JPH08118066A - 防錆能を備えた永久磁石と異材種部材とよりなる接合体の製造方法 - Google Patents

防錆能を備えた永久磁石と異材種部材とよりなる接合体の製造方法

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JPH08118066A
JPH08118066A JP26029294A JP26029294A JPH08118066A JP H08118066 A JPH08118066 A JP H08118066A JP 26029294 A JP26029294 A JP 26029294A JP 26029294 A JP26029294 A JP 26029294A JP H08118066 A JPH08118066 A JP H08118066A
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JP
Japan
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permanent magnet
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rust preventive
dissimilar material
joining
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Application number
JP26029294A
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English (en)
Inventor
Naomasa Kimura
直正 木村
Katsutoshi Nozaki
勝敏 野崎
Mitsuya Hosoe
光矢 細江
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Honda Motor Co Ltd
Original Assignee
Honda Motor Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 防錆能を備えた永久磁石と異材種部材とより
なる、接合強度の高い接合体を得る。 【構成】 接合体の製造に当り、合金元素AEとしてC
u、Al、Ga、Co、Fe、Ag、Ni、Au、M
n、Zn、Pd、Sn、Sb、Pb、Bi、Cdおよび
Inから選択される少なくとも一種を5原子%≦AE≦
50原子%含有する希土類元素系合金より構成された接
合材を、永久磁石3と異材種部材1との間に介在させる
工程と、接合材を加熱してその接合材より液相を生じさ
せることにより接合層4を形成すると共にその接合層4
を介し永久磁石3と異材種部材1とを接合して接合体5
を得る工程と、接合体5の永久磁石3および異材種部材
1に防錆処理を施して防錆膜6を形成する工程と、を用
いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、防錆能を備えた永久磁
石と異材種部材とよりなる接合体の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】希土類元素を含む永久磁石は、非常に脆
いため機械加工性が悪く、また高温下に曝されると、金
属組織が変化するためそれに伴い磁気特性が低下する、
といった性質を有する。また前記永久磁石は、その組成
上耐食性が乏しいので、防錆処理を施す必要がある。
【0003】そこで、従来は永久磁石全体に、例えば電
気メッキ処理を施して防錆膜を形成し、次いでその永久
磁石を異材種部材に合成樹脂接着剤を用いて接合してい
る。
【0004】この場合、合成樹脂接着剤を用いるのは、
永久磁石の前記性質に起因して、あり差し構造、ねじ止
め、溶接等の接合手段を採用することができないからで
ある。また電気メッキ処理後に接合処理を行うのは、接
合処理を先行させると接着層がメッキ浴と反応して、異
材種部材から永久磁石が脱落し易いからである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、接合処
理に先立って電気メッキ処理を行うと、永久磁石と異材
種部材との接合強度が、主として永久磁石に対する防錆
膜の密着強度に依存することになるので、その密着強度
が比較的低いことから、永久磁石と異材種部材との接合
強度の低下を招来する。
【0006】この防錆膜による弊害を回避すべく、永久
磁石の接合面にマスキングを施して電気メッキ処理を行
うことも考えられるが、このような手段を採用すると電
気メッキ処理が煩雑化し、また永久磁石と異材種部材と
を合成樹脂接着剤を用いて直接接合しても、合成樹脂接
着剤本来の性質に起因して、接合体使用時の温度上昇に
伴いその接着層の接合強度が著しく低下する、といった
問題を生ずる。
【0007】本発明は前記に鑑み、永久磁石と異材種部
材とを強固に接合すると共にその永久磁石への防錆処理
を接合層への影響を配慮することなく容易に行うことが
できる前記接合体の製造方法を提供することを目的とす
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、防錆能を備え
た永久磁石と異材種部材とよりなる接合体を製造するに
当り、合金元素AEとしてCu、Al、Ga、Co、F
e、Ag、Ni、Au、Mn、Zn、Pd、Sn、S
b、Pb、Bi、CdおよびInから選択される少なく
とも一種を5原子%≦AE≦50原子%含有する希土類
元素系合金より構成された接合材を、永久磁石と異材種
部材との間に介在させる工程と、前記接合材を加熱して
その接合材より液相を生じさせることにより接合層を形
成すると共にその接合層を介し前記永久磁石と異材種部
材とを接合して接合体を得る工程と、前記接合体の前記
永久磁石に防錆処理を施す工程と、を用いることを特徴
とする。
【0009】
【作用】接合材を構成する希土類元素系合金において、
前記のように特定された合金元素AEを特定量含有させ
ると、加熱下において希土類元素と合金元素AEとが共
晶反応を生じるため、接合材が液相を生じる温度、した
がって液相状態または固液共存状態となる温度は比較的
低くなる。これにより、接合時における永久磁石および
異材種部材の特性変化を回避することができる。
【0010】また希土類元素を主成分とする接合材より
生じた液相は高活性であって、永久磁石および種々の材
質の異材種部材に対して優れた濡れ性を発揮する。この
ような接合材を用いることによって、永久磁石と異材種
部材とをその接合材より形成された接合層を介して強固
に接合することができる。
【0011】ただし、希土類元素系合金において、合金
元素AEの含有量がAE<5原子%であるか、またはA
E>50原子%であると、固液共存状態における液相の
体積分率Vfが低くなるため接合強度が低下する。この
ことから、合金元素AEの含有量は、希土類元素との関
係において共晶組成またはそれに近い組成となるように
設定するのが望ましい。二種以上の合金元素AEを含有
する場合には、それらの合計含有量が5原子%≦AE≦
50原子%となる。
【0012】防錆処理においては、接合層が金属質であ
って、処理剤や温度等の処理条件に関する制約が少ない
ので、電気メッキ処理、気相メッキ処理等の各種処理を
容易に適用することが可能である。
【0013】
【実施例】防錆能を備えた永久磁石と異材種部材とより
なる接合体を製造するに当っては、希土類元素系合金よ
り構成された接合材を、永久磁石と異材種部材との間に
介在させる工程と、永久磁石、接合材および異材種部材
よりなる重ね合せ物を真空加熱炉内に設置して接合材を
加熱し、その接合材より液相を生じさせることにより接
合層を形成すると共にその接合層を介し永久磁石と異材
種部材とを接合して接合体を得る工程と、接合体の永久
磁石に防錆処理を施す工程と、が用いられる。
【0014】接合材を構成する希土類元素系合金は、基
本的には主成分である希土類元素と、その希土類元素と
共晶反応を行う合金元素AEとから構成される。希土類
元素はY、La、Ce、Pr、Nd、Sm、Eu、G
d、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Mm(ミッ
シュメタル)およびLuから選択される少なくとも一種
である。また合金元素AEは、Cu、Al、Ga、C
o、Fe、Ag、Ni、Au、Mn、Zn、Pd、S
n、Sb、Pb、Bi、CdおよびInから選択される
少なくとも一種である。その合金元素AEの含有量は5
原子%≦AE≦50原子%に設定される。
【0015】希土類元素系合金における共晶合金を例示
すれば表1の通りである。
【0016】
【表1】 また希土類元素系合金における亜、過共晶合金としては
以下のものを挙げることができる。各化学式において、
数値の単位は原子%である(これは以下同じ)。Nd60
Cu40合金、Nd80Cu20合金、Nd50Cu50合金、N
90Al10合金、Nd80Co20合金、Sm75Cu25
金、Sm65Cu35合金、La85Ga15合金。さらに三元
系合金としては、Nd65Fe5 Cu30合金(液相発生温
度510℃)およびNd70Cu25Al5 合金(液相発生
温度517℃)を挙げることができる。
【0017】接合材を構成する希土類元素系合金におい
て、前記のように特定された合金元素AEを特定量含有
させると、加熱下において希土類元素と合金元素AEと
が共晶反応を生じるため、接合材が液相を生じる温度、
したがって液相状態または固液共存状態となる温度は比
較的低くなる。これにより、接合時における永久磁石お
よび異材種部材の特性変化を回避することができる。
【0018】また希土類元素を主成分とする接合材より
生じた液相は高活性であって、永久磁石および種々の材
質の異材種部材に対して優れた濡れ性を発揮する。この
ような接合材を用いることによって、永久磁石と異材種
部材とをその接合材より形成された接合層を介して強固
に接合することができる。
【0019】防錆処理においては、接合層が金属質であ
って、処理剤や温度等の処理条件に関する制約が少ない
ので、電気メッキ処理、気相メッキ処理等の各種処理を
容易に適用することが可能である。防錆材において、電
気メッキ処理の場合はNiが用いられ、また気相メッキ
処理である真空蒸着、イオンプレーティング、スパッタ
リングの場合はAl、Ti、Au、Cr、NiまたはT
iNが用いられる。
【0020】〔実施例1〕純度99.9%のNdと純度
99.9%のCuとを、図1に示すように共晶組成を有
するNd70Cu30合金が得られるように秤量し、次いで
その秤量物を真空溶解炉を用いて溶解し、その後、縦1
0mm、横10mm、長さ50mmのインゴットを鋳造した。
このインゴットにマイクロカッタによる切断加工を施し
て、Nd70Cu30合金よりなり、且つ縦10mm、横10
mm、厚さ0.5mmの薄板状接合材を得た。
【0021】永久磁石として、縦10mm、横10mm、厚
さ3mmのNdFeB系永久磁石(住友特殊金属社製、商
品名NEOMAX−28UH)を選定し、また異材種部
材として、炭素鋼(JIS S25C)よりなり、且つ
縦10mm、横10mm、長さ15mmの短柱体を選定した。
【0022】図2に示すように、1つの短柱体1の上に
1つの接合材2を、また接合材2の上に永久磁石3を、
さらに永久磁石3の上にもう1つの接合材2を、さらに
また接合材2の上にもう1つの短柱体1をそれぞれ重ね
合せて重ね合せ物を作製し、同様の手順で合計10個の
重ね合せ物を作製した。次いで、これら重ね合せ物を真
空加熱炉内に設置して、加熱温度T=530℃、加熱時
間t=30分間の加熱工程、それに次ぐ炉冷よりなる接
合処理を行って、図3に示すように2つの短柱体1によ
り永久磁石3を挟むようにそれら1,3を接合材2より
形成された接合層4を介して接合した10個の接合体5
を得た。この接合処理においては、加熱温度TがT=5
30℃であって、図1に示す共晶点520℃を超えてい
るので、接合材2は共晶組成を有することから液相状態
となる。
【0023】その後、各接合体5に電気Niメッキ処理
を施して、図4に示すようにその接合体5の全表面に、
Niよりなり、且つ厚さ約10μmの防錆膜6を形成し
た。電気Niメッキ処理条件は、メッキ浴組成:硫酸ニ
ッケル240g/リットル、塩化ニッケル45g/リッ
トル、ホウ酸30g/リットル;メッキ浴pH:4.
5;メッキ浴温度:45℃;電流密度:3A/dm2 であ
る。
【0024】比較のため、前記同様の永久磁石3に前記
と同一条件にて電気Niメッキ処理を施し、永久磁石3
の全表面に、Niよりなり、且つ厚さ約10μmの防錆
膜を形成した。そして防錆膜付永久磁石3と前記同様の
2つの短柱体1とをエポキシ樹脂系接着剤(日本チバガ
イギ社製、商品名アラルダイト)を介し重ね合せて前記
同様の重ね合せ物を作製し、同様の手順で合計10個の
重ね合せ物を作製した。次いで、これら重ね合せ物を乾
燥炉内に設置して、加熱温度200℃、加熱時間60分
間の加熱工程、それに次ぐ炉冷よりなる接合処理を行っ
て、2つの短柱体1と防錆膜付永久磁石3とをエポキシ
樹脂系接着剤より形成された接着層を介して接合した前
記同様の10個の接合体を得た。
【0025】接合材2を用いた各接合体5から引張り試
験用試験片Aを作製し、またエポキシ樹脂系接着剤を用
いた各接合体から同様の引張り試験用試験片Bを作製し
た。次いで、各試験片A,Bについて室温下で引張り試
験を行ったところ、表2の結果を得た。
【0026】
【表2】 表2から明らかなように、接合材2を用いた試験片A
は、接合処理後に電気Niメッキ処理を行っても、その
接合材2より形成された接合層4に何等影響を与えるこ
とがないので、高い接合強度を有し、またそのばらつき
も小さい。これに対し、エポキシ樹脂系接着剤を用いた
試験片Bは、接合処理前に電気Niメッキ処理を行って
いることから、その防錆膜が引張り試験中に永久磁石か
ら容易に剥離し、したがって接合強度が低くなる。な
お、防錆膜を持たない永久磁石3を短柱体1にエポキシ
樹脂系接着剤を用いて接合した場合の引張強さは1.5
kgf/mm2 であって、試験片Aの2分の1以下となる。
【0027】NdFeB系永久磁石、SmCo系永久磁
石等の希土類元素を含む永久磁石3は、接合処理時の加
熱温度TがT>650℃になると、その磁気特性、特に
保磁力 IC (磁化の強さI=0)が低下傾向となる。
ただし、残留磁束密度Brおよび保磁力 BC (磁束密
度B=0)は殆ど変わらず、したがって最大磁気エネル
ギ積(BH)maxは略一定である。前記接合材2を用
いた接合処理において、その加熱温度TはT=530℃
であってT≦650℃であるから、永久磁石3の磁気特
性を変化させるようなことはない。
【0028】また前記永久磁石3の濡れ性の悪さは、そ
の結晶粒界に希土類元素濃度、この実施例ではNd濃度
の高い相が存在していることに起因する。前記接合材2
を用いた接合処理において、その接合材2は液相状態と
なっており、Ndを主成分とするNd70Cu30合金より
生じた液相は、高活性であると共に前記結晶粒界に存す
るNd濃度の高い相と主成分を共通にすることから永久
磁石3に対して優れた濡れ性を発揮し、また前記高活性
化に伴い炭素鋼よりなる短柱体1に対する濡れ性も極め
て良好である。
【0029】したがって、前記のような接合材2を用い
ることによって、永久磁石3の磁気特性を損うことな
く、その永久磁石3と短柱体1とを強固に接合すること
ができる。
【0030】また接合材2を用いた防錆膜6付接合体5
について、それを、60℃、相対湿度90%の環境に3
0日間保持する耐食試験を行ったところ、Al製防錆膜
6が耐食性を発揮することから永久磁石3に錆の発生は
全然認められなかった。 〔実施例2〕異材種部材として、図5,6に示すように
厚さ0.3mmの冷間圧延鋼板から打抜かれた複数のセグ
メント7よりなる円筒状成層鉄心(積層体)8を選定し
た。各セグメント7は図に省略したかしめ手段により接
合されている。この成層鉄心8はブラシレスモータにお
けるロータに用いられるもので、外周面にその母線方向
に延びる複数の溝9を有する。各溝9は永久磁石を接合
するために用いられるもので、幅20mm、深さ1mm、長
さ100mmである。
【0031】実施例1同様の、共晶組成を有するNd70
Cu30合金インゴットにマイクロカッタによる切断加工
を施して、Nd70Cu30合金よりなり、且つ縦100m
m、横20mm、厚さ0.3mmの薄板状接合材2を得た。
【0032】また永久磁石3として、縦100mm、横2
0mm、厚さ6mmのNdFeB系永久磁石(住友特殊金属
社製、商品名NEOMAX−28UH)を選定した。
【0033】図7に示すように、成層鉄心8の各溝9に
接合材2および永久磁石3を、接合材2、永久磁石3の
順に嵌合し、次いで成層鉄心8に耐熱性バンド10を巻
着して、そのバンド10により各永久磁石3および接合
材2を成層鉄心8に固定した。その後、成層鉄心8を真
空加熱炉内に設置して、加熱温度T=530℃、加熱時
間t=20分間の加熱工程、それに次ぐ炉冷よりなる接
合処理を行って、図8に示すように各永久磁石3を接合
材2より形成された接合層4を介して成層鉄心8に接合
した接合体5を得た。
【0034】さらに、接合体5にイオンプレーティング
を施して、図9に示すようにその接合体5の全表面に、
Alよりなり、且つ厚さ約10μmの防錆膜6を形成し
た。イオンプレーティングの条件は、電源電圧3kV、
Ar雰囲気10-3Torr、Alインゴットの純度99.9
%、Alインゴットの加熱温度1300℃である。
【0035】実施例1同様に、防錆膜6付接合体5につ
いて、それを、60℃、相対湿度90%の環境に30日
間保持する耐食試験を行ったところ、Al製防錆膜6が
耐食性を発揮することから各永久磁石3に錆の発生は全
然認められなかった。
【0036】また防錆膜6付接合体5は実施例1同様の
高い接合強度を有し、これは回転数が10000rpm 以
上である高速回転ブラシレスモータの実現を可能にする
ものである。
【0037】比較のため、前記同様の永久磁石3を前記
同様の成層鉄心8にエポキシ樹脂系接着剤(日本チバガ
イギ社製、商品名アラルダイト)を介し前記同様の手段
により固定し、次いで、成層鉄心8を乾燥炉内に設置し
て、加熱温度200℃、加熱時間60分間の加熱工程、
それに次ぐ炉冷よりなる接合処理を行って、各永久磁石
3をエポキシ樹脂系接着剤より形成された接着層を介し
て成層鉄心8に接合した接合体を得た。
【0038】この接合体に、前記と同一条件にてAlイ
オンプレーティングを施したところ、接着層、したがっ
てエポキシ樹脂系接着剤が熱分解し、その結果、永久磁
石3が成層鉄心8より脱落した。また接合体に電気Ni
メッキ処理を施したところ、メッキ浴とエポキシ樹脂接
着剤とが反応するため前記同様に永久磁石3が成層鉄心
8から脱落した。 〔実施例3〕実施例2同様に、異材種部材として、図
5,6に示すように厚さ0.3mmの冷間圧延鋼板から打
抜かれた複数のセグメント7よりなる円筒状成層鉄心8
を選定した。外周面母線方向に延びる各溝9は実施例2
同様に永久磁石3を接合するために用いられるもので、
幅20mm、深さ1mm、長さ100mmである。
【0039】Nd70Cu25Al5 合金インゴットを、幅
0.2mm、長さ20mmの噴出口を持つ石英ノズル内に投
入して溶解し、次いで約650℃の溶湯を噴出圧1kgf
/cm 2 にて、回転するCuロール外周面に噴出して幅2
0mm、厚さ0.04mmの長尺薄帯を得た。その後、長尺
薄帯をはさみを用いて裁断し、縦100mm、横20mm、
厚さ0.04mmの極薄板状接合材2を得た。
【0040】また永久磁石3として、実施例2同様に縦
100mm、横20mm、厚さ6mmのNdFeB系永久磁石
(住友特殊金属社製、商品名NEOMAX−28UH)
を選定した。
【0041】図7に示すように、成層鉄心8の各溝9に
接合材2および永久磁石3を、接合材2、永久磁石3の
順に嵌合し、次いで成層鉄心8に耐熱性バンド10を巻
着して、そのバンド10により各永久磁石3および接合
材2を成層鉄心8に固定した。その後、成層鉄心8を真
空加熱炉内に設置して、加熱温度T=520℃、加熱時
間t=5分間の加熱工程、それに次ぐ炉冷よりなる接合
処理を行って、図8に示すように各永久磁石3を接合材
2より形成された接合層4を介して成層鉄心8に接合し
た接合体5を得た。
【0042】さらに、接合体5にイオンプレーティング
を施して、図9に示すようにその接合体5の全表面に、
Alよりなり、且つ厚さ約10μmの防錆膜6を形成し
た。イオンプレーティングの条件は、実施例2同様に、
電源電圧3kV、Ar雰囲気10-3Torr、Alインゴッ
トの純度99.9%、Alインゴットの加熱温度130
0℃である。
【0043】実施例2同様に、防錆膜6付接合体5につ
いて、それを、60℃、相対湿度90%の環境に30日
間保持する耐食試験を行ったところ、Al製防錆膜6が
耐食性を発揮することから各永久磁石3に錆の発生は全
然認められなかった。
【0044】また防錆膜6付接合体5は実施例1同様の
高い接合強度を有し、これは、実施例2同様に、回転数
が10000rpm 以上である高速回転ブラシレスモータ
の実現を可能にするものである。
【0045】
【発明の効果】本発明によれば、前記のように特定され
た接合材を用いることによって永久磁石と異材種部材と
を強固に加熱接合することができる。
【0046】また、前記接合材より形成された接合層は
金属質であって処理条件に関する制約が少ないので防錆
処理を容易に適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】Cu−Nd系状態図の要部を示す。
【図2】永久磁石、短柱体および接合材の重ね合せ関係
を示す斜視図である。
【図3】接合体の斜視図である。
【図4】防錆膜を形成された接合体の要部破断部分斜視
図である。
【図5】成層鉄心の端面図で、図6の5−5矢視図に相
当する。
【図6】図5の6−6線断面図である。
【図7】永久磁石、成層鉄心および接合材の重ね合せ関
係を示す拡大部分端面図である。
【図8】接合体の拡大部分端面図である。
【図9】防錆膜を形成された接合体の要部破断端面図で
ある。
【符号の説明】
1 短柱体(異材種部材) 2 接合材 3 永久磁石 4 接合層 5 接合体 6 防錆膜 8 成層鉄心(異材種部材、積層体)
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成7年2月28日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0016
【補正方法】変更
【補正内容】
【0016】
【表1】 また希土類元素系合金における亜、過共晶合金としては
以下のものを挙げることができる。各化学式において、
数値の単位は原子%である(これは以下同じ)。Nd60
Cu40合金、Nd80Cu20合金、Nd50Cu50合金、N
90Al10合金、Nd80Co20合金、Sm75Cu25
金、Sm65Cu35合金、La85Ga15合金。さらに三元
系合金としては、Nd65Fe5 Cu30合金(液相発生温
501℃)およびNd70Cu25Al5 合金(液相発生
温度474℃)を挙げることができる。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 合金元素AEとしてCu、Al、Ga、
    Co、Fe、Ag、Ni、Au、Mn、Zn、Pd、S
    n、Sb、Pb、Bi、CdおよびInから選択される
    少なくとも一種を5原子%≦AE≦50原子%含有する
    希土類元素系合金より構成された接合材(2)を、永久
    磁石(3)と異材種部材(1,8)との間に介在させる
    工程と、前記接合材(2)を加熱してその接合材(2)
    より液相を生じさせることにより接合層(4)を形成す
    ると共にその接合層(4)を介し前記永久磁石(3)と
    異材種部材(1,8)とを接合して接合体(5)を得る
    工程と、前記接合体(5)の前記永久磁石(3)に防錆
    処理を施す工程と、を用いることを特徴とする、防錆能
    を備えた永久磁石と異材種部材とよりなる接合体の製造
    方法。
  2. 【請求項2】 前記異材種部材は鋼板よりなる積層体
    (8)である、請求項1記載の防錆能を備えた永久磁石
    と異材種部材とよりなる接合体の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記防錆処理に用いられる防錆材はA
    l、Ni、Cr、Ti、AuおよびTiNから選択され
    る一種である、請求項1または2記載の防錆能を備えた
    永久磁石と異材種部材とよりなる接合体の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記防錆処理は気相メッキ処理または電
    気メッキ処理の一方である、請求項3記載の防錆能を備
    えた永久磁石と異材種部材とよりなる接合体の製造方
    法。
  5. 【請求項5】 前記異材種部材は、回転電機のロータ用
    成層鉄心(8)である、請求項1,2,3または4記載
    の防錆能を備えた永久磁石と異材種部材とよりなる接合
    体の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN105081498A (zh) * 2015-09-09 2015-11-25 钢铁研究总院 一种烧结SmCo永磁体焊接方法
CN106736003A (zh) * 2016-12-15 2017-05-31 常熟市华银焊料有限公司 低熔点低镉银钎料

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