JP3959827B2 - 電話装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は電話装置に関し、特に、電話回線の閉結中に交換機から送られる発呼側装置の電話番号(発信者番号)を受信することができる電話装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
日本をはじめ、アメリカやイギリス等では、いわゆる発信電話番号表示サービス(「ナンバーディスプレイ」、「Caller ID」)が実用化されている。このサービスは、被呼側装置が当該サービスに加入している場合に、交換機から発呼側装置(発信者)の電話番号(発信者番号)を被呼側装置へ送信するサービスである。発呼側装置の電話番号が送信されるタイミングは、日本やイギリスでは、最初の呼出信号の直前の無音区間であり、アメリカでは、最初の呼出信号と次の呼出信号との間の無音区間である。このため発呼側装置の電話番号は、被呼側装置の受話器を取り上げる前に(受話器をオンフック状態にしたまま、即ち、電話回線を開放したまま)受信することができる。よって、このサービスを利用すれば、被呼側装置の受話器を取り上げる前に、発呼側装置の電話番号を被呼側装置(電話機)の表示器(例えば、液晶ディスプレイ(LCD))に表示して、受信者に発信者を認識させることができる。
【0003】
また、通話中に他から新たな電話がかかってきた場合、簡単な操作で通話相手を切り替えることができる、いわゆるキャッチホンサービスが実用化されている。このキャッチホンサービスにおいて、既にアメリカでは、通話中にかけてきた発呼側装置の電話番号を交換機から送信するサービス(コール・ウエイティング・コーラーIDサービス)が実用化されている。電話機の中には、このサービスにより交換機から送られる発呼側装置の電話番号を受信して、通話中に、その受信した発呼側装置の電話番号を電話機のLCDへ表示する、いわゆるコール・ウエイティング・コーラーID機能を備えたものがある。よって、この機能を備えた電話機では、LCDの表示内容を見ることにより、新たにかけてきた発信者を認識することができる。
【0004】
従って、これらのサービスを利用することにより、初めにかけてきた相手側装置の電話番号と新たにかけてきた相手側装置の電話番号とをLCDへ表示することができるのである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、初めにかけてきた相手側装置の電話番号と新たにかけてきた相手側装置の電話番号とが、単にLCDへ表示されても、その表示内容を見るだけでは、通話中の相手がいずれの相手であるのかを区別することが困難であるという問題点があった。このため、通話者は重要な相手との通話中であるにも拘らず、誤って電話を切ってしまうことがあるという問題点があった。
【0006】
本発明は上述した問題点を解決するためになされたものであり、回線が閉結されている相手側装置が2以上ある場合に、通話中の相手側装置を識別することができる電話装置を提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
【0008】
【0009】
【0010】
【0011】
【0012】
【0013】
請求項1記載の電話装置は、文字や記号を表示可能な表示装置と、その表示装置へ回線が閉結されている相手側装置の情報を表示させる表示手段とを備えており、更に、前記表示手段は、1の相手側装置との回線の閉結中に新たに他の相手側装置から着呼があった場合に、その新たに着呼のあった他の相手側装置の情報と回線が閉結されている1の相手側装置の情報とを前記表示装置に上下2段にそれぞれ表示させて、回線が閉結されている1の相手側装置の情報を前記表示装置の上段側に表示させる一方、前記他の相手側装置の情報を前記表示装置の下段側に表示させると共に、回線が閉結されている1の相手側装置の情報と前記他の相手側装置の情報とを識別可能に表示させる識別手段を備えている。
【0014】
この請求項1記載の電話装置によれば、1の相手側装置との回線の閉結中に新たに他の相手側装置から着呼があると、新たに着呼した他の相手側装置の情報と回線が閉結されている1の相手側装置の情報とは表示手段によって表示装置へ上下2段にそれぞれ表示され、回線が閉結されている1の相手側装置の情報は表示装置の上段側に表示される一方、他の相手側装置の情報は表示装置の下段側に表示される。この表示装置へ表示される他の相手側装置の情報は、識別手段によって、回線を閉結している1の相手側装置の情報と識別可能に表示される。
【0015】
請求項2記載の電話装置は、請求項1記載の電話装置において、前記識別手段は、1の相手側装置または他の相手側装置のいずれか一方の情報を点滅表示、反転表示または太字表示させるものである。
【0016】
請求項3記載の電話装置は、請求項1記載の電話装置において、前記識別手段は、1の相手側装置または他の相手側装置のいずれか一方の情報に識別マークを付加して表示するものである。
【0017】
請求項4記載の電話装置は、請求項1から3のいずれかに記載の電話装置において、回線の閉結前に交換機側から送られる相手側装置の電話番号を受信可能な第1受信手段と、回線の閉結中に交換機側から送られる相手側装置の電話番号を受信可能な第2受信手段と、発呼時に発呼先である相手側装置の電話番号を記憶する記憶手段とを備えており、前記表示手段は、前記第1受信手段、第2受信手段および記憶手段により受信または記憶されている相手側装置の電話番号に基づいて、相手側装置の情報を前記表示装置へ表示させるものである。
【0018】
請求項5記載の電話装置は、請求項1から4のいずれかに記載の電話装置において、前記表示手段により前記表示装置に表示されている相手側装置の情報のうち、回線が開放された相手側装置の情報を前記表示装置から消去する消去手段を備えている。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好ましい実施例について、添付図面を参照して説明する。図1は、本発明の一実施例であるファクシミリ装置1の外観斜視図である。ファクシミリ装置1の本体2の側部には、受話器3が取り付けられている。受話器3は非通話時には本体2に設けられた図示しないフック上に置かれ、通話時にはフックから取り上げられて使用される。前者をオンフック状態、後者をオフフック状態と称している。本体2の上面前部には複数のボタン4aを備えた操作パネル4が設けられ、その操作パネル4の左上端部には、電話回線を通話中の電話装置から他の電話装置へ切り替えるための切替ボタン4bが設けられている。操作パネル4の左後部には、表示部に2行表示することが可能な液晶表示器(LCD)5が設けられている。ファクシミリ装置1は、この操作パネル4上に設けられた各ボタン4aが押下されることにより操作されるとともに、その操作状態や操作手順などがLCD5に表示される。
【0020】
操作パネル4及びLCD5の後部には原稿挿入口6が設けられている。ファクシミリ送信される原稿は、この原稿挿入口6に原稿面を下向きにして挿入され、読み取りが行われた後に、本体2の前面であって操作パネル4の下方に設けられた原稿排出口7から排出される。原稿挿入口6の後部には記録紙ホルダ装着部9が設けられており、この記録紙ホルダ装着部9には、複数枚の記録紙を積層収納可能な記録紙ホルダ10が着脱可能に取り付けられている。記録紙ホルダ10から供給され印字に使用された記録紙は、原稿排出口7の下方に設けられた記録紙排出口8から排出される。
【0021】
図2は、本ファクシミリ装置1の電気的構成を示したブロック図である。ファクシミリ装置1には、CPU11、ROM12、EEPROM13、RAM14、画像メモリ15、音声メモリ16、音声LSI17、ネットワーク・コントロール・ユニット(以下「NCU」と称す)19、モデム20、バッファ21、スキャナ22、符号化部23、復号化部24、プリンタ25、操作パネル4、アンプ27が備えられ、これらはバスライン30を介して互いに接続されている。
【0022】
NCU19は回線制御を行うためのものであり、ファクシミリ装置1はこのNCU19を介して電話回線31に接続されている。NCU19は、交換機29から送信される呼び出し信号や相手側装置(発呼側装置)の電話番号(発信者番号)等を受信すると共に、操作パネル4上に設けられているボタン4aの操作に応じた発信時のダイヤル信号を交換機29へ送信したり、更には通話時におけるアナログ音声信号の送受信を行うものである。EEPROM13は、書換可能な不揮発性のメモリであり、EEPROM13へ記憶されたデータは、ファクシミリ装置1の電源オフ後も保持される。
【0023】
RAM14は、ファクシミリ装置1の各動作の実行時に各種のデータを一時的に記憶するためのメモリであり、第1発信者番号メモリ14aと第2発信者番号メモリ14bとを備えている。第1発信者番号メモリ14aは、電話回線の閉結前に着呼(呼び出し信号の着信)があった際に、従来技術の欄で説明した「発信電話番号表示サービス」によって交換機29から送信される相手側装置(発呼側装置)の電話番号(発信者番号)を一時的に記憶するためのメモリである。このため、着呼があっても交換機29から相手側装置(発信者)の電話番号が送信されない場合には、第1発信者番号メモリ14aの内容を「0」クリアしている。従って、第1発信者番号メモリ14aの内容を調べて、「0」でなければ、第1発信者番号メモリ14aに記憶される電話番号の相手側装置(発信者)からの着呼であると判断でき、一方、第1発信者番号メモリ14aの内容が「0」であれば、着呼のあった相手側装置(発信者)の電話番号が交換機29から送信されなかったと判断することができる。なお、通話中の相手側装置としては、本ファクシミリ装置1への発呼側装置のみでなく、本ファクシミリ装置1の発呼先装置を通話中の相手側装置として用いることも当然に可能である。この場合には、操作パネル4のボタン4aによって入力される発呼先の電話番号を第1発信者番号メモリ14aに記憶する。
【0024】
第2発信者番号メモリ14bは、1の相手側装置(電話装置)との通話中に新たな着呼がある場合、従来技術の欄で説明した「コール・ウエイティング・コーラーIDサービス」によって交換機29から送信される相手側装置(発呼側装置)の電話番号を一時的に記憶するためのメモリである。このため、通話中に新たな着呼があっても交換機29から相手側装置(発信者)の電話番号が送信されない場合には、第2発信者番号メモリ14bの内容を「0」クリアしている。従って、第2発信者番号メモリ14bの内容を調べて、「0」でなければ、第2発信者番号メモリ14bに記憶される電話番号の相手側装置(発信者)からの着呼であると判断でき、一方、第2発信者番号メモリ14bの内容が「0」であれば、通話中に新たに着呼のあった相手側装置(発信者)の電話番号が交換機29から送信されなかったと判断することができる。
【0025】
前記したLCD5には、その上の行(上段)へ第1発信者番号メモリ14aの内容(第1発信者番号メモリ14aが「0」クリアされている場合には「第1発信者」)が、その下の行(下段)へ第2発信者番号メモリ14bの内容(第2発信者番号メモリ14bが「0」クリアされている場合には「第2発信者」)がそれぞれ表示される。図3には、そのLCD5の表示例が図示されている。図3(a)に示すように、2つの電話回線が同時に閉結している場合、LCD5には通話中の相手側装置の電話番号の横に接続マーク5aが表示される。この接続マーク5aの表示は、通話者により切替ボタン4bが押下されて、通話相手(相手側装置)が切り替えられる度に、上段から下段へ、或いは、下段から上段へ移動する。よって、通話者は、LCD5の表示内容を見ることにより、通話中の相手側装置と待機中の相手側装置とを識別することができ、重要な相手(相手側装置)と閉結されている電話回線を誤って開放してしまうことを防止することができるのである。
【0026】
また、通話中に新たな着呼があった場合には、図3(b)に示すように、新たに着呼のあった相手側装置の電話番号(即ち、第2発信者番号メモリ14bに記憶されている電話番号)がLCD5の下段に「点滅」して表示される。よって、通話者は、LCD5の表示内容を見ることにより、通話中の相手側装置と新たに着呼のあった相手側装置とを識別することができるのである。
【0027】
なお、図3(c)及び(d)に示すように、LCD5の表示部が1行しかなく、2つの電話回線が同時に閉結されている場合には、通話者によって切替ボタン4bが押下される度に、通話中の相手側装置(発信者)の内容(即ち、第1発信者番号メモリ14aの内容(その内容が「0」クリアされている場合には「第1発信者」)、または、第2発信者番号メモリ14bの内容(その内容が「0」クリアされている場合には「第2発信者」))が交互に表示されるのである。
【0028】
また、電話回線が閉結されている相手側装置が2つある場合に、一方の相手側装置の電話回線が開放されると、電話回線の開放された相手側装置(発信者)の表示はLCD5から消去される。よって、2つの電話回線の閉結中に1つの電話回線が開放された場合にも、通話者は、LCD5の表示内容を見ることにより、電話回線が閉結されている相手側装置を認識することができるのである。
【0029】
図2における画像メモリ15は、通信履歴、画像データ及び印刷のためのビットイメージを記憶するためのメモリであり、安価な大容量メモリであるダイナミックRAM(DRAM)により構成されている。受信された画像データは、一旦画像メモリ15に記憶され、プリンタ25によって記録紙に印刷された後に、この画像メモリ15から消去される。一般に、画像データは大容量であるが、画像データが印刷されることを条件にその画像データを消去しているので、画像メモリ15を有効に使用することができる。音声メモリ16は、発呼側装置へ送出される応答メッセージや、発呼側装置から送られてきた入来メッセージを記憶するメモリである。画像メモリ15と同様に、安価な大容量メモリであるダイナミックRAM(DRAM)により構成されている。音声メモリ16に記憶された入来メッセージは、操作パネル4を介して消去操作がなされることにより、或いは、電話回線に接続された他の装置から送られる消去コマンドを受信することによって、消去される。
【0030】
音声LSI17は、NCU19によって受信されたアナログ音声信号をデジタル音声信号に変換すると共に、このファクシミリ装置1の内部で生成されたデジタル音声信号をアナログ音声信号に変換して、NCU19やスピーカ28(アンプ27)へ出力するためのものである。
【0031】
モデム20は、画情報を変調および復調して伝送すると共に伝送制御用の各種手順信号を送受信するためのものであり、バッファ21は、相手側ファクシミリ装置との間で送受信される符号化された画情報を含むデータを一時的に格納するためのものである。スキャナ22は、原稿挿入口6に挿入された原稿から画像を読み取るためのものであり、符号化部23は、スキャナ22により読み取られた画像の符号化を行うものである。復号化部24は、バッファ21又は画像メモリ15に記憶された受信画像データを読み出して、これを復号化するものであり、復号化されたデータは、プリンタ25により記録紙に印刷される。
【0032】
操作パネル4は、操作者がこのファクシミリ装置1の設定等を行う場合に各種の操作を行うためのものであり、アンプ27は、そのアンプ27に接続されたスピーカ28を鳴動して、呼び出し音や音声を出力するためのものである。
【0033】
このように構成されたファクシミリ装置1は、NCU19を介して、電話回線31に接続されている。この電話回線31は、本ファクシミリ装置1の交換機29に接続され、この交換機29は電話回線32を介して、他の交換機に接続されている。なお、他の交換機は、更に、電話回線を介して発呼側装置や転送先となる他の装置に接続されている。
【0034】
次に、図4から図7のフローチャ−トを参照して、上記のように構成されたファクシミリ装置1の動作について説明する。図4は、着信時における処理を示したフローチャートである。図4に示すように、ファクシミリ装置1は、呼出信号を待機し(S1:No)、呼出信号があると(S1:Yes)、図5に示す第1発信者番号表示処理を実行する(S2)。
【0035】
図5に示す第1発信者番号表示処理では(S2)、まず、電話回線を開放したままの状態で、発信電話番号表示サービスにより交換機29から送信される相手側装置(発呼側装置)の電話番号(発信者番号)を受信できたか否かを判断する(S21)。発信者番号を受信した場合には(S21:Yes)、その受信した発信者番号をRAM14の第1発信者番号メモリ14aへ書き込む(S22)とともに、その第1発信者番号メモリ14aの内容をLCD5の上段に「点灯」して表示する(S23)。一方、本ファクシミリ装置1が発信電話番号表示サービスに加入していても、発信者が電話番号の送信を拒否している場合には、交換機29から発信者番号は送信されないので、発信者番号を受信することができない。よって、かかる場合には(S21:No)、第1発信者番号メモリ14aの内容を「0」クリアして(S24)、発信者番号が受信できなかったことを記憶するとともに、「第1発信者」をLCD5の上段に「点灯」して表示する(S25)。LCD5への表示後(S23,S25)、この第1発信者番号表示処理を終了する。
【0036】
第1発信者番号表示処理(S2)が終了すると、図4のS3の処理へ移行し、呼出信号が継続しているか否かを確認する(S3)。呼出信号が継続していれば(S3:Yes)、受話器3が取り上げられたか否か、即ち、オフフック状態であるか否かを確認する(S4)。受話器3がオンフック状態であれば(S4:No)、S3の処理へ移行して、S3及びS4の処理を繰り返す。このS3及びS4の処理の実行中に呼出信号が中断すれば(S3:No)、S2の処理によって表示されたLCD5の上段の表示を消去し(S5)、処理をS1へ移行して、次の呼出信号を待機する(S1)。一方、受話器3が取り上げられて、オフフック状態となれば(S4:Yes)、電話回線を閉結するとともに電話処理を開始する(S6)。
【0037】
電話処理(S6)の実行中に、新たな電話の着呼があると、通話者の受話器3から割り込み音が鳴動され(S7:Yes)、図6に示す第2発信者番号表示処理が実行される(S8)。図6の第2発信者番号表示処理では、通話中、即ち、電話回線が1つ閉結している状態で、コール・ウエイティング・コーラーIDサービスにより交換機29から送信される相手側装置(第2発信者)の電話番号(発信者番号)を受信できたか否かを判断する(S31)。発信者番号を受信した場合には(S31:Yes)、その受信した発信者番号をRAM14内の第2発信者番号メモリ14bへ書き込む(S32)とともに、その第2発信者番号メモリ14bの内容をLCD5の下段へ「点滅」して表示する(S33)。一方、本ファクシミリ装置1がコール・ウエイティング・コーラーIDサービスに加入していても、第2発信者が電話番号の送信を拒否している場合には、交換機29から発信者番号は送信されないので、発信者番号を受信することができない。よって、かかる場合には(S31:No)、第2発信者番号メモリ14bの内容を「0」クリアして(S34)、発信者番号が受信できなかったことを記憶するとともに、「第2発信者」をLCD5の下段へ「点滅」して表示するのである(S35)。LCD5への表示後(S33,S35)、この第2発信者番号表示処理を終了する。
【0038】
このように第2発信者番号表示処理では、第2発信者番号メモリ14bの内容若しくは「第2発信者」をLCD5の下段へ点滅して表示する。よって、通話者は、LCD5の表示内容を見ることにより、通話中に新たに着呼した相手側装置(第2発信者)を、通話中の相手側装置と区別して認識することができるのである。
【0039】
第2発信者番号表示処理(S8)が終了すると、図4のS9の処理へ移行し、切替ボタン4bが押下されたか否かを判断する(S9)。切替ボタン4bが押下されていなければ(S9:No)、処理をS6へ移行して、割り込み音が継続している間中、S6からS9の処理を繰り返す。一方、切替ボタン4bが押下されると(S9:Yes)、通話相手を切り替えるとともに、LCD5の下段に表示される第2発信者の「点滅」表示を「点灯」表示させる(S10)。その後、通話中の相手側装置である第2発信者の点灯表示の横に接続マーク5aを表示する(S11)。これにより通話者は、LCD5の表示内容を見ることにより、通話中の相手側装置と待機中の相手側装置とを識別することができるのである。
【0040】
第2発信者の点灯表示の横に接続マーク5aが表示された後、受話器3がおろされたか否か、即ちオンフック状態となったか否かを確認する(S12)。受話器3がオンフック状態であれば(S12:Yes)、処理をS1へ移行して、次の呼出信号を待機する(S1)。一方、受話器3がオフフック状態のままであれば(S12:No)、処理をS6の電話処理へ移行する。
【0041】
S7の処理において、受話器3から割り込み音が鳴動されなければ(S7:No)、2つの電話回線が閉結中であるのか否かを判断する(S13)。2つの電話回線が閉結中でない場合には(S13:No)、もともと1つの電話回線しか閉結されていないか、或いは、1つの電話回線の閉結中にあった新たな着呼が途絶えたということである。よって、この場合には、新たな着呼(S7:Yes)により実行される第2発信者番号表示処理(S8)によって、LCD5の下段へ第2発信者番号が表示されることを考慮して、LCD5の下段の表示を消去するのである(S14)。消去後は、処理をS12へ移行して、受話器3がオンフック状態であるのか否かを判断する(S12)。
【0042】
一方、S13の処理において、2つの電話回線が閉結中である場合には(S13:Yes)、切替ボタン4bが押下されたか否かを判断する(S15)。切替ボタン4bが押下されていなければ(S15:No)、そのまま通話が継続され、処理をS12へ移行して、受話器3がオンフック状態であるのか否かを判断する(S12)。
【0043】
切替ボタン4bが押下されると(S15:Yes)、通話相手を切り替えるとともに、LCD5の表示上で接続マーク5aの位置を上下逆に移動する(S16)。即ち、接続マーク5aの位置をLCD5の上段から下段へ、或いは、下段から上段へ移動するのである。よって、通話相手が切り替えられても、通話者は、LCD5の表示内容を見ることにより、通話中の相手側装置と待機中の相手側装置を識別することができるのである。接続マーク5aの位置を上下逆に移動した後(S16)、1つの電話回線が開放されたか否かを判断する(S17)。電話回線が開放されていなければ(S17:No)、処理をS12へ移行して、受話器3がオンフック状態か否かを判断する(S12)。
【0044】
一方、2つの電話回線の閉結中に一方の電話回線が開放されると(S17:Yes)、電話回線を開放した発信者の表示をLCD5から消去する(S18)。よって、通話者は、LCD5の表示内容を見ることにより、電話回線が閉結されている相手側装置を認識することができるのである。なお、発信者の表示の消去後は(S18)、残った発信者の表示の横に接続マーク5aを表示し(S19)、図7に示す発信者番号メモリ初期化処理(S20)を実行する。
【0045】
図7の発信者番号メモリ初期化処理では、まず、接続マーク5aのある方の相手側装置(発信者)の表示に対応する第1発信者番号メモリ14aの内容、または、第2発信者番号メモリ14bの内容を第1発信者番号メモリ14aへ書き込む(S41)。書き込み後(S41)、第2発信者番号メモリ14bの内容を「0」クリアする(S42)。「0」クリア後(S42)、第1発信者番号メモリ14aの内容は「0」か否かを判断し(S43)、判断の結果、第1発信者番号メモリ14aの内容が「0」でない場合には(S43:No)、第1発信者番号メモリ14aの内容をLCD5の上段へ点灯して表示する(S44)。一方、第1発信者番号メモリ14aの内容が「0」である場合には、「第1発信者」をLCD5の上段へ点灯して表示するのである(S45)。LCD5の上段への点灯後(S44,S45)、LCD5の下段の表示を消去するとともに(S46)、LCD5の接続マーク5aを消去して(S47)、この発信者番号メモリ初期化処理(S20)を終了する。発信者番号メモリ初期化処理(S20)の終了後は、図4のS12の処理へ移行して、受話器3がオンフック状態であるのか否かを判断する(S12)。
【0046】
なお、請求項1、4または5に記載の表示手段としては、S10、S11、S16、S23、S25、S33及びS35の処理が、請求項1、4または5に記載の識別手段としては、S11、S16、S33、S35の処理が、請求項5記載の消去手段としては、S18の処理が、それぞれ該当する。
【0047】
以上、実施例に基づき本発明を説明したが、本発明は上記実施例に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の改良変形が可能であることは容易に推察できるものである。
【0048】
例えば、本実施例では、図4のフローチャートに示すように、通話中の相手側装置としては、本ファクシミリ装置1へ発呼した発呼側装置を例にして説明した。しかし、本ファクシミリ装置1の発呼先装置を通話中の相手側装置として用いることも当然に可能である。この場合には、発呼先の電話番号を第1発信者番号メモリ14aに記憶するとともに、その第1発信者番号メモリ14aの内容をLCD5の上段に表示するのである。
【0049】
また、本実施例では、相手側装置の情報として、交換機29から送られる相手側装置の電話番号を用い、その電話番号をLCD5へ表示した。しかし、かかる相手側装置の電話番号に代えて、交換機29から送られる相手側装置の電話番号に対応つけて相手側装置の名称を記憶しておき、その記憶された名称を相手側装置の情報としてLCD5へ表示するようにしても良い。
【0050】
【発明の効果】
【0051】
【0052】
【0053】
【0054】
【0055】
請求項1記載の電話装置によれば、1の相手側装置との回線の閉結中に新たに他の相手側装置から着呼があった場合には、回線を閉結している1の相手側装置の情報と新たに着呼した他の相手側装置の情報とが識別可能に表示される。また、回線を閉結している1の相手側装置の情報と新たに着呼した他の相手側装置の情報とが表示装置に上下2段にそれぞれ表示され、回線を閉結している1の相手側装置の情報が表示装置の上段側に表示される一方、他の相手側装置の情報が表示装置の下段側に表示される。よって、通話者は通話中の相手側装置と新たに着呼した他の相手側装置とを識別することができるという効果がある。
【0056】
請求項2記載の電話装置によれば、請求項1記載の電話装置の奏する効果に加え、更に、1の相手側装置または他の相手側装置のいずれか一方の情報を点滅表示、反転表示または太字表示するので、通話者は、表示内容により通話中の相手側装置と新たに着呼した他の相手側装置とを識別することができるという効果がある。
【0057】
請求項3記載の電話装置によれば、請求項1記載の電話装置の奏する効果に加え、更に、1の相手側装置または他の相手側装置のいずれか一方の情報に識別マークを付加して表示するので、通話者は、表示内容により通話中の相手側装置と新たに着呼した他の相手側装置とを識別することができるという効果がある。
【0058】
請求項4記載の電話装置によれば、請求項1から3のいずれかに記載の電話装置の奏する効果に加え、更に、第1受信手段、第2受信手段および記憶手段により受信または記憶される相手側装置の電話番号に基づいて、相手側装置の情報が表示装置へ表示される。よって、通話者は1の相手側装置と他の相手側装置とを認識することができるという効果がある。
【0059】
請求項5記載の電話装置によれば、請求項1から4のいずれかに記載の電話装置の奏する効果に加え、更に、回線が開放された相手側装置の情報は表示装置から消去されるので、2以上の回線の閉結中に1の回線が開放された場合にも、通話者は、表示内容によって回線が閉結されている相手側装置を認識することができるという効果がある。
【0060】
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施例であるファクシミリ装置の斜視図である。
【図2】 上記ファクシミリ装置の電気的構成を示したブロック図である。
【図3】 (a)は、2つの電話回線が同時に閉結している場合におけるLCDの表示内容を示した図であり、(b)は、通話中に新たな着呼があった場合におけるLCDの表示内容を示した図であり、(c)及び(d)は、2つの電話回線が同時に閉結している場合における1行表示のLCDの表示内容を示した図である。
【図4】 着信時の処理を示したフローチャートである。
【図5】 第1発信者番号表示処理を示したフローチャートである。
【図6】 第2発信者番号表示処理を示したフローチャートである。
【図7】 発信者番号メモリ初期化処理を示したフローチャートである。
【符号の説明】
1 ファクシミリ装置(電話装置)
5 液晶表示器(LCD)(表示装置)
14 RAM
14a 第1発信者番号メモリ(記憶手段)
14b 第2発信者番号メモリ
19 ネットワークコントロールユニット(NCU)(第1受信手段及び第2受信手段の一部)
20 モデム(第1受信手段及び第2受信手段の一部)
21 バッファ(第1受信手段及び第2受信手段の一部)
29 交換機
31,32 電話回線(回線)
Claims (5)
- 文字や記号を表示可能な表示装置と、
その表示装置へ回線が閉結されている相手側装置の情報を表示させる表示手段とを備え、
前記表示手段は、1の相手側装置との回線の閉結中に新たに他の相手側装置から着呼があった場合に、その新たに着呼のあった他の相手側装置の情報と回線が閉結されている1の相手側装置の情報とを前記表示装置に上下2段にそれぞれ表示させて、回線が閉結されている1の相手側装置の情報を前記表示装置の上段側に表示させる一方、前記他の相手側装置の情報を前記表示装置の下段側に表示させると共に、回線が閉結されている1の相手側装置の情報と前記他の相手側装置の情報とを識別可能に表示させる識別手段を備えていることを特徴とする電話装置。 - 前記識別手段は、1の相手側装置または他の相手側装置のいずれか一方の情報を点滅表示、反転表示または太字表示させることを特徴とする請求項1記載の電話装置。
- 前記識別手段は、1の相手側装置または他の相手側装置のいずれか一方の情報に識別マークを付加して表示することを特徴とする請求項1記載の電話装置。
- 回線の閉結前に交換機側から送られる相手側装置の電話番号を受信可能な第1受信手段と、回線の閉結中に交換機側から送られる相手側装置の電話番号を受信可能な第2受信手段と、発呼時に発呼先である相手側装置の電話番号を記憶する記憶手段とを備え、
前記表示手段は、前記第1受信手段、第2受信手段および記憶手段により受信または記憶されている相手側装置の電話番号に基づいて、相手側装置の情報を前記表示装置へ表示させることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の電話装置。 - 前記表示手段により前記表示装置に表示されている相手側装置の情報のうち、回線が開放された相手側装置の情報を前記表示装置から消去する消去手段を備えていることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の電話装置。
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