JPH06331632A - サンプリング分注装置およびその吸入異常判定方法 - Google Patents

サンプリング分注装置およびその吸入異常判定方法

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JPH06331632A
JPH06331632A JP11704593A JP11704593A JPH06331632A JP H06331632 A JPH06331632 A JP H06331632A JP 11704593 A JP11704593 A JP 11704593A JP 11704593 A JP11704593 A JP 11704593A JP H06331632 A JPH06331632 A JP H06331632A
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nozzle
dispensing
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limit value
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JP11704593A
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Mitsuo Nishino
光夫 西野
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SUTATSUKU SYST KK
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 分注ノズルとシリンジポンプとを接続する配
管や通路を完全に無くし、気温や気圧変動による分注誤
差を従来のものよりも少なくすることにより、極めて微
量のサンプリング対象液を用いた多種類の検査や測定等
の信頼性を向上し得るサンプリング分注装置を提供す
る。 【構成】 前後および左右および上下にそれぞれ移動可
能な分注ヘッド24と、この分注ヘッド24の下端部に
下向きに突設され、かつノズルチップ13が下端に装着
される分注ノズル25と、この分注ノズル25の上部に
形成されたポンプ室41と、分注ノズル25の下部に形
成されてノズルチップ13内とポンプ室41とを連通す
る通路42と、ポンプ室41に対して摺動自在に嵌合す
るプランジャ43と、分注ヘッド24に設けられてプラ
ンジャ43を昇降させるステッピングモータ51および
送りねじ軸43および送りナット49とを具える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、サンプリング対象液を
複数の試験容器にそれぞれ正確な量で分注するためのサ
ンプリング分注装置およびサンプリング対象液の吸入動
作に伴う異常を判定する吸入異常判定方法に関する。
【0002】
【従来の技術】各種試薬や試料、あるいは血液等の如き
サンプリング対象液を複数の試験管やマイクロプレート
等の試験容器にそれぞれ所定量ずつ分配し、複数項目の
検査や測定等を行う場合、サンプリング分注装置が使用
される。
【0003】このサンプリング分注装置は、上述したサ
ンプリング対象液をそれぞれ蓄えた供給容器を有するサ
ンプリング側と、サンプリング対象液が分配される複数
の試験容器を有するアッセイ側とを隣接状態で配置し、
これら供給容器と試験容器との間を往復動する分注ヘッ
ドに取り付けられた分注ノズルにより、サンプリング側
の供給容器内からサンプリング対象液を吸入し、これを
アッセイ側の試験容器内に所定量ずつ分配するようにし
たものである。
【0004】従来のサンプリング分注装置は、前後およ
び左右および上下に移動する分注ヘッドに取り付けられ
た分注ノズルに対し、シリンジポンプを固定状態で配置
し、これらを可撓性の配管により連通させた構造のもの
が一般的である。つまり、サンプリング対象液を分注ノ
ズル内に吸入する場合には、シリンジポンプのプランジ
ャをポンプ室から引き出すように駆動すると、ポンプ室
内の体積変化に対応した量だけ配管を介してサンプリン
グ対象液が分注ノズル内に吸入される。逆に、シリンジ
ポンプのプランジャをポンプ室側へ押し込むように駆動
すると、このポンプ室内の体積変化に対応した量だけ配
管を介して分注ノズル内のサンプリング対象液が試験容
器側へ吐出される。
【0005】ところで、従来のサンプリング分注装置で
サンプリング対象液を供給容器側から分注ノズル側へ吸
い込む場合、分注ノズルの先端のノズルチップ下端がサ
ンプリング対象液の表面から離れて空気を吸い込んでし
まうと、分注操作を正確に行うことができなくなる。こ
のため、従来では分注ノズル内の圧力を圧力センサ等を
用い、その検出値の異常の有無を判定して異常が発生し
た場合のサンプリング操作を中止するようにしている。
【0006】ちなみに、従来における検出値の異常の有
無は、実際のサンプリング操作と圧力センサの検出値と
の相関を実験的に確認した後に判定している。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】血液等のように被検体
からの採取量を極力抑えることが望ましいサンプリング
対象液に対し、多種類の検査や測定等を行うためには、
必然的に分注量を微量に設定する必要があり、この分注
量の正確さが検査結果や測定結果の信頼性や精度等を左
右することとなる。
【0008】ところが、シリンジポンプを固定状態で設
置した従来のサンプリング分注装置の場合、シリンジポ
ンプと分注ノズルとの間に介装された配管の屈曲状態が
分注ノズルの動きに伴って微妙に変化するため、配管内
の容積変動の影響によって特に微量の分注操作の際にお
ける分注量の誤差が多くなってしまう不具合があった。
【0009】このような不具合を解消するため、本発明
者らは、実開平5−23105号公報等でよって分注ノ
ズルが取り付けられる分注ヘッド内にシリンジポンプを
組み込み、分注ノズルとシリンジポンプとを変形しない
構造の通路を介して接続したサンプリング分注装置を既
に提案している。
【0010】上述したように、極めて微量のサンプリン
グ対象液を用いて多種類の検査や測定等を行う場合、分
注ノズルとシリンジポンプとの間に形成されて気温や気
圧変動の影響を受ける配管や通路を可能な限り短くする
か、あるいは無くすことが望ましい。また、分注ノズル
とシリンジポンプとを実開平5−23105号公報等の
ように近接させると、サンプリング対象液の一部がシリ
ンジポンプ内に流れ込み、血液等のように凝固し易いサ
ンプリング対象液の場合には、圧力センサにつながる配
管等を目詰まりさせてしまう虞があり、これらのメンテ
ナンスの容易さも要求される。この点で上述した実開平
5−23105号公報等で提案したサンプリング分注装
置は今だ改善の余地がある。
【0011】一方、従来のサンプリング分注装置で供給
容器内のサンプリング対象液を分注ノズルに吸い込む場
合、圧力センサからの検出値と実際の異常の有無との相
関を実験的に確認する必要があるため、装置の仕様やシ
リンジポンプの能力等が変わる度に圧力センサからの検
出値と実際の異常の有無との相関を実験的に確認し直さ
なければならず、非常に手間がかかる。
【0012】しかも、分注ノズル内の圧力変化を連続的
に監視していないため、サンプリング対象液に含まれる
気泡や異物等の一時的な吸入に伴う異常を検出すること
ができない虞があり、このまま分注作業を行った場合に
は、その後の検査結果や測定結果等に悪影響を及ぼす虞
があった。
【0013】本発明の第一の目的は、分注ノズルとシリ
ンジポンプとを接続する配管や通路を完全に無くし、気
温や気圧変動による分注誤差を従来のものよりも少なく
することにより、極めて微量のサンプリング対象液を用
いた多種類の検査や測定等の信頼性を向上し得る一方、
メンテナンスの極めて容易なサンプリング分注装置を提
供することにある。
【0014】本発明の第二の目的は、サンプリング対象
液の吸入中における異常を容易かつ確実に検出すること
が可能な吸入異常検出方法を提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明による第一の形態
は、前後および左右および上下にそれぞれ移動可能な分
注ヘッドと、この分注ヘッドの下端部に下向きに着脱可
能に突設され、かつノズルチップが下端に装着される分
注ノズルと、この分注ノズルの上部に形成されたポンプ
室と、前記分注ノズルの下部に形成されて前記ノズルチ
ップ内と前記ポンプ室とを連通する通路と、前記ポンプ
室に対して摺動自在に嵌合するプランジャと、前記分注
ヘッドに設けられて前記プランジャを昇降させるプラン
ジャ昇降駆動手段とを具えたことを特徴とするものであ
る。
【0016】本発明による第二の形態は、所定量のサン
プリング対象液をノズルチップ内に吸入する吸入ステッ
プと、この吸入ステップを開始してから一定時間後にお
ける前記ノズルチップ内の圧力を基準圧力として読み込
む基準圧力設定ステップと、この基準圧力設定ステップ
にて読み込まれた前記基準圧力に基づき、前記ノズルチ
ップ内に吸入される前記サンプリング対象液の吸入量に
応じた前記ノズルチップ内の圧力の第一の上限値を設定
する第一上限値設定ステップと、前記第一の上限値とあ
らかじめ設定される第二の上限値とを比較して大きい方
の値を最終上限値として採用する最終上限値設定ステッ
プと、この最終上限値設定ステップ後の前記吸入ステッ
プにおける前記ノズルチップ内の圧力が前記最終上限値
よりも大きい場合に吸入異常であると判定する異常判定
ステップとを具えたことを特徴とするものである。
【0017】
【作用】本発明の分注装置によると、分注ノズル自体が
シリンジポンプの一部であるポンプ室を有しており、シ
リンジポンプと分注ノズルとを接続する配管や通路を持
たない構造となる。
【0018】また、プランジャ昇降駆動手段によりプラ
ンジャを上昇させると、この上昇に対応したポンプ室内
の容積の増大に伴ってサンプリング対象液がノズルチッ
プ内に吸い込まれる。逆に、プランジャ昇降駆動手段に
よりプランジャを下降させると、この下降に対応したポ
ンプ室内の容積の減少に伴ってサンプリング対象液がノ
ズルチップから外部に吐出される。
【0019】なお、ポンプ室内等のメンテナンスを行う
場合には、分注ヘッドから分注ノズルを取り外して行
う。
【0020】一方、本発明の吸入異常判定方法による
と、所定量のサンプリング対象液をノズルチップ内に吸
入し始めてから一定時間後における前記ノズルチップ内
の圧力を基準圧力として読み込み、ノズルチップ内に吸
入されるサンプリング対象液の吸入量に応じたノズルチ
ップ内の圧力の第一の上限値をこの基準圧力に基づいて
設定する。そして、この第一の上限値とあらかじめ設定
される第二の上限値とを比較して大きい方の値を最終上
限値として採用し、第一の上限値を設定した後のサンプ
リング対象液の吸入中におけるノズルチップ内の圧力が
最終上限値よりも大きい場合に吸入異常であると判定す
る。
【0021】
【実施例】以下、図面を参照して本発明の実施例を詳細
に説明する。
【0022】本発明による分注装置の一実施例の外観を
図2に示す。すなわち、後端にコラム11が立設された
作業テーブル12の後部には、多数のノズルチップ13
を所定間隔で収納したチップラック14と、使用済のノ
ズルチップ13を収納し得るチップ収納箱15とが載置
されており、これらチップラック14およびチップ収納
箱15の前方の作業テーブル12上には、サンプリング
対象液をそれぞれ蓄えた多数の供給容器16を所定間隔
で収納するサンプルラック17と、サンプルラック17
側からのサンプリング対象液がそれぞれ所定量ずつ分注
される多数の試験容器18を所定間隔で収納するアッセ
イラック19とが左右に隣接状態で載置されている。
【0023】前記コラム11の上部には、相互に平行な
左右一対のアーム20が前方に突設されており、左右両
端がこれらアーム20に対して前後に往復動自在に保持
された水平なクロスビーム21には、このクロスビーム
21に沿って左右に往復動自在にサドル22が保持され
ている。また、このサドル22には当該サドル22に沿
って昇降自在にラム23が取り付けられており、このラ
ム23にはサンプルラック17側の供給容器16内から
サンプリング対象液を吸入してアッセイラック19側の
試験容器18内に所定量のサンプリング対象液を仕分け
る分注ヘッド24が一体的に連結されている。そして、
これらクロスビーム21の前後動およびサドル22の左
右動およびラム23の上下動は、コラム11内に収納さ
れた図示しないクロスビーム駆動用モータ、サドル駆動
用モータ、ラム駆動用モータの作動を制御する図示しな
い制御装置を介してそれぞれ制御されるようになってお
り、基本的にはチップラック14内の新たなノズルチッ
プ13を分注ヘッド24に取り付けられた分注ノズル2
5の下端に装着し、サンプルラック17側の所定の供給
容器16内からサンプリング対象液をノズルチップ13
内に吸入し、これをアッセイラック19側の複数の試験
容器18内にそれぞれ分注した後、このノズルチップ1
3を分注ノズル25の下端から抜き外してチップ収納箱
15に廃棄し、再びチップラック14内の新たなノズル
チップ13を分注ノズル25の下端に装着し、上述した
分注操作が繰り返される。
【0024】なお、上述した分注ヘッド24の駆動機構
や分注操作の制御機構等に関しては、既に周知技術とな
っているので、これ以上の詳細な説明は省略する。
【0025】本実施例における分注ヘッド24の内部機
構を図1および図3〜図5にそれぞれ示す。すなわち、
ラム23にヘッドブラケット26を介して一体的に連結
されるヘッドホルダ27には、相互に平行な左右一対の
案内ロッド28, 29がそれぞれ上下に摺動自在に貫通
しており、これら案内ロッド28, 29の上下端は、上
下一対のケーシングホルダ30, 31に対してそれぞれ
止めねじ32を介し一体的に嵌着されている。これらケ
ーシングホルダ30, 31には、枠状をなすケーシング
33の中央部と下端部とがそれぞれねじ止めされてお
り、ヘッドホルダ27と下部ケーシングホルダ31との
間には、一方の案内ロッド28に嵌合された圧縮コイル
ばね34が介装されている。
【0026】つまり、ケーシング33側はこれらの自重
および圧縮コイルばね34のばね力により、ヘッドホル
ダ27の上端面にて支持された状態となっているが、本
実施例では他方の案内ロッド29の上端部に筒状をなす
ブシュ35および弾性変形可能な緩衝リング36を嵌着
し、このブシュ35の下端が緩衝リング36を介してヘ
ッドホルダ27の上端面に当接することにより、ラム2
3に対する通常状態における分注ヘッド24の位置規制
がなされる。
【0027】また、本実施例ではチップラック14に収
納されたノズルチップ13の上端部に分注ノズル25の
下端を押し込むことにより、このノズルチップ13を分
注ノズル25に装着するようにしている。この際、圧縮
コイルばね34のばね力に抗してヘッドホルダ27に対
しケーシング33側が押し上げられる状態となるため、
このヘッドホルダ27に対するケーシング33側の上昇
端を検出する上下一対の磁気センサ37をヘッドホルダ
27の下端部と下部ケーシングホルダ31とに対向状態
で組み付け、これら磁気センサ37からの検出信号が出
力された場合、上述した制御装置はノズルチップ13が
分注ノズル25に装着されたと判断し、これ以上のラム
23の下降動作を直ちに停止させる。この時、ヘッドホ
ルダ27の下端面と下部ケーシングホルダ31の上端面
とが直接接触しないように、本実施例では他方の案内ロ
ッド29の下端部に弾性変形可能な緩衝リング38を嵌
着し、この緩衝リング38を介してヘッドホルダ27の
下端面と下部ケーシングホルダ31の上端面とが当接し
得るようになっている。
【0028】前記下部ケーシングホルダ31の一方の側
端部には、下端にノズルチップ13との嵌合部39を形
成した分注ノズル25の上端部が止めねじ40を介して
一体的に嵌着されている。この分注ノズル25の上部に
はポンプ室41が形成されており、分注ノズル25の下
部に穿設されてポンプ室41に上端が連通する通路42
の下端は、前記嵌合部39の下端に開口した状態となっ
ている。また、上部ケーシングホルダ30を上下に貫通
する送りねじ軸43の下部には、上記ポンプ室41に対
して緊密に嵌合するプランジャ44が形成されており、
この送りねじ軸43の上端には、矩形断面の回り止めピ
ン45が止めねじ46を介して当該送りねじ軸43に一
体的に嵌着されている。この回り止めピン45が上下方
向に摺動自在に係合するピン案内孔47を形成したピン
ブラケット48は、上部ケーシングホルダ30にねじ止
めされており、この送りねじ軸43に螺合する送りナッ
ト49が上部ケーシングホルダ30を貫通した状態で上
下一対の軸受50を介し回転自在に上部ケーシングホル
ダ30に保持されている。
【0029】このように、本実施例では分注ノズル25
の上端部が下部ケーシングホルダ31に対し止めねじ4
0を介して着脱可能に嵌着されており、目詰まり等に伴
うポンプ室41内やこのポンプ室41に連通する通路4
2および後述する接続管内のメンテナンスを行う場合に
は、止めねじ40を緩めて下部ケーシングホルダ31か
ら分注ノズル25を抜き外すことで、極めて容易に行う
ことができる。
【0030】一方、上部ケーシングホルダ30上には、
ステッピングモータ51が複数本の支柱52を介して下
向きに立設されており、下端部が上部ヘッドケーシング
ホルダ31内に位置するモータ回転軸53に一体的に嵌
合された歯付き駆動プーリ54と、前記上部送りナット
49の上端部にこれと同軸一体に嵌着された歯付き従動
プーリ55とには、無端の歯付きベルト56が巻き掛け
られている。また、これら歯付き駆動プーリ54および
歯付き従動プーリ55に対する歯付きベルト56の噛み
合い量を増大させてステッピングモータ51のモータ回
転軸53からの駆動力を確実に送りナット49側へ伝達
させるため、上部ヘッドケーシングホルダ31にはこの
歯付きベルト56の外周面に転接するテンションローラ
57が回転自在に装着されている。
【0031】従って、送りねじ軸43と一体の回り止め
ピン45がピン案内孔47に対して摺動自在に係合して
いるため、ステッピングモータ51のモータ回転軸53
を正逆転することにより、プランジャ44が送りねじ軸
43と共に回転することなく昇降し、ポンプ室41内の
容積をモータ回転軸53の回転量に対応して調節するこ
とができるようになっている。
【0032】また、ポンプ室41における前記プランジ
ャ44の下降端位置を規定するため、回り止めピン45
の下降端位置を検出する左右一対の光スイッチ58がス
イッチブラケット59を介してピンブラケット48の下
端に立設されており、回り止めピン45がこれら光スイ
ッチ58を遮った時点で、光スイッチ58がオン状態と
なり、上述した制御装置がこの光スイッチ58のオン信
号を受けてステッピングモータ51の作動を直ちに停止
させ、プランジャ44の下降端位置が規定されるように
なっている。
【0033】前記分注ノズル25の側壁に固定されてポ
ンプ室41の下端部に連通する接続管60の先端部と、
ケーシング33の一方の側端下部に取り付けられてポン
プ室41内の圧力を検出する圧力センサ61とは、シリ
コン樹脂等で形成された可撓性を有する連通管62を介
して相互に連結されており、この圧力センサ61からの
検出信号が上述した制御装置に出力され、この検出信号
に基づいて上述したラム駆動用モータおよびステッピン
グモータ51の作動が制御装置を介して制御される一
方、吸入操作の異常等を判定するようになっている。
【0034】このサンプリング対象液の吸入時における
ラム23およびプランジャ44の動作と圧力センサ61
による検出値との関係を図6に模式的に表す。
【0035】すなわち、準備動作の領域にて分注ヘッド
24を所定のサンプルラック17の所定の供給容器の1
6の真上に移動し、さらにラム23を下降してノズルチ
ップ13の下端が供給容器16内のサンプリング対象液
の液面に近接状態で待機させる。この状態から液面検出
動作の領域に移行し、ラム23を低速にて下降させると
共にこのラム23の下降動作に同期してプランジャ44
をラム23の下降速度よりも低速で引き上げ、この状態
における圧力センサ61の検出値を読み出し、この検出
値があらかじめ設定した値を越えた時点でラム23およ
び送りねじ軸43を停止させる。そして、所定時間が経
過した後、吸入動作の領域に移行し、上述した状態から
プランジャ44を高速で所定量だけ移動させ、さらにこ
のプランジャ44による吸い込み割合に対応した低速で
ラム23を同期下降させ、ノズルチップ13の先端部の
みがサンプリング対象液内に浸った状態で所定量のサン
プリング対象液をノズルチップ13内に吸い込むのであ
る。この吸入動作の終了して一定時間が経過した後、ラ
ム23を上昇する退避動作を行い、次いで分注ヘッド2
4を所定のアッセイラック19の所定の試験容器の18
の真上に移動し、分注作業を開始する。
【0036】なお、吸入動作の開始直後に圧力センサ6
1の検出値に発生している最初のピーク圧力PP は、サ
ンプリング対象液の表面張力が破壊されて一時的にポン
プ室41の圧力が低下する現象であり、このピーク圧力
P はサンプリング対象液の種類に応じてほぼ一定とな
ることが実験的に確認されている。また、正常な吸入動
作が行われている場合には、時間の経過に伴ってポンプ
室41内の負圧が一定割合で増加する。
【0037】本実施例では、この吸入動作の領域にて圧
力センサ61による検出値が急激に変化し、図6中、一
点鎖線で示すように一時的に高くなった場合には、ノズ
ルチップ13の下端がサンプリング対象液の液面から一
時的に離れて空気を吸い込んでしまったり、あるいはサ
ンプリング対象液中の気泡や異物等を一時的に吸い込ん
でしまったと判断する。この場合、試験容器18に分注
する際の分注精度を確保できなくなる可能性が高いの
で、吸い込み動作が異常であると判断して今回の作業を
中止する。つまり、今回使用したノズルチップ13をチ
ップ収納箱15に廃棄し、再びチップラック14内の新
たなノズルチップ13を分注ノズル25の下端に装着
し、サンプリング対象液の吸い込み動作を再度繰り返す
のである。
【0038】具体的には、吸入動作が開始されるTS
から一定時間、例えば100ミリ秒後のTB 時における
圧力センサの検出値PB を基準圧力として読み出し、第
一の上限値P1 を下式に基づいて設定する。
【0039】P1 =PB +k・V+ΔP ただし、kはサンプリング対象液の単位吸入量に対応す
るポンプ室41内の負圧の増加割合を示す係数、ΔPは
負圧の許容誤差を見込んであらかじめ設定される補正圧
力であり、サンプリング吸入量VはTS 時からTE 時ま
でのプランジャ44の上昇時間に比例する。この場合、
サンプリング対象液の吸入量Vが少ない場合には、吸入
動作が終了するTE 時における圧力センサ61の検出値
よりも、吸入動作の開始直後に発生する最初のピーク圧
力PP の方が大きくなる可能性がある。このため、第二
の上限値P2 を下式の如く設定する。
【0040】P2 =PP +ΔP そして、前記第一の上限値P1 と第二の上限値P2 とを
比較して大きい方の値を最終上限値PF として採用す
る。そして、この最終上限値PF と吸入動作中における
圧力センサ61からの検出値とを比較し、この圧力セン
サ61からの検出値の方が最終上限値PF よりも大きい
場合には、吸入異常であると判定しており、この異常判
定操作は上述した制御装置内にて行われる。
【0041】なお、分注ノズル25からノズルチップ1
3を取り外す場合には、ノズルチップ13をチップ収納
箱15内に位置させ、この状態にて作業テーブル12上
に突設された図示しないチップ取外し金具にノズルチッ
プ13の上端面を係止させ、このままラム23を上昇さ
せることによってノズルチップ13から分注ノズル25
を抜き外すことができる。
【0042】
【発明の効果】本発明のサンプリング分注装置によれ
ば、分注ノズルの上部にシリンジポンプの一部を構成す
るポンプ室を一体的に形成したので、シリンジポンプと
分注ノズルとを接続する配管や通路が必要なくなり、気
温や気圧の変化に伴って容積変動を起こす配管や通路の
存在による悪影響をなくすことが可能となる。この結
果、特に微量の分注操作の際における分注量の誤差を今
まで以上に小さくすることができ、極めて微量のサンプ
リング対象液を用いて多種類の検査や測定等を行う場合
の検査結果や測定結果の信頼性を向上させることができ
る。
【0043】また、分注ノズル自体がシリンジポンプの
一部を構成しているので、目詰まり等に伴うポンプ室内
等のメンテナンスを極めて容易に行うことができるだけ
でなく、部品点数が少なくて済み、分注ヘッドの軽量化
および製造コストの低減を企図し得る。
【0044】一方、本発明の吸入異常検出方法によれ
ば、吸入ステップを開始してから一定時間後におけるノ
ズルチップ内の圧力を基準圧力として読み込み、ノズル
チップ内に吸入されるサンプリング対象液の吸入量に応
じたノズルチップ内の圧力の第一の上限値を基準圧力に
基づいて設定し、この第一の上限値とあらかじめ設定さ
れる第二の上限値とを比較して大きい方の値を最終上限
値として採用し、吸入ステップにおけるノズルチップ内
の圧力が最終上限値よりも大きい場合に吸入異常である
と判定するようにしたので、装置の仕様やシリンジポン
プの能力等が変わっても、圧力センサからの検出値と実
際の異常の有無との相関を実験的に確認し直す必要がな
くなった。
【0045】しかも、サンプリング対象液に含まれる気
泡や異物等の一時的な吸入に伴う異常を確実に検出する
ことができ、信頼性の高い吸入操作を行うことが可能で
ある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるサンプリング分注装置の一実施例
における分注ヘッドの内部構造を表す一部破断断面図で
ある。
【図2】本実施例におけるサンプリング分注装置の外観
を表す斜視図である。
【図3】図1におけるIII −III 矢視断面図である。
【図4】図1におけるIV−IV矢視断面図である。
【図5】図1におけるV−V矢視断面の破断図である。
【図6】本実施例におけるサンプリング対象液の吸入時
におけるラムおよびプランジャの動作と圧力センサの検
出値との関係を模式的に表すグラフである。
【符号の説明】
11 コラム 12 作業テーブル 13 ノズルチップ 14 チップラック 15 チップ収納箱 16 供給容器 17 サンプルラック 18 試験容器 19 アッセイラック 20 アーム 21 クロスビーム 22 サドル 23 ラム 24 分注ヘッド 25 分注ノズル 26 ヘッドブラケット 27 ヘッドホルダ 28, 29 案内ロッド 30 上部ケーシングホルダ 31 下部ケーシングホルダ 32 止めねじ 33 ケーシング 34 圧縮コイルばね 35 ブシュ 36 緩衝リング 37 磁気センサ 38 緩衝リング 39 嵌合部 40 止めねじ 41 ポンプ室 42 通路 43 送りねじ軸 44 プランジャ 45 回り止めピン 46 止めねじ 47 ピン案内孔 48 ピンブラケット 49 送りナット 50 軸受 51 ステッピングモータ 52 支柱 53 モータ回転軸 54 歯付き駆動プーリ 55 歯付き従動プーリ 56 歯付きベルト 57 テンションローラ 58 光スイッチ 59 スイッチブラケット 60 接続管 61 圧力センサ 62 連通管 PP ピーク圧力 PB 基準圧力

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 前後および左右および上下にそれぞれ移
    動可能な分注ヘッドと、 この分注ヘッドの下端部に下向きに着脱可能に突設さ
    れ、かつノズルチップが下端に装着される分注ノズル
    と、 この分注ノズルの上部に形成されたポンプ室と、 前記分注ノズルの下部に形成されて前記ノズルチップ内
    と前記ポンプ室とを連通する通路と、 前記ポンプ室に対して摺動自在に嵌合するプランジャ
    と、 前記分注ヘッドに設けられて前記プランジャを昇降させ
    るプランジャ昇降駆動手段とを具えたことを特徴とする
    サンプリング分注装置。
  2. 【請求項2】 所定量のサンプリング対象液をノズルチ
    ップ内に吸入する吸入ステップと、 この吸入ステップを開始してから一定時間後における前
    記ノズルチップ内の圧力を基準圧力として読み込む基準
    圧力設定ステップと、 この基準圧力設定ステップにて読み込まれた前記基準圧
    力に基づき、前記ノズルチップ内に吸入される前記サン
    プリング対象液の吸入量に応じた前記ノズルチップ内の
    圧力の第一の上限値を設定する第一上限値設定ステップ
    と、 前記第一の上限値とあらかじめ設定される第二の上限値
    とを比較して大きい方の値を最終上限値として採用する
    最終上限値設定ステップと、 この最終上限値設定ステップ後の前記吸入ステップにお
    ける前記ノズルチップ内の圧力が前記最終上限値よりも
    大きい場合に吸入異常であると判定する異常判定ステッ
    プとを具えたことを特徴とする吸入異常判定方法。
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