JP3354282B2 - 光起電力素子の製造方法 - Google Patents

光起電力素子の製造方法

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JP3354282B2 JP12243594A JP12243594A JP3354282B2 JP 3354282 B2 JP3354282 B2 JP 3354282B2 JP 12243594 A JP12243594 A JP 12243594A JP 12243594 A JP12243594 A JP 12243594A JP 3354282 B2 JP3354282 B2 JP 3354282B2
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  • Photovoltaic Devices (AREA)
  • Recrystallisation Techniques (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、固相成長法を用いた光
起電力素子の製造方法に関し、特に、固相成長に際して
の熱アニール工程が改良された光起電力素子の製造方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】光起電力素子では、光電変換効率の向上
が強く求められている。また、光起電力素子を構成する
ための光活性層として、薄膜多結晶シリコンを用いるこ
とが知られている。薄膜多結晶シリコンを用いた光起電
力素子において、光電変換効率を高めるための1つの手
段として、薄膜多結晶シリコンの結晶粒を大型化し、薄
膜内におけるキャリアの移動度を高める方法がある。
【0003】他方、薄膜多結晶シリコンの製造方法の1
つとして、固相成長法が知られている。固相成長法で
は、基板上に非晶質シリコン薄膜を形成し、該非晶質シ
リコン薄膜を熱アニールすることにより結晶化させ、薄
膜多結晶シリコンを得る。また、上記固相成長により結
晶粒径の大きな薄膜多結晶シリコンを製造する方法とし
て、いわゆるパーシャルドーピング法が知られている。
パーシャルドーピング法は、非晶質シリコン薄膜の一部
にリン(P)またはボロン(B)などのドーパントをド
ーピングすることにより、非晶質シリコンの荷電状態を
変化させ、ドーピングさせた部分から選択的に結晶化を
開始させる方法である。パーシャルドーピング法によれ
ば、非晶質シリコン薄膜中の特定の部分から結晶化が開
始されるため、結晶核の発生を制御することができ、比
較的大きな結晶粒径を有する薄膜多結晶シリコンを得る
ことができる。
【0004】他方、上記薄膜多結晶シリコンを用いた光
起電力素子の製造に際しては、従来、例えばn型の薄膜
多結晶シリコンを形成した後、該n型の薄膜多結晶シリ
コン上に、i型及びp型の非晶質シリコン薄膜を堆積
し、さらに上記非晶質シリコン薄膜を多結晶化すること
により、pn接合を形成していた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上述した従来の固相成
長法を用いた薄膜多結晶シリコンの製造方法では、十分
に大きな結晶粒径を有する薄膜多結晶シリコンを得るこ
とが困難であった。すなわち、上記パーシャルドーピン
グ法を含む固相成長法を利用した従来の製造方法では、
固相成長の初期に非晶質シリコン層と基板との界面にお
いて核が発生し、発生した核から結晶成長が進行し、結
晶粒が形成されていた。このような段階を経て薄膜多結
晶シリコンが得られているが、結晶粒をより大きくする
には、核の発生数がいまだ多く、従って、より一層固相
成長初期に発生する核の数を低減し、それによって、よ
り大きな粒径の薄膜多結晶シリコンを得ることが求めら
れていた。
【0006】さらに、上記のような固相成長を利用した
従来法では、熱アニールによる固相成長直後に、粒界を
H原子などによりパッシベーションする必要があった。
【0007】また、従来の上記固相成長法を利用して得
られた薄膜多結晶シリコンを用いた光起電力素子の製造
方法では、例えばn型の薄膜多結晶シリコンを形成した
後に、上記のようにi型及びp型の非晶質シリコン薄膜
を形成しさらに多結晶化することによりpn接合が形
成されていたため、接合を均一にかつ安定に形成するこ
とが困難であった。
【0008】発明の目的は、固相成長法により薄膜多
結晶シリコンを得る工程を有する光起電力素子の製造方
法において、薄膜多結晶シリコンの結晶粒を大径化する
ことができ、従って光電変換効率を高めることができ、
さらにpn接合を安定に形成することを可能とする光起
電力素子の製造方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本願の発明は、基板上
に、非晶質シリコン層として、n型またはp型の第1の
非晶質シリコン層と、上記第1の非晶質シリコン層上に
設けられたアンドープの第2の非晶質シリコン層とを形
成し、上記非晶質シリコン層の熱アニールを、p型また
はn型とするためのドーパントソースを含有するプラズ
マ中で行い、第1,第2の非晶質シリコン層を多結晶化
すると共にp型またはn型のドーパントが注入されたp
型またはn型の領域と、前記多結晶化された残りの領域
との界面にpn接合を形成することを特徴とする光起電
力素子の製造方法が提供される。
【0010】すなわち、発明は固相成長法を利用した
薄膜多結晶シリコンの製造方法を応用した光起電力素子
の製造方法であるが、上記固相成長を利用した薄膜多結
晶シリコンの形成工程において、熱アニールをプラズマ
中で行って多結晶化するものである。
【0011】発明では、まず、基板上に、非晶質シリ
コン層として、n型またはp型の第1の非晶質シリコン
層と、第1の非晶質シリコン層上に設けられたアンドー
プの第2の非晶質シリコン層とが形成される。この第
1,第2の非晶質シリコン層の形成については、従来よ
り公知のプラズマCVD法や熱CVD法等を用いること
により行い得る。
【0012】発明では、上記のようにして形成された
第1,第2の非晶質シリコン層を多結晶化するための熱
アニールが、p型またはn型とするためのドーパントソ
ース含有プラズマ中で行われる。従って、熱アニールに
より、n型またはp型の第1の非晶質シリコン層が多結
晶化され、基板上にn型またはp型の薄膜多結晶シリコ
ンが構成される。また、第2の非晶質シリコン層上に設
けられていたアンドープの第2の非晶質シリコン層につ
いては、上記熱アニールにより多結晶化されるが、熱ア
ニールがp型またはn型のドーパントソース含有プラズ
マ中で行われるため、p型またはn型とするためのドー
パントが第2の非晶質シリコン層に注入され、p型また
はn型の薄膜多結晶シリコン領域が構成され、残りの領
域との界面にpn接合が形成される。
【0013】しかも、プラズマを構成している原子が非
晶質シリコン層に取り込まれ、該原子が核となって結晶
成長が進行する。従って、非晶質シリコン層の表面すな
わち基板とは反対側の面から結晶成長が進行し、基板側
に向かうにつれて大きな粒径の薄膜多結晶シリコンが形
成されることになる。
【0014】また、上記のように、第1,第2の非晶質
シリコン層が、上記熱アニールにより、同時に多結晶化
されるため、両シリコン層の界面に、多結晶化と共にp
n接合が形成され、従って安定かつ均一な接合を形成す
ることができる。
【0015】発明のある限定的な態様では、上記第2
の非晶質シリコン層上に、さらに開口を有するように絶
縁膜が形成され、該絶縁膜が形成されたあとで熱アニー
ルが行われる。よって、上記絶縁膜に設けられた開口内
の領域において、上記プラズマ原子が第2の非晶質シリ
コン層表面に取り込まれ、核が発生する。従って、上記
開口に臨む領域において核が発生し、該核から結晶成長
が進行するため、上記開口に臨む領域から第1の非晶質
シリコン層側に向かって粒径が大きくなるように形成さ
れた結晶粒を有するように、第2の非晶質シリコン層が
多結晶化される。さらに、上記開口に臨む領域に前述し
たドーパントが作用するため、ドーパントの注入により
構成されるp型またはn型の領域が部分的に形成され
る。よって、p型またはn型の領域が部分的に形成され
た太陽電池を作製し得る。
【0016】また、発明においては、第1,第2の非
晶質シリコン層の多結晶化直後に上記プラズマ中におい
て熱アニールを続けることにより、プラズマ構成原子に
より結晶粒界をパッシベーションしてもよい。
【0017】
【発明の作用及び効果】発明の光起電力素子の製造方
法では、上記のように第1,第2の非晶質シリコン層を
形成した後に、熱アニールすることにより、第1,第2
の非晶質シリコン層の多結晶化と同時に、pn接合が形
成される。従って、両層の界面にpn接合を安定にかつ
均一に形成することができ、光電変換効率の高い太陽電
池を提供し得る。
【0018】
【実施例の説明】以下、図面を参照しつつ実施例を説明
することにより、本発明を明らかにする。
【0019】参考例 まず、図1に示すように、内部にヒータ2と、プラズマ
生成のための電極3とを有するベルジャー1を用意す
る。電極3は、図示しない高周波電源に接続されてい
る。また、ヒータ2には、接地電極が設けられており、
該ヒータ2の下面に基板4が取り付けられている。
【0020】まず、ベルジャー1内に原料ガスとしてS
n2n+2(n=1,2,3,4)を供給し、電極3か
ら高周波電圧を印加し、プラズマCVD法により非晶質
シリコン層5を形成する。この場合例えば、基板温度を
400〜500℃程度、Sin2n+2(n=1,2,
3,4)の流量を10〜100sccm程度とすること
により非晶質シリコン層5を形成し得る。
【0021】次に、堆積された非晶質シリコン層5の多
結晶化を行うために、基板4の温度を400〜500℃
とし、熱アニールを行う。同時に、本実施例では、ベル
ジャー1内に水素ガスを供給し、電極3から高周波電圧
を印加し、水素プラズマ6を生成させる。その結果、生
成されたプラズマ中の水素が非晶質シリコン層5の表面
5aに作用し、結晶核7が表面5a側において発生す
る。このように、本実施例では、非晶質シリコン層5の
表面5a側において結晶核7を発生させるように、水素
プラズマ中で熱アニールが行われるが、表面5a側にお
いて結晶核7を発生させるのに必要な水素プラズマの条
件の一例は、表1に示す通りである。
【0022】
【表1】
【0023】なお、本参考例では、水素プラズマ中で熱
アニールすることにより、上記結晶核7が発生するが、
水素プラズマに代えて、BやPのようなドーパントソー
スを含有する水素プラズマを用いてもよい。このような
ドーパントソース含有水素プラズマを生成させるには、
例えば、B26 /H2 ガスや、PH3 /H2 ガスが使
用される。これらのガスを用いた場合のプラズマ生成条
件を、下記の表2及び表3に示す。
【0024】
【表2】
【0025】
【表3】
【0026】上記B26 /H2 ガスを用いた場合に
は、プラズマ中のロンBが非晶質シリコン層5の表面
5aに作用し、上記と同様に核7が発生する。また、P
3 /H2 ガスを用いてプラズマを生成した場合には、
プラズマ中のリンPが非晶質シリコン層5の表面5aに
作用し、同じく核7が発生する。
【0027】本参考例では、上記のように、プラズマを
生成した状態で、熱アニールが続けられ、そのため、図
3に示すように、上述した結晶核7から結晶成長が進行
し、結晶粒7Aの粒径が次第に大きくなる。
【0028】さらに上記熱アニールを続けることによ
り、非晶質シリコン層5が多結晶化され、図4に示す薄
膜多結晶シリコン8が形成される。この薄膜多結晶シリ
コン8では、上述した非晶質シリコン層5の表面5a側
から多結晶化が進行していくため、結晶化された状態で
は、結晶粒8Aは、表面8a側に比べて、基板4側にお
いてその粒径が大きくされている。
【0029】また、本参考例では、上記のように熱アニ
ールの初期において、プラズマの作用により、非晶質シ
リコン層5の表面5a側において核7が生成するため、
このプラズマ生成に際しての条件を選択することによ
り、核の発生数を容易に制御することができ、核7の発
生位置及び発生個数をコントロールすることが容易であ
る。従って、従来例に比べてより大きな粒径の薄膜多結
晶シリコン8を得ることができる。しかも、上記のよう
に、表面8a側から結晶成長が進行しているため、表面
側から基板側に向かって結晶粒径が大きくされている薄
膜多結晶シリコン8が得られる。
【0030】上記B26 /H2 ガスやPH3 /H2
スを用いた場合には、それぞれ、型もしくはn型の薄
膜多結晶シリコン8を得ることができる。
【0031】さらに、本参考例では、上記熱アニールの
間上記プラズマが生成されているため、多結晶化が終了
した後には、水素が、薄膜多結晶シリコン8の粒界に入
り込み、それによって結晶粒界がパッシベーションされ
る。
【0032】本参考例では、上記非晶質シリコン層5の
多結晶化にあたり、熱アニールの全工程をプラズマ中で
行っていたが、上記核7が発生した後に、プラズマの生
成を停止してもよい。その場合においても、結晶核7
が、非晶質シリコン層5の表面5a側において確実に生
成し、かつ結晶核7の発生位置及び発生個数を、最初の
プラズマの条件を選択することにより容易にコントロー
ルすることができる。従って、以後の通常の熱アニール
により、上記実施例と同様に大きな粒径の薄膜多結晶シ
リコン8を得ることができる。
【0033】実施例 次に、参考例の応用例として、上記実施例の方法に従っ
て太陽電池を作製する実施例につき説明する。
【0034】まず、図5(a)に示すように、ベルジャ
ー1内においてヒータ2上に取り付けられた基板4上
に、固相成長法により、約1000Åの厚みのn+ 型多
結晶シリコン層9を形成する。次に、プラズマCVD法
により、参考例と同様にして、10μmの厚みの非晶質
シリコン層10を形成する。
【0035】しかる後、参考例と同様にして、ベルジャ
ー1内に水素ガスを供給し、電極3から高周波電圧を印
加し水素プラズマを生成した状態で熱アニールを行い、
図5(b)に示すn- 型多結晶シリコン層11を形成す
る。
【0036】さらに、上記のようにして形成されたn-
型多結晶シリコン層11上に、プラズマCVD法によ
り、i型非晶質シリコン層12及びp型非晶質シリコン
層13を堆積し、さらに、ITO(インジウム錫酸化
物)よりなる透明導電膜14をスパッタリングにより形
成し、表面電極15を蒸着により形成する(図6参
照)。
【0037】上記のようにして得られた太陽電池17に
つき、電流−電圧特性を測定した。結果を図7に示す。
【0038】図7から明らかなように、本実施例で得ら
れた薄膜多結晶シリコンを用いた太陽電池では、変換効
率(η)=7.94%、短絡光電流(Isc)=31.
8mA/cm2 、開放電圧(Voc)=0.518V、フ
ィルファクター(F.F.)=0.482であった。従
って、従来の太陽電池の変換効率=6.3%に比べて変
換効率の高い太陽電池得られることがわかる。
【0039】本実施例で得られる薄膜多結晶シリコンで
は、核の生成が、基板と反対側の非晶質シリコン層の表
面側で起こり、結晶成長が進行するため、最終的に得ら
れた薄膜多結晶シリコンでは、プラズマ方向に結晶粒が
延ばされており、かつ表面から基板に向かって径が大き
くなる結晶粒を多く含む。他方、太陽電池においては、
長波長の光が進入した場合には、短波長の光に比べて多
結晶シリコン表面からより深い位置まで光が進入した状
態でキャリアが発生するが、pn接合からの距離が遠く
なるため、長波長の光が進入して発生したキャリアは電
界で分離されず、拡散により分離されることになる。従
って、本実施例のように、表面から基板に向かって粒径
が大きくなるように構成された薄膜多結晶シリコンで
は、基板側において粒径が大きいため、長波長の光が進
入して発生したキャリアが拡散により容易に分離され
る。
【0040】第2の実施例 図8及び図9を参照して、本発明の第の実施例にかか
る太陽電池の製造方法を説明する。
【0041】まず、図8(a)に示すように、ヒータ2
2と対向するように電極23が設けられたベルジャー2
1を用意する。電極23はプラズマを生成するために、
図示しない高周波電源に電気的に接続されている。ヒー
タ22は接地電極と電気的に接続されており、かつヒー
タ22の下面に基板24が取り付けられている。
【0042】まず、ヒータ22により基板24を約55
0℃の温度に加熱し、該基板24上に、公知のプラズマ
CVD法により、n+ 型非晶質シリコン層25と、i型
非晶質シリコン層26とを、それぞれ、厚み0.17μ
m及び10μmとなるように堆積する。
【0043】次に、図8(b)に略図的に示すように、
上記i型非晶質シリコン層26上に、全面に、SiO2
膜27を0.1μm〜0.3μmの厚みに形成する。し
かる後、SiO2 膜27をパターニングし、部分的にエ
ッチングすることにより、開口部27aを形成する(図
8(c)参照)。
【0044】上記のようにして開口部27aを形成した
後、ベルジャー21内にB26 /H2 ガスを供給し、
電極23から高周波電圧を印加し、B26 /H2 プラ
ズマを生成させ、かつヒータ22により基板24を60
0℃程度の温度に加熱し、熱アニールを行う。
【0045】上記のように、本実施例では、上記プラズ
マ中にて熱アニールが行われるため、プラズマ中のボロ
ンBが、SiO2 膜の開口部27aからi型非晶質シリ
コン層26の表面26aに作用し、核の発生を促進す
る。発生した結晶核から結晶成長が進行し、図9(b)
に示すように、n+ 型非晶質シリコン層25及びi型非
晶質シリコン層26が多結晶化され、n型薄膜多結晶シ
リコン層28が形成される。本実施例では、図9(b)
に示す状態において、ボロン原子が、p型のドーパント
ソースとして作用するだけでなく、上記のように固相成
長初期における核発生を促進する作用をも果たす。
【0046】また、この薄膜多結晶シリコン層28で
は、ボロンが進入した領域が、p+ 型薄膜多結晶シリコ
ン29となり、従って、上記多結晶化と同時に、pn接
合が形成される。また、上記pn接合が形成された段階
において、薄膜多結晶シリコン28の粒界は、プラズマ
中に生成した水素によりパッシベーションされる。
【0047】従って、本実施例においても、基板24側
において粒径の大きくされている結晶粒を有する薄膜多
結晶シリコン層28が基板24上に形成され、しかも多
結晶化初期の結晶核の発生位置及び発生個数を、上記プ
ラズマ条件をコントロールすることにより容易に制御す
ることができる。よって、従来例に比べてより大きな粒
径を有する薄膜多結晶シリコン28を用いた太陽電池を
得ることができる。
【0048】のみならず、上記多結晶化が終了した時点
において、pn接合が同時に形成されるため、安定にか
つ均一なpn接合を形成することができる。
【0049】なお、固相成長の出発材料として、p+
晶質シリコン層/i型非晶質シリコン層を用いた場合に
は、上記実施例で用いたB26 /H2 プラズマに代え
て、PH3 /H2 プラズマを用いればよい。
【0050】なお、本実施例では、上記B26 /H2
ガスを供給しプラズマを生成し、熱アニール及び粒界の
パッシベーションを果たしたが、多結晶化が終了した直
後に、水素ガスを供給し水素プラズマにより粒界をパッ
シベーションしてもよい。
【0051】また、使用するプラズマの条件としては、
前述した表1〜表3に従って選択し得る。
【0052】最後に、図9(c)に示すように、p+
多結晶シリコン層29上に金属を蒸着することにより電
極30を形成し、太陽電池31を得ることができる。
【0053】上記のように、B26 /H2 プラズマに
よる処理に際してSiO2 膜27がマスクとして機能し
ていたが、該SiO2 膜27は、固相成長後には、多結
晶シリコン層のパッシベーション膜としても機能するこ
とになる。すなわち、本実施例の太陽電池の製造方法で
は、多結晶シリコンのパッシベーション膜及び表面の光
反射を低減する反射防止用のARコート膜として機能す
るSiO2 膜27を、多結晶化に際してのマスクとして
も用いることができる。なお、本実施例では、上記多結
晶シリコンのパッシベーション膜としてSiO2 膜を用
いたが、上記SiO2 膜27に代えて、SiNx 膜など
の他の適宜の絶縁膜を用いてもよい。
【0054】上記のようにして得た太陽電池31の電流
−電圧特性を図10に示す。図10から明らかなよう
に、太陽電池31では、変換効率=10.8%、短絡光
電流=29.4mA/cm2 、開放電圧=0.535
V、フィルファクター=0.684である。従来の太陽
電池の変換効率は約6.3%であるので、本実施例によ
れば、変換効率を大幅に高めることができる。
【0055】上記のように、本実施例では、多結晶シリ
コン層の表面がSiO2 膜27でパッシベーションさ
れ、p+ 層が部分的に形成されている点において、従来
より公知のPERLセル(Appl. Phy. Le
tter. 第57巻第6号、1990年、第602
頁)と共通するが、本実施例では、上記のようにドーパ
ントBが結晶成長を促進する作用をも果たしており、さ
らに、上記PERLセルに比べて低温(〜600℃)の
条件で、さらに、より簡単な工程により製造し得る点に
おいて異なる。
【図面の簡単な説明】
【図1】参考例において、非晶質シリコン層を基板上に
形成した状態を示す模式的断面図。
【図2】非晶質シリコン層を熱アニールした際の結晶核
の形成状態を説明するための模式的断面図。
【図3】非晶質シリコン層において結晶成長が進行した
状態を説明するための模式的断面図。
【図4】基板上に薄膜多結晶シリコンが形成された状態
を示す模式的断面図。
【図5】(a)及び(b)は、それぞれ、参考例の方法
に従って太陽電池を製造する工程を説明するための各模
式的断面図。
【図6】第の実施例で得られた太陽電池を示す断面
図。
【図7】第の実施例の太陽電池の電流−電圧特性を示
す図。
【図8】(a)は、第の実施例において基板上に非晶
質シリコン層を形成した状態を示す模式的断面図、
(b)は絶縁膜を非晶質シリコン層上に形成した状態を
示す断面図、(c)は絶縁層に開口部を設けた状態を示
す断面図。
【図9】(a),(b)は、それぞれ、多結晶化を行う
工程を説明するための模式的断面図及びpn接合の形成
及び結晶化が終了した状態を示す断面図、(c)は最終
的に得られた太陽電池を示す模式的断面図。
【図10】第の実施例で得られた太陽電池の電流−電
圧特性を示す図。
【符号の説明】
4…基板 5…非晶質シリコン層 6…プラズマ 7…核 7A…結晶粒 8…薄膜多結晶シリコン 25…n+ 非晶質シリコン層(第1の非晶質シリコン
層) 26…i型非晶質シリコン層(第2の非晶質シリコン
層) 27…SiO2 膜 27a…開口部 31…太陽電池
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01L 21/324 H01L 21/20

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板上に、非晶質シリコン層として、n
    型またはp型の第1の非晶質シリコン層と、前記第1の
    非晶質シリコン層上に設けられたアンドープの第2の非
    晶質シリコン層とを形成し、 上記非晶質シリコン層の熱アニールを、p型またはn型
    とするためのドーパントソースを含有するプラズマ中で
    行い、前記第1,第2の非晶質シリコン層を多結晶化す
    ると共にp型またはn型のドーパントが注入されたp型
    またはn型の領域と、前記多結晶化された残りの領域と
    の界面にpn接合を形成することを特徴とする、光起電
    力素子の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記第2の非晶質シリコン層上に、開口
    を有するように絶縁膜を形成し、該絶縁膜形成後に前記
    熱アニールを行う、請求項1に記載の光起電力素子の製
    造方法。
  3. 【請求項3】 前記第1,第2の非晶質シリコン層の多
    結晶化直後に上記熱アニールを続けることにより結晶粒
    界をパッシベーションすることを特徴とする、請求項1
    または2に記載の光起電力素子の製造方法。
  4. 【請求項4】 pn接合を形成する一方の半導体領域が
    多結晶シリコンの部分的な領域に形成されている、請求
    項1に記載の製造方法により得られる光起電力素子。
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