JP3627313B2 - 電磁クラッチ - Google Patents

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    • F16D2027/001Means for electric connection of the coils of the electromagnetic clutches

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は動力伝達を断続する電磁クラッチに関するもので、自動車用空調装置の冷凍サイクルの圧縮機駆動用として好適なものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、自動車用空調装置の冷凍サイクルの圧縮機は、電磁クラッチを介してエンジンに連結され、電磁クラッチによりエンジンからの動力伝達が断続されるようになっている。
ところで、圧縮機が焼きつき等の故障を発生して、その回転軸がロックすると、エンジンの動力伝達装置のベルトに過大な力が加わり、このベルトの破損等の不具合が生じる。このベルト破損等の不具合が一旦生じると、エンジン冷却水循環用ウォータポンプ、バッテリ充電用発電機等のエンジン補機が作動不能となり、エンジンの運転停止という重大事態を引き起こすので、この不具合を未然に防止するための対策が必要である。
【0003】
そこで、従来では、以下のような対策を一般に講じている。すなわち、エンジン側からの動力を受けて回転している入力側のロータと、この入力側ロータに、電磁コイルの電磁吸引力により吸着されて回転する出力側のアーマチャとを有する電磁クラッチにおいて、圧縮機のロック時には出力側のアーマチャが回転不能となり、このアーマチャに対して前記ロータが滑りながら回転するので、この滑り接触部分の温度が異常上昇する。
【0004】
そこで、このアーマチャとロータとの滑り接触部分における温度の異常上昇に注目して、この温度の異常上昇により溶断する温度ヒューズを設置し、この温度ヒューズの溶断により前記電磁コイルへの通電を遮断して、電磁クラッチを動力遮断状態とすることにより、上記ベルトに過大な力が加わるのを防止している。このような温度ヒューズを設置した従来技術としては、特開昭57−51025号公報に記載されたものがあり、この従来技術では、前記電磁コイルを保持するコイルスプール(巻枠)を、コイルハウジング(固定磁極部材)内に固定するとともに、前記コイルスプールのうち、ロータ端面に対向する部位に温度ヒューズを設置している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来技術においては、本発明者らの実験、検討によると、次のごとき問題が生じることが分かった。
すなわち、温度ヒューズが、コイルハウジングより離れた部位において、電磁コイルおよびコイルスプールを絶縁固定する樹脂部材により覆われて設置されているので、温度ヒューズ周辺部の熱は外部に放出されにくい。
【0006】
そのため、圧縮機正常時に電磁コイルが通電され、発熱すると、この発熱の影響を受けて温度ヒューズ周辺部も温度上昇して、温度ヒューズの溶断温度以上に上昇する場合が生じ、これにより正常時にもかかわらず、温度ヒューズが溶断するという誤作動が生じることがある。
また、圧縮機のロック時にはアーマチャとロータとの滑り接触部分における温度上昇の伝達が上記樹脂部材により妨げられて、滑り接触部分の熱が温度ヒューズに伝わりにくいので、温度ヒューズが溶断するまでの時間が長くかかり、応答性が悪いという問題が生じる。この応答性の悪化により、温度ヒューズの溶断前に、電磁クラッチの軸受(ボールベアリング)が温度上昇してロックしてしまう場合がある。
【0007】
本発明は上記点に鑑みてなされたもので、正常時における温度ヒューズの誤作動の可能性を低減できるとともに、クラッチ滑り時における温度ヒューズ溶断の応答性を向上できる電磁クラッチを提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記目的を達成するため、以下の技術的手段を採用する。請求項1記載の発明では、磁性体により形成され、回転駆動源からの回転力を受けて回転する駆動側回転部材(2)と、
従動側機器の回転軸に連結された従動側回転部材(12)と、
通電により電磁吸引力を発生する電磁コイル(5)と、
磁性体により形成され、前記電磁コイル(5)を収納し、固定するコイルハウジング(4)と、
磁性体により形成され、前記電磁コイル(5)の発生する電磁吸引力により前記駆動側回転部材(2)の摩擦面(2a)に吸着されるアーマチャ(8)と、
前記従動側回転部材(12)と前記アーマチャ(8)との間を連結するように配設され、前記電磁コイル(5)の非通電時には前記アーマチャ(8)を前記駆動側回転部材(2)の摩擦面(2a)から開離した位置に保持する弾性連結機構((9、10、11)と、
前記コイルハウジング(4)内において、前記駆動側回転部材(2)の摩擦面(2a)に近接し、かつ前記コイルハウジング(4)の壁面にも近接した部位に配設され、所定温度以上において溶断して、前記電磁コイル(5)への通電を遮断する温度ヒューズ(13)とを備え、
前記電磁コイル(5)および前記温度ヒューズ(13)は、前記コイルハウジング(4)内に成形された樹脂部材(6)により固定保持され、
前記温度ヒューズ(13)から引き出されるリード線(13a、13b)に、前記樹脂部材(6)から加わる引っ張り荷重を緩和する弾性材料からなる被覆チューブ(13c、13d)が嵌着されている電磁クラッチを特徴としている。
【0009】
請求項2記載の発明では、請求項1に記載の電磁クラッチにおいて、前記リード線のうち、前記温度ヒューズ(13)の一端側から引き出される一端側リード線(13a)は結線部(5c)にて前記電磁コイル(5)の巻終わり部(5b)に接続され、
前記リード線のうち、前記温度ヒューズ(13)の他端側から引き出される他端側リード線(13b)は結線部(5d、16)にて外部回路への接続用リード線(18)に接続されることを特徴とする。
請求項3記載の発明では、請求項1または2に記載の電磁クラッチにおいて、前記コイルハウジング(4)内にヒューズ保持部材(14)が設けられており、このヒューズ保持部材(14)により前記温度ヒューズ(13)が位置決めして固定保持されていることを特徴とする。
【0010】
請求項4記載の発明では、請求項3に記載の電磁クラッチにおいて、前記電磁コイル(5)を保持するコイルスプール(19)が前記コイルハウジング(4)内に設けられており、
前記コイルスプール(19)に前記ヒューズ保持部材(14)が一体成形されていることを特徴とする。
【0011】
請求項5記載の発明では、請求項1ないし4のいずれか1つに記載の電磁クラッチにおいて、前記コイルハウジング(4)は、断面コの字形状の2重円筒形状に形成されており、
前記温度ヒューズ(13)は、前記コイルハウジング(4)の2重円筒形状のうち、内周側円筒部(4a)に近接した部位に配設されていることを特徴とする。
【0012】
請求項6記載の発明では、請求項5に記載の電磁クラッチにおいて、前記温度ヒューズ(13)は、前記コイルハウジング(4)の2重円筒形状のうち、内周側円筒部(4a)の外周壁面から5.0mm以内で、かつ前記コイルハウジング(4)の前記摩擦面側端面(4c)から5.0mm以内の範囲に配設されていることを特徴とする。
【0013】
請求項7記載の発明では、請求項1ないし4のいずれか1つに記載の電磁クラッチにおいて、前記コイルハウジング(4)は、断面コの字形状の2重円筒形状に形成されており、
前記温度ヒューズ(13)は、前記コイルハウジング(4)の2重円筒形状のうち、外周側円筒部(4b)に近接した部位に配設されていることを特徴とする。
【0014】
請求項8記載の発明では、請求項7に記載の電磁クラッチにおいて、前記温度ヒューズ(13)は、前記コイルハウジング(4)の2重円筒形状のうち、外周側円筒部(4b)の内周壁面から5.0mm以内で、かつ前記コイルハウジング(4)の前記摩擦面側端面(4c)から5.0 mm以内の範囲に配設されていることを特徴とする。
【0015】
請求項9記載の発明では、請求項ないし8のいずれか1つに記載の電磁クラッチにおいて、前記温度ヒューズ(13)から引き出されるリード線(13a、13b)に、前記樹脂部材(6)から加わる引っ張り荷重を緩和する曲げ部(13e、13f、13g、13h)が形成されていることを特徴とする。
請求項10記載の発明では、磁性体により形成され、回転駆動源からの回転力を受けて回転する駆動側回転部材(2)と、
従動側機器の回転軸に連結された従動側回転部材(12)と、
通電により電磁吸引力を発生する電磁コイル(5)と、
磁性体により形成され、前記電磁コイル(5)を収納し、固定するコイルハウジング(4)と、
磁性体により形成され、前記電磁コイル(5)の発生する電磁吸引力により前記駆動側回転部材(2)の摩擦面(2a)に吸着されるアーマチャ(8)と、
前記従動側回転部材(12)と前記アーマチャ(8)との間を連結するように配設され、前記電磁コイル(5)の非通電時には前記アーマチャ(8)を前記駆動側回転部材(2)の摩擦面(2a)から開離した位置に保持する弾性連結機構((9、10、11)と、
前記コイルハウジング(4)内において、前記駆動側回転部材(2)の摩擦面(2a)に近接し、かつ前記コイルハウジング(4)の壁面にも近接した部位に配設され、所定温度以上において溶断して、前記電磁コイル(5)への通電を遮断する温度ヒューズ(13)とを備え、
前記電磁コイル(5)および前記温度ヒューズ(13)は、前記コイルハウジング(4)内に成形された樹脂部材(6)により固定保持され、
前記温度ヒューズ(13)から引き出されるリード線(13a、13b)に、前記樹脂部材(6)から加わる引っ張り荷重を緩和する曲げ部(13e、13f、13g、13h)が形成されていることを特徴とする。
【0016】
なお、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
【0017】
【発明の作用効果】
請求項1ないし10記載の発明によれば、圧縮機等の従動側機器の正常作動時に、電磁コイルが通電により発熱しても、温度ヒューズをコイルハウジングの壁面に近接して配設しているので、温度ヒューズ周囲の熱は、樹脂よりも熱伝導性が良好な、磁性体金属からなるコイルハウジング側に放熱されるので、温度ヒューズ周囲の温度は、熱伝導度が低い樹脂部材の中央部内に位置している場合に比してかなり低い温度となる。
【0018】
そのため、電磁コイルが発熱しても、その発熱の影響を受けて、温度ヒューズが誤作動し、溶断する可能性を著しく低減できる。
一方、従動側機器が焼きつき等の重大故障を起こしてロックすると、アーマチャと駆動側回転部材との滑り接触部分が摩擦熱により異常に温度が上昇する。
このとき、コイルハウジングは樹脂よりも熱伝導度が高いので、コイルハウジングのうち、駆動側回転部材の摩擦面に近接した端部は駆動側回転部材の温度上昇による熱を受けて速やかに温度上昇する。そして、温度ヒューズは、上記コイルハウジングの端部を通して受熱するため、駆動側回転部材の温度上昇に対して応答よく温度上昇する。
【0019】
これにより、従動側機器のロック発生後、短時間で温度ヒューズがその溶断温度まで上昇して溶断し、電磁コイルへの通電を遮断できる。従って、温度ヒューズの溶断前に、電磁クラッチの軸受が温度上昇してロックしてしまうといった不具合を確実に阻止できる。
上記に加えて、請求項記載の発明では、冷熱サイクルの繰り返しにより樹脂部材に亀裂が発生し、低温時にこの亀裂部位での収縮により樹脂部材から引っ張り荷重が温度ヒューズのリード線に加わる際に、この引っ張り荷重を被覆チューブにて良好に吸収、緩和でき、そのためリード線部分の損傷、断線を確実に防止できる。
【0020】
同様に、請求項10記載の発明では、リード線に形成した曲げ部にて、樹脂部材から加わる引っ張り荷重を吸収、緩和して、リード線部分の損傷、断線を確実に防止できる。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を図に示す実施形態について説明する。
(第1実施形態)
図1および図2において、1は駆動側プーリで、図示しないベルトを介して自動車エンジンから回転力を受けて回転するものである。このプーリ1は多重Vベルトが係合される多重V溝を持ったプーリ部1aが一体形成されており、鉄系金属で製作されている。
【0022】
2は断面コの字形状の2重円筒形状に形成された駆動側ロータで、鉄系金属(強磁性体)で製作されており、プーリ1とは溶接等の接合手段で一体に接合されている。このロータ2の内周部には、ベアリング3が配置され、このベアリング3によりロータ2は図示しない圧縮機のフロントハウジングの円筒突出部上に回転自在に支持されるようになっている。ここで、圧縮機は自動車用空調装置の冷凍サイクルの冷媒圧縮用のものである。
【0023】
4は固定磁極部材としての役割を果たすコイルハウジングで、断面コの字形状の2重円筒形状に鉄系金属(強磁性体)で形成されている。このコイルハウジング4の内部には電磁コイル5が樹脂部材6により絶縁固定されている。この樹脂部材6はエポキシ樹脂、不飽和ポリエステルのような比較的低温(130〜140°C)で成形できる樹脂材料をコイルハウジング4の内部空間に注入し成形したものである。
【0024】
また、コイルハウジング4は前記ロータ2の断面コの字形状の内部空間内に微小隙間を介して配設されており、このコイルハウジング4の背面部には鉄系金属でリング状に形成されたステー7が点溶接等により接合されている。このステー7を介してコイルハウジング4は前記圧縮機のフロントハウジングに固定されるようになっている。
【0025】
前記ロータ2の半径方向に延びる摩擦面2aには円周方向に延びる円弧状の磁気遮断溝2b、2cが形成してあり、さらに半径方向外方の磁気遮断溝2bの部位には摩擦材2dが配設され、伝達トルクの向上を図るようにしてある。
8はロータ2の摩擦面2aに対向して配設されたアーマチャで、リング状に鉄系金属(強磁性体)で形成されている。このアーマチャ8は電磁コイル5の非通電時には後述する弾性部材9の弾性力によりロータ2の摩擦面2aから所定の微小距離離れた位置に保持されるようになっている。このアーマチャ8にも、円周方向に延びる円弧状の磁気遮断溝8aが形成されている。
【0026】
電磁コイル5への通電により発生する磁束が流れる磁気回路は、上記ロータ2、コイルハウジング4およびアーマチャ8により構成されている。
10は鉄系金属からなるリベットで、アーマチャ8を鉄系金属からなるリング状の保持部材11に固定するものである。前記弾性部材9は保持部材11の円筒部11aの内周面と、ハブ12の外側円筒部12aの外周面との間に配置され、この両部材11、12に対して一体成形されて一体に結合されている。
【0027】
前記弾性部材9は前記両部材11、12の間に円筒状に成形されており、その材質としては、自動車の使用環境温度範囲(−30°C〜120°)に対して、トルク伝達およびトルク変動吸収の面で優れた特性を発揮するゴムを用いることが好ましく、具体的には、塩素化ブチルゴム、アクリロニトリルブタジエンゴム、エチレンプロピレンゴム等のゴムがよい。
【0028】
前記ハブ12は鉄系金属にて形成されており、ハブ12の中心円筒部12bの内周には、前記圧縮機の回転軸(図示せず)がスプライン結合等により回り止め嵌合され、そしてハブ12と前記圧縮機の回転軸は図示しないボルトにより一体に締めつけ固定されている。
13は温度ヒューズで、所定温度(本例では184°C)において溶融する感温部材(有機化合物からなる樹脂製部材)を内蔵し、この感温部材が溶融するまでは接点間の電気的接続状態を維持し、そして感温部材が溶融すると、スプリングの作用で接点間を切り離して、電気的接続状態を遮断する構成である。
【0029】
この温度ヒューズ13はこれらの感温部材、接点機構、スプリング等を円筒状ケース内に収納した略円柱状の形状に形成されている。そして、この温度ヒューズ13は圧縮機ロック時にアーマチャ8が回転不能となり、このアーマチャ8に対してロータ2が滑りながら回転することにより、この滑り接触部分の温度が異常上昇するのを感知して遮断状態になるものである。
【0030】
従って、温度ヒューズ13は圧縮機ロック時におけるアーマチャ8とロータ2との滑り接触に基づく温度の異常上昇を応答よく感知する必要があり、しかも圧縮機正常時における電磁コイル5の発熱に対しては誤作動しないようにする必要がある。
上記点を考慮して、本実施形態では、温度ヒューズ13の配置場所を次のように設定している。すなわち、内周側円筒部4aおよび外周側円筒部4bを有する2重円筒形状に形成されたコイルハウジング4において、前記温度ヒューズ13は、内周側円筒部4aの外周壁面に近接した部位で、かつロータ2の端面(摩擦面2aと反対側の面)2eに近接した部位に配設されている。従って、温度ヒューズ13は、樹脂部材6の表面近くの部位に配設されることになり、温度ヒューズ13の表面を樹脂部材6は薄膜状に覆っているだけである。
【0031】
そして、上記配設部位に位置決めして、温度ヒューズ13を固定するために、コイルハウジング4内にヒューズ保持部材14が設けられている。このヒューズ保持部材14は図3に示すように断面略コの字状の本体部14aを有する形状に樹脂にて成形され、そしてこのヒューズ保持部材14においてコイルハウジング4の内周側円筒部4aの外周壁面およびロータ2の端面2eに近接した部位に二股状の挟持片14b(図2、3参照)が形成され、この挟持片14bにより円柱状の温度ヒューズ13が弾性的に挟持、固定されている。
【0032】
ここで、ヒューズ保持部材14を構成する樹脂材料としては、電磁コイル5の発熱に耐える耐熱性に優れた樹脂が好ましく、例えばナイロン、ポリフェニレンサルファイド、ポリブチレンテレフタレート等を用いる。
次に、上記電磁コイル5と温度ヒューズ13との電気結線、およびこれら部材5、13のコイルハウジング4内への組付方法について説明する。
【0033】
図4、5は電磁コイル5部分単体の構造を示す図であって、5aは電磁コイル5の巻き始め側コイル線で、電磁コイル5は図4の矢印Z方向に巻かれている。図2において、5bは電磁コイル5の巻き終わり側コイル線で、結線部5cにて温度ヒューズ13の一端側のリード線13aに電気的に接続されている。
そして、温度ヒューズ13の他端側のリード線13bは結線部5dにてリード線5eに電気的に接続されている。電磁コイル5の巻き始め側コイル線5aと、上記温度ヒューズ13側のリード線5eは、図4に示すようにそれぞれ結線部15、16を介して外部電気回路への接続用リード線17、18に接続されている。なお、上記各結線部の電気的および機械的接合は、半田付け、ヒュージング、かしめ等の手段で行うとよい。
【0034】
図6は上記した電磁コイル5部分の電気接続関係を示す回路図である。
上記のように、電磁コイル5と温度ヒューズ13との電気結線を行った後に、ヒューズ保持部材14に形成された二股状の挟持片14bの間に円柱状の温度ヒューズ13を押し込み、温度ヒューズ13を二股状の挟持片14bにより弾性的に挟持し、固定する。
【0035】
次に、ヒューズ保持部材14の断面略コの字状本体部14aを、リング状に巻線された電磁コイル5に組付ける。
次に、電磁コイル5をコイルハウジング4内に挿入する。このとき、ヒューズ保持部材14は、コイルハウジング4内の所定位置(図1に示す位置)に圧入により固定されるので、温度ヒューズ13も前述した所定の配設場所に位置決めして固定される。ここで、ヒューズ保持部材14に保持された温度ヒューズ13は図2に示すように電磁コイル5およびコイルハウジング4の円周方向に沿って配設される。
【0036】
しかる後、コイルハウジング4内に樹脂部材6を注入して成形することにより、コイルハウジング4内に電磁コイル5、温度ヒューズ13およびヒューズ保持部材14が樹脂部材6によって固定、保持される。ここで、樹脂部材6は前述したように比較的低温(130〜140°C程度)で成形できる樹脂材料を用いているため、この成形時の熱で温度ヒューズ13が溶断する恐れはない。
【0037】
以上により、電磁コイル5のコイルハウジング4内への組付を終了できる。
次に、上記構成において第1実施形態の作動を説明する。
まず、圧縮機の正常運転時について述べると、自動車エンジンのクランクプーリの回転が図示しないベルトを介してプーリ1に伝達され、このプーリ1と一体にロータ2は常時回転している。
【0038】
上記の状態において、自動車用空調装置を作動させるため、電磁コイル5に通電されると、コイルハウジング4からロータ2、およびアーマチャ8を経てコイルハウジング4に戻る磁気回路に磁束が流れる。これにより、ロータ2の摩擦面2aとアーマチャ8との間に電磁吸引力が発生するので、アーマチャ8は弾性部材9の軸方向弾性力(図1の左方向への力)に抗してロータ2の摩擦面2aに吸引、吸着される。
【0039】
この結果、ロータ2とアーマチャ8が一体となって回転し、さらにアーマチャ8からリベット10、保持部材11、および弾性部材9を介してハブ12に回転が伝達される。このハブ15には圧縮機の回転軸が一体に結合されているので、この圧縮機の回転軸にプーリ1の回転が伝達され、圧縮機4が作動する。
ここで、圧縮機4の正常運転時には、ゴム製の弾性部材9が圧縮機の作動によるトルク変動を吸収する役割を果たしている。
【0040】
ところで、上記圧縮機の正常作動時に、電磁コイル5は通電により発熱するが、本実施形態では、温度ヒューズ13をコイルハウジング4の内周側円筒部4aに近接して配設しているので、温度ヒューズ13周囲の熱は、樹脂よりも熱伝導性が良好な、磁性体金属からなるコイルハウジング4側に放熱されるので、温度ヒューズ13周囲の温度は、熱伝導度が低い樹脂部材6の中央部内に位置している場合に比してかなり低い温度となる。
【0041】
そのため、電磁コイル5が発熱しても、その発熱の影響を受けて、温度ヒューズ13が誤作動し、溶断する可能性を著しく低減できる。
一方、圧縮機が焼きつき等の重大故障を起こしてロックすると、圧縮機の回転軸側に結合されているアーマチャ8は回転不能となるので、このアーマチャ8上を滑りながらロータ2が回転する。その結果、このアーマチャ8とロータ2との滑り接触部分が摩擦熱により異常に温度が上昇する。
【0042】
このとき、コイルハウジング4は樹脂よりも熱伝導度が高いので、コイルハウジング4のうち、ロータ2の端面2eに近接した部分、すなわち内外周円筒部4a、4bの端面4cはロータ2の温度上昇による熱を受けて速やかに温度上昇する。そのため、温度ヒューズ13は、その表面側に位置する薄膜状の樹脂部材6を通して受熱する熱量に加えて、上記コイルハウジング4の内周側円筒部4aの端部4cを通して受熱するため、ロータ2の温度上昇に対して応答よく温度上昇する。
【0043】
これにより、圧縮機のロック発生後、短時間で温度ヒューズ13がその溶断温度まで上昇して溶断し、電磁コイル5への通電を遮断する。
図7は、クラッチ滑り時における温度上昇の測定結果を示すもので、実験方法としては、予めロックさせておいた圧縮機回転軸に電磁クラッチを組付け、クラッチOFF状態にてロータ2を3,000rpmの回転数で回転させ、その後電磁コイル5に通電して、クラッチON状態とし、クラッチを強制的に滑り状態とする。
【0044】
この滑り状態におけるコイルハウジング4内各部の温度変化を測定したものである。すなわち、コイルハウジング4内において、ロータ2の端面2eに近接した部位のうち、内周側、外周側および中央部の3箇所の部位(図7(a)参照)の温度変化を測定した。
ここで、具体的には内周側の部位は、コイルハウジング4の内周側円筒部4aの外周壁面より1.0mmで、かつコイルハウジング4のロータ摩擦面2a側端面4cより1.0mmの位置である。また、中央部の部位は、コイルハウジング4の内周側円筒部4aの外周壁面より7.0mmで、かつコイルハウジング4のロータ摩擦面2a側端面4cより1.0mmの位置である。さらに、外周側の部位は、コイルハウジング4の外周側円筒部4bの内周壁面より1.0mmで、かつコイルハウジング4のロータ摩擦面2a側端面4cより1.0mmの位置である。 図7(b)のグラフから明らかなように、中央部に比して内周側、外周側はクラッチの滑り発生後、短時間で急激に温度上昇が起こることが分かる。これは、コイルハウジング4内の内周側および外周側部位では、コイルハウジング4の内周側円筒部4a、外周側円筒部4bの端部4cを通して受熱するため、ロータ2の温度上昇に対して応答よく温度上昇するためである。
【0045】
図8は、クラッチ滑り時における温度ヒューズ13の作動特性を示すもので、前記第1実施形態による本発明品では、クラッチの滑り発生後、温度ヒューズ13の配設部位の温度が短時間で急激に上昇し、クラッチの滑り発生から76秒経過後に、この温度上昇により温度ヒューズ13が溶断するという良好な結果が得られた。ここで、温度ヒューズ13の感温部材の融点は184°Cであるが、温度ヒューズ13が実際に電気的に遮断状態となる溶断温度は、ヒューズ作動特性による時間遅れ等により260°Cとなる。
【0046】
これに反し、図7(a)に示す前記中央部に温度ヒューズを配設した比較例では、クラッチの滑り発生から115秒経過後に、温度ヒューズが溶断するという結果となり、温度ヒューズの作動時間が長くなってしまう。また、比較例では、温度ヒューズ配設部位の温度上昇が少ないため、本発明による温度ヒューズ13と同様のヒューズ作動時間を確保しようとすると、温度ヒューズの溶断温度をさらに低い温度に設定せざるを得ない。そのため、クラッチ正常時に電磁コイル5の発熱の影響を受けて温度ヒューズが誤作動する可能性も高くなる。
【0047】
本発明者らの上記図7、8に示す実験、検討によれば、クラッチ正常時における温度ヒューズ13の誤作動防止を図るとともに、クラッチ滑り時における温度ヒューズ13の応答性向上を図るために、温度ヒューズ13の設置場所として、図9の斜線部に示す範囲内とすることが望ましいことが分かった。
すなわち、第1には、コイルハウジング4の内周側円筒部4aの外周壁面より最大5.0mm以内で、かつコイルハウジング4のロータ摩擦面2a側端面4cより最大5.0mm以内の範囲である。第2には、コイルハウジング4の外周側円筒部4bの内周壁面より最大5.0mm以内で、かつコイルハウジング4のロータ摩擦面2a側端面4cより最大5.0mm以内の範囲であって、これら第1および第2の範囲内に温度ヒューズ13を設置することが温度ヒューズ13の誤作動防止および応答性向上のために有効である。
(第2実施形態)
第1実施形態では、温度ヒューズ13を所定位置に位置決めして保持するヒューズ保持部材14を単独の部品として設置する場合について説明したが、このヒューズ保持部材14を電磁コイル5のスプール(巻枠)に一体成形してもよい。
【0048】
図10、11は、電磁コイル5を巻回している樹脂製スプール19に、ヒューズ保持部材14を一体成形した第2実施形態を示す。この第2実施形態では、スプール19に一体成形されたヒューズ保持部材14により、温度ヒューズ13を所定部位に位置決めして保持している。
なお、第2実施形態における温度ヒューズ13と電磁コイル5との電気結線は第1実施形態と同じでよく、図10(b)における電気結線に係わる部品(13a、13b、5b、5c、5d、5e)は図2と同じものである。
【0049】
また、第2実施形態では、コイルハウジング4内において、外周側円筒部4bに近接した部位に温度ヒューズ13を配設している。このように、コイルハウジング4の外周側円筒部4bに近接した部位に温度ヒューズ13を配設しても、図7の実験結果に示すように、クラッチ滑り時に温度ヒューズ13がロータ2の温度上昇に対して応答よく温度上昇するので、第1実施形態と同じ作用効果を発揮できる。
(第3実施形態)
第3実施形態は、温度ヒューズ13のリード線13a、13b部分の冷熱作用に対する耐久寿命を向上させるための改良に係わるものである。
【0050】
自動車用空調装置の電磁クラッチはエンジンルーム内に搭載されるが、このエンジンルーム内の温度環境は、冬季のエンジン停止時には−30°C程度まで、低下し、逆に夏季のエンジン運転時には、120°C程度まで上昇することがある。その結果、エンジンの運転停止に伴って、電磁クラッチには過酷な冷熱作用が繰り返し加わることになる。
【0051】
この冷熱作用の繰り返しおよびコイルハウジング4内各部材の熱膨張率の差が原因となって、コイルハウジング4内に成形されている樹脂部材(エポキシ樹脂等)6に、図12に示すように、亀裂60が発生し、そして低温時にはこの亀裂60の部位にて樹脂部材6の収縮が起きる。この収縮により、温度ヒューズ13のリード線13a、13bに対して過大な引っ張り荷重が加わり、リード線13a、13bと温度ヒューズ13との結線部もしくはリード線13a、13b自身が損傷し、最悪の場合には温度ヒューズ13の回路が断線して、クラッチが作動不能に至ることがある。
【0052】
第3実施形態はこのようなリード線13a、13b部分の損傷、断線を防止することを目的として案出されたもので、そのために図13に示すように、リード線13a、13bに保護チューブ13c、13dを嵌着するようにしたものである。前記亀裂部位での樹脂部材6の収縮による引っ張り荷重をこの保護チューブ13c、13dの伸縮により吸収して、リード線13a、13bに作用する引っ張り荷重を軽減できる。
【0053】
保護チューブ13c、13dの具体的形態としては、リード線13a、13bの径がφ0.7mmである場合に、保護チューブ13c、13dの内径はφ0.8mmとし、肉厚tは0.4mmとする。
また、保護チューブ13c、13dの材質としては、自動車における広範な温度変動に対して弾性を維持し得る弾性材料が好ましく、具体的には市販品のシリコーンチューブが好適である。
【0054】
保護チューブ13c、13dの組付を行うに際しては、電磁コイル5のコイル線5bとリード線13aとを結線する前に、またリード線13bとリード線5eとを結線する前に、それぞれ、保護チューブ13c、13dをリード線13a、13bに嵌着し、その後に、各結線部5c、5dをかしめて、半田付け固定し、その後絶縁テープを各結線部5c、5dの表面に巻回する。
【0055】
なお、樹脂部材6に発生する亀裂60はヒューズ保持部材14の側端面に発生することが多いので、ヒューズ保持部材14の幅寸法Wを図14に示すように、温度ヒューズ13の幅より十分大きくすることにより、樹脂部材6に発生する亀裂60が温度ヒューズ13とリード線13a、13bとの結線部に位置せず、保護チューブ13c、13dの途中に位置するようになる。これにより、保護チューブ13c、13dによる引っ張り荷重の吸収作用を確実に発揮できる。
【0056】
本発明者らの試作、検討によれば、上記シリコーンチューブからなる保護チューブ13c、13dをリード線13a、13bに嵌着して、冷熱サイクルによる耐久性を実験、評価したところ、リード線13a、13b部分に損傷が発生しないことを確認できた。
(第4実施形態)
第4実施形態は、上記第3実施形態と同様に、温度ヒューズ13のリード線13a、13bの冷熱作用に対する耐久寿命を向上させるための改良に係わるものである。
【0057】
本例では、図15(a)(b)に示すように、温度ヒューズ13のリード線13a、13bを、ヒューズ保持部材14が覆っている範囲内にて、U字上に曲げてUターン部分13e、13fを形成するとともに、このUターン部分13e、13fで電気的短絡が発生しないようにするため、リード線13a、13bのUターン部分13e、13fが所定間隔を維持しながら交差するようになっている。
【0058】
このリード線13a、13bのUターン部分13e、13fでの間隔保持のために、ヒューズ保持部材14にはリード線案内部14c、14dが一体成形されている。
そして、リード線13a、13bはそれぞれ温度ヒューズ13の本体部からの引出し方向とは反対側にて、コイル線5b、リード線5eと結線部5c、5dにて結線されている。
【0059】
このように、温度ヒューズ13のリード線13a、13bにUターン部分13e、13fを形成することにより、このUターン部分13e、13fの緩みにて、前記亀裂部位での樹脂部材6の収縮による引っ張り荷重を大幅に緩和できるので、第3実施形態のような保護チューブ13c、13dを嵌着しなくても、リード線13a、13b部分の冷熱作用による損傷、断線を良好に防止できる。
(第5実施形態)
第5実施形態は、上記第4実施形態を変形したもので、図16に示すように、温度ヒューズ13のリード線13a、13bを、ヒューズ保持部材14が覆っている範囲内にて、直角状に曲げ、この直角状曲げ部分13g、13hにて、前記亀裂部位での樹脂部材6の収縮による引っ張り荷重を緩和するようにしたものである。
【0060】
なお、上記第4、第5実施形態において、リード線13a、13bに保護チューブ13c、13dを嵌着して、リード線13a、13bの曲げ部と保護チューブ13c、13dの両者の作用を組み合わせて、引っ張り荷重を緩和するようにしてもよい。
(他の実施形態)
なお、上述の実施形態は、自動車用空調装置の冷媒圧縮用圧縮機に本発明を適用した場合について説明したが、本発明はこのような用途に限らず、種々な用途の機器に対して広く適用可能であることはもちろんである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態を示す縦断面図である。
【図2】図1のコイルハウジング部分の正面図で、樹脂部材を成形する前の状態を示す。
【図3】図1、2に示すヒューズ保持部材の斜視図である。
【図4】図1、2に示す電磁コイル単体の背面図である。
【図5】図4に示す電磁コイル単体の上面図である。
【図6】図4、5に示す電磁コイル部分の電気回路図である。
【図7】(a)はクラッチ滑り時における温度上昇の測定部位を示すクラッチ半断面図、(b)はクラッチ滑り時における温度上昇の測定結果を示すグラフである。
【図8】(a)はクラッチ滑り時における温度上昇の測定部位を示すクラッチ半断面図、(b)はクラッチ滑り時における温度ヒューズ作動特性を示すグラフである。
【図9】本発明における温度ヒューズ設置場所の好ましい範囲を示すクラッチ半断面図である。
【図10】(a)、(b)、(c)は本発明の第2実施形態を示す電磁コイル用スプールと温度ヒューズとの組付構造を示す説明図である。
【図11】本発明の第2実施形態を示すクラッチ半断面図である。
【図12】本発明の第3実施形態における解決課題を説明する温度ヒューズ組付部分の正面図である。
【図13】本発明の第3実施形態を示す温度ヒューズ組付部分の正面図である。
【図14】本発明の第3実施形態における温度ヒューズ部の拡大図である。
【図15】(a)は本発明の第4実施形態を示すコイルハウジング部分の一部破断正面図、(b)は(a)の断面図である。
【図16】本発明の第5実施形態を示す温度ヒューズ組付部分の正面図である。
【符号の説明】
1、2…プーリ、ロータ(駆動側回転部材)、4…コイルハウジング、
4a…内周側円筒部、4b…外周側円筒部、5…電磁コイル、6…樹脂部材、
8…アーマチャ、9…弾性部材、10…リベット、11…保持部材、12…ハブ(従動側回転部材)、13…温度ヒューズ、14…ヒューズ保持部材。

Claims (10)

  1. 磁性体により形成され、回転駆動源からの回転力を受けて回転する駆動側回転部材と、
    従動側機器の回転軸に連結された従動側回転部材と、
    通電により電磁吸引力を発生する電磁コイルと、
    磁性体により形成され、前記電磁コイルを収納し、固定するコイルハウジングと、
    磁性体により形成され、前記電磁コイルの発生する電磁吸引力により前記駆動側回転部材の摩擦面に吸着されるアーマチャと、
    前記従動側回転部材と前記アーマチャとの間を連結するように配設され、前記電磁コイルの非通電時には前記アーマチャを前記駆動側回転部材の摩擦面から開離した位置に保持する弾性連結機構と、
    前記コイルハウジング内において、前記駆動側回転部材の摩擦面に近接し、かつ前記コイルハウジングの壁面にも近接した部位に配設され、所定温度以上において溶断して、前記電磁コイルへの通電を遮断する温度ヒューズとを備え、
    前記電磁コイルおよび前記温度ヒューズは、前記コイルハウジング内に成形された樹脂部材により固定保持され、
    前記温度ヒューズから引き出されるリード線に、前記樹脂部材から加わる引っ張り荷重を緩和する弾性材料からなる被覆チューブが嵌着されていることを特徴とする電磁クラッチ。
  2. 前記リード線のうち、前記温度ヒューズの一端側から引き出される一端側リード線は結線部にて前記電磁コイルの巻終わり部に接続され、
    前記リード線のうち、前記温度ヒューズの他端側から引き出される他端側リード線は結線部にて外部回路への接続用リード線に接続されることを特徴とする請求項1に記載の電磁クラッチ。
  3. 前記コイルハウジング内にヒューズ保持部材が設けられており、
    このヒューズ保持部材により前記温度ヒューズが位置決めして固定保持されていることを特徴とする請求項1または2に記載の電磁クラッチ。
  4. 前記電磁コイルを保持するコイルスプールが前記コイルハウジング内に設けられており、
    前記コイルスプールに前記ヒューズ保持部材が一体成形されていることを特徴とする請求項3に記載の電磁クラッチ。
  5. 前記コイルハウジングは、断面コの字形状の2重円筒形状に形成されており、
    前記温度ヒューズは、前記コイルハウジングの2重円筒形状のうち、内周側円筒部に近接した部位に配設されていることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1つに記載の電磁クラッチ。
  6. 前記温度ヒューズは、前記コイルハウジングの2重円筒形状のうち、内周側円筒部の外周壁面から5.0mm以内で、かつ前記コイルハウジングの前記摩擦面側端面から5.0mm以内の範囲に配設されていることを特徴とする請求項5に記載の電磁クラッチ。
  7. 前記コイルハウジングは、断面コの字形状の2重円筒形状に形成されており、
    前記温度ヒューズは、前記コイルハウジングの2重円筒形状のうち、外周側円筒部に近接した部位に配設されていることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1つに記載の電磁クラッチ。
  8. 前記温度ヒューズは、前記コイルハウジングの2重円筒形状のうち、外周側円筒部の内周壁面から5.0mm以内で、かつ前記コイルハウジングの前記摩擦面側端面から5.0 mm以内の範囲に配設されていることを特徴とする請求項7に記載の電磁クラッチ。
  9. 前記温度ヒューズから引き出されるリード線に、前記樹脂部材から加 わる引っ張り荷重を緩和する曲げ部が形成されていることを特徴とする請求項ないし8のいずれか1つに記載の電磁クラッチ。
  10. 磁性体により形成され、回転駆動源からの回転力を受けて回転する駆動側回転部材と、
    従動側機器の回転軸に連結された従動側回転部材と、
    通電により電磁吸引力を発生する電磁コイルと、
    磁性体により形成され、前記電磁コイルを収納し、固定するコイルハウジングと、
    磁性体により形成され、前記電磁コイルの発生する電磁吸引力により前記駆動側回転部材の摩擦面に吸着されるアーマチャと、
    前記従動側回転部材と前記アーマチャとの間を連結するように配設され、前記電磁コイルの非通電時には前記アーマチャを前記駆動側回転部材の摩擦面から開離した位置に保持する弾性連結機構と、
    前記コイルハウジング内において、前記駆動側回転部材の摩擦面に近接し、かつ前記コイルハウジングの壁面にも近接した部位に配設され、所定温度以上において溶断して、前記電磁コイルへの通電を遮断する温度ヒューズとを備え、
    前記電磁コイルおよび前記温度ヒューズは、前記コイルハウジング内に成形された樹脂部材により固定保持され、
    前記温度ヒューズから引き出されるリード線に、前記樹脂部材から加わる引っ張り荷重を緩和する曲げ部が形成されていることを特徴とする電磁クラッチ。
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