JP3565049B2 - 通信装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、留守番機能を備えた通信装置に関し、特に、メモリの空き容量が少なくなって新たな音声メッセージの記憶が不可能となった場合にも、多くの伝言を残すことができる通信装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
電話装置には、相手側装置(発信者)から送られる音声メッセージを音声メモリや録音テープなどに記憶する留守番機能を備えたものがある。この留守番機能がオン状態に設定されると、電話装置は留守番モードとなり、着呼があった場合、電話回線を自動的に閉結して発信者からの音声メッセージを記憶する。電話装置の使用者は、この記憶された音声メッセージを後で再生することによって、留守中に誰からどんな用件の電話があったのか認識することができる。
【0003】
しかし、この留守番機能を備えた電話装置では、音声メモリや録音テープなどの空き容量が所定量以下になると、それ以上、新たな音声メッセージを記憶することはできない。よって、以降は、留守中に、誰からどんな用件の電話があったのかを認識することができないのである。
【0004】
そこで、特開平8−46881号公報に記載の電話装置(留守番電話装置)では、かかる場合に、発信者に対して、テンキーの押下による電話番号の入力を依頼して、発信者によって入力された電話番号を記憶することにより、留守中に着信のあった発信者を認識するようにしている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特開平8−46881号公報に記載の電話装置では、着信のあった発信者を認識することはできても、その発信者の伝言までは認識することができないという問題点があった。
【0006】
本発明は上述した問題点を解決するためになされたものであり、メモリの空き容量が少なくなって、新たな音声メッセージの記憶が不可能となった場合にも、多くの伝言を残すことができる通信装置を提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
この目的を達成するために請求項1記載の通信装置は、相手側装置から送られる音声メッセージを記憶するメッセージ記憶手段と、そのメッセージ記憶手段に新たな音声メッセージを記憶できるか否かを判断する判断手段とを備え、更に、前記判断手段により前記メッセージ記憶手段への新たな音声メッセージの記憶が不可能であると判断された場合に、前記相手側装置から送られる所定の周波数で構成される伝言データを受信するデータ受信手段と、そのデータ受信手段により受信された伝言データを前記相手側装置の情報に対応つけて記憶するデータ記憶手段と、予め複数の伝言データに対応つけて伝言情報を記憶する情報記憶手段と、前記データ記憶手段に所定件数分の伝言データが蓄積された場合に、その伝言データに対応して前記情報記憶手段に記憶されている伝言情報を、その伝言データを送信した相手側装置の情報と共に出力する出力手段とを備えている。
【0008】
この請求項1記載の通信装置によれば、相手側装置から送られる音声メッセージはメッセージ記憶手段に記憶される。このメッセージ記憶手段へ新たな音声メッセージを記憶できるか否かは判断手段によって判断されるが、その判断手段によりメッセージ記憶手段への新たな音声メッセージの記憶が不可能であると判断された場合には、音声メッセージに代えて、相手側装置から送られる所定の周波数で構成される伝言データがデータ受信手段によって受信される。このデータ受信手段により受信された伝言データは、相手側装置の情報に対応つけてデータ記憶手段に記憶される。データ記憶手段に所定件数分の伝言データが蓄積されると、その伝言データに対応して情報記憶手段に記憶されている伝言情報と、その伝言データを送信した相手側装置の情報とが出力手段によって出力される。
【0009】
請求項2記載の通信装置は、請求項1記載の通信装置において、回線の閉結前に交換機側から送られる相手側装置の識別番号を受信する番号受信手段を備えており、前記データ記憶手段は、前記相手側装置の情報として、その番号受信手段により受信された相手側装置の識別番号を記憶するものであり、前記番号受信手段が回線の閉結前に交換機側から送られる相手側装置の識別番号を受信できない場合には、回線の閉結後に前記相手側装置へその相手側装置の識別番号を2種類の所定の周波数が合成されたDTMF信号で送信することを要求する手段を備え、その手段の要求に応じて前記相手側装置からDTMF信号で送信された識別番号を受信した場合に、前記データ記憶手段は、その識別番号を前記相手側装置の情報として記憶するものである。
【0010】
請求項3記載の通信装置は、請求項1または2に記載の通信装置において、前記出力手段は、記録紙へ印刷を行う印刷手段として構成され、その印刷手段は、前記データ記憶手段に未出力の伝言データが所定件数分蓄積された場合に、その未出力の伝言データに対応して前記情報記憶手段に記憶されている伝言情報を、その未出力の伝言データを送信した相手側装置の情報と共に記録紙へ印刷して出力するものであり、前記データ記憶手段は、その印刷された伝言情報の伝言データを印刷済の伝言データとして記憶するものである。
【0011】
請求項4記載の通信装置は、請求項1から3のいずれかに記載の通信装置において、前記データ受信手段により受信される伝言データは、2種類の所定の周波数が合成されたDTMF信号で構成されている。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好ましい実施例について、図1から図7までの添付図面を参照して説明する。図1は、本発明の一実施例であるファクシミリ装置1の外観斜視図である。ファクシミリ装置1の本体2の側部には、受話器3が取り付けられている。受話器3は、非通話時には本体2に設けられた図示しないフック上に置かれ、通話時にはフックから取り上げられて使用される。前者をオンフック状態、後者をオフフック状態と称している。
【0013】
本体2の上面前部には複数のキー4aを備えた操作パネル4が設けられ、その操作パネル4の左後部には、液晶表示器(LCD)5が設けられている。ファクシミリ装置1は、この操作パネル4上に設けられた複数のキー4aが押下されて操作されるとともに、その操作状態や操作手順などがLCD5へ表示される。
【0014】
操作パネル4およびLCD5の後部には原稿挿入口6が設けられている。ファクシミリ送信される原稿は、この原稿挿入口6に原稿面を下向きにして挿入され、読み取りが行われた後に、本体2の前面であって操作パネル4の下方に設けられた原稿排出口7から排出される。原稿挿入口6の後部には記録紙ホルダ装着部9が設けられており、この記録紙ホルダ装着部9には、複数枚の記録紙P(図5参照)を積層収納可能な記録紙ホルダ10が着脱可能に取り付けられている。記録紙ホルダ10から供給され印刷に使用された記録紙Pは、原稿排出口7の下方に設けられた記録紙排出口8から排出される。また、本体2の一側面には、着呼(呼出信号の着信)に伴う呼出音を鳴動するためのスピーカ28が設けられている。
【0015】
図2は、ファクシミリ装置1の電気的構成を示したブロック図である。ファクシミリ装置1には、CPU11、ROM12、EEPROM13、RAM14、画像メモリ15、音声メモリ16、音声LSI17、ネットワーク・コントロール・ユニット(以下「NCU」と称す)19、モデム20、バッファ21、スキャナ22、符号化部23、復号化部24、プリンタ25、操作パネル4、LCD5及びアンプ27が設けられ、これらはバスライン30を介して互いに接続されている。
【0016】
NCU19は回線制御を行うためのものであり、ファクシミリ装置1は、このNCU19を介して電話回線31に接続されている。また、NCU19は、交換機29から送られる呼出信号や、相手側装置(発信者)の電話番号を示す信号、または、相手側装置から送られるDTMF信号で構成された伝言データなどの各種信号を受信するとともに、操作パネル4上の各キー4a操作に応じた発信時のダイヤル信号を交換機29へ送信したり、更には通話時におけるアナログ音声信号の送受信を行うものである。
【0017】
ここで、DTMF信号は、相手側装置のテンキーが押下されることによって出力される信号であり、2つの単一の周波数を合成した信号である。2つの単一の周波数を合成することによって、「0」から「9」までの数字と、「*」及び「#」の記号とが表される。
【0018】
CPU11は、NCU19を介して送受信される各種信号に従って、バスライン30を介して接続された各部を制御し、ファクシミリ動作や電話動作、即ち、データ通信を実行するものである。ROM12は、このファクシミリ装置1で実行される制御プログラムなどを格納した書換不能なメモリであり、図6及び図7のフローチャートに示すプログラムは、このROM12内に格納されている。
【0019】
EEPROM13は、書換可能な不揮発性のメモリである。EEPROM13へ記憶されたデータは、ファクシミリ装置1の電源オフ後も保持される。このEEPROM13は、伝言データ対応メモリ13aと、第1メッセージメモリ13bと、第2メッセージメモリ13cとを備えている。
【0020】
伝言データ対応メモリ13aは、DTMF信号で構成される伝言データと、その伝言データに対応する伝言情報52(図5参照)とを互いに対応つけて記憶するためのメモリである。この伝言データ対応メモリ13aに記憶される各データは、ファクシミリ装置1の使用者(受信者)による操作パネル4上のキー4a操作によって、予め、互いに対応つけて記憶されている。
【0021】
図3に、伝言データ対応メモリ13aの構成を模式的に示す。図3に示すように、伝言データ対応メモリ13aには、第1伝言データエリア13a1と、伝言情報エリア13a2とが設けられている。第1伝言データエリア13a1は、DTMF信号で構成される伝言データを記憶するためのエリアである。具体的には、「1#」、「2#」及び「3#」の3種類の伝言データが記憶されている。
【0022】
一方、伝言情報エリア13a2は、第1伝言データエリア13a1に記憶されている伝言データに対応する伝言情報52を記憶するためのエリアである。具体的には、「1#」に対応して「折り返し電話して下さい。」という伝言情報52が、「2#」に対応して「又、かけ直します。」という伝言情報52が、更に、「3#」に対応して「至急TEL下さい。」という伝言情報52が記憶されている。
【0023】
図2に示す第1メッセージメモリ13bは、音声メモリ16がメモリフルとなって(音声メモリ16の空き容量が所定量以下となって(以下、同様))新たな音声メッセージを記憶することができない場合に、相手側装置へ送信される応答メッセージを記憶するためのメモリである。具体的には、「只今、留守にしております。折り返し電話を希望される場合は「1#」、かけ直して頂ける場合は「2#」、至急の場合は「3#」を押して下さい。」というメッセージが記憶されている。この第1メッセージメモリ13bの内容を発信者へ送信することにより、発信者に、音声データの入力に替えてDTMF信号による伝言データの入力を依頼することができるのである。
【0024】
第2メッセージメモリ13cは、発信電話番号表示サービス等により発信者番号(発信者の電話番号)を受信できず、かつ、音声メモリ16がメモリフルとなって新たな音声メッセージを記憶することができない場合に、前記した第1メッセージメモリ13bに記憶される応答メッセージの送信後、相手側装置へ送信されるメッセージを記憶するためのメモリである。この第2メッセージメモリ13cには「電話番号を入力して下さい。」というメッセージが記憶されている。このメッセージを送信することにより、発信電話番号表示サービス等により発信者番号を受信できなくても、発信者に電話番号の入力を依頼して、その入力によって発信者の電話番号を認識することができるのである。
【0025】
ここで、発信電話番号表示サービス(「ナンバーディスプレイ」、「Caller ID」)とは、日本をはじめ、アメリカやイギリスなどで実用化されているサービスである。このサービスは、被呼側装置(ファクシミリ装置1)が当該サービスに加入している場合に、交換機から相手側装置の電話番号(発信者番号)を被呼側装置へ送信するサービスである。発信者番号が送信されるタイミングは、日本やイギリスでは、呼出信号の直前の無音区間であり、アメリカでは、最初の呼出信号と次の呼出信号との間の無音区間である。このため発信者番号は、被呼側装置の受話器が取り上げられる前に、その被呼側装置によって受信することができるのである。
【0026】
RAM14は、ファクシミリ装置1の各動作の実行時に各種のデータを一時的に記憶するためのメモリであり、発信者番号メモリ14aと伝言メモリ14bとを備えている。発信者番号メモリ14aは、着呼があった場合に、発信電話番号表示サービス(「ナンバーディスプレー」、「Caller ID」)によって交換機29から送られる発信者番号を一時的に記憶するためのメモリである。着呼があっても交換機29から発信者番号が送信されない場合には、発信者番号メモリ14aの内容を「0」クリアしている。従って、発信者番号メモリ14aの内容を調べて、「0」でなければ、発信者番号メモリ14aに記憶される電話番号の相手側装置からの着呼であると判断でき、一方、発信者番号メモリ14aの内容が「0」であれば、着呼のあった相手側装置の電話番号が交換機29から送信されなかったと判断することができる。
【0027】
伝言メモリ14bは、着信のあった相手側装置の電話番号51と、その相手側装置から送られる伝言データと、その伝言データに対応する伝言情報52を印刷したか否かの判定とを互いに対応つけて記憶するためのメモリである。
【0028】
図4は、この伝言メモリ14bの構成を模式的に示したものである。図4に示すように、伝言メモリ14bには、発信者番号エリア14b1と、第2伝言データエリア14b2と、印刷済判定エリア14b3とが設けられている。発信者番号エリア14b1は、音声メモリ16がメモリフルとなって新たな音声メッセージを記憶することができない場合に、着信のあった相手側装置の電話番号51を記憶するためのエリアである。発信者番号メモリ14aの内容が「0」でない場合には、発信者番号メモリ14aの内容が、この発信者番号エリア14b1へ書き込まれる。一方、発信者番号メモリ14aの内容が「0」である場合には、発信者によるテンキーの押下によって入力され送信された電話番号が、この発信者番号エリア14b1へ書き込まれる。
【0029】
第2伝言データエリア14b2は、音声メモリ16がメモリフルとなって新たな音声メッセージを記憶することができない場合に、相手側装置から送られたDTMF信号で構成される伝言データを記憶するためのメモリである。上述したように、伝言データには「1#」、「2#」および「3#」の3種類があり、これらは発信者によるテンキーの押下によって入力される。入力された伝言データは、相手側装置から送信され、NCU19によって受信された後に、この第2伝言データエリア14b2へ記憶される。
【0030】
印刷済判定エリア14b3は、第2伝言データエリア14b2に記憶されている伝言データを記録紙Pへ印刷したか否かを記憶するためのエリアであり、最初は「N」に設定されている。印刷済判定エリア14b3の内容が「N」である伝言データが第2伝言データエリア14b2に5件分蓄積されると、第2伝言データエリア14b2の内容と、その第2伝言データエリア14b2の内容に対応する発信者番号エリア14b1の内容とがプリンタ25によって記録紙Pへ印刷される。印刷後、その印刷された内容に対応する印刷済判定エリア14b3へは「N」に替えて「Y」が記憶される。
【0031】
図5は、伝言データの記録紙Pへの印刷内容を示した図である。図5に示すように、記録紙Pの左側には、印刷済判定エリア14b3の内容が「N」である発信者番号エリア14b1の内容51、即ち、着信のあった相手側装置の電話番号51が5件分印刷される。その電話番号51の右側には、その電話番号の発信者が入力した伝言データに対応する伝言情報エリア13a2の内容、即ち、伝言情報52が5件分印刷される。揮発性のメモリであるRAM14は、一般的にEEPROM13などの不揮発性のメモリに比べて安価であるので、このRAM14内に伝言メモリ14bは設けられる。しかし、伝言データをRAM14に記憶した場合、停電等の理由によって本ファクシミリ装置1の電源がオフ状態となると、伝言メモリ14bの内容は消えてしまう。そこで、本ファクシミリ装置1では、伝言データが5件分蓄積される毎に、その伝言メッセージを記録紙Pへ印刷して、かかるトラブル等に対処している。
【0032】
画像メモリ15は、通信履歴、画像データ及び印刷のためのビットイメージを記憶するためのメモリであり、安価な大容量メモリであるダイナミックRAM(DRAM)により構成されている。受信された画像データは、一旦画像メモリ15に記憶され、プリンタ25によって記録紙Pに印刷された後に、この画像メモリ15から消去される。一般に、画像データは大容量であるが、画像データが印刷されることを条件にその画像データを消去しているので、画像メモリ15を有効に使用することができる。
【0033】
音声メモリ16は、相手側装置へ送出される応答メッセージや、相手側装置から送られてきた入来メッセージを記憶するためのメモリである。本ファクシミリ装置が留守番モードに設定されている場合には、この音声メモリ16に発信者からの音声メッセージが記憶される。音声メモリ16は、画像メモリ15と同様に、安価な大容量メモリであるダイナミックRAM(DRAM)により構成されている。音声メモリ16に記憶された入来メッセージは、操作パネル4を介して消去操作がなされることにより、或いは、電話回線に接続された他の装置から送られる消去コマンドを受信することによって、消去される。
【0034】
音声LSI17は、NCU19によって受信されたアナログ音声信号をデジタル音声信号に変換する音声認識処理と、ファクシミリ装置1の内部で生成されたデジタル音声信号をアナログ音声信号に変換して、NCU19やスピーカ28(アンプ27)へ出力する音声合成処理とを行うためのものである。モデム20は、画情報及び通信データを変調及び復調して伝送すると共に伝送制御用の各種手順信号を送受信するためのものである。バッファ21は、相手側装置との間で送受信される符号化された画情報を含むデータを一時的に記憶するためのものである。このバッファへ記憶されたデータは、消去操作がなされるまで、或いは上書きがなされるまで保持される。
【0035】
スキャナ22は、原稿挿入口6に挿入された原稿を画像データとして読み取るためのものである。符号化部23は、スキャナ22により読み取られた画像データの符号化を行うものである。復号化部24は、バッファ21または画像メモリ15に記憶された画像データを読み出して、これを復号化するものであり、復号化されたデータは、プリンタ25により記録紙Pに印刷される。アンプ27は、そのアンプ27に接続されたスピーカ28を鳴動して、呼出音や音声を出力するものである。
【0036】
このように構成されたファクシミリ装置1は、NCU19を介して、電話回線31に接続されている。この電話回線31は、ファクシミリ装置1側の交換機29に接続され、この交換機29は電話回線32を介して、他の交換機に接続されている。なお、他の交換機は、更に、電話回線を介して相手側装置に接続されている。
【0037】
次に、図6及び図7のフローチャートを参照して、上記のように構成されたファクシミリ装置1の動作について説明する。図6は、着信処理を示したフローチャートである。ファクシミリ装置1は、交換機29から送られる呼出信号を受信するまで待機しており(S1:No)、呼出信号を受信すると(S1:Yes)、上述した発信電話番号表示サービスによって交換機29から送られる発信者番号を受信したか否かを確認する(S2)。発信者番号を受信した場合には(S2:Yes)、その受信した発信者番号を発信者番号メモリ14aへ書き込む(S3)。
【0038】
一方、本ファクシミリ装置1が発信電話番号表示サービスに加入していても、発信者が電話番号の送信を拒否している場合には、交換機29から発信者番号が送信されない。よって、かかる場合には(S2:No)、発信者番号メモリ14aの内容を「0」クリアして(S4)、発信者番号が受信できなかったことを記憶する。
【0039】
次に、本ファクシミリ装置1が留守番モードに設定されているか否かを判断する(S5)。判断の結果、留守番モードに設定されていなければ(S5:No)、電話処理やファクシミリ受信処理などの各処理を実行する(S6)。このうち電話処理では、着呼に伴って受信者により受話器3が取り上げられると、ファクシミリ装置1によって電話回線が閉結され、発信者と受信者との間で通話が行われる。通話が終了して受信者若しくは発信者により受話器3が下ろされると、この電話処理は終了する。一方、ファクシミリ受信処理では、他のファクシミリ装置から送信される画像データが受信される。電話処理またはファクシミリ受信処理の終了後、この着信処理を終了する。
【0040】
一方、S5の処理において、本ファクシミリ装置1が留守番モードに設定されていれば(S5:Yes)、電話回線を閉結する(S7)。電話回線の閉結後、音声メモリ16がフルとなっているか否かを判断する(S8)。音声メモリ16の空き容量はRAM14内に記憶されているので、かかる空き容量を調べることにより、音声メモリ16がフルであるか否かを判断している。なお、音声メモリ16の空き容量が所定量以下である場合には、音声メモリ16がフルであると判断する。
【0041】
判断の結果、音声メモリ16がフルでなければ(S8:No)、録音処理を実行する(S9)。この録音処理により、発信者の音声メッセージが音声メモリ16へ記憶される。録音処理の終了後は、電話回線を開放して(S11)、この着信処理を終了する。一方、音声メモリ16がフルであれば(S8:Yes)、音声メモリ16に新たな音声メッセージを記憶することができないので、図7に示すメモリフル対応処理を実行する(S10)。
【0042】
図7のメモリフル対応処理は、音声メモリ16がメモリフルとなって新たな音声メッセージを記憶することができない場合に実行される処理である。まず、第1メッセージメモリ13bに記憶されている応答メッセージ、具体的には「只今、留守にしております。折り返し電話を希望される場合は「1#」、かけ直して頂ける場合は「2#」、至急の場合は「3#」を押して下さい。」というメッセージを相手側装置へ送信する(S21)。その後、発信者によるテンキーの押下によって相手側装置から送信されるDTMF信号の伝言データを受信するまで待機し(S22:No)、伝言データを受信すれば(S22:Yes)、受信した伝言データをデジタルデータに変換して、第2伝言データエリア14b2へ書き込む(S23)。
【0043】
伝言データの書き込み後、発信者番号メモリ14aの内容が「0」であるか否かを判断する(S24)。判断結果、発信者番号メモリ14aが「0」である場合には(S24:Yes)、発信電話番号表示サービスによって交換機29から発信者番号が送信されなかったので、発信者の電話番号がわからない。よって、この場合には、発信者の電話番号を送信させるために、第2メッセージメモリ13cに記憶されている応答メッセージ、具体的には「電話番号を入力して下さい。」というメッセージを相手側装置へ送信する(S25)。発信者の電話番号を受信するまで待機し(S26:No)、電話番号を受信すれば(S26:Yes)、その受信した電話番号を発信者番号メモリ14aへ書き込み(S27)、その後、S28の処理へ移行する。
【0044】
一方、S24の処理において、発信者番号メモリ14aの内容が「0」でない場合には(S24:No)、発信電話番号表示サービスによって発信者番号を受信することができたので、発信者に電話番号を入力してもらう必要がなく、S25からS27の処理をスキップして、S28の処理へ移行する。
【0045】
S28の処理では、発信者番号メモリ14aの内容を、第2伝言データエリア14b2の内容に対応つけて発信者番号エリア14b1へ書き込むと共に、対応する印刷済判定エリア14b3へ「N」を書き込むのである(S28)。
【0046】
次に、印刷済判定エリア14b3の内容が「N」である伝言データ(第2伝言データエリア14b2の内容)が5件分蓄積されているか否かを確認する(S29)。5件分の伝言データが蓄積されていれば(S29:Yes)、印刷済判定エリア14b3の内容が「N」である発信者番号エリア14b1の内容(電話番号)51と、印刷済判定エリア14b3の内容が「N」である伝言データに対応する伝言情報エリア13a2の内容52とを、プリンタ25によって記録紙Pへ印刷する(S30)。印刷後、その印刷した伝言データに対応する印刷済判定エリア14b3へ「Y」を書き込み(S31)、このメモリフル対応処理を終了する。なお、メモリフル対応処理(S10)の終了後は、処理を図6のS11へ移行して、電話回線を開放し(S11)、着信処理を終了する。
【0047】
以上説明したように、音声メモリ16の空き容量が少なく、新たな音声メッセージを記憶することができない場合には、相手側装置の発信者に対して、DTMF信号による伝言データの送信を促す。そして、その促しに応じて相手側装置から送信された伝言データを受信すると、その伝言データをデジタルデータに変換して、相手側装置の電話番号と共に伝言メモリ14bに記憶する。各伝言データには、図3に示すように、予め所定のメッセージが対応つけて記憶されているので、伝言メモリ14bには、伝言データをデジタル変換したデータだけを記憶すれば良い。よって、1の伝言データの記憶サイズを極めて小さくすることができるので、メモリの空き容量が少ない場合であっても、多くの伝言データを記憶して、多くの伝言を残すことができるのである。
【0048】
なお、記憶された伝言データは、所定件数毎(5件毎)に、記録紙Pへ印刷されるので、停電などにより伝言メモリ14bの内容が消えてしまっても、その被害を極力少なくすることができるのである。
【0049】
本実施例における請求項1記載の判断手段としては、S8の処理が該当する。また、請求項2記載の相手側装置の識別番号としては、相手側装置の電話番号が該当し、相手側装置の識別番号をDTMF信号で送信することを要求する手段としては、S25の処理が該当する。なお、請求項2記載の「回線の閉結」とは、発信電話番号表示サービスによって送られる発信者番号を受信する際の「電話回線の閉結」ではなく、呼出信号の着信後に行われる「電話回線の閉結」を意図するものである。
【0050】
以上、実施例に基づき本発明を説明したが、本発明は上記実施例に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の改良変形が可能であることは容易に推察できるものである。
【0051】
【発明の効果】
請求項1記載の通信装置によれば、メモリの空き容量が少なくなって、新たな音声メッセージの記憶が不可能となった場合には、音声メッセージに代えて、相手側装置から送られる所定の周波数で構成される伝言データが記憶される。伝言データは、音声メッセージに比べて、データサイズが極めて小さい。よって、メモリの空き容量(残容量)が少ない場合にも、多くの伝言データを記憶して、多くの伝言を残すことができるという効果がある。また、伝言データが所定件数分蓄積されると、その伝言データに対応する伝言情報とその伝言データを送信した相手側装置の情報とが出力手段によって出力される。よって、伝言データの蓄積中に、停電等が発生して該伝言データが消去されてしまうことがあっても、出力されずに消去されてしまう伝言データの数を極力少なくすることができるという効果がある。
【0052】
請求項2記載の通信装置によれば、請求項1記載の通信装置の奏する効果に加え、更に、伝言データは相手側装置の識別番号に対応つけて記憶されるので、本通信装置の使用者に、その伝言の発信者と伝言とを対応つけて認識させることができるという効果がある。しかも、かかる相手側装置の識別番号は、回線の閉結前に交換機側から送られるので、発信者に自己の識別番号の入力という煩雑な操作を強いることがないという効果がある。また、回線の閉結前に交換機側から送られる相手側装置の識別番号を受信できない場合には、回線の閉結後に相手側装置へその相手側装置の識別番号をDTMF信号で送信することを要求し、その要求に応じて相手側装置からDTMF信号で送信された識別番号を受信した場合には、その識別番号を相手側装置の情報として記憶する。よって、回線の閉結前に交換機側から送られる相手側装置の識別番号を受信できない場合にも、相手側装置の識別番号を受信し記憶することができるという効果がある。
【0053】
請求項3記載の通信装置によれば、請求項1または2に記載の通信装置の奏する効果に加え、更に、未出力の伝言データが所定件数分蓄積されると、その未出力の伝言データに対応して記憶されている伝言情報が、その未出力の伝言データを送信した相手側装置の情報と共に記録紙へ印刷され、その印刷された伝言情報の伝言データは印刷済の伝言データとしてデータ記憶手段に記憶される。このように、データ記憶手段に記憶された伝言データに対応する伝言情報を所定件数毎に記録紙へ印刷することにより、停電などによりデータ記憶手段の内容が消えてしまっても、その被害を極力少なくすることができるという効果がある。
【0054】
請求項4記載の通信装置によれば、請求項1から3のいずれかに記載の通信装置の奏する効果に加え、相手側装置から送られる伝言データは、2種類の所定の周波数が合成されたDTMF信号で構成されている。DTMF信号は、ほとんどの通信装置が送信できるように構成されているので、かかるDTMF信号を採用することにより、本通信装置を多くの相手側装置との間で使用することができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例であるファクシミリ装置の斜視図である。
【図2】上記ファクシミリ装置の電気的構成を示したブロック図である。
【図3】伝言データ対応メモリの内容を模式的に示した図である。
【図4】伝言メモリの内容を模式的に示した図である。
【図5】伝言データを記録紙へ印刷した様子を示した図である。
【図6】着信処理を示したフローチャートである。
【図7】メモリフル対応処理を示したフローチャートである。
【符号の説明】
1 ファクシミリ装置(通信装置)
13a 伝言データ対応メモリ(情報記憶手段)
14a 発信者番号メモリ
14b 伝言メモリ(データ記憶手段)
14b1 発信者番号エリア
14b2 第2伝言データエリア
14b3 印刷済判定エリア
16 音声メモリ(メッセージ記憶手段)
19 ネットワークコントロールユニット(NCU)(データ受信手段および番号受信手段の一部)
20 モデム(データ受信手段および番号受信手段の一部)
21 バッファ(データ受信手段および番号受信手段の一部)
25 プリンタ(出力手段,印刷手段)
Claims (4)
- 相手側装置から送られる音声メッセージを記憶するメッセージ記憶手段と、そのメッセージ記憶手段に新たな音声メッセージを記憶できるか否かを判断する判断手段とを備えた通信装置において、
前記判断手段により前記メッセージ記憶手段への新たな音声メッセージの記憶が不可能であると判断された場合に、前記相手側装置から送られる所定の周波数で構成される伝言データを受信するデータ受信手段と、
そのデータ受信手段により受信された伝言データを前記相手側装置の情報に対応つけて記憶するデータ記憶手段と、
予め複数の伝言データに対応つけて伝言情報を記憶する情報記憶手段と、
前記データ記憶手段に所定件数分の伝言データが蓄積された場合に、その伝言データに対応して前記情報記憶手段に記憶されている伝言情報を、その伝言データを送信した相手側装置の情報と共に出力する出力手段とを備えていることを特徴とする通信装置。 - 回線の閉結前に交換機側から送られる相手側装置の識別番号を受信する番号受信手段を備えており、前記データ記憶手段は、前記相手側装置の情報として、その番号受信手段により受信された相手側装置の識別番号を記憶するものであり、
前記番号受信手段が回線の閉結前に交換機側から送られる相手側装置の識別番号を受信できない場合には、回線の閉結後に前記相手側装置へその相手側装置の識別番号を2種類の所定の周波数が合成されたDTMF信号で送信することを要求する手段を備え、
その手段の要求に応じて前記相手側装置からDTMF信号で送信された識別番号を受信した場合に、前記データ記憶手段は、その識別番号を前記相手側装置の情報として記憶するものであることを特徴とする請求項1記載の通信装置。 - 前記出力手段は、記録紙へ印刷を行う印刷手段として構成され、その印刷手段は、前記データ記憶手段に未出力の伝言データが所定件数分蓄積された場合に、その未出力の伝言データに対応して前記情報記憶手段に記憶されている伝言情報を、その未出力の伝言データを送信した相手側装置の情報と共に記録紙へ印刷して出力するものであり、
前記データ記憶手段は、その印刷された伝言情報の伝言データを印刷済の伝言データとして記憶するものであることを特徴とする請求項1又は2に記載の通信装置。 - 前記データ受信手段により受信される伝言データは、2種類の所定の周波数が合成されたDTMF信号で構成されていることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の通信装置。
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