JP4644935B2 - 投影光学系および該投影光学系を備えた露光装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、投影光学系および該投影光学系を備えた露光装置に関し、特にマイクロデバイス(半導体素子、液晶表示素子、撮像素子、薄膜磁気ヘッド等)をフォトリソグラフィ工程で製造する際に使用される露光装置に好適な投影光学系に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、パソコンやテレビ等の表示素子として、液晶表示パネルが多用されるようになっている。液晶表示パネルは、ガラス基板(プレート)上に透明薄膜電極をフォトリソグラフィの手法で所望の形状にパターンニングすることによって製造される。このフォトリソグラフィ工程のための装置として、マスク上に形成された原画パターンを例えば屈折型の投影光学系を介してプレート上のフォトレジスト層に投影露光する露光装置が用いられている。特に、最近では、低温ポリ(多結晶)シリコンを用いた液晶表示パネルにより高精細化が要望されており、広い視野に亘って高い解像力を有する露光装置が望まれている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
一般に、高解像力を有する露光装置を実現するには、搭載される投影光学系の開口数を大きく設定する必要がある。一方、投影光学系の焦点深度は、開口数の二乗に反比例する。このため、開口数が大きく設定された高解像力を有する投影光学系においては、焦点深度が狭くなるので、発生する像面湾曲収差量を極力小さく抑えることが望まれる。たとえば、この種の投影光学系を屈折光学部材だけで構成すると、屈折光学部材の所要数が非常に多くなり、装置の高コスト化を招くという不都合があった。
【0004】
本発明は、前述の課題に鑑みてなされたものであり、比較的少ない点数の光学部材で構成されされているにもかかわらず、広い投影視野に亘って良好な光学性能を有する投影光学系を提供することを目的とする。また、広い投影視野に亘って良好な光学性能を有する本発明の投影光学系を用いて、高解像な投影露光を行うことのできる露光装置および露光方法を提供することを目的とする。さらに、高解像な投影露光を行うことのできる本発明の露光装置または露光方法を用いて、大面積を有する良好なマイクロデバイスを製造することのできるマイクロデバイス製造方法を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するために、本発明の第1発明では、第1物体の像を第2物体上に形成する投影光学系において、
前記第1物体からの光に基づいて前記第1物体の第1中間像を形成するための第1結像光学系と、
前記第1結像光学系を介した光に基づいて前記第1物体の第2中間像を形成するための第2結像光学系と、
前記第2結像光学系を介した光に基づいて前記第1物体の最終像を前記第2物体上に形成するための第3結像光学系とを備え、
前記第2結像光学系は、少なくとも凹面反射鏡を含み、
前記第1結像光学系および前記第3結像光学系のうちいずれか一方の結像光学系は、光を偏向させるための偏向部材を有することを特徴とする投影光学系を提供する。
【0006】
第1発明の好ましい態様によれば、前記偏向部材は、前記第1物体上の任意の一点からの光束がほぼ平行光束となる光路中に位置決めされている。また、前記偏向部材は、前記第1結像光学系および前記第3結像光学系のうちいずれか一方の結像光学系の瞳位置の近傍に位置決めされていることが好ましい。
【0007】
また、第1発明の好ましい態様によれば、前記第1結像光学系は、第1物体側から順に、第1部分光学系と、該第1部分光学系を介した光を所定の直線偏光状態の光に変換するための偏光器と、前記偏向部材としての偏光ビームスプリッターと、該偏光ビームスプリッターで偏向された直線偏光状態の光を円偏光状態の光に変換するための第1移相器と、第2部分光学系とを有し、前記第3結像光学系は、第2結像光学系側から順に、第3部分光学系と、該第3部分光学系を介した円偏光状態の光を所定の直線偏光状態の光に変換するための前記第1移相器と、前記偏光ビームスプリッターと、該偏光ビームスプリッターを透過した直線偏光状態の光を円偏光状態の光に変換するための第2移相器と、第4部分光学系とを有する。
【0008】
あるいは、前記第1結像光学系は、第1物体側から順に、第1部分光学系と、該第1部分光学系を介した光を所定の直線偏光状態の光に変換するための偏光器と、偏光ビームスプリッターと、該偏光ビームスプリッターを透過した直線偏光状態の光を円偏光状態の光に変換するための第1移相器と、第2部分光学系とを有し、前記第3結像光学系は、第2結像光学系側から順に、第3部分光学系と、該第3部分光学系を介した円偏光状態の光を所定の直線偏光状態の光に変換するための前記第1移相器と、前記偏向部材としての前記偏光ビームスプリッターと、該偏光ビームスプリッターで偏向された直線偏光状態の光を円偏光状態の光に変換するための第2移相器と、第4部分光学系とを有することが好ましい。
【0009】
あるいは、前記第1結像光学系は、第1物体側から順に、第1部分光学系と、前記偏向部材としてのビームスプリッターと、該ビームスプリッターで偏向された光を前記第2結像光学系へ導くための第2部分光学系とを有し、前記第3結像光学系は、第2結像光学系側から順に、第3部分光学系と、前記ビームスプリッターと、該ビームスプリッターを透過した光を前記第2物体へ導くための第4部分光学系とを有することが好ましい。また、あるいは、前記第1結像光学系は、第1物体側から順に、第1部分光学系と、ビームスプリッターと、該ビームスプリッターを透過した光を前記第2結像光学系へ導くための第2部分光学系とを有し、前記第3結像光学系は、第2結像光学系側から順に、第3部分光学系と、前記偏向部材としての前記ビームスプリッターと、該ビームスプリッターで偏向された光を前記第2物体へ導くための第4部分光学系とを有することが好ましい。
【0010】
さらに、第1発明の好ましい態様によれば、前記第1結像光学系と前記第3結像光学系とは、前記投影光学系の瞳面に関してほぼ対称に構成され、前記投影光学系の投影倍率は、ほぼ等倍に設定されている。あるいは、前記第1結像光学系と前記第3結像光学系とは、前記投影光学系の瞳面に関して実質的に非対称に構成され、前記投影光学系の投影倍率は、等倍とは実質的に異なる倍率に設定されていることが好ましい。
【0011】
本発明の第2発明では、前記第1物体としてのマスクを照明するための照明系と、前記マスクに形成されたパターンの像を前記第2物体としての感光性基板上に形成するための第1発明の投影光学系とを備えていることを特徴とする露光装置を提供する。
【0012】
本発明の第3発明では、前記第1物体としてのマスクを照明する照明工程と、第1発明の投影光学系を介して、前記マスクに形成されたパターンを前記第2物体としての感光性基板上に露光する露光工程とを含むことを特徴とする露光方法を提供する。
【0013】
本発明の第4発明では、第2発明の露光装置あるいは第3発明の露光方法を用いて前記マスクのパターンを前記感光性基板上に露光する露光工程と、前記露光工程により露光された前記感光性基板を現像する現像工程とを含むことを特徴とするマイクロデバイスの製造方法を提供する。
【0014】
【発明の実施の形態】
本発明の投影光学系は、第1物体からの光に基づいてその第1中間像を形成するための第1結像光学系と、この第1結像光学系を介した光に基づいて第1物体の第2中間像を形成するための第2結像光学系と、この第2結像光学系を介した光に基づいて第1物体の最終像を第2物体上に形成するための第3結像光学系とを備えている。ここで、第2結像光学系は、凹面反射鏡を含む反射型または反射屈折型の光学系である。また、第1結像光学系および第3結像光学系のうちいずれか一方の結像光学系には、偏向部材が配置されている。
【0015】
さらに具体的な態様によれば、第1結像光学系は、第1物体側から順に、第1部分光学系と、この第1部分光学系を介した光を所定の直線偏光状態の光に変換するための偏光器と、偏光ビームスプリッターと、直線偏光状態の光を円偏光状態の光に変換するための第1移相器と、第2部分光学系とを有する。また、第3結像光学系は、第2結像光学系側から順に、第3部分光学系と、上述の第1移相器と、上述の偏光ビームスプリッターと、直線偏光状態の光を円偏光状態の光に変換するための第2移相器と、第4部分光学系とを有する。
【0016】
したがって、本発明の投影光学系では、第1物体からの光が、第1部分光学系および偏光器を介してS偏光(またはP偏光)の光となり、偏光ビームスプリッターに入射する。偏光ビームスプリッターで反射された(または透過した)光は、第1移相器を介して円偏光の光となり、第2部分光学系を介して第1中間像を形成する。第1中間像からの光は、第2結像光学系中の凹面反射鏡で反射された後、第2中間像を形成する。第2中間像からの光は、第3部分光学系および第1移相器を介してP偏光(またはS偏光)の光となり、再び偏光ビームスプリッターに入射する。偏光ビームスプリッターを透過した(または反射された)光は、第2移相器を介して円偏光の光となり、第4部分光学系を介して第2物体上に最終像を形成する。
【0017】
こうして、本発明では、以下の実施例に示すように、比較的少ない点数の光学部材で構成されているにもかかわらず、広い投影視野に亘って良好な光学性能を有する投影光学系を実現することができる。したがって、本発明の投影光学系を露光装置に搭載すると、広い投影視野に亘って良好な光学性能を有する投影光学系を用いて、高解像な投影露光を行うことができる。また、高解像な投影露光を行うことのできる露光装置を用いて、大面積を有する良好なマイクロデバイスを製造することができる。
【0018】
本発明の実施形態を、添付図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の実施形態にかかる投影光学系を備えた露光装置の構成を概略的に示す図である。図1において、感光性基板であるプレート(ガラス基板)Pの法線方向に沿ってZ軸を、プレートP面内において図1の紙面に平行な方向にX軸を、プレートP面内において図1の紙面に垂直な方向にY軸をそれぞれ設定している。
【0019】
図1に示す露光装置は、たとえば高圧水銀ランプからなる光源1を備えている。光源1は、回転楕円面からなる反射面を有する楕円鏡2の第1焦点位置に位置決めされている。したがって、光源1から射出された照明光束は、ミラー3を介して、楕円鏡2の第2焦点位置に光源像を形成する。楕円鏡2の第2焦点位置に形成された光源像からの光束は、コリメートレンズ4によりほぼ平行な光束に変換された後、所望の波長域の光束を選択的に透過させる波長選択フィルター5に入射する。
【0020】
本実施形態の場合、波長選択フィルター5では、i線(λ=365nm)の光だけが選択的に透過する。波長選択フィルター5を介して選択された露光波長の光(i線の光)は、オプティカルインテグレータとしてのフライアイレンズ6に入射する。フライアイレンズ6は、正の屈折力を有する多数のレンズエレメントをその光軸が基準光軸AXと平行になるように縦横に且つ稠密に配列することによって構成されている。
【0021】
フライアイレンズ6を構成する各レンズエレメントは、マスク上において形成すべき照野の形状(ひいてはプレート上において形成すべき露光領域の形状)と相似な矩形状の断面を有する。また、フライアイレンズ6を構成する各レンズエレメントの入射側の面は入射側に凸面を向けた球面状に形成され、射出側の面は射出側に凸面を向けた球面状に形成されている。したがって、フライアイレンズ6に入射した光束は多数のレンズエレメントにより波面分割され、各レンズエレメントの後側焦点面には1つの光源像がそれぞれ形成される。
【0022】
すなわち、フライアイレンズ6の後側焦点面には、多数の光源像からなる実質的な面光源すなわち二次光源が形成される。フライアイレンズ6の後側焦点面に形成された二次光源からの光束は、その近傍に配置された開口絞り7に入射する。開口絞り7は、後述する投影光学系PLの入射瞳面と光学的にほぼ共役な位置に配置され、二次光源の照明に寄与する範囲を規定するための可変開口部を有する。
【0023】
開口絞り7は、可変開口部の開口径を変化させることにより、照明条件を決定するσ値(投影光学系の瞳面の開口径に対するその瞳面上での二次光源像の口径の比)を所望の値に設定する。開口絞り7を介した二次光源からの光は、コンデンサー光学系8の集光作用を受けた後、所定のパターンが形成されたマスクMを重畳的に照明する。ここで、マスクMは、図示を省略したマスクステージ上においてYZ平面に沿って保持されている。
【0024】
マスクMのパターンを透過した光束は、投影光学系PLを介して、感光性基板であるプレートP上にマスクパターンの像を形成する。レジストが塗布されたガラス基板からなるプレートPは、図示を省略したプレートステージ上においてXY平面に沿って保持されている。こうして、プレートPをXY平面に沿って二次元的に駆動制御しながら一括露光またはスキャン露光を行うことにより、プレートPの各露光領域にはマスクMのパターンが逐次露光される。
【0025】
なお、一括露光では、いわゆるステップ・アンド・リピート方式にしたがって、プレートPの各露光領域に対してマスクMのパターンを一括的に露光する。この場合、マスクM上での照明領域の形状は正方形に近い矩形状であり、フライアイレンズ6の各レンズエレメントの断面形状も正方形に近い矩形状となる。
【0026】
一方、スキャン露光では、いわゆるステップ・アンド・スキャン方式にしたがって、マスクMおよびプレートPを投影光学系PLに対して相対移動させながら、プレートPの各露光領域に対してマスクMのパターンを走査的に露光する。この場合、マスクM上での照明領域の形状は短辺と長辺との比がたとえば1:3の矩形状であり、フライアイレンズ6の各レンズエレメントの断面形状もこれと相似な矩形状となる。
【0027】
本実施形態の各実施例にかかる投影光学系PLは、照明系(1〜8)によって照明されたマスクMからの光に基づいてその第1中間像を形成するための第1結像光学系K1と、第1結像光学系K1を介した光に基づいてマスクMの第2中間像を形成するための第2結像光学系K2と、第2結像光学系K2を介した光に基づいてマスクMの最終像をプレートP上に形成するための第3結像光学系K3とから構成されている。
【0028】
なお、第1結像光学系K1は、物体側(すなわちマスク側)から順に、第1部分光学系G1と、この第1部分光学系G1を介した光を所定の直線偏光状態の光に変換するための偏光子(偏光器)POLと、偏向部材として機能する偏光ビームスプリッターPBSと、この偏光ビームスプリッターPBSで偏向された直線偏光状態の光を円偏光状態の光に変換するための1/4波長板(第1移相器)WP1と、第2部分光学系G2とから構成されている。
【0029】
また、第3結像光学系K3は、第2結像光学系側から順に、第3部分光学系G3と、この第3部分光学系G3を介した円偏光状態の光を所定の直線偏光状態の光に変換するための上述の1/4波長板WP1と、上述の偏光ビームスプリッターPBSと、この偏光ビームスプリッターPBSを透過した直線偏光状態の光を円偏光状態の光に変換するための1/4波長板(第2移相器)WP2と、第4部分光学系G4とから構成されている。
【0030】
各実施例において、非球面は、光軸に垂直な方向の高さをyとし、非球面の頂点における接平面から高さyにおける非球面上の位置までの光軸に沿った距離(サグ量)をzとし、頂点曲率半径(基準曲率半径)をrとし、円錐係数をκとし、n次の非球面係数をCnとしたとき、以下の数式(a)で表される。なお、各実施例において、非球面形状に形成されたレンズ面には面番号の右側に*印を付している。
【0031】
【数1】
z=(y2/r)/〔1+{1−(1+κ)・y2/r2}1/2〕
+C4・y4+C6・y6+C8・y8+C10・y10
+C12・y12+C14・y14 (a)
【0032】
〔第1実施例〕
図2は、本実施形態の第1実施例にかかる投影光学系のレンズ構成を示す図である。第1実施例にかかる投影光学系PLにおいて、第1結像光学系K1の第1部分光学系G1は、マスク側から順に、マスク側に凹面を向けた負メニスカスレンズL1K1と、マスク側に凹面を向けた正メニスカスレンズL1K2と、両凸レンズL1K3と、マスク側と反対側(偏光ビームスプリッター側)に非球面状の凹面を向けた正メニスカスレンズL1K4とから構成されている。
【0033】
また、第1結像光学系K1の第2部分光学系G2は、偏光ビームスプリッター側から順に、偏光ビームスプリッター側に非球面状の凹面を向けた正メニスカスレンズL1K5と、偏光ビームスプリッター側に凹面を向けた正メニスカスレンズL1K6と、偏光ビームスプリッター側に凹面を向けた正メニスカスレンズL1K7と、両凸レンズL1K8と、偏光ビームスプリッター側に凸面を向けた正メニスカスレンズL1K9とから構成されている。
【0034】
さらに、第2結像光学系K2は、第1結像光学系側から順に、第1結像光学系側に凹面を向けた負メニスカスレンズL2K1と、第1結像光学系側に凹面を向けた凹面反射鏡CMとから構成されている。
【0035】
また、第3結像光学系K3の第3部分光学系G3は、第2結像光学系側から順に、第2結像光学系側に凹面を向けた正メニスカスレンズL3K1と、両凸レンズL3K2と、第2結像光学系側に凸面を向けた正メニスカスレンズL3K3と、第2結像光学系側に凸面を向けた正メニスカスレンズL3K4と、偏光ビームスプリッター側に非球面状の凹面を向けた正メニスカスレンズL3K5とから構成されている。
【0036】
ここで、第3結像光学系K3の第3部分光学系G3を構成する正メニスカスレンズL3K1〜正メニスカスレンズL3K5は、第1結像光学系K1の第2部分光学系G2を構成する正メニスカスレンズL1K9〜正メニスカスレンズL1K5に他ならない。換言すると、正メニスカスレンズL3K1と正メニスカスレンズL1K9、両凸レンズL3K2と両凸レンズL1K8、正メニスカスレンズL3K3と正メニスカスレンズL1K7、正メニスカスレンズL3K4と正メニスカスレンズL1K6、および正メニスカスレンズL3K5と正メニスカスレンズL1K5とは、それぞれ同一の光学部材である。
【0037】
さらに、第3結像光学系K3の第4部分光学系G4は、偏光ビームスプリッター側から順に、偏光ビームスプリッター側に非球面状の凹面を向けた正メニスカスレンズL3K6と、両凸レンズL3K7と、偏光ビームスプリッター側に凸面を向けた正メニスカスレンズL3K8と、偏光ビームスプリッター側に凸面を向けた負メニスカスレンズL3K9とから構成されている。
【0038】
ここで、第3結像光学系K3の第4部分光学系G4は、偏光ビームスプリッターPBSの偏向面P1に関して、第1結像光学系K1の第1部分光学系G1と対称的に構成されている。以上のように、第1実施例にかかる投影光学系PLは、レンズ形状、レンズ間隔および光学材料において、凹面反射鏡CMの反射面に関して対称的に構成されている。したがって、第1実施例にかかる投影光学系PLは、等倍の投影倍率を有する。
【0039】
こうして、第1実施例では、マスクM上の点Yoからの光は、+X方向に沿って進行した後、第1部分光学系G1(レンズL1K1〜L1K4)に入射する。第1部分光学系G1を介した光は、ほぼ平行光束となって、偏光子POLに入射する。偏光子POLを介した光は、図2の紙面に垂直な(XY平面に沿った)偏光面を有する直線偏光(S偏光)の光となり、偏光ビームスプリッターPBSに入射する。
【0040】
偏光ビームスプリッターPBSの偏向面P1で+Z方向に反射された光は、1/4波長板WP1を介して円偏光に変換された後、第2部分光学系G2(レンズL1K5〜L1K9)を介して、第1中間像FP1を形成する。第1中間像FP1からの光は、負メニスカスレンズL2K1を介して、投影光学系PLの瞳面に配置された凹面反射鏡CMに入射する。凹面反射鏡CMで−Z方向に反射された光は、再び負メニスカスレンズL2K1を介して、第2中間像FP2を形成する。
【0041】
第2中間像FP2からの光は、第3部分光学系G3(レンズL3K1〜L3K5)を介してほぼ平行光束となり、1/4波長板WP1に入射する。1/4波長板WP1を介して、円偏光から図2の紙面に平行な(XZ平面に沿った)偏光面を有する直線偏光(P偏光)に変換された光は、偏光ビームスプリッターPBSに入射する。偏光ビームスプリッターPBSを透過した光は、1/4波長板WP2を介して円偏光に変換された後、第4部分光学系G4(レンズL3K6〜L3K9)を介して、プレートP上の点Yiに最終像を形成する。
【0042】
次の表(1)に、第1実施例にかかる投影光学系の諸元の値を掲げる。表(1)の主要諸元において、λは露光光の波長を、βは投影倍率を、NAは像側(プレート側)開口数を、Ymは最大像高をそれぞれ表している。また、表(1)の光学部材諸元において、第1カラムの面番号はマスクからの光の進行に沿った面の順序を、第2カラムのrは各面の曲率半径(非球面の場合には頂点曲率半径:mm)を、第3カラムのdは各面の軸上間隔すなわち面間隔(mm)を、第4カラムのnは露光波長λに対する屈折率をそれぞれ示している。
【0043】
なお、面間隔dおよび屈折率nは、反射される度にその符号を変えるものとする。したがって、面間隔dおよび屈折率nの符号は、偏光ビームスプリッターPBSの偏光面P1から凹面反射鏡CMの反射面への光路中では負とし、マスクMから偏光ビームスプリッターPBSの偏光面P1への光路中および凹面反射鏡CMの反射面からプレートPへの光路中では正としている。また、マスクMから偏光ビームスプリッターPBSの偏光面P1への光路中および凹面反射鏡CMの反射面からプレートPへの光路中では光の入射側に向かって凸面の曲率半径を正とし、偏光ビームスプリッターPBSの偏光面P1から凹面反射鏡CMの反射面への光路中では光の入射側に向かって凸面の曲率半径を負としている。
【0044】
【表1】
【0045】
図3は、第1実施例における投影光学系の球面収差、非点収差および歪曲収差を示す図である。また、図4は、第1実施例における投影光学系のタンジェンシャル面内のコマ収差およびサジタル面内のコマ収差を示す図である。各収差図において、NAは像側開口数(物体側開口数も同じ)を、Yは像高をそれぞれ示している。また、非点収差を示す収差図において、実線はサジタル像面を示し、破線はタンジェンシャル像面を示している。各収差図から明らかなように、第1実施例の投影光学系では、構成レンズ成分の点数が14個と非常に少ないにもかかわらず、大きな投影視野(有効径142mm:100mm×100mmの実効露光領域に対応)の全体に亘って諸収差が良好に補正され、良好な光学性能が確保されていることがわかる。
【0046】
〔第2実施例〕
図5は、本実施形態の第2実施例にかかる投影光学系のレンズ構成を示す図である。第2実施例にかかる投影光学系PLにおいて、第1結像光学系K1の第1部分光学系G1は、マスク側から順に、マスク側に凹面を向けた負メニスカスレンズL1K1と、マスク側に凹面を向けた正メニスカスレンズL1K2と、両凸レンズL1K3と、マスク側に凸面を向けた正メニスカスレンズL1K4とから構成されている。
【0047】
また、第1結像光学系K1の第2部分光学系G2は、偏光ビームスプリッター側から順に、偏光ビームスプリッター側に凹面を向けた正メニスカスレンズL1K5と、偏光ビームスプリッター側に凹面を向けた正メニスカスレンズL1K6と、偏光ビームスプリッター側に凹面を向けた正メニスカスレンズL1K7と、両凸レンズL1K8と、第2結像光学系側に非球面状の凸面を向けた両凸レンズL1K9とから構成されている。
【0048】
さらに、第2結像光学系K2は、第1結像光学系側から順に、第1結像光学系側に非球面状の凹面を向けた負メニスカスレンズL2K1と、第1結像光学系側に凹面を向けた凹面反射鏡CMとから構成されている。
【0049】
また、第3結像光学系K3の第3部分光学系G3は、第2結像光学系側から順に、第2結像光学系側に非球面状の凸面を向けた両凸レンズL3K1と、両凸レンズL3K2と、第2結像光学系側に凸面を向けた正メニスカスレンズL3K3と、第2結像光学系側に凸面を向けた正メニスカスレンズL3K4と、第2結像光学系側に凸面を向けた正メニスカスレンズL3K5とから構成されている。
【0050】
ここで、第3結像光学系K3の第3部分光学系G3を構成する両凸レンズL3K1〜正メニスカスレンズL3K5は、第1結像光学系K1の第2部分光学系G2を構成する両凸レンズL1K9〜正メニスカスレンズL1K5に他ならない。換言すると、両凸レンズL3K1と両凸レンズL1K9、両凸レンズL3K2と両凸レンズL1K8、正メニスカスレンズL3K3と正メニスカスレンズL1K7、正メニスカスレンズL3K4と正メニスカスレンズL1K6、および正メニスカスレンズL3K5と正メニスカスレンズL1K5とは、それぞれ同一の光学部材である。
【0051】
さらに、第3結像光学系K3の第4部分光学系G4は、偏光ビームスプリッター側から順に、偏光ビームスプリッター側に凹面を向けた正メニスカスレンズL3K6と、両凸レンズL3K7と、偏光ビームスプリッター側に凸面を向けた正メニスカスレンズL3K8と、偏光ビームスプリッター側に凸面を向けた負メニスカスレンズL3K9とから構成されている。
【0052】
なお、第2実施例では第1実施例とは異なり、第3結像光学系K3の第4部分光学系G4と第1結像光学系K1の第1部分光学系G1とは、偏光ビームスプリッターPBSの偏向面P1に関して非対称に構成されている。したがって、第2実施例にかかる投影光学系PLは、等倍とは実質的に異なる投影倍率(1.25倍)を有する。
【0053】
こうして、第2実施例においても第1実施例と同様に、マスクM上の点Yoからの光は、+X方向に沿って進行した後、第1部分光学系G1(レンズL1K1〜L1K4)に入射する。第1部分光学系G1を介した光は、ほぼ平行光束となって、偏光子POLに入射する。偏光子POLを介した光は、図5の紙面に垂直な(XY平面に沿った)偏光面を有する直線偏光(S偏光)の光となり、偏光ビームスプリッターPBSに入射する。
【0054】
偏光ビームスプリッターPBSの偏向面P1で+Z方向に反射された光は、1/4波長板WP1を介して円偏光に変換された後、第2部分光学系G2(レンズL1K5〜L1K9)を介して、第1中間像FP1を形成する。第1中間像FP1からの光は、負メニスカスレンズL2K1を介して、投影光学系PLの瞳面に配置された凹面反射鏡CMに入射する。凹面反射鏡CMで−Z方向に反射された光は、再び負メニスカスレンズL2K1を介して、第2中間像FP2を形成する。
【0055】
第2中間像FP2からの光は、第3部分光学系G3(レンズL3K1〜L3K5)を介してほぼ平行光束となり、1/4波長板WP1に入射する。1/4波長板WP1を介して、円偏光から図5の紙面に平行な(XZ平面に沿った)偏光面を有する直線偏光(P偏光)に変換された光は、偏光ビームスプリッターPBSに入射する。偏光ビームスプリッターPBSを透過した光は、1/4波長板WP2を介して円偏光に変換された後、第4部分光学系G4(レンズL3K6〜L3K9)を介して、プレートP上の点Yiに最終像を形成する。
【0056】
次の表(2)に、第2実施例にかかる投影光学系の諸元の値を掲げる。表(2)の主要諸元において、λは露光光の波長を、βは投影倍率を、NAは像側(プレート側)開口数を、Ymは最大像高をそれぞれ表している。また、表(2)の光学部材諸元において、第1カラムの面番号はマスクからの光の進行に沿った面の順序を、第2カラムのrは各面の曲率半径(非球面の場合には頂点曲率半径:mm)を、第3カラムのdは各面の軸上間隔すなわち面間隔(mm)を、第4カラムのnは露光波長λに対する屈折率をそれぞれ示している。
【0057】
なお、面間隔dおよび屈折率nは、反射される度にその符号を変えるものとする。したがって、面間隔dおよび屈折率nの符号は、偏光ビームスプリッターPBSの偏光面P1から凹面反射鏡CMの反射面への光路中では負とし、マスクMから偏光ビームスプリッターPBSの偏光面P1への光路中および凹面反射鏡CMの反射面からプレートPへの光路中では正としている。また、マスクMから偏光ビームスプリッターPBSの偏光面P1への光路中および凹面反射鏡CMの反射面からプレートPへの光路中では光の入射側に向かって凸面の曲率半径を正とし、偏光ビームスプリッターPBSの偏光面P1から凹面反射鏡CMの反射面への光路中では光の入射側に向かって凸面の曲率半径を負としている。
【0058】
【表2】
【0059】
図6は、第2実施例における投影光学系の球面収差、非点収差および歪曲収差を示す図である。また、図7は、第2実施例における投影光学系のタンジェンシャル面内のコマ収差およびサジタル面内のコマ収差を示す図である。各収差図において、NAは像側開口数を、Yは像高をそれぞれ示している。また、非点収差を示す収差図において、実線はサジタル像面を示し、破線はタンジェンシャル像面を示している。各収差図から明らかなように、第2実施例の投影光学系においても、構成レンズ成分の点数が14個と非常に少ないにもかかわらず、大きな投影視野(有効径142mm:100mm×100mmの実効露光領域に対応)の全体に亘って諸収差が良好に補正され、良好な光学性能が確保されていることがわかる。
【0060】
以上のように、第1実施例および第2実施例では、偏向部材としての偏光ビームスプリッターPBSが第1結像光学系K1の瞳位置(ひいては第3結像光学系K3の瞳位置)の近傍に位置決めされているので、偏光ビームスプリッターPBSの小型化が可能になっている。また、マスクM上の任意の一点からの光束がほぼ平行光束となる光路中に偏向ビームスプリッターPBSが位置決めされているので、偏光ビームスプリッターPBSの製造が容易になっている。さらに、第1結像光学系K1の第2部分光学系G2と第3結像光学系K3の第3部分光学系G3とが互いに同じ光学系として構成されているので、構成レンズ成分の点数の大幅な低減が可能になっている。
【0061】
なお、第1実施例および第2実施例において、マスクMの位置にプレートを設置し、プレートPの位置にマスクを設置する変形例も可能である。この場合、1/4波長板WP2に代えて偏光子を配置し、偏光子POLに代えて1/4波長板を配置することになる。ここで、1/4波長板WP2に代えて配置される偏光子を介した光は、P偏光の光となって偏光ビームスプリッターPBSに入射する。第1実施例の変形例では、投影倍率は等倍のままである。これに対し、第2実施例の変形例では、投影倍率は1/1.25=0.8倍になる。
【0062】
また、第1実施例および第2実施例では、偏向部材として偏光ビームスプリッターPBSを用いているが、偏光ビームスプリッターPBSに代えてハーフプリズムのような通常のビームスプリッターを用いる第2変形例も可能である。この場合、偏光ビームスプリッターPBSに代えて配置されるハーフプリズムにおいて光量損失が発生するが、偏光子POL、一対の1/4波長板WP1およびWP2の設置を省略することができ、ひいては偏光子POLにおける光量損失を回避することができる。
【0063】
上述の実施形態にかかる露光装置では、照明系によってマスク(レチクル)を照明し(照明工程)、投影光学系を用いてマスクに形成された転写用のパターンを感光性基板に露光する(露光工程)ことにより、マイクロデバイス(半導体素子、撮像素子、液晶表示素子、薄膜磁気ヘッド等)を製造することができる。以下、本実施形態の露光装置を用いて感光性基板としてのプレート(ガラス基板)上に所定のパターン(回路パターン、電極パターン等)を形成することによって、マイクロデバイスとしての液晶表示素子を得る際の手法の一例につき図8のフローチャートを参照して説明する。
【0064】
図8において、パターン形成工程401では、本実施形態の露光装置を用いてレチクルのパターンを感光性基板(レジストが塗布されたガラス基板等)に転写露光する、所謂光リソグラフィー工程が実行される。この光リソグラフィー工程によって、感光性基板上には多数の電極等を含む所定パターンが形成される。その後、露光された基板は、現像工程、エッチング工程、レチクル剥離工程等の各工程を経ることによって、基板上に所定のパターンが形成され、次のカラーフィルター形成工程402へ移行する。
【0065】
次に、カラーフィルター形成工程402では、R(Red)、G(Green)、B(Blue)に対応した3つのドットの組がマトリックス状に多数配列されたり、またはR、G、Bの3本のストライプのフィルターの組を複数水平走査線方向に配列したカラーフィルターを形成する。そして、カラーフィルター形成工程402の後に、セル組み立て工程403が実行される。セル組み立て工程403では、パターン形成工程401にて得られた所定パターンを有する基板、およびカラーフィルター形成工程402にて得られたカラーフィルター等を用いて液晶パネル(液晶セル)を組み立てる。
【0066】
セル組み立て工程403では、例えば、パターン形成工程401にて得られた所定パターンを有する基板とカラーフィルター形成工程402にて得られたカラーフィルターとの間に液晶を注入して、液晶パネル(液晶セル)を製造する。その後、モジュール組み立て工程404にて、組み立てられた液晶パネル(液晶セル)の表示動作を行わせる電気回路、バックライト等の各部品を取り付けて液晶表示素子として完成させる。上述の液晶表示素子の製造方法によれば、極めて微細な回路パターンを有する液晶表示素子をスループット良く得ることができる。
【0067】
また、本実施形態の露光装置では、感光性基板としてのウェハ等に所定の回路パターンを形成することによって、マイクロデバイスとしての半導体デバイスを得ることもできる。以下、図9のフローチャートを参照して、このときの手法の一例について説明する。先ず、図9のステップ301において、1ロットのウェハ上に金属膜が蒸着される。次のステップ302において、その1ロットのウェハ上の金属膜上にフォトレジストが塗布される。その後、ステップ303において、本実施形態の露光装置を用いて、レチクル上のパターンの像がその投影光学系を介して、その1ロットのウェハ上の各ショット領域に順次露光転写される。
【0068】
その後、ステップ304において、その1ロットのウェハ上のフォトレジストの現像が行われた後、ステップ305において、その1ロットのウェハ上でレジストパターンをマスクとしてエッチングを行うことによって、レチクル上のパターンに対応する回路パターンが、各ウェハ上の各ショット領域に形成される。その後、更に上のレイヤの回路パターンの形成等を行うことによって、半導体素子等のデバイスが製造される。上述の半導体デバイス製造方法によれば、極めて微細な回路パターンを有する半導体デバイスをスループット良く得ることができる。
【0069】
なお、上述の実施形態では、i線(365nm)の露光光を供給する超高圧水銀ランプを光源として用いた例を示したが、露光光の波長はi線には限られない。例えば、光源として超高圧水銀ランプを用い、g線(436nm)のみ、h線(405nm)のみ、g線とh線、h線とi線、またはg線とh線とi線とを露光光としても良い。また、光源として248nmの光を供給するKrFエキシマレーザ、193nmの光を供給するArFエキシマレーザ、157nmの光を供給するF2レーザなどを光源として用いても良い。
【0070】
また、上述の実施形態では、露光装置の投影光学系に本発明を適用しているが、これに限定されることなく、露光装置の投影光学系以外の一般的な結像光学系に本発明を適用することもできる。
【0071】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明では、比較的少ない点数の光学部材で構成されているにもかかわらず、広い投影視野に亘って良好な光学性能を有する投影光学系を実現することができる。したがって、本発明の投影光学系を露光装置に搭載すると、広い投影視野に亘って良好な光学性能を有する投影光学系を用いて、高解像な投影露光を行うことができる。また、高解像な投影露光を行うことのできる露光装置を用いて、大面積を有する良好なマイクロデバイスを製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態にかかる投影光学系を備えた露光装置の構成を概略的に示す図である。
【図2】本実施形態の第1実施例にかかる投影光学系のレンズ構成を示す図である。
【図3】第1実施例における投影光学系の球面収差、非点収差および歪曲収差を示す図である。
【図4】第1実施例における投影光学系のタンジェンシャル面内のコマ収差およびサジタル面内のコマ収差を示す図である。
【図5】本実施形態の第2実施例にかかる投影光学系のレンズ構成を示す図である。
【図6】第2実施例における投影光学系の球面収差、非点収差および歪曲収差を示す図である。
【図7】第2実施例における投影光学系のタンジェンシャル面内のコマ収差およびサジタル面内のコマ収差を示す図である。
【図8】マイクロデバイスとしての液晶表示素子を得る際の手法のフローチャートである。
【図9】マイクロデバイスとしての半導体デバイスを得る際の手法のフローチャートである。
【符号の説明】
1 超高圧水銀ランプ
2 楕円鏡
4 コリメートレンズ
5 波長選択フィルタ
6 フライアイレンズ
7 開口絞り
8 コンデンサー光学系
M マスク
PL 投影光学系
P プレート
K1 第1結像光学系
K2 第2結像光学系
K3 第3結像光学系
POL 偏光子
PBS 偏光ビームスプリッター
WP1,WP2 1/4波長板
Claims (12)
- 第1物体の像を第2物体上に形成する投影光学系において、
前記第1物体からの光に基づいて前記第1物体の第1中間像を形成するための第1結像光学系と、
前記第1結像光学系を介した光に基づいて前記第1物体の第2中間像を形成するための第2結像光学系と、
前記第2結像光学系を介した光に基づいて前記第1物体の最終像を前記第2物体上に形成するための第3結像光学系とを備え、
前記第2結像光学系は、少なくとも凹面反射鏡を含み、
前記第1結像光学系および前記第3結像光学系のうちいずれか一方の結像光学系は、光を偏向させるための偏向部材を有し、
前記偏向部材は、前記第1物体上の任意の一点からの光束がほぼ平行光束となる光路中に位置決めされ、平面状の入射面と平面状の射出面とを備えることを特徴とする投影光学系。 - 前記偏向部材は、前記第1結像光学系および前記第3結像光学系のうちいずれか一方の結像光学系の瞳位置の近傍に位置決めされていることを特徴とする請求項1に記載の投影光学系。
- 第1物体の像を第2物体上に形成する投影光学系において、
前記第1物体からの光に基づいて前記第1物体の第1中間像を形成するための第1結像光学系と、
前記第1結像光学系を介した光に基づいて前記第1物体の第2中間像を形成するための第2結像光学系と、
前記第2結像光学系を介した光に基づいて前記第1物体の最終像を前記第2物体上に形成するための第3結像光学系とを備え、
前記第2結像光学系は、少なくとも凹面反射鏡を含み、
前記第1結像光学系および前記第3結像光学系のうちいずれか一方の結像光学系は、光を偏向させるための偏向部材を有し、
前記偏向部材は、前記第1結像光学系および前記第3結像光学系のうちいずれか一方の結像光学系の瞳位置の近傍に位置決めされ、平面状の入射面と平面状の射出面とを備えることを特徴とする投影光学系。 - 前記第1結像光学系は、第1物体側から順に、第1部分光学系と、該第1部分光学系を介した光を所定の直線偏光状態の光に変換するための偏光器と、前記偏向部材としての偏光ビームスプリッターと、該偏光ビームスプリッターで偏向された直線偏光状態の光を円偏光状態の光に変換するための第1移相器と、第2部分光学系とを有し、
前記第3結像光学系は、第2結像光学系側から順に、第3部分光学系と、該第3部分光学系を介した円偏光状態の光を所定の直線偏光状態の光に変換するための前記第1移相器と、前記偏光ビームスプリッターと、該偏光ビームスプリッターを透過した直線偏光状態の光を円偏光状態の光に変換するための第2移相器と、第4部分光学系とを有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の投影光学系。 - 前記第1結像光学系は、第1物体側から順に、第1部分光学系と、該第1部分光学系を介した光を所定の直線偏光状態の光に変換するための偏光器と、偏光ビームスプリッターと、該偏光ビームスプリッターを透過した直線偏光状態の光を円偏光状態の光に変換するための第1移相器と、第2部分光学系とを有し、
前記第3結像光学系は、第2結像光学系側から順に、第3部分光学系と、該第3部分光学系を介した円偏光状態の光を所定の直線偏光状態の光に変換するための前記第1移相器と、前記偏向部材としての前記偏光ビームスプリッターと、該偏光ビームスプリッターで偏向された直線偏光状態の光を円偏光状態の光に変換するための第2移相器と、第4部分光学系とを有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の投影光学系。 - 前記第1結像光学系は、第1物体側から順に、第1部分光学系と、前記偏向部材としてのビームスプリッターと、該ビームスプリッターで偏向された光を前記第2結像光学系へ導くための第2部分光学系とを有し、
前記第3結像光学系は、第2結像光学系側から順に、第3部分光学系と、前記ビームスプリッターと、該ビームスプリッターを透過した光を前記第2物体へ導くための第4部分光学系とを有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の投影光学系。 - 前記第1結像光学系は、第1物体側から順に、第1部分光学系と、ビームスプリッターと、該ビームスプリッターを透過した光を前記第2結像光学系へ導くための第2部分光学系とを有し、
前記第3結像光学系は、第2結像光学系側から順に、第3部分光学系と、前記偏向部材としての前記ビームスプリッターと、該ビームスプリッターで偏向された光を前記第2物体へ導くための第4部分光学系とを有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の投影光学系。 - 前記第1結像光学系と前記第3結像光学系とは、前記投影光学系の瞳面に関してほぼ対称に構成され、
前記投影光学系の投影倍率は、ほぼ等倍に設定されていることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の投影光学系。 - 前記第1結像光学系と前記第3結像光学系とは、前記投影光学系の瞳面に関して実質的に非対称に構成され、
前記投影光学系の投影倍率は、等倍とは実質的に異なる倍率に設定されていることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の投影光学系。 - 前記第1物体としてのマスクを照明するための照明系と、前記マスクに形成されたパターンの像を前記第2物体としての感光性基板上に形成するための請求項1乃至9のいずれか1項に記載の投影光学系とを備えていることを特徴とする露光装置。
- 前記第1物体としてのマスクを照明する照明工程と、
請求項1乃至9のいずれか1項に記載の投影光学系を介して、前記マスクに形成されたパターンを前記第2物体としての感光性基板上に露光する露光工程とを含むことを特徴とする露光方法。 - 請求項10に記載の露光装置あるいは請求項11に記載の露光方法を用いて前記マスクのパターンを前記感光性基板上に露光する露光工程と、前記露光工程により露光された前記感光性基板を現像する現像工程とを含むことを特徴とするマイクロデバイスの製造方法。
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