JP3638400B2 - トルクコンバータのロックアップダンパー - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、トルクコンバータのロックアップ機構に含まれる、入力側回転体から出力側回転体に伝わる振動を減衰するためのロックアップダンパーに関する。
【0002】
【従来の技術】
一般にダンパー機構は、入力側回転体から出力側回転体にトルクを伝達しつつ、入力側回転体から出力側回転体に伝わる振動を減衰する。このダンパー機構の一例として、トルクコンバータ内部に配置されているロックアップ機構に含まれるダンパー(以下、ロックアップダンパーと称す)がある。
【0003】
トルクコンバータは、3種の羽根車(インペラ,タービン,ステータ)を内部に有し、内部の作動油によりトルクを伝達する装置である。インペラは入力側回転体に連結されたフロントカバーに固定されており、インペラからステータを介してタービンに流れる作動油によりインペラからタービンに伝達されるトルクがタービンに連結される出力側回転体に伝えられる。
【0004】
ロックアップ機構は、タービンとフロントカバーとの間に配置されており、フロントカバーとタービンとを機械的に連結して入力側回転体から出力側回転体にトルクを直接伝達するためのものである。
【0005】
通常、このロックアップ機構は、フロントカバーに圧接可能なピストン部材と、ピストン部材に固定されるリティニングプレートと、リティニングプレートに支持されるコイルスプリングと、コイルスプリングにより回転方向にピストン部材と弾性的に連結されるドリブン部材とを有している。ドリブン部材は、出力側回転体に連結しているタービンに固定されている。これらのロックアップ機構を構成する部材はまた、入力された振動を減衰するロックアップダンパーを構成する。
【0006】
ロックアップ機構が作動すると、ピストン部材がフロントカバーと摺動あるいは圧接し、トルクはフロントカバーからピストン部材に伝達され、コイルスプリングを介してタービンに伝わる。このとき、ロックアップ機構は、トルクを伝達するとともにロックアップダンパーによって捩り振動を減衰する。コイルスプリングがピストン部材に固定されるリティニングプレートとドリブン部材との間で圧縮を繰り返しながらリティニングプレートと摺動することによって、振動が減衰される。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
従来のロックアップダンパーでは、リティニングプレートとドリブン部材との間に複数のコイルスプリングが配置されている。そして、ある程度以上のトルクを伝達する時にはストッパー機構が働き、所定角度以上のリティニングプレートとドリブン部材との相対回転が禁止される。このストッパー機構として、ストップピンを設けたり、構造上ストップピンを使用できない場合は、コイルスプリングを密着するまで使用して、コイルスプリングをストッパー機構として兼用している。
【0008】
しかし、このようにコイルスプリングをストッパー機構として使用すると、伝達される最大のトルク負荷に対して十分な耐久強度を有するコイルスプリングを採用する必要があり、コイルスプリングの選択の幅が狭まる。これにより、ダンパー特性の設定に制約がでたり、コイルスプリングのコストが高くなる。特に最近では、ロックアップダンパーの耐久性の向上が要望されており、コイルスプリングにかかる負荷を低減する必要がある。
【0009】
本発明の課題は、トルクコンバータのロックアップダンパーにおいて、コイルスプリングにかかる負荷を低減するようなストッパー機構を設け、設計上のコイルスプリングの選択の幅を広げ、車両の必要に応じた捩り特性やストッパートルクの設定を容易にすることにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載のトルクコンバータのロックアップダンパーは、入力側回転体から出力側回転体にトルクを機械的に伝達するトルクコンバータのロックアップ機構に含まれる、入力側回転体から出力側回転体に伝わる振動を減衰するロックアップダンパーであって、入力側部材と、出力側部材と、第1コイルスプリングと、第2コイルスプリングと、中間部材とを備えている。入力側部材には入力側回転体からトルクが入力される。出力側部材は、入力側部材に対して相対回転自在であり、出力側回転体にトルクを出力する。第1コイルスプリングは入力側部材と出力側部材との間に配置されている。第2コイルスプリングは、第1コイルスプリングと円周方向に並べて、かつ入力側部材あるいは出力側部材と第1コイルスプリングとの間に配置されている。中間部材は、入力側部材及び出力側部材と相対回転自在であり、支持部と、係止部とを有している。中間部材の支持部は、第1コイルスプリングと第2コイルスプリングとの間に配置され、第1及び第2コイルスプリングを円周方向に支持している。中間部材の係止部は、第1及び第2コイルスプリングの少なくともいずれか一方が密着状態になる前に入力側部材と出力側部材とのうち少なくとも一方の部材に係止し得る。
【0011】
そして、入力側部材は中間部材に係止する入力側係止部を有し、出力側部材は中間部材に係止する出力側係止部を有している。中間部材は、入力側係止部に対しトルクコンバータの回転方向前方から係止する第1前方係止部と、入力側係止部に対しトルクコンバータの回転方向後方から係止する第1後方係止部と、出力側係止部に対しトルクコンバータの回転方向前方から係止する第2前方係止部と、出力側係止部に対しトルクコンバータの回転方向後方から係止する第2後方係止部とを有している。さらに、中間部材は、支持部を有する環状部と、環状部を切り欠いて設けられ両端に第1前方係止部及び第1後方係止部が形成される第1切欠き部と、環状部を切り欠いて設けられ両端に第2前方係止部及び第2後方係止部が形成される第2切欠き部とを含んでいる。
【0012】
入力側回転体から入力側部材に伝達されたトルクは、中間部材の支持部を介して円周方向に連結される第1コイルスプリング及び第2コイルスプリングに伝わる。そして、コイルスプリングから出力側部材に伝達され、出力側回転体にトルクが出力される。トルクとともにロックアップダンパーに入力される捩り振動は、各コイルスプリングの圧縮の繰り返しや他の部材との摩擦摺動等により吸収・減衰される。
【0013】
ここでは、中間部材を介して2つのコイルスプリングを円周方向に並べて直列に配置しており、ロックアップダンパーは、広い捩り角特性を有する。これにより、特にトルクコンバータの軸方向寸法の低減のためにコイルスプリングをトルクコンバータの外周部に配置するような場合、すなわち、コイルスプリングの圧縮可能量を大きくとる必要がある場合にも、所定の捩り角特性を確保できる。
【0014】
また、本請求項のロックアップダンパーの中間部材には係止部が設けられており、この係止部が、第1及び第2コイルスプリングの少なくともいずれか一方が密着状態になる前に入力側部材と出力側部材とのうち少なくとも一方の部材に係止し得る構造となっている。したがって、中間部材と入力側部材あるいは出力側部材との間に配置されるコイルスプリングが完全に圧縮されて密着状態となる前に、中間部材と入力側部材あるいは出力側部材とが係止部を介して一体となる、すなわち、係止部がストッパーとしての役割を果たす。これにより、少なくともどちらかのコイルスプリングは密着状態として使用せずに済むため、すなわち、このコイルスプリングをストッパーとして使用せずに済むため、このコイルスプリングの弾性係数等の選択の幅が広がり、車両の必要に応じた捩り特性やストッパートルクの設定をすることが容易になる。
【0015】
また、ここでは、出力側部材が入力側部材に対してトルクコンバータの回転方向と逆の向きに相対回転をするときには、第1前方係止部が入力側係止部に係止することにより、入力側部材と中間部材との間に配置されるコイルスプリングの所定寸法以上の圧縮を禁止できる。また、第2後方係止部が出力側係止部に係止することにより、出力側部材と中間 部材との間に配置されるコイルスプリングの所定寸法以上の圧縮を禁止できる。出力側部材が入力側部材に対してトルクコンバータの回転方向と同じ向きに相対回転をするときには、第1後方係止部が入力側係止部に係止することにより、入力側部材と中間部材との間に配置されるコイルスプリングの所定寸法以上の圧縮を禁止できる。また、第2前方係止部が出力側係止部に係止することにより、出力側部材と中間部材との間に配置されるコイルスプリングの所定寸法以上の圧縮を禁止できる。
【0016】
このように、入力側部材と出力側部材とがどちらの方向に相対回転をするときにも、コイルスプリングが密着状態となる前に、各係止部が入力側部材あるいは出力側部材に係止して入力側部材と出力側部材との相対回転のストッパーとなることが可能である。そして、コイルスプリングをストッパーとして使用せずに済めば、コイルスプリングの選択の幅が広がって多彩な捩り特性の設定が容易となり、係止部の構造や寸法の設定によってストッパートルクを設定できる。
【0017】
さらに、中間部材は環状部を含んでおり、中間部材自身が遠心力により外周側に位置がずれるのが防止される。また、各係止部は、環状部を切り欠くことにより切欠き部を設けることによって形成される。
【0018】
請求項2に記載のトルクコンバータのロックアップダンパーは、入力側回転体から出力側回転体にトルクを機械的に伝達するトルクコンバータのロックアップ機構に含まれる、入力側回転体から出力側回転体に伝わる振動を減衰するトルクコンバータのロックアップダンパーであって、入力側部材と、出力側部材と、第1コイルスプリングと、第2コイルスプリングと、中間部材とを備えている。入力側部材は入力側回転体からトルクが入力される。出力側部材は、入力側部材に対して相対回転自在であり、出力側回転体にトルクを出力する。第1コイルスプリングは入力側部材と出力側部材との間に配置される。第2コイルスプリングは、第1コイルスプリングと円周方向に並べて、かつ入力側部材あるいは出力側部材と第1コイルスプリングとの間に配置される。中間部材は、入力側部材及び出力側部材と相対回転自在であり、第1コイルスプリングと第2コイルスプリングとの間に配置され第1及び第2コイルスプリングを円周方向に支持する支持部と、第1及び第2コイルスプリングの少なくともいずれか一方が密着状態になる前に入力側部材と出力側部材とのうち少なくとも一方の部材に係止し得る係止部とを有する。
【0019】
そして、入力側部材は中間部材に係止する入力側係止部を有し、出力側部材は中間部材に係止する出力側係止部を有している。中間部材は、入力側係止部に対しトルクコンバータの回転方向前方から係止する第1前方係止部と、入力側係止部に対しトルクコンバータの回転方向後方から係止する第1後方係止部と、出力側係止部に対しトルクコンバータの回転方向前方から係止する第2前方係止部と、出力側係止部に対しトルクコンバータの回転方向後方から係止する第2後方係止部とを有している。さらに、中間部材は、トルクコンバータの軸方向に貫通し円周方向両端に第1前方係止部及び第1後方係止部が形成される第1開口部及びトルクコンバータの軸方向に貫通し円周方向両端に第2前方係止部及び第2後方係止部が形成される第2開口部を有する環状の環状部を含んでいる。そして、入力側係止部は第1開口部に挿入されており、出力側係止部は第2開口部に挿入されている。
【0020】
ここでは、前記同様に、トルクとともにロックアップダンパーに入力される捩り振動は、各コイルスプリングの圧縮の繰り返しや他の部材との摩擦摺動等により吸収・減衰される。また、コイルスプリングをストッパーとして使用せずに済むため、コイルスプリングの弾性係数等の選択の幅が広がり、車両の必要に応じた捩り特性やストッパートルクの設定をすることが容易になる。
【0021】
そしてさらに、中間部材は環状部を含んでおり、中間部材自身が遠心力により外周側に位置がずれるのが防止される。また、各係止部は、環状部に開口を設けることによって形成される。
【0022】
請求項3に記載のトルクコンバータのロックアップダンパーは、請求項1又は2に記載のトルクコンバータのロックアップダンパーにおいて、第1コイルスプリングの弾性係数と第2コイルスプリングの弾性係数とは等しい。そして、入力側回転体及び出力側回転体にトルクが作用していない状態において、入力側係止部と第1前方係止部との距離と、出力側係止部と第2後方係止部との距離とは異なっている。また、入力側係止部と第1後方係止部との距離と出力側係止部と第2前方係止部との距離とは異なっている。
【0023】
ここでは、弾性係数の等しい第1コイルスプリング及び第2コイルスプリングを使用しているが、2段階のロックアップダンパーの捩り特性を達成している。すなわち、出力側部材が入力側部材に対してトルクコンバータの回転方向と逆の向きに相対回転をするときには、入力側係止部と第1前方係止部との距離と出力側係止部と第2後方係止部との距離とが異なっているため、どちらかの係止部が係止するまでは両コイルスプリングが圧縮され、その後は他方の係止部が係止し入力側部材と出力側部材とが一体となるまで、片方のコイルスプリングのみが圧縮し続ける。出力側部材が入力側部材に対してトルクコンバータの回転方向と同じ向きに相対回転をするときには、入力側係止部と第1後方係止部との距離と出力側係止部と第2前方係止部との距離とは異なっているため、どちらかの係止部が係止するまでは両コイルスプリングが圧縮され、その後は他方の係止部が係止し入力側部材と出力側部材とが一体となるまで、片方のコイルスプリングのみが圧縮し続ける。これにより、従来は1種類の弾性係数を有するコイルスプリングのみを使用したロックアップダンパーでは1段の捩り特性しか得られなかったが、上記のような係止部が設けられた中間部材を採用することによって2段階の捩り特性が得られる。
【0024】
請求項4に記載のトルクコンバータのロックアップダンパーは、請求項1又は2に記載のトルクコンバータのロックアップダンパーにおいて、第1コイルスプリングの弾性係数は第2コイルスプリングの弾性係数よりも大きい。
【0025】
ここでは、弾性係数の異なる第1コイルスプリング及び第2コイルスプリングを採用しており、2段階のロックアップダンパーの捩り特性が得られる。さらに、各係止部と入力側係止部あるいは出力側係止部との距離を任意に設定することにより、入力側部材と出力側部材との相対回転の向きによって捩り特性を変えるなど、より多彩なロックアップダンパーの捩り特性を設定することができる。
【0026】
請求項5に記載のトルクコンバータのロックアップダンパーは、請求項1から4のいずれかに記載のトルクコンバータのロックアップダンパーにおいて、入力側回転体及び出力側回転体にトルクが作用していない状態のときに、第1前方係止部と入力側係止部との距離と第2後方係止部と出力側係止部との距離とのうち大きい方の距離が、第1コイルスプリングと第2コイルスプリングとのうち一方のコイルスプリングの許容される変形量よりも小さい。また、第1前方係止部と入力側係止部との距離と第2後方係止部と出力側係止部との距離とのうち小さい方の距離が、第1コイルスプリングと第2コイルスプリングとのうち他方のコイルスプリングの許容される変形量よりも小さい。第1後方係止部と入力側係止部との距離と第2前方係止部と出力側係止部との距離とのうち大きい方の距離が、第1コイルスプリングと第2コイルスプリングとのうち一方のコイルスプリングの許容される変形量よりも小さい。第1後方係止部と入力側係止部との距離と第2前方係止部と出力側係止部との距離とのうち小さい方の距離が、第1コイルスプリングと第2コイルスプリングとのうち他方のコイルスプリングの許容される変形量よりも小さい。
【0027】
ここでは、出力側部材が入力側部材に対してトルクコンバータの回転方向と逆の向きに相対回転をするときには、入力側回転体及び出力側回転体にトルクが作用していない状態における第1前方係止部と入力側係止部との距離と第2後方係止部と出力側係止部との距離とのうち大きい方の距離が第1コイルスプリングと第2コイルスプリングとのうち一方のコイルスプリングの許容される変形量よりも小さいため、第1前方係止部が入力側係止部にあるいは第2後方係止部が出力側係止部に係止するときには一方のコイルスプリングは許容変形量以上には圧縮しない。また、入力側回転体及び出力側回転体にトルクが作用していない状態における第1前方係止部と入力側係止部との距離と第2後方係止部と出力側係止部との距離とのうち小さい方の距離が、第1コイルスプリングと第2コイルスプリングとのうち他方のコイルスプリングの許容される変形量よりも小さいため、第1前方係止部が入力側係止部にあるいは第2後方係止部が出力側係止部に係止するときには他方のコイルスプリングは許容変形量以上には圧縮しない。一方、出力側部材が入力側部材に対してトルクコンバータの回転方向と同じ向きに相対回転をするときには、入力側回転体及び出力側回転体にトルクが作用していない状態における第1後方係止部と入力側係止部との距離と第2前方係止部と出力側係止部との距離とのうち大きい方の距離が第1コイルスプリングと第2コイルスプリングとのうち一方のコイルスプリングの許容される変形量よりも小さいため、第1後方係止部が入力側係止部にあるいは第2前方係止部が出力側係止部に係止するときには一方のコイルスプリングは許容変形量以上には圧縮しない。また、第1後方係止部と入力側係止部との距離と第2前方係止部と出力側係止部との距離とのうち小さい方の距離が第1コイルスプリングと第2コイルスプリングとのうち他方のコイルスプリングの許容される変形量よりも小さいため、第1後方係止部が入力側係止部にあるいは第2前方係止部が出力側係止部に係止するときには他方のコイルスプリングは許容変形量以上には圧縮しない。
【0028】
上記のことから、どの場合においても、コイルスプリングが密着状態となるような耐久強度的に厳しい負荷がコイルスプリングにかかることが回避され、コイルスプリングの選択の幅が広がる。
【0029】
請求項6に記載のトルクコンバータのロックアップダンパーは、請求項1又は2に記載のトルクコンバータのロックアップダンパーにおいて、第1コイルスプリングは第2コイルスプリングよりも大きい弾性係数を有している。そして、中間部材の係止部は、第2コイルスプリングの許容変形量以上の変形を抑止するように、入力側部材あるいは出力部材に係止する。
【0030】
ここでは、第2コイルスプリングは弾性係数が小さく耐久強度が第1コイルスプリングに較べ低いことが多いため、中間部材と入力側部材あるいは出力部材との間に配置される第2コイルスプリングを、中間部材の係止部が入力側部材あるいは出力部材に係止することによって、耐久強度的に許容される圧縮変形量以上には圧縮されないようにしている。これにより、第2コイルスプリングの弾性係数等の選択の幅が広がる。
【0031】
一方、第1コイルスプリングについては、第2コイルスプリングに較べ比較的強度が高く、密着状態でトルク伝達を行う、すなわち、入力側部材と出力側部材との相対回転のストッパーとして使用することも可能である。
【0032】
【発明の実施の形態】
[第1実施形態]
図1に示すトルクコンバータ1は、フロントカバー3と、インペラ4とタービン5及びステータ(図示せず)からなるトルクコンバータ本体部と、ロックアップ機構8とから構成されている。
【0033】
フロントカバー3とインペラ4のシェルが内部に作動油が充填された作動油室を形成している。インペラ4、タービン5及びステータ(図示せず)は従来と同様の構造であるので詳細な説明は省略する。タービン5のシェルは内周部がリベット24によりタービンハブ6に固定されている。タービンハブ6は、トランスミッション側から延びるシャフト(図示せず)にスプライン係合している。
【0034】
ロックアップ機構8は、フロントカバー3からのトルクを機械的にタービン5及びタービンハブ6に伝達するとともに入力された振動を減衰するための機構である。ロックアップ機構8は、主として、入力側のピストン部材9と、出力側部材であるドリブン部材10と、4個のコイルスプリング13と、入力側部材であるリティニングプレート14と、中間部材30とから構成されている。
【0035】
ピストン部材9は、トルクコンバータ本体内の油圧を制御することで、フロントカバー3側に接近あるいはフロントカバー3から離反する部材である。ピストン部材9は円板状の部材であり、外周筒部9aと内周筒部9bとを有している。外周筒部9aと内周筒部9bはトランスミッション側(図1の右側)に延びている。内周筒部9bはタービンハブ6の外周面に相対回転自在にかつ軸方向に移動可能に支持されている。クラッチ遮断状態では、内周筒部9bはタービンハブ6に当接し、軸方向にはフロントカバー3側にのみ移動可能となる。さらに、ピストン部材9の外周側の側面には、フロントカバー3の摩擦面に対向する位置に円板状の摩擦フェーシング20が固定されている。
【0036】
リティニングプレート14は、主にコイルスプリング13をピストン部材9側に保持するための部材である。リティニングプレート14は、ピストン部材9の外周筒部9aよりも内側に配置されている。リティニングプレート14は、断面弧状の外周曲がり部16を有している。外周曲がり部16の外周面は外周筒部9aの内周面に当接している。外周曲がり部16を円周方向に等間隔で2分割する位置(半径方向に対向する位置)には、それぞれ内周側及びトランスミッション側に屈曲して突出する円周方向支持部17a,17bが形成されている。また、円周方向支持部17a,17b部分からは固定部18が内周側に延びている。固定部18は、所定角度円周方向に延び、各々が3本のリベット21によりピストン部材9に固定されている。さらに、円周方向支持部17a,17bよりも内周側に固定部18からトランスミッション側に延びる入力側係止部19が設けられている。入力側係止部19の径方向の位置は、後述する中間部材30の第1切欠き部33の径方向の位置に対応している。
【0037】
ドリブン部材10は環状のプレート部材であり、溶接によりタービン5のシェル外周部分に固定されている。ドリブン部材10の外周端からは、エンジン側に2本の支持部11が突出している。支持部11は、リティニングプレート14の円周方向支持部17a,17bの間に配置されている。また、ドリブン部材10の内周端からは、エンジン側に2本の出力側係止部12が突出している。出力側係止部12の径方向の位置は、後述する中間部材30の第2切欠き部34の径方向の位置に対応している。
【0038】
コイルスプリング13は、ロックアップ機構8においてトルク伝達を行うともに、エンジンの回転変動により生じる微少捩じり振動やクラッチ連結時のショックによる振動などを吸収・減衰するための部材である。コイルスプリング13は、リティニングプレート14を介して、ピストン部材9とドリブン部材10とを回転方向に弾性的に連結している。一方の円周方向支持部17a,17b及び支持部11と他方との間の片側には、図2に示すように、第1及び第2コイルスプリング13A,13Bが配置されている。また、一方の円周方向支持部17a,17b及び支持部11と他方との間のもう一方の片側には、第3コイルスプリング13Cと第4コイルスプリング13Dが配置されている。
【0039】
第1コイルスプリング13Aと第2コイルスプリング13B及び第3コイルスプリング13Cと第4コイルスプリング13Dは、後述する中間部材30のスプリング支持部32を間に介して直列に配置されている。すなわち、全体では第1,3コイルスプリング13A,13Cと第2,4コイルスプリング13B,13Dを合わせた広い捩じり角特性が得られる。
【0040】
中間部材30は、コイルスプリング13同士を径方向に連結することでコイルスプリング13が外周側に移動するのを制限するとともに、入力側係止部19あるいは出力側係止部12に係止することにより入力側部材であるピストン部材9及びリティニングプレート14と出力側部材であるドリブン部材10との相対回転のストッパーとしての役割を果たす。この中間部材30は、主に、環状プレート31と、環状プレート31から外周側に突出する突出部31aに設けられたスプリング支持部32と、環状プレート31を切り欠くことにより形成される第1及び第2切欠き部33,34とから構成されている。
【0041】
環状プレート31は、コイルスプリング13の内周側でリティニングプレート14とタービン5との軸方向間に相対回転自在に配置されている。
【0042】
スプリング支持部32は、環状プレート31の半径方向に対向する2か所から外周側に突出する突出部31aに装着されている。スプリング支持部32の一方は第1コイルスプリング13Aと第2コイルスプリング13Bとの間に配置され、他方は第3コイルスプリング13Cと第4コイルスプリング13Dとの間に配置されている。そして、スプリング支持部32は、コイルスプリング13の端部にはまり、コイルスプリング13の端部を支持し、両コイルスプリング13A,13B、及び13C,13Dを直列に連結している。また、スプリング支持部32が環状プレート31に固定されていることにより、両コイルスプリング13A,13B及び両コイルスプリング13C,13Dの連結部分の径方向外側への移動が規制されている。
【0043】
第1切欠き部33は、中間部材30の円周方向2カ所で環状プレート31の外周部を切り欠いて設けられている。そして、第1切欠き部33の両端面が入力側係止部19に係止する第1前方係止部33a及び第1後方係止部33bとなっている。第1前方係止部33aは、第1切欠き部33のトルクコンバータ1の回転方向前方の端面である。第1後方係止部33bは、第1切欠き部33のトルクコンバータ1の回転方向後方の端面である。この第1切欠き部33にはリティニングプレート14の入力側係止部19が配置されている。
【0044】
第2切欠き部34は、中間部材30の円周方向2カ所で環状プレート31の内周部を切り欠いて設けられている。そして、第2切欠き部34の両端面が出力側係止部12に係止する第2前方係止部34a及び第2後方係止部34bとなっている。第2前方係止部34aは、第2切欠き部34のトルクコンバータ1の回転方向前方の端面である。第2後方係止部34bは、第2切欠き部34のトルクコンバータ1の回転方向後方の端面である。この第2切欠き部34にはドリブン部材10の出力側係止部12が配置されている。
【0045】
図3にロックアップ機構8に含まれるロックアップダンパーを構成する主要な部材の模式図を示す。図3は、リティニングプレート14が固定されているピストン部材9及びドリブン部材10にトルクが作用していない状態を示しており、入力側係止部19と第1前方係止部33aとの距離(s1)は、出力側係止部12と第2後方係止部34bとの距離(s2)よりも短い。また、入力側係止部19と第1後方係止部33bとの距離は、出力側係止部12と第2前方係止部34aとの距離よりも短い。
【0046】
次に動作について説明する。ロックアップ機構8の遮断状態からフロントカバー3とピストン部材9との間の作動油がドレンされると、ピストン部材9がフロントカバー3側に移動し、その結果摩擦フェーシング20がフロントカバー3の摩擦面に密着する。これにより、フロントカバー3のトルクはピストン部材9に伝達され、さらにリティニングプレート14、コイルスプリング13及びドリブン部材10を介してタービン5に伝達される。さらにトルクは、タービンハブ6からトランスミッション側から延びるシャフト(図示せず)に出力される。なお、入力されるトルクの方向、すなわち、トルクコンバータ1の回転方向は、図2におけるR2の向きである。
【0047】
ロックアップ連結中にフロントカバー3に微少捩じり振動が入力されると、ピストン部材9とドリブン部材10とが周期的に相対回転し、コイルスプリング13が円周方向に伸縮される。ここでは、コイルスプリング13の広い捩じり角特性によって微小捩じり振動を効果的に吸収する。また、圧縮されるとコイルスプリング13は径方向外側に迫り出そうとし、かつ遠心力により径方向外側に移動しようとする。しかし、連結されたコイルスプリング13(第1コイルスプリング13Aと第2コイルスプリング13B、及び第3コイルスプリング13Cと第4コイルスプリング13D)は、連結部分がスプリング支持部32に支持されるため、径方向外側に移動しにくい。その結果、コイルスプリング13と外周曲がり部16との間で摩擦摺動が発生しにくい。すなわち、コイルスプリング13と外周曲がり部16との間に発生する摩擦抵抗が小さくなり、コイルスプリング13によって微小捩り振動を効果的に吸収できる。
【0048】
ロックアップ連結時あるいは連結解除時には、ショック等により比較的大きな捩り振動が発生する。このときには、ピストン部材9とドリブン部材10とが両回転方向に大きく相対回転を繰り返して振動を減衰する。ピストン部材9とドリブン部材10とのトルク差によりピストン部材9及びリティニングプレート14がドリブン部材10に対して図2のR2の方向へ回動し始めると、円周方向支持部17a,17bは連結されたコイルスプリング13(13Aと13B及び13Cと13D)の回転方向後方の端部を押す(図3参照)。連結されたコイルスプリング13の回転方向前方の端部はドリブン部材10の支持部11に支持されており、コイルスプリング13は圧縮される。回動していくと、各コイルスプリング13が圧縮されるため、ドリブン部材10に対して、ピストン部材9及びリティニングプレート14が回動するとともに、その回動量と第2,4コイルスプリング13B,13Dの圧縮量の差だけ中間部材30も回動する。リティニングプレート14の入力側係止部19が中間部材30の第1前方係止部33aに係止すると、それ以降は、ピストン部材9及びリティニングプレート14と中間部材30とが一体となって、ドリブン部材10に対して回動する。そして、これ以降は第2,4コイルスプリング13B,13Dは圧縮されず、第1,3コイルスプリング13A,13Cのみが圧縮され続けるため、ダンパー特性が変化する(図4におけるR2側1段目からR2側2段目への変化)。さらに回動していくと、中間部材30の第2後方係止部34bがドリブン部材10の出力側係止部12に係止する。これにより、ピストン部材9及びリティニングプレート14とドリブン部材10とは中間部材30を介して回転方向(R2)に対して一体となるため、ピストン部材9及びリティニングプレート14とドリブン部材10との相対回転は禁止される(図4におけるR2側2段目からストッパーへ移行する)。すなわち、中間部材30が、図4に示すように、2段階のダンパー特性を発生させるとともに、ストッパーとしての役割も果たしている。なお、ここでは、ストッパーがかかるR2側のピストン部材9及びリティニングプレート14とドリブン部材10との相対回転の角度は、入力側係止部19と第1前方係止部33aとの距離(s1)と出力側係止部12と第2後方係止部34bとの距離(s2)との和とπとの積を中間部材30の円周長で割った値である。一方、ピストン部材9及びリティニングプレート14がドリブン部材10に対して図2のR1の方向へ回動する場合は、上記の場合と逆の現象が起こり、入力側係止部19が第1後方係止部33bに係止すると、それ以降は第1,3コイルスプリング13A,13Cは圧縮されないため、ダンパー特性が変化する(図4におけるR1側1段目からR1側2段目への変化)。さらに回動していくと、第2前方係止部34aが出力側係止部12に係止し、ピストン部材9及びリティニングプレート14とドリブン部材10との相対回転が禁止される(図4におけるR1側2段目からストッパーへ移行する)。
【0049】
上記のように、ロックアップ機構8のロックアップダンパーは、広い捩り各特性を有し、かつ2段階の捩り特性を有している。このため、捩り振動を効率的に吸収・減衰することができる。
【0050】
上記実施形態においては、トルクコンバータ1の外周部分にコイルスプリング13を配置し、その外周部分の狭いスペースにおいてロックアップダンパーを構成する場合にも、中間部材30にストッパー機構を持たせているため、構造が成立している。また、コイルスプリング13をストッパーとして使用しておらず、許容される圧縮量以上にコイルスプリング13が圧縮されないように各係止部の位置が決められている。これにより、コイルスプリング13の耐久性が確保されている。さらに、中間部材30の切欠きの範囲を変えることで、入力側係止部19のトルクコンバータ1の回転方向前方部分及び後方部分、出力側係止部12のトルクコンバータ1の回転方向前方部分及び後方部分、の各部分に係止するタイミングを任意に設定することができ、ロックアップダンパーのダンパー特性を多彩に選択することが可能となっている。ここでは、ピストン部材9のドリブン部材10に対する回転の方向がトルクコンバータ1の正回転の方向であるときのダンパー特性と、負回転のときのダンパー特性とは異なるように設計されている。すなわち、ダンパー特性が変化するポイント及びストッパーがかかる相対回転量が、両者で異なるように設計されている。
【0051】
[第2実施形態]
図5〜図7に、本発明の一実施形態としてのロックアップダンパーを含むトルクコンバータのロックアップ機構41を示す。図6及び図7の左側にエンジン(図示せず)が配置され、図6及び図7の右側にトランスミッション(図示せず)が配置されている。図5は、後述するドリブンプレート45を除いたロックアップ機構41をトランスミッション側から見た一部断面図である。また、図5に記載の回転方向において、回転方向(向き)R2がエンジン及びトルクコンバータの正回転方向であり、回転方向(向き)R1が負回転方向である。
【0052】
トルクコンバータは一般的な構造であるため、ここでは詳細な説明を省略する。
【0053】
図6において、トルクコンバータのフロントカバー90(入力側回転体)とタービン92(出力側回転体)が図示されている。フロントカバー90はエンジンのクランクシャフトに連結される部材であり、図示していないインペラとともにトルクコンバータの作動油室を形成する。フロントカバー90の外周側内壁面には、平坦な環状の摩擦面91が形成されている。タービン92は、図示しないインペラと軸方向に対向する羽根車であり、主に、タービンシェル93と、タービンシェル93に固定された複数のタービンブレード94とから構成されている。タービンシェル93の内周部は、タービンハブを介してトランスミッションのメインドライブシャフト(図示せず)に連結されている。
【0054】
ロックアップ機構41は、フロントカバー90からトルクを機械的にタービン92に伝達しつつ、入力された捩じり振動を吸収・減衰するための機構である。すなわち、ロックアップ機構41は、クラッチ機能とダンパー機能(ロックアップダンパー)とを有している。ロックアップ機構41は、図6に示すように、フロントカバー90とタービン92との間の空間に配置されている。このロックアップ機構41は、主にピストン42とドライブプレート43とからなる入力側部材と、主にドリブンプレート45からなる出力側部材と、入力側部材と出力側部材との間に配置される第1,第2コイルスプリング47,48及びインターミディエイトプレート(中間部材)44とから構成されている。
【0055】
入力側部材は、ピストン42と、ドライブプレート43とから構成されている。
【0056】
ピストン42は、トルクコンバータ本体内の油圧を制御することでフロントカバー90側に接近あるいはフロントカバー90から離反するクラッチ部材である。ピストン42は、円板状の部材であって、内周突出部51と外周突出部52とを有している。内周突出部51及び外周突出部52はトランスミッション側に突出する筒状部分である。内周突出部51はタービンハブ(図示せず)の外周面に相対回転自在にかつ軸方向に移動可能に支持されている。ピストン42のエンジン側の側面には、フロントカバー90の摩擦面91に対向する円板状の摩擦フェーシング42aが固定されている。
【0057】
ドライブプレート43は、ピストン42に固定され、第1,第2コイルスプリング47,48を回転方向に支持するための部材である。ドライブプレート43は、ピストン42のエンジン側外周部(外周突出部52の内周側)において回転方向に等間隔で4か所に配置されている。ドライブプレート43は、図5,図6,及び図9に示すように、固定部53と、固定部53の外周部からトランスミッション側に延びる内周凸部54と、内周凸部54から半径方向外方に延びるとともにエンジン側に凹んだ外周凹部55と、外周凹部55からさらに半径方向外方に延びる外周係合部56と、固定部53の円周方向中央部分を切り曲げて形成されたトランスミッション側に延びる入力側係止部57とから構成されている。内周凸部54と外周凹部55と外周係合部56とは、それぞれが第1,第2コイルスプリング47,48の端面に装着される後述する第1,第2スプリングシート70,71の内周側部分、半径方向中間部分、外周側部分に当接可能になっている。固定部53にはリベット50が貫通する孔が形成されている。ドライブプレート43は、リベット50によってピストン42に固定され、入力側の部材として機能する。内周凸部54と外周凹部55と外周係合部56とが第1,第2スプリングシート70,71を介して第1,第2コイルスプリング47,48の端面の半径方向の位置が異なる複数箇所を支持しているため、第1,第2コイルスプリング47,48の端部の支持が安定する。外周係合部56の外周面は、ピストン42の外周突出部52の内周面に当接している。これにより、ドライブプレート43の位置決めが容易になるとともに、ドライブプレート43の半径方向外方への変形が抑えられる。入力側係止部57は、図5及び図6に示すように、後述するインターミディエイトプレート44の第1開口部62に配置される。
【0058】
第1,第2コイルスプリング47,48は、インターミディエイトプレート44を介し連結されて1組となっており、回転方向に等間隔で4か所に設けられ、4組の第1,第2コイルスプリング47,48が並列に作用するようになっている。第1コイルスプリング47は、第2コイルスプリング48より剛性が高い。これにより、ロックアップダンパーに2段階の捩り特性が得られている。各組の第1コイルスプリング47はインターミディエイトプレート44の中間支持部61を間に挟み第2コイルスプリング48に対して正回転方向R2側に配置されている。第1コイルスプリング47の正回転方向R2側端には第1スプリングシート70が設けられている。第1スプリングシート70は円板状の支持部と、支持部からコイルスプリング内に延びる係合部とから構成されている。第1スプリングシート70の支持部の背面は、ドライブプレート43の内周凸部54,外周凹部55,及び外周係合部56あるいは後述するドリブンプレート45のスプリング支持部45bに支持される(図6参照)。第2コイルスプリング48の負回転方向R1側端には第2スプリングシート71が設けられている。第2スプリングシート71は第1スプリングシート70と同様の構造を有しており、同じくドライブプレート43あるいはドリブンプレート45に支持される。
【0059】
インターミディエイトプレート44は、第1コイルスプリング47と第2コイルスプリング48との間で動作する中間部材であり、リング(環状部)60と、中間支持部(支持部)61と、リング60の径方向のほぼ中央部分に設けられる第1開口部62及び第2開口部63とから構成されている。
【0060】
中間支持部61は、第1コイルスプリング47の負回転方向R1側端と第2コイルスプリング48の正回転方向R2側端との間に配置され、第1,第2コイルスプリング47,48の間でトルク伝達を可能にする。中間支持部61の回転方向両側には回転方向に突出する第1,第2突出部61a,61bが形成されている。第1,第2突出部61a,61bは、それぞれ第1コイルスプリング47の内部,第2コイルスプリング48の内部に挿入されている。4つの中間支持部61は、リング60により互いに連結されている。これにより、各中間支持部61の半径方向外側への移動が制限される。この結果、第1コイルスプリング47の負回転方向R1側端と第2コイルスプリング48の正回転方向R2側端の径方向外側への移動が制限される。
【0061】
第1開口部62及び第2開口部63は、図5に示すように、リング60のほぼ中央部分に円周方向に等間隔に、それぞれ4か所に形成されている。
【0062】
第1開口部62は、ドライブプレート43に対向する位置に設けられ、ドライブプレート43の入力側係止部57が貫通する(図6参照)。そして、図5及び図10に示すように、第1開口部62の円周方向両端面が入力側係止部57に係止する第1前方係止部62a及び第1後方係止部62bとなっている。第1前方係止部62aは、第1開口部62のトルクコンバータ1の回転方向R2前方の端面である。第1後方係止部62bは、第1開口部62のトルクコンバータ1の回転方向R2後方の端面である。
【0063】
第2開口部63は、中間支持部61の内周側に位置し、後述するドリブンプレート45の出力側係止部45cが貫通する(図7参照)。第2開口部63の円周方向両端面が出力側係止部45cに係止する第2前方係止部63a及び第2後方係止部63bとなっている。第2前方係止部63aは、第2開口部63のトルクコンバータ1の回転方向R2前方の端面である。第2後方係止部63bは、第2開口部63のトルクコンバータ1の回転方向R2後方の端面である。
【0064】
出力側部材は、ドリブンプレート45とサポートリング46とから構成されている。
【0065】
ドリプンプレート45は、タービン92のタービンシェル93に固定される部材であって、図8に示すように、環状部45aと、環状部45aの外周側に形成される4つのスプリング支持部45bと、環状部45aの内周側に形成される4つの出力側係止部45cとを有している。環状部45aはタービンシェル93に溶接されている。スプリング支持部45bは、環状部45aからエンジン側に延び、1組の第1,第2コイルスプリング47,48と隣接する他の第1,第2コイルスプリング47,48の組との間に挿入される。このスプリング支持部45bは、ドライブプレート43の外周凹部55内に延び、回転方向両端が第1,第2スプリングシート70,71に当接している。出力側係止部45cは、環状部45aからエンジン側に延び、インターミディエイトプレート44の第2開口部63を貫通する(図7参照)。
【0066】
サポートリング46は、円環状の板金製プレート部材であり、主に、筒状部65と、筒状部65のトランスミッション側端から内周側に延びる円板状部66とから構成されている。円板状部66の内周縁には、回転方向に等間隔で4か所に切欠き係合部67が形成されている。この切欠き係合部67内にドリブンプレート45のスプリング支持部45bが挿入・係合している。これにより、サポートリング46はドリブンプレート45とともに一体回転する。なお、スプリング支持部45bと切欠き係合部67との係合は軸方向には着脱自在であり、組立性が考慮されている。切欠き係合部67が形成された部分においては、円板状部66の一部がトランスミッション側に折り曲げられたスプリング当接部68となっている。スプリング当接部68は、第1スプリングシート70と第2スプリングシート71とに当接している。筒状部65は、外周突出部52の内周側で、第1,第2コイルスプリング47,48の外周を覆うように配置されている。筒状部65はピストン42の外周突出部52に接近しているが、両者の間には隙間が確保されている。筒状部65は第1,第2コイルスプリング47,48の外周側を覆うことにより、これらの半径方向外側への飛び出し等を防止している。
【0067】
次に動作について説明する。エンジン側のクランクシャフトのトルクは、図示しないフレキシブルプレートを介してフロントカバー90に入力される。このトルクは、図示しないインペラに伝達される。インペラが回転すると作動油がタービン92側に流れ、タービン92を回転させる。タービン92のトルクは、図示しないタービンハブを介してメインドライブシャフトに出力される。
【0068】
トルクコンバータの速度比が上がりメインドライブシャフトが所定の回転速度になると、ピストン42とフロントカバー90との間の作動油がメインドライブシャフトの内部を通ってドレンされる。この結果、油圧差によって、ピストン42がフロントカバー90の摩擦面91に圧接される。これにより、フロントカバー90のトルクはロックアップ機構41を介してタービン92に伝達される。つまり、フロントカバー90とタービン92とが機械的に連結され、フロントカバー90のトルクがインペラを介さず直接にメインドライブシャフトに出力される。ロックアップ連結状態では、ドライブプレート43がインターミディエイトプレート44により連結されている第1,第2コイルスプリング47,48を正回転方向R2に押し、第1コイルスプリング47がドリブンプレート45のスプリング支持部45b及びサポートリング46のスプリング当接部28を押す。これにより、ピストン42からドリブンプレート45にトルクが伝達される。
【0069】
ロックアップ連結状態において、ロックアップ機構41は、トルクを伝達するとともに、フロントカバー90から入力される捩じり振動を吸収・減衰する。具体的には、第1コイルスプリング47と第2コイルスプリング48とがドライブプレート43とドリブンプレート45との間で伸縮することにより、捩じり振動を吸収・減衰する。これをロックアップ機構41の模式図である図10を利用して説明する。
【0070】
ピストン42とドリブンプレート45とのトルク差によってピストン42に固定されたドリブンプレート43がドリブンプレート45に対して図10の方向R2へ回動し始めると、ドリブンプレート43は連結された第1,第2コイルスプリング47,48の回転方向R2後方の端部を押す。第1,第2コイルスプリング47,48の回転方向R2前方の端部はドリブンプレート45のスプリング支持部45bに支持されているため、第1,第2コイルスプリング47,48が圧縮される。回動していくと、第1,第2コイルスプリング47,48が圧縮されるため、ドリブンプレート45に対してドライブプレート43が回動するとともに、その回動量と第1コイルスプリング47と第2コイルスプリング48との圧縮量の差だけインターミディエイトプレート44も回動する。
【0071】
ドライブプレート43の入力側係止部57がインターミディエイトプレート44の第1開口部62の第1前方係止部62aに係止すると、それ以降は、ドライブプレート43とインターミディエイトプレート44とが一体となって、ドリブンプレート45(スプリング係止部45b,出力側係止部45c等)に対して回動する。そして、これ以降は第2コイルスプリング48は圧縮されず、第1コイルスプリング47のみが圧縮され続けるため、ダンパー特性が変化する(図4におけるR2側1段目からR2側2段目への変化)。
【0072】
さらに回動していくと、インターミディエイトプレート44の第2開口部63の第2後方係止部63bがドリブンプレート45の出力側係止部45cに係止する。これにより、ドライブプレート43とドリブンプレート45とはインターミディエイトプレート44を介して回転方向(R2)に対して一体となるため、ドライブプレート43とドリブンプレート45との相対回転は禁止される(図4におけるR2側2段目からストッパーへ移行する)。すなわち、インターミディエイトプレート44が、図4に示すように、2段階のダンパー特性を発生させるとともに、ストッパーとしての役割も果たしている。
【0073】
なお、ここでは、ストッパーが作用するR2側のドライブプレート43とドリブンプレート45との相対回転の角度は、入力側係止部57と第1前方係止部62aとの距離(s1)と出力側係止部45cと第2後方係止部63bとの距離(s2)との和とπとの積をインターミディエイトプレート44の円周長で割った値である。
【0074】
一方、ドライブプレート43がドリブンプレート45に対して図5のR1の方向へ回動する場合は、上記の場合と逆の現象が起こり、入力側係止部57が第1後方係止部62bに係止すると、それ以降はダンパー特性が変化する(図4におけるR1側1段目からR1側2段目への変化)。さらに回動していくと、第2前方係止部63aが出力側係止部45cに係止し、ドライブプレート43とドリブンプレート45との相対回転が禁止される(図4におけるR1側2段目からストッパーへ移行する)。
【0075】
上記のように、ロックアップ機構41のロックアップダンパーは、広い捩り各特性を有し、かつ2段階の捩り特性を有している。このため、捩り振動を効率的に吸収・減衰することができる。
【0076】
[他の実施形態]
上記第1実施形態においては各コイルスプリング13に弾性係数の等しいものを採用しているが、例えば、第1コイルスプリング13A及び第3コイルスプリング13Cの位置に弾性係数の大きいものを使用して第2コイルスプリング13B及び第4コイルスプリング13Dの位置に弾性係数の小さいものを使用することもできる。この場合には、まずピストン部材9と中間部材30との間で弾性係数の小さなスプリングが圧縮され、両部材9,30が一体となった後、両部材9,30とドリブン部材10との間で弾性係数の大きいスプリングが圧縮される。このように、弾性係数の異なるスプリングを組み合わせて使用することにより、車両にあったダンパー特性を設定しやすくなる。なお、この場合には、第1及び第2切欠き部33,34の配置や切欠き範囲を対応させる必要がある。
【0077】
また、弾性係数の大きなスプリングを採用する場合、このスプリングが完全に圧縮されて密着された状態において大きなトルクを伝達することができ、かつ耐久性が十分にある場合には、このスプリングに関してはストッパーとして使用することもできる。すなわち、このような場合、耐久性に劣る弾性係数の小さなスプリングのみを、大きなトルクが負荷されないように、中間部材30の入力側係止部19あるいは出力側係止部12への係止によって保護すればよい。
【0078】
【発明の効果】
本発明では、トルクコンバータのロックアップダンパーにおいて、係止部を有する中間部材を設け入力側部材あるいは出力側部材に係止し得るようにしたので、コイルスプリングにかかる過大な負荷を低減することができ、設計上のコイルスプリングの選択の幅が広がり、車両の必要に応じた捩り特性やストッパートルクの設定が容易となる。
【0079】
また、中間部材の各係止部の配置によって中間部材を介して直列に配置された2つのコイルスプリングの圧縮のタイミングを組み合わせることができるため、ロックアップダンパーの捩り特性設定において、2段階特性を持たせることや、回転方向による特性の差異をつけることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態としてのトルクコンバータの鋭角縦断面概略図。
【図2】図1のII−II断面図。
【図3】ロックアップダンパーの模式図。
【図4】ロックアップダンパーの捩り角特性図。
【図5】第2実施形態のロックアップ機構の縦断面概略図。
【図6】図5のVI−VI断面図。
【図7】図5のVII−VII断面図。
【図8】第2実施形態のドリブンプレートの平面図。
【図9】第2実施形態のドライブプレートの平面図。
【図10】第2実施形態のロックアップダンパーの模式図。
【符号の説明】
1 トルクコンバータ
3 フロントカバー(入力側回転体)
5 タービン(出力側回転体)
8 ロックアップ機構
9 ピストン部材(入力側部材)
10 ドリブン部材(出力側部材)
12 出力側係止部
13 コイルスプリング
14 リティニングプレート(入力側部材)
19 入力側係止部
30 中間部材
31 環状プレート(環状部)
32 スプリング支持部(支持部)
33 第1切欠き部
33a 第1前方係止部
33b 第1後方係止部
34 第2切欠き部
34a 第2前方係止部
34b 第2後方係止部
Claims (6)
- 入力側回転体から出力側回転体にトルクを機械的に伝達するトルクコンバータのロックアップ機構に含まれる、前記入力側回転体から前記出力側回転体に伝わる振動を減衰するトルクコンバータのロックアップダンパーであって、
前記入力側回転体からトルクが入力される入力側部材と、
前記入力側部材に対して相対回転自在であり、前記出力側回転体にトルクを出力する出力側部材と、
前記入力側部材と前記出力側部材との間に配置される第1コイルスプリングと、
前記第1コイルスプリングと円周方向に並べて、かつ前記入力側部材あるいは前記出力側部材と前記第1コイルスプリングとの間に配置される第2コイルスプリングと、
前記入力側部材及び前記出力側部材と相対回転自在であり、前記第1コイルスプリングと前記第2コイルスプリングとの間に配置され前記第1及び第2コイルスプリングを円周方向に支持する支持部と、前記第1及び第2コイルスプリングの少なくともいずれか一方が密着状態になる前に前記入力側部材と前記出力側部材とのうち少なくとも一方の部材に係止し得る係止部とを有する中間部材と、
を備え、
前記入力側部材は前記中間部材に係止する入力側係止部を有し、
前記出力側部材は前記中間部材に係止する出力側係止部を有し、
前記中間部材は、前記入力側係止部に対し前記トルクコンバータの回転方向前方から係止する第1前方係止部と、前記入力側係止部に対し前記トルクコンバータの回転方向後方から係止する第1後方係止部と、前記出力側係止部に対し前記トルクコンバータの回転方向前方から係止する第2前方係止部と、前記出力側係止部に対し前記トルクコンバータの回転方向後方から係止する第2後方係止部とを有し、
前記中間部材は、前記支持部を有する環状部と、前記環状部を切り欠いて設けられ両端に前記第1前方係止部及び前記第1後方係止部が形成される第1切欠き部と、前記環状部を切り欠いて設けられ両端に前記第2前方係止部及び前記第2後方係止部が形成される第2切欠き部とを含んでいる、
トルクコンバータのロックアップダンパー。 - 入力側回転体から出力側回転体にトルクを機械的に伝達するトルクコンバータのロックアップ機構に含まれる、前記入力側回転体から前記出力側回転体に伝わる振動を減衰するトルクコンバータのロックアップダンパーであって、
前記入力側回転体からトルクが入力される入力側部材と、
前記入力側部材に対して相対回転自在であり、前記出力側回転体にトルクを出力する出力側部材と、
前記入力側部材と前記出力側部材との間に配置される第1コイルスプリングと、
前記第1コイルスプリングと円周方向に並べて、かつ前記入力側部材あるいは前記出力側部材と前記第1コイルスプリングとの間に配置される第2コイルスプリングと、
前記入力側部材及び前記出力側部材と相対回転自在であり、前記第1コイルスプリングと前記第2コイルスプリングとの間に配置され前記第1及び第2コイルスプリングを円周方向に支持する支持部と、前記第1及び第2コイルスプリングの少なくともいずれか一方が密着状態になる前に前記入力側部材と前記出力側部材とのうち少なくとも一方の部材に係止し得る係止部とを有する中間部材と、
を備え、
前記入力側部材は前記中間部材に係止する入力側係止部を有し、
前記出力側部材は前記中間部材に係止する出力側係止部を有し、
前記中間部材は、前記入力側係止部に対し前記トルクコンバータの回転方向前方から係 止する第1前方係止部と、前記入力側係止部に対し前記トルクコンバータの回転方向後方から係止する第1後方係止部と、前記出力側係止部に対し前記トルクコンバータの回転方向前方から係止する第2前方係止部と、前記出力側係止部に対し前記トルクコンバータの回転方向後方から係止する第2後方係止部とを有し、
前記中間部材は、トルクコンバータの軸方向に貫通し円周方向両端に前記第1前方係止部及び前記第1後方係止部が形成される第1開口部及びトルクコンバータの軸方向に貫通し円周方向両端に前記第2前方係止部及び前記第2後方係止部が形成される第2開口部を有する環状の環状部を含み、
前記入力側係止部は前記第1開口部に挿入されており、
前記出力側係止部は前記第2開口部に挿入されている、
トルクコンバータのロックアップダンパー。 - 前記第1コイルスプリングは前記第2コイルスプリングの弾性係数と等しい弾性係数を有し、
前記入力側回転体及び前記出力側回転体にトルクが作用していない状態において、前記入力側係止部と前記第1前方係止部との距離と前記出力側係止部と前記第2後方係止部との距離とは異なっており、前記入力側係止部と前記第1後方係止部との距離と前記出力側係止部と前記第2前方係止部との距離とは異なっている、
請求項1又は2に記載のトルクコンバータのロックアップダンパー。 - 前記第1コイルスプリングは前記第2コイルスプリングよりも大きい弾性係数を有する、請求項1又は2に記載のトルクコンバータのロックアップダンパー。
- 前記入力側回転体及び前記出力側回転体にトルクが作用していない状態において、
前記第1前方係止部と前記入力側係止部との距離と前記第2後方係止部と前記出力側係止部との距離とのうち大きい方の距離が、前記第1コイルスプリングと前記第2コイルスプリングとのうち一方のコイルスプリングの許容される変形量よりも小さく、
前記第1前方係止部と前記入力側係止部との距離と前記第2後方係止部と前記出力側係止部との距離とのうち小さい方の距離が、前記第1コイルスプリングと前記第2コイルスプリングとのうち他方のコイルスプリングの許容される変形量よりも小さく、
前記第1後方係止部と前記入力側係止部との距離と前記第2前方係止部と前記出力側係止部との距離とのうち大きい方の距離が、前記第1コイルスプリングと前記第2コイルスプリングとのうち一方のコイルスプリングの許容される変形量よりも小さく、
前記第1後方係止部と前記入力側係止部との距離と前記第2前方係止部と前記出力側係止部との距離とのうち小さい方の距離が、前記第1コイルスプリングと前記第2コイルスプリングとのうち他方のコイルスプリングの許容される変形量よりも小さい、
請求項1から4のいずれかに記載のトルクコンバータのロックアップダンパー。 - 前記第1コイルスプリングは前記第2コイルスプリングよりも大きい弾性係数を有し、
前記中間部材の係止部は、前記第2コイルスプリングの許容変形量以上の変形を抑止するように、前記入力側部材あるいは前記出力部材に係止する、
請求項1又は2に記載のトルクコンバータのロックアップダンパー。
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