JP3635684B2 - 反射屈折縮小投影光学系、反射屈折光学系、並びに投影露光方法及び装置 - Google Patents

反射屈折縮小投影光学系、反射屈折光学系、並びに投影露光方法及び装置 Download PDF

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、例えば半導体素子又は液晶表示素子等をフォトリソグラフィ工程で製造する際に使用される一括露光型又は走査露光型の投影露光装置における、縮小投影用の投影光学系に適用して好適な反射屈折縮小投影光学系に関し、特に、光学系の要素として反射系を用いることにより、紫外線波長域でサブミクロン単位の解像度を有する1/4倍〜1/5倍程度の反射屈折縮小投影光学系に関する。
【0002】
【従来の技術】
半導体素子又は液晶表示素子等をフォトリソグラフィ工程で製造する際に、レチクル(又はフォトマスク等)のパターン像を投影光学系を介して例えば1/4〜1/5程度に縮小して、フォトレジスト等が塗布されたウエハ(又はガラスプレート等)上に露光する投影露光装置が使用されている。投影露光装置としては、従来は主にステッパーのような一括露光方式が使用されていた。
【0003】
最近、半導体素子等の集積度が一層向上するにつれて、投影露光装置に使用されている投影光学系に要求される解像力も益々高まっている。この要求に応えるためには、露光用の照明光の波長(露光波長)を短波長化するか、又は投影光学系の開口数NAを大きくしなければならない。しかしながら、露光波長が短くなると照明光の吸収のため実用に耐える光学ガラスが限られてくる。特に露光波長が300nm以下となると実用上使える硝材は合成石英と蛍石だけとなる。
【0004】
両者のアッベ数は色収差を補正するのに充分なほど離れていないので、露光波長が300nm以下になった場合、屈折光学系だけで投影光学系を構成したのでは色収差補正が極めて困難となる。また、蛍石は温度変化による屈折率の変化、いわゆる温度特性が悪く、またレンズ研磨の加工上多くの問題を持っているので、多くの部分に使用することはできない。従って、要求される解像力を有する投影光学系を屈折系のみで構成することには非常な困難が伴う。
【0005】
これに対して、反射系のみで投影光学系を構成することも試みられているが、この場合、投影光学系が大型化し、且つ反射面の非球面化が必要となる。ところが、大型の高精度の非球面を製作するのは極めて困難である。
そこで、反射系と使用される露光波長に耐える光学ガラスからなる屈折系とを組み合わせたいわゆる反射屈折光学系で縮小投影光学系を構成する技術が種々提案されている。その一例として、立方体状のプリズムよりなるビームスプリッターを備え、軸上付近の光束を使って一括してレチクルの像を投影する反射屈折投影光学系を有する縮小投影露光装置が、例えば特開平2−66510号公報、特開平3−282527号公報、米国特許(USP)−5089913号、又は特開平5−72478号公報に開示されている。
【0006】
図11はそのような従来の反射屈折縮小投影光学系を示し、この図11において、物体面1のパターンが不図示の照明光学系からの照明光により照明されている。そして、物体面1のパターンからの光束が、焦点距離f1 の第1収斂群G1 を経て立方体状の偏光ビームスプリッター(PBS)2に入射し、偏光ビームスプリッター2のビームスプリッター面2aで反射されたS偏光成分が、1/4波長板3を介して円偏光として凹面反射鏡M2 に入射する。この凹面反射鏡M2 により反射された光束が、逆の円偏光として1/4波長板3に戻り、1/4波長板3を透過してP偏光となった光束が、偏光ビームスプリッター2を透過した後、焦点距離f3 の第3収斂群G3 を介して像面5上に物体面1上のパターンの像を結像する。この場合、偏光ビームスプリッター2、1/4波長板3、及び凹面反射鏡M2 が焦点距離f2 の第2収斂群G2 を構成している。また、凹面反射鏡M2 と像面5との間で光束の反射が繰り返されてフレアーが発生するのを防止するため、偏光ビームスプリッター2及び1/4波長板3を用いて、不要な反射光の偏光角の変動を利用してその不要な反射光を遮断している。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
上述のように従来の反射屈折投縮小影光学系は、偏光ビームスプリッター2を使用することにより、凹面反射鏡M2 に入射する光束とその凹面反射鏡M2 に反射される光束とを分離していた。しかしながら、従来は凹面反射鏡M2 で反射された光束が直接像面5上に物体面1上のパターンの像を形成していたため、凹面反射鏡M2 から偏光ビームスプリッター2に向かう光束径が大きく、その偏光ビームスプリッター2が大型であった。
【0008】
そのため、偏光ビームスプリッター2内のビームスプリッター面2aにおける反射率分布の不均一性、照明光の位相変化、又はビームスプリッター内での照明光の吸収等により、結像特性が劣化するという不都合があった。また、偏光ビームスプリッター2を構成する立方体状のプリズムが大型であるため、ビームスプリッター用の硝材の製造やその光学特性の均一性の保持が非常に困難なものであった。
【0009】
また、従来、焦点深度を深くして且つ解像力を上げる一つの手法として、レチクルのパターン中の所定部分の位相を他の部分からずらす位相シフト法が提案されている(特公昭62−50811号公報参照)。この位相シフト法の効果を更に上げるためには、照明光学系の開口数と結像光学系の開口数との比であるコヒーレンスファクタ(σ値)を可変にすることが望ましい。このようにσ値を可変にするためには、照明光学系若しくは投影光学系(又は両方)に可変開口絞りを設置する必要があるが、従来の偏光ビームスプリッター2を用いた反射屈折縮小投影光学系では、有効な絞り設置部分が何処にもとれず、σ値の可変が困難であるか、又はその可変範囲が狭いという不都合があった。
【0010】
更に、従来の反射屈折縮小投影光学系では、縮小倍率の関係から凹面反射鏡M2 で反射された照明光のウエハ(像面5)までの光路が長く取れないため、この光路中に配置される屈折レンズのレンズ枚数を多くすることができず、十分な結像性能が得られにくいという不都合があった。また、このため、ウエハ側の屈折レンズ端面とウエハとの距離、即ち作動距離(ワーキングディスタンス)が長く取れないという不都合があった。
【0011】
また、従来の反射屈折縮小投影光学系においては、光路の光軸を途中で必ず偏心させる必要があった。しかしながら、このような偏心光学系の偏心部分の調整作業は困難であり、なかなか高精度な光学系を実現できなかった。
また、最近、一括露光方式の投影露光装置とは別に、レチクルとウエハとを投影光学系に対して相対的に走査して露光を行うスリットスキャン方式、又はステップ・アンド・スキャン方式等の走査露光方式も使用されている。しかしながら、従来の反射屈折縮小投影光学系は、一括露光方式用に開発されたものであり、必ずしも走査露光方式に適したものとは言えなかった。
【0012】
本発明は斯かる点に鑑み、従来の偏光ビームスプリッターより小型の光束分離光学系を使用でき、凹面反射鏡から像面までの光路を長く取れると共に、光学系の調整が容易な、結像性能の優れた反射屈折縮小投影光学系を提供することを目的とする。
また、本発明は偏光ビームスプリッター等の光束分離光学系を小型化した上で、開口絞りが配置できる空間を有する反射屈折縮小投影光学系を提供することを目的とする。
【0013】
更に、本発明は、小型の光束分離光学系を使用した上で、走査露光方式の投影露光装置に適用できる反射屈折縮小投影光学系を提供することをも目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明による反射屈折縮小投影光学系は、例えば図1に示す如く、第1面(1)のパターンの縮小像を第2面(5)上に形成する光学系において、正屈折力を有し、その第1面上のパターンの縮小像である第1中間像(7)を形成する屈折型の第1結像光学系(屈折レンズ群G1)と、この第1結像光学系からの光束の少なくとも一部を分離する光束分離手段(8)と、この光束分離手段により分離される光束を反射する凹面反射鏡(M1)を含み、第1中間像(7)の像である第2中間像(10)を形成する正の第2結像光学系(反射屈折レンズ群G2)と、この第2結像光学系からの光束のうちの光束分離手段(8)により分離される光束に基づいて、第2中間像(10)の像である第3中間像を第2面(5)上に形成する屈折型の第3結像光学系(屈折レンズ群G3)と、を有するものである。
【0015】
このとき、その光束分離手段が、プリズム型ビームスプリッタ(8)である場合、第1中間像(7)及び第2中間像(10)の少なくとも一方がそのプリズム型ビームスプリッタの内部に形成されることが望ましい。
一方、その光束分離手段が、例えば図3に示すように第1結像光学系(屈折レンズ群G1)からの光束の一部を反射する部分反射ミラー(12)である場合、第2中間像(7)は、その部分反射ミラーよりも凹面反射鏡(M1)側の光路中に形成されることが望ましい。
【0016】
また、第1結像光学系(屈折レンズ群G1)、第2結像光学系(反射屈折レンズ群G2)、及び第3結像光学系(屈折レンズ群G3)のペッツバール和をそれぞれp1 ,p2 ,及びp3 としたとき、次の各条件が成立することが望ましい。
1 +p3 >0 (1)
2 <0 (2)
|p1 +p2 +p3 |<0.1 (3)
更に、その第1面からその第1中間像への倍率をβ1 、その第1中間像からその第2中間像への倍率をβ2 、及びその第2中間像からその第3中間像への倍率をβ3 としたとき、次の各条件が満足されることが望ましい。
【0017】
0.1≦|β1 |≦1 (4)
0.5≦|β2 |≦2 (5)
0.25≦|β3 |≦1.5 (6)
|β1・β2・β3 |<1 (7)
次に、本発明による反射屈折光学系は、第1面(1)上のパターンの像を第2面(5)上に形成する光学系において、正屈折力を有し、その第1面上のパターンの像である第1中間像を形成する屈折型の第1結像光学系(G1 )と、凹面反射鏡(M1 )を含み、その第1中間像の像である第2中間像を形成する正の第2結像光学系(G2 )と、この第2結像光学系からの光束に基づいて、その第2中間像の像である第3中間像をその第2面上に形成する屈折型の第3結像光学系(G3 )と、その第2結像光学系とその第3結像光学系との間の光路中に配置されて、その第2結像光学系からの光束を反射させる部分ミラー(12)と、を有するものである。
また、本発明による投影露光装置は、投影光学系を用いてレチクル(21)のパターンの縮小像をウエハ(23)上に所定倍率で投影する投影露光装置において、その投影光学系として本発明の反射屈折縮小投影光学系、又は反射屈折光学系を用いるものである。
また、本発明による投影露光方法は、投影光学系を用いてレチクル(21)のパターンの像をウエハ(23)上に所定倍率で投影する投影露光方法において、本発明の投影露光装置を用いて、そのレチクルのパターンの縮小像をそのウエハ上に投影するものである。
【0018】
【作用】
斯かる本発明の反射屈折縮小投影光学系において、図1に示すように光束分離手段としてプリズム型ビームスプリッタ(8)を使用する場合には、走査露光方式にも適用できるが一括露光方式に好適である。この場合、第2結像光学系(反射屈折レンズ群G2)に入射する光束とそれから反射される光束とをプリズム型ビームスプリッタ(8)により分離して後続の光学系に導くと共に、一旦第1中間像(7)として結像した後に更に第2中間像(10)として再結像される位置の近傍、即ち光束が集中して絞り込まれている部分にプリズム型ビームスプリッタ(8)が配置されているため、そのプリズム型ビームスプリッタ(8)が小型化できる。また、軸外光束を用いて輪帯部のみを露光するいわゆるリング視野光学系とは異なり、一括露光方式を取ることができる。
【0019】
更に、その第2中間像(10)からの光束を用いて第3結像光学系(屈折レンズ群G3)により第2面(5)上に再結像する構成であるため、第2面上に配置される例えばウエハから第3結像光学系(G3)のレンズ端面までの長さである作動距離(ワーキングディスタンス)を長く取れる。また、第3結像光学系(G3)中に容易に開口絞り(11)を配置できるため、照明光学系の開口数と投影光学系の開口数との比の値であるコヒーレンスファクタ(σ値)を広い範囲で制御でき、これにより結像特性を制御できる。
【0020】
また、原理的に第3結像光学系(G3)はレンズ枚数をいくらでも増やすことができるため、投影光学系としての開口数NAの値を大きくすることができる。即ち、明るい光学系を得ることができる。
更に、通常の反射光学系では、光学系中のどこかで必ず光路を折り曲げる必要があり、その折り曲げ部での光軸の偏心精度は厳しく製造上で大きな問題となっている。しかしながら、本発明では、例えばプリズム型ビームスプリッタ(8)で第2結像光学系(G2)からの光束を折り曲げるとすると、第1結像光学系(G1)と第2結像光学系(G2)とよりなる光学系の偏心と、第3結像光学系(G3)の偏心とをそれぞれ独立に調整し、しかる後に2つの光学系を直角に結合する構造が採用できるため、原理的に偏心等の調整が容易になっている。
【0021】
これに関して、本発明では偏心感度の比較的低い第1中間像(7)又は第2中間像(10)の近傍にプリズム型ビームスプリッタ(8)が配置されているため、光路を折り曲げる際に偏心が生じても、この偏心の光学性能に与える影響が小さくなっている。
更に、図1に示すように、第2面(5)上の例えばウエハを水平に配置しても、第1面(1)上の例えばレチクル、及び第1結像光学系(G1)は横向きに配置できるため、従来の屈折系よりなる投影光学系に比べて投影光学系全体の高さ、いわゆる縦の長さを低くできる。逆に縦の長さに余裕があるため、光学系の構成に余裕がある。
【0022】
なお、プリズム型ビームスプリッタ(8)での光量損失を減少させるためには、例えば図1に示すように、プリズム型ビームスプリッタ(8)を偏光ビームスプリッタとして、この偏光ビームスプリッタと凹面反射鏡(M1)との間に1/4波長板9を配置することが望ましい。これにより、凹面反射鏡(M1)からの反射光はほぼ全てが偏光ビームスプリッタにより第3結像光学系(G3)に導かれる。
【0023】
次に、図3(a)に示すように光束分離手段として部分ミラー(12)を使用する場合にも基本的な作用はプリズム型ビームスプリッタ(8)を使用する場合とほぼ同様である。更に、部分ミラー(12)を使用する場合には、結像光束をほぼ100%使用できるため、フレアーの発生が抑制される。但し、部分ミラー(12)を使用する場合には、主に光軸から外れた軸外光を使用するため、図3(c)に示すように、第2面(5)において光軸から外れたスリット状の領域(24)が露光領域となる。従って、部分ミラー(12)を使用した場合には、第1面(1)上のレチクル21の全面のパターンを第2面(5)上のウエハ23上に露光するには、レチクル21とウエハ23とを投影倍率に応じた速度で走査する、走査露光方式で露光を行う必要がある。
【0024】
更に、部分ミラー(12)を使用した場合には、図4に示すように軸外の輪帯部分からの光束を使用することも可能であり、この場合には、像面の一部の光学性能のみを考慮すればよいため、より光学性能を向上できる。なお、レチクル21とウエハ23とを走査する方式で、レチクル21をも水平面に配置したい場合には、第1結像光学系(G1)内にミラー等を配置して、光路を折り曲げるようにすればよい。
【0025】
また、例えば図3の部分ミラー(12)において、僅かの画角を持たせるだけで光路を分離できる。即ち、光路分離のために大きな画角を必要としないために、結像性能にも余裕を持つことができる。これに関して、例えば図11の従来の反射屈折投影光学系では、光路分離のために最大で約20°以上の画角が必要であるが、本発明の部分ミラー(12)に入射する光束の画角は約10°程度になっており、収差補正上無理をする必要がない。
【0026】
また、走査露光方式用の投影光学系として所謂リング視野光学系が知られているが、このリング視野光学系では、軸外の輪帯部のみが照明するように構成されている。しかしながら、リング視野光学系では、軸外光束を用いることにより、開口数を大きくすることが困難であり、また光学部材が光軸に関して非対称の構成となるため、光学部材の加工、検査、調整が困難で、精度出しや精度の維持が難しいという不都合がある。これに対して、本発明の場合は画角を大きく取らないので、光束のケラレが少ない構造になっている。
【0027】
次に、本発明において、光学系の性能を更に向上させるためには、先ず光学系全体のペッツバール和を0付近にしなければならない。このため、条件式(1)〜(3)を満たすことが望ましい。
条件式(1)〜(3)を満足することにより、光学性能中の像面の曲がりが抑制され、像面の平坦性が良好になっている。また、条件式(3)の上限を外れると(p1 +p2 +p3 ≧0.1)、像面は物体面(1)側に凹に湾曲し、条件式(3)の下限を越えると(p1 +p2 +p3 ≦−0.1)、像面は物体面(1)側に凸に湾曲し結像性能が著しく劣化する。
【0028】
但し、図4に示すように、軸外の一部の結像光束を使用する場合、即ちリング視野照明の場合には、条件式(1)〜(3)のペッツバールの条件は必ずしも必要ではない。即ち、像面が湾曲していても、像高の一部の光学性能が良好であれば問題ないからである。
次に、第1次結像の倍率β1 、第2次結像の倍率β2 、第3次結像の倍率β3 、全体の結像の倍率βについて条件式(4)〜(7)を満足することにより、無理なく光学系を構成することができる。条件式(4)〜(6)の下限をそれぞれ外れると、縮小倍率がかかり過ぎて、広範囲の露光が困難となる。また、上限を外れると拡大倍率の方になり過ぎ、投影露光装置に適用した場合には本来の縮小投影という使用目的に反することになる。
【0029】
このとき、条件式(4)が満たされているため、全体の光学系の縮小倍率のほとんどを第1結像光学系(G1)でかせぐことができる。この場合には、特にプリズム型ビームスプリッタ(8)又は部分ミラー(12)を小型化できる。
また、本発明を露光装置に適用する場合には、ウエハ等が位置する像面の光軸方向の変動に対して倍率の変化がないようにするために、少なくとも像面側でテレセントリックであることが望ましい。
【0030】
【実施例】
以下、本発明による反射屈折縮小投影光学系の種々の実施例につき図面を参照して説明する。本例は、レチクルのパターンの像をフォトレジストが塗布されたウエハ上に所定倍率で投影する一括露光型、又は走査露光型の投影露光装置の縮小投影光学系に本発明を適用したものである。
【0031】
以下の実施例のレンズ配置では、例えば図5に示すように、凹面反射鏡M1 の反射面(r30)及びミラー面では、それぞれ平面の仮想面(例えばr29)が使用される。そして、レンズの形状及び間隔を表すために、レチクル21のパターン面を第0面として、レチクル21から射出された光がウエハ23に達するまでに通過する面を順次第i面(i=1,2,‥‥)として、第i面の曲率半径ri の符号は、レチクル21からの光束に対して凸の場合を正にとる。また、第i面と第(i+1)面との面間隔をdi とする。また、硝材として、SiO2 は溶融石英を表す。溶融石英の使用基準波長(193nm)に対する屈折率は次のとおりである。
溶融石英の屈折率: 1.5610
【0032】
[第1実施例]
この第1実施例は倍率が1/4倍で、一括露光方式の投影露光装置(ステッパー等)に好適な投影光学系である。
図1は第1実施例の全体の構成を示し、この図1において、物体面1上に転写用のパターンが描画されたレチクル21(図5参照)が載置され、像面5上にフォトレジストが塗布されたウエハ23(図5参照)が載置される。そして、不図示の照明光学系からの露光用の照明光により物体面1上のレチクルが照明され、レチクルを通過した光束は、焦点距離f1 の収斂群である屈折レンズ群G1 を介して第1中間像7を形成し、第1中間像7からの光束は偏光ビームスプリッタ(PBS)8に入射する。偏光ビームスプリッタ8の偏光反射面8aを透過したP偏光の光束は、1/4波長板9を経て凹面反射鏡M1 を含む焦点距離f2 の反射屈折レンズ群G2 で反射された後、再び1/4波長板9を経てS偏光の光束として偏光ビームスプリッタ8に戻り、偏光ビームスプリッタ8内に第2中間像10を形成する。なお、反射屈折レンズ群G2 は、実際には図5に示すように屈折レンズを含んでいる。
【0033】
第2中間像10からのS偏光の光束は、ほぼ全部が偏光反射面8aで反射された後、焦点距離f3 の収斂群である屈折レンズ群G3 を介して像面5上のウエハ上にレチクルパターンの縮小像を形成する。また、屈折レンズ群G1 の光軸AX1 に沿って屈折レンズ群G1 の瞳面付近に開口絞り6が配置され、屈折レンズ群G3 の光軸AX2 に沿って屈折レンズ群G3 の瞳面付近に開口絞り11が配置されている。
【0034】
本実施例では、偏光反射面8aから凹面反射鏡M1 側に第2中間像10が形成されているため、特に偏光ビームスプリッタ8を小型化できる。
次に、第1実施例の具体的なレンズ配置は図5のようになっている。但し、図5においては、図1における1/4波長板9は省略されている。
図5に示すように、屈折レンズ群G1 はレチクル21側から順に、レチクル21に凸面を向けた負メニスカスレンズL11、レチクル21に凹面を向けた負メニスカスレンズL12、両凸レンズ(以下、単に「凸レンズ」という)L13、凸レンズL14、レチクル21に凸面を向けた負メニスカスレンズL15、レチクル21に凹面を向けた負メニスカスレンズL16、凸レンズL17、凸レンズL18、凸レンズL19、両凹レンズ(以下、単に「凹レンズ」という)レンズL1A、凸レンズL1B、及び凸レンズL1Cより構成され、反射屈折レンズ群G2 は、レチクル21に凹面を向けた負メニスカスレンズL20及び凹面反射鏡M1 よりなる。
【0035】
更に、屈折レンズ群G3 は、凸レンズL31、レチクル21(偏光ビームスプリッタ8)に凸面を向けた正メニスカスレンズL32、レチクル21に凸面を向けた負メニスカスレンズL33、凸レンズL34、凸レンズL35、凸レンズL36、レチクル21に凹面を向けた負メニスカスレンズレンズL37、レチクル21に凹面を向けた負メニスカスレンズL38、レチクル21に凹面を向けた正メニスカスレンズL39、レチクル21に凹面を向けた負メニスカスレンズL3A、凸レンズL3B、レチクル21に凸面を向けた負メニスカスレンズL3C、レチクル21に凸面を向けた正メニスカスレンズL3D、及びレチクル21に凸面を向けた負メニスカスレンズL3Eより構成されている。そして、屈折レンズ群G1 内のフーリエ変換面、即ち凸レンズL17と凸レンズL18との間に開口絞り6が配置され、屈折レンズ群G3 内のフーリエ変換面の近傍、即ち負メニスカスレンズレンズL37のレチクル側の面の近傍に開口絞り11が配置されている。
【0036】
全系の縮小倍率は1/4倍であり、ウエハ23側(像側)の開口数NAは0.5、物体高は60mmである。
屈折レンズは全て溶融石英よりなる一種類の光学ガラスを使っているが、紫外線エキシマレーザー光の193nmの波長における、1nmの波長幅に対して、軸上及び倍率の色収差が補正されている。また、球面収差、コマ収差、非点収差、及び歪曲収差もそれぞれ無収差に近い状態まで良好に補正された優れた結像性能の光学系である。
【0037】
図5の第1実施例における曲率半径ri 、面間隔di 及び硝材を次の表1に示す。以下の表において、第29面、及び第34面はそれぞれ凹面反射鏡M1 及び偏光ビームスプリッタ8の偏光反射面を示す仮想面である。
【0038】
【表1】
Figure 0003635684
【0039】
また、図6(a)〜(c)は第1実施例の縦収差図、図6(d)は第1実施例の倍率色収差図、図6(e)は第1実施例の横収差図を示す。これらの収差図において、符号J、P及びQはそれぞれ使用基準波長(193nm)、192.5nm、及び193.5nmでの特性を示す。
更に、本実施例の投影光学系の高さはほぼ屈折レンズ群G3 によって決まるが、屈折レンズ群G3 の高さはせいぜい600mm程度であり、従来の屈折系よりなる投影光学系の高さの約1/2程度である。
【0040】
なお、本実施例では図1に示すように、屈折レンズ群G1 からの光束の内の偏光ビームスプリッタ8を透過した光束を反射屈折レンズ群G2 に導いているが、図2に示すように、屈折レンズ群G1 からの光束の内の偏光ビームスプリッタ8で反射された光束を1/4波長板9を介して反射屈折レンズ群G2 に導いてもよい。この場合は、反射屈折レンズ群G2 内の凹面反射鏡M2 で反射された光束が、1/4波長板9を介してP偏光として偏光ビームスプリッタ8内に第2中間像10を形成し、第2中間像10からの光束のほぼ全部が偏光反射面8aを透過した後、屈折レンズ群G3 を介してウエハ上にレチクルパターン像を形成する。
【0041】
[第2実施例]
この第2実施例は倍率が1/4倍の、走査露光方式の投影露光装置に好適な投影光学系である。
図3(a)は第2実施例の全体の構成を示し、この図3(a)において、物体面1上にレチクル21が載置され、像面5上にウエハ23が載置される。図3(b)は、図3(a)においてレチクル21を屈折レンズ群G1 の方向に見た側面図であり、レチクル21上で投影光学系の光軸から僅かに外れたスリット状の照明領域22が不図示の照明光学系からの照明光により照明されている。
【0042】
その照明領域22を通過した光束は、図3(a)において、屈折レンズ群G1 を介して第1中間像7を形成し、第1中間像7からの光束は光軸AX1 の下半分を覆うように光軸AX1 にほぼ45°で設置されたミラー(以下、「部分ミラー」という)12の側面を通過して凹面反射鏡M1 を含む反射屈折レンズ群G2 で反射された後、部分ミラー12の手前で第2中間像10を形成する。なお、反射屈折レンズ群G2 は、実際には図7に示すように屈折レンズを含んでいる。
【0043】
第2中間像10からの光束は、部分ミラー12で反射された後、屈折レンズ群G3 を介して像面5上のウエハ23上にレチクルパターンの縮小像を形成する。また、屈折レンズ群G1 の瞳面付近に開口絞り6が配置され、屈折レンズ群G3 の瞳面付近に開口絞り11が配置されている。
図3(c)は、図3(a)におけるウエハ23の平面図であり、図3(c)に示すように、ウエハ23上で光軸AX2 から僅かに外れたスリット状の露光領域24にレチクルパターンの縮小像が投影されている。従って、レチクル21の全面のパターンをウエハ23上に露光するためには、全系の倍率をβとして、図3(a)において、レチクル21を下方向(又は上方向)に速度VR で走査するのと同期して、ウエハ23を右方向(又は左方向)に速度VW(=β・VR)で走査すればよい。
【0044】
本実施例では、部分ミラー12から凹面反射鏡M1 側に第2中間像10が形成されているため、特に投影光学系の縦方向の幅を小さくできる。
次に、第2実施例の具体的なレンズ配置は図7のようになっている。
図7に示すように、屈折レンズ群G1 はレチクル21側から順に、レチクル21に凸面を向けた正メニスカスレンズL11、レチクル21に凸面を向けた負メニスカスレンズL12、レチクル21に凹面を向けた負メニスカスレンズL13、レチクル21に凹面を向けた正メニスカスレンズL14、凸レンズL15、レチクル21に凹面を向けた正メニスカスレンズL16、レチクル21に凸面を向けた負メニスカスレンズL17、レチクル21に凹面を向けた負メニスカスレンズL18、凸レンズL19、レチクル21に凹面を向けた正メニスカスレンズL1A、レチクル21に凹面を向けた正メニスカスレンズL1B、凸レンズL1C、レチクル21に凹面を向けた負メニスカスレンズL1D、レチクル21に凹面を向けた正メニスカスレンズL1E、及びレチクル21に凸面を向けた正メニスカスレンズL1Fより構成され、反射屈折レンズ群G2 は、レチクル21に凹面を向けた負メニスカスレンズL20及び凹面反射鏡M1 よりなる。
【0045】
更に、屈折レンズ群G3 は、凸レンズL31、凸レンズL32、レチクル21(部分ミラー12)に凸面を向けた負メニスカスレンズL33、レチクル21に凹面を向けた正メニスカスレンズL34、凸レンズL35、レチクル21に凸面を向けた正メニスカスレンズL36、レチクル21に凹面を向けた負メニスカスレンズレンズL37、レチクル21に凹面を向けた正メニスカスレンズL38、レチクル21に凹面を向けた負メニスカスレンズL39、凸レンズL3A、レチクル21に凸面を向けた負メニスカスレンズL3B、レチクル21に凸面を向けた正メニスカスレンズL3C、及びレチクル21に凸面を向けた負メニスカスレンズL3Dより構成されている。そして、屈折レンズ群G1 内のフーリエ変換面の近傍、即ち正メニスカスレンズL1Bに対してレチクル21側の近傍の面に開口絞り6が配置され、屈折レンズ群G3 内のフーリエ変換面の近傍、即ち正メニスカスレンズレンズL38のレチクル側の面の近傍に開口絞り11が配置されている。
【0046】
全系の縮小倍率は1/4倍であり、ウエハ23側(像側)の開口数NAは0.45、物体高は60mmである。
屈折レンズは全て溶融石英よりなる一種類の光学ガラスを使っているが、紫外線エキシマレーザー光の193nmの波長における、1nmの波長幅に対して、軸上及び倍率の色収差が補正されている。また、球面収差、コマ収差、非点収差、及び歪曲収差もそれぞれ良好に補正された優れた結像性能の光学系である。
【0047】
図7の第2実施例における曲率半径ri 、面間隔di 及び硝材を次の表2に示す。以下の表において、第34面は凹面反射鏡M1 の反射面を示す仮想面である。
【0048】
【表2】
Figure 0003635684
【0049】
また、図8(a)〜(c)は第2実施例の縦収差図、図8(d)は第2実施例の倍率色収差図、図8(e)は第2実施例の横収差図を示す。
なお、この第2実施例は走査型露光装置用として示してあるが、一括露光方式の投影露光装置にも適用できる。
【0050】
[第3実施例]
この第3実施例は倍率が1/4倍の、走査露光方式の投影露光装置に好適な投影光学系である。この第3実施例は、第2実施例と同様に部分ミラーを使用する例であるが、第2実施例よりも更に軸外の光束を使用している。
図4(a)は第3実施例の全体の構成を示し、図3(a)に対応する部分に同一符号を付して示す図4(a)において、物体面1上にレチクル21が載置され、像面5上にウエハ23が載置される。この場合、レチクル21を屈折レンズ群G1 の方向に見た側面図である図4(b)に示すように、レチクル21上で投影光学系の光軸から大きく外れた円弧状の照明領域22Aが照明されている。
【0051】
その照明領域22Aを通過した光束は、図4(a)において、屈折レンズ群G1 、凹面反射鏡M1 を含む反射屈折レンズ群G2 、部分ミラー12、及び屈折レンズ群G3 を介してウエハ23上の円弧状の露光領域24A(図4(c)参照)にレチクルパターンの縮小像を形成する。この場合、レチクル21の全面のパターンをウエハ23上に露光するためには、図4(a)において、レチクル21を下方向(又は上方向)に走査するのと同期して、ウエハ23を右方向(又は左方向)に走査すればよい。
【0052】
但し、本実施例では、部分ミラー12から屈折レンズ群G3 側に第2中間像10が形成されている。
次に、第3実施例の具体的なレンズ配置は図9のようになっている。
図9に示すように、屈折レンズ群G1 はレチクル21側から順に、レチクル21に凸面を向けた正メニスカスレンズL11、レチクル21に凸面を向けた負メニスカスレンズL12、レチクル21に凹面を向けた負メニスカスレンズL13、レチクル21に凹面を向けた正メニスカスレンズL14、凸レンズL15、レチクル21に凹面を向けた負メニスカスレンズL16、レチクル21に凸面を向けた負メニスカスレンズL17、レチクル21に凹面を向けた負メニスカスレンズL18、凸レンズL19、レチクル21に凹面を向けた正メニスカスレンズL1A、レチクル21に凹面を向けた正メニスカスレンズL1B、凸レンズL1C、レチクル21に凹面を向けた負メニスカスレンズL1D、レチクル21に凹面を向けた負メニスカスレンズL1E、及びレチクル21に凸面を向けた正メニスカスレンズL1Fより構成され、反射屈折レンズ群G2 は、レチクル21に凹面を向けた負メニスカスレンズL20及び凹面反射鏡M1 よりなる。
【0053】
更に、屈折レンズ群G3 は、レチクル21(部分ミラー12)に凹面を向けた正メニスカスレンズL31、凸レンズL32、凹レンズL33、レチクル21に凹面を向けた正メニスカスレンズL34、凸レンズL35、レチクル21に凸面を向けた正メニスカスレンズL36、レチクル21に凹面を向けた負メニスカスレンズL37、レチクル21に凹面を向けた正メニスカスレンズL38、レチクル21に凹面を向けた負メニスカスレンズL39、レチクル21に凸面を向けた正メニスカスレンズL3A、凸レンズL3B、レチクル21に凸面を向けた正メニスカスレンズL3C、及びレチクル21に凸面を向けた負メニスカスレンズL3Dより構成されている。そして、屈折レンズ群G1 内のフーリエ変換面の近傍、即ち正メニスカスレンズL1Bと凸レンズL1Cとの間に開口絞り6が配置され、屈折レンズ群G3 内のフーリエ変換面の近傍、即ち負メニスカスレンズL37のレンズ枠が開口絞りとなっている。
【0054】
全系の縮小倍率は1/4倍であり、ウエハ23側(像側)の開口数NAは0.5、物体高は60mmである。また、図4(c)に示すウエハ上のスリット状の露光領域24Aの走査方向の幅は4mmである。
屈折レンズは全て溶融石英よりなる一種類の光学ガラスを使っているが、紫外線エキシマレーザー光の193nmの波長における、1nmの波長幅に対して、軸上及び倍率の色収差が補正されている。また、球面収差、コマ収差、非点収差、及び歪曲収差もそれぞれ良好に補正された優れた結像性能の光学系である。
【0055】
図9の第3実施例における曲率半径ri 、面間隔di 及び硝材を次の表3に示す。以下の表において、第34面は凹面反射鏡M1 の反射面を示す仮想面である。
【0056】
【表3】
Figure 0003635684
【0057】
また、図10(b),(c)は第3実施例の縦収差図、図10(d)は第3実施例の倍率色収差図、図10(e)は第3実施例の横収差図を示す。
次に、本発明では条件式(1)〜(6)を満足することが望ましいとされているが、以下に、上述の各実施例とそれらの条件式との対応につき説明する。先ず、上述の各実施例における凹面反射鏡M1 の曲率半径r、各レンズ群Gi(i=1〜3)の焦点距離fi 、ペッツバール和pi 、見かけの屈折率ni 、結像倍率βi 、屈折レンズ群G1 と反射屈折レンズ群G2 との合成系の倍率βij、及び屈折レンズ群G3 の倍率β3 は表4〜表6のようになっている。但し、全系をGT で表し、全系GT に対応するペッツバール和pi 及び結像倍率βi の欄にはそれぞれ全系のペッツバール和p及び結像倍率βを示している。
【0058】
【表4】
Figure 0003635684
【0059】
【表5】
Figure 0003635684
【0060】
【表6】
Figure 0003635684
【0061】
更に、表4〜表6に基づいて、各実施例において、(p1 +p3 )、p2 、|p1 +p2 +p3 |、|β1 |、|β2 |、及び|β3 |の値を求めると次の表7のようになる。
【0062】
【表7】
Figure 0003635684
【0063】
この表より、上述の各実施例では何れも条件式(1)〜(6)の条件が満足されていることが分かる。
なお、上述実施例においては、部分ミラーとして、光軸に対して半面側を覆う小型のミラーが使用されているが、部分ミラーとして、大型のガラス板で且つ光軸に対して半面側にのみ反射膜が形成された部分反射ミラーを使用してもよい。その他に、プリズム型のビームスプリッタで、反射面としての接合面の例えば下半分にのみ反射膜を形成したものを部分ミラーとして使用してもよい。
【0064】
また、上述の各実施例においては、屈折光学系を構成する硝材として石英が使用されているが、蛍石等の光学ガラスを使用してもよい。
このように、本発明は上述実施例に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の構成を取り得る。
【0065】
【発明の効果】
本発明によれば、第1面(物体面)と凹面反射鏡との間で第1次結像を行い、凹面反射鏡と第2面(像面)との間で第2次結像を行っているため、凹面反射鏡に入射する光束とそれから反射される光束とを分離するための光束分離手段を小型化できる利点がある。また、その第2次結像による像を第3結像光学系を介して第2面にリレーしているため、凹面反射鏡から像面までの光路を十分長く取れ、作動距離も長くできる利点がある。また、第1結像光学系による結像倍率を所定範囲で自由に選ぶことができるので、優れた光学性能状態を実現できる。
【0066】
更に、例えば第1結像光学系若しくは第3結像光学系(又は両方)内に開口絞りを配置できるため、コヒーレンスファクタ(σ値)を自在に制御できる利点がある。
また、従来の反射屈折光学系においては、光軸が偏心するために調整作業が困難で、なかなか設計通りの結像性能を実現することができなかった。しかしながら、本発明による反射屈折縮小投影光学系では、第1中間像又は第2中間像付近で光路を折り曲げる構成であるため、偏心誤差の結像特性に対する悪影響が少ない優れた利点がある。更に、例えば第2中間像付近で光路を折り曲げる場合には、第1結像光学系と第2結像光学系とが一体となっており、それと第3結像光学系とが互いに独立に調整でき、その後で2つの光学系を光軸をほぼ垂直にして配置すればよいため、偏心等の調整がし易くなっている。
【0067】
次に、光束分離手段としてプリズム型ビームスプリッタを使用する場合には、小型のプリズム型ビームスプリッタが使用できるため、ビームスプリッターの半透過面における特性の不均一性に起因する結像特性の悪化を小さくできると共に、軸外光束を用いて輪帯部のみを投影するリング視野光学系とは異なり、高い開口数で一括露光方式を取ることができる利点がある。
【0068】
一方、光束分離手段として部分ミラーを使用した場合には、入射する光束をほぼ100%利用できるため、フレア等の問題がなくなる。但し、主に軸外光束が使用されて、良像範囲が矩形、又は円弧状等の領域になるため、露光装置に適用した場合には、走査露光方式に好適である。
次に、条件式(1)〜(3)を満足するようにした場合には、容易に光学系全体のペッツバール和がほぼ0となり、投影像面がほぼ平坦になる。更に、条件式(4)〜(6)を満足することにより、倍率配分に無理がなくなり、容易に光学系を構成できるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による反射屈折縮小投影光学系の第1実施例の概略構成を示す光路図である。
【図2】第1実施例の変形例を示す光路図である。
【図3】本発明の第2実施例の概略構成、及び露光視野等を示す図である。
【図4】本発明の第3実施例の概略構成、及び露光視野等を示す図である。
【図5】本発明の第1実施例の投影光学系を示す光路図である。
【図6】第1実施例の収差図である。
【図7】第2実施例の投影光学系を示す光路図である。
【図8】第2実施例の収差図である。
【図9】第3実施例の投影光学系を示す光路図である。
【図10】第3実施例の収差図である。
【図11】従来の反射屈折投影光学系を示す光路図である。
【符号の説明】
1 物体面
5 像面
6,11 開口絞り
7 第1中間像
8 偏光ビームスプリッタ(PBS)
9 1/4波長板
10 第2中間像
12 部分ミラー
21 レチクル
23 ウエハ
1 屈折レンズ群
2 反射屈折レンズ群
3 屈折レンズ群
1,M2 凹面反射鏡

Claims (16)

  1. 第1面上のパターンの縮小像を第2面上に形成する光学系において、
    正屈折力を有し、前記第1面上のパターンの縮小像である第1中間像を形成する屈折型の第1結像光学系と;
    該第1結像光学系からの光束の少なくとも一部を分離する光束分離手段と;
    該光束分離手段により分離される光束を反射する凹面反射鏡を含み、前記第1中間像の像である第2中間像を形成する正の第2結像光学系と;
    前記第2結像光学系からの光束のうちの前記光束分離手段により分離される光束に基づいて、前記第2中間像の像である第3中間像を前記第2面上に形成する屈折型の第3結像光学系と;
    を有することを特徴とする反射屈折縮小投影光学系。
  2. 前記光束分離手段は、プリズム型ビームスプリッタであり、前記第1中間像及び第2中間像の少なくとも一方が前記プリズム型ビームスプリッタの内部に形成されることを特徴とする請求項1記載の反射屈折縮小投影光学系。
  3. 前記光束分離手段は、部分的に光束を反射する部分反射ミラーであり、前記第2中間像は、前記部分反射ミラーよりも前記凹面反射鏡側の光路中に形成されることを特徴とする請求項1記載の反射屈折縮小投影光学系。
  4. 前記光束分離手段は、光軸に対して半面側を覆う小型のミラーを有することを特徴とする請求項1記載の反射屈折縮小投影光学系。
  5. 前記第1結像光学系、第2結像光学系、及び第3結像光学系のペッツバール和をそれぞれp1 ,p2 ,及びp3 としたとき、
    1 +p3 >0、p2 <0、及び|p1 +p2 +p3 |<0.1
    の各条件が成立すると共に、前記第1面から前記第1中間像への倍率をβ1 、前記第1中間像から前記第2中間像への倍率をβ2 、及び前記第2中間像から前記第3中間像への倍率をβ3 としたとき、
    0.1≦|β1 |≦1、
    0.5≦|β2 |≦2、
    0.25≦|β3 |≦1.5、
    及び|β1 ・β2 ・β3 |<1
    の各条件を満足することを特徴とする請求項1〜の何れか一項記載の反射屈折縮小投影光学系。
  6. 第1面上のパターンの像を第2面上に形成する光学系において、
    正屈折力を有し、前記第1面上のパターンの像である第1中間像を形成する屈折型の第1結像光学系と;
    凹面反射鏡を含み、前記第1中間像の像である第2中間像を形成する正の第2結像光学系と;
    前記第2結像光学系からの光束に基づいて、前記第2中間像の像である第3中間像を前記第2面上に形成する屈折型の第3結像光学系と;
    前記第2結像光学系と前記第3結像光学系との間の光路中に配置されて、前記第2結像光学系からの光束を反射させる部分ミラーと;
    を有することを特徴とする反射屈折光学系。
  7. 投影光学系を用いてレチクルのパターンの縮小像をウエハ上に所定倍率で投影する投影露光装置において、
    前記投影光学系は請求項1〜5の何れか一項記載の反射屈折縮小投影光学系を備えることを特徴とする投影露光装置。
  8. 前記投影露光装置は、前記投影光学系を用いて前記レチクルのパターンの像を前記ウエハ上に所定倍率で投影すると共に、前記レチクルと前記ウエハとを前記投影光学系に対して相対的に走査して露光を行う走査型投影露光装置であって、
    前記投影光学系の倍率をβとするとき、前記レチクルを速度VR で走査するのと同期して前記ウエハをβ・VR で走査することを特徴とする請求項7記載の投影露光装置。
  9. 第1面上に配置されるレチクルのパターンの像を、投影光学系を介して第2面上に配置されるウエハ上に所定倍率で投影する投影露光装置において、
    前記投影光学系は、
    正屈折力を有し、前記第1面上のパターンの縮小像である第1中間像を形成する屈折型の第1結像光学系と;
    凹面反射鏡を含み、前記第1中間像の像である第2中間像を形成する正の第2結像光学系と;
    前記第2結像光学系からの光束に基づいて、前記第2中間像の像である第3中間像を前記第2面上に形成する屈折型の第3結像光学系と;
    前記第2結像光学系と前記第3結像光学系との間の光路中に配置されて、前記第2結像光学系からの光束を反射させる部分ミラーと;
    を有することを特徴とする投影露光装置。
  10. 前記第1結像光学系、第2結像光学系、及び第3結像光学系のペッツバール和をそれぞれp1 ,p2 ,及びp3 としたとき、
    1 +p3 >0、p2 <0、及び|p1 +p2 +p3 |<0.1
    の各条件が成立すると共に、前記第1面から前記第1中間像への倍率をβ1 、前記第1中間像から前記第2中間像への倍率をβ2 、及び前記第2中間像から前記第3中間像への倍率をβ3 としたとき、
    0.1≦|β1 |≦1、
    0.5≦|β2 |≦2、
    0.25≦|β3 |≦1.5、
    及び|β1 ・β2 ・β3 |<1
    の各条件を満足することを特徴とする請求項9記載の投影露光装置。
  11. 前記投影露光装置は、前記レチクルと前記ウエハとを前記投影光学系に対して相対的に走査して露光を行う走査型の投影露光装置であって、
    前記投影光学系の倍率をβとするとき、前記レチクルを速度VR で走査するのと同期して前記ウエハをβ・VR で走査することを特徴とする請求項9又は10記載の投影露光装置。
  12. 前記レチクルと前記ウエハとは共に水平に配置されることを特徴とする請求項11記載の投影露光装置。
  13. 前記第1結像光学系中に配置されたミラーを有することを特徴とする請求項12記載の投影露光装置。
  14. 前記第2面上に光軸から外れたスリット状の露光領域を形成することを特徴とする請求項11、12、又は13記載の投影露光装置。
  15. 前記第1結像光学系及び前記第3結像光学系の少なくとも一方に配置されてコヒーレンスファクタを制御するための開口絞りを有することを特徴とする請求項7〜14の何れか一項記載の投影露光装置。
  16. 投影光学系を用いてレチクルのパターンの像をウエハ上に所定倍率で投影する投影露光方法において、
    請求項7〜14の何れか一項記載の投影露光装置を用いて、前記レチクルのパターンの縮小像を前記ウエハ上に投影することを特徴とする投影露光方法。
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