JP2011032367A - ポリウレタンフォーム用難燃剤、ポリウレタンフォーム用組成物、ポリウレタンフォーム、並びに、改質ポリウレタンフォームの製造方法 - Google Patents

ポリウレタンフォーム用難燃剤、ポリウレタンフォーム用組成物、ポリウレタンフォーム、並びに、改質ポリウレタンフォームの製造方法 Download PDF

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英雄 辻本
Hiromasa Okita
浩正 大北
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Abstract

【課題】耐フォギング性が良好で、かつ熱変色の少ない難燃性ポリウレタンフォームを提供すること。
【解決手段】100質量部の特定の含ハロゲン系縮合リン酸エステルと、
0.01〜2.0質量部の、式(2):
[化1]
Figure 2011032367

[式中、R、R、R、R、Rはそれぞれ独立に、−H、または、直鎖、分岐若しくは環状アルキル基である]で表されるビスアリールペンタエリスリトールジホスファイトとを含有するポリウレタンフォーム用難燃剤、及び上記含ハロゲン系縮合リン酸エステルと上記ビスアリールペンタエリスリトールジホスファイトを含むポリウレタンフォーム用組成物、並びに、該組成物から形成されるポリウレタンフォームを提供する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、ポリウレタンフォームの難燃剤、ポリウレタンフォーム用組成物、及び該組成物から得られるポリウレタンフォームに関する。また本発明は、改質ポリウレタンフォームの製造方法にも関する。
ポリウレタンフォームは、建材、自動車部品、室内生活用品などの各種成型品として幅広く利用されている。ポリウレタンフォームは燃焼性が高いことから、ポリウレタンフォームの多くには難燃剤が配合されている。そのような難燃剤として、塩素含有ホスフェート等の含ハロゲン系リン酸エステルが広く使用されている。
しかしながら、含ハロゲン系リン酸エステルが分子量の小さいものである場合、夏場の車内等の高温条件下でポリウレタンフォームから難燃剤自身が揮発し、フォギングが生じる傾向があった。
このフォギングを抑制する方法の一例として、低分子量の含ハロゲン系リン酸エステルをアルキレングリコールと反応させることにより、分子量の大きな含ハロゲン系リン酸エステル(含ハロゲン系縮合リン酸エステルとも言う)とし、揮発性の低分子量成分を低減させる方法が提案されている(特許文献1)。アルキレングリコールと反応させてオリゴマー化することにより得られる、分子量の大きな含ハロゲン系リン酸エステルの具体例として、特許文献1にはジエチレングリコール・クロロプロピル・ホスフェートのオリゴマー(DECPP)が提案されている。
しかしながら、上記方法においても、不純物の低分子量の含ハロゲン系リン酸エステル、例えばトリ(クロロプロピル)ホスフェート(TCPP)は完全には取り除くことができない。またオリゴマー成分も、長時間の加熱により解重合が起こり、分解によって低分子量の含ハロゲン系リン酸エステルが発生することから、フォギングを充分に防ぐことができなかった。
また従来のポリウレタンフォーム用難燃剤である、トリ(クロロプロピル)ホスフェート(TCPP)、ジエチレングリコール・クロロプロピル・ホスフェートのオリゴマー(DECPP)を使用したポリウレタンフォームは、高温下(80〜110℃)で長時間熱せられると褐色に変色するという問題があった。
特許第3113228号
上記事情に鑑み、本発明の目的は、耐フォギング性が良好で、かつ熱変色の少ない難燃性ポリウレタンフォームを提供することにある。
すなわち、本発明の第一の態様は、
100質量部の、式(1):
Figure 2011032367
[式中、Xは、ClCHCH(R)O−(Rは、−H、又はアルキル基若しくはクロロアルキル基)で表される1価の基であり、
Yは−OCHCH(OCHCHO−(mは0〜6の整数)で表される2価の基であり、
nは0〜6の整数である]
で表されるホスフェート化合物と、
0.01〜2.0質量部の、式(2):
Figure 2011032367
[式中、R、R、R、R、Rはそれぞれ独立に、−H、又は、直鎖、分岐若しくは環状アルキル基である]
で表されるビスアリールペンタエリスリトールジホスファイトと
を含有するポリウレタンフォーム用難燃剤に関する。
本発明の第二の態様は、
ポリオールと、
イソシアネートと、
式(1):
Figure 2011032367
[式中、Xは、ClCHCH(R)O−(Rは、−H、又はアルキル基若しくはクロロアルキル基)で表される1価の基であり、
Yは−OCHCH(OCHCHO−(mは0〜6の整数)で表される2価の基であり、
nは0〜6の整数である]
で表されるホスフェート化合物と、
式(2):
Figure 2011032367
[式中、R、R、R、R、Rはそれぞれ独立に、−H、又は、直鎖、分岐若しくは環状アルキル基である]
で表されるビスアリールペンタエリスリトールジホスファイトと
を含有するポリウレタンフォーム用組成物に関する。
上記ポリウレタンフォーム用組成物においては、ポリオール100質量部に対し、
上記イソシアネートの含有量が20〜100質量部であり
上記ホスフェート化合物の含有量が5〜50質量部であり、
上記ビスアリールペンタエリスリトールジホスファイトの含有量が0.01〜2.0質量部であるのが好ましい。
本発明の第三の態様は、上記ポリウレタンフォーム用組成物から得られるポリウレタンフォームに関する。
本発明の第四の態様は、
式(1):
Figure 2011032367
[式中、Xは、ClCHCH(R)O−(Rは、−H、又はアルキル基若しくはクロロアルキル基)で表される1価の基であり、
Yは−OCHCH(OCHCHO−(mは0〜6の整数)で表される2価の基であり、nは0〜6の整数である]で表されるホスフェート化合物と、
式(2):
Figure 2011032367
[式中、R、R、R、R、Rはそれぞれ独立に、−H、又は、直鎖、分岐若しくは環状アルキル基である]
で表されるビスアリールペンタエリスリトールジホスファイトとを含有するポリウレタンフォーム用難燃剤を調製し、該難燃剤と、ポリオールと、イソシアネートとを混合することによりポリウレタンフォーム用組成物を調製し、該ポリウレタンフォーム用組成物からポリウレタンフォームを形成することを特徴とする改質ポリウレタンフォームの製造方法に関する。
本発明においては、特定のビスアリールペンタエリスリトールジホスファイトを配合することにより、ポリウレタンフォームのフォギングの問題を解消するだけでなく、難燃性もが向上したポリウレタンフォーム用難燃剤、及びポリウレタンフォーム用組成物を提供できる。また、該難燃剤を含有することにより、長時間の加熱を受けても熱変色がほとんど生じないポリウレタンフォームを提供することができる。
実施例1と比較例1の熱重量分析(TGA)のチャートである。
以下、本発明について詳細に説明する。
(ポリウレタンフォーム用難燃剤)
本発明の第一の態様は、特定のホスフェート化合物と、特定のビスアリールペンタエリスリトールジホスファイトとをそれぞれ所定量含有するポリウレタンフォーム用難燃剤に関する。
具体的には、上記ホスフェート化合物は以下の式(1)により表されるものである。
Figure 2011032367
ここで式中、Xは、ClCHCH(R)O−(Rは、−H、又はアルキル基若しくはクロロアルキル基)で表される1価の基であり、
Yは−OCHCH(OCHCHO−(mは0〜6の整数)で表される2価の基であり、
nは0〜6の整数である。
本発明において、上記ホスフェート化合物は単独の化合物でもよく、またmが0〜6の整数、nが0〜6の整数で表される化合物の2種以上の混合物でもよい。本発明においては、mが小さいほど難燃効果が高くなる点で好ましく、具体的にはm=0〜2の上記化合物が好ましい。また、nが大きいほど揮発しにくくなる点で好ましく、具体的にはn=1〜6であるのが好ましく、n=2〜6の上記化合物を少なくとも一部に含有するものがより好ましい。
なかでも、上記式(1)で表されるホスフェート化合物の好ましい例としては、DECPP(ジエチレングリコール・クロロプロピル・ホスフェート及びそのオリゴマーの混合物、n=1〜6の混合物、X:ClCHCH(CH)O−、Y:−OCHCHOCHCHO−)が挙げられる。おおよその物性は以下の通りである。
外観:無色〜淡黄色透明液体
粘度:900〜1100cP(0.900〜1.100Pa・s)
比重(25℃):1.320〜1.340
色相(AHPA):150以下
酸価(KOH mg/g):0.30以下
上記ホスフェート化合物(含ハロゲン系縮合リン酸エステル)は、特に限定されないが、例えば次のような2つの工程を含む製造方法によって得ることができる。
第1工程について説明する。第1工程は、下記反応式(3):
Figure 2011032367
(式中、n及びYは式(1)と同義)で示される反応(以下、第1反応と呼ぶ)を行う工程である。
まず反応容器に、所定量のオキシ塩化リンを仕込み、攪拌下でアルキレングリコールを滴下し、上記反応式(3)に示す反応を行う。
この第1反応において、オキシ塩化リンにアルキレングリコールを作用させると、発熱反応が進行し、塩酸が生成する。また、オキシ塩化リンが未反応のまま残存している場合、下記の第2反応でプロピレンオキシドと反応し、低分子量のリン酸エステルのモノマーが生成する。この低分子量のリン酸エステルのモノマーは、フォギングの原因となり、またポリウレタンフォームの難燃性を低下させる。そこで、生成した塩酸と、系内に残存する未反応のオキシ塩化リンとを減圧下で除去する。
上記第1反応において、オキシ塩化リンとアルキレングリコールの配合比は、特に限定されないが、アルキレングリコール1モルに対し、オキシ塩化リンの量が1.5〜3.0モルになるよう原料を供給するのが好ましい。より好ましくはオキシ塩化リンの量が、アルキレングリコールに対してモル当量未満の量、具体的にはアルキレングリコール1モルに対してオキシ塩化リンの量が1.7〜1.8モルとなるよう反応槽に原料を供給する。オキシ塩化リンの量が、アルキレングリコールに対してモル当量未満の量であれば系内に残存する未反応のオキシ塩化リンを低減できる点で好ましい。
反応温度は0〜50℃、好ましくは15〜20℃で、生成する熱は反応槽に付属したジャケット又はコイルに冷媒を通し除去する。生成される縮合型ホスホロクロリデートは熱に不安定であり、出来るだけ低温でかつ短時間に塩酸と残存するオキシ塩化リンを除去することが求められる。そこで、脱塩化水素を温度15〜20℃、真空度10〜50torr(1.33〜6.67kPa)にて行い、次いで窒素を吹き込み、塩酸の除去を早めると共にオキシ塩化リンを除去する。窒素吹き込み終了後、温度20℃以下、真空度1〜10torr(0.13〜1.13kPa)で塩酸とオキシ塩化リンを除去する。
また、薄膜蒸留装置を用いることにより、温度16〜20℃、真空度1〜10torr(0.13〜1.13kPa)の範囲内で、第1反応液中の塩酸とオキシ塩化リンの残存量を最小にすることができる。
反応に使用されるアルキレングリコールとしては、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,4−ブチレングリコール、1,6−ヘキサンジオール等があるが、勿論これのみに限定されるものではない。中でもジエチレングリコールが好ましい。
次に第2工程について説明する。第2工程は、下記反応式(4):
Figure 2011032367
(式中、R、X、Y及びnは式(1)と同義)で示される第2反応において、含ハロゲン系縮合リン酸エステルを製造する工程である。
第2工程では、第1工程で製造した縮合型ホスホロクロリデートとアルキレンオキシドを反応させ、目的物である含ハロゲン系縮合リン酸エステルを得るが、この反応も第1反応と同様、発熱を伴う。縮合型ホスホロクロリデートは熱に弱く不安定なため、第2反応は、受熱時間が長くなる回分式反応より連続反応が好ましい。受熱時間が長くなると縮合型ホスホロクロリデートが熱分解し、好ましくない副反応を伴う可能性がある。一方、連続反応では、縮合型ホスホロクロリデートの受熱時間は短くなり、熱分解及び好ましくない副反応の生起率は、回分式に比べ格段に少なくなる。つまり、縮合型ホスホロクロリデートを含む第1反応の反応生成物を定量的に供給しつつ、該反応生成物に対応するアルキレンオキシドを供給し、徐々に反応させることが好ましい。具体的には、第1反応の反応生成物とアルキレンオキシドとをチューブ式定量ポンプ及び流量計で供給しつつ、両者を反応させる。
第2反応には、触媒の使用が有効である。触媒としては、例えば四塩化チタンを使用することができる。触媒の添加量は、特に限定されないが、縮合型ホスホロクロリデート1モルに対して好ましくは5〜15ミリモル、より好ましくは9〜13ミリモルである。
反応に使用されるアルキレンオキシドとしては、特に限定されないが、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド、エピクロロヒドリン等が挙げられる。中でもプロピレンオキシドが好ましい。
アルキレンオキシドの理論使用量は次式に従って算出する。
(アルキレンオキシドの理論使用量)=[A×B×C]/[100×MwCl
〔式中、Aは縮合型ホスホロクロリデートの重量(g)、Bは縮合型ホスホロクロリデートの塩素含有率(%)、Cはアルキレンオキシドの分子量、MwClは塩素の原子量(約35.5)である〕
アルキレンオキシドの実際の使用量は、特に限定されないが、理論使用量〜理論使用量の10wt%過剰、好ましくは理論使用量の2〜6wt%過剰である。過剰量が6wt%を超える場合、反応完結に必要な熟成時間を短縮できる利点があるが、一方、アルキレンオキシドの使用量を増加させるため経済的に不利である。
第2反応の反応温度は、特に限定されないが、好ましくは40〜80℃、より好ましくは60〜70℃である。40℃未満の温度では、反応の進行が非常に遅くなり実用的でなくなるおそれがある。また、80℃を超えると、反応液の着色や副反応物の増加などの現象が起き、高品位の製品を得ることが難しくなる場合がある。
特に限定されないが、反応を完結させるために必要な反応時間は、工業的規模の反応で通常10〜20時間の範囲にある。例えば、縮合型ホスホロクロリデートに対してプロピレンオキシドを5%モル過剰に使用して反応温度を55〜60℃で連続反応を行った場合、良好な品質をもった生成物を得るための滞留時間は12〜15時間である。
反応終了後、反応液を中和し、公知の方法によりろ過、水洗を行う。その後、蒸留を行い、所望の含ハロゲン系縮合リン酸エステルを得ることができる。蒸留はいずれの公知の方法に従って行ってもよいが、薄膜蒸留が好ましい。
次に、ビスアリールペンタエリスリトールジホスファイトについて説明する。上記ビスアリールペンタエリスリトールジホスファイトは、以下の式(2)により表されるものである。
Figure 2011032367
式中、R、R、R、R、Rはそれぞれ独立に、−H、又は、直鎖、分岐若しくは環状アルキル基である。
上記直鎖又は分岐アルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、t−ペンチル基、イソヘキシル基等の炭素数1〜8の直鎖又は分岐アルキル基が挙げられる。好ましくは炭素数1〜6の直鎖又は分岐アルキル基である。
環状アルキル基としては、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチルなどの炭素数3〜10のシクロアルキル基があげられ、好ましくは炭素数3〜6のシクロアルキル基が挙げられる。
中でも、上記式(2)のR、R、Rのうち、少なくとも一つは分岐アルキル基、特にt−ブチル基(−C(CH)であるビスアリールペンタエリスリトールジホスファイトが好ましく、RとRのうち、一方又は両方がt−ブチル基である、いわゆるヒンダード系のビスアリールペンタエリスリトールジホスファイトが好ましい。
上記ビスアリールペンタエリスリトールジホスファイトの具体例としては、ビス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト(式(2)中、RとRがt−ブチル基、RとRとRが−Hの化合物)、ビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト(式(2)中、RとRがt−ブチル基、Rがメチル基、RとRが−Hの化合物)等があげられる。ビス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイトは、商品名Chelex−303(堺化学工業株式会社製)、Songnox6260(共同薬品株式会社製)、Ultranox626、Ultranox624(いずれもChemtura社製)、として市販されている。
本発明のポリウレタンフォーム用難燃剤においては、100質量部の上記式(1)で表されるホスフェート化合物と、0.01〜2.0質量部の、上記式(2)で表されるビスアリールペンタエリスリトールジホスファイトとを含有する。好ましくは予め上記式(1)で表されるホスフェート化合物と上記式(2)で表されるビスアリールペンタエリスリトールジホスファイトとを50〜80℃で加熱混合し均一な透明液体としておくと良い。上記ホスフェート化合物と、ビスアリールペンタエリスリトールジホスファイトの量は、好ましくはホスフェート化合物が100質量部に対して、ビスアリールペンタエリスリトールジホスファイトが0.1〜0.5質量部である。
上記ポリウレタンフォーム用難燃剤は他の成分と併用してもよく、必要に応じて、例えば非ハロゲン系の縮合リン酸エステル系難燃剤を併用することができる。
(ポリウレタンフォーム用組成物)
次に本発明の第二の態様であるポリウレタンフォーム用組成物について説明する。本発明のポリウレタンフォーム用組成物は、ポリオールと、イソシアネートと、上記式(1)で表されるホスフェート化合物と、上記式(2)で表されるビスアリールペンタエリスリトールジホスファイトと、を含有する組成物である。
ポリオールとしては、特に限定されないが、数平均分子量1000〜10000のものが好ましく、2000〜5000のポリオールが特に好ましい。これらポリオールのOH価は20〜100であるのが好ましく、30〜60であることがより好ましい。このようなポリオールとしては、ポリエーテル系ポリオール、ポリエステル系ポリオール、ポリエステルポリエーテル系ポリオール等や、これらの変性ポリオールである、スチレン及び/又はアクリロニトリルグラフトポリマーポリオール等を使用できる。これらは1種を単独で又は2種以上を併用配合して使用することができる。
また、特に限定されないが、上記各種ポリオールの市販品としては、E−3030(分子量3000、f=3、旭硝子(株)製ポリエーテル系ポリオール)、V3943A(ベースポリオール分子量3000、f=3、ダウポリウレタン日本(株)製アクリロニトリル/スチレン43%グラフトコポリマーポリオール)、ACTCOL−T−300(分子量3000、f=3、三井化学(株)製ポリエーテル系ポリオール)等を挙げることができる。
次に、上記イソシアネートとしては、公知のイソシアネートを挙げることができる。特に限定されないが、例えば、トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、トリフェニルジイソシアネート、キシレンジイソシアネート、ポリメチレンポリフェニレンポリイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート等が挙げられる。
上記イソシアネートの配合量は特に制限されるものではないが、全ポリオール100質量部に対して、通常20〜100質量部であることが好ましい。100質量部を超えると樹脂化反応が進みすぎる場合があり、20質量部より少ないとポリウレタンフォームの樹脂化反応が進まない場合がある。
上記式(1)で表されるホスフェート化合物の種類、及びその好ましい例については既に説明した通りである。ポリウレタンフォーム用組成物中のホスフェート化合物の含有量は、全ポリオール100質量部に対して、5〜50質量部であるのが好ましく、10〜30質量部であるのがより好ましい。
上記式(2)で表されるビスアリールペンタエリスリトールジホスファイトの種類、及びその好ましい例については既に説明した通りである。ポリウレタンフォーム用組成物中のビスアリールペンタエリスリトールジホスファイトの含有量は、全ポリオール100質量部に対して、0.01〜2.0質量部であるのが好ましく、0.1〜0.5質量部であるのがより好ましい。
本発明のポリウレタンフォーム用組成物においては、更に他の難燃剤を含んでいてもよい。例えば、クレー、水酸化アルミニウム、三酸化アンチモン、亜鉛華、炭酸カルシウム、ポリリン酸アンモニウム、ポリリン酸メラミン、ポリリン酸ピペラジン、ピロリン酸メラミン、ピロリン酸ピペラジン、メラミンシアヌレート等の非ハロゲン系難燃剤を併用することができる。その含有量は、ポリオール成分100質量部に対して1〜10質量部、特に、1〜5質量部であるのが好ましい。
上記ポリウレタンフォーム組成物中には、通常のポリウレタンフォーム組成物と同様にして、必要に応じて発泡剤、触媒、整泡剤などの添加成分を配合することができる。
上記発泡剤は必要に応じて適宜配合することができる。そのような発泡剤としては、例えば水を好適に使用することができる。水以外にも、例えば、メチレンクロライド、モノフッ化トリ塩化メタンなどの低沸点の化合物を使用することもできる。
発泡剤の含有量は特に限定されないが、全ポリオール100質量部に対して、通常は0〜15質量部、好ましくは0〜5質量部とすることができる。
触媒としては、アミン系、錫系のいずれの触媒も好適に使用することができ、アミン系触媒としては、トリエタノールアミン、テトラメチルヘキサメチレンジアミン、ペンタメチルジエチレントリアミン、ジメチルシクロヘキシルアミン、ビス−(ジメチルアミノエチル)エーテル、テトラメチルプロピレンジアミン、トリメチルアミノエチルピペラジン、テトラメチルエチレンジアミン、ジメチルベンジルアミン、メチルモルホリン、エチルモルホリン、トリエチレンジアミン等、錫系触媒としては、スタナスオクテート、ジブチルチンジラウレート等を挙げることができる。
触媒の含有量は、特に限定されないが、全ポリオール100質量部に対して、例えば0〜5質量部、特に0.1〜1質量部とすることができる。
整泡剤としては、例えば、オルガノポリシロキサン、アルキルカルボン酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩等を挙げることができる。
整泡剤の含有量は、全ポリオール100質量部に対して0〜5質量部、特に0.5〜2質量部とすることができる。
更に、本発明のポリウレタンフォーム組成物に対しては、必要に応じて各種添加剤を配合することができ、例えば、顔料等の着色剤、炭酸カルシウム等の充填剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、カーボンブラック等の導電性物質、抗菌剤などを配合することができる。
(ポリウレタンフォーム)
本発明のポリウレタンフォームは、上記ポリウレタンフォーム組成物を発泡することにより得られるものである。その発泡方法としては、特に限定されないが、例えば、ワンショット法、プレポリマー法などを採用できる。なお、発泡温度は0〜40℃であるのが好ましく、特に15〜25℃が好ましい。この場合、容器内の圧縮率は特に制限されるものではなく、圧縮しなくてもよいが、通常、圧縮率は1/1〜1/5にして製造することができる。
特に限定されないが、一例としては以下のような方法によりポリウレタンフォームを作成することができる。まずポリオール及びその他の添加物(シリコーン油、錫系触媒、アミン系触媒、水など)及び上記難燃剤を配合し、撹拌機(回転数3000rpm程度)で1分程度撹拌して均一に混和する。その後、イソシアネートを加え、さらに3000rpm程度の回転数で数秒(5〜10秒程度)撹拌後、内容物を手早く直方体の容器に注ぐ。注入後、直ちに発泡が起こり、数分後に最大の容積に達する。この発泡体を更に加熱することにより硬化させ、ポリウレタンフォームを得る。
本発明のポリウレタンフォームは、建材、OA機器用断熱材、航空機や列車等に用いられる高難燃グレードの車両用・輸送用シート、自動車用シートクッション等の種々の成形品に用いることができ、目的とする成形品に要求される密度、引張強さ、圧縮残留歪み、反発弾性率、伸び等の種々の特性を所定の数値範囲内に適宜調整することができる。
また本発明は、式(1):
Figure 2011032367
[式中、Xは、ClCHCH(R)O−(Rは、−H、又はアルキル基若しくはクロロアルキル基)で表される1価の基であり、
Yは−OCHCH(OCHCHO−(mは0〜6の整数)で表される2価の基であり、
nは0〜6の整数である]
で表されるホスフェート化合物と、
式(2):
Figure 2011032367
[式中、R、R、R、R、Rはそれぞれ独立に、−H、又は、直鎖、分岐若しくは環状アルキル基である]
で表されるビスアリールペンタエリスリトールジホスファイトを含有するポリウレタンフォーム用難燃剤を調製し、該難燃剤と、ポリオールと、イソシアネートとを混合することによりポリウレタンフォーム用組成物を調製し、該ポリウレタンフォーム用組成物からポリウレタンフォームを形成することを特徴とする改質ポリウレタンフォームの製造方法にも関する。
本願発明の製造方法においては、まず上記式(1)で表されるホスフェート化合物と、上記式(2)で表されるビスアリールペンタエリスリトールジホスファイトを含有するポリウレタンフォーム用難燃剤を調製する。上記式(1)で表されるホスフェート化合物の具体例及び好ましい例、並びに上記式(2)中の、R、R、R、R、Rの例、及び好ましい例については本願明細書内において上述した通りである。
上記ポリウレタンフォーム用難燃剤は、上記式(1)で表されるホスフェート化合物100質量部に対し、上記式(2)で表されるビスアリールペンタエリスリトールジホスファイトとを0.01〜2.0質量部含有するのが好ましい。より好ましくはホスフェート化合物100質量部に対して、ビスアリールペンタエリスリトールジホスファイトの量は0.1〜0.5質量部である。また上記式(1)で表されるホスフェート化合物と上記式(2)で表されるビスアリールペンタエリスリトールジホスファイトとを50〜80℃程度に加熱した状態で、混合し均一な透明液体状の難燃剤として調製するのが好ましい。
次に得られたポリウレタンフォーム用難燃剤と、ポリオールと、イソシアネートとを混合してポリウレタンフォーム用組成物を調製する。
ポリオール、イソシアネートの種類及び好ましい例は上述した通りである。上記イソシアネートの配合量は特に制限されるものではないが、全ポリオール100質量部に対して、通常20〜100質量部であることが好ましい。100質量部を超えると樹脂化反応が進みすぎる場合があり、20質量部より少ないとポリウレタンフォームの樹脂化反応が進まない場合がある。
ポリウレタンフォーム用組成物中のホスフェート化合物の含有量は、全ポリオール100質量部に対して、5〜50質量部であるのが好ましく、10〜30質量部であるのがより好ましい。ビスアリールペンタエリスリトールジホスファイトの添加量は、特に限定されないが、全ポリオール100質量部に対して、0.01〜2.0質量部であるのが好ましく、0.1〜0.5質量部であるのがより好ましい。さらに、ポリウレタンフォーム用組成物は、上述したような発泡剤、触媒、整泡剤などの添加成分を必要に応じて配合することもできる。
上記ポリウレタンフォーム組成物を調製した後、公知の発泡方法に従ってポリウレタンフォームを形成する。より具体的なポリウレタンフォームの形成方法は、上記「ポリウレタンフォーム」の項で説明した通りである。このように上記式(1)で表されるホスフェート化合物と、上記式(2)で表されるビスアリールペンタエリスリトールジホスファイトを含有するポリウレタンフォーム用難燃剤を用いることにより、従来のポリウレタンフォームに比べ、フォギング及び熱変色を抑制し、かつ難燃性を高めた改質ポリウレタンフォームを製造することができる。
本発明を実施例に基づいてさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。なお下記実施例・比較例において、特に断りの無い限り、「%」は質量%を意味する。
(熱安定性評価)
サンプル10mgをSII(株)製TG−DTA EXSTAR 6300にセットし、空気流200ml/min中、5℃/minの速度で130℃まで昇温(30℃雰囲気で開始した場合は20分で130℃に到達)、130℃で160分保持し(合計180分)、熱重量分析(TGA)にて時間ごとの重量減少を測定することにより熱安定性を評価した。重量減少の大きなものは熱安定性が悪いことを示す。
(ポリウレタンフォームの発泡性評価)
下記難燃性ポリウレタンフォームの製造方法にて、下記表1に記載のポリオール、シリコーン油、錫系触媒、アミン系触媒、水及び難燃剤を配合し、3000rpm回転数の撹拌機で1分撹拌して均一に混和した。その後、イソシアネートを加えさらに3000rpmで5〜7秒撹拌後、内容物を手早く直方体の段ボール箱に注いだ。150秒後の最大発泡度を目視にて判定した。判定基準は以下の通り。
○:発泡性が良好であった
×:発泡不良が生じた
(難燃性の試験方法:UL94、等級HB)
UL94規格における発泡材料の水平燃焼性試験に従い、150×50×12.5mm厚の試験片を作製して燃焼性試験を行い、UL94規格の判定基準に基づき、HF−1、HF−2、HBFもしくは燃焼の判定を行った。
(ポリウレタンフォームのフォギングの評価方法)
試験片(厚さ10mm×直径80mm)を1リットル容のガラス製トールビーカーに入れて時計皿で蓋をし、110℃×3時間加熱した後、室温まで放冷し、再度同じ条件で加熱・放冷する試験を3回繰り返した。その後、時計皿を、文字を印刷したシートの上に置き、時計皿を通して文字が明瞭に認識できるかを目視及び写真で確認した。シート上の文字が明瞭に確認できた場合を○、フォギングにより文字が不明瞭であった場合を×とした。
(熱変色評価)
ポリウレタンフォームの製造方法で作成した試料を150×50×12.5(mm)厚の試験片の大きさに切り、該試験片を120℃のギアーオーブン中で4時間加熱後、取り出し、加熱前のポリウレタンフォームと比較して変色を目視にて判定した。
○:変色がほとんどない
×:黄色又は褐色に変色
(ポリウレタンフォームの製造方法)
下記表1に記載のポリオール、シリコーン油、錫系触媒、アミン系触媒、水、及び難燃剤を配合し、3000rpm回転数の撹拌機で1分撹拌して均一に混和した。その後、イソシアネートを加えさらに3000rpmで5〜7秒撹拌後、内容物を手早く直方体の段ボール箱に注いだ。直ちに発泡が起こり、数分後に最大の容積に達した。この発泡体を更に80℃で30分間、乾燥機内に保持することにより硬化させた。
[実施例1]
(ポリウレタンフォーム用難燃剤の調製及び熱安定性評価)
100質量部のジエチレングリコール・クロロプロピル・ホスフェート及びそのオリゴマーの混合物(DECPP)に対し0.1質量部のビス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイトを添加し、加熱しながら混合した。得られた透明液状難燃剤組成物の時間ごとの分解減量を熱重量分析で測定することにより、熱安定性を評価した。結果を図1に示す。
[比較例1]
DECPPの時間ごとの分解減量を熱重量分析で測定することにより、熱安定性を評価した。結果を図1に示す。
図1の通り、DECPPの時間ごとの分解減量を熱重量分析で測定し、熱安定性を評価したところ、ビス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイトを添加していない比較例1では、130℃で50分後からオリゴマーが著しく分解していることが判った。一方、ビス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイトを加えた難燃剤(実施例1)では、オリゴマーの分解は未添加に比べ防止されていることが判った。
[実施例2]
(難燃剤1の調製と、ポリウレタンフォームの作成)
100質量部のDECPPに対し、0.1質量部のビス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイトを添加し、70℃に加熱しながら混合した。こうして透明な液状難燃剤組成物(難燃剤1)を得た。難燃剤1を用い、表1に記載の配合でポリウレタンフォーム用組成物を調製した。得られたポリウレタンフォーム用組成物を用い、上記「ポリウレタンフォームの製造方法」に記載の方法に従ってポリウレタンフォームを作成した。得られたフォームについて各種評価を行った。
[実施例3]
(難燃剤2の調製と、ポリウレタンフォームの作成)
100質量部のDECPPに対し、0.3質量%のビス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイトを添加し、70℃に加熱しながら混合した。こうして透明な液状難燃剤組成物(難燃剤2)を得た。難燃剤2を用い、表1に記載の配合でポリウレタンフォーム用組成物を調製した。得られたポリウレタンフォーム用組成物を用い、上記「ポリウレタンフォームの製造方法」に記載の方法に従ってポリウレタンフォームを作成した。得られたフォームについて各種評価を行った。
[実施例4]
(難燃剤3の調製と、ポリウレタンフォームの作成)
100質量部のDECPPに対し0.5質量%のビス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイトを添加し、80℃に加熱しながら混合した。こうして透明な液状難燃剤組成物(難燃剤3)を得た。難燃剤3を用い、表1に記載の配合でポリウレタンフォーム用組成物を調製した。得られたポリウレタンフォーム用組成物を用い、上記「ポリウレタンフォームの製造方法」に記載の方法に従ってポリウレタンフォームを作成した。得られたフォームについて各種評価を行った。
[実施例5]
(難燃剤4の調製と、ポリウレタンフォームの作成)
100質量部のDECPPに対し0.3質量%のビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイトを添加し、80℃に加熱しながら混合した。こうして透明な液状難燃剤組成物(難燃剤4)を得た。難燃剤4を用い、表1に記載の配合でポリウレタンフォーム用組成物を調製した。得られたポリウレタンフォーム用組成物を用い、上記「ポリウレタンフォームの製造方法」に記載の方法に従ってポリウレタンフォームを作成した。得られたフォームについて各種評価を行った。
[比較例2]
難燃剤を添加しない以外は実施例2と同様の方法で比較ポリウレタンフォーム用組成物、及び比較ポリウレタンフォームを作成した。得られたフォームについて各種評価を行った。
[比較例3]
難燃剤1の代わりに、DECPPを配合した以外は実施例2と同様の方法で比較ポリウレタンフォーム用組成物、及び比較ポリウレタンフォームを作成した。得られたフォームについて各種評価を行った。
[比較例4]
(比較難燃剤1の調製と、ポリウレタンフォームの作成)
100質量部のDECPPに対し0.5質量%のトリス(ノニルフェニル)ホスファイトを添加し、80℃に加熱しながら混合した。放冷後白濁した液状難燃剤組成物(比較難燃剤1)を得た。比較難燃剤1を用い、表1に記載の配合でポリウレタンフォーム用組成物を調製した。得られたポリウレタンフォーム用組成物を用い、上記「ポリウレタンフォームの製造方法」に記載の方法に従ってポリウレタンフォームを作成した。得られたフォームについて各種評価を行った。
[比較例5]
(比較難燃剤2の調製と、ポリウレタンフォームの作成)
100質量部のDECPPに対し0.3質量%のテトラキス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)−4,4−ジフェニレンホスホナイトを添加し、80℃に加熱しながら混合した。放冷後白濁した液状難燃剤組成物(比較難燃剤2)を得た。比較難燃剤2を用い、表1に記載の配合でポリウレタンフォーム用組成物を調製した。得られたポリウレタンフォーム用組成物を用い、上記「ポリウレタンフォームの製造方法」に記載の方法に従ってポリウレタンフォームを作成した。得られたフォームについて各種評価を行った。
Figure 2011032367
使用原料
*1 ポリオール : 三井化学:ACTCOL−T−3000
*2 イソシアネート: 三井化学:コスモネートT−80
*3 シリコーン油 : 信越化学:F−242T
*4 錫系触媒 : 堺化学:TN−12
*5 アミン系触媒 : 花王:カオライザーNo.1
DECPP : ジエチレングリコール・クロロプロピル・ホスフェートのオリゴマー
表1の結果から分かるように、難燃剤1〜4を使用した実施例2〜5では、発泡性、難燃性に優れ、フォギングや熱変色が生じないポリウレタンフォームを得ることができた。これに対し、難燃剤を使用していない比較例2では当然ながら難燃性に劣り、熱変色が生じた。比較例3では、式(1)で表されるホスフェート化合物の一つであるDECPPのみを難燃剤として添加したが、耐フォギング性が不十分で、かつ熱変色の度合いも大きかった。また比較例4〜5では比較難燃剤としてDECPPに対し0.5質量%のトリス(ノニルフェニル)ホスファイトを添加した比較難燃剤1、(DECPP)に対し0.3質量%のテトラキス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)−4,4−ジフェニレンホスホナイトを添加した比較難燃剤2ではフォギングが生じた。
以上の結果から、本願発明の、式(1)で表されるホスフェート化合物と、式(2)で表されるビスアリールペンタエリスリトールジホスファイトとを含有する難燃剤により、ポリウレタンフォームのフォギングや熱変色を抑制し、かつ難燃性をも高めることが明らかとなった。

Claims (5)

  1. 100質量部の、式(1):
    Figure 2011032367
    [式中、Xは、ClCHCH(R)O−(Rは、−H、又はアルキル基若しくはクロロアルキル基)で表される1価の基であり、
    Yは−OCHCH(OCHCHO−(mは0〜6の整数)で表される2価の基であり、
    nは0〜6の整数である]
    で表されるホスフェート化合物と、
    0.01〜2.0質量部の、式(2):
    Figure 2011032367
    [式中、R、R、R、R、Rはそれぞれ独立に、−H、又は、直鎖、分岐若しくは環状アルキル基である]
    で表されるビスアリールペンタエリスリトールジホスファイトと
    を含有するポリウレタンフォーム用難燃剤。
  2. ポリオールと、
    イソシアネートと、
    式(1):
    Figure 2011032367
    [式中、Xは、ClCHCH(R)O−(Rは、−H、又はアルキル基若しくはクロロアルキル基)で表される1価の基であり、
    Yは−OCHCH(OCHCHO−(mは0〜6の整数)で表される2価の基であり、
    nは0〜6の整数である]
    で表されるホスフェート化合物と、
    式(2):
    Figure 2011032367
    [式中、R、R、R、R、Rはそれぞれ独立に、−H、又は、直鎖、分岐若しくは環状アルキル基である]
    で表されるビスアリールペンタエリスリトールジホスファイトと
    を含有するポリウレタンフォーム用組成物。
  3. 前記ポリオール100質量部に対し、
    前記イソシアネートの含有量が20〜100質量部であり、
    前記ホスフェート化合物の含有量が5〜50質量部であり、
    前記ビスアリールペンタエリスリトールジホスファイトの含有量が0.01〜2.0質量部である、
    請求項2記載のポリウレタンフォーム用組成物。
  4. 請求項2又は3記載のポリウレタンフォーム用組成物から得られるポリウレタンフォーム。
  5. 式(1):
    Figure 2011032367
    [式中、Xは、ClCHCH(R)O−(Rは、−H、又はアルキル基若しくはクロロアルキル基)で表される1価の基であり、
    Yは−OCHCH(OCHCHO−(mは0〜6の整数)で表される2価の基であり、
    nは0〜6の整数である]で表されるホスフェート化合物と、
    式(2):
    Figure 2011032367
    [式中、R、R、R、R、Rはそれぞれ独立に、−H、又は、直鎖、分岐若しくは環状アルキル基である]
    で表されるビスアリールペンタエリスリトールジホスファイトとを含有するポリウレタンフォーム用難燃剤を調製し、
    該難燃剤と、ポリオールと、イソシアネートとを混合することによりポリウレタンフォーム用組成物を調製し、該ポリウレタンフォーム用組成物からポリウレタンフォームを形成することを特徴とする改質ポリウレタンフォームの製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JPH08503992A (ja) * 1993-03-25 1996-04-30 ユニロイヤル ケミカル カンパニー インコーポレイテッド 安定化ポリエーテルポリオール及びそれらから得られたポリウレタンフォーム

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