 添加:PH3 /SiH2 Cl2 =3×10-4 **PH3 添加:PH3 /SiH2 Cl2 =3×10-6 このとき、表4の条件において選択的結晶成長中に微量
の不純物を混入させてドーピングを行った。不純物とし
てPH3 を用い、原料ガスSiH2 Cl2 に対してPH
3 /SiH2 Cl2 =2×10-6の割合とした。また、
得られた単結晶体シリコンの粒径と膜厚は、それぞれ約
45μm、約22μmであった。得られた山型単結晶体
の集合からなる結晶シリコン表面に熱酸化によりSiO
2 を100Åを形成し、さらにその上に粘度を調節した
フォトレジストを塗布して山型単結晶体の頭頂部分を露
出させた。HF水溶液で、露出させたSiO2 をエッチ
ングした後、レジストが付いた状態で、p+ 層の半導体
層105を形成するためにAlおよびSiを多結晶シリ
コンの表面に順にそれぞれ600Å真空蒸着した。その
後レジスト剥離によりリフトオフで山型単結晶体の頭頂
部のAl/Si層を残した。
【0065】次にRTA(Rapid Thermal
Annealing)処理を行い、p+ 層の半導体層
105を形成した。RTA処理の条件は800℃、15
秒で行った。次にリン酸液で処理した後に最後に、反射
防止膜を兼ねたITOの透明導電膜106を約900
Å、電子ビーム蒸着により形成し、さらにその上に集電
電極107としてCrを1μm真空蒸着した。
【0066】また、AM1.5光照射下でのI−V特性
を調べたところ、セル面積0.16cm2 で開放電圧
0.57V、短絡光電流28mA/cm2 、曲線因子
0.71となり、11.3%という高い変換効率が得ら
れた。
【0067】[製作例3]次に、半導体層にp+ μc−
Si層を用いた太陽電池の製作例について説明する。図
4(a)〜(e)はこのような太陽電池の製作プロセス
を示す工程図である。
【0068】本製作例の工程を説明する。基板301に
はCrを用い、その上にプラズマCVD法でSiH4
分解によりシリコン層を400Å堆積した。そして50
0℃、30分の条件でアニール処理してシリサイド化
し、シリサイド層302を得た(図4(a))。常圧C
VD法によりシリサイド層302の上にSiO2 膜を8
00Å堆積させ、開口部308を、大きさk=1.2μ
m,l=50μmの間隔で設けた(図4(b))。LP
CVD法により表4の条件で選択結晶成長を行い、単結
晶体のSi層304を形成した。
【0069】成長後の単結晶体シリコンの粒径と膜厚は
それぞれ約45μm、約22μmであった。
【0070】得られた単結晶体シリコン層304の表面
にRTO(Rapid Thermal Oxidiz
ation)処理を行い、SiO2 を110Å形成し
た。RTO処理の条件は酸素雰囲気中1150℃、30
秒で行った(図4(c))。粘度を調節したフォトレジ
ストを塗布して山型単結晶体の頭頂部分を露出させ、H
F水溶液で露出させたSiO2 をエッチングした後、レ
ジストを剥離した。
【0071】得られた山型結晶シリコンの上に通常のプ
ラズマCVD装置により、表5に示す条件でp+ μc−
Si層305となるp型μc−Siを200Å堆積させ
た。このときのμc−Si膜の暗導電率は〜101 S・
cm-1であった(図4(d)。ヘテロ型pn接合形成後
も粒界が形成されていないことが確認された。
【0072】
【表5】 このようにしてヘテロ型pn接合を形成した後に、その
上に透明導電膜306としてITOを約850Å電子ビ
ーム蒸着により形成した。このようにして得られたp+
μc−Si/結晶シリコンヘテロ型太陽電池のAM1.
5光照射下でのI−V特性は(セル面積0.36cm
2 )、開放電圧0.60V、短絡光電流30.2mA/
cm2 、曲線因子0.65であり、変換効率11.8%
という高い値が得られた。このようにヘテロ接合を用い
ることによりさらに高い開放電圧が得られる。
【0073】[製作例4]製作例2と同様にしてn+
-+ 型結晶太陽電池を作製した。Crの基板101上
に図2に示すLPCVD装置を用いてSiH4 を630
℃で熱分解して500 シリコンを堆積させた。温度を
そのままに保って30分間置いてシリサイド層102を
形成し、その上にSiO2 を通常の常圧CVD装置で8
00Å堆積した。この後、SiO2 層に開口部をk=
1.2μm、l=50μmの間隔で周期的に設け、LP
CVD装置により表6の条件で選択結晶成長を行い、単
結晶体のSi層104を得た。
【0074】
【表6】 * B26 添加:B26 /SiH2 Cl2 =4×1
-4 **B26 添加:B26 /SiH2 Cl2 =1×1
-6 このとき、表6の条件において選択的結晶成長中にBを
不純物として2段階でドーピングを行った。導入量とし
てはB26 /SiH2 Cl2 =4×10-4およびB2
6 /SiH2 Cl2 =1×10-6とした。成長後の単
結晶体シリコンの粒径と膜厚は、それぞれ約47μm、
約23μmであった。得られた山型単結晶体の集合から
なる結晶シリコン表面にLPCVD装置によりSi3
4 を100Åを堆積し、その上に粘度を調節したフォト
レジストを塗布して山型単結晶体の頭頂部分を露出させ
た。ドライエッチングにより露出させたSi34 を除
去した後にレジストを剥離し、その上に通常の常圧CV
D装置によりPSG(Phosphosilicate
Glass)を堆積し、これを拡散源として950℃
の温度でPの熱拡散を行ってn+ 層の半導体層105を
形成した。また、pn接合形成後粒界が形成されていな
いことが確認された。
【0075】PSGをHF水溶液でエッチングして最後
に透明導電膜106であるITO(800Å)と、集電
電極107(Cr:1μm)を形成して太陽電池の作製
を完了した。
【0076】このようにして作製したn+-+ 型結
晶太陽電池のAM1.5光照射下でのI−V特性を調べ
たところ、セル面積0.16cm2 で開放電圧0.6
V、短絡光電流26mA/cm2 、曲線因子0.76と
なり、変換効率11.9%を得た。また、暗電流は結晶
表面をSi34 で覆わない場合に比べて約1桁低い値
を示した。
【0077】以上述べたように、本発明の各製作例によ
れば、粒界のない単結晶体シリコン層を非単結晶基板上
に形成することができ、また、表面再結合の影響を少な
くできるため、これにより従来より高い開放電圧を有す
る高品質で安価な太陽電池が製造されることが示され
た。
【0078】
【発明の効果】以上述べてきたように、本発明によれ
ば、特性の良好な結晶薄膜太陽電池を金属基板等の非単
結晶基板上に形成することが可能となった。これによ
り、量産性のある安価で良質の薄型太陽電池を市場に提
供することができるようになった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の結晶太陽電池の一実施例を示す模式的
断面図である。
【図2】LPCVD装置の一例を示す模式図である。
【図3】(a)〜(e)は本発明の一例の太陽電池を製
造する場合の製造プロセスを示す工程図である。
【図4】(a)〜(e)は本発明の他の太陽電池を製造
する場合の製造プロセスを示す工程図である。
【図5】本発明の太陽電池が粒界を形成しない様子を示
す図で、(a)は上面図、(b)は図(a)のX−X′
側断面図である。
【図6】本発明を完成させるにあたって実施した実験に
おける太陽電池の、(a)は核形成面を基板上に規則的
に配列して設けた様子を示す上面図、(b)は同図
(a)のA−A′側断面図、(c)は結晶粒界を形成す
る程度まで核形成面に単結晶を成長させた様子を示す上
面図、(d)は同図(c)のB−B′側断面図である。
【図7】従来の半導体層を示す模式図であり、(a)は
多結晶半導体層を、(b)は単結晶体の集合からなる半
導体層を示す側断面図である。
【図8】比較のため示す太陽電池の側断面図である。
【符号の説明】
101 基板 102 シリサイド層 103 絶縁層 104 Si層 105 半導体層 106 透明導電膜 107 集電電極 108 開口部 109 絶縁層 201 ガス供給装置 202 ヒータ 203 石英反応管 204 基板 205 サセプタ 301 基板 302 シリサイド層 303 絶縁層 304 Si層 305 P+ μc−Si層 306 透明導電膜 307 集電電極 308 開口部 309 絶縁層 401 基板 402 非核形成面 403 Si層 403′ Si層 404 核形成部 405 粒界 501 接合面 502 粒界 503 Si層 504 粒界 601 基板 602 シリサイド層 603 絶縁層 604 Si層 605 半導体層 606 透明導電膜 607 集電電極

Claims (19)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 非核形成面内に設けられた前記非核形成
    面よりも核形成密度が高く単結晶体となる核が唯一形成
    され得るに十分小さい核形成部に単結晶体を成長させ、
    隣接する前記単結晶体同士が結晶粒界を有しない太陽電
    池において、 前記単結晶体上に開口部を有する絶縁層を有し、該開口
    部下の単結晶体に半導体接合が形成されていることを特
    徴とする結晶太陽電池。
  2. 【請求項2】 前記核形成部が前記非核形成面内に規則
    的に配列していることを特徴とする請求項1記載の結晶
    太陽電池。
  3. 【請求項3】 前記単結晶体同士が基板に対して鋭角に
    立っていることを特徴とする請求項1または2記載の結
    晶太陽電池。
  4. 【請求項4】 前記絶縁層にSiO2 またはSi34
    を用いる請求項1,2または3記載の結晶太陽電池。
  5. 【請求項5】 前記絶縁層の厚さが50〜200Åであ
    る請求項1,2,3または4記載の結晶太陽電池。
  6. 【請求項6】 前記半導体接合の形成に用いる不純物が
    P,As,Sb,B,Al,InまたはGaである請求
    項1,2,3,4または5記載の結晶太陽電池の製造方
    法。
  7. 【請求項7】 前記半導体接合が前記単結晶体表面に形
    成されている請求項1,2,3,4,5または6記載の
    結晶太陽電池。
  8. 【請求項8】 前記半導体接合を形成する半導体層の厚
    さが0.05〜3μmである請求項1,2,3,4,
    5,6または7記載の結晶太陽電池。
  9. 【請求項9】 前記単結晶体の粒径が10〜500μm
    である請求項1,2,3,4,5,6,7または8記載
    の結晶太陽電池。
  10. 【請求項10】 基板上の非核形成面内に、核形成部を
    設ける工程と、 選択的結晶成長法により前記基板上の前記核形成部上の
    みに単結晶体を発生させ成長させる工程と、 隣接する前記単結晶体同士が成長して互いに接触して結
    晶粒界を形成する前に前記単結晶体の成長を終える工程
    と、 前記単結晶体表面に絶縁層を形成する工程と、 前記絶縁層の一部を開口して前記単結晶体に半導体接合
    を形成する工程と、 前記開口部上に透明導電層および集電電極を形成する工
    程とを含むことを特徴とする結晶太陽電池の製造方法。
  11. 【請求項11】 前記核形成部を前記非核形成面内に設
    ける工程において、前記核形成部を規則的に配列してい
    ることを特徴とする請求項10記載の結晶太陽電池の製
    造方法。
  12. 【請求項12】 前記単結晶体を成長させる工程におい
    て、前記単結晶体同士が基板に対して鋭角に立っている
    ことを特徴とする請求項10または11記載の結晶太陽
    電池の製造方法。
  13. 【請求項13】 前記絶縁層にSiO2 またはSi3
    4 を用いる請求項10,11または12記載の結晶太陽
    電池の製造方法。
  14. 【請求項14】 前記絶縁層の厚さが50〜200Åで
    ある請求項10,11,12または13記載の結晶太陽
    電池の製造方法。
  15. 【請求項15】 前記半導体接合を形成する工程が、不
    純物の熱拡散もしくはイオン打ち込みにより、またはヘ
    テロ接合により行う請求項10,11,12,13また
    は14記載の結晶太陽電池の製造方法。
  16. 【請求項16】 前記半導体接合の形成に用いる不純物
    がP,As,Sb,B,Al,InまたはGaである請
    求項10,11,12,13,14または15記載の結
    晶太陽電池の製造方法。
  17. 【請求項17】 前記半導体接合を形成する工程におい
    て、前記半導体接合が前記単結晶体表面に形成されてい
    る請求項10,11,12,13,14,15または1
    6記載の結晶太陽電池の製造方法。
  18. 【請求項18】 前記半導体接合を形成する半導体層の
    厚さが0.05〜3μmである請求項10,11,1
    2,13,14,15,16または17記載の結晶太陽
    電池の製造方法。
  19. 【請求項19】 前記単結晶体の粒径が10〜500μ
    mである請求項10,11,12,13,14,15,
    16,17または18記載の結晶太陽電池の製造方法。
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