JP3645925B2 - 永久磁石と異材種部材との接合体および接合方法 - Google Patents

永久磁石と異材種部材との接合体および接合方法 Download PDF

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は永久磁石と異材種部材とを接合層を介して接合した接合体、および永久磁石と異材種部材とを接合する接合方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
希土類元素を含む永久磁石は、非常に脆いため機械加工性が悪く、また高温下に曝されると金属組織が変化するためそれに伴い磁気特性が低下する、といった性質を有する。
【0003】
そのため、例えば永久磁石とモータの金属製ロータとの接合体においては、それらの接合に当り、あり差し構造、ねじ止め、溶接等の接合手段を採用することができないので、従来は接着剤が用いられている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、接着剤を用いると、永久磁石の濡れ性が悪いため接合体の接着強度が低く、また温度上昇に伴いその接着強度が著しく低下する、といった問題を生ずる。このような状況下ではモータの高速回転化の要請に到底対応することはできない。
【0005】
本発明は前記に鑑み、永久磁石と異材種部材との接合強度の高い前記接合体、および永久磁石と異材種部材との接合強度を高めることが可能な前記接合方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、希土類元素を含む永久磁石と、異材種部材と、それらを接合すべく加熱工程を経て形成された接合層とを有する接合体であって、前記接合層は、その接合層の全体が前記加熱工程で液相を生じる希土類元素系合金よりなり、且つ平均厚さt1 が1μm≦t1 ≦2000μmであることを特徴とする。
【0007】
本発明は、永久磁石と異材種部材とを接合するに当り、前記永久磁石と異材種部材との間に、希土類元素系合金よりなる接合材を介在させ、次いでその接合材をそれの液相発生温度T以上に加熱することを特徴とする。
【0008】
【作用】
希土類元素を含む永久磁石は接着剤やろう材に対して非常に濡れ性が悪いものであるが、本発明に係る接合層を構成する希土類元素系合金において、その合金より生じた液相は高活性であるから永久磁石および異材種部材に対して優れた濡れ性を発揮する。このような接合層の厚さt1 を前記のように設定することによって接合強度の高い接合体を提供することができる。この場合、希土類元素系合金の液相発生温度を比較的低くし得るので、加熱接合時における永久磁石および異材種部材の特性変化を回避することが可能である。
【0009】
ただし、接合層の平均厚さt1 がt1 <1μmでは、永久磁石に熱応力に起因した割れが発生し易くなるため接合体の接合強度が低下し、一方、t1 >2000μmでは接合体の接合強度が接合層のそれに依存することになるので、前記同様に接合体の接合強度が低下する。
【0010】
前記接合方法によれば、前記のような接合材を用いることによって、永久磁石と異材種部材との接合強度を高めることが可能である。
【0011】
【実施例】
図1において、接合体1は、永久磁石2と、異材種部材3と、それら2,3を接合すべく加熱工程を経て形成された接合層4とを有する。
【0012】
接合層4は、加熱工程で液相を生じる希土類元素系合金よりなり、且つ平均厚さt1 が1μm≦t1 ≦2000μmである。
【0013】
接合層4を構成する希土類元素系合金において、その合金より生じた液相は高活性であるから、永久磁石2および異材種部材3に対して優れた濡れ性を発揮する。このような接合層4の厚さt1 を前記のように設定することによって接合強度の高い接合体1を提供することができる。この場合、希土類元素系合金の液相発生温度を比較的低くし得るので、加熱接合時における永久磁石2および異材種部材3の特性変化を回避することが可能である。
【0014】
接合層4の平均厚さt1 は、好ましくは30μm≦t1 ≦200μmであり、このように平均厚さt1 を設定すると、永久磁石2と異材種部材3との接合強度は最高となる。
【0015】
希土類元素系合金は、基本的には主成分である希土類元素と、その希土類元素と共晶反応を行う合金元素AEとから構成される。希土類元素は、Y、La、Ce、Pr、Nd、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、YbおよびLuから選択される少なくとも一種である。また合金元素AEは、Al、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Ga、Pd、Ag、Sn、Sb、Au、Pb、Bi、CdおよびInから選択される少なくとも一種である。その合金元素AEの含有量は5原子%≦AE≦50原子%に設定される。
【0016】
ただし、合金元素AEの含有量がAE<5原子%であるか、またはAE>50原子%であると、固液共存状態における液相の体積分率Vfが低くなるため接合強度が低下する。このことから、合金元素AEの含有量は、希土類元素との関係において共晶組成またはそれに近い組成となるように設定するのが望ましい。
【0017】
なお、二種以上の合金元素AEを含有する場合には、それらの合計含有量が5原子%≦AE≦50原子%となる。
【0018】
希土類元素系合金を例示すれば表1の通りである。
【0019】
【表1】
Figure 0003645925
永久磁石2と異材種部材3との接合に当っては、両者2,3を、前記希土類系合金よりなる薄板状接合材を介して重ね合せ、次いでその重ね合せ物を真空加熱炉内に設置して、加熱下で接合材を液相状態または固液共存状態にし、その後炉冷する、といった方法が採用される。
【0020】
この場合、加熱温度Tは接合材の組成によって異なるが、前記組成の各種希土類元素系合金は比較的低い温度で液相状態または固液共存状態となるので永久磁石2および異材種部材3の特性を変化させるようなことはない。
【0021】
また希土類元素を主成分とする接合材より生じた液相は高活性であって、例えば希土類元素を含む永久磁石2(接着剤やろう材に対して非常に濡れ性が悪い)および異材種部材3、例えば鋼製部材に対して優れた濡れ性を発揮する。このような接合材を用いることによって両者2,3を強固に接合することができる。 加熱時間hは、それが長過ぎる場合には永久磁石2および異材種部材3の特性変化を招来するので、h≦10時間であることが望ましく、生産性向上の観点からはh≦1時間である。
【0022】
〔実施例1〕
純度99.9%のNdと純度99.9%のCuとを、共晶組成を有するNd70Cu30合金が得られるように秤量し、次いでその秤量物を真空溶解炉を用いて溶解し、その後、縦10mm、横10mm、長さ50mmのインゴットを鋳造した。このインゴットにマイクロカッタによる切断加工を施して、Nd70Cu30合金よりなり、且つ縦10mm、横10mm、厚さ500μmの薄板状接合材を得た。図2はCu−Nd系状態図の要部を示し、共晶点は520℃である。
【0023】
永久磁石として、縦10mm、横10mm、厚さ3mmのNdFeB系永久磁石(住友特殊金属社製、商品名NEOMAX−28UH)2を選定し、また異材種部材として、炭素鋼(JIS S25C)よりなり、且つ縦10mm、横10mm、長さ15mmの短柱体3を選定した。
【0024】
図3に示すように、1つの短柱体3の上に1つの接合材5を、また接合材5の上に永久磁石2を、さらに永久磁石2の上にもう1つの接合材5を、さらにまた接合材5の上にもう1つの短柱体3をそれぞれ重ね合せて重ね合せ物を作製し、同様の手順で合計20個の重ね合せ物を作製した。次いで、これら重ね合せ物を真空加熱炉内に設置して、加熱温度T=530℃、加熱時間h=0.5時間の加熱工程、それに次ぐ炉冷よりなる接合処理を行って、図4に示すように2つの短柱体3により永久磁石2を挟むようにそれら2,3を接合材5より形成された接合層4を介して接合した20個の接合体1を得た。この接合処理においては、加熱温度TがT=530℃であって、図2に示す共晶点520℃を超えているので、接合材5は共晶組成を有することから液相状態となる。この場合、接合層4の平均厚さt1 はt1 =200μmであった。
【0025】
比較のため、前記同様の永久磁石2と前記同様の2つの短柱体3とをエポキシ樹脂系接着剤(日本チバガイギ社製、商品名アラルダイト)を介し重ね合せて前記同様の重ね合せ物を作製し、同様の手順で合計20個の重ね合せ物を作製した。次いで、これら重ね合せ物を乾燥炉内に設置して、加熱温度200℃、加熱時間60分間の加熱工程、それに次ぐ炉冷よりなる接合処理を行って、2つの短柱体3と永久磁石2とをエポキシ樹脂系接着剤を介して接合した前記同様の20個の接合体を得た。
【0026】
接合材5を用いた各接合体1から引張り試験用試験片Aを作製し、またエポキシ樹脂系接着剤を用いた各接合体から同様の引張り試験用試験片Bを作製した。次いで、各10個の試験片A,Bについて室温下で引張り試験を行い、また残りの各10個の試験片A,Bについて150℃の加熱下で引張り試験を行ったところ、表2の結果を得た。
【0027】
【表2】
Figure 0003645925
表2から明らかなように、接合材5を用いた試験片Aは、室温下および150℃の加熱下において、エポキシ樹脂系接着剤を用いた試験片Bに比べて接合強度が高く、その接合強度は両環境下において殆ど変わらず、またそのばらつきも小さい。試験片Bは室温下における接合強度が低い上にそのばらつきが大きく、また150℃の加熱下ではその接合強度が室温下のそれの3分の1に低下する。
【0028】
図5はNdFeB系永久磁石2における加熱温度TとHkとの関係を示す。ここでHkとは残留磁束密度Brが10%低下したときの磁場Hを意味し、保磁力 IC (磁化の強さI=0)の目安となる値である。図5から明らかなように、接合処理時の加熱温度TがT>650℃になると、Hk、したがって保磁力 IC が低下傾向となる。ただし、残留磁束密度Brおよび保磁力 BC (磁束密度B=0)は殆ど変わらず、したがって図6に示すように最大磁気エネルギ積(BH)maxは略一定である。前記接合材5を用いた接合処理において、その加熱温度TはT=530℃であってT≦650℃であるから、永久磁石2の磁気特性を変化させるようなことはない。
【0029】
また前記永久磁石2の濡れ性の悪さは、その結晶粒界に希土類元素濃度、この実施例ではNd濃度の高い相が存在していることに起因する。前記接合材5を用いた接合処理において、その接合材5は液相状態となっており、Ndを主成分とするNd70Cu30合金より生じた液相は、高活性であると共に前記結晶粒界に存するNd濃度の高い相と主成分を共通にすることから永久磁石2に対して優れた濡れ性を発揮し、また前記高活性化に伴い炭素鋼よりなる短柱体3に対する濡れ性も極めて良好である。
【0030】
したがって、前記のような接合材5を用いることによって、永久磁石2の磁気特性を損うことなく、その永久磁石2と短柱体3とを強固に接合することができる。この接合技術は、モータ用ロータに対する永久磁石の接合に適用され、回転数が10000rpm 以上である高速回転モータの実現を可能にするものである。
【0031】
〔実施例2〕
純度99.9%のNdと純度99.9%のCuとを、亜共晶組成を有するNd60Cu40合金が得られるように秤量し、次いでその秤量物を真空溶解炉を用いて溶解し、その後、縦10mm、横10mm、長さ50mmのインゴットを鋳造した。このインゴットにマイクロカッタによる切断加工を施して、Nd60Cu40合金よりなり、且つ縦10mm、横10mm、厚さ500μmの薄板状接合材5を得た。
【0032】
永久磁石として、縦10mm、横10mm、厚さ5mmのNdFeB系永久磁石(住友特殊金属社製、商品名NEOMAX−28UH)2を選定し、また異材種部材として、図7に示すように厚さ1.0mmのケイ素鋼板(JIS MES−3F)を積層しボルト7およびナット8により緊締した、縦10mm、横10mm、長さ15mmの積層体3を選定した。
【0033】
それら積層体3、接合材5および永久磁石2を用い、図7に示すように実施例1と同様の方法で合計20個の重ね合せ物を作製し、次いで、これら重ね合せ物を真空加熱炉内に設置して、加熱温度T=560℃、加熱時間h=0.5時間の加熱工程、それに次ぐ炉冷よりなる接合処理を行って、2つの積層体3により永久磁石2を挟むようにそれら2,3を接合材5より形成された接合層4を介して接合した20個の接合体1を得た(図4参照)。この接合処理においては加熱温度TがT=560℃であって、図2に示す共晶点520℃と液相線aとの間の温度領域に存するので、接合材5は固液共存状態となる。この場合、接合層4の平均厚さt1 は200μmであった。
【0034】
各接合体1から引張り試験用試験片Aを作製し、次いで、各10個の試験片Aについて室温下で引張り試験を行い、また残りの各10個の試験片Aについて150℃の加熱下で引張り試験を行ったところ、表3の結果を得た。比較のため、表3には実施例1の試験片Bに関する測定値も示されている。
【0035】
【表3】
Figure 0003645925
表3から明らかなように、接合材5を用いた試験片Aは、室温下および150℃の加熱下において、エポキシ樹脂系接着剤を用いた試験片Bに比べて接合強度が高く、その接合強度は両環境下において全然変わらず、またそのばらつきも小さい。
【0036】
前記接合処理において、その加熱温度TはT=560℃であってT≦650℃であるから、永久磁石2の磁気特性を変化させるようなことはない。
【0037】
その上、前記接合処理において、その接合材5は固液共存状態となっており、Ndを主成分とするNd60Cu40合金より生じた液相は高活性であると共に永久磁石2の結晶粒界に存するNd濃度の高い相と主成分を共通にすることから永久磁石2に対して優れた濡れ性を発揮し、また前記高活性化に伴いケイ素鋼板よりなる積層体3に対する濡れ性も極めて良好である。
【0038】
したがって、前記のような接合材5を用いることによって、永久磁石2の磁気特性を損うことなく、その永久磁石2と積層体3とを強固に接合することができる。
【0039】
永久磁石2と異材種部材3との接合において、その接合強度向上の観点からは、前記実施例1,2のように永久磁石2に含まれる希土類元素と接合材5の主成分である希土類元素とを一致させるのが望ましいが、例えばSmを含む永久磁石2の接合に当り、Smを主成分とする接合材の外にLa、Ce、Nd、Pr等を主成分とする接合材5を用いても前記実施例1,2と略同等の接合強度を得ることができる。
【0040】
〔実施例3〕
純度99.9%のNdと純度99.9%のCuとを、共晶組成を有するNd70Cu30合金が得られるように秤量し、次いでその秤量物を真空溶解炉を用いて溶解し、その後、縦10mm、横10mm、長さ50mmのインゴットを鋳造した。このインゴットにマイクロカッタによる切断加工を施して、Nd70Cu30合金よりなり、且つ縦10mm、横10mmで厚さを異にする種々の薄板状接合材5を得た。
【0041】
永久磁石として、縦10mm、横10mm、厚さ3mmのNdFeB系永久磁石2(住友特殊金属社製、商品名NEOMAX−28UH)を選定し、また異材種部材として、厚さ1.0mmの圧延鋼板を積層しボルト7およびナット8により緊締した縦10mm、横10mm、長さ15mmの積層体3を選定した。
【0042】
それら積層体3、接合材5および永久磁石2を用い、図7に示すように実施例1と同様の方法で複数の重ね合せ物を作製し、次いで、これら重ね合せ物を真空加熱炉内に設置して、加熱温度T=530℃、加熱時間h=0.5時間の加熱工程、それに次ぐ炉冷よりなる接合処理を行って実施例2と同様に2つの積層体3により永久磁石2を挟むようにそれら2,3を接合材5より形成された接合層4を介して接合した複数の接合体1を得た(図4参照)。
【0043】
各接合体1から引張り試験用試験片を作製し、それらについて150℃の加熱下で引張り試験を行ったところ、表4の結果を得た。
【0044】
【表4】
Figure 0003645925
図8は表4をグラフ化したもので、図中、点(1)〜(11)は接合体1の例1〜11にそれぞれ対応する。
【0045】
この種接合体1においては引張強さσB ≧2kgf/mm2 が要求され、この要求を満たすためには、表4、図8から明らかなように、接合材5の厚さt2 を30μm≦t2 ≦2500μmに設定して接合層4の平均厚さt1 を1μm≦t1 ≦2000μmに設定すればよい。好ましくは、接合材5の厚さt2 は150μm≦t2 ≦500μmであり、また接合層4の平均厚さt1 は30μm≦t1 ≦200μmである。
【0046】
図9は接合体1の例6における接合部分を示し、(a)は接合部分の金属組織を示す顕微鏡写真であり、(b)は(a)の概略写図である。図9より、永久磁石2と各圧延鋼板とが接合層を介して接合されていることが判る。
【0047】
【発明の効果】
本発明の接合体は、希土類元素を含む永久磁石と、異材種部材と、それらを接合すべく加熱工程を経て形成された接合層とを有し、前記接合層は、その接合層の全体が前記加熱工程で液相を生じる希土類元素系合金よりなり、且つ平均厚さt 1 が1μm≦t 1 ≦2000μmであることから、希土類元素を含む永久磁石が接着剤やろう材に対して非常に濡れ性が悪いものであっても、その永久磁石と異材種部材に対して、全体が希土類元素系合金よりなる前記接合層が優れた濡れ性を発揮して、希土類元素を含む永久磁石と異材種部材との接合強度を高めることができる。
【0048】
また本発明によれば、前記のような手段を用いることによって、永久磁石と異材種部材との接合強度を高めることが可能な接合方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】接合体の斜視図である。
【図2】Cu−Nd系状態図の要部を示す。
【図3】永久磁石、接合材および短柱体の重ね合せ関係を示す斜視図である。
【図4】接合体の斜視図である。
【図5】加熱温度TとHkとの関係を示すグラフである。
【図6】加熱温度Tと(BH)maxとの関係を示すグラフである。
【図7】永久磁石、接合材および積層体の重ね合せ関係を示す斜視図である。
【図8】接合層の平均厚さt1 と引張強さσB との関係を示すグラフである。
【図9】(a)は接合部分の金属組織を示す顕微鏡写真であり、(b)は(a)の概略写図である。
【符号の説明】
1 接合体
2 永久磁石
3 短柱体、積層体(異材種部材)
4 接合層
5 接合材

Claims (10)

  1. 希土類元素を含む永久磁石(2)と、異材種部材(3)と、それら(2,3)を接合すべく加熱工程を経て形成された接合層(4)とを有する接合体(1)であって、前記接合層(4)は、その接合層(4)の全体が前記加熱工程で液相を生じる希土類元素系合金よりなり、且つ平均厚さt1 が1μm≦t1 ≦2000μmであることを特徴とする永久磁石と異材種部材との接合体。
  2. 前記接合層(4)の平均厚さt1 が30μm≦t1 ≦200μmである、請求項1記載の永久磁石と異材種部材との接合体。
  3. 前記希土類元素系合金は、合金元素AEとしてAl、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Ga、Pd、Ag、Sn、Sb、Au、Pb、Bi、CdおよびInから選択される少なくとも一種を5原子%≦AE≦50原子%含有する、請求項1または2記載の永久磁石と異材種部材との接合体。
  4. 前記永久磁石(2)はNdFeB系永久磁石である、請求項4記載の永久磁石と異材種部材との接合体。
  5. 永久磁石(2)と異材種部材(3)とを接合するに当り、前記永久磁石(2)と異材種部材(3)との間に、希土類元素系合金よりなる接合材(5)を介在させ、次いでその接合材(5)をそれの液相発生温度T以上に加熱することを特徴とする、永久磁石と異材種部材との接合方法。
  6. 前記接合材(5)の厚さt2 は10μm≦t2 ≦2500μmである、請求項記載の永久磁石と異材種部材との接合方法。
  7. 前記接合材(5)の厚さt2 は150μm≦t2 ≦500μmである、請求項記載の永久磁石と異材種部材との接合方法。
  8. 前記希土類元素系合金は、合金元素AEとしてAl、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Ga、Pd、Ag、Sn、Sb、Au、Pb、Bi、CdおよびInから選択される少なくとも一種を5原子%≦AE≦50原子%含有する、請求項5,6又は7記載の永久磁石と異材種部材との接合方法。
  9. 前記永久磁石(2)は希土類元素を含む永久磁石である、請求項5,6,7又は8記載の永久磁石と異材種部材との接合方法。
  10. 前記永久磁石(2)はNdFeB系永久磁石であり、前記接合材(5)はその液相発生温度TがT≦650℃である、請求項記載の永久磁石と異材種部材との接合方法。
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