JP3641738B2 - フィルムキャリア、フィルムスキャナ及び投影焼付装置 - Google Patents
フィルムキャリア、フィルムスキャナ及び投影焼付装置 Download PDFInfo
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、写真フィルムに記録されている駒画像を位置決める窓領域が設けられ、この窓領域に位置決められた駒画像を利用するために用いられるフィルムキャリアと、このフィルムキャリアを有し、この窓領域に位置決められた駒画像を撮像するフィルムスキャナと、このフィルムキャリアを有し、この窓領域に位置決められた駒画像から感光材料に投影焼付する投影焼付装置と、に関する発明である。
【0002】
【従来の技術】
従来、写真フィルムが移動するフィルムレーンが設けられ、窓が前記フィルムレーンに設けられた本体部と、前記本体部の前記窓近傍を覆うように配置された、前記本体部の前記窓近傍に窓が設けられたマスクと、前記マスクを前記本体部に圧着するための圧着部材と、を有し、前記圧着部材により前記本体部に圧着された前記マスクの前記窓及び前記本体部の前記窓が、重なった略長方形の窓領域に、写真フィルムに記録されている駒画像を位置決めた状態で、この窓領域に位置決められた駒画像を利用するために用いられるフィルムキャリア、及び、このフィルムキャリアを有し、この窓領域に位置決められた駒画像から感光材料に投影焼付する投影焼付装置が、用いられている。
【0003】
このような投影焼付装置においては、窓領域に位置決められた駒画像から投影焼付された感光材料の縁に、前記マスクの前記窓の周囲の部材あるいは前記本体部の前記窓の周囲の部材により、焼付光が遮られた領域が、生じることを防止するために、写真フィルムFの駒画像5と窓領域1と感光材料Pとの投影焼付の光学的関係を示す概略斜視図である図5に示すように、感光材料Pを所定の被焼付位置(感光材料が投影焼付されるための位置)に位置決めするだけでなく、所定の被焼付位置に位置決められた感光材料Pの周囲に駒画像5の像2が結像されるように、フィルム搬送方向及びフィルム幅方向の両方において、駒画像5の感光材料Pに結像される領域3を、窓領域1の大きさよりも小さくしている。
【0004】
しかし、単に、そのようにしただけでは、前記マスクを前記本体部に圧着したときに、前記マスクの前記窓がフィルム搬送方向に微妙にずれることがある。そして、前記マスクの前記窓がフィルム搬送方向に微妙にずれた場合、窓領域1に位置決められた駒画像5から投影焼付された感光材料Pの縁に、前記マスクの前記窓の周囲の部材により焼付光が遮られた領域が生じる。また、逆に、駒画像5から窓領域1がはみ出る可能性もある。
【0005】
そこで、駒画像5の感光材料Pに結像される領域3を、窓領域1の大きさよりもかなり小さくし、窓領域1の大きさを駒画像5よりもかなり小さくすることが一般的に行われている。
【0006】
しかし、この方法では、駒画像5の周辺部のかなりの部分が感光材料Pに投影焼付されない。従って、写真フィルムFに記録されている駒画像5の周辺部に主要被写体が配置されている場合、この主要被写体の一部又は全部が感光材料Pに投影焼付されないという問題が発生していた。また、感光材料Pに照射されない焼付露光光は、迷光となって画質を劣化させる元になるが、この感光材料Pに照射されない焼付露光光の光量が大きくなり、その分、画質を劣化させる問題もある。
【0007】
また、このような投影焼付装置の内部には、このフィルムキャリアを有し、この窓領域に位置決められた駒画像を、撮像素子に投影して撮像するフィルムスキャナが、設けられていることがある。そして、このようなフィルムスキャナも同様に駒画像の撮像素子に結像される領域を、窓領域の大きさよりも小さくしている。
【0008】
しかし、単に、そのようにしただけでは、前記マスクを前記本体部に圧着したときに、前記マスクの前記窓がフィルム搬送方向に微妙にずれることがあり、前記マスクの前記窓がフィルム搬送方向に微妙にずれた場合、駒画像から窓領域がはみ出る可能性もある。そして、駒画像から窓領域がはみ出ると、写真フィルムFがネガ写真フィルムの場合、素抜けの透過光量の大きい光が撮像素子に入射することになり、ブルーミングやスミヤなどの現象を起こしやすくなる。
【0009】
そこで、駒画像の撮像素子に結像される領域を、窓領域の大きさよりもかなり小さくし、窓領域の大きさを駒画像よりもかなり小さくする方法とブルーミングやスミヤなどの現象を起こしにくい撮像素子を用いる方法とが、考えられる。
【0010】
しかし、前者の方法では、駒画像の周辺部のかなりの部分が撮像素子に投影されないので、駒画像の周辺部に主要被写体が配置されている場合、この主要被写体の一部又は全部が撮像されないという問題が発生する。また、後者の方法では、撮像素子に高価なものを用いなければならない。
【0011】
そこで、従来のプリンタプロセッサのフィルムキャリアの一例の概略上面図(A)及び(A)のB−B断面図である概略正面断面図(B)である図6に示すように、マスク330の窓領域1の四隅の各々に相当する位置7に、マスク330と本体部301とが圧着離脱可能に、フィルム搬送方向及びフィルム幅方向の両方について、マスク330と本体部301とを相対的に位置決めるための部材、すなわち、フィルム搬送方向及びフィルム幅方向の両方に垂直な方向のみに移動方向を規制する規制部材を設けた。
【0012】
しかし、マスク330の窓領域1の四隅の各々に相当する位置7に、規制部材を設けるため、部品費用が高価になる。また、それだけでなく、フィルム搬送方向及びフィルム幅方向の両方に垂直な方向のみに移動方向を規制するように設けるため、加工精度が高くなって、加工費用も高価になる問題がある。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、少なくとも前記圧着部材により前記本体部に前記マスクが圧着された状態で、前記本体部の前記フィルムレーンを挟んで対向する2つの位置の一方の位置で、フィルム移動方向に垂直に設けられたピンとフィルム移動方向に垂直に伸びる溝とによって係合され、他方の位置で、前記マスクと前記本体部とが圧着離脱可能に、フィルム搬送方向及びフィルム幅方向の両方について、前記マスクと前記本体部とを相対的に位置決めるための規制部材を設けることにより、フィルム移動方向において、前記マスクと前記本体部とを、互いに相対的に位置決めることを考えた。
【0014】
しかし、フィルム搬送方向及びフィルム幅方向の両方に垂直な方向のみに移動方向を規制するように規制部材を設けるため、加工精度が高くなって、加工費用も高価になる問題が残る。また、マスクにかかるフィルム幅方向の力が、規制部材だけに、かかることになるので、規制部材が消耗・破損しやすい問題がある。
【0015】
本発明は、かかる点に鑑みてなされたもので、窓領域の大きさを駒画像よりもかなり小さくする必要がなく、さらに、駒画像の感光材料や撮像素子などに結像される領域を、窓領域の大きさよりもかなり小さくする必要がなく、高価な部品が不要で、加工費用も安価に済み、マスクにかかるフィルム幅方向の力が位置決め用の1つの部材だけにかかることを防止し、マスクを本体部に圧着させたり、離脱させたりすることが容易で、そのための機構も簡単にでき、また、別のサイズのマスクに交換しても精度が出しやすいようにすることを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】
本発明の上記目的は、特許請求の範囲の各請求項に記載の発明を特定するための事項の全てにより達成される。以下、各請求項について説明する。但し引用項の説明と重複する事項は省略することがある。
【0017】
〔請求項1〕『写真フィルムが移動するフィルムレーンが設けられ、窓が前記フィルムレーンに設けられた本体部と、
前記本体部の前記窓近傍を覆うように配置された、前記本体部の前記窓近傍に窓が設けられたマスクと、
前記マスクを前記本体部に圧着するための圧着部材と、を有し、
前記圧着部材により前記本体部に圧着された前記マスクの前記窓及び前記本体部の前記窓が重なった略長方形の窓領域に、写真フィルムに記録されている駒画像を位置決めた状態で、この窓領域に位置決められた駒画像を利用するために用いられるフィルムキャリアにおいて、
フィルム移動方向(フィルムレーンにおける写真フィルムの移動方向)の長さは、前記本体部の前記窓より前記窓領域の方が短く、前記マスクの前記窓と前記窓領域とで等しく、
フィルム幅方向(フィルムレーンにおける写真フィルムの幅方向)の長さは、前記マスクの前記窓より前記窓領域の方が短く、前記本体部の前記窓と前記窓領域とで等しく、
少なくとも前記圧着部材により前記本体部に前記マスクが圧着された状態で、前記本体部の前記フィルムレーンを挟んで対向する2つの位置の各々の位置で、フィルム移動方向に垂直に設けられたピンとフィルム移動方向に垂直に伸びる溝とによって係合されていることにより、前記マスクと前記本体部とは、互いに相対的にフィルム移動方向の位置決めがされていることを特徴とするフィルムキャリア。』
請求項1に記載の発明について、以下、説明する。
【0018】
先ず、フィルム移動方向に垂直に設けられたピンと、フィルム移動方向に垂直に伸びる溝と、によって、係合されていることにより、フィルム移動方向において、前記マスクと前記本体部とを、互いに相対的に位置決めるので、高価な部品が不要で、加工費用も安価に済む。
【0019】
そして、前記マスクと前記本体部とは、フィルム幅方向に摺動可能であるから、マスクにかかるフィルム幅方向の力が位置決め用の1つの部材だけにかかることを防止し、マスクを本体部に圧着させたり、離脱させたりすることが容易で、そのための機構も簡単にでき、また、別のサイズのマスクに交換しても精度が出しやすい。
【0020】
そして、フィルム幅方向の長さは、前記マスクの前記窓より前記窓領域の方が短く、前記本体部の前記窓と前記窓領域とで等しいので、前記本体部とフィルム幅方向の窓領域との相対的な位置は、前記本体部の前記窓によって、位置決められている。さらに、フィルム移動方向の長さは、前記本体部の前記窓より前記窓領域の方が短く、前記マスクの前記窓と前記窓領域とで等しく、かつ、フィルム移動方向において、前記マスクと前記本体部とが、互いに相対的に位置決められているので、前記本体部とフィルム幅方向の窓領域との相対的な位置は、前記本体部と互いに相対的に位置決められている前記マスクの前記窓によって、位置決められている。従って、フィルム搬送方向及びフィルム幅方向の両方で、前記本体部と窓領域との相対的な位置関係は、位置決められているので、窓領域の大きさを駒画像よりもかなり小さくする必要がなく、さらに、駒画像の感光材料に結像される領域を、窓領域の大きさよりもかなり小さくする必要がない。
【0021】
なお、ピンがマスクに設けられ、溝が本体部に設けられていても良いし、ピンが本体部に設けられ、溝がマスクに設けられていても良いし、一方のピンがマスクに設けられ、他方が本体部に設けられていても良いし、他の形態であってもよい。
【0022】
また、このフィルムキャリアは、このフィルムキャリアの前記窓領域に位置決められた駒画像から感光材料に投影焼付する投影焼付装置に用いられてもよいし、このフィルムキャリアの前記窓領域に位置決められた駒画像を撮像するフィルムスキャナに用いられても良いし、このフィルムキャリアの前記窓領域に位置決められた駒画像の特性を検出する画像特性検出装置に用いられても良いし、このフィルムキャリアの前記窓領域に位置決められた駒画像を観察する駒画像観察装置に用いられても良いし、他の装置に用いられてもよいが、特に、投影焼付装置又は撮像装置に用いられることが好ましい。
【0023】
〔請求項2〕『前記ピンがフィルム搬送方向及びフィルム幅方向の両方に垂直に設けられたものであり、前記溝がフィルム幅方向に伸びて設けられていることを特徴とする請求項1に記載のフィルムキャリア。』
請求項2により、より簡単な構造でより安価なコストでできる。
【0024】
〔請求項3〕『少なくとも前記圧着部材により前記本体部に前記マスクが圧着された状態で、前記マスクの、前記本体部の前記フィルムレーンを挟んで対向する2つの位置の各々の位置に、前記マスクの各々に前記ピンが設けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載のフィルムキャリア。』
請求項3に記載の発明により、万が一、ピンが折れても、マスクの交換だけで済み、より安価なコストで修理できる。
【0025】
〔請求項4〕『請求項1〜3に記載のいずれか1項に記載のフィルムキャリアを有し、
前記フィルムキャリアの前記窓領域に位置決められた駒画像から感光材料に投影焼付する投影焼付装置。』
請求項4に記載の発明により、窓領域に位置決められた駒画像から投影焼付された感光材料の縁に、前記マスクの前記窓の周囲の部材あるいは前記本体部の前記窓の周囲の部材により、焼付光が遮られた領域が生じることを防止しつつ、窓領域の大きさを駒画像よりもかなり小さくする必要がなく、さらに、駒画像の感光材料に結像される領域を、窓領域の大きさよりもかなり小さくする必要がなく、高価な部品が不要で、加工費用も安価に済み、マスクにかかるフィルム幅方向の力が位置決め用の1つの部材だけにかかることを防止し、マスクを本体部に圧着させたり、離脱させたりすることが容易で、そのための機構も簡単にでき、また、別のサイズのマスクに交換しても精度が出しやすい。
【0026】
〔請求項5〕『請求項1〜3に記載のいずれか1項に記載のフィルムキャリアを有し、
前記フィルムキャリアの前記窓領域に位置決められた駒画像を撮像素子に投影することにより、前記駒画像を撮像するフィルムスキャナ。』
請求項5に記載の発明により、窓領域の大きさを駒画像よりもかなり小さくする必要がなく、さらに、駒画像の撮像素子に結像される領域を、窓領域の大きさよりもかなり小さくする必要がなく、高価な部品が不要で、加工費用も安価に済み、マスクにかかるフィルム幅方向の力が位置決め用の1つの部材だけにかかることを防止し、マスクを本体部に圧着させたり、離脱させたりすることが容易で、そのための機構も簡単にでき、また、別のサイズのマスクに交換しても精度が出しやすい。
【0027】
【発明の実施の形態】
以下に本発明に関する具体例の一例を実施形態として示すが、本発明はこれらに限定されない。また、実施形態には、用語等に対する断定的な表現があるが、本発明の好ましい例を示すもので、本発明の用語の意義や技術的範囲を限定するものではない。
【0028】
実施形態
本実施形態は、本発明のフィルムキャリア、フィルムスキャナ及び投影焼付装置の具体例の一例であるフィルムキャリアを有するフィルムスキャナを有するプリンタプロセッサに関するものである。以下、本実施形態のプリンタプロセッサについて、本実施形態のプリンタプロセッサの概略構成図である図1と、本実施形態のプリンタプロセッサのフィルムキャリアの正面上方側から見た概略斜視図である図2と、本実施形態のプリンタプロセッサのフィルムキャリアから圧着部材及びマスクを外した状態の左背面上方側から見た概略斜視図である図3と、フィルムキャリアから圧着部材及びマスクを外してカバー部材を開いた状態の正面上方側から見た概略斜視図である図4と、駒画像と窓領域と感光材料との投影焼付の光学的関係を示す概略斜視図である図5と、本実施形態のプリンタプロセッサのフィルムキャリア概略上面図(A)及び(A)のB−B断面図である概略正面断面図(B)である図7と、本実施形態のプリンタプロセッサのフィルムキャリアのフルサイズ用マスクの背面上方側から見た概略斜視図である図8と、本実施形態のプリンタプロセッサのフィルムキャリアのフルサイズ用マスクの背面上方側から見た概略斜視図である図9と、本実施形態のプリンタプロセッサのフィルムキャリアの窓近傍の左正面上方側から見た概略斜視図である図10と、本実施形態のプリンタプロセッサのフィルムキャリアの窓領域を説明するための窓領域の概略上面図である図11とに基づいて、説明する。
【0029】
本実施形態のプリンタプロセッサは、フィルムキャリア300の窓領域1に位置付けられた写真フィルムFに記録されている駒画像5を撮像するフィルムスキャナ110を有し、このフィルムスキャナ110により撮像された画像から露光量を決定し、また、当該駒画像5に対する駒番号を設定し、決定された露光量に基づいて、前記写真フィルムFの当該駒画像5からプリント用感光材料Pに焼付露光して、設定された前記駒番号を当該プリント用感光材料66に記録する投影焼付装置100と、プリント用感光材料を現像処理する自動現像機200とからなる。以下、本実施形態のプリンタプロセッサの投影焼付装置100について説明する。
【0030】
マガジンセット部170には、プリント用感光材料Pを収容したマガジンMをセットすることができる。そして、マガジンMは収容するプリント用感光材料Pの種類及び幅毎に異なり、マガジンセット部170にセットすると自動的にセットされたマガジンMに収容されているプリント用感光材料Pの種類及び幅が制御部120に設定されるようになっている。
【0031】
そして、フィルムスキャナ110は、以下のような構造を持っている。光源102の白色発光が色フィルタ部104を介して拡散ボックス106で均一に拡散されて、フィルムキャリア300の窓領域1に位置付けられた写真フィルムFの駒画像5を均一に照明する。なお、色フィルタ部104は、青色光カットフィルタと緑色光カットフィルタと赤色光カットフィルタとを有し、制御部120による露光制御によって、各々のフィルタを光軸に挿入離脱させることにより、フィルムキャリア300の窓領域1に位置付けられた写真フィルムFの駒画像5を照明する照明光の色調を調整する。そして、フィルムキャリア300の窓領域1に位置付けられ、均一に照明された写真フィルムFの駒画像5は、可動ミラー112により反射されて、結像レンズ114により、撮像素子を内蔵した撮像部116の撮像素子上に結像される。そして、撮像部116は、撮像素子上に結像された駒画像5の像を光電変換し、デジタル化して、駒画像5のデジタル画像データを得て、制御部120に送信する。
【0032】
そして、制御部120は、駒画像5のデジタル画像データから露光条件を決定する。そして、移動ミラー122を露光光路から退避させて、色フィルタ部104とシャッタ制御部124とを制御して、決定した露光条件で、窓領域1に位置決めされた駒画像からプリント用感光材料Pを露光する。
【0033】
なお、移動ミラー122は、露光光路に挿入離脱可能に設けられており、露光光路に挿入されることで、撮像部116で撮像でき、露光光路から離脱されることで、露光台140上の所定位置に位置づけられた感光材料Pを投影焼付できる。
【0034】
そして、フィルムキャリア300の窓領域1の鉛直方向下方にズームレンズ126が設けられている。そして、その下方に、露光台140が設けられている。また、フィルムキャリア300の窓領域1とズームレンズ126との間にシャッタを露光光路に挿入離脱させるシャッタ制御部124が設けられている。
【0035】
次に、フィルムキャリア300について詳しく説明する。フィルムキャリア300は、本体部301とマスク330と圧着部材340とソレノイド360とカバー部材370とを有する。
【0036】
本体部301には、写真フィルムFが移動するフィルムレーンであるフィルム用案内路320が設けられている。そして、窓321がフィルム用案内路320に設けられている。
【0037】
マスク330は、本体部301の窓321近傍を覆うように配置されている。そして、マスク330には、本体部301の窓321近傍に窓331が設けられている。
【0038】
圧着部材340は、マスク330が本体部301に対してフィルム搬送方向に位置決めされた状態を維持しながら、マスク330を本体部301の窓321近傍に圧着するために、マスク330のフィルム搬送方向両端で保持している。また、圧着部材340は、マスク330を支持している側の反対側で上下方向に回動可能に本体部301に保持されている。
【0039】
そして、ソレノイド360は、圧着部材340を上下動させるもので、圧着部材340を下方に移動させることで、マスク330を本体部301の窓321近傍に圧着し、圧着部材340を上方に移動させることで、マスク330を本体部301の窓321近傍から離脱させる。
【0040】
カバー部材370は、開閉可能に本体部301に保持されている。そして、通常動作時は、カバー部材370は閉められており、投影焼付装置100の所定位置からフィルムキャリア300を取り出すと、図4に示すように、カバー部材370を開くことができ、カバー部材370を開くことにより、マスク330の交換などができる。
【0041】
そして、図11に示すように、圧着部材340により本体部301に圧着されたマスク330の窓331及び本体部301の窓321が重なった略長方形の領域を窓領域1と呼ぶ。そして、フィルムキャリア300は、写真フィルムFに記録されている駒画像5を窓領域1に位置決められた状態で、この窓領域1に位置決められた駒画像5を撮像したり、プリント用感光材料Fに投影焼付したりすることができる。
【0042】
また、フィルムキャリア300には、本体部301に対してフィルム搬送方向に位置決めされた状態で、圧着部材340に保持されたマスク330が設けられている。そして、ソレノイド360により圧着部材340に保持されたマスク330をフィルム用案内路150に押圧することにより、窓領域1に位置付けられた駒画像5周辺の写真フィルムFをフィルム用案内路150に圧着させることができる。圧着部材340に保持されたマスク330は、プリントする写真フィルムFの駒画像の画面サイズ(例えば、フルサイズ、ハーフサイズ、パノラマサイズ、ワイドサイズなど)によって、フルサイズ用の圧着部材340に保持されたマスク330を示す図8やハーフサイズ用の圧着部材340に保持されたマスク330を示す図9などから判るように、セットされるべきものが異なる。そして、セットされたマスク330によって駒画像の画面サイズを制御部120に自動的に設定するようになっている。
【0043】
そして、制御部120は、設定された駒画像の画面サイズとマガジンMに収容されているプリント用感光材料の種類及び幅によって、作成可能なプリントサイズと作成可能なプリントサイズ各々に対するズームレンズ倍率を設定する。
【0044】
また、フィルムキャリア300は、フィルムレーンであるフィルム用案内路320における写真フィルムFの移動方向(フィルム移動方向)の長さは、本体部301の窓321より窓領域1の方が短く、マスク330の窓331と窓領域1とで等しい。また、フィルム用案内路320における写真フィルムFの幅方向(フィルム幅方向)の長さは、マスク330の窓331より窓領域1の方が短く、本体部301の窓321と窓領域1とで等しい。
【0045】
そして、図10に示すように、マスク330には、圧着部材340により本体部301にマスク330が圧着された状態で、フィルム用案内路320における写真フィルムFの移動方向に垂直になるように、ピン332、333が設けられている。ピン332とピン333は、それぞれ、圧着部材340により本体部301にマスク330が圧着された状態で、本体部301のフィルム用案内路320を挟んで対向する位置にあるように、設けられている。
【0046】
そして、万が一、ピン332、333が折れても、マスク330の交換だけで済み、より安価なコストで修理できる。
【0047】
そして、本体部301には、フィルム移動方向に垂直に伸びる溝322、323が設けられている。これらの溝322、323は、本体部301のフィルム用案内路320を挟んで対向する位置に設けられている。
【0048】
そして、圧着部材340により本体部301にマスク330が圧着された状態で、マスク330に設けられたピン332、333と本体部301に設けられた溝322、323が係合することにより、マスク330と本体部301とが、フィルム移動方向において互いに相対的に位置決められている。これにより、より簡単な構造で、高価な部品が不要で、加工費用も安価に済み、より安価にできる。
【0049】
そして、マスク330に設けられたピン332、333と本体部301に設けられた溝322、323とは、フィルム幅方向に摺動可能であるから、マスク330にかかるフィルム幅方向の力が位置決め用の1つの部材だけにかかることを防止できる。また、マスク330を本体部301に圧着させたり、離脱させることが容易で、そのための機構も簡単にでき、また、別のサイズのマスクに交換しても精度が出しやすい。
【0050】
そして、窓領域1のフィルム幅方向の長さL3は、マスク330の窓331のフィルム幅方向の長さL4より短く、本体部301の窓321のフィルム幅方向の長さL3と等しい。従って、本体部301と窓領域1とのフィルム幅方向の相対的な位置は、本体部301の窓321によって、位置決められている。
【0051】
さらに、窓領域1のフィルム移動方向の長さL2は、本体部301の窓321のフィルム移動方向の長さL1より短く、マスク330の窓331と等しい。そして、マスク330と本体部301とが、フィルム移動方向において、互いに相対的に位置決められている。従って、本体部301と窓領域1とのフィルム移動方向の相対的な位置は、本体部301と互いに相対的に位置決められているマスク330の窓331によって、位置決められている。
【0052】
従って、フィルム搬送方向及びフィルム幅方向の両方で、本体部301と窓領域1との相対的な位置関係は位置決められているので、窓領域1の大きさを駒画像5よりもかなり小さくする必要がなく、さらに、駒画像5の感光材料Pに結像される領域3を、窓領域1の大きさよりもかなり小さくする必要がない。
【0053】
次に、写真フィルムFを搬送するための搬送駆動系について説明する。パルスモータ350の回転駆動を、プーリ351を介して、ベルト352に伝達し、ベルト352からプーリ353〜355を介して搬送駆動ローラ356〜358が回転駆動することにより、フィルム用案内路320で幅位置を規制されたフィルムレーンで写真フィルムFを0.2mmピッチで往復搬送できる。
【0054】
次に、フィルムキャリア300に設けられている各種センサについて、説明する。フィルムキャリア300のフィルム用案内路320には、写真フィルムFの挿入を検出するための挿入検出センサ319と、挿入検出センサ319用の光源である発光ダイオード318と、搬送されている写真フィルムFのDXコードを検出するためのDXコードセンサ317と、DXコードセンサ317用の光源である発光ダイオード316と、搬送されている写真フィルムFの駒番号コードを検出するための駒番号コードセンサ315と、駒番号コードセンサ315用の光源である発光ダイオード314と、搬送されている写真フィルムFの駒画像の位置を検出するための駒画像検出センサ313、311と、駒画像検出センサ313、311用の光源である発光ダイオード312、310とが設けられている。そして、DXコードセンサ317と、駒番号コードセンサ315と、駒画像検出センサ313とは、フィルム搬送方向に同じ位置に、すなわち、フィルム幅方向に並べて設けられている。また、これらのセンサの出力は電流電圧変換増幅アンプを介して、A/D変換された後、制御部120に送られる。
【0055】
次に、プリンタプロセッサの動作について簡単に説明する。フィルムキャリア300の挿入検出センサ319が写真フィルムFの挿入を検出すると、制御部120は、パルスモータ350を回転駆動させて、写真フィルムFを搬送する。この際に、パルスモータ350を正方向に1パルス駆動させる毎に、制御部120は、カウンタを+1し、負方向に1パルス駆動させる毎に、カウンタを−1して、フィルム先端位置が駒画像検出センサ313からどれだけ離れた位置にあるのか常に把握している。
【0056】
そして、このように写真フィルムFを搬送している間に、同時に、DXコードセンサ317が、搬送されている写真フィルムFのDXコードを検出するために出力し、駒番号コードセンサ315が、搬送されている写真フィルムFの駒番号コードを検出するために出力し、駒画像検出センサ311、313が、搬送されている写真フィルムFの駒画像の画面位置を検出するために出力し、制御部120は、写真フィルムFを1パルス搬送する毎に、各センサの出力を読み込み、駒画像の画面位置及び各コードを検出する。
【0057】
また、制御部120は、設定された駒画像の画面サイズに応じて、駒画像毎の搬送ピッチや駒画像の画面位置検出のパラメータが選択されるとともに、駒画像に対する駒番号の設定方法(ハーフサイズとフルサイズ及びパノラマサイズとで異なる)も選択される。
【0058】
そして、制御部120は、検出した各駒画像の画面位置から、フィルム先端からの各駒画像の画面中心位置を算出し、メモリに記憶させる。また、制御部120は、検出した各駒番号コードのフィルム先端からの位置並びに駒番号及び検出したDXコードのフィルム先端からの位置から写真フィルムFに記録されているフィルム先端からの各駒番号の位置を推定し、メモリに記憶させる。また、制御部120は、不明確な駒番号や駒番号の位置に対して、判明している各駒番号の位置から、推定し、写真フィルムFに記録されているフィルム先端からの各駒番号の位置をメモリに記憶させる。
【0059】
そして、写真フィルムFをフィルム先端から後端近傍まで一定方向に移動させることで、各駒画像の中心位置と各駒番号との位置関係を判定し、各駒画像に、駒番号を付与する。
【0060】
そして、挿入検出センサ319、DXコードセンサ317、駒番号コードセンサ315、及び、駒画像検出センサ311、313の搬送方向の位置と窓領域1の中心位置との間隔は予め設定されているので、写真フィルムFを逆方向に搬送して、駒画像の中心位置が窓領域1の中心位置に来た時に、写真フィルムFを停止して、ソレノイド360を駆動させて、圧着部材340に保持されたマスク330をフィルム用案内路320に圧着させる。
【0061】
そして、可動ミラー112を露光光路に挿入させて、撮像部116が、窓領域1に位置決めされた駒画像を撮像し、駒画像5のデジタル画像データを得て、制御部120に駒画像5のデジタル画像データを送信し、制御部120が駒画像5のデジタル画像データから露光条件を決定する。そして、移動ミラー122を露光光路から退避させて、色フィルタ部104とシャッタ制御部124とを制御して、決定した露光条件で、窓領域1に位置決めされた駒画像からプリント用感光材料Pを露光する。
【0062】
そして、ソレノイド360を駆動させて、圧着部材340に保持されたマスク330をフィルム用案内路320から離脱させて、写真フィルムFの搬送を再開する。
【0063】
また、露光台140は露光されたプリント用感光材料Pを自動現像機200側に送り、次の未露光のプリント用感光材料Pをセットする。そして、露光されたプリント用感光材料Pの裏に駒番号を印字する。そして、露光され、自動現像機200に送られたプリント用感光材料Pは、現像処理される。
【0064】
そして、投影焼付装置100は、以上の動作を繰り返す。
【0065】
【発明の効果】
本発明により、窓領域の大きさを駒画像よりもかなり小さくする必要がなく、さらに、駒画像の感光材料に結像される領域を、窓領域の大きさよりもかなり小さくする必要がなく、高価な部品が不要で、加工費用も安価に済み、マスクにかかるフィルム幅方向の力が位置決め用の1つの部材だけにかかることを防止し、マスクを本体部に圧着させたり、離脱させたりすることが容易で、そのための機構も簡単にでき、また、別のサイズのマスクに交換しても精度が出しやすい。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態のプリンタプロセッサの概略構成図。
【図2】実施形態のプリンタプロセッサのフィルムキャリアの正面上方側から見た概略斜視図。
【図3】実施形態のプリンタプロセッサのフィルムキャリアから圧着部材及びマスクを外した状態の左背面上方側から見た概略斜視図。
【図4】実施形態のプリンタプロセッサのフィルムキャリアから圧着部材及びマスクを外してカバー部材を開いた状態の正面上方側から見た概略斜視図。
【図5】駒画像と窓領域と感光材料との投影焼付の光学的関係を示す概略斜視図。
【図6】従来のプリンタプロセッサのフィルムキャリアの概略上面図(A)及び(A)のB−B断面図である概略正面断面図(B)
【図7】実施形態のプリンタプロセッサのフィルムキャリアの概略上面図(A)及び(A)のB−B断面図である概略正面断面図(B)
【図8】実施形態のプリンタプロセッサのフィルムキャリアの圧着部材及びフルサイズ用マスクの背面上方側から見た概略斜視図。
【図9】実施形態のプリンタプロセッサのフィルムキャリアの圧着部材及びフルサイズ用マスクの背面上方側から見た概略斜視図。
【図10】実施形態のプリンタプロセッサのフィルムキャリアの窓近傍の左正面上方側から見た概略斜視図。
【図11】実施形態のプリンタプロセッサのフィルムキャリアの窓領域を説明するための窓領域の概略上面図。
【符号の説明】
100 投影焼付装置
110 フィルムスキャナ
200 自動現像機
300 フィルムキャリア
301 本体部
320 フィルム用案内路
321 窓
322、323 溝
330 マスク
331 窓
332、333 ピン
340 圧着部材
360 ソレノイド
370 カバー部材
【発明の属する技術分野】
本発明は、写真フィルムに記録されている駒画像を位置決める窓領域が設けられ、この窓領域に位置決められた駒画像を利用するために用いられるフィルムキャリアと、このフィルムキャリアを有し、この窓領域に位置決められた駒画像を撮像するフィルムスキャナと、このフィルムキャリアを有し、この窓領域に位置決められた駒画像から感光材料に投影焼付する投影焼付装置と、に関する発明である。
【0002】
【従来の技術】
従来、写真フィルムが移動するフィルムレーンが設けられ、窓が前記フィルムレーンに設けられた本体部と、前記本体部の前記窓近傍を覆うように配置された、前記本体部の前記窓近傍に窓が設けられたマスクと、前記マスクを前記本体部に圧着するための圧着部材と、を有し、前記圧着部材により前記本体部に圧着された前記マスクの前記窓及び前記本体部の前記窓が、重なった略長方形の窓領域に、写真フィルムに記録されている駒画像を位置決めた状態で、この窓領域に位置決められた駒画像を利用するために用いられるフィルムキャリア、及び、このフィルムキャリアを有し、この窓領域に位置決められた駒画像から感光材料に投影焼付する投影焼付装置が、用いられている。
【0003】
このような投影焼付装置においては、窓領域に位置決められた駒画像から投影焼付された感光材料の縁に、前記マスクの前記窓の周囲の部材あるいは前記本体部の前記窓の周囲の部材により、焼付光が遮られた領域が、生じることを防止するために、写真フィルムFの駒画像5と窓領域1と感光材料Pとの投影焼付の光学的関係を示す概略斜視図である図5に示すように、感光材料Pを所定の被焼付位置(感光材料が投影焼付されるための位置)に位置決めするだけでなく、所定の被焼付位置に位置決められた感光材料Pの周囲に駒画像5の像2が結像されるように、フィルム搬送方向及びフィルム幅方向の両方において、駒画像5の感光材料Pに結像される領域3を、窓領域1の大きさよりも小さくしている。
【0004】
しかし、単に、そのようにしただけでは、前記マスクを前記本体部に圧着したときに、前記マスクの前記窓がフィルム搬送方向に微妙にずれることがある。そして、前記マスクの前記窓がフィルム搬送方向に微妙にずれた場合、窓領域1に位置決められた駒画像5から投影焼付された感光材料Pの縁に、前記マスクの前記窓の周囲の部材により焼付光が遮られた領域が生じる。また、逆に、駒画像5から窓領域1がはみ出る可能性もある。
【0005】
そこで、駒画像5の感光材料Pに結像される領域3を、窓領域1の大きさよりもかなり小さくし、窓領域1の大きさを駒画像5よりもかなり小さくすることが一般的に行われている。
【0006】
しかし、この方法では、駒画像5の周辺部のかなりの部分が感光材料Pに投影焼付されない。従って、写真フィルムFに記録されている駒画像5の周辺部に主要被写体が配置されている場合、この主要被写体の一部又は全部が感光材料Pに投影焼付されないという問題が発生していた。また、感光材料Pに照射されない焼付露光光は、迷光となって画質を劣化させる元になるが、この感光材料Pに照射されない焼付露光光の光量が大きくなり、その分、画質を劣化させる問題もある。
【0007】
また、このような投影焼付装置の内部には、このフィルムキャリアを有し、この窓領域に位置決められた駒画像を、撮像素子に投影して撮像するフィルムスキャナが、設けられていることがある。そして、このようなフィルムスキャナも同様に駒画像の撮像素子に結像される領域を、窓領域の大きさよりも小さくしている。
【0008】
しかし、単に、そのようにしただけでは、前記マスクを前記本体部に圧着したときに、前記マスクの前記窓がフィルム搬送方向に微妙にずれることがあり、前記マスクの前記窓がフィルム搬送方向に微妙にずれた場合、駒画像から窓領域がはみ出る可能性もある。そして、駒画像から窓領域がはみ出ると、写真フィルムFがネガ写真フィルムの場合、素抜けの透過光量の大きい光が撮像素子に入射することになり、ブルーミングやスミヤなどの現象を起こしやすくなる。
【0009】
そこで、駒画像の撮像素子に結像される領域を、窓領域の大きさよりもかなり小さくし、窓領域の大きさを駒画像よりもかなり小さくする方法とブルーミングやスミヤなどの現象を起こしにくい撮像素子を用いる方法とが、考えられる。
【0010】
しかし、前者の方法では、駒画像の周辺部のかなりの部分が撮像素子に投影されないので、駒画像の周辺部に主要被写体が配置されている場合、この主要被写体の一部又は全部が撮像されないという問題が発生する。また、後者の方法では、撮像素子に高価なものを用いなければならない。
【0011】
そこで、従来のプリンタプロセッサのフィルムキャリアの一例の概略上面図(A)及び(A)のB−B断面図である概略正面断面図(B)である図6に示すように、マスク330の窓領域1の四隅の各々に相当する位置7に、マスク330と本体部301とが圧着離脱可能に、フィルム搬送方向及びフィルム幅方向の両方について、マスク330と本体部301とを相対的に位置決めるための部材、すなわち、フィルム搬送方向及びフィルム幅方向の両方に垂直な方向のみに移動方向を規制する規制部材を設けた。
【0012】
しかし、マスク330の窓領域1の四隅の各々に相当する位置7に、規制部材を設けるため、部品費用が高価になる。また、それだけでなく、フィルム搬送方向及びフィルム幅方向の両方に垂直な方向のみに移動方向を規制するように設けるため、加工精度が高くなって、加工費用も高価になる問題がある。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、少なくとも前記圧着部材により前記本体部に前記マスクが圧着された状態で、前記本体部の前記フィルムレーンを挟んで対向する2つの位置の一方の位置で、フィルム移動方向に垂直に設けられたピンとフィルム移動方向に垂直に伸びる溝とによって係合され、他方の位置で、前記マスクと前記本体部とが圧着離脱可能に、フィルム搬送方向及びフィルム幅方向の両方について、前記マスクと前記本体部とを相対的に位置決めるための規制部材を設けることにより、フィルム移動方向において、前記マスクと前記本体部とを、互いに相対的に位置決めることを考えた。
【0014】
しかし、フィルム搬送方向及びフィルム幅方向の両方に垂直な方向のみに移動方向を規制するように規制部材を設けるため、加工精度が高くなって、加工費用も高価になる問題が残る。また、マスクにかかるフィルム幅方向の力が、規制部材だけに、かかることになるので、規制部材が消耗・破損しやすい問題がある。
【0015】
本発明は、かかる点に鑑みてなされたもので、窓領域の大きさを駒画像よりもかなり小さくする必要がなく、さらに、駒画像の感光材料や撮像素子などに結像される領域を、窓領域の大きさよりもかなり小さくする必要がなく、高価な部品が不要で、加工費用も安価に済み、マスクにかかるフィルム幅方向の力が位置決め用の1つの部材だけにかかることを防止し、マスクを本体部に圧着させたり、離脱させたりすることが容易で、そのための機構も簡単にでき、また、別のサイズのマスクに交換しても精度が出しやすいようにすることを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】
本発明の上記目的は、特許請求の範囲の各請求項に記載の発明を特定するための事項の全てにより達成される。以下、各請求項について説明する。但し引用項の説明と重複する事項は省略することがある。
【0017】
〔請求項1〕『写真フィルムが移動するフィルムレーンが設けられ、窓が前記フィルムレーンに設けられた本体部と、
前記本体部の前記窓近傍を覆うように配置された、前記本体部の前記窓近傍に窓が設けられたマスクと、
前記マスクを前記本体部に圧着するための圧着部材と、を有し、
前記圧着部材により前記本体部に圧着された前記マスクの前記窓及び前記本体部の前記窓が重なった略長方形の窓領域に、写真フィルムに記録されている駒画像を位置決めた状態で、この窓領域に位置決められた駒画像を利用するために用いられるフィルムキャリアにおいて、
フィルム移動方向(フィルムレーンにおける写真フィルムの移動方向)の長さは、前記本体部の前記窓より前記窓領域の方が短く、前記マスクの前記窓と前記窓領域とで等しく、
フィルム幅方向(フィルムレーンにおける写真フィルムの幅方向)の長さは、前記マスクの前記窓より前記窓領域の方が短く、前記本体部の前記窓と前記窓領域とで等しく、
少なくとも前記圧着部材により前記本体部に前記マスクが圧着された状態で、前記本体部の前記フィルムレーンを挟んで対向する2つの位置の各々の位置で、フィルム移動方向に垂直に設けられたピンとフィルム移動方向に垂直に伸びる溝とによって係合されていることにより、前記マスクと前記本体部とは、互いに相対的にフィルム移動方向の位置決めがされていることを特徴とするフィルムキャリア。』
請求項1に記載の発明について、以下、説明する。
【0018】
先ず、フィルム移動方向に垂直に設けられたピンと、フィルム移動方向に垂直に伸びる溝と、によって、係合されていることにより、フィルム移動方向において、前記マスクと前記本体部とを、互いに相対的に位置決めるので、高価な部品が不要で、加工費用も安価に済む。
【0019】
そして、前記マスクと前記本体部とは、フィルム幅方向に摺動可能であるから、マスクにかかるフィルム幅方向の力が位置決め用の1つの部材だけにかかることを防止し、マスクを本体部に圧着させたり、離脱させたりすることが容易で、そのための機構も簡単にでき、また、別のサイズのマスクに交換しても精度が出しやすい。
【0020】
そして、フィルム幅方向の長さは、前記マスクの前記窓より前記窓領域の方が短く、前記本体部の前記窓と前記窓領域とで等しいので、前記本体部とフィルム幅方向の窓領域との相対的な位置は、前記本体部の前記窓によって、位置決められている。さらに、フィルム移動方向の長さは、前記本体部の前記窓より前記窓領域の方が短く、前記マスクの前記窓と前記窓領域とで等しく、かつ、フィルム移動方向において、前記マスクと前記本体部とが、互いに相対的に位置決められているので、前記本体部とフィルム幅方向の窓領域との相対的な位置は、前記本体部と互いに相対的に位置決められている前記マスクの前記窓によって、位置決められている。従って、フィルム搬送方向及びフィルム幅方向の両方で、前記本体部と窓領域との相対的な位置関係は、位置決められているので、窓領域の大きさを駒画像よりもかなり小さくする必要がなく、さらに、駒画像の感光材料に結像される領域を、窓領域の大きさよりもかなり小さくする必要がない。
【0021】
なお、ピンがマスクに設けられ、溝が本体部に設けられていても良いし、ピンが本体部に設けられ、溝がマスクに設けられていても良いし、一方のピンがマスクに設けられ、他方が本体部に設けられていても良いし、他の形態であってもよい。
【0022】
また、このフィルムキャリアは、このフィルムキャリアの前記窓領域に位置決められた駒画像から感光材料に投影焼付する投影焼付装置に用いられてもよいし、このフィルムキャリアの前記窓領域に位置決められた駒画像を撮像するフィルムスキャナに用いられても良いし、このフィルムキャリアの前記窓領域に位置決められた駒画像の特性を検出する画像特性検出装置に用いられても良いし、このフィルムキャリアの前記窓領域に位置決められた駒画像を観察する駒画像観察装置に用いられても良いし、他の装置に用いられてもよいが、特に、投影焼付装置又は撮像装置に用いられることが好ましい。
【0023】
〔請求項2〕『前記ピンがフィルム搬送方向及びフィルム幅方向の両方に垂直に設けられたものであり、前記溝がフィルム幅方向に伸びて設けられていることを特徴とする請求項1に記載のフィルムキャリア。』
請求項2により、より簡単な構造でより安価なコストでできる。
【0024】
〔請求項3〕『少なくとも前記圧着部材により前記本体部に前記マスクが圧着された状態で、前記マスクの、前記本体部の前記フィルムレーンを挟んで対向する2つの位置の各々の位置に、前記マスクの各々に前記ピンが設けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載のフィルムキャリア。』
請求項3に記載の発明により、万が一、ピンが折れても、マスクの交換だけで済み、より安価なコストで修理できる。
【0025】
〔請求項4〕『請求項1〜3に記載のいずれか1項に記載のフィルムキャリアを有し、
前記フィルムキャリアの前記窓領域に位置決められた駒画像から感光材料に投影焼付する投影焼付装置。』
請求項4に記載の発明により、窓領域に位置決められた駒画像から投影焼付された感光材料の縁に、前記マスクの前記窓の周囲の部材あるいは前記本体部の前記窓の周囲の部材により、焼付光が遮られた領域が生じることを防止しつつ、窓領域の大きさを駒画像よりもかなり小さくする必要がなく、さらに、駒画像の感光材料に結像される領域を、窓領域の大きさよりもかなり小さくする必要がなく、高価な部品が不要で、加工費用も安価に済み、マスクにかかるフィルム幅方向の力が位置決め用の1つの部材だけにかかることを防止し、マスクを本体部に圧着させたり、離脱させたりすることが容易で、そのための機構も簡単にでき、また、別のサイズのマスクに交換しても精度が出しやすい。
【0026】
〔請求項5〕『請求項1〜3に記載のいずれか1項に記載のフィルムキャリアを有し、
前記フィルムキャリアの前記窓領域に位置決められた駒画像を撮像素子に投影することにより、前記駒画像を撮像するフィルムスキャナ。』
請求項5に記載の発明により、窓領域の大きさを駒画像よりもかなり小さくする必要がなく、さらに、駒画像の撮像素子に結像される領域を、窓領域の大きさよりもかなり小さくする必要がなく、高価な部品が不要で、加工費用も安価に済み、マスクにかかるフィルム幅方向の力が位置決め用の1つの部材だけにかかることを防止し、マスクを本体部に圧着させたり、離脱させたりすることが容易で、そのための機構も簡単にでき、また、別のサイズのマスクに交換しても精度が出しやすい。
【0027】
【発明の実施の形態】
以下に本発明に関する具体例の一例を実施形態として示すが、本発明はこれらに限定されない。また、実施形態には、用語等に対する断定的な表現があるが、本発明の好ましい例を示すもので、本発明の用語の意義や技術的範囲を限定するものではない。
【0028】
実施形態
本実施形態は、本発明のフィルムキャリア、フィルムスキャナ及び投影焼付装置の具体例の一例であるフィルムキャリアを有するフィルムスキャナを有するプリンタプロセッサに関するものである。以下、本実施形態のプリンタプロセッサについて、本実施形態のプリンタプロセッサの概略構成図である図1と、本実施形態のプリンタプロセッサのフィルムキャリアの正面上方側から見た概略斜視図である図2と、本実施形態のプリンタプロセッサのフィルムキャリアから圧着部材及びマスクを外した状態の左背面上方側から見た概略斜視図である図3と、フィルムキャリアから圧着部材及びマスクを外してカバー部材を開いた状態の正面上方側から見た概略斜視図である図4と、駒画像と窓領域と感光材料との投影焼付の光学的関係を示す概略斜視図である図5と、本実施形態のプリンタプロセッサのフィルムキャリア概略上面図(A)及び(A)のB−B断面図である概略正面断面図(B)である図7と、本実施形態のプリンタプロセッサのフィルムキャリアのフルサイズ用マスクの背面上方側から見た概略斜視図である図8と、本実施形態のプリンタプロセッサのフィルムキャリアのフルサイズ用マスクの背面上方側から見た概略斜視図である図9と、本実施形態のプリンタプロセッサのフィルムキャリアの窓近傍の左正面上方側から見た概略斜視図である図10と、本実施形態のプリンタプロセッサのフィルムキャリアの窓領域を説明するための窓領域の概略上面図である図11とに基づいて、説明する。
【0029】
本実施形態のプリンタプロセッサは、フィルムキャリア300の窓領域1に位置付けられた写真フィルムFに記録されている駒画像5を撮像するフィルムスキャナ110を有し、このフィルムスキャナ110により撮像された画像から露光量を決定し、また、当該駒画像5に対する駒番号を設定し、決定された露光量に基づいて、前記写真フィルムFの当該駒画像5からプリント用感光材料Pに焼付露光して、設定された前記駒番号を当該プリント用感光材料66に記録する投影焼付装置100と、プリント用感光材料を現像処理する自動現像機200とからなる。以下、本実施形態のプリンタプロセッサの投影焼付装置100について説明する。
【0030】
マガジンセット部170には、プリント用感光材料Pを収容したマガジンMをセットすることができる。そして、マガジンMは収容するプリント用感光材料Pの種類及び幅毎に異なり、マガジンセット部170にセットすると自動的にセットされたマガジンMに収容されているプリント用感光材料Pの種類及び幅が制御部120に設定されるようになっている。
【0031】
そして、フィルムスキャナ110は、以下のような構造を持っている。光源102の白色発光が色フィルタ部104を介して拡散ボックス106で均一に拡散されて、フィルムキャリア300の窓領域1に位置付けられた写真フィルムFの駒画像5を均一に照明する。なお、色フィルタ部104は、青色光カットフィルタと緑色光カットフィルタと赤色光カットフィルタとを有し、制御部120による露光制御によって、各々のフィルタを光軸に挿入離脱させることにより、フィルムキャリア300の窓領域1に位置付けられた写真フィルムFの駒画像5を照明する照明光の色調を調整する。そして、フィルムキャリア300の窓領域1に位置付けられ、均一に照明された写真フィルムFの駒画像5は、可動ミラー112により反射されて、結像レンズ114により、撮像素子を内蔵した撮像部116の撮像素子上に結像される。そして、撮像部116は、撮像素子上に結像された駒画像5の像を光電変換し、デジタル化して、駒画像5のデジタル画像データを得て、制御部120に送信する。
【0032】
そして、制御部120は、駒画像5のデジタル画像データから露光条件を決定する。そして、移動ミラー122を露光光路から退避させて、色フィルタ部104とシャッタ制御部124とを制御して、決定した露光条件で、窓領域1に位置決めされた駒画像からプリント用感光材料Pを露光する。
【0033】
なお、移動ミラー122は、露光光路に挿入離脱可能に設けられており、露光光路に挿入されることで、撮像部116で撮像でき、露光光路から離脱されることで、露光台140上の所定位置に位置づけられた感光材料Pを投影焼付できる。
【0034】
そして、フィルムキャリア300の窓領域1の鉛直方向下方にズームレンズ126が設けられている。そして、その下方に、露光台140が設けられている。また、フィルムキャリア300の窓領域1とズームレンズ126との間にシャッタを露光光路に挿入離脱させるシャッタ制御部124が設けられている。
【0035】
次に、フィルムキャリア300について詳しく説明する。フィルムキャリア300は、本体部301とマスク330と圧着部材340とソレノイド360とカバー部材370とを有する。
【0036】
本体部301には、写真フィルムFが移動するフィルムレーンであるフィルム用案内路320が設けられている。そして、窓321がフィルム用案内路320に設けられている。
【0037】
マスク330は、本体部301の窓321近傍を覆うように配置されている。そして、マスク330には、本体部301の窓321近傍に窓331が設けられている。
【0038】
圧着部材340は、マスク330が本体部301に対してフィルム搬送方向に位置決めされた状態を維持しながら、マスク330を本体部301の窓321近傍に圧着するために、マスク330のフィルム搬送方向両端で保持している。また、圧着部材340は、マスク330を支持している側の反対側で上下方向に回動可能に本体部301に保持されている。
【0039】
そして、ソレノイド360は、圧着部材340を上下動させるもので、圧着部材340を下方に移動させることで、マスク330を本体部301の窓321近傍に圧着し、圧着部材340を上方に移動させることで、マスク330を本体部301の窓321近傍から離脱させる。
【0040】
カバー部材370は、開閉可能に本体部301に保持されている。そして、通常動作時は、カバー部材370は閉められており、投影焼付装置100の所定位置からフィルムキャリア300を取り出すと、図4に示すように、カバー部材370を開くことができ、カバー部材370を開くことにより、マスク330の交換などができる。
【0041】
そして、図11に示すように、圧着部材340により本体部301に圧着されたマスク330の窓331及び本体部301の窓321が重なった略長方形の領域を窓領域1と呼ぶ。そして、フィルムキャリア300は、写真フィルムFに記録されている駒画像5を窓領域1に位置決められた状態で、この窓領域1に位置決められた駒画像5を撮像したり、プリント用感光材料Fに投影焼付したりすることができる。
【0042】
また、フィルムキャリア300には、本体部301に対してフィルム搬送方向に位置決めされた状態で、圧着部材340に保持されたマスク330が設けられている。そして、ソレノイド360により圧着部材340に保持されたマスク330をフィルム用案内路150に押圧することにより、窓領域1に位置付けられた駒画像5周辺の写真フィルムFをフィルム用案内路150に圧着させることができる。圧着部材340に保持されたマスク330は、プリントする写真フィルムFの駒画像の画面サイズ(例えば、フルサイズ、ハーフサイズ、パノラマサイズ、ワイドサイズなど)によって、フルサイズ用の圧着部材340に保持されたマスク330を示す図8やハーフサイズ用の圧着部材340に保持されたマスク330を示す図9などから判るように、セットされるべきものが異なる。そして、セットされたマスク330によって駒画像の画面サイズを制御部120に自動的に設定するようになっている。
【0043】
そして、制御部120は、設定された駒画像の画面サイズとマガジンMに収容されているプリント用感光材料の種類及び幅によって、作成可能なプリントサイズと作成可能なプリントサイズ各々に対するズームレンズ倍率を設定する。
【0044】
また、フィルムキャリア300は、フィルムレーンであるフィルム用案内路320における写真フィルムFの移動方向(フィルム移動方向)の長さは、本体部301の窓321より窓領域1の方が短く、マスク330の窓331と窓領域1とで等しい。また、フィルム用案内路320における写真フィルムFの幅方向(フィルム幅方向)の長さは、マスク330の窓331より窓領域1の方が短く、本体部301の窓321と窓領域1とで等しい。
【0045】
そして、図10に示すように、マスク330には、圧着部材340により本体部301にマスク330が圧着された状態で、フィルム用案内路320における写真フィルムFの移動方向に垂直になるように、ピン332、333が設けられている。ピン332とピン333は、それぞれ、圧着部材340により本体部301にマスク330が圧着された状態で、本体部301のフィルム用案内路320を挟んで対向する位置にあるように、設けられている。
【0046】
そして、万が一、ピン332、333が折れても、マスク330の交換だけで済み、より安価なコストで修理できる。
【0047】
そして、本体部301には、フィルム移動方向に垂直に伸びる溝322、323が設けられている。これらの溝322、323は、本体部301のフィルム用案内路320を挟んで対向する位置に設けられている。
【0048】
そして、圧着部材340により本体部301にマスク330が圧着された状態で、マスク330に設けられたピン332、333と本体部301に設けられた溝322、323が係合することにより、マスク330と本体部301とが、フィルム移動方向において互いに相対的に位置決められている。これにより、より簡単な構造で、高価な部品が不要で、加工費用も安価に済み、より安価にできる。
【0049】
そして、マスク330に設けられたピン332、333と本体部301に設けられた溝322、323とは、フィルム幅方向に摺動可能であるから、マスク330にかかるフィルム幅方向の力が位置決め用の1つの部材だけにかかることを防止できる。また、マスク330を本体部301に圧着させたり、離脱させることが容易で、そのための機構も簡単にでき、また、別のサイズのマスクに交換しても精度が出しやすい。
【0050】
そして、窓領域1のフィルム幅方向の長さL3は、マスク330の窓331のフィルム幅方向の長さL4より短く、本体部301の窓321のフィルム幅方向の長さL3と等しい。従って、本体部301と窓領域1とのフィルム幅方向の相対的な位置は、本体部301の窓321によって、位置決められている。
【0051】
さらに、窓領域1のフィルム移動方向の長さL2は、本体部301の窓321のフィルム移動方向の長さL1より短く、マスク330の窓331と等しい。そして、マスク330と本体部301とが、フィルム移動方向において、互いに相対的に位置決められている。従って、本体部301と窓領域1とのフィルム移動方向の相対的な位置は、本体部301と互いに相対的に位置決められているマスク330の窓331によって、位置決められている。
【0052】
従って、フィルム搬送方向及びフィルム幅方向の両方で、本体部301と窓領域1との相対的な位置関係は位置決められているので、窓領域1の大きさを駒画像5よりもかなり小さくする必要がなく、さらに、駒画像5の感光材料Pに結像される領域3を、窓領域1の大きさよりもかなり小さくする必要がない。
【0053】
次に、写真フィルムFを搬送するための搬送駆動系について説明する。パルスモータ350の回転駆動を、プーリ351を介して、ベルト352に伝達し、ベルト352からプーリ353〜355を介して搬送駆動ローラ356〜358が回転駆動することにより、フィルム用案内路320で幅位置を規制されたフィルムレーンで写真フィルムFを0.2mmピッチで往復搬送できる。
【0054】
次に、フィルムキャリア300に設けられている各種センサについて、説明する。フィルムキャリア300のフィルム用案内路320には、写真フィルムFの挿入を検出するための挿入検出センサ319と、挿入検出センサ319用の光源である発光ダイオード318と、搬送されている写真フィルムFのDXコードを検出するためのDXコードセンサ317と、DXコードセンサ317用の光源である発光ダイオード316と、搬送されている写真フィルムFの駒番号コードを検出するための駒番号コードセンサ315と、駒番号コードセンサ315用の光源である発光ダイオード314と、搬送されている写真フィルムFの駒画像の位置を検出するための駒画像検出センサ313、311と、駒画像検出センサ313、311用の光源である発光ダイオード312、310とが設けられている。そして、DXコードセンサ317と、駒番号コードセンサ315と、駒画像検出センサ313とは、フィルム搬送方向に同じ位置に、すなわち、フィルム幅方向に並べて設けられている。また、これらのセンサの出力は電流電圧変換増幅アンプを介して、A/D変換された後、制御部120に送られる。
【0055】
次に、プリンタプロセッサの動作について簡単に説明する。フィルムキャリア300の挿入検出センサ319が写真フィルムFの挿入を検出すると、制御部120は、パルスモータ350を回転駆動させて、写真フィルムFを搬送する。この際に、パルスモータ350を正方向に1パルス駆動させる毎に、制御部120は、カウンタを+1し、負方向に1パルス駆動させる毎に、カウンタを−1して、フィルム先端位置が駒画像検出センサ313からどれだけ離れた位置にあるのか常に把握している。
【0056】
そして、このように写真フィルムFを搬送している間に、同時に、DXコードセンサ317が、搬送されている写真フィルムFのDXコードを検出するために出力し、駒番号コードセンサ315が、搬送されている写真フィルムFの駒番号コードを検出するために出力し、駒画像検出センサ311、313が、搬送されている写真フィルムFの駒画像の画面位置を検出するために出力し、制御部120は、写真フィルムFを1パルス搬送する毎に、各センサの出力を読み込み、駒画像の画面位置及び各コードを検出する。
【0057】
また、制御部120は、設定された駒画像の画面サイズに応じて、駒画像毎の搬送ピッチや駒画像の画面位置検出のパラメータが選択されるとともに、駒画像に対する駒番号の設定方法(ハーフサイズとフルサイズ及びパノラマサイズとで異なる)も選択される。
【0058】
そして、制御部120は、検出した各駒画像の画面位置から、フィルム先端からの各駒画像の画面中心位置を算出し、メモリに記憶させる。また、制御部120は、検出した各駒番号コードのフィルム先端からの位置並びに駒番号及び検出したDXコードのフィルム先端からの位置から写真フィルムFに記録されているフィルム先端からの各駒番号の位置を推定し、メモリに記憶させる。また、制御部120は、不明確な駒番号や駒番号の位置に対して、判明している各駒番号の位置から、推定し、写真フィルムFに記録されているフィルム先端からの各駒番号の位置をメモリに記憶させる。
【0059】
そして、写真フィルムFをフィルム先端から後端近傍まで一定方向に移動させることで、各駒画像の中心位置と各駒番号との位置関係を判定し、各駒画像に、駒番号を付与する。
【0060】
そして、挿入検出センサ319、DXコードセンサ317、駒番号コードセンサ315、及び、駒画像検出センサ311、313の搬送方向の位置と窓領域1の中心位置との間隔は予め設定されているので、写真フィルムFを逆方向に搬送して、駒画像の中心位置が窓領域1の中心位置に来た時に、写真フィルムFを停止して、ソレノイド360を駆動させて、圧着部材340に保持されたマスク330をフィルム用案内路320に圧着させる。
【0061】
そして、可動ミラー112を露光光路に挿入させて、撮像部116が、窓領域1に位置決めされた駒画像を撮像し、駒画像5のデジタル画像データを得て、制御部120に駒画像5のデジタル画像データを送信し、制御部120が駒画像5のデジタル画像データから露光条件を決定する。そして、移動ミラー122を露光光路から退避させて、色フィルタ部104とシャッタ制御部124とを制御して、決定した露光条件で、窓領域1に位置決めされた駒画像からプリント用感光材料Pを露光する。
【0062】
そして、ソレノイド360を駆動させて、圧着部材340に保持されたマスク330をフィルム用案内路320から離脱させて、写真フィルムFの搬送を再開する。
【0063】
また、露光台140は露光されたプリント用感光材料Pを自動現像機200側に送り、次の未露光のプリント用感光材料Pをセットする。そして、露光されたプリント用感光材料Pの裏に駒番号を印字する。そして、露光され、自動現像機200に送られたプリント用感光材料Pは、現像処理される。
【0064】
そして、投影焼付装置100は、以上の動作を繰り返す。
【0065】
【発明の効果】
本発明により、窓領域の大きさを駒画像よりもかなり小さくする必要がなく、さらに、駒画像の感光材料に結像される領域を、窓領域の大きさよりもかなり小さくする必要がなく、高価な部品が不要で、加工費用も安価に済み、マスクにかかるフィルム幅方向の力が位置決め用の1つの部材だけにかかることを防止し、マスクを本体部に圧着させたり、離脱させたりすることが容易で、そのための機構も簡単にでき、また、別のサイズのマスクに交換しても精度が出しやすい。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態のプリンタプロセッサの概略構成図。
【図2】実施形態のプリンタプロセッサのフィルムキャリアの正面上方側から見た概略斜視図。
【図3】実施形態のプリンタプロセッサのフィルムキャリアから圧着部材及びマスクを外した状態の左背面上方側から見た概略斜視図。
【図4】実施形態のプリンタプロセッサのフィルムキャリアから圧着部材及びマスクを外してカバー部材を開いた状態の正面上方側から見た概略斜視図。
【図5】駒画像と窓領域と感光材料との投影焼付の光学的関係を示す概略斜視図。
【図6】従来のプリンタプロセッサのフィルムキャリアの概略上面図(A)及び(A)のB−B断面図である概略正面断面図(B)
【図7】実施形態のプリンタプロセッサのフィルムキャリアの概略上面図(A)及び(A)のB−B断面図である概略正面断面図(B)
【図8】実施形態のプリンタプロセッサのフィルムキャリアの圧着部材及びフルサイズ用マスクの背面上方側から見た概略斜視図。
【図9】実施形態のプリンタプロセッサのフィルムキャリアの圧着部材及びフルサイズ用マスクの背面上方側から見た概略斜視図。
【図10】実施形態のプリンタプロセッサのフィルムキャリアの窓近傍の左正面上方側から見た概略斜視図。
【図11】実施形態のプリンタプロセッサのフィルムキャリアの窓領域を説明するための窓領域の概略上面図。
【符号の説明】
100 投影焼付装置
110 フィルムスキャナ
200 自動現像機
300 フィルムキャリア
301 本体部
320 フィルム用案内路
321 窓
322、323 溝
330 マスク
331 窓
332、333 ピン
340 圧着部材
360 ソレノイド
370 カバー部材
Claims (5)
- 写真フィルムが移動するフィルムレーンが設けられ、窓が前記フィルムレーンに設けられた本体部と、
前記本体部の前記窓近傍を覆うように配置された、前記本体部の前記窓近傍に窓が設けられたマスクと、
前記マスクを前記本体部に圧着するための圧着部材と、を有し、
前記圧着部材により前記本体部に圧着された前記マスクの前記窓及び前記本体部の前記窓が重なった略長方形の窓領域に、写真フィルムに記録されている駒画像を位置決めた状態で、この窓領域に位置決められた駒画像を利用するために用いられるフィルムキャリアにおいて、
フィルム移動方向(フィルムレーンにおける写真フィルムの移動方向)の長さは、前記本体部の前記窓より前記窓領域の方が短く、前記マスクの前記窓と前記窓領域とで等しく、
フィルム幅方向(フィルムレーンにおける写真フィルムの幅方向)の長さは、前記マスクの前記窓より前記窓領域の方が短く、前記本体部の前記窓と前記窓領域とで等しく、
少なくとも前記圧着部材により前記本体部に前記マスクが圧着された状態で、前記本体部の前記フィルムレーンを挟んで対向する2つの位置の各々の位置で、フィルム移動方向に垂直に設けられたピンとフィルム移動方向に垂直に伸びる溝とによって係合されていることにより、前記マスクと前記本体部とは、互いに相対的にフィルム移動方向の位置決めがされていることを特徴とするフィルムキャリア。 - 前記ピンがフィルム搬送方向及びフィルム幅方向の両方に垂直に設けられたものであり、前記溝がフィルム幅方向に伸びて設けられていることを特徴とする請求項1に記載のフィルムキャリア。
- 少なくとも前記圧着部材により前記本体部に前記マスクが圧着された状態で、前記マスクの、前記本体部の前記フィルムレーンを挟んで対向する2つの位置の各々の位置に、前記マスクの各々に前記ピンが設けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載のフィルムキャリア。
- 請求項1〜3に記載のいずれか1項に記載のフィルムキャリアを有し、
前記フィルムキャリアの前記窓領域に位置決められた駒画像から感光材料に投影焼付する投影焼付装置。 - 請求項1〜3に記載のいずれか1項に記載のフィルムキャリアを有し、
前記フィルムキャリアの前記窓領域に位置決められた駒画像を撮像素子に投影することにより、前記駒画像を撮像するフィルムスキャナ。
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