JP3637860B2 - 多機能周辺装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、親機と子機とを備えた多機能周辺装置に関し、特に、親機に記憶されている親機及び子機のメールアドレスと相手側装置のメールアドレスとを、子機において選択することができる多機能周辺装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
電子メールは様々な場所で幅広く活用される重要な情報伝達手段の1つである。この電子メールの送受信はインターネットサービスの一つであるE−mailサービスにより行われている。このE−mailサービスは、インターネットを利用して、インターネットに接続される1の装置と他の装置との間で、文字情報であるメールデータの送信と受信とを行うものである。近年においてはこのE−mailサービスを利用できるファクシミリ装置が広く普及しており、わざわざパーソナルコンピュータを導入しなくとも、ファクシミリ装置を利用して手軽に電子メールを送受信することができる。
【0003】
また、ファクシミリ装置の多機能化が進み、コードレス電話装置(子機)を接続することが可能なものがある。子機は親機のファクシミリ装置と無線通信などにより接続されており、親機を介して同じ電話回線に接続される通信装置である。この子機を備えたファクシミリ装置においてE−mailサービスに加入している場合、親機と共に子機にもそれぞれ個別にメールアドレスを割り当てることができるようになってきている。
【0004】
更に、ファクシミリ装置においては、相手側装置の電話番号やメールアドレスを電子情報として記憶するメモリ(電話帳機能)が設けられており、相手側装置に電話(ファクシミリ送信)をする場合、或いは電子メールを送信する場合において、その使い勝手の向上が図られている。この電話帳機能は所望の電話番号やメールアドレスを登録しておくことのできるメモリであり、一般には、ファクシミリ装置の液晶表示器等に、登録(記憶)されている相手側装置の電話番号やメールアドレスを呼出して選択することにより、相手側装置を発呼する電話動作を行うものである。このため、電話或いはメールデータの送信を行う場合に、いちいち電話帳や自己の所有するアドレス帳によって所望の電話番号やメールアドレスを調べて、その都度入力する必要がない。
【0005】
ここで、子機を備えたファクシミリ装置においては、親機と子機、または子機同士は離れた場所に設置されることが多いので、親機と子機にはそれぞれに電話帳機能が備えられ、その使い勝手を向上させている。よって、各装置の電話帳機能には、それぞれの装置において頻繁に利用されるメールアドレスや電話番号が個別に記憶されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した従来の子機を備えたファクシミリ装置によれば、それぞれの装置において電話帳機能を利用するには、親機及び各子機のそれぞれにメールアドレスを登録する必要があった。よって、登録したメールアドレス等を変更する場合に、親機及び子機のそれぞれのメモリの書換を行わなければならず、煩雑な作業が必要であるという問題点があった。また、多数の電話番号やメールアドレスがそれぞれに登録されている場合には、その把握が困難となり、場合によっては、書き換えるデータが記憶されていることを見落とすことがあるという問題点があった。
【0007】
更に、親機及び各子機に割り当てられたメールアドレスは、各装置固有のものとなるので、作成されたメールデータには、そのメールデータを作成した装置に割り当てられたメールアドレスが送信元のメールアドレスとして付加される。このため、例えば、通常1の子機に割り当てられているメールアドレスを自己のメールアドレスとして使用している送信者が、他の子機あるいは親機を使用してメールデータを送信した場合には、自己のメールアドレスでないメールアドレスが該メールデータに付加されるので、該メールデータの受信者がメールデータの送信者を認識できない(別の送信者と認識してしまう)場合が生じるという問題点がある。
【0008】
加えて、該ファクシミリ装置においてメールデータを受信する場合には、各装置において受信できるメールデータは、その装置に割り当てられたメールアドレスに対応するメールデータに限られてしまう。つまり、1の装置においては、他の装置に割り当てられたメールアドレスに対応するメールデータを受信することができず、使い勝手が悪いという問題点がある。
【0009】
本発明は上述した問題点を解決するためになされたものであり、親機に記憶されている親機及び子機のメールアドレスと相手側装置のメールアドレスとを、子機において選択することができる多機能周辺装置を提供することを目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】
この目的を達成するために請求項1記載の多機能周辺装置は、相手側装置およびメールサーバと回線を介して接続された親機と、その親機と接続されデータの送受信を行う少なくとも一つの子機とを備えるものであって、前記親機は、その親機及び子機に割り当てられた複数のメールアドレスを自己アドレスとして記憶する自己アドレス記憶手段と、その自己アドレス記憶手段に記憶される自己アドレスを前記子機に送信する送信手段とを備えており、前記子機は、その自己アドレス記憶手段が記憶する自己アドレスの送信を要求する送信要求手段と、その送信要求手段からの送信要求に対して前記送信手段により親機から送信された自己アドレスの中から操作者の指示に基づいて受信先となる少なくとも1つ以上のメールアドレスを選択する自己アドレス選択手段と、その自己アドレス選択手段により選択された自己アドレスに対応するメールデータの送信を前記メールサーバに対し前記親機を介して要求するデータ要求手段とを備えており、前記親機は、前記自己アドレスの送信を要求した子機を特定する特定手段と、その特定手段で特定した子機からの前記データ要求手段に応じて前記メールサーバから送信されるメールデータを受信するデータ受信手段と、そのデータ受信手段により受信されたメールデータを記憶する受信データ記憶手段と、その受信データ記憶手段に記憶される受信したメールデータを、前記特定手段で特定した子機へ配信する受信データ配信手段とを備えている。
【0011】
この請求項1記載の多機能周辺装置によれば、親機は、相手側装置およびメールサーバと回線を介して接続されている。この親機においては、親機および子機のメールアドレスが自己アドレス記憶手段に記憶されており、その親機および子機の自己アドレスは送信手段により子機に送信される。子機においては、送信要求手段によって自己アドレスの送信を親機に要求すると、親機から送信手段により自己アドレスが送信される。そして、自己アドレス選択手段により、親機から送信された自己アドレスの中から操作者の指示に基づいて受信先となる少なくとも1つ以上の自己アドレスが選択され、データ要求手段により、その選択された自己アドレスに対応するメールデータの送信が、メールサーバに対し、親機を介して要求される。そして、メールサーバから送信されたメールデータは、親機に備えられたデータ受信手段により受信され、その受信されたメールデータが受信データ記憶手段に記憶されると、受信データ配信手段により受信データ記憶手段に記憶されているメールデータが送信を要求した子機へ配信される。
請求項2記載の多機能周辺装置は、請求項1に記載の多機能周辺装置において、前記親機は、前記データ受信手段によってメールデータを受信した場合に前記メールサーバと閉結されている回線を開放する回線開放手段を備え、前記受信データ配信手段は、その回線開放手段により回線が開放された後に前記受信データ記憶手段に記憶されている受信したメールデータを、前記特定手段で特定した子機へ配信する。
この請求項2記載の多機能周辺装置によれば、請求項1に記載の多機能周辺装置と同様に作用する上、メールサーバから送信されたメールデータは、親機に備えられたデータ受信手段により受信され、その受信されたメールデータが受信データ記憶手段に記憶されると、回線開放手段によりメールサーバと閉結されていた回線が開放される。その後、受信データ配信手段により受信データ記憶手段に記憶されているメールデータが送信を要求した子機へ配信される。
請求項3記載の多機能周辺装置は、相手側装置およびメールサーバと回線を介して接続された親機と、その親機と接続されデータの送受信を行う少なくとも一つの子機とを備えたものであって、前記親機は、その親機及び子機に割り当てられた複数のメールアドレスを自己アドレスとして記憶する自己アドレス記憶手段と、その自己アドレス記憶手段に記憶される自己アドレスを前記子機に送信する送信手段と、前記メールサーバに出された送信要求に応じてそのメールサーバから送信されるメールデータを受信するデータ受信手段と、そのデータ受信手段により受信されたメールデータを記憶する受信データ記憶手段と、前記メールサーバから送信されるすべてのメールデータを前記データ受信手段によって受信した場合に前記メールサーバと閉結されている回線を開放する回線開放手段と、その回線開放手段により回線が開放された後に前記受信データ記憶手段に記憶される受信したメールデータを、そのメールデータの送信を要求した子機へ配信する受信データ配信手段とを備えており、前記子機は、その送信手段により親機から送信された自己アドレスの中から操作者の指示に基づいて受信先となる少なくとも1つ以上のメールアドレスを選択する自己アドレス選択手段と、その自己アドレス選択手段により選択された自己アドレスに対応するメールデータの送信を前記メールサーバに対し前記親機を介して要求するデータ要求手段とを備えている。
この請求項3記載の多機能周辺装置によれば、親機は、相手側装置およびメールサーバと回線を介して接続されている。この親機においては、親機および子機のメールアドレスが自己アドレス記憶手段に記憶されており、その親機および子機の自己アドレスは送信手段により子機に送信される。子機においては、自己アドレス選択手段により、親機から送信された自己アドレスの中から操作者の指示に基づいて受信先となる少なくとも1つ以上の自己アドレスが選択され、データ要求手段により、その選択された自己アドレスに対応するメールデータの送信が、メールサーバに対し、親機を介して要求される。そして、メールサーバから送信されたメールデータは、親機に備えられたデータ受信手段により受信され、その受信されたメールデータが受信データ記憶手段に記憶されると、回線開放手段によりメールサーバと閉結されていた回線が開放される。その後、受信データ配信手段に より受信データ記憶手段に記憶されているメールデータが送信を要求した子機へ配信される。
【0012】
請求項記載の多機能周辺装置は、請求項1から3のいずれかに記載の多機能周辺装置において、前記自己アドレス選択手段は、前記送信手段により親機から送信された前記自己アドレスの中から操作者の指示に基づいて少なくとも1つ以上の任意の自己アドレスをメールデータの受信先のメールアドレスとして選択可能に構成されている。
【0013】
【0014】
【0015】
請求項記載の多機能周辺装置は、請求項1から4のいずれかに記載の多機能周辺装置において、前記子機は、メールデータを作成するデータ作成手段と、そのデータ作成手段で作成したメールデータを前記親機を介して前記メールサーバーに送信するために、そのデータ作成手段で作成したメールデータを操作者の指示に基づいて前記親機に送信するメールデータ送信手段とを備え、前記自己アドレス選択手段は、そのデータ作成手段より作成されたメールデータの送信元となるメールアドレスを前記送信手段により親機から送信された自己アドレスの中から操作者の指示に基づいて選択する。
【0016】
この請求項記載の多機能周辺装置によれば、請求項1から4のいずれかに記載の多機能周辺装置と同様に作用する上、親機は回線を介して相手側装置と接続されている。この親機において、親機及び子機に割り当てられた複数のメールアドレスは自己アドレス記憶手段に記憶されており、この自己アドレス記憶手段に記憶されている親機及び子機に割り当てられた自己アドレスは、送信手段により親機から子機へ送信される。子機においては、データ作成手段により作成されたメールデータの自己アドレスが、自己アドレス選択手段により送信された親機及び子機に割り当てられた複数のメールアドレスの中から選択される。そして、その選択されたメールアドレスを送信元のメールアドレスとするメールデータを親機を介してメールサーバーに送信するために、そのメールデータを操作者の指示に基づいて親機に送信する。
【0017】
請求項記載の多機能周辺装置は、請求項5に記載の多機能周辺装置において、前記親機は、前記相手側装置の送信先メールアドレスを記憶する相手アドレス記憶手段を備えており、前記送信手段は、前記相手アドレス記憶手段に記憶される前記送信先メールアドレスを前記子機に送信するものであり、前記子機は、前記データ作成手段により作成されたメールデータの送信先メールアドレスを前記送信手段により親機から送信された送信先メールアドレスの中から操作者の指示に基づいて選択する送信先アドレス選択手段を備えている。
この請求項記載の多機能周辺装置によれば、請求項5に記載の多機能周辺装置と同様に作用する上、親機において、相手側装置のメールアドレスである送信先メールアドレスは相手アドレス記憶手段に記憶されており、この相手アドレス記憶手段に記憶されている送信先メールアドレスは、送信手段により親機から子機へ送信される。子機においては、データ作成手段により作成されたメールデータの送信先メールアドレスが、操作者の指示に基づいて相手アドレス選択手段により選択される。
【0018】
請求項記載の多機能周辺装置は、請求項6又は7に記載の多機能周辺装置において、前記自己アドレス選択手段は、前記送信手段により親機から送信された前記自己アドレスの中から操作者の指示に基づいて少なくとも1以上の任意の自己アドレスを送信元のメールアドレスとして選択可能に構成されている。
【0019】
この請求項記載の多機能周辺装置によれば、請求項6又は7に記載の多機能周辺装置と同様に作用する上、前記自己アドレス選択手段は、前記送信手段により親機から送信された前記自己アドレスの中から操作者の指示に基づいて少なくとも1以上の任意の自己アドレスを送信元のメールアドレスとして選択可能に構成されている。なお、1又は2以上のメールアドレス或いは親機から送信されたすべてのメールアドレスを、任意のメールアドレスとして選択しても良い。
【0020】
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好ましい実施例について、添付図面を参照して説明する。図1は、コードレス電話装置(子機)が無線通信により接続されている多機能周辺装置(親機)1の外観斜視図である。本実施例の多機能周辺装置(親機)1はファクシミリ装置であり、メールデータの送受信が行えるように電話番号とともにメールアドレスが付与され、文字入力ができるように構成されている。また、親機1に接続される子機A,子機B及び子機Cもまた、親機を介してメールデータの送受信が行えるよう構成されており、各子機A,B,Cにおいてもメールデータの作成ができるように構成されると共に、それぞれにメールアドレスを割り当てることができるが、本実施形態においては、親機1及び子機A,B,Cの4つのメールアドレス(自己アドレス)は全て親機1において管理されるようになっている。これについては後で詳述する。
【0022】
親機1の本体2の側部には、受話器3が取り付けられている。受話器3は、非通話時には本体2に設けられた図示しないフック上に置かれ、通話時にはフックから取り上げられて使用される。前者をオンフック状態、後者をオフフック状態と称している。
【0023】
本体2の上面前部には、数値や文字などを入力する入力ボタンやコマンドを入力するコマンド入力ボタンなどの複数のボタンを備えた操作パネル4が設けられている。この操作パネル4の左上端部にはコマンド入力ボタンの一つである設定ボタン4aが設けられている。設定ボタン4aは、各種の設定やコマンドを入力する入力画面を液晶表示器(以下単に「LCD」と略す)5に表示させるためのボタンであり、この設定ボタン4aが操作者により押下されると入力画面がLCD5に表示される。
【0024】
操作パネル4の中央部には、上記したLCD5が設けられている。このLCD5は、親機1により実行される処理や、親機1又は子機A,B,Cと電話回線26を介して接続されている相手側装置との通信状態を表示する表示器であり、タッチパネルで構成されている。親機1が、操作パネル4上に設けられた設定ボタン4a等の複数のボタンにより操作されると、その操作状態や操作手順などはこのLCD5へ表示される。
【0025】
ここで操作者により押下されたボタンが設定ボタン4aであれば、LCD5には、上記したように各種設定やコマンドを入力する入力画面が表示される。具体的には、この入力画面は、入力画面上からコマンドを入力するためのコマンド入力ボタンや、親機1における各処理を実行する上で必要となる設定を入力するための入力欄が表示される画面である。LCD5はタッチパネルで構成されているので、入力画面上に表示されたコマンド入力ボタンが操作者により押下されると、押下されたコマンド入力ボタンに対応するコマンドが親機1に入力される。また、入力画面上に表示される入力欄へは、操作パネル4上に設けられた入力ボタンが押下されることにより、入力ボタンに対応づけられた数値や文字などが入力される。
【0026】
操作パネル4及びLCD5の後部には原稿挿入口6が設けられている。ファクシミリ送信される原稿は、この原稿挿入口6に原稿面を下向きにして挿入され、読み取りが行われた後に、本体2の前面であって操作パネル4の下方に設けられた原稿排出口7から排出される。原稿挿入口6の後部には記録紙ホルダ装着部9が設けられており、この記録紙ホルダ装着部9には、複数枚の記録紙を積層収納可能な記録紙ホルダ10が着脱可能に取り付けられている。記録紙ホルダ10から供給され印刷に使用された記録紙は、原稿排出口7の下方に設けられた記録紙排出口8から排出される。
【0027】
また、本体2には、子機A,子機B及び子機Cと各種信号やデータの送受信を行うための接続手段としてアンテナ18(図2参照)が内臓されている。親機1は、このアンテナ18を介して、子機A,子機B及び子機Cと無線通信により接続されている。なお、親機1と子機A,子機B及び子機Cとの接続は、必ずしも無線通信に限られるものではなく、ケーブルなどを介して接続することも可能である。
【0028】
このアンテナ18を介して親機1と無線により接続されている子機A,B,Cは、親機1との間でデータの送受信を行うためのアンテナ33を備えた通信装置であり、操作パネル11とLCD12とを備えている。操作パネル11の中央部には、数値や文字などを入力する複数の入力ボタンが設けられている。この入力ボタンの上方にはコマンドを入力するコマンド入力ボタン11a〜11cが備えられており、かかるコマンド入力ボタン11a〜11cとして、左から順に、着信ボタン11aと決定ボタン11bとキャンセルボタン11cとが配設されている。
【0029】
着信ボタン11aは、相手側装置からの着呼に伴い電話回線26を閉結するためのボタンである。この着信ボタン11aが操作者により押下されると、着信ボタン11aの押下された子機と電話回線26とが閉結され、相手側装置との間で通話が行われる。ここで、電話回線26と閉結されている子機は、親機1を介して電話回線26と閉結されているので、該子機と相手側装置との間で行われる通話は、全て親機1を介して行われる。つまり、相手側装置から送信されたアナログ音声データは、親機1により受信された後に、アンテナ18を介し、無線によって子機のアンテナ33(図2参照)に送信されて受信される。子機から送信されるアナログ音声データは無線により親機1へと送信された後に相手側装置へと送信される。
【0030】
決定ボタン11bはコマンドを入力するボタンであり、LCD12に表示されているボタン(表示そのもの)が選択された後、この決定ボタン11bが押下されると、そのボタンに対応するコマンドが入力されるようになっている。この決定ボタン11bが押下されるとLCD12に表示される各画面において、入力されたコマンドに基づく処理が実行される。
【0031】
キャンセルボタン11cは、実行されている処理を中止して初期画面へと復帰するボタンである。ここで、初期画面とは、データの送信又は受信を待機する画面であり、多機能周辺装置は、この初期画面が表示されている状態で、相手側装置から送信される着呼信号などを待機している状態である。
【0032】
キャンセルボタン11cの上方右側には、後述するアドレス帳メモリ16aに記憶されているデータを親機1からダウンロードするためのダウンロードボタン11dが備えられている。本実施例の多機能周辺装置では、相手側装置の電話番号とメールアドレス(送信先メールドレス)、及び、親機と各子機とに割り当てられたメールアドレス(自己アドレス)とは、親機のアドレス帳メモリ16aにおいて一括して管理されている。このダウンロードボタン11dが操作者により押下されると、この親機1のアドレス帳メモリ16aにおいて登録されている電話番号やメールアドレスなどが子機へ送信されて、LCD12に表示される(図4,図6及び図7参照)。
【0033】
ダウンロードボタン11dの左方にはメールデータの受信を親機1に要求する受信要求ボタン11eが設けられている。この受信要求ボタン11eは、親機1のアドレス帳メモリ16aにおいて記憶される自己アドレス(親機と各子機とに割り当てられたメールアドレス)の中から選択される任意のメールアドレスにおいて、メールデータの受信を親機に要求するボタンである。この、受信要求ボタン11eが押下されると、親機1において受信要求元の子機を識別する識別情報と選択されたメールアドレスとが認識されると共に、親機1を介してメールサーバへ該メールアドレスに対応するメールデータの送信が要求される(図5及び図8参照)。
【0034】
この受信要求ボタン11eの左方には次頁ボタン11fが設けられている。次頁ボタン11fは、LCD画面12の1画面上に入りきらない情報を順次表示するためのボタンである。LCD12に表示される情報量が多い場合には、その情報は分割されてLCD12に表示される。分割された情報は、この次頁ボタン11fが押下されることにより、順次LCD12に表示される。
【0035】
また、かかる子機A,B,Cの筐体の下方には、音声信号(操作者の発話)を電気信号に変換するマイクが設けられ、また子機A,B,Cの筐体の上方には電気信号を音声信号に変換するスピーカが設けられており、親機1または電話回線26を介して相手側装置と通話ができるように構成されている。
【0036】
図2は、親機(ファクシミリ装置)1と子機A,子機B及び子機Cとの電気的構成を示したブロック図である。親機1には、CPU13、ROM14、RAM15、EEPROM16、音声LSI17、アンテナ18、ネットワーク・コントロール・ユニット(以下単に「NCU」と称す)19、受話器3、モデム20、バッファ21、スキャナ22、符号化部23、復号化部24、プリンタ25、操作パネル4、LCD5およびアンプ27が設けられ、これらはバスライン29を介して互いに接続されている。
【0037】
NCU19は回線制御を行うためのものであり、親機1はこのNCU19を介して電話回線26に接続されている。NCU19は、交換機から送信される呼出信号や各種信号を受信するとともに、操作パネル4上又は操作パネル11上の入力ボタンの操作に応じた発信時のダイヤル信号を交換機へ送信したり、電話回線26の閉結時において、アナログ音声信号やメールデータの送受信を行うものである。相手側装置へと送信されるメールデータは、このNCU19を経由してSimple Mail Transfer Protocolサーバ(SMTPサーバ、以下単に「メールサーバ」と略す)へと送信される。
【0038】
親機1から、子機A,B,Cへと送信されるメールデータや各種信号は、このNCU19からアンテナ18を介して送信され、一方、子機から親機1へ送信されるメールデータや各種信号は、アンテナ18を介してNCU19により受信される。これら親機1と子機A,B,Cとの間で送受信されるデータの媒体としては、電波が用いられている。
【0039】
CPU13は、NCU19を介して送受信される各種信号に従って、バスライン29により接続された各部を制御し、ファクシミリ動作や電話動作あるいはメールデータの送受信などのデータ通信を実行するものである。ROM14は、この親機1で実行される制御プログラム等を格納した書換不能なメモリであり、図6、図7及び図8のフローチャートに示すプログラム(制御プログラムの一部)は、このROM14内に格納されている。
【0040】
制御プログラムは、親機1で実行されるファクシミリ動作や電話動作あるいはメールデータの送受信に関する動作を制御するためのプログラムである。本実施例の制御プログラムにおいては、アドレス選択処理とメールデータを送信するデータ送信処理(S7)とメールデータを受信するデータ受信処理とのプログラムが備えられている。アドレス選択処理は、子機A,B,Cからのメールデータの送信要求に応じて実行され、メールデータの送信要求元の子機において、アドレス帳メモリ16aに記憶されるデータが選択されることによりデータ送信処理(S7)または電話処理(S6)を実行する処理である。このアドレス選択処理は、具体的には、親機1からの制御信号に基づいて子機にA,B,Cに表示されるアドレス呼出画面50から入力されるコマンドに基づいて実行され、このアドレス呼出画面50において子機へ送信する(子機においてダウンロードされる)データが指定されることにより実行される。指定されるデータは、アドレス帳メモリ16aに記憶されるメールアドレスまたは電話番号である。メールアドレスが指定されるとデータ送信処理(S7)が実行され、電話番号が指定されると電話処理(S6)が実行される。
【0041】
このため、子機におけるメールデータの送信や電話動作の実行時に、親機1のアドレス帳メモリ16aに記憶されるメールアドレスや電話番号を使用することができるので、必要なメールアドレスや電話番号を親機1において一括して管理することができる。このため、メールアドレスの新規登録や変更等がある場合に、親機1に登録されているデータを編集するだけでよく、メールアドレスの新規登録や変更を効率的に行うことができる。
【0042】
データ送信処理(S7)は、アドレス選択処理において実行され、各子機において作成されたメールデータに付加する送信先メールアドレスと自己アドレス(送信元メールアドレス)とを、親機から送信されたデータの中から選択して付加した後、メールデータの送信を実行する処理である。このデータ送信処理(S7)は、子機A,B,Cに表示されたアドレス呼出画面の第2画面51から第4画面53(図4の(b)〜(c))における入力に基づいて実行される。詳細には、第2画面51(図4の(b))で選択(入力)された自己アドレスと、第3画面52(図4の(c))で選択(入力)された送信先メールアドレスとが、第4画面53(図4の(c))において作成されるメールデータに付加される。
【0043】
このように、作成するメールデータに付加する送信元となる自己アドレスと送信先メールアドレスとを任意に選択することができるので、各子機に割り当てられたメールアドレスに依らず、所望のメールアドレスを自己アドレスとして使用(メールデータに付加)して、メールデータを送信することができる。このため、いずれの子機からメールデータを送信する場合にも、常に送信者に対応するメールアドレス(送信者に割り当てられたメールアドレス)を、自己アドレスとしてメールデータに付加することができる。
【0044】
データ受信処理は、メールデータの受信を親機1に実行させる処理である。このデータ受信処理では、いずれかの子機からメールデータの受信が要求されると、親機1は、各子機に与えられている識別情報により要求元の子機を認識した後、アドレス帳メモリ16aに記憶され、子機から要求のあった自己アドレスに対応するメールデータの送信をメールサーバに要求する。その要求に基づいてメールサーバから送信されたメールデータを受信すると、メールサーバと親機1との間で閉結されている回線を開放し、かかる後に、受信要求元の子機へと対応するメールデータを送信する。
【0045】
このように、メールデータの受信の際には、親機1のアドレス帳メモリ16aに記憶され、子機からの要求のあった自己アドレスに対応するメールデータの送信がメールサーバに要求されるので、各子機毎にメールサーバへメールデータの受信要求を行う場合に比べて、効率的に受信を実行し、更に、回線の使用回数を少なくして通信コストを低減することができる。
【0046】
RAM15は、各種のデータを一時的に記憶するためのメモリであり、受信データメモリ15aと、印刷データメモリ15bと、メールデータメモリ15cと送信メールメモリ15dとを備えている。受信データメモリ15aは、相手側装置から送信されたファクシミリデータとメールデータとを記憶するためのメモリである。親機1において、ファクシミリデータが受信されると、そのファクシミリデータは、一旦、この受信データメモリ15aに記憶された後、プリンタ25が正常に稼働する状態にあれば印刷データメモリ15bへ書き込まれ、書き込まれたデータはプリンタ25へ出力されて記録される。
【0047】
出力されたファクシミリデータは、プリンタ25によって記録紙に印刷された後に、受信データメモリ15aから消去される。ファクシミリデータが画像データである場合、一般に、そのデータ量は大容量であるが、ファクシミリデータが印刷されることを条件にそのファクシミリデータを消去しているので、受信データメモリ15aを有効に使用することができる。
【0048】
一方、親機1においてメールサーバから送信されたメールデータが受信され、子機へ転送しないメールであれば、その受信されたメールデータもまた、この受信データメモリ15aに記憶される。記憶されたメールデータは、所定の操作(図5及び図8参照)により、受信データメモリ15aから読み出されてLCD5に表示され、そのメールデータの内容が操作者に伝達される。
【0049】
メールデータメモリ15cは、親機1において作成されるメールデータを一時的に記憶するメモリである。このメールデータメモリ15cに記憶されるメールデータは、操作者により入力されたメールデータであり、本文と、その本文のヘッダデータである件名「subject」と送信日時「date」と送信者の識別情報であるメールアドレス「from」とメールデータの送信先である相手側装置のメールアドレス「to」とで構成されるデータである。作成されたメールデータは、作成が終了すると(送信の指定)、送信メールメモリ15dに書き込まれる。
【0050】
送信メールメモリ15dは、相手側装置へ送信するメールデータを一時的に記憶するメモリであり、メールデータメモリ15cから書き込まれたメールデータは、送信が終了するまでこの送信メールメモリ15dに記憶される。また、子機A,B,Cにおいて作成されたメールデータも、その送信が指定されることによりこの送信メールメモリ15dに記憶される。送信メールメモリ15dに記憶されるメールデータは、電話回線26を介してメールサーバへと送信され、メールデータがメールサーバへ送信された後は、送信メールメモリ15dから消去される。なお、送信メールメモリ15dへ出力されたメールデータは、メールデータメモリ15cから消去される。
【0051】
EEPROM16は、書換可能な不揮発性のメモリであり、このEEPROM16へ記憶されたデータは電源オフ後も保持される。EEPROM16は、操作者によって設定或いは登録される各種のデータや設定値を不揮発に記憶しておくためのメモリであり、アドレス帳メモリ16aを備えている。
【0052】
アドレス帳メモリ16aは、親機1および各子機に割り当てられている自己アドレスとメールデータの送信先となる相手側装置のメールアドレス(送信先メールアドレス)と相手側装置の電話番号(ファクシミリ番号)とを記憶するメモリである。このアドレス帳メモリ16aに記憶されている各データは、アドレス帳設定画面40において入力されたデータである。このデータは、子機A,B,Cにおける所定の操作により、アンテナ18及びアンテナ33を介して各子機へ送信され、各子機へ送信されたそのデータは、子機受信データメモリ32aに記憶されると共にLCD12に表示される。
【0053】
ここで、このアドレス帳メモリ16aに記憶される各データは、データの種類(自己アドレスのデータ、送信先メールアドレスデータ、相手側装置の電話番号、名前等)毎に別のエリアに記憶されている。このため、子機A,B,Cにおいては、各データをその種類毎に指定することができ、親機1は各子機において指定された種類のデータをこのアドレス帳メモリ16aから読み出して、各子機へ送信する。
【0054】
つまり、子機A,B,Cにおいて、電話操作(相手側装置との通話)が実行される際には、子機A,B,Cの指定に基づいて、アドレス帳メモリ16aに記憶されている全ての相手側装置の電話番号が各子機へ送信される。また、メールデータが作成される際には、アドレス帳メモリ16aに記憶されている全ての自己アドレスと送信先メールアドレスとが各子機へ送信される。更に、メールデータの受信要求時には、アドレス帳メモリ16aに記憶されている全ての自己アドレスが各子機へ送信される。
【0055】
また、各自己アドレスのデータについては、その自己アドレスに対応する登録者(メールアドレスの取得者)の名前と共に記憶されているので、登録者名を確認することにより、対応する1の自己アドレスを選択することができるようになっている。更に、各送信先メールアドレス及び各電話番号は、相手側装置のメールアドレスの取得者の名前と共に記憶されているので、その名前を確認することにより、対応する1の送信先メールデータを選択することができるようになっている。また、アドレス帳メモリ16aの各エリアに記憶されるデータは、アドレス帳設定画面40において、その名前により指定されると、対応する名前を有する各データが各エリアから読み出され、その名前に対応して登録されている全てのデータが読み出されてLCD5に表示されるようになっている。
【0056】
音声LSI17は、NCU19によって受信されたアナログ音声信号をデジタル音声信号に変換するとともに、この親機1の内部で生成されたデジタル音声信号をアナログ音声信号に変換してNCU19に出力するものである。モデム20は、画像データやメールデータを変調および復調して伝送するとともに伝送制御用の各種手順信号を送受信するものである。バッファ21は、他のファクシミリ装置との間で送受信される符号化されたファクシミリデータやスキャナ22により読み取られた原稿の画像データを一時的に格納するものである。
【0057】
スキャナ22は原稿挿入口6に挿入された原稿の画像を読み取るためのものであり、符号化部23はスキャナ22により読み取られた原稿画像の符号化を行うものである。復号化部24は、バッファ21に記憶された受信したファクシミリデータを読み出して、これを複合化するものであり、複合化されたデータは、プリンタ25により記録用紙に印刷される。操作パネル4は、上記したように操作者がこの親機1の設定等の各種の操作を行うためのものである。アンプ27は、そのアンプ27に接続されたスピーカ28を鳴動して、呼出音などを出力するためのものである。
【0058】
次に、子機A,B,Cにおける電気的構成について子機Aを用いて説明する。子機Aは、CPU30、ROM31、RAM32、アンテナ33、インターフェイス34、操作パネル11、LCD12、マイク35及びスピーカ36が設けられ、これらは互いに接続されている。
【0059】
CPU30は、インターフェイス34を介して送受信される各種信号に従って各部を制御し、電話動作やメールデータの送受信などのデータ通信を実行するものである。ROM31は、この子機Aで実行される制御プログラム等を格納した書換不能なメモリである。
【0060】
RAM32は、各種のデータを一時的に記憶するためのメモリであり、子機受信データメモリ32aを備えている。子機受信データメモリ32aは、親機1から送信されたメールデータを記憶するためのメモリである。子機Aにおいて、親機1からメールデータが受信されると、受信されたメールデータもまた、この子機受信データメモリ32aに記憶される。記憶されたメールデータは、操作者の操作により、子機受信データメモリ32aから読み出されてLCD12に表示され、そのメールデータの内容が操作者に伝達される。
【0061】
インターフェイス34は、異なる装置間でのデータ通信における接点の規定であり、各装置を接続するための電気的規格である。インターフェイス34は親機1との間でデータの送受信を行うためのものであり、子機Aから、親機1へと送信される各種信号やメールデータは、このインターフェイス34からアンテナ33を介して送信され、一方、親機1から子機Aへ送信される各種信号やメールデータは、アンテナ33を介してインターフェイス34により受信される。
【0062】
次に、図3を参照して、メールアドレスと電話番号の登録方法について説明する。図3は、設定ボタン4aが操作者により押下されると表示される入力画面の一つであるアドレス帳設定画面40を模式的に表したものである。このアドレス帳設定画面40は、アドレス帳メモリ16aに登録するメールアドレスや電話番号などのデータを入力する画面であり、第1画面41と第2画面42との2画面で構成されている。また、各画面においては、その画面上から入力が受け付けられるように構成されており、このアドレス帳設定画面40において入力されたデータは、アドレス帳メモリ16aに不揮発に記憶(登録)される。
【0063】
第1画面41は、登録または編集するデータの属性を指定する画面であり、指定された属性に属するデータの登録または編集が親機1に要求される。この第1画面41の上方には、左から順に「アドレス帳」ボタン40a、「原稿サイズ」ボタン、「応答メッセージ」ボタン、「各種設定」ボタンが設けられている。これらのボタンは、親機1に画面の表示を要求するコマンド入力ボタンであり、これらのボタンが操作者により押下されると、各ボタンに対応したコマンドが親機1に入力され、それぞれのボタンに記されている画面へと画面表示が切り替わる。図3においては、「アドレス帳」ボタン40aが押下されることにより、アドレス帳設定画面40が表示されている状態が示されている。
【0064】
コマンド入力ボタンの下方には、アドレス帳メモリ16aに登録(記憶)されているデータのインデックスとしての名前が一覧表示された名前欄40bが、データの属性を指定する属性指定ボタン40g,40hと共に表示されている。属性指定ボタン40g,40hは、データの属性(種類)を指定するボタンであり、「相手側装置」ボタン40gと「親機・子機」ボタン40hとにより構成されている。「相手側装置」ボタン40gが押下されると、相手側装置に属するデータのインデックスが、そのデータ(メールアドレスまたは電話番号)を所有する相手先の名前(メールアドレス或いは電話番号によって識別される相手側装置に対応する名前)で一覧表示された名前欄40bが表示される。一方、「親機・子機」ボタン40hが押下されると、多機能周辺装置を構成している親機1及び子機A,B,Cに属するデータのインデックスが、親機名及び子機名で一覧表示された名前欄40bが表示される。
【0065】
この名前欄40bは、指定された属性において、アドレス帳メモリ16aに登録されている全ての相手側装置の操作者の名前(或いは多機能周辺装置を構成している装置の名前)が表示できるように、複数頁に渡って設けられている。各名前欄は、操作者に押下されることにより選択された状態となり、その選択された名前に対応する相手側装置(または親機若しくは子機A,B,C)のデータが第2画面42において表示される。
【0066】
この名前欄40bの下方には、左から順に「終了」ボタン40c、「次頁」ボタン40d、「新規」ボタン40e、「編集」ボタン40fが表示されている。これらのボタン40c〜40fは、親機1へコマンドを入力するコマンド入力ボタンであり、各ボタンが押下されると各ボタンに対応したコマンドが親機1に入力される。「終了」ボタン40cは、アドレス帳設定画面40を終了して初期画面(データの送信又は受信を待機する画面)へと復帰するボタンであり、この「終了」ボタン40cが押下されるとアドレス帳設定画面40での全ての操作は終了あるいは中止される。「次頁」ボタン40dは、複数頁に渡って設けられている名前欄40bについて、表示されている頁を次頁の表示へと切り替えるボタンである。「新規」ボタン40eと「編集」ボタン40fとは、アドレス帳設定画面40の第2画面42を表示するボタンである。「新規」ボタン40e押下がされると、新たなデータを登録するための第2画面42が表示さる。また、所望の名前欄40bが選択されたのちに「編集」ボタン40f押下されると、選択された名前に対応するデータ(既存データ)の変更を行うための第2画面42が表示される。
【0067】
第2画面42は第1画面41で選択された名前に対応するデータ編集(既存データの変更)または新たなデータの登録を行う画面である。図3には、相手側装置に属する既存データの変更を行うための第2画面42が表示されている。この第2画面42では、第1画面41の名前欄40bで指定された名前に対応するデータがアドレス帳メモリ16aから読み出されて表示された詳細データ欄40gが表示されている。この詳細データ欄40gの最上部には、メールアドレスを所有する相手先(該メールアドレスによって識別される相手側装置の操作者、該メールアドレスの取得者)の名前が表示される「名前」の項目欄が表示されており、該項目欄の下方には、上から順に「電話番号」、「ファクシミリ番号」、「メールアドレス」と表示される項目欄が設けられている。「名前」、「電話番号」、「ファクシミリ番号」、「メールアドレス」の項目欄の右側は、各項目欄に対応するデータを入力する入力欄となっており、この入力欄へは、操作パネル4上の入力キーの操作により、所望のデータ(文字)が入力される。各入力欄には、「名前」の入力欄に入力される名前に対応付けて、対応するデータが入力される。ここで「電話番号」の入力欄には相手側装置の電話番号が入力され、「メールアドレス」の入力欄には、送信先メールアドレスとなる相手側装置のメールアドレスが入力される。
【0068】
詳細データ欄40gの上方には、「終了」ボタン40cが表示されており、このボタンが押下されると第2画面42の表示を終了し、第1画面41へと画面表示が切り替わる。この第2画面42で登録されたデータは、「終了」ボタン40cが押下されることによりEEPROM16のアドレス帳メモリ16aにおいて不揮発に記憶される。尚、第1画面41において、「新規」ボタン40e押下がされた場合には、予めアドレス帳メモリ16aに記憶されているデータがないので、各入力欄にデータが記載されていない詳細データ欄40gが表示される。
【0069】
また、第1画面41で名前欄40bに表示されるデータの属性が親機1及び子機A,B,Cであれば、第2画面42は親機1及び子機A,B,Cのデータを入力するための画面が表示される。かかる第2画面42においては、自己アドレスと、その自己アドレスの取得者の名前とを入力することができる入力欄が表示される。
【0070】
第2画面42で入力されたデータは、そのデータの種類毎(送信先メールアドレス、自己アドレス、電話番号)に、アドレス帳メモリ16aの対応するエリアへ書き込まれる。また、各エリアに書き込まれる際には、それぞれのデータにインデックス情報となる「名前」の入力欄に入力された名前が添付される。
【0071】
次に、図4および図5を参照して、親機1から子機A,B,Cへ、アドレス帳メモリ16aに記憶されるデータをダウンロードする操作方法について説明する。図4は、後述するデータ送信処理(S7、図7参照)において、アドレス帳メモリ16aに記憶されるデータをダウンロードする場合の操作画面を示した図である。図4の(a)は、ダウンロードボタン11dが押下されると子機のLCD12に表示されるアドレス呼出画面の第1画面50を模式的に表したものである。
【0072】
この第1画面は、アドレス選択処理において、子機A,B,Cへ親機1からダウンロードするデータを選択する画面である。第1画面には、ダウンロードするデータの種類を選択する選択ボタン50aが設けられている。この選択ボタン50aは親機1に選択したデータの送信を要求するコマンドを入力するコマンド入力ボタンであり、「メールアドレス」ボタン50a1と「電話番号」ボタン50a2とにより構成されている。「メールアドレス」ボタン50a1が入力されると、アドレス帳メモリ16aに記憶されている自己アドレスが送信されて、アドレス呼出画面の第2画面51(b)が表示される。一方、「電話番号」ボタン50a2が入力されると、アドレス帳メモリ16aに記憶されている相手側装置の電話番号が送信されてLCD12に表示される。尚、選択ボタン50aは、操作パネル11に設けられた次頁ボタン11fを押下することにより選択され、選択状態で決定ボタン11bが押下されることで入力される。各ボタン50a1,50a2は、選択状態ではその背景色が反転し、選択状態が示される。また、操作パネル11上からキャンセルボタン11cが入力されると、アドレス呼出画面は終了されて初期画面(データの送信又は受信を待機する画面)へと復帰する。
【0073】
図4(b)には、第1画面において「メールアドレス」ボタン50a1が入力されることにより表示されるアドレス呼出画面の第2画面51を示した図である。この第2画面51は、作成するメールデータに送信元アドレスとして付加する自己アドレスを選択する画面であり、画面51に入力されるコマンドに基づいてデータ送信処理(S7)を実行させるための画面である。この第2画面には、自己アドレス一覧表50bが表示されている。この自己アドレス一覧表50bには、アドレス帳メモリ16aに記憶されている自己アドレスが、そのメールアドレスの取得者の名前と共に表示されている。
【0074】
この自己アドレス一覧表50bに表示される自己アドレスは、その表示そのものが自己アドレスを指定する指定ボタンとなっている。この表示される自己アドレスは、次頁ボタン11fを押下する毎に1づつ順番に選択される。選択状態で決定ボタン11bが押下されると、その選択されたアドレスが作成するメールデータの自己アドレス(送信元アドレス)として決定される。この自己アドレスは、自己アドレス一覧表50bに表示される任意のメールアドレスをどの子機からでも選択でき、作成するメールデータの自己アドレスとして設定することができる。
【0075】
決定ボタン11bの入力は自己アドレスを指定する指定コマンドの入力であると共に、送信先メールアドレスの送信を要求するコマンドの入力となっており、これにより、アドレス帳メモリ16aから送信先メールアドレスがダウンロードされて第3画面52が表示される。尚、選択状態では第1画面50と同じく選択されたメールアドレスの背景色が黒色に反転し、選択状態であることが示される。図中(b)においては自己アドレス「△△△△@aaa.ne.jp」が選択されていることが示されている。また、この第2画面51において、キャンセルボタン11cが入力(押下)されると、第2画面51を終了して初期画面へと復帰する。
【0076】
図4(c)は、第2画面51において自己アドレスが決定されると表示されるアドレス呼出画面の第3画面52を示した図である。第3画面52もまた第2画面51と同様に、データ送信処理(S7)においてコマンドを入力する画面であり、この第3画面52には、アドレス帳メモリ16aに記憶されている送信先メールアドレスが親機1から送信(ダウンロード)され、送信先名前欄50cとして表示されている。表示される送信先メールアドレスは、作成するメールアドレスに付加する送信先メールアドレスとして選択されるものである。送信先名前欄50cの各欄に表示される送信先メールアドレスは、次頁ボタン11fを押下する毎に1づつ順番に選択することができる。図中においては、送信先メールアドレス「××××@bbb.ne.jp」が選択されている。
【0077】
この送信先メールアドレスの選択状態で決定ボタン11bが押下されると、その選択されたメールアドレスが、作成されるメールデータの送信先メールアドレスとして決定される。この決定ボタン11bの入力は、送信先メールアドレスの決定を親機1に報知し、その結果、メールデータを作成する第4画面53が各子機のLCD12に表示される。尚、この第3画面52において、キャンセルボタン11cが入力(押下)されると、第3画面52は終了され初期画面へと復帰する。
【0078】
図4(d)は、第3画面52において送信先メールアドレスが決定されることにより(決定ボタン11bの押下により)表示されるアドレス呼出画面の第4画面53であり、メールデータを作成する画面である。この第4画面53の上方には、作成するメールデータに添付されるヘッダデータが示されたヘッダデータ欄50dが表示されている。このヘッダデータ欄50dには、上から順に、送信日時「date」、自己アドレス「from」、相手側装置のメールアドレスである送信先メールアドレス「to」、本文の件名「subject」が表示される欄が設けられており、自己アドレス「from」の表示欄には、第2画面51において選択された自己アドレスが表示されている。また、送信先メールアドレス「to」の表示欄には、第3画面52において選択された送信先メールアドレスが表示されている。
【0079】
このヘッダデータ欄50dの下方には、メールデータ本文の入力欄が備えられている。このメールデータ本文の入力欄は、操作者により操作パネル11に設けられた入力ボタンが押下されることにより、各入力ボタンに対応する文字が入力され、入力された文字によりメールデータの本文が作成される欄である。このメールデータ本文の入力欄の下方には、「送信」ボタン50eが設けられている。「送信」ボタン50eは親機1へコマンドを入力するコマンド入力ボタンであり、該画面53で作成されたメールデータをアンテナ33およびアンテナ18を介して、親機1へ送信するボタンである。この「送信」ボタン50eが入力されると、作成されたメールデータはヘッダデータ、本文共に親機1に送信され、親機1の送信メールメモリ15dに、一旦記憶される。その後、送信メールメモリ15dに記憶されている該メールデータは、電話回線26を介して、ヘッダデータに記載されている送信先メールアドレスへ送信するべくメールサーバに送信される。この「送信」ボタン50eの入力は、次頁ボタン11fの操作と決定ボタン11bの操作とにより実行される。また、この第4画面53において、キャンセルボタン11cが入力されると第4画面53は終了され、初期画面へと復帰する。
【0080】
次に、図5を参照して、子機A,B,Cにおいて、親機1を介してメールサーバからメールデータを受信する受信方法について説明する。図5は、メールデータの受信を親機1に要求する受信要求ボタン11eが押下されることにより表示されるメールアドレス選択画面60を模式的に表したものである。
【0081】
このメールアドレス選択画面60は、メールサーバに対してメールデータの送信を要求する自己アドレス(受信要求元装置のメールアドレス)を選択すると共に、このメールアドレス選択画面60において入力されるコマンドに基づいて後述する図8のデータ受信処理を実行させる画面である。このメールアドレス選択画面60は、自己アドレス一覧表50bを備えている。自己アドレス一覧表50bは、図4における第2画面51と同様に構成され、この自己アドレス一覧表50bに表示される自己アドレス(親機及び各子機に割り当てられたメールアドレス)から1のメールアドレスを選択することにより、選択されたメールアドレスをメールデータの受信要求元メールアドレスとして指定するものである。ここで、自己アドレス一覧表50bに表示される任意のメールアドレスを、どの子機からでもメールデータの受信要求元メールアドレスとして選択することができる。尚、メールアドレス選択画面60の自己アドレス一覧表50bの操作方法については、図に示した自己アドレス一覧表50bの操作方法に同じであるので、その説明を省略する。
【0082】
この自己アドレス一覧表50bにおいて選択されたメールアドレスは、決定ボタン11bが押下されると、そのメールアドレスに対応するメールデータの受信要求が親機1に送信される。受信要求を受信した親機1は、メールサーバを発呼し、子機A,B,Cで選択された自己アドレス(受信要求元メールアドレス)に対応するメールデータの送信をメールサーバに要求する。
【0083】
次に、図6、図7及び図8のフローチャートを参照して、上記のように構成された親機1と子機との動作について説明する。図6は、ROM14に記憶される制御プログラムの一部であるアドレス選択処理を示したフローチャートである。このアドレス選択処理は、親機1において、子機A,B,Cから親機1へ送信されてきたコマンドに基づいて、親機1のアドレス帳メモリ16aから送信されるデータを選択する処理である。
【0084】
図6に示すように、このアドレス選択処理では、まず、子機A,B,Cにおいてダウンロードボタン11dが入力されたか否かを確認する(S1)。確認の結果、各子機においてダウンロードボタン11dが入力されていなければ(S1:No)、このアドレス選択処理を終了する。一方、子機においてダウンロードボタン11dが入力されていれば(S1:Yes)、アドレス呼出画面50を子機に表示させるための各種制御データを送信する(S2)。次に、そのアドレス呼出画面50において、その子機のキャンセルボタン11cが入力されたか否かを確認する(S3)。確認の結果、キャンセルボタン11cが入力されていれば(S3:Yes)、このアドレス選択処理を終了する。また、キャンセルボタン11cが選択されていなければ(S3:No)、その子機において、選択ボタン50aが入力されたか否かを確認する(S4)。確認の結果、選択ボタン50aが入力されていれば(S4:Yes)、入力された選択ボタン50aが「メールアドレス」ボタン50a1であるか否かを確認する(S5)。確認の結果、「メールアドレス」ボタン50a1が入力されていれば(S5:Yes)、後述するデータ送信処理を行い(S7)、このアドレス選択処理を終了する。また、「メールアドレス」ボタン50a1が入力されていなければ(S5:No)、「電話番号」ボタン50a2の入力であるので電話処理を行い(S6)、このアドレス選択処理を終了する。
【0085】
一方、S4の処理で確認した結果、選択ボタン50aが入力されていなければ(S4:No)、その処理をS3に移行し、キャンセルボタン11cまたは選択ボタン50aの入力を待機する。
【0086】
図7は、図4のアドレス選択処理の中で実行されるデータ送信処理(S7)のフローチャートを示した図である。このデータ送信処理(S7)は、子機に表示されるアドレス呼出画面の第2画面51〜第4画面53における入力に基づいて実行され、親機1のアドレス帳メモリ16aに記憶されているメールアドレスの中から選択される自己アドレスと送信先メールアドレスとを、作成するメールデータに付加する処理である。このデータ送信処理(S7)では、送信先メールアドレスと送信元メールアドレスとして付与される自己アドレスとは、アドレス帳メモリ16aに記憶されている対応するメールアドレスの中から任意に選択することができる。
【0087】
このデータ送信処理(S7)では、まず、アドレス帳メモリ16aに記憶される自己アドレスを子機に送信する(S11)。子機に送信された自己アドレスは自己アドレス一覧表50bとして、アドレス呼出画面の第2画面51に表示される。次に、アドレス呼出画面の第2画面51が表示された子機において、キャンセルボタン11cが入力されたか否かを確認する(S12)。確認の結果、キャンセルボタン11cが選択されていれば(S12:Yes)、このデータ送信処理(S7)を終了する。
【0088】
また、キャンセルボタン11cが選択されていなければ(S12:No)、第2画面51の自己アドレス一覧表50bにおいて、自己アドレスが指定されたか否かを確認する(S13)。確認の結果、自己アドレスが指定されていれば(S13:Yes)、送信先メールアドレスを子機へ送信する(S14)。送信された送信先メールアドレスは送信先名前欄50cとしてアドレス呼出画面の第3画面52に表示される。そして、アドレス呼出画面の第3画面52が表示された子機において、キャンセルボタン11cが選択されたか否かを確認する(S15)。確認の結果、キャンセルボタン11cが選択されていれば(S15:Yes)、このデータ送信処理(S7)を終了する。
【0089】
一方、S15の処理で確認した結果、キャンセルボタン11cが選択されていなければ(S15:No)、送信先メールアドレスが指定されたか否かを確認する(S16)。確認の結果、送信先メールアドレスが指定されていれば(S16:Yes)、その送信先メールアドレスとS13の処理で指定された自己アドレスとをヘッダデータに記載したアドレス呼出画面の第4画面53の表示を子機に指示する(S17)。これにより、子機において、アドレス呼出画面の第4画面53上に、S16の処理で指定された送信先メールアドレスへ送信するメールデータの本文が作成される。
【0090】
そして、アドレス呼出画面の第4画面53の表示された子機において、キャンセルボタン11cが入力されたか否かを確認する(S18)。確認の結果、キャンセルボタンが入力されていれば(S18:Yes)、このデータ送信処理(S17)を終了する。また、S18の処理で確認した結果、キャンセルボタン11cが入力されていなければ(S18:No)、「送信」ボタン50eが入力されたか否かを確認する(S19)。ここで、「送信」ボタン50eが入力されていれば(S19:Yes)、子機において作成されたメールデータの親機1への送信を指示し、子機から送信されたそのメールデータを受信した後、送信メールメモリ15dに記憶する(S20)。その後メールデータ送信処理を行う(S21)。
【0091】
メールデータ送信処理(S21)は、送信メールメモリ15dに記憶されるメールデータを、そのメールデータの送信先メールアドレスへ送信するための処理である。かかる処理(S21)によれば、まず、メールサーバを発呼し、メールサーバと親機1との間で電話回線26が閉結されると、送信メールメモリ15dに記憶されるメールデータをメールサーバへ送信する。メールサーバへ送信されたメールデータは、その送信先メールアドレスが割り当てられている相手側装置からの受信要求に基づいて、メールサーバから相手側装置へと送信される。
【0092】
メールデータ送信処理(S21)の後は、このデータ送信処理(S7)を終了する。また、S13の処理で確認した結果、自己アドレスが指定されていなければ(S13:No)、その処理をS12へ移行し、キャンセルボタン11cの入力または自己アドレスの指定を待機する。更に、S16の処理で確認した結果、送信先メールアドレスが指定されていなければ(S16:No)、その処理をS15へ移行し、キャンセルボタン11cの入力または送信先メールアドレスの指定を待機する。加えて、S19の処理で確認した結果、「送信」ボタン50eが入力されていなければ(S19:No)、その処理をS18に移行して、キャンセルボタン11cまたは「送信」ボタン50eの入力を待機する。
【0093】
図8は、ROM14に記憶される制御プログラムの一部であるデータ受信処理を示したフローチャートである。このデータ受信処理は、図5のメールアドレス選択画面60から入力されるコマンドに基づいて行われ、メールサーバに受信要求を行うメールアドレスを選択する処理である。このデータ受信処理において選択されるメールアドレスは、アドレス帳メモリ16aに記憶されている自己アドレス(親機および子機A,B,Cに割り当てられたメールアドレス)であり、その中から子機において任意に選択されるメールアドレスである。
【0094】
このデータ受信処理では、まず、各子機において、受信要求ボタン11eが入力されたか否かを確認する(S31)。確認の結果、子機A,B,Cにおいて受信要求ボタン11eが入力されていなければ(S31:No)、このデータ受信処理を終了する。一方、S31の処理において確認した結果、子機A,B,Cにおいて受信要求ボタン11eが入力されていれば(S31:Yes)、子機A,B,Cからのメールデータの受信要求であり、受信要求元の子機の識別情報を認識した後、アドレス帳メモリ16aに記憶されている自己アドレス(親機および子機A,B,Cに割り当てられたメールアドレス)を子機へ送信する(S32)。子機へ送信された自己アドレスは、自己アドレス一覧表50bとしてメールアドレス選択画面60に表示される。
【0095】
次に、メールアドレス選択画面60が表示された子機において、キャンセルボタン11cが入力されたか否かを確認する(S33)。確認の結果、キャンセルボタン11cが選択されていれば(S33:Yes)、このデータ受信処理を終了する。また、S33の処理で確認した結果、キャンセルボタン11cが選択されていなければ(S33:No)、子機に表示された自己アドレス一覧表50bおいて1のメールアドレスが指定されたか否かを確認する(S34)。
【0096】
ここで、1のメールアドレスが指定されていれば(S34:Yes)、親機1は電話回線26を介してメールサーバを発呼する(S35)。そして、その電話回線26が閉結されたか否かを確認し(S36)、電話回線26が閉結されていなければ(S36:No)、各処理を行い(S37)、このデータ受信処理を終了する。一方、S36の処理で確認した結果、電話回線26が閉結していれば(S36:Yes)、子機において指定されたメールアドレスに対応するメールデータの送信をメールサーバに要求する(S38)。次に、メールサーバから送信された、その要求に対応するメールデータを受信したか否かを確認する(S39)。確認の結果、メールデータを受信していれば(S39:Yes)、そのメールデータをメールデータメモリ15cに記憶し(S40)、親機1とメールサーバとの閉結されている電話回線26を開放する(S41)。電話回線26を開放した後は、S31の処理で認識された識別情報を有する子機(受信要求のあった子機)に、その子機において指定された自己アドレスに対応するメールデータを送信し(S42)、このデータ受信処理を終了する。
【0097】
また、S34の処理で確認した結果、メールアドレスが指定されていなければ(S34:No)、その処理をS33に移行し、キャンセルボタン11cの入力またはメールアドレスの指定を待機する。更に、S39の処理で確認した結果、メールデータを受信していなければ(S39:No)、メールデータを受信するまでS40以降の処理を待機する。
【0098】
以上、上記実施例において説明したように、本発明の親機1と少なくとも一つの子機とを備えた多機能周辺装置によれば、子機A,B,Cにおいて、親機1のアドレス帳メモリ16aに記憶される送信先メールアドレス、自己アドレス、電話番号を使用することができる。このため、多機能周辺装置に記憶させておく必要のある各種メールアドレスの管理を、親機において一括して行うことができ、その管理を簡便に行うことができる。また、各子機においては、親機から送信された各メールアドレスについて、任意のアドレスを選択することができる。よって、各子機に対して固定的にメールアドレスを割り当てることなく、いずれの子機からも任意のメールアドレスを自己アドレスとしてメールデータを送信することや、任意のメールアドレスに基づいたメールデータの受信要求を行うことができる。
【0099】
尚、本実施例において、請求項1記載の送信手段としては図7のS11及びS14の処理が該当する。請求項3記載の送信手段としては図8のS32の処理が該当する。請求項5記載のデータ受信手段としては図8のS39の処理が該当する。請求項5記載の受信データ記憶手段としては図8のS40の処理が該当する。請求項5記載の回線開放手段としては図8のS41の処理が該当する。請求項5記載の受信データ配信手段としては図8のS42の処理が該当する。
【0100】
以上実施例に基づき本発明を説明したが、本発明は上記実施例に何ら限定されるものでなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の改良変形が可能であることは容易に推察できるものである。
【0101】
例えば、本実施例では、親機1のアドレス帳メモリ16aに記憶されている送信先メールアドレスをすべて子機A,B,Cへ送信するよう構成していたが、これに代えて、アドレス帳メモリ16aに登録する際に、グループ別に登録できるように構成し、子機は、そのグループ毎に送信先メールアドレスを要求することができるよう構成しても良い。これによれば、アドレス帳メモリ16aから送信先のメールアドレスを子機A,B,Cへグループ毎に送信することができるので、所望の送信先メールアドレスの検索が容易になる上、親機1から子機へ一度に送信されるデータ量が少なくなるので、データの送信時間を短縮することができ、使い勝手を向上させることができる。自己アドレスについても全て送信せずに、子機毎に送信する自己アドレスを少なくとも1つ決めておき、子機から要求のあったときに、決められた自己アドレスを送信するように構成しても良い。
【0102】
また、本実施例では、子機の入力を入力ボタンにより実行するよう構成していたが、これに代えて、LCD12上にパネルを設けて、タッチパネルにより入力コマンドを入力するよう構成しても良い。これによれば、各入力ボタンが取り除かれ、LCD12の画面上にパネルを設けることにより、操作者はLCD12の画面を見ながら操作できる。また、各入力ボタンが取り除かれることから、LCD12の画面表示が大きくなり、操作者は画面を見易くなると共に、ボタン操作の入力を間違うことなく確実に入力することができる。
【0103】
更に本実施例では、子機A,B,Cにおいてメールデータの受信要求を行う場合には、アドレス帳メモリ16aに記憶される自己アドレス(親機1及び各子機に割り当てられたメールアドレス)の中から、1のメールアドレスを任意に指定して、その1のメールアドレスに対応するメールデータの送信をメールサーバに要求するように構成していたが、これに代えて、複数のメールアドレスを指定するように構成しても良い。また、1の子機においてメールデータの受信要求があった場合、親機1及び各子機に割り当てられた全てのメールアドレスに対応するメールデータの送信をメールサーバに要求するように構成しても良い。これによれば、各メールアドレス毎にメールデータの受信要求を行う必要がなく、その受信操作を簡便にすることができる。
【0104】
【発明の効果】
請求項1記載の多機能周辺装置によれば、親機は、親機に記憶されるその親機と子機に割り当てられた自己アドレスを子機に送信し、子機は、親機から送信された自己アドレスの中から操作者の指示に基づいて少なくとも1以上の受信先のメールアドレスを選択すると共に、その選択した受信先のメールアドレスに対応するメールデータの送信をメールサーバに要求する。よって、子機は、親機に記憶されている自己アドレスを使用して、その自己アドレスに対応するメールデータの送信を要求することができるという効果がある。
また、受信先のメールアドレスを選択する場合には、少なくとも1つ以上の受信先のメールアドレスを選択することができるので、特に、2つ以上の受信先のメールアドレスを選択した場合には、各メールアドレス毎にメールデータの受信要求を行う必要がなく、その受信操作を簡便にすることができるという効果がある。
請求項2記載の多機能周辺装置によれば、請求項1に記載の多機能周辺装置の奏する効果に加え、メールサーバから送信されてきたメールデータを受信データ記憶手段に記憶するとメールサーバとの間で閉結されている回線を開放し、その後、記憶したメールデータ を受信要求のあった子機へ送信する。よって、回線使用時間を短縮することができ、回線使用料を削減できると共に、回線を有効利用することができるという効果がある。
請求項3記載の多機能周辺装置によれば、親機は、親機に記憶されるその親機と子機に割り当てられた自己アドレスを子機に送信し、子機は、親機から送信された自己アドレスの中から操作者の指示に基づいて少なくとも1以上の受信先のメールアドレスを選択すると共に、その選択した受信先のメールアドレスに対応するメールデータの送信をメールサーバに要求する。よって、子機は、親機に記憶されている自己アドレスを使用して、その自己アドレスに対応するメールデータの送信を要求することができるという効果がある。
また、受信先のメールアドレスを選択する場合には、少なくとも1つ以上の受信先のメールアドレスを選択することができるので、特に、2つ以上の受信先のメールアドレスを選択した場合には、各メールアドレス毎にメールデータの受信要求を行う必要がなく、その受信操作を簡便にすることができるという効果がある。
更に、メールサーバから送信されてきたメールデータを受信データ記憶手段に記憶するとメールサーバとの間で閉結されている回線を開放し、その後、記憶したメールデータを受信要求のあった子機へ送信する。よって、回線使用時間を短縮することができ、回線使用料を削減できると共に、回線を有効利用することができるという効果がある。
【0105】
請求項記載の多機能周辺装置によれば、請求項1から3のいずれかに記載の多機能周辺装置の奏する効果に加え、子機に割り当てられた自己アドレスの中から、操作者の指示に基づいて少なくとも1以上の任意の自己アドレスを使用してその自己アドレスに対応するメールデータの送信を要求することができる。よって、所望の自己アドレスが割り当てられている1の子機に限定されることなく、所望時に最も身近にある子機を利用して、簡便に所望の自己アドレスに対応するメールデータの送信を要求することができるという効果がある。
【0106】
【0107】
請求項記載の多機能周辺装置によれば、請求項1から4のいずれかに記載の多機能周辺装置の奏する効果に加え、親機は、親機に記憶されるその親機と子機に割り当てられた複数のメールアドレスを子機に送信する。子機は作成したメールデータの送信元の自己アドレスを送信されたメールアドレスの中から操作者の指示に基づいて少なくとも1以上のメールアドレスを選択する。よって、親機に記憶される自己アドレスを子機において使用することができる。このため、各自己アドレスの管理を親機において一括して行うことができ、その管理を簡便に行うことができるという効果がある。これによれば、例えば、自己アドレスを新規に登録する場合や、その変更を行う場合において、子機と親機とのそれぞれにおいて自己アドレスの編集作業を行う必要がなく、親機における編集作業だけで自己アドレスの新規登録や変更を簡便に行うことができるので、その編集作業を簡便且つ効率的に行うことができるという効果がある。更に、親機において自己アドレスを一括して管理すれば、例えば、子機において編集や登録が行われた自己アドレスについても親機に記憶させることができるので、自己アドレスの編集作業を所望の子機で、所望の場所でおこなうことができるという効果がある。
【0108】
請求項記載の多機能周辺装置によれば、請求項5に記載の多機能周辺装置の奏する効果に加え、親機は、親機に記憶される相手側装置の送信先メールアドレスを子機に送信する。子機は作成したメールデータの送信先メールアドレスを送信されたメールアドレスの中から操作者の指示に基づいてメールアドレスを選択する。よって、親機に記憶される送信先メールアドレスを子機において使用することができる。このため、各送信先メールアドレスの管理を親機において一括して行うことができ、その管理を簡便に行うことができるという効果がある。これによれば、例えば、送信先メールアドレスを新規に登録する場合や、その変更を行う場合において、子機と親機のそれぞれにおいて送信先メールアドレスの編集作業を行う必要がなく、親機における編集作業だけで送信先メールアドレスの新規登録や変更を簡便に行うことができるので、その編集作業を簡便且つ効率的に行うことができるという効果がある。更に、親機において送信先メールアドレスを一括して管理すれば、例えば、子機において編集や登録が行われた送信先メールアドレスについても親機に記憶させることができるので、送信先メールアドレスの編集作業を所望の子機で、所望の場所で行うことができるという効果がある。
【0109】
請求項記載の多機能周辺装置によれば、請求項5又は6に記載の多機能周辺装置の奏する効果に加え、子機で作成したメールデータの送信元の自己アドレスとして、親機または子機に割り当てられた自己アドレスの中から操作者の指示に基づいて少なくとも1以上の任意の自己アドレスを選択することができる。よって、メールデータを作成した子機によらず、作成したメールデータに所望の自己アドレスを付加することができる。このため、いずれの子機においてメールデータを作成しても、同じメールアドレス或いはいずれかの子機に割り当てられている自己の所有するメールアドレスを、自己アドレスとしてメールデータに付加することができる。これによれば、いずれの子機において作成されたメールデータであっても、付加される自己アドレスにより、相手側装置において所定の送信者からのメールデータであることを認識させることができ、出所の明らかなメールデータを相手側装置に送信することができるという効果がある。
【0110】
【図面の簡単な説明】
【図1】 本実施例の一実施例である多機能周辺装置の外観斜視図である。
【図2】 上記多機能周辺装置の電気的構成を示したブロック図である。
【図3】 アドレス帳メモリへ入力するデータの入力画面であるアドレス設定画面を模式的に表した図である。
【図4】 子機において送信先メールアドレスおよび自己アドレスを指定するアドレス呼出画面を模式的に表した図である。
【図5】 子機においてメールデータの受信要求をする場合に表示されるメールアドレス選択画面を模式的に表した図である。
【図6】 アドレス選択処理を示したフローチャートである。
【図7】 データ送信処理を示したフローチャートである。
【図8】 データ受信処理を示したフローチャートである。
【符号の説明】
1 親機(多機能周辺装置)
11 操作パネル(データ作成手段の一部)
11e 受信要求ボタン(データ要求手段の一部)
15c 受信データメモリ(受信データ記憶手段の一部)
16a アドレス帳メモリ(自己アドレス記憶手段、相手アドレス記憶手段の一部)
A,B,C コードレス電話装置(子機)

Claims (7)

  1. 相手側装置およびメールサーバと回線を介して接続された親機と、その親機と接続されデータの送受信を行う少なくとも一つの子機とを備えた多機能周辺装置において、
    前記親機は、その親機及び子機に割り当てられた複数のメールアドレスを自己アドレスとして記憶する自己アドレス記憶手段と、その自己アドレス記憶手段に記憶される自己アドレスを前記子機に送信する送信手段とを備えており、
    前記子機は、その自己アドレス記憶手段が記憶する自己アドレスの送信を要求する送信要求手段と、その送信要求手段からの送信要求に対して前記送信手段により親機から送信された自己アドレスの中から操作者の指示に基づいて受信先となる少なくとも1つ以上のメールアドレスを選択する自己アドレス選択手段と、その自己アドレス選択手段により選択された自己アドレスに対応するメールデータの送信を前記メールサーバに対し前記親機を介して要求するデータ要求手段とを備えており、
    前記親機は、前記自己アドレスの送信を要求した子機を特定する特定手段と、その特定手段で特定した子機からの前記データ要求手段に応じて前記メールサーバから送信されるメールデータを受信するデータ受信手段と、そのデータ受信手段により受信されたメールデータを記憶する受信データ記憶手段と、その受信データ記憶手段に記憶される受信したメールデータを、前記特定手段で特定した子機へ配信する受信データ配信手段とを備えていることを特徴とする多機能周辺装置。
  2. 前記親機は、前記データ受信手段によってメールデータを受信した場合に前記メールサーバと閉結されている回線を開放する回線開放手段を備え、前記受信データ配信手段は、その回線開放手段により回線が開放された後に前記受信データ記憶手段に記憶されている受信したメールデータを、前記特定手段で特定した子機へ配信することを特徴とする請求項1に記載の多機能周辺装置。
  3. 相手側装置およびメールサーバと回線を介して接続された親機と、その親機と接続されデータの送受信を行う少なくとも一つの子機とを備えた多機能周辺装置において、
    前記親機は、その親機及び子機に割り当てられた複数のメールアドレスを自己アドレスとして記憶する自己アドレス記憶手段と、その自己アドレス記憶手段に記憶される自己アドレスを前記子機に送信する送信手段と、前記メールサーバに出された送信要求に応じてそのメールサーバから送信されるメールデータを受信するデータ受信手段と、そのデータ受信手段により受信されたメールデータを記憶する受信データ記憶手段と、前記メールサーバから送信されるすべてのメールデータを前記データ受信手段によって受信した場合に前記メールサーバと閉結されている回線を開放する回線開放手段と、その回線開放手段により回線が開放された後に前記受信データ記憶手段に記憶される受信したメールデータを、そのメールデータの送信を要求した子機へ配信する受信データ配信手段とを備えており、
    前記子機は、その送信手段により親機から送信された自己アドレスの中から操作者の指示に基づいて受信先となる少なくとも1つ以上のメールアドレスを選択する自己アドレス選択手段と、その自己アドレス選択手段により選択された自己アドレスに対応するメールデータの送信を前記メールサーバに対し前記親機を介して要求するデータ要求手段とを備えていることを特徴とする多機能周辺装置。
  4. 前記自己アドレス選択手段は、前記送信手段により親機から送信された前記自己アドレスの中から操作者の指示に基づいて少なくとも1つ以上の任意の自己アドレスをメールデータの受信先のメールアドレスとして選択可能に構成されていることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の多機能周辺装置。
  5. 前記子機は、メールデータを作成するデータ作成手段と、そのデータ作成手段で作成したメールデータを前記親機を介して前記メールサーバーに送信するために、そのデータ作成手段で作成したメールデータを操作者の指示に基づいて前記親機に送信するメールデータ送信手段とを備え、
    前記自己アドレス選択手段は、そのデータ作成手段より作成されたメールデータの送信元となるメールアドレスを前記送信手段により親機から送信された自己アドレスの中から操作者の指示に基づいて選択することを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の多機能周辺装置。
  6. 前記親機は、前記相手側装置の送信先メールアドレスを記憶する相手アドレス記憶手段を備えており、
    前記送信手段は、前記相手アドレス記憶手段に記憶される前記送信先メールアドレスを前記子機に送信するものであり、
    前記子機は、前記データ作成手段により作成されたメールデータの送信先メールアドレスを前記送信手段により親機から送信された送信先メールアドレスの中から操作者の指示に基づいて選択する送信先アドレス選択手段を備えていることを特徴とする請求項に記載の多機能周辺装置。
  7. 前記自己アドレス選択手段は、前記送信手段により親機から送信された前記自己アドレスの中から操作者の指示に基づいて少なくとも1以上の任意の自己アドレスを送信元のメールアドレスとして選択可能に構成されていることを特徴とする請求項6又は7に記載の多機能周辺装置。
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