JP2882763B2 - ポリウレタンフォーム用難燃性組成物 - Google Patents

ポリウレタンフォーム用難燃性組成物

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、難燃性組成物に関
する。更に詳しくは、本発明は、ポリウレタンフォーム
に難燃性を付与しうる液状組成物に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】熱硬化
性樹脂として代表的なポリウレタン樹脂は、比較的安価
に得られ、かつ成形が容易であるなどの優れた特性を有
するため、自動車部品をはじめ、生活用品全般にわたり
広く使用され、その使用形態は各種フォームが大半を占
めている。しかし、このポリウレタン樹脂は可燃性で一
度の着火で制御不能の燃焼を起こす性質があり、その難
燃化のためにこの業界では様々な努力が重ねられてき
た。また、今日では自動車内装品等、ポリウレタンフォ
ームの利用分野の一部では法律で難燃化が義務づけられ
ている。
【0003】ポリウレタンに難燃性を付与するため、ポ
リウレタンフォーム製造時に難燃剤を添加する種々の方
法が開示されている。例えば、ポリウレタンフォーム用
難燃剤として、ジブロモネオペンチルグリコール(以
後、DBNPGと略記)及びトリブロモネオペンチルア
ルコール(以後、TBNPAと略記)の使用が米国特許
第3,933,693号及び同第4,052,346号
に記載されている。
【0004】しかしながら、DBNPG及びTBNPA
は、共に比較的高融点の固体であり、融点以上の温度で
は若干分解され臭化水素が発生する。従ってこれらは粉
体もしくはフレーク状態で取り扱わざるをえない。以上
のことからポリウレタンフォーム製造時に、これらの物
質は原料のポリオール中に均一に分散させることが困難
で、また混合成分の粘度を過度に増大させるという問題
があった。
【0005】また、前記特許にはウレタン重合反応に使
用するポリオールにDBNPG又はTBNPAを融解又
は分散させることにより固体の問題を軽減する方法が提
案されている。しかし、ほとんどのポリオールに対する
DBNPG又はTBNPAの溶解度は極度に低く、その
結果、ポリウレタンフォームに難燃性を付与するに要す
る量のDBNPG又はTBNPAを導入するためには過
剰量のポリオールを使用する必要があるという問題があ
った。
【0006】更に、難燃性可塑剤とDBNPGとの混合
組成物を利用した難燃性ポリウレタンフォームの製造方
法が、米国特許第4,363,882号に記載されてい
る。しかしながら、DBNPGは前記のように高融点で
ある上に難燃性可塑剤への溶解性が極めて低い。また、
ヒドロキシル基を1分子中に2つ有していることにより
ポリウレタンフォーム骨格への導入の際、反応熱が上昇
し難燃性可塑剤の分解が促進され、ポリウレタンフォー
ム内部の焼け(スコーチ)が顕著に現れるという問題が
あった。
【0007】更にまた、難燃性可塑剤とTBNPAとの
混合組成物を利用した難燃性ポリウレタン用組成物が、
特開平5−10581号に記載されている。しかしなが
ら、TBNPAの分解温度が約150℃であるため、特
にフレームラミネート用ウレタンフォームの製造におい
ては内部温度が分解温度近くまで上昇し、フォームの変
色や物性の低下が顕著に現れるという問題があった。ま
た、DBNPGも同様に水酸基を有するため、ポリオー
ルとトルエンジイソシアネート(以後、TDIと略記)
の反応性の違いにより成形加工性が悪く、特に歪みに悪
影響を及ぼすという問題があった。
【0008】従って、本発明ではトリブロモネオペンチ
ルリン酸クロロアルキルエステルを用いることにより、
少量で優れた難燃性を付与し、フォームとしての物性を
損なうことなく低スコーチ性を有した難燃性組成物を提
供することを目的とする。
【0009】かくして本発明によれば、ジエチレングリ
コール−ビス[ジ(クロロプロピル)ホスフェート]ま
たはエチレングリコール−ビス[ジ(クロロプロピル)
ホスフェート]の難燃性有機リン化合物と式(I):
【0010】
【化3】
【0011】(式中、Rは水素原子、またはアルキル基
もしくはクロロアルキル基、nは0.95〜1.15)
で示されるトリブロモネオペンチルリン酸クロロアルキ
ルエステル99〜1重量%と、さらに酸化防止有効量の
酸化防止剤として、式(II):
【化11】 (式中、R 1 、R 2 、R 3 およびR 4 は、それぞれ水素
原子または炭素数1〜14のアルキル基)で示されるヒ
ドロキノン化合物あるいは3価の有機リン化合物または
これらの混合物とからなり、1200〜2100cps
の粘度を呈する液状のポリウレタンフォーム用難燃性組
成物が提供される。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明の組成物に用いられる難燃
性有機リン化合物は、難燃性可塑剤としても作用する。
この難燃性有機リン化合物は、難燃性可塑剤としてポリ
ウレタンフォーム樹脂のみならず、一般の熱可塑性樹脂
或いは熱硬化性樹脂にも用いることができる。代表的な
ものとしては、ハロゲン系有機リン化合物及びそのオリ
ゴマー、非ハロゲン系有機リン化合物及びそのオリゴマ
ーが挙げられる。これらの化合物は、分子量が小さいと
熱により飛散しやすいことから平均分子量350以上の
ものが好ましい。
【0013】ハロゲン系有機リン化合物及びそのオリゴ
マーとしては、ハロゲン化ホスフェート及びハロゲン化
ホスホネートが挙げられる。具体的には、トリス(クロ
ロエチル)ホスフェート、トリス(クロロプロピル)ホ
スフェート、トリス(ジクロロプロピル)ホスフェー
ト、アンチブレーズ78〔塩素化ポリホスホネート〕
(A&W社製)、サーモリン101〔テトラキス(2−
クロロエチル)エチレンジホスフェート〕(オーリン社
製)、フォースガード2XC20〔2,2−ビス(クロ
ロメチル)−1,3−プロパンビス(クロロエチル)ホ
スフェート〕(モンサント社製)、CR−530、CR
−570、CR−509〔含ハロゲン系ホスフェートホ
スホネートオリゴマーエステル〕(大八化学工業社
製)、CR−504、CR−505〔含ハロゲン系ホス
フェートオリゴマーエステル〕(大八化学工業社製)、
ファイアマスターLV−T23P〔トリス(2,3−ジ
ブロモプロピル)ホスフェート〕(グレート・レーク社
製)等が挙げられる。
【0014】また、非ハロゲン系有機リン化合物及びそ
のオリゴマーとしては、具体的には、トリフェニルホス
フェート、トリクレジルホスフェート、クレジルジフェ
ニルホスフェート、トリ2−エチルヘキシルホスフェー
ト、トリメチルホスフェート、トリブチルホスフェー
ト、CR−733S、CR−735〔芳香族系リン酸オ
リゴマーエステル〕(大八化学工業社製)等が挙げられ
る。
【0015】本発明の組成物に用いられるトリブロモネ
オペンチルリン酸クロロアルキルエステルは、式(I)
で示される。式(I)のRとしては、メチル、エチル、
プロピル、イソプロピル、ブチル、イソペンチル、ヘキ
シル、2−エチルヘキシル、n−オクチル、イソオクチ
ル、クロロメチル等が挙げられ、特に水素原子又はメチ
ル基が好ましい。具体的な化合物としては、TF−FP
〔トリブロモネオペンチルジクロロプロピルホスフェー
ト〕(大八化学工業社製)、TF−F〔トリブロモネオ
ペンチルジクロロエチルホスフェート〕(大八化学工業
社製)等が挙げられる。これらは、液体であるためポリ
ウレタン原料に容易に混合でき、反応基をもたないため
処方の変更を行う必要がない。
【0016】本発明の組成物には、酸化防止有効量の酸
化防止剤を含有させることができる。ここで酸化防止剤
としては、式(II):
【0017】
【化4】
【0018】(式中、R1 、R2 、R3 及びR4 は、そ
れぞれ水素原子又は炭素数1〜14のアルキル基)で示
されるヒドロキノン化合物及び/又は3価の有機リン酸
化合物が挙げられる。上記ヒドロキノン化合物の具体例
としては、ヒドロキノン、2,5−ジ−tert−ブチルヒ
ドロキノン、2,5−ジ−tert−アミルヒドロキノン、
2,5−ジオクチルヒドロキノン、tert−アミルヒドロ
キノン、tert−ブチルヒドロキノン、オクチルヒドロキ
ノン等が挙げられる。特に2,5−ジ−tert−ブチルヒ
ドロキノン、2,5−ジ−tert−アミルヒドロキノン等
が耐熱性に優れており、好ましい。
【0019】また3価の有機リン化合物の具体例として
は、トリフェニルホスファイト、トリス(ノニルフェニ
ル)ホスファイト、ジフェニルイソデシルホスファイ
ト、トリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ペン
タエリスリトールジホスファイト、テトラキス−(2,
4−ジ−tert−ブチルフェニル)−4,4−ジフェニレ
ンホスホナイト等が挙げられる。
【0020】本発明の難燃性組成物は、難燃性有機リン
化合物とトリブロモネオペンチルリン酸クロロアルキル
エステル(式(I))を均一に混合し、所望により酸化
防止剤を添加し、通常55〜60℃の攪拌加熱で溶解し
て調整することができる。また、組成物の混合割合は、
難燃性有機リン化合物1〜99重量%、好ましくは10
〜90重量%、トリブロモネオペンチルリン酸クロロア
ルキルエステル99〜1重量%、好ましくは90〜10
重量%である。混合割合がこの範囲であれば、好適な可
塑性及び難燃性が得られる。更に、前記組成物に酸化防
止剤を添加する場合、該組成物に対し0.1〜5重量
%、好ましくは0.2〜2重量%を添加することができ
る。酸化防止剤がこの範囲であれば、有効な酸化防止効
果が得られる。
【0021】次に、上記組成物を用いたポリウレタンフ
ォームの製造法の一例を示す。すなわち、ポリオールと
TDIの反応に、触媒、水又は発泡剤、分散剤等の共存
下、前記難燃性組成物を添加、攪拌加熱して製造する。
この場合、ポリオールとしては、一般にポリウレタン形
成の原料として使用されるものであれば特に限定されな
いが、一分子当たり約2〜8個の水酸基を含有し、約2
50〜6500の分子量を有するポリエステルポリオー
ル及びポリエーテルポリオール等のポリオールを好適に
用いることができる。分子量がこの範囲であれば、ウレ
タンフォーム形成に適した活性と粘度が得られる。ま
た、TDIとしては、2,4−及び2,6−トルエンジ
イソシアネートの異性体を含み、これらの異性体の濃度
は制限的でない通常80/20TDIの比率が約80〜
120のインデックスを有するものを好適に用いること
ができる。
【0022】更に、触媒としては、第3級アミン触媒
(トリエチレンジアミン、ジメチルエタノールアミン、
N−エチルモルホリン等)及び錫系触媒(四塩化錫等)
を用いることができる。発泡剤としては、水、フロロカ
ーボン、メチレンクロライド等のような低沸点物質が挙
げられる。分散剤としては、シリコン油、パラフィン油
等が挙げられる。
【0023】本発明の難燃性組成物は、原料のポリオー
ル100重量部に対して2〜60重量部、好ましくは3
〜30重量部用いられる。難燃性組成物がこの範囲であ
れば、好適な可塑性及び難燃性が得られる。更にまた、
本発明の効果を大きく逸脱しない範囲内で他のハロゲン
系難燃剤や反応性有機リン化合物、その他添加物を含有
してもよい。
【0024】本発明の難燃性組成物における難燃性有機
リン化合物とトリブロモネオペンチルリン酸クロロアル
キルエステルとの組み合わせは、難燃性において相乗的
な効果をもたらし、難燃性有機リン化合物単独より、ま
たDBNPG及び/又はTBNPAを組み合わせた難燃
性有機リン化合物より優れた難燃効果を示す。また、本
発明の組成物は低粘度の液体であるため、ポリウレタン
原料との混合が容易で、この組成物を添加して成形した
ポリウレタンフォームは、フォーム内部のスコーチを抑
えることができる。
【0025】更に、この本発明の組成物はDBNPG及
び/又はTBNPAを組み合わせた難燃性組成物のよう
に水酸基を有さないので、成形体の歪みに悪影響を与え
ない。
【0026】
【実施例】次に本発明を実施例により詳細に説明する
が、これらの実施例は本発明の範囲を限定するものでは
ない。また、特に指定しないかぎり、部は全て重量であ
る。
【0027】参考例1 CR−504(大八化学工業社製、*1)100gを混
合容器に入れ、約60℃に加熱した。次いで、TF−F
P(大八化学工業社製、*4)100gを連続攪拌しな
がら液体難燃剤に混和した。得られた混合物を攪拌し減
圧下60℃で1時間加熱した。次いで、液状混合物を徐
々に約25℃に冷却し、該温度に24時間保持させ組成
物を得た。この組成物を検査して冷却時に析出沈殿した
か否かを観察し、粘度を測定した。組成物は固形分を含
有せず25℃で約1600センチポイズ(cps)の粘
度を有した。混合物の処方及びその状態を表1に示す。
【0028】実施例1〜2,参考例2 難燃性可塑剤、難燃剤として表1のものを用い、また酸
化防止剤を用いること以外は、参考例1と同様にして組
成物を調整した。得られた組成物について参考例1と同
様にして、混合状態を観察し、粘度を測定した。各組成
物の処方及びその状態を表1に示す。
【0029】参考例3 難燃性可塑剤、難燃剤として表1のものを用いること以
外は、参考例1と同様にして難燃性組成物を調整した。
得られた組成物について参考例1と同様にして、混合状
態を観察し、粘度を測定した。組成物の処方及びその状
態を表1に示す。
【0030】 比較例1〜3 本発明の範囲外の成分、臭素系難燃剤としてDBNPG
やTBNPAを用い、また酸化防止剤を用いること以外
は、参考例1と同様にして難燃性組成物を調整した。得
られた組成物について参考例1と同様にして、混合状態
を観察し、粘度を測定した。各組成物の処方及びその状
態を表1に示す。
【0031】
【表1】
【0032】 *1 CR−504(大八化学工業社製) 主成分として次式のジエチレングリコールビス[ジ
(クロロプロピル)ホスフェート]の構造を有するリン
酸エステルオリゴマー。特開昭48−96649号の製
造方法で合成した。P%(リン含有量)=10.8、C
l%(塩素含有量)=24.8、粘度=900cps
(25℃)
【0033】
【化5】
【0034】 *2 CR−570(大八化学工業社製) 主成分として次式のジ(クロロプロピル)[ジ(クロロ
プロポキシ)ホスフィニルエチルホスフェートの構造
を有するホスホネートホスフェート系オリゴマー。特開
昭48−96649号の製造方法で合成した。P%=1
2.1、Cl%=27.7、粘度=3700cps(2
5℃)
【0035】
【化6】
【0036】 *3 TH−909(オーリン社製) 主成分として次式のエチレングリコール−ビス[ジ(
ロロプロピル)ホスフェート]の構造を有するリン酸エ
ステル。P%=11.7、Cl%=26.9、粘度=1
500cps(25℃)
【0037】
【化7】
【0038】 *4 TF−FP(大八化学工業社製) 主成分として次式のトリブロモネオペンチルジクロロ
プロピルホスフェートの構造を有するリン酸エステル。
P%=5.5、Cl%=13.5、Br%(臭素含有
量)=46.2、粘度=2800cps(25℃)
【0039】
【化8】
【0040】*5 DBNPG(デッドシーブロミン社
製) 固体、融点80℃、Br%=56.7、OHV(水酸基
値)=398
【0041】
【化9】
【0042】*6 TBNPA(デッドシーブロミン社
製) 固体、融点120℃、Br%=73.8、OHV=17
【0043】
【化10】
【0044】表1より、比較例1〜3の難燃性有機リン
化合物とDBNPG又はTBNPAとの混合物は、可溶
化されて固形物を含まない溶液を形成し得る量が制限さ
れ、組成物が白濁しやすいことがわかった。次に前記処
方で得られた難燃性組成物の難燃性、スコーチ性及び圧
縮残留歪みの試験を行った。 (難燃性ポリウレタンフォームの製造) 処方 ポリオール(三井東圧化学社製、商品名 MN-3050 ONE) 100 部 イソシアネート(三井東圧化学社製、商品名 TDI80/20 ) 55.1部 シリコン油(日本ユニカー社製 商品名 L-520) 1.2部 錫系触媒(三共有機合成社製 商品名 stann BL ) 0.3部 アミン系触媒(米国エアプロダクツ社製 トリエチレンジアミン) 0.2部 水 4.5部 フロン(フロン11) 4.0部 難燃剤(*表2に記載の量) *所要部 上記の処方でワンショット法によって軟質ウレタン発泡
体を製造した。
【0045】ポリオール、シリコン油、触媒、水及び難
燃剤を前記の処方に示した数量を配合し、3000rp
mの回転数を持つ攪拌機で1分間撹拌して均一に混和し
た後、イソシアネートを加え、さらに3000rpmで
5〜7秒間撹拌後、内容物を手早く正方形のボール箱に
注いだ。直ちに発泡が起こり、数分後最大の容積に達し
た。このものを更に30分間120℃の炉内で硬化せし
めた。得られた発泡体は、白色軟質気泡型セル組織であ
った。
【0046】前記の方法で得られた各種発泡体より、試
料を切り取り、燃焼試験(燃焼試験方法 MVSS−3
02)〔mm〕を行った。更に電子レンジ(500W)
×3分及び熱風乾燥機140℃×2時間の耐熱試験を行
い、フォームの黄変状態(スコーチ性)を黄色度(JI
S K−7103)で数値化した。また物性において
は、密度(JIS K−7222)〔kg/m3 〕、通
気度(JIS L−1004、ASTM D−737−
46)〔ml/cm2 /sec〕及び圧縮永久歪み(J
IS K−6401、ASTM D−1564)〔%〕
の測定を行った。得られた発泡体の物性を表2に示す。
【0047】
【表2】
【0048】表2より、本発明の難燃性組成物を用いた
難燃性ウレタンフォームは、比較例に比べて、難燃性、
スコーチ性に優れていることがわかった。また、該フォ
ームは、独立気泡がなく、通気性が良く、その結果物性
も良好であることがわかった。
【0049】
【発明の効果】本発明は、難燃性有機リン化合物とトリ
ブロモネオペンチルリン酸クロロアルキルエステルとの
相乗効果により少量で優れた難燃性、低スコーチ性を付
与するポリウレタンフォーム用難燃性組成物を提供する
ことができる。また、本発明の組成物は水酸基を有さな
い低粘度の液体であるので、ポリウレタン原料との混合
が容易で、成形加工性に優れ、歪みに悪影響を及ぼさな
いポリウレタンフォームを得ることができる。
【0050】よって本発明の難燃性組成物は、自動車及
び家具工業用等のポリウレタンフォーム製品に好ましい
物性を付与することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI //(C08K 5/00 5:13 5:521) (56)参考文献 特開 平3−182556(JP,A) 特開 昭52−102227(JP,A) 特開 昭61−130320(JP,A) 特開 平3−227368(JP,A) 特開 昭64−11164(JP,A) 特開 平8−325280(JP,A) 特開 平9−48918(JP,A) 特開 平5−105811(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C08L 75/00 - 75/16 C08K 5/00 - 5/59

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ジエチレングリコール−ビス[ジ(クロ
    ロプロピル)ホスフェート]またはエチレングリコール
    −ビス[ジ(クロロプロピル)ホスフェート]の難燃性
    有機リン化合物1〜99重量%と式(I): 【化1】 (式中、Rは水素原子、またはアルキル基もしくはクロ
    ロアルキル基、nは0.95〜1.15)で示されるト
    リブロモネオペンチルリン酸クロロアルキルエステル9
    9〜1重量%と、さらに酸化防止有効量の酸化防止剤と
    して、式(II): 【化2】 (式中、R 1 、R 2 、R 3 およびR 4 は、それぞれ水素
    原子または炭素数1〜14のアルキル基)で示されるヒ
    ドロキノン化合物あるいは3価の有機リン化合物または
    これらの混合物とからなり、1200〜2100cps
    の粘度を呈する液状のポリウレタンフォーム用難燃性組
    成物。
  2. 【請求項2】 ポリウレタンフォーム製造時に、ポリウ
    レタン形成用のポリオール原料100重量部に対して、
    難燃性有機リン化合物と式(I)のトリブロモネオペン
    チルリン酸クロロアルキルエステルとの混合物を2〜6
    0重量部使用される請求項1記載のポリウレタンフォー
    ム用難燃性組成物。
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