JP3681235B2 - 液体定量装置 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は自動分析装置等に用いられ、微量の液体、例えば試料(検体)や試薬を定量可能な液体定量装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
免疫凝集測定装置のような自動分析装置は、通常、多数の検体あるいは試薬を定量、すなわち分取し分注する液体定量装置を備えている。液体定量装置は、例えば、テーブル上に配置された検体、試薬あるいは洗浄槽の各位置に移動可能なピペットと、可撓性チューブを介してこのピペットに接続された定量用シリンジとを有し、検体、試薬の分取及び分注とピペットの洗浄とを交互に繰り返して行うことができる。
【0003】
このような液体定量装置の動作の一例を、ピペットの洗浄を始点として述べると、まず、ピペットを洗浄槽に移動し洗浄液を定量用シリンジ側からチューブを介してピペット先端から吐出させピペットの内側を洗浄するとともに、洗浄槽に洗浄液を供給してピペットの外側を洗浄する。これにより、洗浄液がピペット及びチューブに充満した状態となる。次いで、定量用シリンジを微量吸引してピペット先端に薄い空気層を形成する。ピペット先端の空気層は、洗浄液と次に吸引した液体とをピペット内で分離するとともに、ピペット移動時の振動でピペット先端部分の液体が飛散するのを防止する。次に、ピペットを洗浄槽から検体容器の上方に移動させ、さらにピペット先端を定量位置まで下降させ一定量の検体を吸引(分取)する。定量位置は通常、ピペットに配設された液面センサにより検知される。
【0004】
次に分取した検体を反応容器に一定量吐出(分注)する。上記と同様の動作で試薬容器から定量された試薬と反応容器内で所定の反応を行わせた後、測定系で所定の測定がおこなわれる。ピペットは、次の液体を定量するため再び洗浄槽内に移動され、前記同様の洗浄が行われる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記した液体定量装置により検体の分取を行う際、ピペットは可撓性チューブとともに洗浄液が充満した状態で洗浄槽から検体容器に移動する。ピペットが検体容器に向かって上方の待機位置から垂直方向に移動する際、チューブもピペットに追従してその一端だけがピペットの定量位置まで下降する。例えば図14に示すように、シリンジ5にチューブ4を介して接続されたピペット3が待機位置にあって、図15に示す定量位置まで下降するとき、ピペット3及びチューブ4内を満たす洗浄液が空気層aを押し出し、さらにピペット3内の洗浄液を押し下げるので、洗浄液の先頭位置が変化する。
【0006】
上記したピペット3とシリンジ5間の液体の重量バランスの変化は、検体をわずか数μl単位で微量定量を行う場合に、定量精度の低下をもたらす。すなわち、検体を分取及び分注する際の洗浄液の先頭位置が、ピペットの垂直方向における移動量、つまりそれぞれの検体の定量位置の液面高さによって変化するため、例えば、検体容器として長さの異なる試験管を使用して検体を分取及び分注する場合には、分取する検体の液面高さが一定せず、ピペットの下降量、上昇量が検体毎に大きく異なる。ピペットの検体分取位置が100mm以上も変化しうる場合には、上記悪影響は無視できないものとなる。
さらに、ピペット内に形成する空気層は定量精度を確保するため可能な限り微量であることが好ましいが、液面高さの変化を考慮して厚めの空気層を形成せざるを得ない。
【0007】
特開平7−253433号公報には、洗浄液の供給によりチューブが膨張または収縮してもピペット内の液体の先頭位置を変化させないようシリンジを駆動する構成が開示されている。しかし、ピペットの垂直方向における位置変化に伴う上記の問題点及びその解決策については何も示されていない。
【0008】
この発明の課題は、ピペットの垂直方向における位置が変わっても高精度の微量定量が可能な液体定量装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
第1の発明の液体定量装置によれば、ピペットと、このピペットを垂直方向に移動させるピペット昇降手段と、可撓性チューブを介してピペットと接続され、液体をピペットから吸引、吐出可能な定量用シリンジと、ピペット昇降手段及びシリンジの動作を制御する制御部とを備え、制御部は、シリンジ、チューブ及びピペット内が液体で満たされた状態でピペットを垂直移動させる際、ピペット内の液体の先頭位置を一定に維持するようピペットの垂直移動に合わせてシリンジを微量駆動させる液体定量装置が提供される。
【0010】
この発明におけるピペットとは、定量用シリンジの駆動量に応じて液体をμl単位で微量定量可能なものが好ましい。
この発明におけるピペット昇降手段とは、プーリに捲回されたベルト、あるいはボールねじ等の駆動によりピペットを垂直方向に精密移動できるものが好ましい。
この発明において「シリンジ、チューブ及びピペット内が液体で満たされた状態」とは、シリンジの駆動に応じてシリンジ、チューブ及びピペット内に満たされた液体を介してピペットの先端から液体の吸引、吐出が可能な状態をいう。シリンジ、チューブ及びピペット内に満たされた液体は、洗浄液、検体あるいは試薬のみならず定量用の作動液体となるものであれば、これらの液体に限定されない。シリンジ、チューブ及びピペット内は、上記液体とともに空気層を含んでいてもよい。
【0011】
この発明における可撓性チューブは、内圧及び外圧によりその内径及び長さの変化量が少ないもの、あるいはその変化量が一定のものが好ましい。また、可撓性チューブは定量用シリンジからピペットに至る経路全体あるいは一部に設けられる。
この発明における定量用シリンジとは、洗浄槽及びピペット内に連通するシリンジあるいはポンプ等の吸排手段を備え、洗浄液を吐出あるいは吸引により供給、排出が可能であるものが好ましい。
制御部は、ピペットの下降量に応じて所定量だけシリンジを微量吸引させてなるのが好ましい。
制御部は、ピペットの上昇量に応じて所定量だけシリンジを微量吐出させてなるのが好ましい。
【0012】
第2の発明の液体定量装置によれば、ピペットと、このピペットを垂直方向に移動させるピペット昇降手段と、可撓性チューブを介してピペットと接続され、液体をピペットから吸引、吐出可能な定量用シリンジと、このシリンジを垂直方向に移動させるシリンジ昇降手段と、ピペット昇降手段及びシリンジ昇降手段の動作を制御する制御部とを備え、制御部は、シリンジ、チューブ及びピペット内が液体で満たされた状態でピペットを垂直移動させる際、ピペット内の液体の先頭位置を一定に維持するようピペットの垂直移動に合わせてシリンジ昇降手段を同方向に駆動させる液体定量装置が提供される。
【0013】
この発明におけるシリンジ昇降手段とは、プーリに捲回されたベルト、あるいはボールねじ等の駆動によりシリンジ全体を垂直方向に精密移動できるものが好ましい。
液体定量装置は、ピペットを水平方向に移動させるピペット水平移動手段をさらに備え、制御部は、ピペットの水平移動のときにはシリンジ昇降手段を駆動せず、ピペットの垂直移動のときにはシリンジ昇降手段を駆動するのが好ましい。
【0014】
さて第1の発明の液体定量装置では、例えばピペットの洗浄のために、制御部はまず、定量用シリンジを駆動して液体をピペットから吸引、吐出させる。これによって、シリンジ、可撓性チューブ及びピペット内が液体で満たされた状態となる。次に、ピペットはチューブとともに洗浄液で満された状態で洗浄槽から検体の定量位置に移動する。ピペットが検体容器に向かって下降する際、チューブ内部を満たす液体がピペット内の液面を押し下げる方向に作用する。このとき、制御部が、定量位置に達するまでピペットの下降量に応じて所定量だけシリンジを微量吸引させる。これにより、ピペット内の液面を引き上げる方向に水頭補正動作がおこなわれ、先頭位置を一定に維持することができる。
【0015】
検体を定量した後、ピペットはチューブとともに液体で満された状態で定量位置から上方の待機位置に移動する。ピペットが待機位置に向かって上昇する際、チューブ内部を満たす液体がピペット内の液面を引き上げる方向に作用する。このとき、制御部が、待機位置に達するまでピペットの上昇量に応じて所定量だけシリンジを微量吐出させる。これにより、ピペット内の液面を押し下げる方向に水頭補正動作がおこなわれ、先頭位置を一定に維持することができる。この状態で検体を分注するとき、定量用シリンジ側の駆動量に対応する量の検体を高い精度で分注することができる。
なお、条件によってはピペットの駆動による上記水頭補正動作を、ピペットの下降時のみ、あるいは上昇時のみに行うことも可能である。
【0016】
第2の発明の液体定量装置では、例えばピペットの洗浄のために、定量用シリンジが駆動され液体はピペットから吸引、吐出させる。これによって、シリンジ、可撓性チューブ及びピペット内が液体で満たされた状態となる。次に、ピペットはチューブとともに洗浄液で満された状態で洗浄槽から検体の定量位置に移動する。ピペットが検体容器に向かって下降する際、制御部は、ピペットの下降に合わせてシリンジ全体が下降するようシリンジ昇降手段を駆動させる。これにより、ピペット内の液体の先頭位置を一定に維持することができる。
【0017】
検体を定量した後、ピペットはチューブとともに液体で満された状態で定量位置から上方の待機位置に移動する。ピペットが待機位置に向かって上昇する際、制御部は、ピペットの上昇に合わせてシリンジ全体が上昇するようシリンジ昇降手段を駆動させる。これにより、ピペット内の液体の先頭位置を一定に維持することができる。
このように、シリンジ全体をピペットと同方向に移動させることにより、ピペットとシリンジとに接続されたチューブの傾き(姿勢)は一定に保持されるので、液体の定量位置が大きく変化する場合でもピペットとシリンジ間の液体の重量バランスは不変となり定量の精度が保証される。
なお、条件によってはシリンジ昇降手段の駆動による上記水頭補正動作を、ピペットの下降時のみ、あるいは上昇時のみに行うことも可能である。
【0018】
【発明の実施の形態】
〔実施形態1〕
図1は、この発明の実施の一形態による液体定量装置が装着された自動免疫凝集測定装置の一例を示す。反応系、測定系などの基本構成は従来から知られている装置と同じである。自動免疫凝集測定装置1は、液体定量装置110と、検体、試薬等を配置するテーブル100とから主に構成される。
液体定量装置110は、ピペット11と、ピペット昇降手段12と、可撓性チューブ13と、定量用シリンジ14とからなる。ピペット11及びピペット昇降手段12は分注ブロック15に支持され、さらにこの分注ブロック15はピペット水平移動手段としてのブロック移動手段16によりXY軸からなる2軸方向に移動可能に構成されている。ピペット昇降手段12及びシリンジ14は、後述する制御部17により制御される。
【0019】
金属製のピペット11は、ピペット昇降手段12に鉛直方向に支持され、その上端部が可撓性チューブ13の一端に接続されている。ピペット11は、後述する液面センサ71の一部として構成されている。可撓性チューブ13は内径2.4mm、長さ1500mmのウレタンチューブであり、チューブ13の他端は、図2で示すように、定量用シリンジ14を介してピペット通液手段40に接続されている。すなわち、モータ41で駆動されるシリンジ14は、その基部の入口14cが電磁弁42を介して洗浄液チャンバ43に接続され、電磁弁42の切り換え操作により、洗浄液チャンバ43に収容された洗浄液を外部からの陽圧でシリンジ14側へ送出したり、検体、試薬の定量及びピペット11内部の洗浄を行うことができる。
【0020】
図3に示した分注ブロック15において、ピペット昇降手段12は、分注ブロック15本体に取り付けられ鉛直方向に延びるガイドレール21と、ガイドレール21に沿って上下するスライダ22と、スライダ22に取り付けられピペット11を支持する取り付け片23と、取り付け片23を固着したベルト24と、ベルト24を垂直方向に張り渡す一対のプーリ25と、プーリ25の一方を回転駆動するパルスモータ26とから構成され、モータ26の正転、逆転により分注ブロック15に対してピペット11は昇降し、待機位置A(上方)と定量位置B(下方)との間を往復可能な構成となっている。
【0021】
液体定量装置110の下方には、テーブル100が配置されている(図1)。テーブル100の上面には、検体用容器ラック108(図3参照)を配置しておく検体載置部101、試薬用容器ラック108を配置しておく試薬載置部102、ピペット洗浄槽103、使用前の反応容器が載置される空容器載置部104、反応液を収容した容器が載置される反応容器載置部105、使用済の反応容器が載置される使用済容器載置部106及び反応液を測定系に導入するための測定導入部107が、それぞれ一平面上に区画して配設される。容器ラック108には、高さの異なる検体用容器109を複数配列することができる。それぞれのラック108は誘電体で形成され、ピペット11はラック108に載置された容器内の液体に先端部11aが接触した際に、ラック108との間の静電容量の変化に基づいて容器内の液面を検知可能な構成となっている。
【0022】
ピペット洗浄槽103は、図4に示したピペット洗浄位置Cまでピペット11を挿入可能な孔部31と、孔部31内に連通する洗浄液入口32及び洗浄液出口33を具備している。洗浄液入口32及び洗浄液出口33には、電磁弁34と電磁弁34に接続された洗浄液チャンバー35及び排液タンク36とからなる洗浄槽通液手段30が接続されている。この通液手段30において洗浄液チャンバー35には陽圧が常時印加され、洗浄液チャンバー35内の洗浄液をこの陽圧により洗浄槽103の孔部31に供給し、孔部31に収容された洗浄液は洗浄液出口33から排液タンク36にオーバーフローさせて適時に入れ換えることができる。
【0023】
なお、前記した各入出力部は、後述する制御部と電気的に接続されている。図5は免疫凝集測定装置1のブロック構成図である。
免疫凝集測定装置1は、CPU,ROM,RAM,タイマー,カウンター等を有するマイクロコンピュータを含む制御部17を有している。制御部17には、図示しない外部のキー入力部70、液面センサ71、表示部72、シリンジ14のモータ41、ブロック移動手段16、ピペット昇降手段12、ピペット通液手段40、洗浄槽通液手段30及びその他の入出力部73が接続されている。
【0024】
制御部17は、ピペット昇降手段12のモータ26の駆動によりピペット11が待機位置Aから下降する際、基準位置からの移動量をカウントの始点から終点までの駆動パルス数Zaとしてみなし、このカウントに応じて同時にシリンジ14のモータ41を駆動してピペット11の水頭補正動作を行わせる。水頭補正動作は、下降パルスZaをカウントするとき、ピペット11の下降量に応じて所定量だけシリンジ14を微量吸引させる。カウントの基準点は任意に設定可能であるが、この実施態様ではピペット11の待機位置Aを基準点としてカウンタの読みは0となるよう設定されている。表1は上記水頭補正動作を含むシリンジ14の各駆動量の一例を、図6はピペット11の移動量と補正量との関係をそれぞれ示す。
【0025】
【表1】
【0026】
この実施例の液体定量装置110の動作について説明する。
まず、ピペット11を待機位置Aから下降させ、その先端部11aを洗浄槽103に挿入し、ピペット洗浄位置C(図4)で停止させる。
次に、電磁弁42を開き、ピペット11にピペット通液手段40からの洗浄液を流入させその内側を洗浄する。同時に、電磁弁34を開き、洗浄槽通液手段30の洗浄液チャンバー35から洗浄槽103に洗浄液が供給される。洗浄液入口32から流入した洗浄液は洗浄槽103に収容された使用済の洗浄液を洗浄液出口33から押し出し、ピペット11の先端部の外側が洗浄される。
【0027】
洗浄が終了したピペット11を上昇させ待機位置Aに待機させる。シリンジ14、チューブ13及びピペット11内は洗浄液で満たされた状態となる。このとき、モータ41を駆動してシリンジ14を微量吸引し、図7に示すようにピペット11の先端に空気層aを形成する。空気層aは、ピペット移動時の振動によりピペット11の先端から洗浄液が飛散するのを抑え、さらにピペット11内の洗浄液と次に吸引される液体とを分離する効果がある。
【0028】
次に、ブロック移動手段16によりピペット11はチューブ13とともに洗浄液で満された状態で洗浄槽103から試薬載置部102の上方に水平移動する。次に、ピペット昇降手段12の駆動によりピペット11を試薬載置部102の試薬容器に向かって定量位置B1まで下降させる。待機位置Aを始点として定量位置B1までの下降パルスZaをカウントする。このとき、下降パルスZaのカウントに応じて同時に0.78μl/秒の割合でシリンジ14を微量吸引をさせる。チューブ13の一端側はピペット11とともに下降する。液面センサ71が試薬の液面を検知して定量位置B1 に達すると、ここをシリンジ14駆動の終点として補正動作を終了する。この間、ピペット11内の液体の先頭位置は一定に維持される。
【0029】
次に、シリンジ14を吸引駆動させ予め設定された量の試薬を分取する。試薬の分取が終了したピペット11は上昇し、試薬載置部102から引き出されて待機位置Aに待機する。ピペット11内は洗浄液と少量の試薬で満たされた状態となる。このとき、シリンジ14を微量吸引して図8に示すように、ピペット11の先端に空気層bを形成する。空気層bは、ピペット移動時の振動によりピペット11の先端から試薬が飛散するのを抑え、さらにピペット11内の試薬と次に吸引される液体とを分離する効果がある。
次に、ブロック移動手段15によりピペット11はチューブ13とともに試薬載置部102から検体載置部101の上方に水平移動する。
【0030】
ピペット昇降手段12の駆動によりピペット11を検体載置部101の検体容器に向かって定量位置B2まで下降を開始させる。このとき、待機位置Aを始点として定量位置B2までの下降パルスZaをカウントする。このとき、下降パルスZaに応じて同時に0.78μl/秒の割合でシリンジ14を微量吸引をさせる。チューブ13の一端側はピペット11とともに下降する。液面センサ71が検体の液面を検知して定量位置B2 に達すると、ここをシリンジ14駆動の終点として補正動作を終了する。この間、ピペット内の検体の先頭位置は一定に維持される。
【0031】
次に、シリンジ14を吸引駆動させ予め設定された量の検体を分取する。検体の分取が終了したピペット11は上昇し、検体載置部101から引き出されて待機位置Aに待機する。ピペット11内は洗浄液、試薬及び微量の検体で満たされた状態となる。このとき、シリンジ14を微量吸引して図9に示すように、ピペット11の先端に空気層cを形成する。空気層cは、ピペット移動時の振動によりピペット11の先端から検体が飛散するのを抑える効果がある。
【0032】
次に、ブロック移動手段16の駆動によりピペット11を反応容器載置部104の上方まで移動させ、さらにピペット昇降手段12の駆動によりピペット11を下降して先端部11aを反応容器載置部104の上方に位置させる。次に、シリンジ14を吐出駆動させ分取した検体及び試薬を反応容器に分注する。分注が終了すると、ピペット昇降手段12及びブロック移動手段16を駆動させ、再びピペット11を洗浄槽103に移動させ、前記と同様にピペット11の洗浄を行う。反応容器に分注された検体及び試薬は、反応液として測定導入部107に導入され図示しない光学系を備えた測定装置により測定され、血液のデータがこの装置に接続された表示部72に出力される。
【0033】
上記した液体定量装置1では、ピペット11及びチューブ13が液体で満たされた状態でピペット11が下降するとき、シリンジ14の水頭補正動作によりピペット11内の検体の先頭位置は一定に維持される。
【0034】
〔実施態様2〕
実施態様1による液体定量装置110では、ピペット11が下降するときだけ水頭補正動作を行う構成としたが、この実施態様2では液体定量装置120がピペット11の下降及び上昇の際に補正動作を行うよう構成されている。すなわち、図10に示すように、シリンジ14は、テーブル100の縁部に固定された基台81に形成されたシリンジ駆動部45に配設されている。
【0035】
シリンジ駆動部45は、基台81に軸支されたプーリ群82と、プーリ群82に張り渡された2対のベルト83a、83bと、一方のベルト83bに固着されたスライダ84と、スライダ84に取り付けられシリンジ14のピストンロッド14aの基部を支持する取り付け片85と、1つのプーリ82を回転駆動するモータ41とから構成されている。シリンジ14のシリンダ14bは基台81に固着され、その基部の入口44には上述したピペット通液手段40(図2)が接続されている。
このような構成により、モータ41の正転、逆転によってスライダ84を介して取り付け片85は昇降し、この昇降動作に応じて取り付け片85に支持されたピストンロッド14aがシリンダ14b内の液体を吸排する。
【0036】
この実施態様において制御部17は、ピペット昇降手段12がモータ26の駆動により予め設定された基準位置から垂直方向に移動する際、その始点から終点までの移動中の駆動パルスをピペット11の移動方向別に、すなわち下降時のパルス数をZaとしてカウントUPし、上昇時のパルス数をZbとしてカウントDOWNし、これらのカウントに応じて同時にシリンジ駆動部45のモータ41を駆動してピペット11内の水頭補正動作を行わせる。
【0037】
水頭補正動作は、下降パルスZaをカウントするときは、ピペット11の下降量に応じて所定量だけシリンジ14を微量吸引をさせ、上昇パルスZbをカウントするときは、ピペット11の上昇量に応じて所定量だけシリンジ14を微量吐出をさせる。なお、ピペット11の下降途中で上昇したときでも、上昇パルスZbがカウントDOWN入力に加わり、その分だけ計数値が減少し、表示は正確に下降量を表示することができる。カウントの基準点は任意に設定可能であるが、この実施態様ではピペット11の待機位置Aでカウンタの読みが0となるよう設定されている。
【0038】
この実施態様における液体定量装置120の動作について説明する。
まず、ピペット11を待機位置Aから下降させ、その先端部11aを洗浄槽103に挿入し、ピペット洗浄位置C(図4)で停止させる。次に、前記と同様に、ピペット11の内側及び外側を洗浄する。
洗浄が終了したピペット11を上昇させて、洗浄槽103から引き出し待機位置Aに待機させる。シリンジ14、チューブ13及びピペット11内は洗浄液で満たされた状態となる。このとき、シリンジ14を微量吸引しピペット11の先端に空気層aを形成する(図7)。
【0039】
次に、ブロック移動手段16によりピペット11はチューブ13とともに洗浄槽103から試薬載置部102の上方に水平移動する。次に、ピペット昇降手段12の駆動によりピペット11を試薬載置部102の試薬容器に向かって定量位置B1まで下降させる。下降の開始と同時に待機位置Aを始点として定量位置B1までの下降パルスZaをカウントする。このとき、下降パルスZaのカウントに応じて同時に0.78μl/秒の割合でシリンジ14を微量吸引をさせる。チューブ13の一端側はピペット11とともに下降する。液面センサ91が試薬の液面を検知して定量位置B1 に達すると、ここをシリンジ14駆動の終点として補正動作を終了する。この間、ピペット11内の液体の先頭位置は一定に維持される。
【0040】
次に、シリンジ14を吸引駆動させ予め設定された量の試薬を分取する。試薬の分取が終了したピペット11は上昇を開始する。上昇の開始と同時に始点となる定量位置B1から上昇パルスZbをカウントする。このとき、カウントされた上昇パルスZbに応じて同時に0.78μl/秒の割合でシリンジ14を微量吐出させる。チューブ13の一端側はピペット11とともに上昇する。ピペット11が待機位置Aに達すると、ここをシリンジ14駆動の終点として補正動作を終了する。この間、ピペット内の検体の先頭位置は一定に維持される。補正動作が終了すると、待機位置Aにおいてシリンジ14を微量吸引し、ピペット11の先端に空気層bを形成する(図8)。
次に、ブロック移動手段16によりピペット11はチューブ13とともに試薬載置部102から検体載置部101の上方に水平移動する。
【0041】
次にピペット昇降手段12の駆動によりピペット11を検体載置部101の検体容器に向かって定量位置B2まで下降を開始させる。下降の開始と同時に待機位置Aを始点として定量位置B2までの下降パルスZaをカウントする。このとき、下降パルスZaに応じて同時に0.78μl/秒の割合でシリンジ14を微量吸引をさせる。チューブ13の一端側はピペット11とともに下降する。液面センサ71が検体の液面を検知して定量位置B2 に達すると、ここをシリンジ14駆動の終点として補正動作を終了する。この間、ピペット11内の検体の先頭位置は一定に維持される。
【0042】
次に、シリンジ14を吸引駆動させ予め設定された量の検体を分取する。検体の分取が終了したピペット11は上昇する。上昇の開始と同時に始点となる定量位置B2から上昇パルスZbをカウントする。このとき、カウントされた上昇パルスZbに応じて同時に0.78μl/秒の割合でシリンジ14を微量吐出させる。チューブ13の一端側はピペット11とともに上昇する。ピペット11が待機位置Aに達すると、ここをシリンジ14駆動の終点として補正動作を終了する。この間、ピペット11内の検体の先頭位置は一定に維持される。
【0043】
待機位置Aにおいてシリンジ14を微量吸引しピペット11の先端に空気層cを形成する(図9)。次に、ブロック移動手段16の駆動によりピペット11を反応容器載置部105の上方まで移動させ、さらにピペット昇降手段12の駆動によりピペット11を下降して先端部11aを反応容器載置部105の上方に位置させ分取した検体及び試薬を反応容器に分注する。分注が終了すると、ピペット11を洗浄槽103に移動させ、前記と同様にピペット11の洗浄を行う。
【0044】
上記した液体定量装置1では、ピペット11及びチューブ13が液体で満たされた状態においてピペット11が下降するときのみならず上昇するときにも、シリンジ14の水頭補正動作によりピペット11内の検体の先頭位置は一定に維持される。
【0045】
〔実施態様3〕
図11は、第2の発明の実施の一形態による液体定量装置が装着された自動免疫凝集測定装置2の一例を示す。反応系、測定系などの基本構成は従来から知られている装置と同じである。自動免疫凝集測定装置2は、液体定量装置120と、検体、試薬類を配置するテーブル100とから主に構成される。
液体定量装置120は、ピペット11と、ピペット昇降手段12と、可撓性チューブ13と、定量用シリンジ14と、シリンジ昇降手段19とからなる。ピペット11及びピペット昇降手段12は分注ブロック15に支持され、さらにこの分注ブロック15はピペット水平移動手段としてのブロック移動手段16によりXY軸からなる2軸方向に移動可能に構成されている。
なお、分注用ピペット11、ピペット昇降手段12、ピペット通液手段40、テーブル100及び洗浄液通液手段30は、前記した実施態様1と同一の構成からなるため、説明は省略する。
【0046】
シリンジ昇降手段19は図12に示すように、テーブル100の縁部に固定された基台91と、基台91に取り付けられ鉛直方向に延びるガイドレール92と、ガイドレール92に沿って上下するスライダ93と、スライダ93に取り付けられたシリンジ駆動部45(実施形態2の図10)と、スライダ93に固定されたベルト94と、ベルト94を垂直方向に張り渡す一対のプーリ95と、プーリ95の一方を回転駆動するモータ96とから構成されている。シリンジ駆動部45のシリンジ14には上述したピペット通液手段40(図2)が接続されている。このような構成により、モータ96の正転、逆転によってスライダ93を介してシリンジ駆動部45は昇降する。
【0047】
免疫凝集測定装置2は、図13に示すように、CPU,ROM,RAM,タイマー,カウンター等を有するマイクロコンピュータを含む制御部18を備える。制御部18は、ピペット昇降手段12がモータ26の駆動により予め設定された基準位置から垂直方向に移動する際、その始点から終点までの移動中の駆動パルスをピペット11の移動方向別に、すなわち下降時のパルス数をZaとしてカウントUPし、上昇時のパルス数をZbとしてカウントDOWNし、これらのカウントに応じて同時にシリンジ昇降手段19のモータ96を駆動してピペット11内の水頭補正動作を行わせる。
【0048】
水頭補正動作は、下降パルスZaをカウントするときは、ピペット11の下降量に応じて所定量だけシリンジ昇降手段19によりシリンジ駆動部45を下降させ、上昇パルスZbをカウントするときは、ピペット11の上昇量に応じて所定量だけシリンジ昇降手段19によりシリンジ駆動部45を上昇させる。なお、ピペット11の下降途中で上昇したときでも、上昇パルスZbがカウントDOWN入力に加わり、その分だけ計数値が減少し、表示は正確に下降量を表示することができる。基準点は任意に設定可能であるが、この実施態様ではピペット11の待機位置Aでカウンタの読みが0となるよう設定されている。
【0049】
この実施態様における免疫凝集測定装置2の動作について説明する。
まず、ピペット11を待機位置Aから下降させ、その先端部11aを洗浄槽103に挿入し、ピペット洗浄位置C(図4)で停止させる。次に、前記と同様に、ピペット11の内側及び外側を洗浄する。
洗浄が終了したピペット11を上昇させて、洗浄槽103から引き出し待機位置Aに待機させる。シリンジ14、チューブ13及びピペット11内は洗浄液で満たされた状態となる。このとき、シリンジ駆動部45のシリンジ14を微量吸引しピペット11の先端に空気層aを形成する(図6)。
【0050】
次に、ブロック移動手段16によりピペット11はチューブ13とともに洗浄槽103から試薬載置部102の上方に水平移動する。次に、ピペット昇降手段12の駆動によりピペット11を試薬載置部102の試薬容器に向かって定量位置B1まで下降させる。下降の開始と同時に基準点となる待機位置Aを始点として定量位置B1までの下降パルスZaをカウントする。このとき、下降パルスZaのカウントに応じて同時にシリンジ昇降手段19を駆動しシリンジ14を下降させる。チューブ13はピペット11とともに下降する。液面センサ91が試薬の液面を検知して定量位置B1 に達すると、同時にシリンジ14の下降を停止する。このような補正動作によりピペット11内の液体の先頭位置は一定に維持される。
【0051】
次に、シリンジ14を吸引駆動させ予め設定された量の試薬を分取する。試薬の分取が終了したピペット11は上昇を開始する。上昇の開始と同時に始点となる定量位置B1から上昇パルスZbをカウントする。このとき、カウントされた上昇パルスZbに応じて同時にシリンジ昇降手段19を駆動しシリンジ14を上昇させる。チューブ13はピペット11とともに上昇する。ピペット11が待機位置Aに達すると、同時にシリンジ14の上昇を停止する。このような補正動作によりピペット11内の検体の先頭位置は一定に維持される。補正動作が終了すると、待機位置Aにおいてシリンジ14を微量吸引し、ピペット11の先端に空気層bを形成する(図8)。
次に、ブロック移動手段16によりピペット11はチューブ13とともに試薬載置部102から検体載置部101の上方に水平移動する。
【0052】
ピペット昇降手段12の駆動によりピペット11を検体載置部101の検体容器に向かって定量位置B2まで下降を開始させる。下降の開始と同時に基準点となる待機位置Aを始点として定量位置B2までの下降パルスZaをカウントする。このとき、下降パルスZaに応じて同時にシリンジ昇降手段19を駆動しシリンジ14を下降させる。チューブ13はピペット11とともに下降する。液面センサ71が検体の液面を検知して定量位置B2 に達すると、シリンジ14の下降を停止する。この間、ピペット内の検体の先頭位置は一定に維持される。
【0053】
次に、シリンジ14を吸引駆動させ予め設定された量の検体を分取する。検体の分取が終了したピペット11は上昇する。上昇の開始と同時に始点となる定量位置Bから上昇パルスZbをカウントする。このとき、カウントされた上昇パルスZbに応じて同時にシリンジ昇降手段19を駆動しシリンジ14を上昇させる。チューブ13はピペット11とともに上昇する。ピペット11が待機位置Aに達すると、シリンジ14の上昇を停止する。この間、ピペット11内の検体の先頭位置は一定に維持される。
【0054】
待機位置Aにおいてシリンジ14を微量吸引しピペット11の先端に空気層cを形成する(図9)。次に、ブロック移動手段16の駆動によりピペット11を反応容器載置部105の上方まで移動させ、さらにピペット昇降手段12の駆動によりピペット11を下降して先端部11aから分取した検体及び試薬を反応容器に分注する。分注が終了すると、ピペット11を洗浄槽103に移動させ、前記と同様にピペット11の洗浄を行う。
【0055】
上記した液体定量装置2では、ピペット11及びチューブ13が液体で満たされた状態でピペット11が下降及び上昇するとき、シリンジ14の水頭補正動作によりピペット内の検体の先頭位置は一定に維持される。この場合、仮にシリンジ14をピペット昇降手段12に載置してピペット11とともに垂直方向に移動させる構成としてもよい。
【0056】
【発明の効果】
第1の発明の液体定量装置では、制御部は、ピペットの垂直移動に合わせてシリンジを微量駆動させピペット内の液体の先頭位置を一定に維持することができる。それによって液体の定量位置が大きく変化する場合でも定量の精度が保証される。
【0057】
すなわち、ピペットの下降によりチューブ内部を満たす液体がピペット内の液面を押し下げる方向に作用するとき、制御部が、ピペットの下降量に応じて所定量だけシリンジを微量吸引させることにより、ピペット内の液面を引き上げ、先頭位置を一定に維持することができる。また、ピペットの上昇によりチューブ内部を満たす液体がピペット内の液面を引き上げる方向に作用するとき、制御部が、ピペットの上昇量に応じて所定量だけシリンジを微量吐出させることにより、ピペット内の液面を押し下げ、先頭位置を一定に維持することができる。
【0058】
第2の発明の液体定量装置では、制御部は、ピペットの垂直移動に合わせてシリンジ昇降手段を移動方向に駆動させピペット内の液体の先頭位置を一定に維持することができる。それによって液体の定量位置が大きく変化する場合でも定量の精度が保証される。すなわち、ピペットとシリンジ全体を同方向に移動することにより、ピペットとシリンジとに接続されたチューブの傾き(姿勢)は変化しないので、ピペット内の液面の先頭位置は一定に維持される。
【0059】
ピペットを水平方向に移動させるピペット水平移動手段をさらに備え、制御部は、ピペットの水平移動のときにはシリンジ昇降手段を駆動せず、ピペットの垂直移動のときにはシリンジ昇降手段を駆動するよう構成すれば、ピペットの水平移動手段とシリンジ昇降手段との共動によりピペットを3次元的に移動できる。したがって、ピペットのみを3次元的に移動させる複雑な構成を簡略化できる。
【0060】
本願の発明により、液体定量における容器の形状及び配置位置、容器の液量の影響を排除することができ、定量の自由度が向上する。また、ピペット内の液面に微量の空気層を形成することができ、形成された空気層を確実に保持することができる。よって、定量精度の向上及び高速化を実現する液体定量装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の発明の実施の一形態による液体定量装置を備えた免疫凝集測定装置の概略斜視図。
【図2】図1の液体定量装置のピペット通液手段を説明する図。
【図3】図1のピペット昇降手段の正面図。
【図4】液体定量装置の洗浄槽通液手段を説明する図。
【図5】図1の液体定量装置の制御部のブロック図。
【図6】シリンジの水頭補正量とピペット移動量との関係を説明する図。
【図7】ピペット内の液体及び空気層を説明する断面図(洗浄液吸引後)。
【図8】ピペット内の液体及び空気層を説明する断面図(試薬吸引後)。
【図9】ピペット内の液体及び空気層を説明する断面図(検体吸引後)。
【図10】シリンジ駆動部の正面図。
【図11】第2の発明の実施の一形態による液体定量装置を備えた免疫凝集測定装置の概略斜視図。
【図12】図11のシリンジ昇降手段の正面図。
【図13】図11の液体定量装置の制御部のブロック図。
【図14】従来例における、ピペットの垂直方向の位置の変化に伴うピペット内の液体及び空気層の状態を説明する図(上方位置)。
【図15】従来例における、ピペットの垂直方向の位置の変化に伴うピペット内の液体及び空気層の状態を説明する図(下方位置)。
【符号の説明】
1 免疫凝集測定装置
2 免疫凝集測定装置
11 ピペット
12 ピペット昇降手段
13 チューブ
14 シリンジ
16 定量ブロック移動手段(水平移動手段)
17 制御部
19 シリンジ昇降手段
30 洗浄槽通液手段
40 ピペット通液手段
a、b、c 空気層
A 待機位置
B 定量位置
110 液体定量装置
120 液体定量装置
【発明の属する技術分野】
この発明は自動分析装置等に用いられ、微量の液体、例えば試料(検体)や試薬を定量可能な液体定量装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
免疫凝集測定装置のような自動分析装置は、通常、多数の検体あるいは試薬を定量、すなわち分取し分注する液体定量装置を備えている。液体定量装置は、例えば、テーブル上に配置された検体、試薬あるいは洗浄槽の各位置に移動可能なピペットと、可撓性チューブを介してこのピペットに接続された定量用シリンジとを有し、検体、試薬の分取及び分注とピペットの洗浄とを交互に繰り返して行うことができる。
【0003】
このような液体定量装置の動作の一例を、ピペットの洗浄を始点として述べると、まず、ピペットを洗浄槽に移動し洗浄液を定量用シリンジ側からチューブを介してピペット先端から吐出させピペットの内側を洗浄するとともに、洗浄槽に洗浄液を供給してピペットの外側を洗浄する。これにより、洗浄液がピペット及びチューブに充満した状態となる。次いで、定量用シリンジを微量吸引してピペット先端に薄い空気層を形成する。ピペット先端の空気層は、洗浄液と次に吸引した液体とをピペット内で分離するとともに、ピペット移動時の振動でピペット先端部分の液体が飛散するのを防止する。次に、ピペットを洗浄槽から検体容器の上方に移動させ、さらにピペット先端を定量位置まで下降させ一定量の検体を吸引(分取)する。定量位置は通常、ピペットに配設された液面センサにより検知される。
【0004】
次に分取した検体を反応容器に一定量吐出(分注)する。上記と同様の動作で試薬容器から定量された試薬と反応容器内で所定の反応を行わせた後、測定系で所定の測定がおこなわれる。ピペットは、次の液体を定量するため再び洗浄槽内に移動され、前記同様の洗浄が行われる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記した液体定量装置により検体の分取を行う際、ピペットは可撓性チューブとともに洗浄液が充満した状態で洗浄槽から検体容器に移動する。ピペットが検体容器に向かって上方の待機位置から垂直方向に移動する際、チューブもピペットに追従してその一端だけがピペットの定量位置まで下降する。例えば図14に示すように、シリンジ5にチューブ4を介して接続されたピペット3が待機位置にあって、図15に示す定量位置まで下降するとき、ピペット3及びチューブ4内を満たす洗浄液が空気層aを押し出し、さらにピペット3内の洗浄液を押し下げるので、洗浄液の先頭位置が変化する。
【0006】
上記したピペット3とシリンジ5間の液体の重量バランスの変化は、検体をわずか数μl単位で微量定量を行う場合に、定量精度の低下をもたらす。すなわち、検体を分取及び分注する際の洗浄液の先頭位置が、ピペットの垂直方向における移動量、つまりそれぞれの検体の定量位置の液面高さによって変化するため、例えば、検体容器として長さの異なる試験管を使用して検体を分取及び分注する場合には、分取する検体の液面高さが一定せず、ピペットの下降量、上昇量が検体毎に大きく異なる。ピペットの検体分取位置が100mm以上も変化しうる場合には、上記悪影響は無視できないものとなる。
さらに、ピペット内に形成する空気層は定量精度を確保するため可能な限り微量であることが好ましいが、液面高さの変化を考慮して厚めの空気層を形成せざるを得ない。
【0007】
特開平7−253433号公報には、洗浄液の供給によりチューブが膨張または収縮してもピペット内の液体の先頭位置を変化させないようシリンジを駆動する構成が開示されている。しかし、ピペットの垂直方向における位置変化に伴う上記の問題点及びその解決策については何も示されていない。
【0008】
この発明の課題は、ピペットの垂直方向における位置が変わっても高精度の微量定量が可能な液体定量装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
第1の発明の液体定量装置によれば、ピペットと、このピペットを垂直方向に移動させるピペット昇降手段と、可撓性チューブを介してピペットと接続され、液体をピペットから吸引、吐出可能な定量用シリンジと、ピペット昇降手段及びシリンジの動作を制御する制御部とを備え、制御部は、シリンジ、チューブ及びピペット内が液体で満たされた状態でピペットを垂直移動させる際、ピペット内の液体の先頭位置を一定に維持するようピペットの垂直移動に合わせてシリンジを微量駆動させる液体定量装置が提供される。
【0010】
この発明におけるピペットとは、定量用シリンジの駆動量に応じて液体をμl単位で微量定量可能なものが好ましい。
この発明におけるピペット昇降手段とは、プーリに捲回されたベルト、あるいはボールねじ等の駆動によりピペットを垂直方向に精密移動できるものが好ましい。
この発明において「シリンジ、チューブ及びピペット内が液体で満たされた状態」とは、シリンジの駆動に応じてシリンジ、チューブ及びピペット内に満たされた液体を介してピペットの先端から液体の吸引、吐出が可能な状態をいう。シリンジ、チューブ及びピペット内に満たされた液体は、洗浄液、検体あるいは試薬のみならず定量用の作動液体となるものであれば、これらの液体に限定されない。シリンジ、チューブ及びピペット内は、上記液体とともに空気層を含んでいてもよい。
【0011】
この発明における可撓性チューブは、内圧及び外圧によりその内径及び長さの変化量が少ないもの、あるいはその変化量が一定のものが好ましい。また、可撓性チューブは定量用シリンジからピペットに至る経路全体あるいは一部に設けられる。
この発明における定量用シリンジとは、洗浄槽及びピペット内に連通するシリンジあるいはポンプ等の吸排手段を備え、洗浄液を吐出あるいは吸引により供給、排出が可能であるものが好ましい。
制御部は、ピペットの下降量に応じて所定量だけシリンジを微量吸引させてなるのが好ましい。
制御部は、ピペットの上昇量に応じて所定量だけシリンジを微量吐出させてなるのが好ましい。
【0012】
第2の発明の液体定量装置によれば、ピペットと、このピペットを垂直方向に移動させるピペット昇降手段と、可撓性チューブを介してピペットと接続され、液体をピペットから吸引、吐出可能な定量用シリンジと、このシリンジを垂直方向に移動させるシリンジ昇降手段と、ピペット昇降手段及びシリンジ昇降手段の動作を制御する制御部とを備え、制御部は、シリンジ、チューブ及びピペット内が液体で満たされた状態でピペットを垂直移動させる際、ピペット内の液体の先頭位置を一定に維持するようピペットの垂直移動に合わせてシリンジ昇降手段を同方向に駆動させる液体定量装置が提供される。
【0013】
この発明におけるシリンジ昇降手段とは、プーリに捲回されたベルト、あるいはボールねじ等の駆動によりシリンジ全体を垂直方向に精密移動できるものが好ましい。
液体定量装置は、ピペットを水平方向に移動させるピペット水平移動手段をさらに備え、制御部は、ピペットの水平移動のときにはシリンジ昇降手段を駆動せず、ピペットの垂直移動のときにはシリンジ昇降手段を駆動するのが好ましい。
【0014】
さて第1の発明の液体定量装置では、例えばピペットの洗浄のために、制御部はまず、定量用シリンジを駆動して液体をピペットから吸引、吐出させる。これによって、シリンジ、可撓性チューブ及びピペット内が液体で満たされた状態となる。次に、ピペットはチューブとともに洗浄液で満された状態で洗浄槽から検体の定量位置に移動する。ピペットが検体容器に向かって下降する際、チューブ内部を満たす液体がピペット内の液面を押し下げる方向に作用する。このとき、制御部が、定量位置に達するまでピペットの下降量に応じて所定量だけシリンジを微量吸引させる。これにより、ピペット内の液面を引き上げる方向に水頭補正動作がおこなわれ、先頭位置を一定に維持することができる。
【0015】
検体を定量した後、ピペットはチューブとともに液体で満された状態で定量位置から上方の待機位置に移動する。ピペットが待機位置に向かって上昇する際、チューブ内部を満たす液体がピペット内の液面を引き上げる方向に作用する。このとき、制御部が、待機位置に達するまでピペットの上昇量に応じて所定量だけシリンジを微量吐出させる。これにより、ピペット内の液面を押し下げる方向に水頭補正動作がおこなわれ、先頭位置を一定に維持することができる。この状態で検体を分注するとき、定量用シリンジ側の駆動量に対応する量の検体を高い精度で分注することができる。
なお、条件によってはピペットの駆動による上記水頭補正動作を、ピペットの下降時のみ、あるいは上昇時のみに行うことも可能である。
【0016】
第2の発明の液体定量装置では、例えばピペットの洗浄のために、定量用シリンジが駆動され液体はピペットから吸引、吐出させる。これによって、シリンジ、可撓性チューブ及びピペット内が液体で満たされた状態となる。次に、ピペットはチューブとともに洗浄液で満された状態で洗浄槽から検体の定量位置に移動する。ピペットが検体容器に向かって下降する際、制御部は、ピペットの下降に合わせてシリンジ全体が下降するようシリンジ昇降手段を駆動させる。これにより、ピペット内の液体の先頭位置を一定に維持することができる。
【0017】
検体を定量した後、ピペットはチューブとともに液体で満された状態で定量位置から上方の待機位置に移動する。ピペットが待機位置に向かって上昇する際、制御部は、ピペットの上昇に合わせてシリンジ全体が上昇するようシリンジ昇降手段を駆動させる。これにより、ピペット内の液体の先頭位置を一定に維持することができる。
このように、シリンジ全体をピペットと同方向に移動させることにより、ピペットとシリンジとに接続されたチューブの傾き(姿勢)は一定に保持されるので、液体の定量位置が大きく変化する場合でもピペットとシリンジ間の液体の重量バランスは不変となり定量の精度が保証される。
なお、条件によってはシリンジ昇降手段の駆動による上記水頭補正動作を、ピペットの下降時のみ、あるいは上昇時のみに行うことも可能である。
【0018】
【発明の実施の形態】
〔実施形態1〕
図1は、この発明の実施の一形態による液体定量装置が装着された自動免疫凝集測定装置の一例を示す。反応系、測定系などの基本構成は従来から知られている装置と同じである。自動免疫凝集測定装置1は、液体定量装置110と、検体、試薬等を配置するテーブル100とから主に構成される。
液体定量装置110は、ピペット11と、ピペット昇降手段12と、可撓性チューブ13と、定量用シリンジ14とからなる。ピペット11及びピペット昇降手段12は分注ブロック15に支持され、さらにこの分注ブロック15はピペット水平移動手段としてのブロック移動手段16によりXY軸からなる2軸方向に移動可能に構成されている。ピペット昇降手段12及びシリンジ14は、後述する制御部17により制御される。
【0019】
金属製のピペット11は、ピペット昇降手段12に鉛直方向に支持され、その上端部が可撓性チューブ13の一端に接続されている。ピペット11は、後述する液面センサ71の一部として構成されている。可撓性チューブ13は内径2.4mm、長さ1500mmのウレタンチューブであり、チューブ13の他端は、図2で示すように、定量用シリンジ14を介してピペット通液手段40に接続されている。すなわち、モータ41で駆動されるシリンジ14は、その基部の入口14cが電磁弁42を介して洗浄液チャンバ43に接続され、電磁弁42の切り換え操作により、洗浄液チャンバ43に収容された洗浄液を外部からの陽圧でシリンジ14側へ送出したり、検体、試薬の定量及びピペット11内部の洗浄を行うことができる。
【0020】
図3に示した分注ブロック15において、ピペット昇降手段12は、分注ブロック15本体に取り付けられ鉛直方向に延びるガイドレール21と、ガイドレール21に沿って上下するスライダ22と、スライダ22に取り付けられピペット11を支持する取り付け片23と、取り付け片23を固着したベルト24と、ベルト24を垂直方向に張り渡す一対のプーリ25と、プーリ25の一方を回転駆動するパルスモータ26とから構成され、モータ26の正転、逆転により分注ブロック15に対してピペット11は昇降し、待機位置A(上方)と定量位置B(下方)との間を往復可能な構成となっている。
【0021】
液体定量装置110の下方には、テーブル100が配置されている(図1)。テーブル100の上面には、検体用容器ラック108(図3参照)を配置しておく検体載置部101、試薬用容器ラック108を配置しておく試薬載置部102、ピペット洗浄槽103、使用前の反応容器が載置される空容器載置部104、反応液を収容した容器が載置される反応容器載置部105、使用済の反応容器が載置される使用済容器載置部106及び反応液を測定系に導入するための測定導入部107が、それぞれ一平面上に区画して配設される。容器ラック108には、高さの異なる検体用容器109を複数配列することができる。それぞれのラック108は誘電体で形成され、ピペット11はラック108に載置された容器内の液体に先端部11aが接触した際に、ラック108との間の静電容量の変化に基づいて容器内の液面を検知可能な構成となっている。
【0022】
ピペット洗浄槽103は、図4に示したピペット洗浄位置Cまでピペット11を挿入可能な孔部31と、孔部31内に連通する洗浄液入口32及び洗浄液出口33を具備している。洗浄液入口32及び洗浄液出口33には、電磁弁34と電磁弁34に接続された洗浄液チャンバー35及び排液タンク36とからなる洗浄槽通液手段30が接続されている。この通液手段30において洗浄液チャンバー35には陽圧が常時印加され、洗浄液チャンバー35内の洗浄液をこの陽圧により洗浄槽103の孔部31に供給し、孔部31に収容された洗浄液は洗浄液出口33から排液タンク36にオーバーフローさせて適時に入れ換えることができる。
【0023】
なお、前記した各入出力部は、後述する制御部と電気的に接続されている。図5は免疫凝集測定装置1のブロック構成図である。
免疫凝集測定装置1は、CPU,ROM,RAM,タイマー,カウンター等を有するマイクロコンピュータを含む制御部17を有している。制御部17には、図示しない外部のキー入力部70、液面センサ71、表示部72、シリンジ14のモータ41、ブロック移動手段16、ピペット昇降手段12、ピペット通液手段40、洗浄槽通液手段30及びその他の入出力部73が接続されている。
【0024】
制御部17は、ピペット昇降手段12のモータ26の駆動によりピペット11が待機位置Aから下降する際、基準位置からの移動量をカウントの始点から終点までの駆動パルス数Zaとしてみなし、このカウントに応じて同時にシリンジ14のモータ41を駆動してピペット11の水頭補正動作を行わせる。水頭補正動作は、下降パルスZaをカウントするとき、ピペット11の下降量に応じて所定量だけシリンジ14を微量吸引させる。カウントの基準点は任意に設定可能であるが、この実施態様ではピペット11の待機位置Aを基準点としてカウンタの読みは0となるよう設定されている。表1は上記水頭補正動作を含むシリンジ14の各駆動量の一例を、図6はピペット11の移動量と補正量との関係をそれぞれ示す。
【0025】
【表1】
【0026】
この実施例の液体定量装置110の動作について説明する。
まず、ピペット11を待機位置Aから下降させ、その先端部11aを洗浄槽103に挿入し、ピペット洗浄位置C(図4)で停止させる。
次に、電磁弁42を開き、ピペット11にピペット通液手段40からの洗浄液を流入させその内側を洗浄する。同時に、電磁弁34を開き、洗浄槽通液手段30の洗浄液チャンバー35から洗浄槽103に洗浄液が供給される。洗浄液入口32から流入した洗浄液は洗浄槽103に収容された使用済の洗浄液を洗浄液出口33から押し出し、ピペット11の先端部の外側が洗浄される。
【0027】
洗浄が終了したピペット11を上昇させ待機位置Aに待機させる。シリンジ14、チューブ13及びピペット11内は洗浄液で満たされた状態となる。このとき、モータ41を駆動してシリンジ14を微量吸引し、図7に示すようにピペット11の先端に空気層aを形成する。空気層aは、ピペット移動時の振動によりピペット11の先端から洗浄液が飛散するのを抑え、さらにピペット11内の洗浄液と次に吸引される液体とを分離する効果がある。
【0028】
次に、ブロック移動手段16によりピペット11はチューブ13とともに洗浄液で満された状態で洗浄槽103から試薬載置部102の上方に水平移動する。次に、ピペット昇降手段12の駆動によりピペット11を試薬載置部102の試薬容器に向かって定量位置B1まで下降させる。待機位置Aを始点として定量位置B1までの下降パルスZaをカウントする。このとき、下降パルスZaのカウントに応じて同時に0.78μl/秒の割合でシリンジ14を微量吸引をさせる。チューブ13の一端側はピペット11とともに下降する。液面センサ71が試薬の液面を検知して定量位置B1 に達すると、ここをシリンジ14駆動の終点として補正動作を終了する。この間、ピペット11内の液体の先頭位置は一定に維持される。
【0029】
次に、シリンジ14を吸引駆動させ予め設定された量の試薬を分取する。試薬の分取が終了したピペット11は上昇し、試薬載置部102から引き出されて待機位置Aに待機する。ピペット11内は洗浄液と少量の試薬で満たされた状態となる。このとき、シリンジ14を微量吸引して図8に示すように、ピペット11の先端に空気層bを形成する。空気層bは、ピペット移動時の振動によりピペット11の先端から試薬が飛散するのを抑え、さらにピペット11内の試薬と次に吸引される液体とを分離する効果がある。
次に、ブロック移動手段15によりピペット11はチューブ13とともに試薬載置部102から検体載置部101の上方に水平移動する。
【0030】
ピペット昇降手段12の駆動によりピペット11を検体載置部101の検体容器に向かって定量位置B2まで下降を開始させる。このとき、待機位置Aを始点として定量位置B2までの下降パルスZaをカウントする。このとき、下降パルスZaに応じて同時に0.78μl/秒の割合でシリンジ14を微量吸引をさせる。チューブ13の一端側はピペット11とともに下降する。液面センサ71が検体の液面を検知して定量位置B2 に達すると、ここをシリンジ14駆動の終点として補正動作を終了する。この間、ピペット内の検体の先頭位置は一定に維持される。
【0031】
次に、シリンジ14を吸引駆動させ予め設定された量の検体を分取する。検体の分取が終了したピペット11は上昇し、検体載置部101から引き出されて待機位置Aに待機する。ピペット11内は洗浄液、試薬及び微量の検体で満たされた状態となる。このとき、シリンジ14を微量吸引して図9に示すように、ピペット11の先端に空気層cを形成する。空気層cは、ピペット移動時の振動によりピペット11の先端から検体が飛散するのを抑える効果がある。
【0032】
次に、ブロック移動手段16の駆動によりピペット11を反応容器載置部104の上方まで移動させ、さらにピペット昇降手段12の駆動によりピペット11を下降して先端部11aを反応容器載置部104の上方に位置させる。次に、シリンジ14を吐出駆動させ分取した検体及び試薬を反応容器に分注する。分注が終了すると、ピペット昇降手段12及びブロック移動手段16を駆動させ、再びピペット11を洗浄槽103に移動させ、前記と同様にピペット11の洗浄を行う。反応容器に分注された検体及び試薬は、反応液として測定導入部107に導入され図示しない光学系を備えた測定装置により測定され、血液のデータがこの装置に接続された表示部72に出力される。
【0033】
上記した液体定量装置1では、ピペット11及びチューブ13が液体で満たされた状態でピペット11が下降するとき、シリンジ14の水頭補正動作によりピペット11内の検体の先頭位置は一定に維持される。
【0034】
〔実施態様2〕
実施態様1による液体定量装置110では、ピペット11が下降するときだけ水頭補正動作を行う構成としたが、この実施態様2では液体定量装置120がピペット11の下降及び上昇の際に補正動作を行うよう構成されている。すなわち、図10に示すように、シリンジ14は、テーブル100の縁部に固定された基台81に形成されたシリンジ駆動部45に配設されている。
【0035】
シリンジ駆動部45は、基台81に軸支されたプーリ群82と、プーリ群82に張り渡された2対のベルト83a、83bと、一方のベルト83bに固着されたスライダ84と、スライダ84に取り付けられシリンジ14のピストンロッド14aの基部を支持する取り付け片85と、1つのプーリ82を回転駆動するモータ41とから構成されている。シリンジ14のシリンダ14bは基台81に固着され、その基部の入口44には上述したピペット通液手段40(図2)が接続されている。
このような構成により、モータ41の正転、逆転によってスライダ84を介して取り付け片85は昇降し、この昇降動作に応じて取り付け片85に支持されたピストンロッド14aがシリンダ14b内の液体を吸排する。
【0036】
この実施態様において制御部17は、ピペット昇降手段12がモータ26の駆動により予め設定された基準位置から垂直方向に移動する際、その始点から終点までの移動中の駆動パルスをピペット11の移動方向別に、すなわち下降時のパルス数をZaとしてカウントUPし、上昇時のパルス数をZbとしてカウントDOWNし、これらのカウントに応じて同時にシリンジ駆動部45のモータ41を駆動してピペット11内の水頭補正動作を行わせる。
【0037】
水頭補正動作は、下降パルスZaをカウントするときは、ピペット11の下降量に応じて所定量だけシリンジ14を微量吸引をさせ、上昇パルスZbをカウントするときは、ピペット11の上昇量に応じて所定量だけシリンジ14を微量吐出をさせる。なお、ピペット11の下降途中で上昇したときでも、上昇パルスZbがカウントDOWN入力に加わり、その分だけ計数値が減少し、表示は正確に下降量を表示することができる。カウントの基準点は任意に設定可能であるが、この実施態様ではピペット11の待機位置Aでカウンタの読みが0となるよう設定されている。
【0038】
この実施態様における液体定量装置120の動作について説明する。
まず、ピペット11を待機位置Aから下降させ、その先端部11aを洗浄槽103に挿入し、ピペット洗浄位置C(図4)で停止させる。次に、前記と同様に、ピペット11の内側及び外側を洗浄する。
洗浄が終了したピペット11を上昇させて、洗浄槽103から引き出し待機位置Aに待機させる。シリンジ14、チューブ13及びピペット11内は洗浄液で満たされた状態となる。このとき、シリンジ14を微量吸引しピペット11の先端に空気層aを形成する(図7)。
【0039】
次に、ブロック移動手段16によりピペット11はチューブ13とともに洗浄槽103から試薬載置部102の上方に水平移動する。次に、ピペット昇降手段12の駆動によりピペット11を試薬載置部102の試薬容器に向かって定量位置B1まで下降させる。下降の開始と同時に待機位置Aを始点として定量位置B1までの下降パルスZaをカウントする。このとき、下降パルスZaのカウントに応じて同時に0.78μl/秒の割合でシリンジ14を微量吸引をさせる。チューブ13の一端側はピペット11とともに下降する。液面センサ91が試薬の液面を検知して定量位置B1 に達すると、ここをシリンジ14駆動の終点として補正動作を終了する。この間、ピペット11内の液体の先頭位置は一定に維持される。
【0040】
次に、シリンジ14を吸引駆動させ予め設定された量の試薬を分取する。試薬の分取が終了したピペット11は上昇を開始する。上昇の開始と同時に始点となる定量位置B1から上昇パルスZbをカウントする。このとき、カウントされた上昇パルスZbに応じて同時に0.78μl/秒の割合でシリンジ14を微量吐出させる。チューブ13の一端側はピペット11とともに上昇する。ピペット11が待機位置Aに達すると、ここをシリンジ14駆動の終点として補正動作を終了する。この間、ピペット内の検体の先頭位置は一定に維持される。補正動作が終了すると、待機位置Aにおいてシリンジ14を微量吸引し、ピペット11の先端に空気層bを形成する(図8)。
次に、ブロック移動手段16によりピペット11はチューブ13とともに試薬載置部102から検体載置部101の上方に水平移動する。
【0041】
次にピペット昇降手段12の駆動によりピペット11を検体載置部101の検体容器に向かって定量位置B2まで下降を開始させる。下降の開始と同時に待機位置Aを始点として定量位置B2までの下降パルスZaをカウントする。このとき、下降パルスZaに応じて同時に0.78μl/秒の割合でシリンジ14を微量吸引をさせる。チューブ13の一端側はピペット11とともに下降する。液面センサ71が検体の液面を検知して定量位置B2 に達すると、ここをシリンジ14駆動の終点として補正動作を終了する。この間、ピペット11内の検体の先頭位置は一定に維持される。
【0042】
次に、シリンジ14を吸引駆動させ予め設定された量の検体を分取する。検体の分取が終了したピペット11は上昇する。上昇の開始と同時に始点となる定量位置B2から上昇パルスZbをカウントする。このとき、カウントされた上昇パルスZbに応じて同時に0.78μl/秒の割合でシリンジ14を微量吐出させる。チューブ13の一端側はピペット11とともに上昇する。ピペット11が待機位置Aに達すると、ここをシリンジ14駆動の終点として補正動作を終了する。この間、ピペット11内の検体の先頭位置は一定に維持される。
【0043】
待機位置Aにおいてシリンジ14を微量吸引しピペット11の先端に空気層cを形成する(図9)。次に、ブロック移動手段16の駆動によりピペット11を反応容器載置部105の上方まで移動させ、さらにピペット昇降手段12の駆動によりピペット11を下降して先端部11aを反応容器載置部105の上方に位置させ分取した検体及び試薬を反応容器に分注する。分注が終了すると、ピペット11を洗浄槽103に移動させ、前記と同様にピペット11の洗浄を行う。
【0044】
上記した液体定量装置1では、ピペット11及びチューブ13が液体で満たされた状態においてピペット11が下降するときのみならず上昇するときにも、シリンジ14の水頭補正動作によりピペット11内の検体の先頭位置は一定に維持される。
【0045】
〔実施態様3〕
図11は、第2の発明の実施の一形態による液体定量装置が装着された自動免疫凝集測定装置2の一例を示す。反応系、測定系などの基本構成は従来から知られている装置と同じである。自動免疫凝集測定装置2は、液体定量装置120と、検体、試薬類を配置するテーブル100とから主に構成される。
液体定量装置120は、ピペット11と、ピペット昇降手段12と、可撓性チューブ13と、定量用シリンジ14と、シリンジ昇降手段19とからなる。ピペット11及びピペット昇降手段12は分注ブロック15に支持され、さらにこの分注ブロック15はピペット水平移動手段としてのブロック移動手段16によりXY軸からなる2軸方向に移動可能に構成されている。
なお、分注用ピペット11、ピペット昇降手段12、ピペット通液手段40、テーブル100及び洗浄液通液手段30は、前記した実施態様1と同一の構成からなるため、説明は省略する。
【0046】
シリンジ昇降手段19は図12に示すように、テーブル100の縁部に固定された基台91と、基台91に取り付けられ鉛直方向に延びるガイドレール92と、ガイドレール92に沿って上下するスライダ93と、スライダ93に取り付けられたシリンジ駆動部45(実施形態2の図10)と、スライダ93に固定されたベルト94と、ベルト94を垂直方向に張り渡す一対のプーリ95と、プーリ95の一方を回転駆動するモータ96とから構成されている。シリンジ駆動部45のシリンジ14には上述したピペット通液手段40(図2)が接続されている。このような構成により、モータ96の正転、逆転によってスライダ93を介してシリンジ駆動部45は昇降する。
【0047】
免疫凝集測定装置2は、図13に示すように、CPU,ROM,RAM,タイマー,カウンター等を有するマイクロコンピュータを含む制御部18を備える。制御部18は、ピペット昇降手段12がモータ26の駆動により予め設定された基準位置から垂直方向に移動する際、その始点から終点までの移動中の駆動パルスをピペット11の移動方向別に、すなわち下降時のパルス数をZaとしてカウントUPし、上昇時のパルス数をZbとしてカウントDOWNし、これらのカウントに応じて同時にシリンジ昇降手段19のモータ96を駆動してピペット11内の水頭補正動作を行わせる。
【0048】
水頭補正動作は、下降パルスZaをカウントするときは、ピペット11の下降量に応じて所定量だけシリンジ昇降手段19によりシリンジ駆動部45を下降させ、上昇パルスZbをカウントするときは、ピペット11の上昇量に応じて所定量だけシリンジ昇降手段19によりシリンジ駆動部45を上昇させる。なお、ピペット11の下降途中で上昇したときでも、上昇パルスZbがカウントDOWN入力に加わり、その分だけ計数値が減少し、表示は正確に下降量を表示することができる。基準点は任意に設定可能であるが、この実施態様ではピペット11の待機位置Aでカウンタの読みが0となるよう設定されている。
【0049】
この実施態様における免疫凝集測定装置2の動作について説明する。
まず、ピペット11を待機位置Aから下降させ、その先端部11aを洗浄槽103に挿入し、ピペット洗浄位置C(図4)で停止させる。次に、前記と同様に、ピペット11の内側及び外側を洗浄する。
洗浄が終了したピペット11を上昇させて、洗浄槽103から引き出し待機位置Aに待機させる。シリンジ14、チューブ13及びピペット11内は洗浄液で満たされた状態となる。このとき、シリンジ駆動部45のシリンジ14を微量吸引しピペット11の先端に空気層aを形成する(図6)。
【0050】
次に、ブロック移動手段16によりピペット11はチューブ13とともに洗浄槽103から試薬載置部102の上方に水平移動する。次に、ピペット昇降手段12の駆動によりピペット11を試薬載置部102の試薬容器に向かって定量位置B1まで下降させる。下降の開始と同時に基準点となる待機位置Aを始点として定量位置B1までの下降パルスZaをカウントする。このとき、下降パルスZaのカウントに応じて同時にシリンジ昇降手段19を駆動しシリンジ14を下降させる。チューブ13はピペット11とともに下降する。液面センサ91が試薬の液面を検知して定量位置B1 に達すると、同時にシリンジ14の下降を停止する。このような補正動作によりピペット11内の液体の先頭位置は一定に維持される。
【0051】
次に、シリンジ14を吸引駆動させ予め設定された量の試薬を分取する。試薬の分取が終了したピペット11は上昇を開始する。上昇の開始と同時に始点となる定量位置B1から上昇パルスZbをカウントする。このとき、カウントされた上昇パルスZbに応じて同時にシリンジ昇降手段19を駆動しシリンジ14を上昇させる。チューブ13はピペット11とともに上昇する。ピペット11が待機位置Aに達すると、同時にシリンジ14の上昇を停止する。このような補正動作によりピペット11内の検体の先頭位置は一定に維持される。補正動作が終了すると、待機位置Aにおいてシリンジ14を微量吸引し、ピペット11の先端に空気層bを形成する(図8)。
次に、ブロック移動手段16によりピペット11はチューブ13とともに試薬載置部102から検体載置部101の上方に水平移動する。
【0052】
ピペット昇降手段12の駆動によりピペット11を検体載置部101の検体容器に向かって定量位置B2まで下降を開始させる。下降の開始と同時に基準点となる待機位置Aを始点として定量位置B2までの下降パルスZaをカウントする。このとき、下降パルスZaに応じて同時にシリンジ昇降手段19を駆動しシリンジ14を下降させる。チューブ13はピペット11とともに下降する。液面センサ71が検体の液面を検知して定量位置B2 に達すると、シリンジ14の下降を停止する。この間、ピペット内の検体の先頭位置は一定に維持される。
【0053】
次に、シリンジ14を吸引駆動させ予め設定された量の検体を分取する。検体の分取が終了したピペット11は上昇する。上昇の開始と同時に始点となる定量位置Bから上昇パルスZbをカウントする。このとき、カウントされた上昇パルスZbに応じて同時にシリンジ昇降手段19を駆動しシリンジ14を上昇させる。チューブ13はピペット11とともに上昇する。ピペット11が待機位置Aに達すると、シリンジ14の上昇を停止する。この間、ピペット11内の検体の先頭位置は一定に維持される。
【0054】
待機位置Aにおいてシリンジ14を微量吸引しピペット11の先端に空気層cを形成する(図9)。次に、ブロック移動手段16の駆動によりピペット11を反応容器載置部105の上方まで移動させ、さらにピペット昇降手段12の駆動によりピペット11を下降して先端部11aから分取した検体及び試薬を反応容器に分注する。分注が終了すると、ピペット11を洗浄槽103に移動させ、前記と同様にピペット11の洗浄を行う。
【0055】
上記した液体定量装置2では、ピペット11及びチューブ13が液体で満たされた状態でピペット11が下降及び上昇するとき、シリンジ14の水頭補正動作によりピペット内の検体の先頭位置は一定に維持される。この場合、仮にシリンジ14をピペット昇降手段12に載置してピペット11とともに垂直方向に移動させる構成としてもよい。
【0056】
【発明の効果】
第1の発明の液体定量装置では、制御部は、ピペットの垂直移動に合わせてシリンジを微量駆動させピペット内の液体の先頭位置を一定に維持することができる。それによって液体の定量位置が大きく変化する場合でも定量の精度が保証される。
【0057】
すなわち、ピペットの下降によりチューブ内部を満たす液体がピペット内の液面を押し下げる方向に作用するとき、制御部が、ピペットの下降量に応じて所定量だけシリンジを微量吸引させることにより、ピペット内の液面を引き上げ、先頭位置を一定に維持することができる。また、ピペットの上昇によりチューブ内部を満たす液体がピペット内の液面を引き上げる方向に作用するとき、制御部が、ピペットの上昇量に応じて所定量だけシリンジを微量吐出させることにより、ピペット内の液面を押し下げ、先頭位置を一定に維持することができる。
【0058】
第2の発明の液体定量装置では、制御部は、ピペットの垂直移動に合わせてシリンジ昇降手段を移動方向に駆動させピペット内の液体の先頭位置を一定に維持することができる。それによって液体の定量位置が大きく変化する場合でも定量の精度が保証される。すなわち、ピペットとシリンジ全体を同方向に移動することにより、ピペットとシリンジとに接続されたチューブの傾き(姿勢)は変化しないので、ピペット内の液面の先頭位置は一定に維持される。
【0059】
ピペットを水平方向に移動させるピペット水平移動手段をさらに備え、制御部は、ピペットの水平移動のときにはシリンジ昇降手段を駆動せず、ピペットの垂直移動のときにはシリンジ昇降手段を駆動するよう構成すれば、ピペットの水平移動手段とシリンジ昇降手段との共動によりピペットを3次元的に移動できる。したがって、ピペットのみを3次元的に移動させる複雑な構成を簡略化できる。
【0060】
本願の発明により、液体定量における容器の形状及び配置位置、容器の液量の影響を排除することができ、定量の自由度が向上する。また、ピペット内の液面に微量の空気層を形成することができ、形成された空気層を確実に保持することができる。よって、定量精度の向上及び高速化を実現する液体定量装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の発明の実施の一形態による液体定量装置を備えた免疫凝集測定装置の概略斜視図。
【図2】図1の液体定量装置のピペット通液手段を説明する図。
【図3】図1のピペット昇降手段の正面図。
【図4】液体定量装置の洗浄槽通液手段を説明する図。
【図5】図1の液体定量装置の制御部のブロック図。
【図6】シリンジの水頭補正量とピペット移動量との関係を説明する図。
【図7】ピペット内の液体及び空気層を説明する断面図(洗浄液吸引後)。
【図8】ピペット内の液体及び空気層を説明する断面図(試薬吸引後)。
【図9】ピペット内の液体及び空気層を説明する断面図(検体吸引後)。
【図10】シリンジ駆動部の正面図。
【図11】第2の発明の実施の一形態による液体定量装置を備えた免疫凝集測定装置の概略斜視図。
【図12】図11のシリンジ昇降手段の正面図。
【図13】図11の液体定量装置の制御部のブロック図。
【図14】従来例における、ピペットの垂直方向の位置の変化に伴うピペット内の液体及び空気層の状態を説明する図(上方位置)。
【図15】従来例における、ピペットの垂直方向の位置の変化に伴うピペット内の液体及び空気層の状態を説明する図(下方位置)。
【符号の説明】
1 免疫凝集測定装置
2 免疫凝集測定装置
11 ピペット
12 ピペット昇降手段
13 チューブ
14 シリンジ
16 定量ブロック移動手段(水平移動手段)
17 制御部
19 シリンジ昇降手段
30 洗浄槽通液手段
40 ピペット通液手段
a、b、c 空気層
A 待機位置
B 定量位置
110 液体定量装置
120 液体定量装置
Claims (5)
- ピペットと、このピペットを垂直方向に移動させるピペット昇降手段と、可撓性チューブを介してピペットと接続され、液体をピペットから吸引、吐出可能な定量用シリンジと、ピペット昇降手段及びシリンジの動作を制御する制御部とを備え、
制御部は、シリンジ、チューブ及びピペット内が液体で満たされた状態でピペットを垂直移動させる際、ピペット内の液体の先頭位置を一定に維持するようピペットの垂直移動に合わせてシリンジを微量駆動させる液体定量装置。 - 制御部が、ピペットの下降量に応じて所定量だけシリンジを微量吸引させてなる請求項1に記載した液体定量装置。
- 制御部は、ピペットの上昇量に応じて所定量だけシリンジを微量吐出させてなる請求項1に記載した液体定量装置。
- ピペットと、このピペットを垂直方向に移動させるピペット昇降手段と、可撓性チューブを介してピペットと接続され、液体をピペットから吸引、吐出可能な定量用シリンジと、このシリンジを垂直方向に移動させるシリンジ昇降手段と、ピペット昇降手段及びシリンジ昇降手段の動作を制御する制御部とを備え、
制御部は、シリンジ、チューブ及びピペット内が液体で満たされた状態でピペットを垂直移動させる際、ピペット内の液体の先頭位置を一定に維持するようピペットの垂直移動に合わせてシリンジ昇降手段を同方向に駆動させる液体定量装置。 - ピペットを水平方向に移動させるピペット水平移動手段をさらに備え、制御部は、ピペットの水平移動のときにはシリンジ昇降手段を駆動せず、ピペットの垂直移動のときにはシリンジ昇降手段を駆動する請求項4に記載した液体定量装置。
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