以下、本発明の好ましい実施例について、添付図面を参照して説明する。図1は、コードレス電話装置(子機)A,B,Cがそれぞれ無線通信により接続されているファクシミリ装置(親機)1の外観斜視図である。親機1の本体2の側部には、受話器3が取り付けられている。受話器3は、非通話時には本体2に設けられた図示しないフック上に置かれ、通話時にはフックから取り上げられて使用される。前者をオンフック状態、後者をオフフック状態と称している。
本体2の上面前部には複数のキー4aを備えた操作パネル4が設けられ、その操作パネル4の左上端部には、取次キー4cが設けられている。取次キー4cは、電話回線の閉結されている相手側装置と通話可能な装置を、親機1から子機A,B,Cの内のいずれか1の子機へ切り替える、即ち、相手側装置との通話を親機1から子機A,B,Cの内のいずれか1の子機へ取り次ぐためのものである。
取次キー4cの右側には、親機1の使用者によって取次キー4cが押下された場合に、相手側装置と通話可能な子機を、子機A,B,Cの内のいずれか1の子機に指定するためのテンキー4bが設けられている。テンキー4bで入力される番号は「1」、「2」、「3」の3種類であり、「1」は子機Aに、「2」は子機Bに、「3」は子機Cにそれぞれ対応つけられている。
なお、子機に対応つけられる番号は、「1」、「2」及び「3」に限られるものでなく、例えば「7」、「8」及び「9」などの別の数字を用いても良いし、また、アルファベットが入力可能であれば「A」、「B」及び「C」などのアルファベットを用いても良い。
操作パネル4の左後部には、液晶表示器(LCD)5が設けられている。親機1は、この操作パネル4上に設けられた複数のキー4aが押下されて操作されるとともに、その操作状態や操作手順などがLCD5へ表示される。
操作パネル4及びLCD5の後部には原稿挿入口6が設けられている。ファクシミリ送信される原稿は、この原稿挿入口6に原稿面を下向きにして挿入され、読み取りが行われた後に、本体2の前面であって操作パネル4の下方に設けられた原稿排出口7から排出される。原稿挿入口6の後部には記録紙ホルダ装着部9が設けられており、この記録紙ホルダ装着部9には、複数枚の記録紙を積層収納可能な記録紙ホルダ10が着脱可能に取り付けられている。記録紙ホルダ10から供給され印刷に使用された記録紙は、原稿排出口7の下方に設けられた記録紙排出口8から排出される。
本体2の一側面には、着呼があった場合、もしくは、取り次ぎがあった場合に呼出音の鳴動を行うためのスピーカ28が設けられている。また、本体2には、親機1と各種信号の送受信を行うためのアンテナ18(図2参照)が内蔵されている。親機1は、このアンテナ18を介して、子機A,B,Cとそれぞれ無線通信により接続されている。なお、親機1と子機A,B,Cとの接続は、必ずしも無線通信に限られるものではなく、ケーブルなどを介して接続することも可能である。
図2は、親機(ファクシミリ装置)1の電気的構成を示したブロック図である。親機1には、CPU11、ROM12、EEPROM13、RAM14、画像メモリ15、音声メモリ16、検出回路33、時計回路34、音声LSI17、ネットワーク・コントロール・ユニット(以下「NCU」と称す)19、モデム20、バッファ21、スキャナ22、符号化部23、復号化部24、プリンタ25、操作パネル4、LCD5およびアンプ27が設けられ、これらはバスライン30を介して互いに接続されている。
NCU19は回線制御を行うためのものであり、親機1はこのNCU19を介して電話回線31に接続されている。NCU19は、交換機29から送信される呼出信号やITU−T勧告V.23に準拠したMODEM信号などの各種信号を受信するとともに、操作パネル4上のキー4aの操作に応じた発信時のダイヤル信号を交換機29へ送信したり、更には通話時におけるアナログ音声信号の送受信を行うものである。
ここで、MODEM信号は、上述した発信電話番号表示サービスにより交換機29から送られる信号であり、そのMODEM信号のデータ中に相手側装置の電話番号(発信者番号)を示す情報が含まれている。なお、発信者が電話番号の送信を拒否している場合には、MODEM信号のデータ中に発信者番号を送信することができない旨の情報が含まれる。
親機1から各子機へ送信される各種信号のデータは、NCU19からアンテナ18を介して送信され、一方、各子機から親機1へ送信される各種信号のデータは、アンテナ18を介してNCU19により受信される。これら送受信されるデータの媒体としては電波が用いられ、その電波の周波数は、子機を区別するために各子機ごとに異なった周波数に定められている。
相手側装置と通話可能な装置が1の装置から別の子機へ切り替えられる場合には、即ち、相手側装置との通話が1の装置から別の子機へ取り次がれる場合には、その別の子機へ後述する相手先番号メモリ14aの内容(相手側装置の電話番号)がNCU19からアンテナ18を介して送信される。よって、相手側装置との通話が1の装置から別の装置へ取り次がれる場合にも、取り次ぎ先の子機の使用者へ、かかる相手側装置の電話番号が報知される。
CPU11は、NCU19を介して送受信される各種信号に従って、バスライン30により接続された各部を制御し、ファクシミリ動作や電話動作、即ち、データ通信を実行するものである。時計回路34は時刻の計時を行うためのものであり、時計回路34によって計時された時刻はCPU11によって読み出され、各処理に使用される。ROM12は、この親機1で実行される制御プログラムなどを格納した書換不能なメモリであり、図4から図9までのフローチャートに示すプログラムは、このROM12内に格納されている。
EEPROM13は、書換可能な不揮発性のメモリであり、EEPROM13へ記憶されたデータは、親機1の電源オフ後も保持される。このEEPROM13は、親機メモリ13aと、子機Aメモリ13bと、子機Bメモリ13cと、子機Cメモリ13dとを備えている。
親機メモリ13aは、相手側装置からの着呼もしくは着信があった場合に、その着呼もしくは着信の中で親機1に関係するものについて、その着呼もしくは着信のあった日時と、かかる相手側装置の電話番号(発信者番号)とを互いに対応つけて記憶するためのメモリである。図3(a)に、親機メモリ13aの構成を模式的に示す。
子機Aメモリ13bは、相手側装置からの着呼もしくは着信があった場合に、その着呼もしくは着信の中で子機Aに関係するものについて、その着呼もしくは着信のあった日時と、かかる相手側装置の電話番号とを互いに対応つけて記憶するためのメモリである。図3(b)に、子機Aメモリ13bの構成を模式的に示す。
子機Bメモリ13cは、相手側装置からの着呼もしくは着信があった場合に、その着呼もしくは着信の中で子機Bに関係するものについて、その着呼もしくは着信のあった日時と、かかる相手側装置の電話番号とを互いに対応つけて記憶するためのメモリである。図3(c)に、子機Bメモリ13cの構成を模式的に示す。
子機Cメモリ13dは、相手側装置からの着呼もしくは着信があった場合に、その着呼もしくは着信の中で子機Cに関係するものについて、その着呼もしくは着信のあった日時と、かかる相手側装置の電話番号とを互いに対応つけて記憶するためのメモリである。図3(d)に、子機Cメモリ13dの構成を模式的に示す。
ここで、親機メモリ13aと、子機Aメモリ13bと、子機Bメモリ13cと、子機Cメモリ13dとは、全て同様に構成されているので、以下、親機メモリ13aの構成についてのみ説明し、他のメモリ13b,13c,13dについての説明は省略する。
図3(a)に示すように、親機メモリ13aには、着呼エリア13eと着信エリア13fとが設けられている。着呼エリア13eは、相手側装置からの着呼があった場合に、その着呼の中で親機1に関係するものについて、その着呼のあった日時と、かかる相手側装置の電話番号とを互いに対応つけて記憶するためのエリアである。具体的には、相手側装置からの着呼があった場合に、後述する親機フラグ14bがオンであれば、その着呼のあった日時と、かかる相手側装置の電話番号とが互いに対応つけられて着呼エリア13eに記憶される。
一方、着信エリア13fは、相手側装置からの着信があった場合に、その着信の中で親機1に関係するものについて、その着信のあった日時と、かかる相手側装置の電話番号とを互いに対応つけて記憶するためのエリアである。具体的には、相手側装置からの着信があり、その着信のあった相手側装置と最後に通話可能な装置が親機1である場合には、その着信のあった日時と、かかる相手側装置の電話番号とが互いに対応つけられて着信エリア13fに記憶される。
図2に示すRAM14は、親機1の各動作の実行時に各種のデータを一時的に記憶するためのメモリであり、相手先番号メモリ14aと、親機フラグ14bと、子機Aフラグ14cと、子機Bフラグ14dと、子機Cフラグ14eと、コマンドフラグ14fと、全履歴表示フラグ14gとを備えている。
相手先番号メモリ14aは、電話回線の閉結前に着呼(呼び出し信号の着信)があった際に、従来の技術の欄で説明した発信電話番号表示サービスによって交換機29から送信される相手側装置(発呼側装置、発信者)の電話番号(発信者番号)を一時的に記憶するためのメモリである。このため、着呼があっても交換機29から相手側装置(発信者)の電話番号が送信されない場合には、相手先番号メモリ14aの内容を「0」クリアしている。従って、相手先番号メモリ14aの内容を調べて、「0」でなければ、相手先番号メモリ14aに記憶される電話番号の相手側装置(発信者)からの着呼であると判断でき、一方、相手先番号メモリ14aの内容が「0」であれば、着呼のあった相手側装置(発信者)の電話番号が交換機29から送信されなかったと判断することができる。なお、通話中の相手側装置としては、親機1へ着呼のあった相手側装置のみでなく、親機1の発呼先装置を通話中の相手側装置として用いることも当然に可能である。この場合には、操作パネル4のキー4a操作によって入力される発呼先の電話番号を相手先番号メモリ14aに記憶する。
親機フラグ14bは、相手側装置からの着呼があった場合に、その着呼に伴い親機1のスピーカ28から呼出音を鳴動するか否かの設定と、上述した相手先番号メモリ14aの内容(即ち、着呼のあった相手側装置の電話番号)を親機1のLCD5へ表示するか否かの設定とを行うためのフラグである。
子機Aフラグ14cは、相手側装置からの着呼があった場合に、その着呼に伴い子機Aのスピーカから呼出音を鳴動するか否かの設定と、相手先番号メモリ14aの内容を子機Aへ送信するか否かの設定とを行うためのフラグである。
子機Bフラグ14dは、相手側装置からの着呼があった場合に、その着呼に伴い子機Bのスピーカから呼出音を鳴動するか否かの設定と、相手先番号メモリ14aの内容を子機Bへ送信するか否かの設定とを行うためのフラグである。
子機Cフラグ14eは、相手側装置からの着呼があった場合に、その着呼に伴い子機Cのスピーカから呼出音を鳴動するか否かの設定と、相手先番号メモリ14aの内容を子機Cへ送信するか否かの設定とを行うためのフラグである。
なお、親機フラグ14b、子機Aフラグ14c、子機Bフラグ14d及び子機Cフラグ14eのデータは(オン/オフ状態の切り替えは)、予め、親機1の使用者による操作パネル4上のキー4a操作によってそれぞれ設定される。
コマンドフラグ14fは、相手側装置と通話可能な装置が親機1から子機A,B,Cの内のいずれか1の子機へ切り替えられた場合に、即ち、相手側装置との通話が親機1から子機A,B,Cの内のいずれか1の子機へ取り次がれた場合に、その取り次ぎ先の子機から電話回線の開放を要求する旨のコマンド(電話回線開放要求コマンド)を受信したか否かを記憶するためのフラグである。相手側装置との通話が親機1から子機A,B,Cの内のいずれか1の子機へ取り次がれた場合に、その取り次ぎ先の子機から電話回線開放要求コマンドを受信すれば、コマンドフラグ14fはオンされる。一方、かかる取り次ぎ先の子機から転送信号もしくは取次信号を受信すれば、コマンドフラグ14fはオフされる。
ここで、取次信号は、電話回線の閉結されている相手側装置と通話可能な装置を1の装置から別の装置へ(即ち、親機1から1の子機へ、或いは、1の子機から親機1へ)切り替える際に、また、転送信号は、電話回線の閉結されている相手側装置と通話可能な装置を1の子機から別の子機へ(即ち、子機同士の間で)切り替える際に、親機1に対して送信される信号である。
後述する処理において、コマンドフラグ14fがオンであれば、電話回線開放要求コマンドの送信元である子機に対応する着信エリアへ着信履歴が記憶される。具体的には、相手側装置から着呼のあった日時と、その相手側装置の電話番号とが互いに対応つけられて、かかる着信エリアへ記憶される。通常、最後に通話可能であった装置の使用者が相手側装置の目的とする通話相手であるので、かかる通話相手の使用する装置に対して、履歴情報を記憶するのである。
全履歴表示フラグ14gは、子機A,B,Cの内のいずれか1の子機から履歴情報の送信要求があった場合に、その送信要求の元である子機に対して、その子機に対応して記憶されている履歴情報のみを送信するか否かを記憶するためのフラグである。子機A、子機Bおよび子機Cの全ての子機について同様の処理が行われるので、以下、子機Aについてのみ説明する。
子機Aから着呼履歴の送信を要求する旨のコマンド(着呼情報要求コマンド)を受信した場合に、全履歴表示フラグ14gがオンであれば、親機1に記憶されている全ての着呼エリア13e,13g,13i,13kの内容(着呼履歴)と全ての着信エリア13f,13h,13j,13lの内容とが子機Aへ送信される。一方、子機Aから着呼情報要求コマンドを受信した場合に、全履歴表示フラグ14gがオフであれば、子機Aに対応して親機1の着呼エリア13gに記憶されている内容および子機Aに対応して親機1の着信エリア13hに記憶されている内容のみが子機Aへ送信される。
このように、全履歴表示フラグ14gがオフである場合には、着呼情報要求コマンドの送信元である子機Aに対応する着呼エリア13gの内容および子機Aに対応する着信エリア13hに記憶されている内容のみが、子機Aに対して送信される。よって、子機Aの使用者に対して、子機Aに対応する着呼エリア13gの内容のみを全ての装置(親機および全ての子機A,B,C)に対応する着呼エリア13e,13g,13i,13kの内容の中から抽出させるという煩雑な操作を強いることなく、子機Aに対応する着呼エリア13gの内容のみを認識させることができるのである。
また、着呼情報要求コマンドの送信元である子機Aに対応する着呼エリア13gの内容および子機Aに対応する着信エリア13hに記憶されている内容のみが子機Aに対して送信されるので、子機Aとは別の装置(親機1、子機Bおよび子機C)に対応する着呼エリア13e,13i,13kおよび着信エリア13f,13j,13lの内容を子機Aの使用者に対して秘密にすることができるのである。
更に、子機Aから着信履歴の送信を要求する旨のコマンド(着信情報要求コマンド)を受信した場合について説明する。子機Aから着信情報要求コマンドを受信した場合に、全履歴表示フラグ14gがオンであれば、親機1に記憶されている全ての着信エリア13f,13h,13j,13lの内容(着信履歴)が子機Aに送信される。一方、子機Aから着信情報要求コマンドを受信した場合に、全履歴表示フラグ14gがオフであれば、子機Aに対応して親機1に記憶されている着信エリア13fの内容のみが子機Aに送信されるのである。なお、全履歴表示フラグ14gの内容は(オン/オフ状態の切り替え)、予め、親機1の使用者による操作パネル4上のキー4a操作によって設定される。
画像メモリ15は、通信履歴、画像データ及び印刷のためのビットイメージを記憶するためのメモリであり、安価な大容量メモリであるダイナミックRAM(DRAM)により構成されている。受信された画像データは、一旦画像メモリ15に記憶され、プリンタ25によって記録紙に印刷された後に、この画像メモリ15から消去される。一般に、画像データは大容量であるが、画像データが印刷されることを条件にその画像データを消去しているので、画像メモリ15を有効に使用することができる。
音声メモリ16は、相手側装置へ送出される応答メッセージや、相手側装置から送られてきた入来メッセージを記憶するためのメモリである。画像メモリ15と同様に、安価な大容量メモリであるダイナミックRAM(DRAM)により構成されている。音声メモリ16に記憶された入来メッセージは、操作パネル4を介して消去操作がなされることにより、或いは、電話回線に接続された他の装置から送られる消去コマンドを受信することによって、消去される。
音声LSI17は、NCU19によって受信されたアナログ音声信号をデジタル音声信号に変換する音声認識処理と、親機1の内部で生成されたデジタル音声信号をアナログ音声信号に変換して、NCU19やスピーカ28(アンプ27)へ出力する音声合成処理とを行うためのものである。
ここで、親機1は、NCU19を介して、電話回線31に接続されている。この電話回線31は、親機1側の交換機29に接続され、この交換機29は電話回線32を介して、他の交換機に接続されている。なお、他の交換機は、更に、電話回線を介して相手側装置に接続されている。
検出回路33は、交換機29と親機1とを接続している電話回線31の極性反転を検出するためのものである。相手側装置から親機1へ発呼されると、交換機29は、最初に、親機1と交換機29とを接続している電話回線31の極性反転を行う。電話回線31の極性は、通常、交換機29側に設けられている直流電源(電池)(図示せず)によって、電話回線31のL1側がマイナスに、L2側がプラスにされている。よって、電話回線31の極性反転が行われると、電話回線31のL1側がプラスに、L2側がマイナスに反転されるのである。極性反転後、交換機29と親機1との間で、呼出信号やMODEM信号(発信者番号)などの各種信号が送受信される。なお、電話回線31の極性は、呼出信号に応じて親機1の使用者が受話器3を取り上げることにより、若しくは、子機A,B,Cのの内のいずれか1の子機の使用者が接続キー(電話回線を閉結するためのキー)(図示せず)を押下することによって、L1側がマイナスに、L2側がプラスに復極され、実際の通話が開始される。
モデム20は、画情報及び通信データを変調及び復調して伝送すると共に伝送制御用の各種手順信号を送受信するためのものであり、バッファ21は、相手側装置との間で送受信される符号化された画情報を含むデータを一時的に記憶するためのものである。スキャナ22は、原稿挿入口6に挿入された原稿を画像データとして読み取るためのものである。符号化部23は、スキャナ22により読み取られた画像データの符号化を行うものである。復号化部24は、バッファ21または画像メモリ15に記憶された画像データを読み出して、これを復号化するものであり、復号化されたデータは、プリンタ25により記録紙に印刷される。
操作パネル4は、操作者がこの親機1の設定等を行う場合に各種の操作を行うためのものであり、アンプ27は、そのアンプ27に接続されたスピーカ28を鳴動して、呼出音や音声を出力するためのものである。
LCD5は、操作パネル4上のキー4a操作に応じた操作状態や操作手順を表示したり、或いは、相手側装置の電話番号を表示したりするためのものである。このLCD5には、相手側装置からの着呼があった際に、前記した親機フラグ14bがオンであれば、その着呼のあった相手側装置の電話番号(発信者番号)が表示される。一方、親機フラグ14bがオフであれば、着呼があってもLCD5に発信者番号は表示されない。
また、親機フラグ14bがオンである場合に相手側装置からの着呼があり、その着呼に伴い親機1で電話回線が閉結されると、発信者番号はLCD5へ表示されたままとなる。一方、かかる着呼に伴い他の装置(子機A,B,Cのうちのいずれか1の子機)で電話回線が閉結されると、LCD5に表示されていた発信者番号の表示は消去される。
更に、相手側装置と通話可能な装置が親機1から子機A,B,Cのうちのいずれか1の子機へ切り替えられると、LCD5に表示されていた発信者番号の表示は消去され、一方、相手側装置から子機A,B,Cのうちのいずれか1の子機1から親機1へ切り替えられると、LCD5へ発信者番号が表示される。
次に、図4から図9までのフローチャートを参照して、上記のように構成されたファクシミリ装置(親機)1の動作について説明する。図4は、着信処理を示したフローチャートである。図4に示すように、親機1は、交換機29によって極性反転が行われるのを待機し(S1:No)、極性反転が行われると(S1:Yes)、上述した発信電話番号表示サービスによって交換機29から送られる発信者番号(相手側装置の電話番号)を受信したか否かを判断する(S2)。判断の結果、発信者番号を受信した場合には(S2:Yes)、発信者番号を相手先番号メモリ14aへ書き込む(S3)。子機Aフラグ14c、子機Bフラグ14d、子機Cフラグ14eの内、その内容がオンである子機には、親機1から相手先番号メモリ14aの内容を送信する設定がされている。よって、S3の処理における書き込み後、かかるフラグがオンである子機へ相手先番号メモリ14aの内容、即ち、着呼のあった相手側装置の電話番号を送信する(S4)。子機へ相手先番号メモリ14aの内容が送信されると、その相手先番号メモリ14aの内容が送信された子機のLCD(図示せず)へ着呼のあった相手側装置の電話番号が表示されるのである。
次に、親機フラグ14bがオンであるか否かを確認する(S5)。親機フラグ14bがオンである場合には(S5:ON)、相手先番号メモリ14aの内容をLCD5へ表示する設定がされているので、相手先番号メモリ14aの内容をLCDへ表示する(S6)。一方、親機フラグ14bがオフである場合には(S5:OFF)、相手先番号メモリ14aの内容を親機1のLCD5へ表示する設定がされていないので、S6の処理をスキップする。
S2の処理において、親機1が発信電話番号表示サービスに加入していても、発信者が電話番号の送信を拒否している場合には、交換機29から発信者番号は送信されないので、発信者番号を受信することができない。よって、かかる場合には(S2:No)、相手先番号メモリ14aの内容を「0」クリアして(S7)、発信者番号が受信できなかったことを記憶する。
次に、子機Aフラグ14c、子機Bフラグ14d、子機Cフラグ14eの内、その内容がオンである子機へ呼出信号を送信する(S8)。子機へ呼出信号が送信されると、その呼出信号が送信された子機のスピーカ(図示せず)から呼出音が鳴動されるのである。呼出信号の送信後、親機フラグ14bがオンであるか否かを確認する(S9)。親機フラグ14bがオンであれば(S9:ON)、親機1のスピーカ28から呼出音を鳴動する(S10)。一方、親機フラグ14bがオフであれば(S9:OFF)、親機1のスピーカ28から呼出音を鳴動する設定がされていないので、S10の処理をスキップする。
このように、親機フラグ14bがオンである場合には、親機1のスピーカ28から呼出音が鳴動されるとともに、親機1のLCD5へ相手先番号メモリ14aの内容(着呼のあった相手側装置の電話番号)が表示される。また、子機Aフラグ14c、子機Bフラグ14d、子機Cフラグ14eの内、その内容がオンである子機には、親機1から呼出信号が送信されるとともに、相手先番号メモリ14aの内容が送信される。即ち、呼出音を鳴動しないように設定されている装置については、相手先番号メモリ14aの内容(着呼のあった相手側装置の電話番号)が表示されないので、電話装置の使用者のプライバシーを保護することができるのである。
次に、親機フラグ14b、子機Aフラグ14c、子機Bフラグ14d及び子機Cフラグ14eの内、その内容がオンである装置に対応する着呼エリアへ日時と相手先番号メモリ14aの内容とを(着呼履歴)書き込む(S11)。具体的には、親機フラグ14bと子機Aフラグ14cとがオンであり、子機Bフラグ14dと子機Cフラグ14eとがオフである場合には、親機メモリ13aの着呼エリア13eと子機Aメモリ13bの着呼エリア13gとに、相手側装置からの着呼のあった日時と相手先番号メモリ14aの内容とを対応つけてそれぞれ記憶するのである。S11の処理における書き込み後、図5に示す受信時処理を実行する(S12)。
このように、親機フラグ14b、子機Aフラグ14c、子機Bフラグ14d及び子機Cフラグ14eの内、その内容がオンである装置に対応する着呼エリアへ相手側装置から着呼のあった日時と相手先番号メモリ14aの内容とが互いに対応つけられて記憶される。よって、呼出音が鳴動される装置にのみ対応つけて着呼履歴を記憶することができるのである。
図5の受信時処理は、相手側装置からの着呼に伴い、交換機29から呼出信号を受信した場合の処理である。図5に示すように、まず、図4のS8の処理における呼出信号の送信に応答して、電話回線の閉結を要求する旨を示す電話回線閉結要求コマンドを子機A〜Cのいずれか1の子機から受信したか否かを判断する(S22)。判断の結果、電話回線閉結要求コマンドを受信しなければ(S22:No)、親機1の受話器3がオフフック状態であるか否かを確認する(S23)。受話器3が取り上げられず、オンフック状態のままであれば(S23:No)、処理をS22へ移行して、S22及びS23の処理を繰り返す。
一方、S22の処理において、子機から電話回線閉結要求コマンド受信した場合には(S22:Yes)、電話回線を閉結する(S24)。閉結後、親機1のLCD5から発信者番号の表示を消去するとともに(S25)、電話回線閉結要求コマンドの送信元である子機を除いた全ての子機に対して、発信者番号の表示を消去するコマンドを送信する(S26)。
コマンドの送信後、取次信号もしくは転送信号を受信しなければ(S27:No,S28:No)、子機から電話回線の開放を要求する旨を示す電話回線開放要求コマンドを受信するまでの間(S29:No)、S27からS29までの処理を繰り返す。この間、回線の閉結を要求した子機において電話処理が実行される。
ここで、前記したように、取次信号は、電話回線の閉結されている相手側装置と通話可能な装置を1の装置から別の装置へ切り替える際に、その別の装置から呼出音を鳴動させるための信号である。また、転送信号は、電話回線の閉結されている相手側装置と通話可能な装置を1の子機から別の子機へ切り替える際に、親機1に対して送信される信号である。
S27の処理において取次信号を受信した場合(S27:Yes)には、後述する取次信号受信時処理(図7参照)を実行し(S51)、S28の処理において転送信号を受信した場合には(S28:Yes)、後述する転送信号受信時処理(図8参照)を実行する(S71)。
S23の処理において、親機1の受話器3が取り上げられ、オフフック状態となれば(S23:Yes)、電話回線を閉結するとともに(S30)、全子機A,B,Cへ発信者番号の表示を消去するコマンドを送信する(S31)。その後、親機1の電話処理を実行する(S32)。電話処理の実行中に、取次キー4cが押下されなければ(S33:No)、受話器3がフック上に置かれ、受話器3がオンフック状態となるまでの間(S34:No)、S32からS34までの処理を繰り返す。
一方、S33の処理において、取次キー4cが押下されれば(S33:Yes)、後述する取次処理(図6参照)を実行する(S35)。この取次処理を終了した後、コマンドフラグ14fの内容を確認する(S36)。なお、コマンドフラグ14fは、後述する取次処理で設定されるものであり、子機から電話回線開放要求コマンドを受信したか否かを記憶するためのフラグである。
コマンドフラグ14fがオフである場合には(S36:OFF)、この受信時処理を終了する。一方、コマンドフラグ14fがオンである場合(S36:ON)、S34の処理において受話器3がオンフック状態である場合(S34:Yes)、若しくは、S29の処理において電話回線開放要求コマンドを受信した場合には(S29:Yes)、電話回線を開放し(S37)、最後に相手側装置と通話可能であった装置に対応する着信エリアへ着信履歴を書き込む(S38)。
この履歴情報の書き込みは、かかる着信エリアへ、相手側装置から着信のあった日時とその相手側装置の電話番号とを互いに対応つけて記憶することにより行われる。具体的には、S36でオンと判断された場合には、後述する図6のS42の処理において取り次がれた先の子機に対応する着信エリアに着信履歴が書き込まれ、S34の処理においてYesと判断された場合には、親機1の着信エリア13fに着信履歴が書き込まれ、そして、S29の処理においてYesと判断された場合には、S22の処理において電話回線閉結要求のあった子機に対応する着信エリアにそれぞれ着信履歴が書き込まれる。
S38の処理における着信履歴の書き込み後、この受信時処理を終了する。なお、受信時処理(S12)の終了後は、処理を図4へ移行するとともに、図4の着信処理を終了する。
このように、電話回線の閉結されている相手側装置と最後に通話可能であった装置に対応する着信エリアへ着信履歴が記憶される。これは、通常、最後に通話した装置の使用者が相手側装置の目的とする通話相手であることを考慮しているからである。
次に、図6を参照して、取次処理(図5中のS35)について説明する。図6の取次処理は、電話回線の閉結されている相手側装置と通話可能な装置を、親機1から子機A,B,Cの内のいずれか1の子機へ切り替えるための処理である。図6に示すように、まず、相手側装置と通話可能な子機を指定するテンキー4bが入力されるまで待機し(S41:No)、テンキー4bが押下されれば(S41:Yes)、そのテンキー4bの押下によって入力された番号に対応する子機へ取次信号を送信する(S42)。これにより、取次信号の送信先の子機において呼出音が鳴動される。
取次信号の送信後、テンキー4bで入力された番号に対応する子機へ相手先番号メモリ14aの内容を送信する(S43)。送信後、呼出音に応答してかかる子機から電話回線閉結要求コマンドを受信するまで待機し(S44:No)、電話回線閉結要求コマンドを受信すれば(S44:Yes)、相手側装置と通話可能な装置を親機1からテンキー4bで入力された番号に対応する子機へ切り替える(S45)。切り替え後、親機1のLCD5から発信者番号の表示を消去する(S46)。消去後、取次信号もしくは転送信号を受信しなければ(S47:No,S48:No)、子機から電話回線開放要求コマンドを受信するまでの間(S49:No)、S47からS49までの処理を繰り返す。この間、子機において電話処理が実行される。
一方、子機から電話回線開放要求コマンドを受信すれば(S49:Yes)、このコマンドを受信したことを記憶するためにコマンドフラグ14fをオンして(S50)、この取次処理を終了する。
S47の処理において、子機から取次信号を受信すれば(S47:Yes)、後述する取次信号受信時処理(図7参照)を実行する(S51)。取次信号受信時処理を終了した後、若しくは、S48の処理において転送信号を受信した場合には(S48:Yes)、コマンドフラグ14fをオフして(S52)、この取次処理を終了する。
このように、取次処理では、相手側装置と通話可能な装置が親機1からテンキー4bで入力された番号に対応する子機へ切り替えられる。かかる場合にも、その子機へ電話回線の閉結されている相手側装置の電話番号が送信されるので、子機の使用者へ、かかる相手側装置の電話番号を報知することができるのである。
次に、図7を参照して、取次信号受信時処理について説明する。図7の取次信号受信時処理は、相手側装置と通話可能な子機から取次信号を受信した場合に実行する処理である。即ち、図5のS27の処理において取次信号を受信した場合(S27:Yes)、図6のS47の処理において取次信号を受信した場合(S47:Yes)、若しくは、図8のS77の処理において取次信号を受信した場合に(S77:Yes)、実行する処理である。以下、図5に示す受信時処理と同一の部分には同一の符号を付してその説明は省略し、異なる部分のみを説明する。
図7に示すように、まず、相手先番号メモリ14aの内容をLCD5へ表示する(S62)。表示後、受話器がオフフック状態であるか否かを確認する(S63)。受話器が取り上げられず、オンフック状態のままであれば(S63:No)、処理をS62へ移行して、S62からS63までの処理を繰り返す。一方、受話器が取り上げられ、オフフック状態となれば(S63:Yes)、相手側装置と通話可能な装置を、取次信号の送信元である子機から親機1へ切り替える(S64)。切り替え後、取次信号の送信元である子機へ発信者番号の表示を消去するコマンドを送信する(S65)。
このように、相手側装置と通話可能な装置が子機から親機1へ切り替えられる場合にも、電話回線の閉結されている相手側装置の電話番号が親機1のLCD5へ表示されるので、親機1の使用者へ、かかる相手側装置の電話番号を報知することができるのである。
次に、図8を参照して、転送信号受信時処理について説明する。図8の転送信号受信時処理は、相手側装置と通話可能な子機から転送信号を受信した場合に実行する処理である。即ち、図5のS29の処理において転送信号を受信した場合(S29:Yes)、若しくは、図6のS48の処理において転送信号を受信した場合に(S48:Yes)、実行する処理である。
図8に示すように、まず、転送信号のデータが示す子機へ取次信号を送信する(S72)。これにより、取次信号の送信先の子機において呼出音が鳴動されるのである。取次信号の送信後、転送信号のデータが示す子機へ相手先番号メモリ14aの内容を送信する(S73)。送信後、呼出音に応答して転送信号のデータが示す子機から電話回線閉結要求コマンドを受信するまで待機し(S74:No)、電話回線閉結要求コマンドを受信すれば(S74:Yes)、相手側装置と通話可能な子機を、転送信号の送信元である子機から転送信号のデータが示す子機へ切り替える(S75)。切り替え後、転送信号の送信元である子機のLCDから発信者番号の表示を消去するコマンドをその子機へ送信する(S76)。
このように、相手側装置と通話可能な子機が1の子機から別の子機へ切り替えられる場合にも、その別の子機へ電話回線の閉結されている相手側装置の電話番号が送信されるので、その別の子機の使用者へ、かかる相手側装置の電話番号を報知することができるのである。
送信後、取次信号もしくは転送信号を受信しなければ(S77:No,S78:No)、電話回線開放要求コマンドを受信するまでの間(S79:No)、S77からS79までの処理を繰り返す。この間、子機において電話処理が実行される。
一方、S78の処理において、新たに転送信号を受信した場合には(S78:Yes)、処理をS72へ移行して、その新たな転送信号のデータが示す子機へ取次信号を送信する(S72)。また、S77の処理において、取次信号を受信した場合には(S77:Yes)、図7に示す取次信号受信時処理を実行する。取次信号受信時処理を終了すれば、この転送信号受信時処理を終了する。
S79の処理において、転送信号のデータが示す子機から電話回線開放要求コマンドを受信した場合には(S79:Yes)、電話回線を開放する(S80)。開放後、転送信号のデータが示す子機に対応する着信エリアへ着信履歴を書き込み(S81)、この転送信号受信時処理を終了する。
次に、図9を参照して、履歴情報送信処理について説明する。履歴情報送信処理は、子機から履歴情報を送信する旨のコマンドを受信した場合の処理である。図9に示すように、着呼情報要求コマンド若しくは着信情報要求コマンドを受信するまで待機し(S91:No,S92:No)、着呼情報要求コマンドを受信した場合には(S91:Yes)、全履歴表示フラグ14gがオンであるか否かを判断する(S93)。判断の結果、全履歴表示フラグ14gがオンである場合には(S93:ON)、全ての着呼エリア13e,13g,13i,13kの内容と全ての着信エリア13f,13h,13j,13lの内容とをコマンド送信元の子機へ送信する(S94)。一方、全履歴表示フラグ14gがオフである場合には(S93:OFF)、コマンド送信元の子機のみに対応する着呼エリアの内容と着信エリアの内容とをコマンド送信元の子機へ送信する(S95)。
S92の処理において、着信情報要求コマンドを受信した場合には(S92:Yes)、全履歴表示フラグ14gがオンであるか否かを判断する(S96)。判断の結果、全履歴表示フラグ14gがオンである場合には(S96:ON)、全ての着信エリアの内容13f,13h,13j,13lをコマンド送信元の子機へ送信する(S97)。一方、コマンド送信元の子機のみに対応する着信エリアの内容をコマンド送信元の子機へ送信する(S98)。
このように、全履歴表示フラグ14gがオフである場合には、着呼情報要求コマンドもしくは着信情報要求コマンドの送信元である子機に対応する履歴情報のみが、そのコマンド送信元の子機へ送信される。よって、その子機の使用者に対して、その子機のみに対応する履歴情報を全ての装置に対応する履歴情報の中から抽出させるという煩雑な操作を強いることなく、かかる子機に対応する履歴情報のみを認識させることができるのである。また、コマンド送信元である子機に対応する履歴情報のみを、その子機へ送信することによって、その子機とは別の装置に対応して記憶される履歴情報をかかる子機の使用者に対して秘密にすることができるのである。
なお、本実施例において、請求項1から5に記載の受信記憶手段としてはS3の処理が、履歴送信手段としてはS95及びS98の処理がそれぞれ該当する。
以上、実施例に基づき本発明を説明したが、本発明は上記実施例に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の改良変形が可能であることは容易に推察できるものである。
例えば、本実施例では、図4から図8に示すフローチャートにおいて、相手側装置からの着呼があった場合について記載したが、親機1及び子機A,B,Cの内のいずれかの装置から相手側装置に対して発呼する場合についても、当然に可能である。この場合には、相手先番号メモリ14aに発呼先である相手側装置の電話番号を記憶しておき、取次時に、その相手先番号メモリ14aの内容を取り次ぎ先である装置に表示するように構成しても良いし、或いは、相手先番号メモリ14aの内容を取り次ぎ先の子機へ送信するように構成しても良い。
本実施例では、図5から図8に示すフローチャートにおいて、発信電話番号表示サービスによって送られる相手側装置の電話番号を相手先番号メモリ14aに書き込み、その相手先番号メモリ14a内容を相手側装置と通話可能な装置に表示していた。しかしながら、相手先番号メモリ14aに書き込まれる相手側装置の電話番号は、必ずしも、発信電話番号表示サービスによって交換機29から送られる電話番号に限られるものではなく、通話中情報通知サービスによって交換機29から送られる相手側装置の電話番号を用いても良い。ここで、通話中情報通知サービスとは、親機1がいわゆるキャッチホンサービスに加入している場合、通話中に新たにかけてきた相手側装置の電話番号(発信者番号)を交換機29から親機1へ送信するサービスである。
本実施例のファクシミリ装置(親機)1では、S38およびS81の処理において、電話回線の閉結されている相手側装置と最後に通話可能であった装置に対応する着信エリアへ着信履歴は書き込まれる。しかし、これに代えて、かかる相手側装置と通話可能な時間が所定時間を超える装置に対応する着信エリアへ着信履歴を書き込むようにしても良い。このように構成すれば、通常、所定時間を超えて通話していた装置の使用者が相手側装置の目的とする通話相手であるので、かかる通話相手の使用する装置に対して、着信履歴を記憶することができるのである。また、かかる相手側装置との通話時間が最長である装置に対応する着信エリアへ着信履歴を書き込むように構成しても良い。このように構成すれば、通常、最も長く通話していた装置の使用者が相手側装置の目的とする通話相手であるので、かかる通話相手の使用する装置に対して、履歴情報を記憶することができるのである。
本実施例では、S43及びS73の処理において、相手先番号メモリ14aの内容、即ち、電話回線の閉結されている相手側装置の電話番号が取り次ぎ先である子機へ送信された。しかし、これに代えて、予め、相手側装置の電話番号に対応つけて、その相手側装置の名称を記憶しておき、その記憶された相手側装置の名称を相手先番号メモリ14aの内容に替えて取り次ぎ先である子機へ送信するように構成しても良い。
本実施例では、S11、S38及びS81の処理において、着呼履歴もしくは着信履歴として、電話回線の閉結されている相手側装置の電話番号が用いられた。しかし、これに代えて、予め、相手側装置の電話番号に対応つけて、その相手側装置の名称を記憶しておき、その記憶された相手側装置の名称を着呼履歴もしくは着信履歴として記憶するように構成しても良い。