JP3634943B2 - 軌陸車の車輪位置保持装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、道路及び軌道(鉄道用レール)上を走行可能な軌陸車、特に軌道走行時にタイヤ車輪(道路走行用車輪)をレールから離した状態で走行する形式の軌陸車に関する。
【0002】
【従来の技術】
軌陸車はトラックをベースとして構成されており、車体の前後左右の4箇所にタイヤ車輪を有している。更に、車体の前後左右の4箇所には、鉄輪(軌道走行用車輪)が、下方への張り出し作動及び上方への格納作動自在に取り付けられている。そして、車体には、例えば高所作業装置等の作業装置が設けられている。
【0003】
このような軌陸車はタイヤ車輪駆動式のものが知られており、軌道走行時は鉄輪をレール上に張り出すとともに、タイヤ車輪をレール面に接触させ、タイヤ車輪を回転駆動して走行するようになっている。但し、タイヤ空気圧が低い場合にはタイヤ変形によりその一部が下方に突出することがある。この場合には下方への突出部は車輌限界を超えることがあり、軌道走行時にレール近傍に備え付けられた機器を破損するおそれがある。このためタイヤ車輪駆動式に代えて鉄輪駆動式とするとともに、軌道走行時はタイヤ車輪をレールから離して走行するような構造が提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
一般的に、タイヤ車輪はサスペンション装置を介して車体に取り付けられているので、鉄輪を張り出してタイヤ車輪をレールから離すためには、車体を少なくともサスペンションのたわみ量を超える寸法だけ持ち上げる必要がある。しかしながらこの場合には、鉄輪支持部材をかなり長くせねばならず、これにより車体の重心は高くなり、車体は不安定となり好ましくない。このため鉄輪駆動式の軌陸車では、ほぼ接地時の状態の位置で車体に対してタイヤ車輪位置を固定保持した後、車体を上方に引き上げる構造が考えられている。
【0005】
しかしながら、タイヤ車輪位置を固定保持する操作を忘れたまま軌道上を走行した場合には前記のようにタイヤ車輪位置が車輌限界を超えるおそれがあり、この場合にはタイヤ車輪によりレール近傍に備え付けられた機器を破損するおそれがある。また、レールに押しつけられたタイヤによる弾性的反力を受け車体が不安定となるほか、タイヤ車輪の転がり抵抗により軌道走行中大きな抵抗を受けるなどの問題がある。
【0006】
本発明は、このような問題に鑑みてなされたものであり、道路走行から軌道走行に移行する段階でのタイヤ車輪位置の固定保持操作の忘れを防止し、上記の問題を未然に防ぐことを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、本発明の車輪位置保持装置は、タイヤ車輪と鉄輪と転車台とを備え、軌道走行時には鉄輪を軌道上に張り出すとともにタイヤ車輪を軌道から離した状態で走行する形式の軌陸車に用いられ、転車台を格納位置から下方へ張り出し作動させると同時に車輪保持手段を作動させ、タイヤ車輪を回転自在に支持する車輪支持部材を車体に対して所定位置に固定保持してタイヤ車輪位置を固定保持する手段を講じたものである。
【0008】
このような構成によれば、転車台を張り出して車体を持ち上げ支持する時にタイヤ車輪位置が車輪保持手段により固定保持されるので、タイヤ車輪は車体と一緒にそのまま持ち上げられる。このため、サスペンション装置のたわみの影響を受けずにタイヤ車輪をそのまま持ち上げることができ、転車台の張り出し量は小さくてよく、また鉄輪の張り出し量も小さくてよい。更に、車輪位置保持手段によるタイヤ車輪位置の固定保持作動が転車台の張り出し作動と連動して行われるので、車輪位置の固定保持操作の忘れを確実に防止できる。
【0009】
また、一旦なされたタイヤ車輪位置の固定保持は、その後道路上で車体がタイヤ車輪のみによって支えられた状態以外では解除してはならない。よって上記軌陸車が更に、車輪保持手段による車輪支持部材の保持作動を制御する保持作動制御手段の他、転車台格納検知手段と車輪格納検知手段とを備え、転車台格納検知手段および車輪格納検知手段からの信号により、保持作動制御手段が車輪位置保持の解除を許可する構成とするのが好ましい。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好ましい実施形態について、本発明の車輪位置保持装置を備えた軌陸車を例として図を参照して説明する。本発明の車輪位置保持装置を備えた軌陸車1は、図2に示すようにトラックをベースとして構成されており、車体2の前後左右の4箇所に取り付けられたタイヤ車輪(道路走行用車輪)3によって道路上を走行することができる。更に車体2の前後左右の4箇所には、鉄輪(軌道走行用車輪)4が、車体2に揺動自在に支持された鉄輪支持部材4aに回転自在に取り付けられている。
【0011】
鉄輪支持部材4aは鉄輪張出格納油圧シリンダ5の伸縮作動により揺動作動するようになっており、この鉄輪支持部材4aを揺動させることにより鉄輪4を下方に張り出したり上方に格納したりできるようになっている。また、左右の鉄輪4、4間は鉄道用のレール(軌道)Rの幅に合わせてピッチが変えられる。全ての鉄輪4を張り出してレールR上に載置された軌陸車1は、鉄輪駆動用油圧モータ(図示せず)により鉄輪4を駆動してレールR上を走行可能となっている。
【0012】
車体2の下部中央には、軌陸車1をレールR上へ載せ変え移動するための転車台6が取り付けられている。転車台6は、転車台張出格納油圧シリンダ7の伸縮作動により下方に張り出したり上方に格納したりできるようになっており、更に車体旋回用油圧モータ8により車体2を転車台6に対して水平旋回することができるようになっている。
【0013】
このように構成された軌陸車1によりレールR上の張架線やトロリ線等の鉄道設備の工事や点検を行う場合は、まずタイヤ車輪3を駆動して作業現場近くまで道路上を走行して移動する。なお、このような道路走行中では、鉄輪4および転車台6は格納状態にある。
【0014】
作業現場近くの踏切上に到着するとレールRを横切るようにして停車し、車体2上に取り付けられた転車台張出格納レバー21を操作して転車台6を張り出させ、これにより車体2を支持する。そして、車体旋回用油圧モータ8を駆動して車体2を転車台6に対して水平旋回させ、左右の鉄輪4、4をレールR上に位置させる。ここで、左右の鉄輪4、4のピッチがレールRの幅と異なっている場合には、レールRの幅に合わせて左右の鉄輪4、4のピッチを固定する。そして、車体2上に取り付けられた鉄輪張出格納レバー20を操作して全ての鉄輪4を張り出し作動させるとともに転車台張出格納レバー21の操作により転車台6を格納作動させて鉄輪4をレールR上に載せる。
【0015】
次に鉄輪駆動用油圧モータ(図示せず)により鉄輪4を駆動してレールR上を走行し、目的地まで移動して作業をする。作業が終わると再びレールR上を走行して踏切上まで移動し、転車台6により車体2を支持・旋回する。この時鉄輪4は格納される。そして転車台6を格納作動して車体を道路上に降ろした後、タイヤ車輪3を駆動して道路上を走行し、別の場所に移動する。
【0016】
上記のように軌陸車1が鉄輪4の駆動力のみにより軌道上を走行する際には、道路走行用のタイヤ車輪3がレールRと接触しないようにするのが望ましい。よってタイヤ車輪位置は図2に示すような車体2の所定位置に固定保持されることとなるが、このタイヤ車輪位置の固定保持操作を確実に行うため、本発明に係る車輪位置保持装置が設けられる。
【0017】
【車輪位置保持装置の構成】
車輪位置保持装置の構成を図1に示す。タイヤ車輪3の車軸16を回転自在に支持する車輪支持部材(軸受け)17をリーフスプリング18に固定するUボルト19に共締めされたブラケット9には、ブラケットピン10が固設されている。このブラケットピン10の上方に位置して車体2側に固設されたフック取付ピン11には、車輪位置フック12が枢結されている。更に油圧によって伸縮作動するフック揺動油圧シリンダ13の一端が車体2上に取り付けられているとともに、他の一端がフック12の中程に取り付けられている。そして、このフック揺動油圧シリンダ13の伸縮作動によりフック12はフック取付ピン11を中心に揺動される。フック揺動油圧シリンダ13の伸長作動によりフック12がフック取付ピン11のまわりに揺動され、フック12の長手方向がほぼ上下方向となった時、フック12の鉤部12aがブラケットピン10の下方に位置する構成となっている。
【0018】
車体2が道路上にあって、かつ転車台6が張り出されていない時は、車体2はリーフスプリング18がたわんだ状態でタイヤ車輪3のみにより支えられているので、上記のようにフック揺動シリンダ13の伸長作動によりフック12が揺動してその長手方向がほぼ上下方向となった時、ブラケットピンは実線10の位置にあり、フック鉤部12aとは離れた状態となる。
【0019】
また、転車台6あるいは車体2の転車台格納部近傍には、転車台6の格納状態を検知するリミットスイッチ(第1リミットスイッチ)22が備え付けられており、転車台張出格納油圧シリンダ7が収縮し、転車台6が車体内に完全に格納されている時にはオンとなり、転車台張出格納油圧シリンダ7が格納状態から伸長し、転車台6が少しでも下方に張り出されている時にはオフとなる。また鉄輪支持部材4aあるいは車体2の鉄輪支持部材取付部近傍には、鉄輪4の格納状態を検知するリミットスイッチ(第2リミットスイッチ)23が備え付けられており、鉄輪張出格納油圧シリンダ5が収縮し、鉄輪4が完全に格納されている時にはオンとなり、鉄輪張出格納油圧シリンダ5が格納状態から伸長し、鉄輪4が少しでも張り出されている時にはオフとなる。
【0020】
次に、転車台張出格納油圧シリンダ7およびフック揺動油圧シリンダ13の作動制御装置について図4を参照して説明する。ここで、各油圧シリンダのポート(接続口)については、ロッドのある側が乙ポート、反対側が甲ポートとする。油圧モータ28を駆動すると油圧ポンプ27により油槽30内の作動油はサクションフィルタ29を介して吸い上げられ、第2制御弁26へと送られる。第2制御弁は4ポートあり、油圧ポンプ27と通じるポート33と油槽30と通じるポート34の他に、第1制御弁25へ通じるポート35と全てのフック揺動油圧シリンダ13の乙ポートと通じるポート36(配管は途中で分岐)を有する。また第1制御弁25も4ポートあり、第2制御弁と通じるポート37と油槽30と通じるポート38の他に、全ての転車台張出格納油圧シリンダ7の甲ポートおよび全てのフック揺動油圧シリンダ13の甲ポートと通じるポート39(ともに配管は途中で分岐)と全ての転車台張出格納油圧シリンダ7の乙ポートと通じるポート40(配管は途中で分岐)を有する。また、各油圧シリンダの甲ポートおよび乙ポートへの配管の途中にはパイロット式チェック弁32が設けられている。
【0021】
第1制御弁25は手動式方向制御弁であり、転車台張出格納レバー21の手動操作により弁が切換えられる。この第1制御弁25は転車台張出格納レバー21を操作しない時はばねの力により常に中立位置25bに位置する。第2制御弁26はソレノイド式方向制御弁であり、一定条件の下(後述)で車体2上に設けられたフック揺動レバー24を手動操作するとフック揺動コントローラ15を介してソレノイド26cに電磁力が与えられ、弁が切換えられる。フック揺動レバー24を操作しない時はばねの力により常にノーマル位置26aに位置する。
【0022】
転車台張出格納レバー21もフック揺動レバー24も操作しない時は、第1制御弁は中立位置25bにあり、第2制御弁はノーマル位置26aにある。この時油圧ポンプ27が作動していれば油槽30から吸い上げられた作動油は第2制御弁26aのポート37からポート39へ、更に第1制御弁25aのポート33へ送られるが、ここで作動油は遮断されるので管内の油の圧力は高くなり、リリーフ弁31により油槽30内へ吐き出される。この状態では転車台張出格納油圧シリンダ7もフック揺動油圧シリンダ13も作動しない。
【0023】
【車輪位置保持装置の作動】
先ず、道路走行より軌道走行へ移行する時の作動を説明する。車体2は道路上(踏切上)にタイヤ車輪3のみで支えられており、この時転車台6は格納状態にあり(第1リミットスイッチ22はオン)、鉄輪4も格納状態にある(第2リミットスイッチ23は全てオン)。
【0024】
車体2上に設けられた転車台張出格納レバー21を手動操作して転車台張出格納油圧シリンダ7を伸長作動させると、転車台6が下方に張り出し始める(第1リミットスイッチ22はオフとなる)。この転車台張出格納油圧シリンダ7の伸長作動と同時にフック揺動油圧シリンダ13も伸長作動するが、これによりフック12をフック取付ピン11を中心に揺動させ、フック12の鉤部12aをブラケットピン10の下方に位置させる。転車台6が地面に接地する前にこのフック12の作動は完了する(地面の凹凸を考慮すると、フック揺動油圧シリンダ13の伸長作動は転車台張出格納油圧シリンダ7の伸長開始後、程なく完了するのが望ましい)。この時のタイヤ車輪3の外形は実線14、ブラケットピンは実線10の位置にある。
【0025】
更に転車台6が張り出され地面へ接地すると、その時を境に車体2は持ち上がり始める。このような車体2の持ち上げ移動に対して、タイヤ車輪3は車体2に対してリーフスプリング(サスペンション装置)18を介して支持されているので、リーフスプリング18のたわみは徐々に解放されていくとともにタイヤ車輪3は接地状態でその場に残ろうとする。しかし、図1のようにフック12の鉤部12aがブラケットピン10のすぐ下方に位置していることから、更に転車台6が張り出されていくと、リーフスプリング18のたわみが完全に解放される前に鉤部12aがブラケットピン10に引っ掛かり、タイヤ車輪3は前記タイヤ外形14の位置から若干量下方へ下がった位置にてフック12に固定保持されたまま地面を離れる。この時のタイヤ車輪の外形は2点鎖線14a、ブラケットピンは2点鎖線10aの位置となる。なお図1では、車体2の持ち上げ移動に対する車体側構造の上方への移動を、図示の便宜上、タイヤ車輪側構造が下方へ移動したように(タイヤ車輪外形14から14aへ、ブラケットピン10から10aへ)描いている。
【0026】
更に転車台6が張り出されると、タイヤ車輪3は位置を固定保持されたまま車体2とともに上方へ持ち上げられる。このため転車台6の張り出し量は小さくてよく、また鉄輪4の張り出し量も小さくて(鉄輪支持部材4aの長さが短くて)よい。
【0027】
転車台6を完全に張り出させて車体2を支持した後は、転車台6を水平旋回させて左右の鉄輪4、4をレールR上に位置させる。ここで、左右の鉄輪4、4のピッチがレールRの幅と異なっている場合には、レールRの幅に合わせて左右の鉄輪4、4のピッチを固定する。そして車体2上に設けられた鉄輪張出格納レバー20を操作して鉄輪張出格納油圧シリンダ5を伸長作動させ、鉄輪4を張り出させる(第2リミットスイッチが全てオフになる)。そして転車台6を徐々に格納作動させて左右の鉄輪4、4をレールR上に乗せた後、鉄輪駆動用油圧モータ(図示せず)により鉄輪4を駆動し、軌道上を走行する。
【0028】
このように、更に軌道走行時に必須となるタイヤ車輪位置の固定保持が転車台6の張り出し作動と連動して行われるため、タイヤ車輪位置の固定保持忘れが確実に防止できる。
【0029】
また、タイヤ車輪3をレールRより離した状態に固定保持することにより、タイヤ車輪3をレールRに接触させたまま軌道上を走行することにより生じる問題、すなわちタイヤ車輪3の変形部が車輌限界を超えた場合に起こりうるレールR近傍の機器の破損のおそれ、レールRに押しつけられたタイヤ車輪3による弾性的反力による車体の不安定、タイヤ車輪3の転がり抵抗による軌道走行中の大きな抵抗の発生などの問題を防止することができる。
【0030】
なお、タイヤ車輪位置が固定保持されていない状態で軌道を走行することを防止するため、軌道走行開始時にはフック12により車輪位置が固定保持され、かつ全ての鉄輪4が張り出した状態でなければ、鉄輪駆動用油圧モータ(図示せず)を駆動できない構造とすることが好ましい。
【0031】
上記の転車台6の張り出し(同時に車輪位置保持装置が作動)と格納の過程における転車台張出格納油圧シリンダ7およびフック揺動油圧シリンダ13の作動を油圧回路図(図4)により説明する。転車台6を張り出し作動する時は、フック揺動レバー24を操作しない状態(第2制御弁はノーマル位置26a)で転車台張出格納レバー21を手動操作して第1制御弁を25aに切換える。これにより油圧ポンプ27により吸い上げられた作動油は、第2制御弁26aのポート37からポート39を通過して第1制御弁25aのポート33へ流入し、ポート35から流出する。作動油は更にそれぞれの転車台張出格納油圧シリンダ7の甲ポートへ流れ込んで転車台張出格納油圧シリンダ7をそれぞれ伸長作動させ、それと同時に転車台張出格納油圧シリンダ7の乙ポートから流出した作動油は第1制御弁25aのポート36からポート34を経て油槽30へ吐き出される。これにより転車台6は張り出し作動する。
【0032】
なお、この過程で第1制御弁25aのポート36を流出した作動油はそれぞれの転車台張出格納油圧シリンダ7の甲ポートに流入すると同時にそれぞれのフック揺動油圧シリンダ13の甲ポートにも流入し、一方フック揺動油圧シリンダ13の乙ポートから流出した作動油は第2制御弁26aのポート40からポート38を経て油槽30内に吐き出される。これによりフック揺動油圧シリンダ13は伸長作動され、フック12は揺動してタイヤ車輪位置の固定保持が行われる。このようにタイヤ車輪位置の固定保持は転車台6の張り出し操作と同時に行われる(図3中の実線の流れを参照)。
【0033】
前述したように転車台6が地面に接地する前にフック揺動油圧シリンダ13の伸長作動は完了するので、転車台6の張り出しがそれ以上行われなくなった時は転車台張出格納油圧シリンダ7およびフック揺動油圧シリンダ13の伸長作動は全て終了しているため、フック揺動操作レバー24の操作を止める(手を放す)。あるいは転車台6が完全に張り出したことを検知するための検知手段とそれを介して転車台6の張り出し完了を表示する表示パネルを設けてもよい。フック揺動操作レバー24から手を放すと第1制御弁は25bの中立位置となり、油圧ポンプ27により吸い上げられる作動油は全てリリーフ弁31から油槽30内へ吐き出されるようになる。
【0034】
その後の転車台6の旋回後、転車台6を格納させる過程は、転車台6を張り出す時と同様フック揺動レバー24はそのままに(第2制御弁はノーマル位置26a)、転車台張出格納レバー21を操作して第1制御弁を25cに切り換える。そうすると油圧ポンプ27により吸い上げられ、第2制御弁26aのポート37かポート39を通過してきた作動油は第1制御弁25cのポート33に流入し、ポート36から流出する。そしてこの作動油は転車台張出格納油圧シリンダ7の乙ポートに流入し、一方転車台張出格納油圧シリンダ7の甲ポートから流出した作動油は第1制御弁25cのポート35からポート34を通って油槽30内に吐き出される。これにより転車台張出格納油圧シリンダ7は収縮作動し、転車台6は格納される。なお、この過程でフック揺動油圧シリンダ13は作動しない。
【0035】
次に、軌道走行より道路走行へ移行する作動を説明する。軌道走行を終えた直後は転車台6は完全に格納された状態にあり(第1リミットスイッチはオン)、鉄輪4は張り出し状態にある(第2リミットスイッチは全てオフ)。
【0036】
この状態から転車台6を徐々に張り出させて車体2を持ち上げ、、転車台6が完全に張り出されるとこれにより車体2は支持される。そして鉄輪張出格納レバー20の操作により鉄輪張出格納油圧シリンダ5を収縮作動させて鉄輪4を格納し(第2リミットスイッチが全てオンになる)、転車台6を水平旋回させて車体2を道路上に降ろす位置で止める。そして転車台6を徐々に格納していくと、やがてタイヤ車輪3は地面に接する。更に転車台6を格納させていき、完全に格納し終わると(第1リミットスイッチはオンになる)、車体2はタイヤ車輪3のみによって支持される。
【0037】
上記の転車台6の張り出し(車輪位置保持装置は作動しない)と格納の過程における転車台張出格納油圧シリンダ7の作動について図4を用いて説明する。転車台6を張り出させる時は、道路走行から軌道走行へ移行する時と同様の過程を経る。ただしフック揺動油圧シリンダ13が既に伸長状態にあるところが異なる。すなわち第1制御弁25aを通過した作動油は転車台張出格納油圧シリンダ7を伸長させるのみであり、フック揺動油圧シリンダ13は作動しない(転車台6の張り出し作動により前記のように作動油はフック揺動油圧シリンダ13の甲ポートに流入しようとするが、フック揺動油圧シリンダ13は既に伸長状態にあるため堰き止められるのみである)。この後、転車台6を格納させる時の転車台張出格納油圧シリンダ7の収縮過程は道路走行から軌道走行への移行時と同様の過程を経る。
【0038】
最後に、この後のタイヤ車輪位置の固定保持解除の操作を説明する。タイヤ車輪位置を固定保持するために伸長させていたフック揺動油圧シリンダ13を収縮させることによりタイヤ車輪位置の固定保持は解除されるが、これは先ず車体2に取り付けたフック揺動レバー24を手動操作することにより行われる。軌道走行中誤ってタイヤ車輪位置の固定保持の解除が行われる危険を防ぐため、このフック揺動レバー24は、上記のように鉄輪4が格納されて転車台6も完全に格納され、タイヤ車輪3のみで車体2が支えられている状態、すなわち第1リミットスイッチがオン、第2スイッチも全てオンの状態でなければフック揺動レバー24を操作しても、フック揺動コントローラ15はフック揺動油圧シリンダ13の収縮作動をさせる信号が出せない構成とする(図3中の破線の流れを参照)。
【0039】
上記のように、鉄輪4が格納されて転車台6も完全に格納されタイヤ車輪3のみで車体2が支えられている状態では、リーフスプリング18は車体2の重量によりたわみ、フック12とブラケットピン10は離れた状態(2点鎖線10aより実線10へ移動)となっている(図2参照)。フック揺動レバー24を手動操作し、フック揺動コントローラ15を介してフック揺動油圧シリンダ13を収縮作動させると、フック12はフック取付ピン11を中心に揺動して車体2に格納され、タイヤ車輪位置の固定保持解除が完了する。しかる後はじめてタイヤ車輪3により道路を走行する。
【0040】
このような構成とすることにより、軌道走行中誤ってフック揺動レバー24を操作してもタイヤ車輪位置の固定保持が解除される危険がなく、思わぬ事故を招く心配がない。
【0041】
上記の車輪位置の固定保持解除操作に伴うフック揺動油圧シリンダ13の作動を図4を用いて説明する。鉄輪4が格納され(第2リミットスイッチはオン)、転車台6も格納された(第1リミットスイッチもオン)後、転車台張出格納レバー21はそのままで(第1制御弁は中立位置25bにある)フック揺動レバー24を手動操作する。するとフック揺動コントローラ15から第2制御弁のソレノイド26cに電磁信号が送られて第2制御弁は26bに切り換えられ、油圧ポンプ27で吸い上げられた作動油は第2制御弁26bのポート37からポート40へ流れ、フック揺動油圧シリンダ13の乙ポートへ流入する。一方、フック揺動油圧シリンダ13の甲ポートから流出した作動油は第1制御弁25bのポート35へ流入し、ポート34を通って油槽30内へ吐き出される。これによりフック揺動油圧シリンダ13は収縮作動し、フック12を揺動させ車輪位置の固定保持作動が解除される。
【0042】
【発明の効果】
以上のように、本発明に係る車輪位置保持装置によれば、転車台の張り出し作動と連動して車輪位置保持手段が作動するので、車輪位置の固定保持忘れが確実に防止でき、車輪位置保持を忘れた時に生じうる軌道走行時のレール近傍の機器の破損、タイヤ車輪がレールに押しつけられることによって生じるタイヤの弾性的反力による車体の不安定、軌道走行中のタイヤ車輪の転がり抵抗による抵抗の発生などの問題を防ぐことができる。また、車輪位置の固定保持の解除は鉄輪を格納しかつ転車台も格納した状態でなければできないので、軌道走行中誤って車輪位置の固定保持が解除される危険がない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の車輪位置保持装置の構成を示す図である。
【図2】本発明の車輪位置保持装置を備える軌陸車の構成を示す側面図である。
【図3】本発明の車輪位置保持装置の構成を示すブロック図である。
【図4】本発明の車輪位置保持装置の油圧回路図である。
【符号の説明】
1 軌陸車
2 車体
3 タイヤ車輪(道路走行用車輪)
4 鉄輪(軌道走行用車輪)
4a 鉄輪支持部材
6 転車台
10 ブラケットピン
11 フック取付ピン
12 フック
13 フック揺動油圧シリンダ
14 タイヤ外形
17 車輪支持部材
18 リーフスプリング
19 Uボルト
R レール
Claims (2)
- 道路走行用車輪と、軌道走行用車輪と、車体に格納された格納位置から下方に張り出して車体を持ち上げ支持するとともにこの状態で車体を水平旋回させることが可能な転車台とを備え、道路走行時には前記軌道走行用車輪を格納して前記道路走行用車輪を用いて走行し、軌道走行時には前記軌道走行用車輪を軌道上に張り出して前記道路走行用車輪を軌道から離した状態で走行するように構成された軌陸車の車輪位置保持装置であって、
前記道路走行用車輪を回転自在に支持する車輪支持部材を、前記車体に対して所定位置で固定保持可能な車輪保持手段を備え、
前記転車台を格納位置から下方へ張り出し作動させる時に前記車輪保持手段を作動させ、前記車輪支持部材を前記所定位置で固定保持させることを特徴とする軌陸車の車輪位置保持装置。 - 前記車輪保持手段による前記車輪支持部材の保持作動を制御する保持作動制御手段と、
前記軌道走行用車輪の格納状態を検知する車輪格納検知手段と、
前記転車台の格納状態を検知する転車台格納検知手段とを備え、
前記転車台格納検知手段および前記車輪格納検知手段からの信号により、前記保持作動制御手段が前記車輪支持部材による前記車輪位置保持の解除を許可することを特徴とする請求項1記載の軌陸車の車輪位置保持装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP17061797A JP3634943B2 (ja) | 1997-06-26 | 1997-06-26 | 軌陸車の車輪位置保持装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP17061797A JP3634943B2 (ja) | 1997-06-26 | 1997-06-26 | 軌陸車の車輪位置保持装置 |
Publications (2)
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