JP3641461B2 - 分注装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、検体検査などにおいて、液体試料を吸入・吐出する分注を行う分注装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
薬液等の液体試料を分注する分注装置が知られている。この分注装置は、例えば、遺伝子の機能解析を行うためのISH(In Situ Hybridization)処理装置などに用いられている(組み込まれている)。また、近年、多くの検体を効率的に分析する必要性から、複数のノズルを同時に移動させ、複数のウェルから一度に複数の液体試料を吸引採取し、分注するよう構成された分注装置が広く用いられている。
【0003】
こうした分注装置においては、液体試料の吸引量を常に所望の一定値に保持するため、ウェル内における液体試料の液面検出、すなわち液体試料吸引に際し、ノズルチップの先端がウェル内の液体試料に到達したか否かを確実に検知することが非常に重要な条件となる。
【0004】
従来の分注装置においては、ポンプ空間の容積を減少(または増大)させ、ノズル先端からエアーを排出(または吸引)させながらノズルの先端をウェル上方から液面に向けて下降させてゆき、この時のポンプ空間の内圧をモニタし、ノズルの先端が液面に接触して閉塞状態となることによってポンプ空間の内圧が急上昇(または急降下)した時に、ノズルの先端が液面に到達したものと判定する手法によってウェル内の液面を検出していた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した従来の手法では、複数のノズルで複数のウェル内の液面の高さを検出する場合、各ウェルの液面の高さが異なることから、各ノズル毎に異なる高さで液面の検出を行わなくてはならなかった。
【0006】
このため、従来の分注装置においては、各ノズルをそれぞれ別々の上下方向(Z軸方向)移動機構に設置し、複数のノズルがそれぞれ異なる高さで液面を検出し得るよう構成していた。そのため、従来の分注装置は、装置の制御機構や駆動機構が複雑になり、価格が高価になっていた。
【0007】
以上の問題点に鑑み、本発明は、簡単な機構で、複数のノズルによって複数のウェルの液体試料との接触を検出することのできる分注装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
このような目的は、下記(1)〜(15)の本発明により達成される。
【0009】
(1) 内部に画成されたポンプ空間の容積を増減して気体を吸入・吐出する複数のポンプと、
前記複数のポンプのポンプ空間に連通する内腔を有する複数のノズルと、
前記複数のノズルの各々の先端と各ウェル内の液体試料との接触を検出する複数の検出手段と
前記複数のノズルを上下方向に同期的に移動させる移動機構とを有する分注装置であって、
前記複数のノズルを降下させ、各ノズルの先端を各ウェル内部の第1の位置に位置させるノズル降下工程と、
前記第1の位置における前記各ノズルの先端と各ウェル内の液体試料との接触を前記複数の検出手段により検出する接触検出工程と、
前記接触検出工程後に各ポンプを作動させ、液体試料を吸引するポンプ作動工程とを実行することを特徴とする分注装置。
【0010】
(2) 前記ポンプ作動工程において、前記接触検出工程における検出結果に基づいて各ポンプを作動させ、液体試料を吸引する上記(1)に記載の分注装置。
【0011】
(3) 前記移動機構は、前記複数のノズルの全てが、1つの上下方向移動機構に設置されている上記(1)または(2)に記載の分注装置。
【0012】
(4) 前記複数の検出手段による検出結果を記憶する記憶手段を有し、前記ポンプ作動工程を実行する以前に、前記接触検出工程における検出結果を前記記憶手段に記憶する記憶工程を実行する上記(1)ないし(3)のいずれかに記載の分注装置。
【0013】
(5) 前記ノズル降下工程において、前記第1の位置は、前記ウェルに規定量の液体試料が注入された際の液面の高さと同一またはそれより方に設定されている上記(1)ないし(4)のいずれかに記載の分注装置。
【0014】
(6) 前記ポンプ作動工程において、前記移動機構は、前記複数のノズルを前記第1の位置から第2の位置へと移動させる上記(1)ないし(5)のいずれかに記載の分注装置。
【0015】
(7) 前記ポンプ作動工程において、前記ノズルの移動は、前記ポンプの作動による液面の変位に追従する速度で行われる上記(6)に記載の分注装置。
【0016】
(8) 前記各ポンプのポンプ空間と、該各ポンプ空間に連通された前記各ノズルの内腔とを遮断する弁を有し、前記接触検出工程において、ノズルの先端と液体試料との接触が検出されなかったノズルの内腔とポンプ空間とを前記弁によって遮断し、前記ポンプ作動工程におけるポンプの作動によって液体試料の吸引が行われないよう構成されている上記(1)ないし(7)のいずれかに記載の分注装置。
【0017】
(9) 前記各ポンプのポンプ空間と、該各ポンプ空間に連通された前記各ノズルの内腔との間に大気開放弁を設けた上記(1)ないし(7)のいずれかに記載の分注装置。
【0018】
(10) 前記複数の検出手段は、各ポンプ空間の内圧を計測する圧力センサからなる上記(1)ないし(9)のいずれかに記載の分注装置。
【0019】
(11) 前記複数のポンプは、シリンダとピストンとを有しており、
前記複数の検出手段は、前記接触検出工程において、前記ピストンを所定距離変位させ、変位後のポンプ空間の内圧を前記圧力センサによって計測し、該ポンプ空間の内圧と、予め設定された閾値とを比較することにより、前記各ノズルの先端と各液体試料との接触を検出する上記(10)に記載の分注装置。
【0020】
(12) 前記接触検出工程において、前記複数の検出手段が、ポンプ空間の容積を減少させ、ポンプ空間の内圧を増大させて検出を行う場合に、前記ポンプ空間の内圧が液体試料の最大気泡圧未満になるように前記ポンプを制御する上記(11)に記載の分注装置。
【0021】
(13) 前記接触検出工程において、液体試料の最大気泡圧をP′、ピストンを圧縮する前のポンプ空間の内圧をP、ピストンを圧縮する前のポンプ空間の体積をV、ピストンの移動距離をL、ピストンの半径をRとした場合に、Lの大きさがP′V/πR(P+P′)未満になるように前記ポンプを制御する上記(12)に記載の分注装置。
【0022】
(14) 前記接触検出工程におけるピストンの変位距離と前記ポンプ作動工程におけるピストンの変位距離とを合わせた値を用いて各ノズルから吸引する液量の測定を行う測定手段を有する上記(13)に記載の分注装置。
(15) 前記複数の検出手段は、前記複数のノズルの先端部に設けられた静電容量センサからなる上記(1)ないし(9)のいずれかに記載の分注装置。
【0023】
本発明の他の目的、構成および効果は、図面を参照して行う以下の実施形態の説明から、より明らかとなるであろう。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の分注装置を添付図面に示す好適な実施形態に基づいて詳細に説明する。
【0025】
図1は、本発明の分注装置の構成例を示すブロック図である。図2は、本発明の分注装置の分注ヘッドの要部の断面側面図である。図3(a)および(b)は、ノズル降下工程における分注ヘッドとウェルとの関係を示す断面側面図である。図4(a)および(b)は、接触検出工程における分注ヘッドとウェルとの関係を示す断面側面図である。図5(a)および(b)は、ポンプ作動工程における分注ヘッドとウェルとの関係を示す断面側面図である。なお、以下の説明では、図中の上側を「基端」、下側を「先端」と言う。
【0026】
分注装置1は、図1に示すように、ウェル9内の液体を分注する複数の分注ヘッド2と、これらの分注ヘッド2を上下方向に移動させる移動機構8と、検出手段6と、測定手段72と、これらを制御する制御手段62と、記憶手段63とを有している。
【0027】
以下、各部の構成について説明する。
各分注ヘッド2は、図2に示すように、内部に画成されたポンプ空間31の容積を増減して気体を吸入・吐出するポンプ3と、ポンプ3のポンプ空間31に連通する内腔41を有するノズル4とを有している。
【0028】
ポンプ3は、図に示すようなピストンポンプ(シリンジポンプ)であり、シリンダ32と、シリンダ32の内部に設置されたピストン33とを有している。
【0029】
ピストン33は、シリンダ32の内部をシリンダ32の軸方向に沿って移動可能になっている。このピストン33の移動により、シリンダ32とピストン33とで囲まれて形成された(画成された)ポンプ空間31の容積が増減する。ポンプ3は、このポンプ空間31の容積の増減により、気体(空気)を吸入・吐出する。
【0030】
また、ピストン33は、例えば、送りネジ(ボールネジ)と、これを回転するサーボモータ(ステッピングモータ)とを有する駆動機構(図示せず)により、ピストンロッド34を介して駆動(移動)されるようになっている。
【0031】
シリンダ32の先端には、中空部51がシリンダ32内部のポンプ空間31に連通されたホース5が設けられている。このホース5の先端に設けられたノズル取付部52にはノズル4が着脱自在に取り付けられる。
【0032】
ノズル4は、ほぼ円筒状をなし、内腔41と、先端開口42と、基端開口43とを有している。このノズル4は、好ましくは、その軸方向が上下方向となるように設置されている。
【0033】
このノズル4は、例えば、その基端開口43に前記ホース5の先端に設けられたノズル取付部52が挿入、嵌合することにより、ノズル取付部52に取付けられており、基端開口43とノズル取付部52との間で気密性が保たれている。このような構成により、ノズル4の内腔41は、ホース5の中空部51を介してポンプ空間31に連通する。
【0034】
また、ノズル4は、ノズル取付部52に対して着脱自在(ディスポーザブル)になっており、異なる液体を分注する際には、ノズル4を交換することにより、コンタミネーション(汚染)を防止することができる。なお、ノズル4は、ノズル取付部52に対して固定(ノンディスポーザブル)としてもよい。また、ノズル4は、樹脂で構成することが好ましく、静電容量センサによって接触検出を行う場合には、導電性樹脂で構成することが好ましい。
【0035】
移動機構8は、例えば特許第2578296号の図1に記載されている自動分注装置に用いられている移動機構のように、分注ヘッド2を3次元方向に移動するよう構成されている。
【0036】
分注ヘッド2は、図1に示すように、隣り合うノズル4の先端開口42がほぼ同一の高さとなるように、この移動機構8の上下方向移動機構(Z軸移動機構)に設置されている。また、この移動機構8においては、複数の分注ヘッド2を1つの上下方向移動機構によって同期的に駆動する構成となっている。
【0037】
この移動機構8により、これらの分注ヘッド2は、ウェル9の吸入位置と吐出位置との間を移動する。
【0038】
本発明の分注装置1は、各分注ヘッド2のノズル4の各々の先端と、各ウェル9内の液体試料91との接触を検出する複数の検出手段6を有している。
【0039】
検出手段6は、各分注ヘッドに1つずつ設けられている。この検出手段6は、ポンプ3の内部に画成されたポンプ空間31の内圧を計測する圧力センサ61を有している。
【0040】
圧力センサ61は、図2に示すように、ホース5の側壁に接続されている。この圧力センサ61による検出結果は、例えばアンプにより増幅作用を受けた後、制御手段62へと出力される。
【0041】
検出手段6は、ポンプ3を作動する際、すなわち、ポンプ3によって吸入動作を行う際、ポンプ3のポンプ空間31の内圧と、予め設定された閾値とを比較することにより、各ノズル4の先端と、液体試料91との接触を検出する。ここで、前記閾値には、ノズル4の先端開口42を開放した状態でポンプ3のピストン33を駆動させた際のポンプ空間31の内圧を予め計測した値(大気圧)が用いられる。
【0042】
なお、ポンプが吸引動作を行う場合は負の値に予め設定してもよい。
【0043】
また、本実施形態においては、検出手段6として、圧力センサ61を用いているが、この構成に限らず、ノズル4の先端部(先端開口42の近傍)に静電容量センサ(図示せず)を設け、ノズル4の先端と液体試料91との接触を電気的に検出することも可能である。
【0044】
この検出手段6によりノズル4の先端と液体試料91との接触を検出する手順については、後に詳述する。
【0045】
また、本発明の分注装置1は、各分注ヘッド2に設けられたポンプ空間31とポンプ空間31に連通されたノズル4の内腔41とを遮断する弁71を有している。
【0046】
この弁71は、ポンプ空間31とノズル4の内腔41とを連通するホース5の途上に設けられており、制御手段62によって開閉されるように構成されている。
【0047】
この弁71の閉鎖により、ポンプ空間31とノズル4の内腔41とが遮断され、ポンプ3の作動によるポンプ空間31の内圧の変化がノズル4の内腔41へと伝達されなくなる。
【0048】
このため、弁71を閉鎖することにより、ポンプ3の作動時におけるノズル4による液体試料91の吸引を停止させることができる。
【0049】
本実施形態においては、複数の分注ヘッド2によって接触検出を行い、接触が検出されたか否かに関わらず全ての分注ヘッド2のポンプ3を作動させる。また、検出結果に応じて弁71を閉鎖し、不要な吸引の動作を行わないようにしてもよい。
【0050】
なお、本実施形態においては、弁71を遮蔽弁で構成しているが、これに限らず、弁71を大気開放弁で構成してもよい。
【0051】
次に、本発明の分注装置1の動作について説明する。ここでは、各分注ヘッド2により液体試料91を吸入する場合に実行される工程について説明する。
【0052】
[1] ノズル降下工程
図3(a)に示す状態からノズル4を移動機構8により降下させ、図3(b)に示すように、ノズル4の先端開口42をウェル9内部の第1の位置に移動させる。ここで、第1の位置は、ウェル9内に規定量の液体試料91が注入された際の液面の高さと同一またはそれより方に設定されている。なお、このときのウェル9内の液体試料91の量は、ノズル4から吸引を行う場合には、吸引を行う際に必要かつ十分な量、すなわち、ノズル4による吸引量より若干多めの量に規定されている。
【0053】
[2] 接触検出工程
以下(イ)〜(ハ)の順でこの工程を説明する。
【0054】
ここでは、ポンプ3によって吐出動作を行うとともに、ポンプ空間31の圧力を圧力センサ61で計測し、得られた計測値と予め設定された閾値とを比較することによりノズル4の先端とウェル9内の液体試料91との接触を検出する場合の検出の手順について説明する。なお、ここで用いられている閾値には大気圧が用いられている。
【0055】
(イ)図4(a)に示すように、ポンプ3のピストン33を制御手段62の制御により図中下方に所定距離移動させ、ポンプ空間31を減少させる。
【0056】
(ロ)圧力センサ61によりポンプ空間31の内圧を計測する。このとき、図4(a)に示すように、ノズル4の先端がウェル9内の液体試料91に到達し、先端開口42が液体試料91によって閉塞されていれば、ポンプ空間31内の空気がピストン33によって圧縮されるため、圧力センサ61による計測値が閾値より大きくなる。一方、このとき、ノズル4の先端が図4(b)に示すようにウェル9内の液体試料91に到達していなければ、ノズル4の先端開口42は開放されており、ポンプ空間31内の空気がノズル4の先端開口42から外部に逃げてしまい、ピストン33によって圧縮されないため、圧力センサ61による計測値が閾値と同等の値となる。
【0057】
(ハ)ポンプ空間31の内圧が閾値を超えた場合には、制御手段62は、ノズル4の先端が液体試料91に到達しているものと判断する。また、ポンプ空間31の内圧が閾値以下の場合には、制御手段62は、ノズル4の先端が、液体試料91に到達していないものと判断する。
【0058】
本発明の検出手段6は、上記(イ)〜(ハ)の手順でノズル4の先端とウェル9の液体試料91との接触を検出する。
【0059】
なお、上述した方法では、ポンプ3によって吐出動作を行うとともにポンプ空間31の圧力を圧力センサ61で検出しているが、この方法に限らず、ポンプ3によって吸引動作を行うとともにポンプ空間31の内圧を圧力センサ61で検出することも可能である。後者の方法で接触の検出を行う場合には、接触が検出された際に圧力センサ61で検出されるポンプ空間31の内圧が閾値より小さくなる。
【0060】
また、本実施形態では、閾値として大気圧を使用しているが、これに限らず、ノズル4の先端開口42が液体試料91によって閉塞され、ピストン33によりポンプ空間31の空気が圧縮された状態のポンプ空間31の内圧を予め計測した値を閾値として用いることもできる。
【0061】
さて、本工程において、ポンプ3による吐出動作を行いながら検出を行う場合、すなわち、ポンプ空間31の容積を減少させ、ポンプ空間31の内圧を増大させて検出を行う場合に、ピストン33の変位距離が大きいと、ノズル4の内腔41の空気が気泡となってウェル9内の液体試料91に吐出されてしまうおそれがある。
【0062】
本実施形態では、このような不具合を防止するため、本工程におけるピストン33の変位距離を規定している。
【0063】
すなわち、本実施形態においては、本工程においてピストン33が変位した際の内腔41の圧力が、液体試料91の最大気泡圧より小さくなるようにピストン33の変位距離を規定している。
【0064】
ここで、ノズル4の先端開口42の半径をr、分注する液体試料91の表面張力をσとした場合、分注する液体試料91の最大気泡圧P′は、以下の式(1)で表される。
P′=2σ/r ・・・(1)
【0065】
また、ピストン33を圧縮する前のポンプ空間31の内圧をP、体積をV、ピストン33の半径をR、ピストン33が変位した距離をLとすると、ピストン33を圧縮した後のポンプ空間31の内圧Pおよび体積Vは、以下の式(2)および(3)で表される。
=P+ΔP ・・・(2)
=V−LπR ・・・(3)
【0066】
また、ピストン33を圧縮する前後のポンプ空間31の温度の変化がない(または無視できる)とすると、空間31の内圧と体積との積がほぼ等しくなることから、以下の式(4)が成り立つ。
≒P=(P+ΔP)(V−LπR) ・・・(4)
ΔP=PLπR/(V−LπR) ・・・(5)
【0067】
ここで、ΔPを上記最大気泡圧P′より小さい値にすることで、ノズル4の先端開口42から液体試料91中へと気泡が放出されることを防止できることから、
ΔP=PLπR/(V−LπR)<P′ ・・・(6)
となる。ゆえに、
L<P′V/πR(P+P′) ・・・(7)
となる。
【0068】
以上より、ピストンの変位距離Lの値をP′V/πR(P+P′)の値より小さな値とすることで、ノズル4の先端開口42から液体試料91の内部に気泡が放出されるのを防止することができる。
【0069】
なお、液体試料91への気泡の吐出を防止するための方法は、この方法に限らない。上述した方法の他には、例えば、本工程において、ピストン33を変位させるとともに、圧力センサ61によってポンプ空間31の内圧を計測し、ポンプ空間31の内圧がウェル9内の液体試料91の最大気泡圧より小さくなるようにポンプ3を制御する構成としてもよい。
【0070】
[3] 記憶工程
[2]の接触検出工程において、検出手段6から得られた各分注ヘッド2の検出結果(接触が検出されたか否か)を制御手段62と電気的に接続された記憶手段63に記憶する。
【0071】
[4] ポンプ作動工程
ポンプ3を作動させ、ウェル9内部の液体を吸引する。すなわち、ポンプ3のピストン33を図5中上方に変位させることにより、ポンプ空間31の容積を増大させてポンプ空間31を減圧し、ノズル4の先端開口42からウェル9内の液体試料91を吸引する。
【0072】
本工程において、液体試料91の液面は、吸引によるウェル9内の液量の減少により下降する。ここで、この工程において、ノズル4を図5(a)に示す第1の位置で停止させたまま吸引を行った場合、ノズル4の先端開口42が本工程の途中で液体試料91の液面から離脱し、それにより吸引が停止するおそれがある。
【0073】
このような吸引の停止を防止するため、本実施形態では、本工程におけるポンプ3の作動とともに、ノズル4を降下させ、ノズル4の先端開口42が液体試料91の液面の下降に追従して下降するよう構成している。
【0074】
すなわち、本実施形態においては、移動機構8は、ポンプ3の作動と同時に分注ヘッド2を所定速度で降下させ、ノズル4の先端開口42を図5(a)に示す第1の位置から図5(b)に示す第2の位置へと降下させる。
【0075】
ここで、第2の位置は、第1の位置からノズル4によって液体試料91を規定量吸引し終えた後のウェル9の液面の高さより低い高さに設定されている。
【0076】
また、移動機構8は、ポンプ3の作動による吸引動作が終了する以前にノズル4の先端開口42を第2の位置へと降下させる。これにより、吸引を行う際にノズル4の先端開口42が液体試料91から離脱することが防止される。
【0077】
本工程におけるノズル4の移動は、ポンプ3の作動による液体試料91の液面の変位に追従する速度で行われることが好ましい。なお、この速度は、液面の変位速度と同一でなくてもよい。
【0078】
なお、本実施形態においては、ポンプ3の作動と同時に分注ヘッド2を降下させているが、これに限らず、ポンプ3の作動前にノズル4の先端を予め第1の位置から第2の位置へと移動させておくことも可能である。
【0079】
さて、本実施形態では、各分注ヘッド2のポンプ3が、[2]の工程において、接触が検出されたか否かに関わらず作動し、吸引動作を行うようになっている。
【0080】
ここで、[2]の工程において接触が検出されなかったウェル9に対して吸引動作を行っても所定の吸引量が得られず、測定に必要な分注ができないばかりか、吸引量が所定の量以下となるため、吸引した液体試料91を無駄にしてしまう。
【0081】
本実施形態においては、このような不具合を防止するため、各分注ヘッド2に設けられた弁71を検出結果に応じて閉鎖することで無駄な吸引が行われないように構成している。すなわち、前述したように、分注ヘッド2のうち、[2]の接触検出工程において接触が検出されなかった分注ヘッド2に設けられた弁71を閉鎖し、本工程におけるポンプ3の作動により、液体試料91がノズル4に吸引されないように構成している。
【0082】
次に、本実施形態の分注装置1には、各分注ヘッド2によって吸引する液体試料91の量の測定を行う測定手段72が設けられている。
【0083】
この測定手段72は、吸引動作を行時に、ピストン33の変位距離を計測する。そして、吸引する液体試料91の量をV、ポンプ3のピストン33の変位距離をA、ピストン33の半径をRとした場合に、下記式により吸引する液体試料91の量Vを算出する。
V=πR
【0084】
ここで、ピストン33の変位距離Aは、上記[2]の接触検出工程におけるピストン33の変位距離Lと、上記[4]のポンプ作動工程におけるピストン33の変位距離Bとを合わせた値となっている。
【0085】
以上、本発明の分注装置を図示の実施形態について説明したが、本発明は、これに限定されるものではなく、分注装置を構成する各部は、同様の機能を発揮し得る任意の構成のものと置換することができる。
【0086】
例えば、ポンプのピストンを駆動する機構は、図示の構成に限らず、ピストンを往復動させることが可能なものであればいかなるものでもよい。
【0087】
また、圧力センサの設置箇所は、図示の構成に限らず、その目的を達成することができる位置であればいかなる場所であってもよい。例えば、圧力センサは、シリンダ32の壁面に設置されていてもよい。
また、制御手段の構成も特に限定されない。
【0088】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明によれば、簡単な構成で複数のノズルによって複数のウェルの液体試料との接触を検出することができる。
【0089】
また、この構成のポンプ作動工程において、ノズルを第1の位置から第2の位置へと降下させる構成とした場合には、吸引動作による液量の降下によってノズルの先端が液体試料の液面から離脱することが防止される。
【0090】
また、この構成において、ノズルの内腔とポンプのポンプ空間とを遮蔽する弁を設けた場合には、液量の不足している測定セルに対する無駄な液体試料の吸引を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の分注装置の構成例を示すブロック図である。
【図2】 本発明の分注装置の分注ヘッドの要部の断面側面図である。
【図3】 図3(a)および(b)は、ノズル降下工程における分注ヘッドとウェルとの関係を示す断面側面図である。
【図4】 図4(a)および(b)は、接触検出工程における分注ヘッドとウェルとの関係を示す断面側面図である。
【図5】 図5(a)および(b)は、ポンプ作動工程における分注ヘッドとウェルとの関係を示す断面側面図である。
【符号の説明】
1 分注装置
2 分注ヘッド
3 ポンプ
31 ポンプ空間
32 シリンダ
33 ピストン
34 ピストンロッド
4 ノズル
41 内腔
42 先端開口
43 基端開口
5 ホース
51 中空部
52 ノズル取付部
6 検出手段
61 圧力センサ
62 制御手段
63 記憶手段
71 弁
72 測定手段
8 移動機構
9 ウェル
91 液体試料

Claims (15)

  1. 内部に画成されたポンプ空間の容積を増減して気体を吸入・吐出する複数のポンプと、
    前記複数のポンプのポンプ空間に連通する内腔を有する複数のノズルと、
    前記複数のノズルの各々の先端と各ウェル内の液体試料との接触を検出する複数の検出手段と
    前記複数のノズルを上下方向に同期的に移動させる移動機構とを有する分注装置であって、
    前記複数のノズルを降下させ、各ノズルの先端を各ウェル内部の第1の位置に位置させるノズル降下工程と、
    前記第1の位置における前記各ノズルの先端と各ウェル内の液体試料との接触を前記複数の検出手段により検出する接触検出工程と、
    前記接触検出工程後に各ポンプを作動させ、液体試料を吸引するポンプ作動工程とを実行することを特徴とする分注装置。
  2. 前記ポンプ作動工程において、前記接触検出工程における検出結果に基づいて各ポンプを作動させ、液体試料を吸引する請求項1に記載の分注装置。
  3. 前記移動機構は、前記複数のノズルの全てが、1つの上下方向移動機構に設置されている請求項1または2に記載の分注装置。
  4. 前記複数の検出手段による検出結果を記憶する記憶手段を有し、前記ポンプ作動工程を実行する以前に、前記接触検出工程における検出結果を前記記憶手段に記憶する記憶工程を実行する請求項1ないし3のいずれかに記載の分注装置。
  5. 前記ノズル降下工程において、前記第1の位置は、前記ウェルに規定量の液体試料が注入された際の液面の高さと同一またはそれより方に設定されている請求項1ないし4のいずれかに記載の分注装置。
  6. 前記ポンプ作動工程において、前記移動機構は、前記複数のノズルを前記第1の位置から第2の位置へと移動させる請求項1ないし5のいずれかに記載の分注装置。
  7. 前記ポンプ作動工程において、前記ノズルの移動は、前記ポンプの作動による液面の変位に追従する速度で行われる請求項に記載の分注装置。
  8. 前記各ポンプのポンプ空間と、該各ポンプ空間に連通された前記各ノズルの内腔とを遮断する弁を有し、前記接触検出工程において、ノズルの先端と液体試料との接触が検出されなかったノズルの内腔とポンプ空間とを前記弁によって遮断し、前記ポンプ作動工程におけるポンプの作動によって液体試料の吸引が行われないよう構成されている請求項1ないし7のいずれかに記載の分注装置。
  9. 前記各ポンプのポンプ空間と、該各ポンプ空間に連通された前記各ノズルの内腔との間に大気開放弁を設けた請求項1ないし7のいずれかに記載の分注装置。
  10. 前記複数の検出手段は、各ポンプ空間の内圧を計測する圧力センサからなる請求項1ないし9のいずれかに記載の分注装置。
  11. 前記複数のポンプは、シリンダとピストンとを有しており、
    前記複数の検出手段は、前記接触検出工程において、前記ピストンを所定距離変位させ、変位後のポンプ空間の内圧を前記圧力センサによって計測し、該ポンプ空間の内圧と、予め設定された閾値とを比較することにより、前記各ノズルの先端と各液体試料との接触を検出する請求項10に記載の分注装置。
  12. 前記接触検出工程において、前記複数の検出手段が、ポンプ空間の容積を減少させ、ポンプ空間の内圧を増大させて検出を行う場合に、前記ポンプ空間の内圧が液体試料の最大気泡圧未満になるように前記ポンプを制御する請求項11に記載の分注装置。
  13. 前記接触検出工程において、液体試料の最大気泡圧をP′、ピストンを圧縮する前のポンプ空間の内圧をP、ピストンを圧縮する前のポンプ空間の体積をV、ピストンの移動距離をL、ピストンの半径をRとした場合に、Lの大きさがP′V/πR(P+P′)未満になるように前記ポンプを制御する請求項12に記載の分注装置。
  14. 前記接触検出工程におけるピストンの変位距離と前記ポンプ作動工程におけるピストンの変位距離とを合わせた値を用いて各ノズルから吸引する液量の測定を行う測定手段を有する請求項13に記載の分注装置。
  15. 前記複数の検出手段は、前記複数のノズルの先端部に設けられた静電容量センサからなる請求項1ないし9のいずれかに記載の分注装置。
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