JP2801090B2 - 有機燐化合物およびそれを含有する難燃性組成物 - Google Patents

有機燐化合物およびそれを含有する難燃性組成物

Info

Publication number
JP2801090B2
JP2801090B2 JP2232791A JP2232791A JP2801090B2 JP 2801090 B2 JP2801090 B2 JP 2801090B2 JP 2232791 A JP2232791 A JP 2232791A JP 2232791 A JP2232791 A JP 2232791A JP 2801090 B2 JP2801090 B2 JP 2801090B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
compound
flame
parts
resin
organic
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2232791A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH04330089A (ja
Inventor
範昭 徳安
美和 棚橋
良典 田中
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Daihachi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Daihachi Chemical Industry Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Daihachi Chemical Industry Co Ltd filed Critical Daihachi Chemical Industry Co Ltd
Priority to JP2232791A priority Critical patent/JP2801090B2/ja
Publication of JPH04330089A publication Critical patent/JPH04330089A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2801090B2 publication Critical patent/JP2801090B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Fireproofing Substances (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は新規有機燐化合物、およ
び該有機燐化合物を添加型難燃剤として含有する難燃性
重合体組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリプロピレン、ポリスチレン、アクリ
ロニトリル−ブタジエン−スチレン(ABS)樹脂など
の熱可塑性樹脂;およびポリウレタン、フェノール樹脂
などの熱硬化性樹脂のような有機重合体は比較的安価に
得られかつ成形が容易であるなどの優れた特性を有する
ため、電子部品や自動車部品をはじめ生活用品全般にわ
たり広く使用されている。しかしこれらの有機重合体は
易燃性であるため、ひとたび火災が発生すると簡単に燃
焼・消失する。ケーブルの火災などは特に社会に大きな
影響を与える。今日では電気製品、自動車内装品、繊維
製品などこれら有機重合体の利用分野の一部では法律で
難燃化が義務づけられている。例えば米国の電気製品に
おけるUL規格、自動車関係におけるMVSS−302
の難燃規制が知られている。
【0003】有機重合体に難燃性を付与するためには、
樹脂成形品の調製時に難燃剤を添加する方法が採用され
ている。難燃剤としては無機化合物、有機燐化合物、有
機ハロゲン化合物、ハロゲン含有有機燐化合物などがあ
る。上記化合物のうち優れた難燃効果を発揮するのは有
機ハロゲン化合物およびハロゲン含有有機燐化合物であ
る。しかし、これらハロゲンを含有する化合物は、樹脂
成形時に熱分解してハロゲン化水素を発生し金型を腐食
させたり、樹脂自身を劣化させ着色が起こる。さらに作
業環境を悪化させるという問題もある。
【0004】ハロゲンを含まないタイプであり、比較的
良好な難燃効果が得られかつ樹脂物性を大きく変化させ
ない難燃剤としては、上記有機燐化合物が汎用されてい
る。しかし、一般に上記有機燐化合物を含有する難燃性
樹脂組成物は成形時に樹脂の着色および劣化がおこり、
耐熱性が悪い。これは主として難燃剤の熱分解に起因す
ると考えられている。
【0005】近年ではエンジニアリングプラスチック、
さらにスーパーエンジニアリングプラスチックなどの高
機能プラスチックの開発が進んでいる。これらのプラス
チックは樹脂成形温度が高いため、難燃性樹脂組成物も
高い耐熱性を必要とする。樹脂の耐熱性を向上させる方
法としては、通常の酸化防止剤(ヒンダードフェノール
系化合物、イオウ系化合物、アミン系化合物など)を難
燃剤とともに有機重合体に添加する方法がある。しかし
このような酸化防止剤を例えば上記有機燐化合物ととも
に有機重合体に添加したときにも、200℃またはそれ
以上の温度では重合体の着色は避けられない。
【0006】上記以外の難燃剤としては、水酸化マグネ
シウムなどの無機化合物系の難燃剤がある。しかし、こ
れらの化合物は難燃効果が著しく低く、充分な効果を得
るためには多量に添加する必要がある。それによって樹
脂本来の物性が損なわれるという欠点がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記のような
先行技術の欠点を解決するものであり、その目的とする
ところは、各種樹脂に優れた難燃性を付与し得る難燃剤
として使用することが可能であり、樹脂と混合して成形
加工を行うときに該樹脂を劣化させたり腐食させること
のない、新規化合物を提供することにある。本発明の他
の目的は、上記化合物と樹脂とを含有し、耐熱性、およ
び難燃性に優れ、その難燃性を持続的に有し得る難燃性
有機重合体組成物を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは樹脂に難燃
性を付与し得る化合物として特定の構造を有する有機燐
化合物を新たに合成し、本発明を完成するに至った。本
発明の有機燐化合物は、下記式(I)で示され、そのこ
とにより上記目的が達成される:
【0009】
【化3】
【0010】ここで式中のR1 、R2 、およびR3 は炭
素数1〜8のアルキル基、アリル基またはハロアルキル
基であり、Zは炭素数1〜5のアルキル基またはヒドロ
キシメチル基、そしてnは1〜5の整数である。
【0011】本発明の難燃性組成物は、有機重合体、お
よび難燃剤として上記有機燐化合物を含有し、そのこと
により上記目的が達成される。
【0012】本発明の有機燐化合物は、次の化合物(I
II)および(IV)を用いて調製される。
【0013】
【化4】
【0014】ここでR1 は炭素数1から8のアルキル
基、アリル基またはハロアルキル基であり、mは0、1
または2である。
【0015】
【化5】
【0016】ここでZは、炭素数1〜5のアルキル基ま
たはヒドロキシメチル基である。
【0017】上記化合物(III)のうち、m=0の化
合物はオキシ塩化燐である。m=1の場合には、R1
相当する基としては、クロロエチル、クロロプロピル、
ジクロロプロピル、ブロモエチル、ブロモプロピル、ジ
ブロモプロピル、ブロモクロロプロピル、メチル、エチ
ル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、ヘ
キシル、2−エチルヘキシル、n−オクチル、イソオク
チル、フェニル、クレジル、キシレニルなどが挙げられ
る。m=2の化合物は、単独ではなく上記m=0または
1の化合物と混合することにより(1:1のモル比ま
で)用いられ得る。m=2の化合物の2個のR1 −0基
は同一であっても異なっていてもよい。上記化合物(I
V)としては、トリメチロールエタン、トリメチロール
プロパン、ペンタリットなどが挙げられる。
【0018】本発明の有機燐化合物を調製するには、ま
ず、上記化合物(III) および(IV)を適当な有機
溶媒中で加熱して反応させる。次いで、アルキレンオキ
サイドまたはアルコールを加えて、さらに反応させるこ
とにより有機燐化合物(I)が得られる。上記アルキレ
ンオキサイドとしては、エチレンオキサイド、プロピレ
ンオキサイド、エピクロルヒドリンなどが挙げられる。
アルコールとしては、脂肪族アルコールおよびフェノー
ル類のいずれもが用いられ得、脂肪族アルコールとして
は、メタノール、エタノールなど炭素数1〜8のアルコ
ールが、フェノール類としては、フェノール、キシレー
ル、クレゾール、イソプロピルフェノールなどが用いら
れ得る。
【0019】上記化合物(III)、(IV)、アルキ
レンオキサイド、アルコールおよびフェノール類の種類
を適宜選択することにより、所望の燐含有率、ハロゲン
含有率および分子量を有する有機燐化合物が得られる。
このようにして得られた有機燐化合物は、その1種もし
くは2種以上が混合されて難燃剤として用いられる。
【0020】本発明の難燃性組成物に含有される有機重
合体としては、熱可塑性樹脂および熱硬化性樹脂のいず
れもが用いられ得る。熱可塑性樹脂としては、塩素化ポ
リエチレン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブタ
ジエン、スチレン系樹脂、耐衝撃性ポリスチレン、ポリ
塩化ビニル、ACS樹脂、AS樹脂、ABS樹脂、ポリ
フェニレンオキシド、ポリメチルメタクリレート、ポリ
アミド、ポリエステル、ポリカーボネートなどがある。
熱硬化性樹脂としては、ポリウレタン、フェノール樹
脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、不飽和ポリエステルなど
がある。上記樹脂は1種または2種以上が混合されて用
いられ得る。
【0021】本発明の難燃性組成物には必要に応じて酸
化防止剤が含有される。この酸化防止剤は、下記式(I
I)で示されるハイドロキノン化および/または三価の
有機燐化合物である:
【0022】
【化6】
【0023】ここでR4 、R5 、R6 、およびR7 はそ
れぞれ独立して、水素または炭素数が1〜14のアルキ
ル基である。
【0024】上記ハイドロキノン化合物の具体例として
は、ハイドロキノン、2,5ジ−tert−ブチルハイ
ドロキノン、2,5−ジ−tert−アミルハイドロキ
ノン、オクチルハイドロキノンなどが挙げられる。特に
耐熱性に優れたハイドロキノン化合物は、2,5−ジ−
tert−アミルハイドロキノン、2,5−ジ−ter
t−ブチルハイドロキノンなどである。
【0025】上記三価の有機燐化合物の具体例として
は、トリフェニルホスファイト、トリス(ノニルフェニ
ル)ホスファイト、ジフェニルイソデシルホスファイ
ト、ビス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ペ
ンタエリスリトールジホスファイト、テトラキス(2,
4−ジ−tert−ブチルフェニル)4,4−ジフェニ
レンホスホナイトなどが挙げられる。
【0026】本発明の難燃性組成物は、上記有機重合
体、有機燐化合物、および必要に応じて上記酸化防止剤
および各種添加剤が含有される。各種添加剤には例え
ば、臭素系難燃剤、無機系難燃剤、充填剤、滑剤などが
ある。使用される有機燐化合物の種類および量は、使用
される有機重合体、必要とされる難燃性の度合に応じて
適宜決定される。有機燐化合物は、通常、有機重合体1
00重量部に対して、0.1〜100重量部の割合で用
いられる。有機重合体、有機燐化合物および必要に応じ
て上記酸化防止剤や添加剤を公知の方法により混練し、
成形することにより、難燃性の成形体が得られる。有機
燐化合物は、例えば、有機重合体を塊状重合により製造
するときに仕込まれる単量体とともに添加され;有機重
合体の塊状重合の反応終期に添加され;有機重合体の成
形時に添加され;あるいは、フィルム、繊維などの重合
体製品の表面に溶液もしくは分散液として塗布されるこ
とにより付与される。有機燐化合物は、一般に粘稠な液
体であるため、この粘度を下げて作業性を改善するため
に、0=P−(OR8 3 (R8 は炭素数1〜8のアル
キル基、アリル基またはハロアルキル基である)のよう
な化合物を添加することも可能である。
【0027】
【作用】本発明の新規有機燐化合物は、各種有機重合体
と混合したときに該有機重合体に優れた耐熱性および難
燃性を付与し得る。この有機燐化合物は揮発性を持たな
いため上記耐熱および難燃効果は持続性を有する。この
有機燐化合物は、有機重合体の物性を低下させることが
極めて少なく、該重合体を変色させることもほとんどな
い。本発明の難燃性組成物は、各種成形体に加工して利
用され得る。
【0028】
【実施例】以下の本発明を実施例につき説明する。これ
らの実施例は本発明の範囲を限定するためのものではな
い。以下の実施例においては、特に指示のない限り、部
はすべて重量を基準とし、温度は全て摂氏で示される。
【0029】(実施例1)撹拌棒、温度計、および還流
コンデンサーを備えた反応缶にオキシ塩化リン307部
(2モル)、トリメチロールエタン120部(1モ
ル)、およびトルエン100部を仕込み、60℃に昇温
させて脱塩化水素反応を行った。同温度で15時間熟成
反応を行った後、エチレンオキサイド132部(3モ
ル)を加えて、50〜60℃で4時間反応させると反応
物の酸価は1.2となった。さらに、1時間後にこの反
応液を水洗し、中和・精製を行い、微黄色透明の粘稠な
液体418g(収率93%)を得た。この液体は下記の
構造式の化合物(これを化合物とする)。
【0030】
【化7】
【0031】化合物(C1121Cl3 8 2 )の分
子量、および元素分析の結果は表1のとおりである。
【0032】
【表1】
【0033】(実施例2)撹拌棒、温度計、および還流
コンデンサーを備えた反応缶にオキシ塩化リン307部
(2モル)、トリメチロールプロパン134部(1モ
ル)、およびキシレン100部を仕込み、70℃に昇温
させて、脱塩化水素反応を行った。同温度で1.5時間
熟成反応を行った後、プロピレンオキサイド174部
(3モル)を加えて、70〜80℃で5時間反応させる
と反応物の酸価は0.9となった。さらに2時間後に、
この反応液を水洗し、中和・精製を行い、微黄色の粘稠
な液体480g(収率95%)を得た。この液体は下記
の構造式の化合物(これを化合物とする)を主成分と
する。
【0034】
【化8】
【0035】化合物(C1539Cl3 8 2 )の分
子量、および元素分析の結果は表2のとおりである。
【0036】
【表2】
【0037】(実施例3)撹拌棒、温度計、および還流
コンデンサーを備えた反応缶にオキシ塩化リン307部
(2モル)、トリメチロールプロパン134部(1モ
ル)、およびトルエン100部を仕込み、70℃に昇温
させて脱塩化水素反応を行った。同温度で1.5時間熟
成反応を行った後、メタノール96部(3モル)を加え
て、30〜40℃で脱塩化反応を行うと反応物の酸価は
0.5となった。さらに2時間反応させた後、精製して
微黄色の粘稠な液体311部(収率98%)を得た。こ
の液体は下記の構造式の化合物(これを化合物とす
る)を主成分とする。
【0038】
【化9】
【0039】化合物(C8 20Cl3 8 2 )の分
子量、および元素分析の結果は表3のとおりである。
【0040】
【表3】
【0041】(実施例4)トリメチロールプロパン13
4部の代わりにトリメチロールエタン120部(1モ
ル)、トルエンの代わりにキシレン、そして、メタノー
ルの代わりに2,6−キシレノール366部(3モル)
を用いたこと以外は実施例3と同様である。得られた結
晶は下記の構造式の化合物(これを化合物とする)を
主成分とする。
【0042】
【化10】
【0043】化合物(C29368 2 )の分子量、
および元素分析の結果は表4のとおりである。
【0044】
【表4】
【0045】(実施例5)2,6−キシレノールの代わ
りにフェノール3モルを用いたこと以外は、実施例4と
同様に反応を行い、下記の構造式の化合物を得た。
【0046】
【化11】
【0047】(実施例6)2,6−キシレノールの代わ
りにクレゾール3モルを用いたこと以外は、実施例4と
同様に反応を行い、下記の構造式の化合物を得た。
【0048】
【化12】
【0049】上記実施例において得られた有機燐化合物
は、副反応物を含有する場合もあるが、難燃剤として利
用した場合に、耐熱性および難燃性に影響をおよぼすも
のではない。以下の実施例7〜9では、上記有機燐化合
および、次に示す従来の難燃剤の性能の評価を
行った。
【0050】
【化13】
【0051】
【化14】
【0052】
【化15】
【0053】
【化16】
【0054】
【化17】
【0055】
【化18】
【0056】(実施例7) 難燃性組成物成分 ポリオール(三井東圧化学株式会社、商品名MN−3050 ONE) 100部 トリレンジイソシアネート(三井東圧化学株式会社、商品名TDI 80/20) 55.1部 ポリオールシリコン油(日本コニカ株式会社、商品名L−520) 1.25部 錫系触媒(三共有機合成株式会社、商品名StannBL) 0.25部 アミン系触媒(米国コアプロダクツ社製トリエチレンジアミン) 0.15部 水 4.5部 難燃剤 (表5に示す所定量) 上記の各成分を用い、次のようにワンショット法により
軟質ウレタン発泡体を製造した。まず、上記各成分のう
ちポリオールシリコン油、触媒、水および難燃剤を配合
し、3000rpmの回転数を持つ撹拌機で1分間撹拌
して均一に混和した。次いで、トリレンジイソシアネー
トを加えてさらに3000rpmで5〜7秒間撹拌後、
内容物を断面が正方形のボール箱に手早く注いだ。直ち
に発泡が起こり、数分後に最大の容積に達した。これを
さらに30分間120℃の炉内で硬化させた。得られた
発泡体は白色軟質で連続気泡を有する発泡体であった。
【0057】上の方法で得た各種発泡体から試料を切り
取りMVSS−302による燃焼試験を行った。さら
に、新たな試料を電子レンジ(500W)で3分間処理
し、次いで140℃で2時間加熱処理した。このときの
試料片の色の変化(スコーチの有無)を観察した。その
結果を表5に示す。表5の「スコーチ」の項において、
○は色の変化がほとんど認められないことを、×は褐色
に変化したことを示す。
【0058】
【表5】
【0059】表1から明らかなように、本発明の有機燐
化合物は従来の難燃剤に比べて、より良好な難燃性を付
与し、かつスコーチが全く認められない。上記本発明の
有機燐化合物を80℃の温度下で14日間保持してもそ
の難燃性付与効果は変化がなかった。
【0060】(実施例8)耐衝撃性ポリスチレン/PP
O樹脂(45/55)の混合物100重量部に、表6に
記載の有機燐化合物10重量部を加え10LのV型ブレ
ンダーで約15分間均一にブレンドした。これを内径4
0mmの押出機でペレット化し、このペレットを用いて
容量4オンスの成型機で所定の試験片を作成した。
【0061】これらの試験片の難燃性の評価をUL−9
4に規定された試験法に準じて行った。各々5個の試験
片について、最初の着火から消炎までの時間を測定し、
その平均値を算出した。次いで、熱変形温度をASTM
規格D648に準じて測定した。ジューシングについて
は成形品の表面を目視により観察した。その結果を表6
に示す。
【0062】
【表6】
【0063】(実施例9)ABS樹脂(セビアン−V、
ダイセル化学社製)100重量部に、表7に記載の有機
燐化合物10部、テトラブロモビスフェノールA5部お
よびSb2 3 2.5部を加え、10LのV型ブレンダ
ーで約15分間均一にブレンドした。これを、内径40
mmの押出機でペレット化し、4オンスの成型機で所定
の試験片に成形した。
【0064】これらの試験片の難燃性の評価をUL−9
4に規定された試験法に準じて行った。各々5個の試験
片について、最初の着火から消炎までの時間を測定し、
その平均値を算出した。次いで、熱変形温度をASTM
規格D648に準じて測定した。ジューシングについて
は成形品の表面を目視により観察した。その結果を表7
に示す。
【0065】
【表7】
【0066】
【発明の効果】本発明によれば、このように、有機重合
体の添加型難燃剤として有用な新規有機燐化合物が得ら
れる。この有機燐化合物および有機重合体を有する本発
明の難燃性組成物は、優れた耐熱性および難燃性を有
し、加工時に重合体が劣化することがなくスコーチが発
生しない、耐熱および難燃性効果は長期にわたり持続し
得る。このような組成物は各種成形体に加工されて使用
され得る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C07F 9/6574 CA(STN) REGISTRY(STN)

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記式(I)で示される有機燐化合物: 【化1】 ここで、R1 、R2 、およびR3 はそれぞれ独立して炭
    素数1から8のアルキル基、アリル基またはハロアルキ
    ル基であり、Zは炭素数1〜5のアルキル基またはヒド
    ロキシメチル基、そしてnは1〜5の整数である。
  2. 【請求項2】有機重合体、および難燃剤として請求項1
    に記載の化合物を含有する難燃性組成物。
  3. 【請求項3】さらに酸化防止剤を含有する、請求項2に
    記載の組成物。
  4. 【請求項4】前記有機重合体100重量部に対して前記
    有機燐化合物が0.1〜100重量部の割合で含有され
    る、請求項2に記載の組成物。
  5. 【請求項5】前記酸化防止剤が下記式(II)で示され
    るハイドロキノン化合物および/または三価の有機燐化
    合物である、請求項2に記載の組成物: 【化2】 ここで、R4 、R5 、R6 、およびR7 はそれぞれ独立
    して、水素、または炭素数が1〜14のアルキル基であ
    る。
JP2232791A 1991-02-15 1991-02-15 有機燐化合物およびそれを含有する難燃性組成物 Expired - Fee Related JP2801090B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2232791A JP2801090B2 (ja) 1991-02-15 1991-02-15 有機燐化合物およびそれを含有する難燃性組成物

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2232791A JP2801090B2 (ja) 1991-02-15 1991-02-15 有機燐化合物およびそれを含有する難燃性組成物

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH04330089A JPH04330089A (ja) 1992-11-18
JP2801090B2 true JP2801090B2 (ja) 1998-09-21

Family

ID=12079616

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2232791A Expired - Fee Related JP2801090B2 (ja) 1991-02-15 1991-02-15 有機燐化合物およびそれを含有する難燃性組成物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2801090B2 (ja)

Also Published As

Publication number Publication date
JPH04330089A (ja) 1992-11-18

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3923441B2 (ja) 難燃性合成樹脂組成物
JP3362217B2 (ja) 難燃性樹脂組成物
US6127464A (en) Phosphoric ester, process for preparing the same and use thereof
KR101632571B1 (ko) 기계적 특성이 우수한 비할로겐 난연화 폴리에스테르 수지 조성물 및 이의 성형품
US6734239B1 (en) Flame retardants for resins and flame-retarded resin compositions containing the same
WO2015170130A1 (en) Environmental friendly flame retardant moulding compositions based on thermoplastic impact modified styrenic polymers
EP0617042B1 (en) Organic phosphorus compounds and flame-retarded resin compositions containing the same
EP0467364A1 (en) Flame-retardant thermoplastic resin composition
JP2801090B2 (ja) 有機燐化合物およびそれを含有する難燃性組成物
JP3074588B2 (ja) 難燃性ポリウレタン樹脂組成物
JP2882763B2 (ja) ポリウレタンフォーム用難燃性組成物
JP2755509B2 (ja) ポリウレタン用難燃性組成物
WO2003048270A1 (fr) Composition ignifuge, procede de production de cette composition, composition de resine ignifuge, et objet moule produit avec cette composition
JPH07292050A (ja) 含燐ノボラック型フェノール樹脂及び難燃性樹脂組成物
JP2882724B2 (ja) 低フォギング性難燃ポリウレタン用組成物
JP2911285B2 (ja) 難燃性熱可塑性樹脂組成物
KR100426301B1 (ko) 난연성열경화성수지조성물
JPH0528743B2 (ja)
JP3026377B2 (ja) 有機リン化合物およびそれを含有する難燃性熱安定性樹脂組成物
JPH05163288A (ja) ホスホネート化合物、樹脂配合剤及び難燃性熱可塑性樹脂組成物
JPH11241070A (ja) 難燃剤および難燃性樹脂組成物
JPH0832797B2 (ja) 難燃性重合体組成物
KR0174135B1 (ko) 열가소성 수지 조성물
JPH03182556A (ja) 難燃性有機重合体組成物
JPH10316813A (ja) 難燃性スチレン系樹脂組成物

Legal Events

Date Code Title Description
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 19980625

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees