JP3645078B2 - ポリウレタン系樹脂用難燃剤およびそれを含有する樹脂組成物 - Google Patents

ポリウレタン系樹脂用難燃剤およびそれを含有する樹脂組成物 Download PDF

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    • C07F9/6564Heterocyclic compounds, e.g. containing phosphorus as a ring hetero atom having phosphorus atoms, with or without nitrogen, oxygen, sulfur, selenium or tellurium atoms, as ring hetero atoms
    • C07F9/6571Heterocyclic compounds, e.g. containing phosphorus as a ring hetero atom having phosphorus atoms, with or without nitrogen, oxygen, sulfur, selenium or tellurium atoms, as ring hetero atoms having phosphorus and oxygen atoms as the only ring hetero atoms
    • C07F9/6574Esters of oxyacids of phosphorus
    • C07F9/65742Esters of oxyacids of phosphorus non-condensed with carbocyclic rings or heterocyclic rings or ring systems

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ポリウレタン系樹脂用難燃剤およびその用途に関する。さらに詳しくは、本発明は、ホスホリナン構造とヒドロキシル基とを併せもつ非ハロゲン系リン酸エステル化合物を含有するポリウレタン系樹脂用難燃剤および難燃性ポリウレタン系樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
ポリプロピレン樹脂、ポリスチレン樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン(ABS)樹脂などの熱可塑性樹脂、およびポリウレタン樹脂、フェノール樹脂などの熱硬化性樹脂は、比較的安価に製造でき、かつ成形が容易であるなどの優れた特性を有する。このため、電子部品や自動車部品をはじめ生活用品全般にわたり広く使用されている。しかし、これらの熱可塑性樹脂または熱硬化性樹脂(以下、樹脂と称す)は易燃性であるため、ひとたび火災が発生すると簡単に燃焼・消失する。特に、電気や通信ケーブルのような公共施設での火災は、社会機能に多大な影響を与える。
そこで、今日では電気製品、自動車の内装品、繊維製品などの樹脂の利用分野の一部では難燃化が法律で義務づけられている。この難燃規制としては、例えば米国の電気製品におけるUL規格、自動車関係におけるMVSS−302が知られている。
【0003】
樹脂に難燃性を付与するためには、一般に成形品の調製時に難燃剤を添加する方法が採用されている。難燃剤としては無機化合物、有機リン化合物、有機ハロゲン化合物、ハロゲン含有有機リン化合物などがある。
上記化合物のうち優れた難燃効果を発揮するのは、有機ハロゲン化合物およびハロゲン含有有機リン化合物などのハロゲン系化合物である。しかし、これらの化合物は、成形時に熱分解してハロゲン化水素を発生する。これにより成形金型の腐食、樹脂自体の劣化および着色などの問題が起こる。またハロゲン化水素は毒性を有するため、作業環境を悪化させるばかりでなく、火災のような燃焼に際して、ハロゲン化水素やダイオキシンのような有毒ガスが発生し、人体に悪影響を与える。
【0004】
また、ハロゲンを含まない難燃剤として水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウムなどの無機化合物がある。しかし、これらの無機化合物は難燃効果が著しく低く、充分な効果を得るためには多量に添加する必要があり、それにより樹脂本来の物性を低下させてしまう。
【0005】
そこで、ハロゲンを含まず、かつ比較的良好な難燃効果が得られる難燃剤として、有機リン化合物が汎用されている。代表的な有機リン化合物としては、トリフェニルホスフェート(TPP)、トリクレジルホスフェート(TCP)、クレジルジフェニルホスフェート(CDP)などの芳香族系リン化合物が挙げられる。これらは、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂などの各種エンジニアリング・プラスチックスの難燃剤として使用されている。
しかし、これらの有機リン化合物(特に、TPP)は難燃性を発現するリン含有率が低く、樹脂に難燃性を付与するためには、通常ハロゲン系化合物と併用される。また、例えば、TPPを単独で使用する場合には、TPPを多量に配合する必要があり、そのため樹脂本来の物性を低下させてしまうことがある。
【0006】
特開昭55−110175号公報には、樹脂に難燃性を付与する添加剤として、下記の化合物が記載されている。
【0007】
【化9】
Figure 0003645078
【0008】
また、特開平6−321974号公報には、樹脂に難燃性を付与する添加剤として、下記の化合物が記載されている。
【0009】
【化10】
Figure 0003645078
【0010】
しかし、上記化合物(IV)および(V)は固体であるため、樹脂、特にポリウレタンフォームの難燃剤として使用する場合、成形加工時に定量的な自動添加が困難である。また、予め原料であるポリオールに分散して使用する方法があるが、該化合物の沈降などによりその分散性は満足できるものではない。また、ポリウレタンフォームに対し充分に難燃性を付与するためには多量に配合する必要があり、これにより樹脂の物性を著しく低下させてしまう。
【0011】
さらに、特開昭58−117272号公報には、ポリ(オキシオルガノホスフェート/ホスホネート)からなる防炎剤が記載されている。この化合物はリン含有率(P%)が高く、難燃性に優れているが、耐熱性、耐加水分解性においては充分な性能を有しておらず、また樹脂本来の物性に悪影響を及ぼしたり、成形加工を困難にするなどの欠点を有する。
【0012】
さらにまた、特開昭57−125259号公報には、難燃剤ではないが、含ハロゲン樹脂に耐侯性および熱安定性を付与する安定剤として、下記の化合物(ラ)が記載されている。しかし、この公報には樹脂に対する難燃剤については記載されていない。
【0013】
【化11】
Figure 0003645078
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記のような先行技術の欠点を解決するものであり、各種樹脂に優れた難燃性を付与し得る難燃剤として使用することが可能であり、耐熱性に優れ、成形加工時の樹脂本来の物性の低下が極めて少ない、ハロゲンを含まない新規化合物およびその製造方法を提供することを課題とする。
また、本発明は、上記の新規化合物を含有する難燃剤、および上記の新規化合物と樹脂とを含有し、耐熱性および難燃性に優れ、持続的な難燃性を有し、かつ燃焼時に溶融した樹脂の滴下(ドリッピング)が生じることのない成形体を形成し得る難燃性樹脂組成物を提供することを課題とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは鋭意研究の結果、後述するような反応で得られるリン酸エステル化合物、特に下式のリン酸エステル化合物を樹脂に配合することにより、樹脂の物性を損なうことなく、樹脂に優れた耐熱性と難燃性を付与し得ることを見出した。さらに、該リン酸エステル化合物がハロゲン元素を含有しないため、ハロゲン化水素のような有害、有毒ガスの発生がなく、人体への影響や金型の腐食がなく、しかも樹脂の劣化がない成形体を形成し得ることを見出し、本発明を完成するに到った。
【0016】
かくして、本発明によれば、一般式(II):
【0017】
【化12】
Figure 0003645078
【0018】
(式中、R1 およびR2 は同一または異なって炭素数1〜8の直鎖状もしくは分枝鎖状のアルキル基、炭素数2〜8のアルケニル基、炭素数6〜12の置換されていてもよいアリール基、炭素数3〜12の脂環式炭化水素基または炭素数7〜12のアラルキル基)
で表される化合物と、一般式(III):
【0019】
【化13】
Figure 0003645078
【0020】
(式中、R3 およびR4 は同一または異なって水素原子または炭素数1〜8の直鎖状もしくは分枝鎖状のアルキル基)
で表される化合物の1種以上とを反応させて得られるリン酸エステル化合物を含有する難燃剤が提供される。
【0021】
また、本発明によれば、一般式(I):
【0022】
【化14】
Figure 0003645078
【0023】
(式中、R1 およびR2 は一般式(II)と同義、R3 およびR4 は一般式(III)と同義、xは1〜9の整数)
で表されるリン酸エステル化合物を含有する難燃剤が提供される。
【0024】
さらに、本発明によれば、熱可塑性樹脂または熱硬化性樹脂と上記のリン酸エステル化合物を含有する難燃性樹脂組成物が提供される。
【0025】
さらにまた、本発明によれば、一般式(II):
【0026】
【化15】
Figure 0003645078
【0027】
(式中、R1 およびR2 は前記と同義)
で表される化合物に、一般式(III):
【0028】
【化16】
Figure 0003645078
【0029】
(式中、R3 およびR4 は前記と同義)
で表される化合物を反応させて、一般式(I):
【0030】
【化17】
Figure 0003645078
【0031】
(式中、R1 、R2 、R3 、R4 およびxは前記と同義)
で表されるリン酸エステル化合物を得ることを特徴とするリン酸エステル化合物の製造方法が提供される。
【0032】
また、本発明によれば、一般式(I'):
【0033】
【化18】
Figure 0003645078
【0034】
(式中、R5 およびR6 は同一または異なって炭素数1〜8の直鎖状もしくは分枝鎖状のアルキル基、炭素数2〜8のアルケニル基、炭素数6〜12の置換されていてもよいアリール基、炭素数3〜12の脂環式炭化水素基または炭素数7〜12のアラルキル基、R7 およびR8 は同一または異なって水素原子または炭素数1〜8の直鎖状もしくは分枝鎖状のアルキル基、yは1〜9の整数、但し、R5 およびR6 がいずれもメチルで、かつR7 およびR8 が水素原子のときyは2ではない)
で表されるリン酸エステル化合物が提供される。
【0035】
さらに、本発明によれば、一般式(II):
【0036】
【化19】
Figure 0003645078
【0037】
(式中、R1 およびR2 は前記と同義)
で表されるリン酸エステル化合物への中間体が提供される。
【0038】
【発明の実施態様】
本発明の難燃剤に含有されるリン酸エステル化合物は、一般式(II)で表される化合物〔以下、化合物(II)と略す〕と、一般式(III)で表される化合物〔以下、化合物(III)と略す〕の1種以上とを反応させて得られるリン酸エステル化合物である。なお、上記の反応については、あとで詳しく述べる。
【0039】
上記の反応で得られるリン酸エステル化合物は、例えば、一般式(I)で表される。一般式(I)の置換基R1 およびR2 は、同一または異なって炭素数1〜8の直鎖状もしくは分枝鎖状のアルキル基、炭素数2〜8のアルケニル基、炭素数6〜12の置換されていてもよいアリール基、炭素数3〜12の脂環式炭化水素基または炭素数7〜12のアラルキル基、R3 およびR 4 は同一または異なって水素原子または炭素数1〜8の直鎖状もしくは分枝鎖状のアルキル基、xは1〜9の整数である。
【0040】
「炭素数1〜8の直鎖状もしくは分枝鎖状のアルキル基」としては、メチル、エチル、n-プロピル、n-ブチル、n-ペンチル、n-ヘキシル、n-ヘプチル、n-オクチルのような直鎖状のアルキル基、iso-プロピル、iso-ブチル、sec-ブチル、 tert-ブチル、iso-ペンチル、 tert-ペンチル、neo-ペンチル、iso-ヘキシル、メチルヘキシル、メチルヘプチル、ジメチルヘキシル、2−エチルヘキシルのような分枝鎖状のアルキル基が挙げられ、なかでもメチル、エチル、n-プロピル、n-ブチル、iso-プロピル、iso-ブチル、sec-ブチルまたは tert-ブチルなどの低級アルキル基が好ましく、メチルまたはエチルが特に好ましい。
【0041】
「炭素数2〜8のアルケニル基」としては、例えば、ビニル、アリル、イソプロペニル、ブテニル、ペンテニル、ヘキセニル、ヘプテニルおよびオクテニルなどが挙げられ、なかでもアリルが特に好ましい。
「炭素数6〜12の置換されていてもよいアリール基」としては、フェニル、(o−、m−、p−)クレジル、(o−、m−、p−)トリル、(2,3-、2,4-、2,5-、2,6-、3,4-、3,5-)キシリル、メシチル、トリメチルフェニル、エチルフェニル、プロピルフェニル、ブチルフェニル、ニトロフェニル、メトキシフェニルおよびナフチルなどが挙げられ、なかでもフェニル、クレジルまたはキシリルが特に好ましい。
【0042】
「炭素数3〜12の脂環式炭化水素基」には、飽和脂環式炭化水素基と不飽和脂環式炭化水素基が含まれ、飽和脂環式炭化水素基が好ましい。飽和脂環式炭化水素基の好ましい例としては、シクロペンチル、シクロヘキシルおよびシクロヘプチルなどが挙げられ、なかでもシクロヘキシルが特に好ましい。
「炭素数7〜12のアラルキル基」の好ましいものとしては、ベンジルおよびフェネチルなどが挙げられ、なかでもベンジルが特に好ましい。
【0043】
一般式(I)の置換基R3 およびR4 は、同一または異なって水素原子または炭素数1〜8の直鎖状もしくは分枝鎖状のアルキル基であり、「炭素数1〜8の直鎖状もしくは分枝鎖状のアルキル基」としては、置換基R1 およびR2 と同様のものが挙げられる。置換基R3 およびR 4 としては、水素原子、メチル、エチル、n-プロピル、n-ブチル、iso-プロピル、iso-ブチル、sec-ブチルまたは tert-ブチルが好ましく、水素原子、メチルまたはエチルが特に好ましい。
【0044】
一般式(I)のxは、括弧内の構成要素の繰り返し単位を表し、具体的には1〜9、好ましくは1〜5、より好ましくは1〜2の整数である。
一般式(I)のリン酸エステル化合物は、異なった繰り返し単位を有する化合物の混合物であってもよく、この場合のxは平均値として表される。
【0045】
一般式(I)で表されるリン酸エステル化合物の好ましい例としては、以下に示す化合物(ア)〜(ラ)が挙げられ、なかでも化合物(ア)〜(タ)、(ヌ)〜(マ)および化合物(ラ)を好適に用いることができる。また、これらの化合物は1種もしくは2種以上の混合物であってもよい。
【0046】
【化20】
Figure 0003645078
【0047】
【化21】
Figure 0003645078
【0048】
【化22】
Figure 0003645078
【0049】
一般式(I)で表される化合物のなかでも、一般式(I')で表される化合物は新規であり、具体的には上記の例示化合物(ア)〜(ヨ)が該当する。一般式(I')の置換基R5 、R6 、R7 、R8 およびyは、一般式(I)のR1 、R2 、R3 、R4 およびxとそれぞれ同義である。但し、R5 およびR6 がいずれもメチルで、かつR7 およびR8 が水素原子のときyは2ではない。
【0050】
本発明のリン酸エステル化合物は、一般式(II)で表される化合物に、一般式(III)で表される化合物を反応させることにより製造することができる。
【0051】
化合物(II)を表す一般式において、置換基R1 およびR2 は一般式(I)と同義であり、好ましくはメチル、エチル、n-プロピル、n-ブチル、iso-プロピル、iso-ブチル、sec-ブチルまたは tert-ブチルであり、より好ましくはメチルまたはエチルである。
【0052】
化合物(II)は新規化合物であり、オキシハロゲン化リンとジオール系化合物とを等モルで有機溶媒中で反応させ、得られた反応混合物に、オキシハロゲン化リン1モルに対して2モルの水を添加し、約50〜100℃で0.5〜6時間、加水分解することにより得ることができる。
【0053】
ここで使用されるオキシハロゲン化リンとしては、オキシ塩化リン、オキシ臭化リン等が挙げられるが、扱い易さ、入手し易さなどの点でオキシ塩化リンが好ましい。
また、ジオール系化合物しては、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオール、2,2−ジブチル−1,3−プロパンジオール、2−エチル−2−ブチル−1,3−プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、2,2−ジ−n-ペンチル−1,3−プロパンジオール、2,2−ジ−n-オクチル−1,3−プロパンジオール、2,2−ジフェニル−1,3−プロパンジオール、2,2−ジ(2,6−ジメチルフェニル)−1,3−プロパンジオール、2,2−ジシクロヘキシル−1,3−プロパンジオール、2,2−ジアリル−1,3−プロパンジオールおよび2,2−ジベンジル−1,3−プロパンジオールなどが挙げられるが、価格面や入手し易さの点で2−エチル−2−ブチル−1,3−プロパンジオールまたはネオペンチルグリコールが特に好ましい。
【0054】
もう一方の原料化合物(III)を表す一般式において、置換基R3 およびR4 は一般式(I)と同義であり、好ましくは水素原子、メチル、エチル、n-プロピル、n-ブチル、iso-プロピル、iso-ブチル、sec-ブチルまたは tert-ブチルであり、より好ましくは水素原子、メチルまたはエチルである。
化合物(III)の好ましい具体例としては、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイドおよびブチレンオキサイドなどが挙げられる。
【0055】
化合物(II)と化合物(III)の反応では、前者1モルに対して、後者が1〜9.5モル、好ましくは1.1〜2モル使用される。化合物(III)の使用モル数が1モル未満では、未反応の化合物(II)が残り、樹脂性能に悪影響を及ぼすので好ましくなく、それが9.5モルを超える場合には、xが9を超えるものが多量に生成し、生成物中のリン含有率を低下させるので好ましくない。
【0056】
本発明によれば、原料となる化合物(II)および化合物(III)の種類および使用モル比を適宜選択することにより所望のリン含有率および分子量を有するリン酸エステル化合物を得ることができる。通常、化合物(II)と化合物(III)との反応は定量的に進行し、たとえば、一般式(I)のx=1に対応する化合物を得たい場合には、化合物(II)と化合物(III)との混合比が1:1であればよい。
【0057】
反応温度は、25〜120℃、好ましくは40〜100℃、さらに好ましくは60〜90℃である。反応時間は、反応温度のような他の反応条件により異なるが、通常2〜10時間、好ましくは4〜7時間である。
この反応は有機溶媒中で行うことができる。有機溶媒としては、反応に関して不活性な有機溶媒が好ましく、具体的には、ヘキサン、シクロヘキサン、ヘプタン、オクタン、ベンゼン、トルエン、キシレンおよび石油スピリットなどの炭化水素系溶媒、クロロホルム、四塩化炭素、クロロエタンおよびクロロベンゼンなどのハロゲン含有炭化水素系溶媒、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジブチルエーテル、ジオキサンおよびトリオキサンなどのエーテル系溶媒、アセトニトリル、ベンゾニトリルおよびピリジンなどの窒素含有炭化水素系溶媒などが挙げられ、なかでもトルエンが特に好ましい。
【0058】
このようにして得られた反応混合物から有機溶媒を蒸発除去することにより、液状のリン酸エステル化合物を得ることができる。
なお、得られたリン酸エステルには、例えば未反応の原料やジホスフェートタイプの化合物のような副反応物を不純物として混入することもあり、そのような場合には、蒸留、洗浄、クロマトグラフィーなどの公知の方法により精製することもできる。しかしながら、ごく少量の不純物が混入したものを難燃剤として使用しても、樹脂組成物の耐熱性および難燃性に何ら悪影響はなく、したがって通常、精製の必要はない。
【0059】
特開昭55−110175号公報に記載の化合物(IV)の製造方法、すなわちアルコール類とアミン類とをトルエン溶媒中で混合し、次いでオキシ塩化リンを添加する方法で、本発明のリン酸エステル化合物を合成した場合、ピロ体やジホスフェートタイプの化合物が副生するため、リン酸エステル化合物が固体として得られる。一方、本発明のリン酸エステル化合物の製造方法によれば、このような副生が抑えられるので、リン酸エステル化合物を液状で得ることができる。
【0060】
本発明の難燃剤は、化合物(II)と、化合物(III)の1種以上とを反応させて得られた化合物、特に一般式(I)で表されるリン酸エステル化合物の1種もしくは2種以上の混合物を含有してなるものであり、難燃性を付与すべき材料に添加して用いることができる。
難燃性を付与すべき材料としては、樹脂、例えば、電線などの被覆に用いられる天然ゴム、スチレン−ブタジエンゴム、ポリイソプレンゴム、ニトリルゴムおよびクロロプレンゴムなどのゴム類、天然繊維、蛋白繊維および合成繊維などの繊維類、木材、塗料、接着剤、コーティング剤および各種インキなどが挙げられ、樹脂に対して特に好適に用いられる。なお、本発明の難燃剤を樹脂に用いる場合については、難燃性樹脂組成物として後述する。
【0061】
本発明の難燃剤は、難燃性を付与すべき材料の物性を損なわない範囲で、必要に応じて、他の難燃剤および各種添加剤を含有してもよい。
他の難燃剤としては、非ハロゲン系化合物、ハロゲン系化合物や無機化合物の難燃剤、添加剤としては、酸化防止剤および充填剤などが挙げられる。また、本発明の難燃剤は、さらに滑剤、安定剤、着色剤、帯電防止剤、核剤およびブルーミング防止剤などの添加剤を含有してもよい。
【0062】
本発明の難燃性樹脂組成物は、熱可塑性樹脂または熱硬化性樹脂に、一般式(I)で表されるリン酸エステル化合物を含有してなるものである。
熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリエチレン樹脂、塩素化ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリブタジエン樹脂、ポリメチルペンテン樹脂、ポリブテン−1樹脂、ポリスチレン樹脂、耐衝撃性ポリスチレン樹脂、ポリメタクリルスチレン樹脂、ポリメチルメタクリレート樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリフェニレンスルフィド樹脂、ポリフェニレンオキシド樹脂、変性ポリフェニレンオキシド樹脂、ポリアクリロニトリル樹脂、ポリアミド(ナイロン)樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリアクリレート樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリエステル樹脂、ヒドロキシ安息香酸ポリエステル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ臭化ビニル樹脂、ポリフッ化ビニル樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、アクリロニトリル−スチレン(AS)樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン(ABS)樹脂、アクリロニトリル−塩素化ポリエチレン−スチレン(ACS)樹脂、フッ素樹脂、メタクリル樹脂、アクリル樹脂、ポリカーボネート−ABS樹脂(アロイ樹脂)、塩化ビニル−スチレン共重合体、塩化ビニル−エチレン共重合体、塩化ビニル−プロピレン共重合体、塩化ビニル−イソブチレン共重合体、塩化ビニル−塩化ビニリデン共重合体、塩化ビニル−塩素化プロピレン共重合体、塩化ビニル−ブタジエン共重合体、塩化ビニル−イソプレン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−プロピレン共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−エチレン−酢酸ビニル三元共重合体、塩化ビニル−スチレン−無水マレイン酸三元共重合体、塩化ビニル−スチレン−アクリロニトリル三元共重合体、塩化ビニル−塩化ビニリデン−酢酸ビニル三元共重合体、塩化ビニル−アクリル酸エステル共重合体、塩化ビニル−マレイン酸エステル共重合体、塩化ビニル−メタクリル酸エステル共重合体、塩化ビニル−アクリロニトリル共重合体、アクリル酸エステル−ブタジエン−スチレン三元共重合体およびメタクリル酸エステル−ブタジエン−スチレン三元共重合体が挙げられる。
【0063】
上記の例示のなかで、ポリエチレン樹脂、塩素化ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリブタジエン樹脂、ポリスチレン樹脂、耐衝撃性ポリスチレン樹脂、ポリメチルメタクリレート樹脂、ポリフェニレンオキシド樹脂、変性ポリフェニレンオキシド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、AS樹脂、ABS樹脂およびACS樹脂が特に好ましい。
【0064】
また、熱硬化性樹脂としては、例えば、ポリウレタン樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、エポキシ樹脂、シリコン樹脂、ジアリルフタレート樹脂、ポリイミド樹脂および不飽和ポリエステル樹脂などが挙げられる。
上記の例示のなかで、ポリウレタン樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂が特に好ましい。
【0065】
本発明において用いられる熱可塑性樹脂および熱硬化性樹脂としては、非ハロゲン含有樹脂が好ましい。すなわち、非ハロゲン系化合物である難燃剤と非ハロゲン含有樹脂との組合せを選択した場合に、有害、有毒なハロゲン系ガスが発生する危険性を完全に克服できるので好ましい。
また、これらの樹脂は2種以上を混合したものを用いてもよい。例えば、ポリウレタン樹脂は、難燃性と機械的特性、ブリード性などのバランスを得る点で、メラミン樹脂や尿素樹脂などと併用するのが好ましい。
【0066】
上記の熱可塑性樹脂および熱硬化性樹脂のなかで、さらに好ましいのは耐衝撃性ポリスチレン樹脂、ABS樹脂およびポリウレタン樹脂であり、特に好ましいのはポリウレタン樹脂である。
本発明の難燃性樹脂組成物の樹脂としてポリウレタン樹脂を用いた場合、ポリウレタン樹脂の合成時、すなわちポリウレタン樹脂の原料であるポリオールとジイソシアネートとの重付加反応時に、本発明のリン酸エステル化合物中のOH基とジイソシアネートとが反応し、該リン酸エステル化合物がポリウレタン樹脂中に組み込まれる。このようにして得られたポリウレタン樹脂は、その表面に、リン酸エステル化合物などの添加剤のしみ出しのない滑らかな表面を有し、フォギング性、耐加水分解性およびスコーチ性に優れ、樹脂の難燃性を特に長時間持続することができる。
【0067】
本発明の難燃性樹脂組成物は、組成物の物性を損なわない範囲で必要に応じて、酸化防止剤および各種添加剤を含有してもよい。これらを添加することによって、組成物はさらに高い付加価値を与えられる。これらの添加剤のなかでも、酸化防止剤が特に有効である。
各種添加剤としては、例えば、非ハロゲン系化合物、ハロゲン系化合物や無機化合物の難燃剤、酸化防止剤および充填剤などが挙げられる。また、本発明の難燃性樹脂組成物は、さらに滑剤、安定剤、着色剤、帯電防止剤、核剤およびブルーミング防止剤などの添加剤を含有してもよい。
【0068】
非ハロゲン化合物としては、トリフェニルホスフェート、トリキシリルホスフェート、トリメチルホスフェート、トリブチルホスフェート、およびその縮合物(例えば、大八化学工業社製、商品名CR−733S、CR−741、CR−747およびPX−200)などのリン酸エステル化合物が挙げられる。
【0069】
ハロゲン系化合物としては、例えば、トリス(β−クロルエチル)ホスフェート、トリス(2,3−ジブロモプロピル)ホスフェートなどの含ハロゲンリン酸エステル化合物、テトラブロモエタン、ヘキサブロモシクロデカンなどのハロゲン化合物、デクロランプラス(商品名、オクシデンタル社製、有機ハロゲン系難燃剤)、ヘキサブロモシクロドデカンなどが挙げられる。
【0070】
また、無機化合物としては、例えば、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、酸化アンチモン等が挙げられ、特に樹脂が変性ポリフェニレンオキシド樹脂、ポリスチレン樹脂およびABS樹脂である場合には、本発明の有機リン化合物と前記のような無機化合物との併用が好ましい。
【0071】
酸化防止剤としては、リン系化合物、ヒドロキノン系化合物、フェノール系化合物、アミン系化合物および硫黄系化合物などが挙げられ、好ましくはヒドロキノン系化合物およびリン系化合物である。これらの酸化防止剤は1種または2種以上を併用して使用することもできる。これらの酸化防止剤を添加することにより耐熱性、フォギング性に優れた難燃性樹脂組成物を得ることが可能となる。
【0072】
ヒドロキノン系化合物の好ましい具体例としては、ヒドロキノン、2,5−ジ−tert−ブチルヒドロキノン、2,5−tert−アミルヒドロキノンおよびオクチルヒドロキノンが挙げられ、難燃性樹脂組成物の耐熱性を向上させる点において、2,5−tert−アミルヒドロキノンが特に好ましい。
【0073】
また、リン系化合物の好ましい具体例としては、トリフェニルホスファイト、トリス(ノニルフェニル)ホスファイト、ジフェニルイソデシルホスファイト、ビス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、テトラキス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)4,4−ジフェニレンホスホナイトなどの三価のリン化合物が挙げられる。
【0074】
酸化防止剤の使用量は、樹脂の種類や成分条件などにより変化するが、リン酸エステル化合物に対して0.5〜5重量%が好ましい。酸化防止剤の使用量が前記の範囲であれば、良好な酸化防止効果を得ることができる。
【0075】
充填剤としては、例えば、シリカ、タルク、グラファイト、カーボンブラック、酸化チタン、アルミナ等が挙げられる。
滑剤としては、例えば、流動パラフィン、天然パラフィン、フルオロカーボン、高級脂肪酸、脂肪酸アミド、エステル、脂肪族アルコール等が挙げられる。
【0076】
本発明の難燃性樹脂組成物中のリン酸エステル化合物の種類および量は、使用する樹脂、必要とする成形品の用途や要求される性能、およびその難燃性の度合いに応じて適宜決定することができる。
難燃剤としてのリン酸エステル化合物は、通常、樹脂100重量部に対して0.1重量部以上であればよく、0.1〜50重量部、好ましくは3〜50重量部、さらに好ましくは5〜15重量部の割合で用いられる。リン酸エステル化合物がが0.1重量部に満たない場合は、充分な難燃性を得ることができないため好ましくない。
【0077】
本発明の難燃性樹脂組成物は、上記の樹脂、化合物(II)と化合物(III)の1種以上とを反応させて得られる化合物、特に一般式(I)で表されるリン酸エステル化合物、および必要に応じて上記の各種添加剤を公知の方法で混練することにより得られる。混練には、単軸押出機、2軸押出機、バンバリーミキサー、ニーダーミキサーなどの装置を用いることができる。
各成分の配合順序、混合方法は特に限定されないが、例えば、本発明のリン酸エステル化合物を、
▲1▼樹脂を塊状重合により製造するときに仕込まれる単量体とともに添加する、▲2▼樹脂の塊状重合の反応終期に添加する、あるいは
▲3▼樹脂の成形時に添加する
ことにより、樹脂組成物に難燃性を付与する。
この樹脂組成物は、さらに公知の方法で成形加工することにより、所望の形状、例えば、板状、シート状またはフィルム状の難燃性の成形体を得ることができる。
【0078】
【実施例】
本発明を以下の実施例によりさらに具体的に説明するが、これらが本発明の範囲を限定するものではない。なお、実施例において、特に指示のない限り、部はすべて重量部を示す。
【0079】
(実施例1)
1lの4つロフラスコに攪拌機、温度計および水スクラバーを連結したコンデンサーを取り付け、このフラスコにネオペンチルグリコール104g(1モル)、トルエン100gを充填し、加熱攪拌した。次いで、恒温装置により反応液を50℃に保持しつつ、オキシ塩化リン153.5g(1モル)を1時間かけて追加した。追加後、脱塩酸反応を完結すべく、前記温度で4時間攪拌した。さらに、この反応液に水36g(2モル)を追加し、80℃で約4時間で攪拌した。次いで、過剰の水を回収し、反応液を80℃に保持しつつ、プロピレンオキサイド72g(1.24モル)を2時間かけて追加した。追加後、前記温度で4時間攪拌し、減圧下でトルエンを回収して、目的物を得た。
【0080】
得られた目的物(以下、化合物1)は透明性の液体で、その収量は235g(収率98%)であった。化合物1の元素分析の結果をその理論値と共に表1に、ゲルパーミエイションクロマトグラフィー(GPC)の結果を図1に示す。
なお、図1の縦軸は検出強度であり、ピークn1、n2およびn3は、それぞれ化合物1を一般式(I)で表したときのx=1、2、3の化合物に対応する。したがって、図1の結果から、化合物1は、ピークn1、n2およびn3に対応する化合物をそれぞれ64.9%、19.2%、5.5%含む化合物であることがわかる。
【0081】
また、IR(赤外線吸収スペクトル)およびGC−MS(ガスクロマトグラフィー質量分析)の結果をそれぞれ図2および図3に示す。
なお、図3において、GCチャートの15.264min.のピークは、上記のGPCのピークn1の化合物に対応する。また、MSチャートの225(M+ +1)のピークは、上記のGPCのピークn1の化合物に対応し、165(M+ )のピークは、下記式の化合物に対応する。
【0082】
【化23】
Figure 0003645078
【0083】
【表1】
Figure 0003645078
【0084】
また、化合物1は、下記の構造を有する化合物の混合物であると考えられる。なお、構造式の「1.2」はxの平均値を表す。
【0085】
【化24】
Figure 0003645078
【0086】
(実施例2)
実施例1のプロピレンオキサイド72gをエチレンオキサイド53g(1.24モル)に代えた以外は実施例1と同様にして、目的物を得、GPCおよびIRにより化合物の決定を行った。
得られた目的物(以下、化合物2)は透明性の液体で、その収量は210g(収率96%)であった。実施例1と同様にして、化合物2の元素分析の結果をその理論値と共に表1に示す。また、GPCおよびIRの結果をそれぞれ図4および図5に示す。
【0087】
【化25】
Figure 0003645078
【0088】
(実施例3)
実施例1のネオペンチルグリコール104gをエチルブチルプロパンジオール160g(1モル)に代えた以外は実施例1と同様にして、目的物を得、GPCおよびIRにより化合物の決定を行った。
得られた目的物(以下、化合物3)は透明性の液体で、その収量は270g(収率98%)であった。実施例1と同様にして、化合物3の元素分析の結果をその理論値と共に表1に示す。また、GPCおよびIRの結果をそれぞれ図6および図7に示す。
【0089】
【化26】
Figure 0003645078
【0090】
上記の実施例において得られたリン酸エステル化合物は、副反応物を含有する場合もあるが、難燃剤として使用した場合に、樹脂組成物の耐熱性および難燃性に何ら影響を及ばすものではなく、以下の性能評価において未精製のまま使用した。
以下の実施例4〜6では、上記の化合物1〜3に加えて、比較として下記する従来の難燃性化合物A〜Fについても性能評価を行った。
【0091】
【化27】
Figure 0003645078
【0092】
(実施例4)
〔難燃性樹脂組成物成分〕
ポリオール(三井東圧化学株式会社製、商品名:MN-3050 0NE) 100部
ジイソシアネート(三井東圧化学株式会社製、商品名:TDI 80/20)55.1部
ポリオールシリコン油(日本ユニカ株式会社製、商品名:L-520) 1.2部
錫系触媒(ジブチル錫ジラウレート) 0.25部
アミン系触媒(花王株式会社、商品名:カオライザー No.1) 0.15部
水 4.5部
メチレンクロリド 3.0部
難燃剤 (表2に示す所定量)
【0093】
上記の各成分を用い、次のようにワンショット法により軟質ウレタン発泡体を製造した。このとき、酸化防止剤であるヒドロキノン(HQ)およびトリフェニルホスファイト(TP−I)は難燃剤に添加して使用した。
まず、上記各成分のうちポリオール、シリコン油、触媒、メチレンクロリド、水および難燃剤を配合し、攪拌機で1分間攪拌(3000rpm)して均一に混和した。次いで、ジイソシアネートを加え、さらに3000rpmで5〜7秒間攪拌後、内容物を断面が正方形のボール箱に手早く注いだ。直ちに発泡が起こり、数分後に最大の容積に達した。これをさらに30分間120℃の炉内で硬化させた。得られた発泡体は白色軟質で、連続気泡を有していた。
【0094】
上記の方法で得られた各種発泡体から試料を切り取り、MVSS−302による燃焼試験を行った。また、別の試験片を電子レンジ(500W)で3分間処理し、次いで140℃で2時間加熱処理した。このときの試験片の色の変化(スコーチの有無)を観察した。
その結果を表2に示す。なお、表2の「スコーチ」の項において、○は色の変化がほとんど認められなかったこと、×は褐色に変化したことを示す。また、平均燃焼距離の項におけるSEは自己消火性の領域であること、NBはノンバーンの領域であることを示す。また、(YI)は色度計により測定したフォーム中心部の黄色度を示す。
【0095】
【表2】
Figure 0003645078
【0096】
表2から明らかのように、本発明のリン酸エステル化合物を添加した樹脂組成物は、従来のハロゲン系難燃性化合物を添加した樹脂組成物に比べて、良好な難燃性を示し、かつスコーチが全く認められない。
また、本発明の難燃性樹脂組成物を80℃で14日間保持したところ、その難燃性付与効果に変化が認められなかった。
【0097】
(実施例5)(参考例)
耐衝撃性ポリスチレン/PPO樹脂(45/55)の混合物100部に、表3に記載の化合物10部を加え、10lのV型ブレンダーで約15分間均一にブレンドした。これを内径40mmの押出機でペレット化し、このペレットを用いて容量4オンスの成形機で所定の試験片を作成した。
得られた試験片の難燃性の評価をUL−94に規定された試験法に準じて行った。すなわち、各々5個の試験片について、最初の着火から消炎までの時間を測定し、その平均値を算出した。また、ジューシングについては成形品の表面を目視により観察した。その結果を表3に示す。
【0098】
【表3】
Figure 0003645078
【0099】
(実施例6)(参考例)
ABS樹脂(ダイセル化学社製、商品名:セビアン−V)100重量部に、表4に記載の化合物10部、テトラブロモビスフェノールA5部および三酸化アンチモン2.5部を加え、10lのV型ブレンダーで約15分間均一にブレンドした。これを内径40mmの押出機でペレット化し、このペレットを用いて容量4オンスの成形機で所定の試験片を作成した。
得られた試験片の難燃性およびジューシングの評価を実施例5と同様にして行った。また、熱変形温度をASTM規格D648に準じて測定した。その結果を表4に示す。
【0100】
【表4】
Figure 0003645078
【0101】
【発明の効果】
本発明のリン酸エステル化合物は、各種樹脂に添加したときに該樹脂に優れた難燃性を付与することができる。このリン酸エステル化合物は、室温で液状で、樹脂への混和性が良好であり、かつ低揮発性であり、特に樹脂成分と反応させて使用する際には樹脂に対して長時間にわたり高い難燃性を維持させることができる。
【0102】
また、本発明のリン酸エステル化合物は、耐熱性にも優れ、成形加工時の熱分解による樹脂への着色および劣化を起こさせない。さらに樹脂本来の物性を低下させることが極めて少ない。さらにまた、本発明の難燃性樹脂組成物は、耐熱性、耐加水分解性に優れ、かつ燃焼したときに溶融した樹脂の滴下(ドリッピング)の生じない成形体を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のリン酸エステル化合物(化合物1)のGPCの結果を示す図である。
【図2】本発明のリン酸エステル化合物(化合物1)のIRの結果を示す図である。
【図3】本発明のリン酸エステル化合物(化合物1)のGC−MSの結果を示す図である。
【図4】本発明のリン酸エステル化合物(化合物2)のGPCの結果を示す図である。
【図5】本発明のリン酸エステル化合物(化合物2)のIRの結果を示す図である。
【図6】本発明のリン酸エステル化合物(化合物3)のGPCの結果を示す図である。
【図7】本発明のリン酸エステル化合物(化合物3)のIRの結果を示す図である。

Claims (5)

  1. ポリウレタン系樹脂合成前の樹脂原料に添加して樹脂に難燃性を付与する難燃剤であり、前記難燃剤が、一般式(I):
    Figure 0003645078
    (式中、R1およびR2は同一または異なって炭素数1〜8の直鎖状もしくは分枝鎖状のアルキル基であり、R3およびR4は同一または異なって水素原子または炭素数1〜8の直鎖状もしくは分枝鎖状のアルキル基であり、xは1〜9の整数であり、但し、R1およびR2がいずれもメチルで、かつR3およびR4が水素原子のときxは2ではない)
    で表されるリン酸エステル化合物を含有することを特徴とするポリウレタン系樹脂用難燃剤。
  2. 1およびR2同一または異なってメチルまたはエチルであり、R3 およびR 4 同一または異なって水素原子、メチルまたはエチルであり、xが1〜5の整数である請求項に記載のポリウレタン系樹脂用難燃剤。
  3. ポリウレタン系樹脂と、前記樹脂100重量部に対して3〜50重量部である請求項1または2に記載の難燃剤を含有する難燃性樹脂組成物であり、前記難燃性樹脂組成物が、樹脂原料に前記難燃剤を添加して樹脂形成されたものであることを特徴とする難燃性ポリウレタン系樹脂組成物
  4. 難燃性ポリウレタン系樹脂組成物が、さらに酸化防止剤を含有する請求項に記載の難燃性ポリウレタン系樹脂組成物。
  5. 酸化防止剤が、ヒドロキノン系化合物および/または三価の有機リン化合物である請求項4に記載の難燃性ポリウレタン系樹脂組成物。
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