JP3759198B2 - 被接合部材の接合方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は被接合部材の接合方法、特に、両被接合部材間にろう材を介在させ、次いでそのろう材を加熱して両被接合部材を接合する接合方法の改に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば、希土類元素を含む永久磁石は、非常に脆いため機械加工性が悪く、また高温下に曝されると、金属組織が変化するためそれに伴い磁気特性が影響を受ける、といった性質を有する。
【0003】
そのため、モータ用ロータにおいて、鋼製ロータ本体に永久磁石を取付ける場合、あり差し構造、ねじ止め、溶接等の取付手段を採用することができないので、従来は接着剤が用いられている(例えば、特公昭61−33339号公報参照)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、接着剤を用いると、永久磁石の濡れ性が悪いため接合強度が低く、また温度上昇に伴いその接合強度が著しく低下する、といった問題を生ずる。このような状況下ではモータの高速回転化の要請に到底対応することはできない。
【0005】
本発明は前記に鑑み、両被接合部材を強固に接合し、且つ後処理を不要にし得る前記接合方を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、両被接合部材間にろう材を介在させ、次いで前記ろう材を加熱して両被接合部材を接合するに当り、前記ろう材は、希土類元素REと他の成分元素E L とからなる合金であって、包晶組織および共晶組織の一方の金属組織を有し且つその金属組織には少なくとも一種の金属間化合物が含まれており、前記希土類元素REの含有量が33.3原子%<RE<50原子%であると共に前記他の成分元素EL の含有量が50原子%≦EL ≦66.7原子%であり、前記成分元素EL はCu、Co、FeおよびNiから選択される少なくとも一種であり、前記加熱下で前記ろう材を、固相と液相とが共存する固液共存状態にすることを特徴とする。
【0007】
【作 用】
前記接合方法において、前記組成のろう材を加熱下で固相と液相とが共存する固液共存状態にすると、希土類元素REを含む液相が高活性であることから、種種の材質の被接合部材に対して優れた濡れ性を発揮し、またろう材が優れた耐酸化性を有することもあって、ろう材よりなる接合層を介して両被接合部材が強固に接合される。この場合、各被接合部材と接合層との間には相互拡散が生じている。また前記組成のろう材は比較的低い加熱温度で固液共存状態になるので、加熱による両被接合部材の特性への影響は回避される。 さらに、ろう材は接合処理時に固液共存状態にあって高粘度であるから、両被接合部材間から食出すことがなく、これにより、食出し部分または食出して垂下がった部分をグラインダ等を用いて除去する、といった後処理は不要となる。
【0008】
例えば、一方の被接合部材が脆い場合、両被接合部材間から食出したろう材が前記一方の被接合部材の外面に玉状になって付着すると、その一方の被接合部材にはろう材付着部を起点として割れが生じるが、この問題は、前記のようにろう材の食出しが防止されることから回避される。
【0009】
ただし、ろう材において、希土類元素REの含有量がRE<33.3原子%では、ろう材の液相発生温度が高くなりすぎるため好ましくなく、一方、RE>50原子%では、保管時および接合処理時ならびに接合処理後において、ろう材およびそのろう材よりなる接合層が酸化することがあるので好ましくない。その上、高価な希土類元素REの含有量が多くなるので、ろう材の製造コストの上昇を招く。
【0010】
また成分元素EL の含有量がEL <50原子%であるか、EL >66.7原子%であると、33.3原子%<RE<50原子%の要件を満足することができない。
【0011】
前記ろう材において、その組成を前記のように設定する理由は既述の通りである。したがって、このろう材は優れた濡れ性と耐酸化性を有する。
【0012】
NdFeB系永久磁石、SmCo系永久磁石等の希土類元素を含む永久磁石の濡れ性の悪さは、その結晶粒界に希土類元素濃度の高い相が存在していることに起因する。前記ろう材より生じた液相は、高活性であると共に前記結晶粒界に存する希土類元素濃度の高い相と同種の成分REを含有することから永久磁石に対して優れた濡れ性を発揮する。したがって、前記ろう材は、希土類元素を含む永久磁石の接合に好適である。
【0013】
【実施例】
図1に示す接合体1においては、一方の被接合部材が、NdFeB系永久磁石、SmCo系永久磁石等の希土類元素を含む永久磁石2であり、他方の被接合部材が、冷間圧延鋼板3を積層してかしめ手段4により一体化した2つの積層体5である。
【0014】
永久磁石2と各積層体5との間に加熱工程を経て形成された接合層6が存在する。各接合層6はろう材を前記加熱工程で固液共存状態にすることにより形成される。なお、各積層体5に存する貫通孔7は引張り試験においてチャックとの連結に用いられる。
【0015】
ろう材は、希土類元素REの含有量が33.3原子%<RE<50原子%であり、また他の成分元素EL の含有量が50原子%≦EL ≦66.7原子%である合金よりなる。
【0016】
希土類元素REには、Y、La、Ce、Pr、Nd、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、YbおよびLuから選択される少なくとも一種が該当し、それらは単体、または混合物であるMm(ミッシュメタル)、Di(ジジミウム)の形態で用いられる。また成分元素EL には、Cu、Co、FeおよびNiから選択される少なくとも一種が該当する。
【0017】
前記組成を有するろう材は、金属組織上、包晶組織および共晶組織の一方を有していてその組織には少なくとも一種の金属間化合物が含まれ
【0018】
表1,2は、各種ろう材の合金系、組成、液相発生温度Tmおよび液相発生反応を示す。両表中、「L」は液相を意味し、これは以下同じである。
【0019】
【表1】
Figure 0003759198
【0020】
【表2】
Figure 0003759198
【0021】
表1のNd−Co系合金よりなるろう材において、Nd含有量が40原子%であるものはCo3 Nd2 単相組織を有する。
【0022】
その他のろう材としては、例えばNd含有量が33.3原子%<Nd<50原子%であるNd−Cu系合金よりなるものを挙げることができる。この場合の液相発生温度TmはTm=675℃であり、また液相発生反応は、CuNd→Cu2 Nd+L(包晶タイプ)である。
【0023】
ろう材の製造に当っては、インゴットを鋳造し、次いでそのインゴットから薄板状ろう材を切出す方法、液体急冷法である単ロール法を適用して薄帯を製造し、次いでその薄帯から箔状ろう材を切出す方法等が適用される。ろう材の生産性向上の観点からは単ロール法が優れている。この単ロール法によれば、耐酸化性の良好な非晶質ろう材を得ることが可能であるが、前記組成のろう材は、もともと優れた耐酸化性を有するので、非晶質である必要はない。
【0024】
永久磁石2と各積層体5との接合に当っては、図2に示すように、1つの積層体5の上向きの接合面b上に1つのろう材8を、またろう材8の上に一方の接合面aを下向きにした永久磁石2を、さらに永久磁石2の上向きの他方の接合面a上にもう1つのろう材8を、さらにまたろう材8の上にもう1つの積層体5を、その接合面bを下向きにしてそれぞれ重ね合せて重ね合せ物を作製し、次いで、その重ね合せ物を真空加熱炉内に設置して、加熱下でろう材8を固液共存状態にし、その後炉冷する、といった方法が採用される。
【0025】
前記接合方法において、前記組成のろう材8を加熱下で固液共存状態にすると、希土類元素REを含む液相が高活性であることから、永久磁石2および各積層体5に対して優れた濡れ性を発揮し、またろう材8が優れた耐酸化性を有することもあって、ろう材8よりなる接合層6を介して永久磁石2と各積層体5とが強固に接合される。この場合、永久磁石2および各積層体5と、接合層6との間には相互拡散が生じている。
【0026】
NdFeB系永久磁石、SmCo系永久磁石等の希土類元素を含む永久磁石2は、接合処理時の加熱温度TがT>650℃になると、その磁気特性、特に、着磁後の保磁力 IC (磁化の強さI=0)が低下傾向となる。ただし、残留磁束密度Brおよび保磁力 BC (磁束密度B=0)は殆ど変わらず、したがって最大磁気エネルギ積(BH)maxは略一定である。表1,2に示したろう材8はその液相発生温度TmがTm≦650℃であって加熱温度T≦650℃で液相を発生して固液共存状態になるので、接合処理時において永久磁石2の磁気特性に影響を及ぼすことはない。これは積層体5の特性についても同様である。
【0027】
またろう材8は接合処理時に固液共存状態にあって高粘度であるから、永久磁石2および各積層体5間から食出すことがなく、これにより、食出し部分または食出して垂下がった部分をグラインダ等を用いて除去する、といった後処理は不要となり、またろう材8の食出しに起因した永久磁石2の割れ発生を回避することができる。
【0028】
接合処理における加熱時間hは、それが長過ぎる場合には永久磁石2等の特性に影響を与えるので、h≦10時間であることが望ましく、生産性向上の観点からはh≦1時間である。
【0029】
なお、永久磁石2に対する着磁処理は前記接合処理後に行われる。
〔実施例1〕
純度99.9%のCeと純度99.9%のCuとを、Ce40Cu60合金(数値の単位は原子%、これは、ろう材組成において以下同じである。)が得られるように秤量し、次いでその秤量物を真空溶解炉を用いて溶解し、その後、縦10mm、横10mm、長さ50mmのインゴットを鋳造した。このインゴットにマイクロカッタによる切断加工を施して、Ce40Cu60合金よりなり、且つ縦10mm、横10mm、厚さ0.5mmの薄板状ろう材8を得た。図3に示すように、Ce40Cu60合金は包晶組織を備え、その包晶組織はCu2 Ce相をCuCe相で包んだ形態を有する。この場合、包晶点は516℃である。このろう材8は、大気中に放置しても変色せず、したがって優れた耐酸化性を有する。
【0030】
一方の被接合部材として、縦10mm、横10mm、厚さ3mmのNdFeB系永久磁石(住友特殊金属社製、商品名NEOMAX−28UH、キュリー点310℃)2を選定し、また他方の被接合部材として、厚さ0.3mmの冷間圧延鋼板3を積層してなり、且つ縦10mm、横10mm、長さ15mmの積層体5を選定した。
【0031】
図2に示すように、1つの永久磁石2と、2つの積層体5と、2つのろう材8とを重ね合せて重ね合せ物を作製し、同様の方法で合計20個の重ね合せ物を作製した。
【0032】
次いで、これら重ね合せ物を、真空度10-5Torrの真空加熱炉内に設置して、加熱温度T=530℃、加熱時間h=30分間の加熱工程、それに次ぐ炉冷よりなる接合処理を行って、図1に示すように各積層体5と永久磁石2とをそれぞれ接合層6を介して接合した20個の接合体1を得た。これらの接合体1を例1とする。
【0033】
この接合処理においては、加熱温度TがT=530℃であって、図3に示す包晶点(液相発生温度Tm)516℃を超えているので、ろう材8は液相発生反応、即ち、表1に示したように、CuCe→Cu2 Ce+Lを生じて固液共存状態となる。
【0034】
この加熱温度T=530℃における固相と液相との割合は、図3に示すようにCu2 Ce:L=d:cであり、また液相の組成はCe59Cu41であって、Ce濃度が高いことから高活性である。
【0035】
各接合体1において、永久磁石2および各積層体5間からのろう材8の食出しは生じていなかった。また接合体1を大気中に放置しても接合層6の変色、したがって酸化は認められなかった。
【0036】
前記Ce40Cu60合金よりなるろう材8を用いた場合、図3に示すように包晶点516℃で液相を生じるので、加熱温度TをT≧516℃に設定することにより、永久磁石2と各積層体5との接合が可能である。このときの液相の組成はCe60Cu40である。
【0037】
加熱温度Tの上昇に伴い液相量が増し、例えば加熱温度Tの上限値であるT=650℃では液相量は全ろう材量の略3分の1となる。このときの液相の組成はCe52Cu48である。
【0038】
比較のため、前記同様の1つのNdFeB系永久磁石2と、前記同様の2つの積層体5と、2層のエポキシ樹脂系接着剤(日本チバガイギ社製、商品名アラルダイト)とよりなる前記同様の重ね合せ物を合計10個作製した。次いで、これら重ね合せ物を乾燥炉内に設置して、加熱温度200℃、加熱時間60分間の加熱工程、それに次ぐ炉冷よりなる接合処理を行って、各積層体5と永久磁石2とをそれぞれエポキシ樹脂系接着剤を介して接合した前記同様の10個の接合体を得た。これらの接合体を例2とする。
【0039】
接合処理直後において、接合体の例1,2の各10個について室温下で引張り試験を行い、また接合処理から1ケ月経過後において、接合体の例1の残りの10個について室温下で引張り試験を行ったところ、表3の結果を得た。なお、表3の引張強さは平均値であり、これは以下同じである。
【0040】
【表3】
Figure 0003759198
【0041】
表3から明らかなように、ろう材8を用いた例1は、エポキシ樹脂系接着剤を用いた例2に比べて接合強度が高く、その接合強度は150℃の加熱下においても殆ど変わらず、またそのばらつきも小さかった。例2は室温下における接合強度が低い上にそのばらつきが大きく、また150℃の加熱下ではその接合強度が室温下のそれの3分の1に低下することが判明した。
【0042】
さらに例1の場合、1ケ月経過後においても、その接合強度に変化は見られない。これは接合層6、したがってろう材8が優れた耐酸化性を有することに起因する。
【0043】
次に、接合処理における真空加熱炉の真空度を10-1Torrに設定した以外は前記と同様の方法で、前記接合体の例1に対応する接合体1の例1aを得た。例1aの総数は10個である。
【0044】
接合処理直後において、接合体1の例1aについて室温下で引張り試験を行ったところ、その引張強さは2.7kgf/mm2 であって、例1aは表3の例1に示した、真空度10-5Torrの場合と略同等の接合強度を有することが判明した。これは、ろう材8が優れた耐酸化性を有することに起因する。
〔実施例2〕
純度99.9%のCeと純度99.9%のCoとを、Ce40Co60合金が得られるように秤量し、次いでその秤量物を真空溶解炉を用いて溶解し、その後、縦10mm、横10mm、長さ50mmのインゴットを鋳造した。このインゴットにマイクロカッタによる切断加工を施して、Ce40Co60合金よりなり、且つ縦10mm、横10mm、厚さ0.5mmの薄板状ろう材8を得た。図4に示すように、Ce40Co60合金は共晶組織を有し、その共晶組織はCo2 Ce相とCoCe3 相とよりなる。この場合、共晶点は440℃である。このろう材8は、大気中に放置しても変色せず、したがって優れた耐酸化性を有する。
【0045】
一方の被接合部材として、縦10mm、横10mm、厚さ3mmのNdFeB系永久磁石(住友特殊金属社製、商品名NEOMAX−28UH、キュリー点310℃)2を選定し、また他方の被接合部材として、厚さ0.3mmの冷間圧延鋼板3を積層してなり、且つ縦10mm、横10mm、長さ15mmの積層体5を選定した。
【0046】
図2に示すように、1つの永久磁石2と、2つの積層体5と、2つのろう材8とを重ね合せて重ね合せ物を作製し、同様の方法で合計20個の重ね合せ物を作製した。
【0047】
次いで、これら重ね合せ物を、真空度10-5Torrの真空加熱炉内に設置して、加熱温度T=460℃、加熱時間h=30分間の加熱工程、それに次ぐ炉冷よりなる接合処理を行って、図1に示すように各積層体5と永久磁石2とをそれぞれ接合層6を介して接合した20個の接合体1を得た。これらの接合体1を例1とする。
【0048】
この接合処理においては、加熱温度TがT=460℃であって、図4に示す共晶点(液相発生温度Tm)440℃を超えているので、ろう材8は液相発生反応、即ち、表2に示したようにCo2 Ce+CoCe3 →Lを生じて固液共存状態となる。
【0049】
この加熱温度T=460℃における固相と液相との割合は、図4に示すようにCo2 Ce:L=d:cであり、また液相の組成はCe67Co33であって、Ce濃度が高いことから高活性である。
【0050】
各接合体1において、永久磁石2および各積層体5間からのろう材8の食出しは生じていなかった。また接合体1を大気中に放置しても接合層6の変色、したがって酸化は認められなかった。
【0051】
前記Ce40Co60合金よりなるろう材8を用いた場合、図4に示すように共晶点440℃で液相を生じるので、加熱温度TをT≧440℃に設定することにより永久磁石2と各積層体5との接合が可能である。このときの液相の組成はCe68Co32である。
【0052】
加熱温度Tの上昇に伴い液相量が増し、例えば加熱温度Tの上限値であるT=650℃は液相量は全ろう材量の略4分の1となる。このときの液相の組成はCe59Co41である。
【0053】
接合処理直後において、接合体の例1の10個について室温下で引張り試験を行い、また接合処理から1ケ月経過後において、残りの10個について室温下で引張り試験を行ったところ、表4の結果を得た。
【0054】
【表4】
Figure 0003759198
【0055】
例1の場合、1ケ月経過後においても、その接合強度は接合処理直後と略同じである。これは接合層6、したがってろう材8が優れた耐酸化性を有することに起因する。
【0056】
次に、接合処理における真空加熱炉の真空度を10-1Torrに設定した以外は前記と同様の方法で、前記接合体1の例1に対応する接合体1の例1aを得た。例1aの総数は10個である。
【0057】
接合処理直後において、接合体1の例1aについて室温下で引張り試験を行ったところ、その引張強さは2.8kgf/mm2 であって、例1aは表4の例1に示した、真空度10-5Torrの場合に近似する接合強度を有することが判明した。これは、ろう材8が優れた耐酸化性を有することに起因する。
【0058】
図5,6は接合体1としてのモータ用ロータを示す。このロータ1は、成層鉄心よりなるロータ本体(被接合部材)9に、Ce40Cu60合金製ろう材を用いて複数のNdFeB系永久磁石2を接合したものである。回転軸10のスプライン軸部11はロータ本体9のスプライン孔12に圧入され、そのロータ本体9の一端部が回転軸10に溶接部13を介して接合される。
【0059】
このロータ1においては、それが10000rpm 以上で高速回転してもロータ本体9からの永久磁石2の脱落は皆無であった。
【0060】
なお、本発明は、希土類元素を含む永久磁石相互の接合にも適用される。
【0061】
【発明の効果】
発明によれば、ろう材の組成および接合処理時におけるろう材の状態を前記のように特定することによって、両被接合部材を強固に接合することができる。また両被接合部材間からろう材が食出すことがないので、食出し部分等の除去、といった後処理は不要である。さらに、例えば一方の被接合部材が脆い場合、前記食出し部分がその部材に付着することに起因したその部材の割れ発生、といった不具合も回避することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 接合体の斜視図である。
【図2】 永久磁石、ろう材および積層体の重ね合せ関係を示す斜視図である。
【図3】 Cu−Ce系状態図を示す。
【図4】 Co−Ce系状態図を示す。
【図5】 モータ用ロータの断面図で、図6の5−5線断面図に相当する。
【図6】 図5の6−6線断面図である。
【符号の説明】
1 接合体
2 永久磁石(被接合部材)
5 積層体(被接合部材)
8 ろう材

Claims (4)

  1. 両被接合部材(2,5)間にろう材(8)を介在させ、次いで前記ろう材(8)を加熱して両被接合部材(2,5)を接合するに当り、
    前記ろう材(8)は、希土類元素REと他の成分元素E L とからなる合金であって、包晶組織および共晶組織の一方の金属組織を有し且つその金属組織には少なくとも一種の金属間化合物が含まれており、前記希土類元素REの含有量が33.3原子%<RE<50原子%であると共に前記他の成分元素EL の含有量が50原子%≦EL ≦66.7原子%であり、前記成分元素EL はCu、Co、FeおよびNiから選択される少なくとも一種であり、前記加熱下で前記ろう材(8)を、固相と液相とが共存する固液共存状態にすることを特徴とする、被接合部材の接合方法。
  2. 前記両被接合部材(2,5)の少なくとも一方が希土類元素を含む永久磁石である、請求項1記載の被接合部材の接合方法。
  3. 接合処理時の加熱温度TがT≦650℃である、請求項1または2記載の被接合部材の接合方法。
  4. 前記ろう材の液相発生温度TmがTm≦650℃である、請求項1,2または3記載の被接合部材の接合方法。
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