JP3625206B2 - カード記録装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、溶融性あるいは昇華性のインクを利用して記録媒体であるカードに画像情報等を記録するカード記録装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
溶融性あるいは昇華性のインクによって中間記録媒体に一旦インク像を形成し、その後、その中間記録媒体に形成されたインク像を記録媒体に転写する再転写方式のカード記録装置が知られ、種々の提案がなされている。この種のカード記録装置の一例として、特開平8−48047号公報に記載のものがある。この先願に記載のカード記録装置について図8及び図9を用いて説明する。
【0003】
ここで示すカード記録装置は、図8に示す如く、帯状ベースフィルムに溶融性のインクあるいは昇華性のインクが塗布され、供給リール6と巻き取りリール5との間に張架されたインクフィルム1と、供給リール8と巻き取りリール9との間に張架された中間記録媒体7と、前記インクフィルム1のインクを前記中間記録媒体7に転写させる第1の加熱部500と、前記第1の加熱部500を構成するサーマルヘッド3と共に前記インクフィルム1と前記中間記録媒体7とを挟持するプラテンローラ4と、前記中間記録媒体7に転写されたインク像を記録媒体2に転写させるヒートローラ14と押圧ローラ15で構成された第2の加熱部300とを有し、前記インクフィルム1と前記中間記録媒体7とを密着させた状態で前記インクフィルム1及び前記中間記録媒体7を搬送し、前記第1の加熱部500によって前記インクフィルムのインクを加熱して前記中間記録媒体7にインク像を形成し、インク像形成後の前記中間記録媒体7を前記第2の加熱部300に搬送し、前記中間記録媒体7に形成されたインク像を前記記録媒体2に転写させるようにしたものである。
【0004】
この種の熱転写記録装置は、中間記録媒体を用いてインクを記録媒体に転写することから「再転写記録方式」とも呼ばれ、記録媒体全面に画像を記録でき、また多少の凹凸があっても画像を記録する際に問題とならない等の利点があってクレジットカードへの画像記録に応用されている。そして、このような従来のカード記録装置ではカードの長手方向を搬送方向としていた。
【0005】
また、第9図は従来のカード記録装置におけるインクフィルム1と中間記録媒体7の消耗品を交換する際の平面図で、前記中間記録媒体7より前記インクフィルム1側に位置する構成部品を第1のユニット600に配置すると共に、前記中間記録媒体7及びその供給リール8と巻き取りリール9を含めて、前記中間記録媒体7より前記インクフィルム1とは反対側に位置する構成部品を第2のユニット700に配置し、前記第1及び第2のユニットを平行に合体・分離せしめるスライド部材によって連結させている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、以上のようなカード記録装置では、カードの搬送経路が長くなるため装置が大型化し易いといった問題があった。また、第1のユニット600及び第2のユニット700を合体・分離せしめる構成であるため、前記第1及び第2のユニット間の位置精度出しが困難であるばかりでなく、剛性も低下してしまうといった問題もあった。
【0007】
更に、前記中間記録媒体7やインクフィルム1を交換する時、装置内部で供給リール6と巻き取りリール5との間または供給リール8と巻き取りリール9との間にこれらの記録媒体またはフィルムを張架する必要があるため作業が困難になるといった問題があった。
【0008】
更に、第2の加熱部300にはヒートローラ14が使われており、前記中間記録媒体7やインクフィルム1を交換する際露出してしまう。このため、合体・分離に連動したシャッターを設けたり、ヒートローラ14近傍の金属には火傷防止処理を施す必要があり、大きなコストが掛かってしまうといった問題があった。
【0009】
本発明は以上のような問題点に鑑みてなされたもので、装置の小型化とコスト低減、消耗品交換の容易さ、等の利点を有するカード記録装置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
以上の課題を解決するために、本発明に係るカード記録装置は、
長手方向に磁気ストライプが設けられたカード状記録媒体に画像情報及び磁気情報を記録するカード記録装置であり、
前記カード状記録媒体が厚み方向に積層して収納される収納部と、
前記収納部から搬送される前記カード状記録媒体の搬送方向を変更する搬送方向変更部と、
前記カード状記録媒体の短手方向を搬送方向として前記搬送方向変更部から搬送された前記カード状記録媒体に前記画像情報を転写記録する転写部と
前記カード状記録媒体の短手方向を搬送方向として前記搬送方向変更部から搬送された前記カード状記録媒体に磁気情報を記録する際に、前記カード状記録媒体の搬送を一時的に停止する搬送停止手段と、
前記カード状記録媒体の搬送が一時的に停止した際に、前記磁気ストライプの長手方向に沿って磁気情報を記録する磁気情報記録手段とを備え、
前記収納部は、前記カード状記録媒体の厚み方向を水平方向にして、前記搬送方向変更部及び前記転写部よりも下部に配置されることを特徴とするものである
【0011】
また、本発明に係るカード記録装置における前記搬送方向変更部は、前記カード状記録媒体の搬送方向を略90度変更することを特徴とするものである。
【0012】
更に、本発明に係るカード記録装置における前記収納部は、手前に引き出すことにより着脱自在であることを特徴とするものである。
【0014】
更に、本発明に係るカード記録装置は、第1の供給リールと第1の巻き取りリールとの間に張架されるインクフィルムに塗布されたインクを、第2の供給リールと第2の巻き取りリールとの間に張架される中間記録媒体に一旦転写した後に、前記カード状記録媒体に再転写することを特徴とするものである。
【0015】
更に、本発明に係るカード記録装置は、前記第1の供給リールと前記第1の巻き取りリールと前記インクフィルムとを収容した第1のカセットと、前記第2の供給リールと前記第2の巻き取りリールと前記中間記録媒体とを収容した第2のカセットと、前記第1のカセット及び前記第2のカセットを着脱可能に設けた開口部とを備え、前記開口部は、前記各リールの外周曲線に沿った曲線状開口部と前記インクフィルム及び前記中間記録媒体の張架経路に沿った直線状開口部とにより構成されることを特徴とするものである。
【0016】
更に、前記転写部は、前記インクフィルムに塗布された前記インクを前記中間記録媒体に転写させる第1の加熱部と、前記中間記録媒体に転写されている前記インクを前記カード状記録媒体に転写させる第2の加熱部とを備え、前記第2の加熱部に設けられるヒートローラは、前記インクを前記カード状記録媒体に転写していない期間には、前記開口部から離れた位置に待避させられることを特徴とするものである。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明のカード記録装置について、図面を参照して説明する。図1は本発明のカード記録装置を示す正面図、図2は図1のカード記録装置の断面図、図3は本発明のカード記録装置を示す部分斜視図、図4は中間記録媒体カセットの斜視図、図5は本発明のカード記録装置の第2の加熱部断面図、図6は本発明のカード記録装置の外観正面図、図7は本発明のカード記録装置の第1及び第2の加熱部のローラモード切替えを示した図である。
【0018】
まず、図1を用いて本発明のカード記録装置の構成を説明する。
図1において、インクフィルム1はインク塗布面をプラテンローラ4側に向けて供給リール5と巻き取りリール6との間に張架されている。インクフィルム1は、帯状ベースフィルム上に溶融性あるいは昇華性のイエロ(Y),マゼンタ(M),シアン(C)の3色もしくはイエロ(Y),マゼンタ(M),シアン(C),ブラック(K)の4色のインクを1フレームとして周期的に塗布したものである。
【0019】
供給リール5及び巻き取りリール6にはインクフィルム1を搬送するための動力源となるDCモータ21、22が図示しない減速機構を介して連結される。DCモータ21、22にはエンコーダが内臓されており回転角や回転数が検出できる。
【0020】
供給リール5に連結されたDCモータ21はインクフィルム1を巻戻したり、また適正なバックテンションを付与できるよう、供給リール5の回転方向とは逆方向に駆動可能となっている。
【0021】
また、供給リール5におけるインクフィルム1の残量に応じて、DCモータ21へ印加する電圧を変化させ、常に一定のバックテンションが付与される。残量(=巻径)の検出は後述するセンサ25を通過するインクフィルム1の1フレームに対する前記DCモータ21の回転角を検出することで算出できる。
【0022】
同様に巻き取りリール6に連結されたDCモータ22は、インクフィルム1を巻き取ると共に、記録時において巻径に応じた電圧を印加することによって適性な引っ張りテンションを付与している。さらに、DCモータ21、または、22に内蔵されたエンコーダによってインクフィルム1の移送量を検出して移送量の制御を行っている。
【0023】
インクフィルム1の外側(ベースフィルム側)には第1の加熱部500であるサーマルヘッド3が固定配置されており、その反対側(インク塗布面側)にはプラテンローラ4が前記サーマルヘッド3に圧接・離間するように配置されている。インクフィルム1の架橋経路上にはインクの頭出しセンサ25が設けられ、インクフィルム1の頭出し(Yインク)を行い、2色目以降の頭出し(M,C,Kインク)はDCモータ21、または、22に内蔵されたエンコーダによって行う。尚、センサ25はインクフィルム1に設けた検出マークや色境界を検出させるもの等が有る。さらに、インクフィルム1はガイド部材26a〜26cに案内されて巻き取りリール6に巻き取られる。
【0024】
中間記録媒体7は、帯状基材シートの一方の面に設けられた透明受像層と基材シート及び前記透明受像層が剥離する剥離層で構成されており、画像を記録するフレーム毎に検出マークが印刷されて、供給リール8と巻き取りリール9との間に透明受像層をインクフィルム1側に向けて張架されている。
【0025】
供給リール8には中間記録媒体7を搬送するための動力源となるパルスモーター(ステップモータ)31が、巻き取りリール9にはDCモータ32が減速機構を介して連結される。また、巻き取りリール9に連結したDCモータ32にはエンコーダが内臓されており回転角や回転数が検出できる。
【0026】
中間記録媒体7は供給リール8からガイド部材30a、プラテンローラ4、さらに中間記録媒体7のフレーム頭出しをするセンサ33を経てガイド部材30b、そして第2の加熱部300であるヒートローラ14と押圧ローラ15との間を通ってガイド部材30cへと案内されて巻き取りリール9に巻き取られる。
【0027】
従って、サーマルヘッド3とプラテンローラ4との間でインクフィルム1のインクと中間記録媒体7の透明受像層とが対向する。また、前記ヒートローラ14は押圧ローラ15に対して圧接・離間が可能となっている。
【0028】
以上説明したインクフィルム1及び中間記録媒体7はカセットの形態をしており、図4に示す中間記録媒体を例にして詳述する。カセットのベースとなるベース板50上には、前記ガイド部材30a、30b、30cが配設され、前記中間記録媒体7は供給リール8と巻き取りリール9の間を所定の搬送経路で張架されている。
【0029】
前記供給リール8と巻き取りリール9のコアとなるボビン8a及び9aは、ベース板50上に設けられたボビン受け51、52に回転自在に嵌入され、且つ中間記録媒体7の交換を可能にするため着脱自在にしてある。一方、ボビン8a及び9aの前記ボビン受け51、52の反対側には、装置のリール駆動軸(図示せず)に嵌入した時、動力を伝達するための凸部8b、9bが設けられている。
【0030】
さらに、ベース板50上には、カセットをロックするためのロックピン53、カセットを装置内に装填する時、装置内に設けた案内に沿ってガイドの役目を果たすガイド部55a、56aを含んだカバー55、56で構成され、カセットを高精度で位置決めするための位置決め孔57、58が開けられて、装置側の位置決めピン(図示せず)とで位置決めを行う。また、前記ガイド部材30a、30b、30cの先端は装置側に設けた孔に嵌合し高精度に位置決めされる。
【0031】
図4における7aは前述した中間記録媒体7にインク像を形成するフレーム位置を検出させるマークである。尚、インクフィルム1のカセットの形態も中間記録媒体7のカセットの形態と同様なので説明を省略する。また、以下の説明において上記カセットを「中間記録媒体カセット」及び「インクフィルムカセット」とする。
【0032】
次に、図5及び図7を用いて第2の加熱部300及びその周辺構造について説明する。前記ヒートローラ14は押圧ローラ15に対して圧接・離間可能であり、前記ヒートローラ14の駆動機構として、前記ヒートローラ14の両端に設けた第1のアーム61、前記第1のアーム61の軸で一体となって回動する回動軸60、さら前記回動軸60を回動させるための第2のアーム64、前記第2のアーム64に回動トルクを伝達するリンク65、回転トルクを推進力に変換して前記リンク65に伝達するカム66があり、また図示しないが前記カム66を回動させるために減速機構を介したステップモータがある。尚、前記ヒートローラ14と前記第1のアーム61の間には軸受け62が配してある。
【0033】
次に前記ヒートローラ14の構成について説明する。前記ヒートローラ14はカートリッジヒータと呼ばれているものにシリコンゴム等の弾性体を被覆したもので、その内部は絶縁芯にニクロム線を螺線状に巻いたものと内部温度を検出する熱電対とを金属筒に封じ込めた構成になっている。また回転体であるニクロム線及び熱電対への導通を得るためのスリップリング63が前記ヒートローラ14の片側に設けられている。
【0034】
尚、前記ヒートローラ14の表面温度は記録媒体であるカードの材質によって最適温度が異なるが概ね150℃〜200℃の範囲で設定される。温度制御は熱電対の温度検出を基に温度制御回路が通電のオン/オフで行う。またシャーシ67が前記ヒートローラ14や押圧ローラ15を支えており、中間記録媒体カセットに張架された中間記録媒体7が矢印“X”方向より装填される。ここで開口部は筐体68及び前記シャーシ67の“H”寸法が10mm以下に設定され手指の挿入が困難にしてある。
【0035】
図5において、2は記録媒体のカードであり、前記中間記録媒体7と重ねて加熱転写される。また、図6は、前記筐体68の外側から見た平面図で、前記中間記録媒体カセット及びインクフィルムカセットが装填できる開口部68aが設けられ第2の加熱部近傍“H”寸法は10mm以下に設定してある。
【0036】
さらに図7を用いて前記ヒートローラ14と前記プラテンローラ4のモード切替えについて説明する。前述したように前記ヒートローラ14はカム66の回動によって押圧ローラ15に対して圧接・離間するのに対し、前記プラテンローラ4は、サーマルヘッド3に対し圧接・離間を行う。
【0037】
プラテンローラ4の駆動機構は、基本的には前述した前記ヒートローラ14の駆動機構と同じ構成で、前記プラテンローラ4の両端に設けた第1のアーム71、前記第1のアーム71の軸で一体となって回動する回動軸70、さら前記回動軸70を回動させるため第2のアーム74、前記第2のアーム74に回動トルクを伝達するリンク75、回転トルクを推進力に変換して前記リンク75に伝達するカム66があり、前記カム66を回動させるために減速機構を介してステップモータがある。このようにカム66は前記ヒートローラ14とプラテンローラ4の圧接・離間をカム66の位相を変えて行い、図7のA/B/Cの3モードに対応している。
【0038】
つまり、Aモードでは、ヒートローラ14が押圧ローラ15から離間すると共に、プラテンローラ4がサーマルヘッド3から離間する状態をとり、Bモードでは、ヒートローラ14が押圧ローラ15から離間する一方、プラテンローラ4がサーマルヘッド3に圧接する状態をとり、Cモードでは、ヒートローラ14が押圧ローラ15に圧接する一方、プラテンローラ4がサーマルヘッド3から離間する状態をとる。
【0039】
次に図1と、図1のA−A断面を示した図2、図1のA−A断面以下の斜視図である図3を用いて、本カード記録装置における記録媒体の搬送構造及び動作について説明する。図1において、ホッパー部100は、記録媒体2(以下カードと言う)を厚み方向に(図においてカード短手側の板厚が見える)複数枚並べ一枚づつ繰り出されるようにゲートを設けたケース101、カード2を繰り出すピックアップローラ102、前記ピックアップローラ102にカード2が圧接するように付勢するスプリング103、押板104で構成される。このホッパー部100はカード2を装填する時正面手前に引き出せる構造にしてある。
【0040】
また、前記ホッパー部100より繰り出されたカード2の表面に付着した塵埃を除去する一対のクリーニングローラ105、繰り出されたカード2を検出するセンサ106、一対のカード搬送ローラ107ごと回転してカード2の向きを変えるカード反転部150が設けられており、前記カード反転部150は、次の回転位相を有する。
1) ホッパー部100より繰り出されたカード2を引き継ぐ。
2) カード2を下流の搬送ローラに受け渡す。
3) カード2の表裏を反転する。
4) 情報記録部(後述)でのエンコードエラーカードを矢印“D”方向に排出する。
以上の4モードが可能にしてある。
【0041】
そして、このカード反転部150はカード記録装置の最側面寄りに配置してあるのでエンコードエラーカード排出口を前記矢印“D”のように傾斜させることで余計な部品を必要としないでカードを排出できる。
【0042】
次に図1のA−A断面を示した図2を用いて、以降のカード搬送経路を説明する。図2に示すカード搬送ローラ108は、カード搬送ローラ110a、110b、110cの回転軸中心線に対して傾斜角“α” が10度〜40度に設定され、また、カード2との接触長さ(=ローラ幅)“B”が15mm以下で、且つ、カード2の長手方向の中心線X−Xよりカードガイド109側でカード2と接するように配置されている。
【0043】
このように配置することによって、カード2の短手方向を搬送方向としてもスムースな搬送が行える。つまり、斜めに搬送されてきたカード2の角“C”が前記カードガイド109に当接しつつ姿勢を正す場合であっても、図に示す角度“β”が小さく、且つローラ幅が小さいほど、カード2の角“C”を中心にカード2の回転がスムースに行われ、また薄いカードにおいても挫屈が起きにくくなる。さらに詳しく説明すると、前記カード2との接触長さ“B”が大きいとカード搬送力“Y”が大きくなるがカード2の姿勢を正すためのカード2の回転を妨げる力も大きくなり結果として角“C”を傷めたりする副作用が発生する。
【0044】
このようにして位置決めされ姿勢を正されたカード2は次の搬送ローラ110aへ引き継がれ、カード検出センサ111がカード2の後端を検出したらカード搬送モータであるステップモータのステップ数をカウントし所定のカウントにて停止させる。
【0045】
このカウント数は磁気ヘッド120等を有する情報記録部200の位置と、カード2の磁気ストライプ及び外部端子付きICカードであれば端子位置と、予め決められたホッパーへの並べる向きによって決められる。このようにしてカード2の停止位置は搬送ローラ110aか110bに保持された位置となる。
【0046】
尚、搬送ローラ110a及び110bはカード長手方向全域に渡ってニップを有するゴム等の摩擦係数の大きな弾性体としているので後述する情報記録時に必要なカードの保持力と磁気情報記録時のカード2の振動を低減できるので信頼性の高い情報記録がおこなえる。
【0047】
また、情報記録部200には、JIS X6302(磁気ストライプ付きクレジットカードの磁気的情報記録様式)に定められた「I型」及び「II型」に対応した磁気ヘッドとJIS X6303(外部端子付きICカードの物理的特性)に対応するコンタクトとの3種類中の2種類を組み合わせてカード搬送経路の上下に配置しても、また1種類のみの配置でも良い。
【0048】
JIS X6303(外部端子付きICカードの物理的特性)に対応するコンタクトは所定の位置でカード2を停止させた後、コンタクトをカード2の外部端子に当接させて情報の記録再生を行い、それ以外の時はカード搬送経路上方に待避している。磁気ヘッドにおける磁気情報記録再生手段はカード2を所定の位置で停止させた後、磁気ヘッド120をカード2の磁気ストライプに沿って走査して行う。
【0049】
前記情報記録部200で正常に記録再生できなかったカードは前記カード反転部150に戻されエラーカード排出口より排出される。情報の記録再生が終了したカードは前述した第2の加熱部300に移送され、前記ヒートローラ14と前記押圧ローラ15の間にカード2と前記中間記録媒体7の画像面を合わせて加熱・加圧され画像の転写が行われる。
【0050】
ここで、前記ヒートローラ14と前記押圧ローラ15のニップ位置から前記中間記録媒体7のガイド部材30cまでの距離はカード2の短手方向の長さより大きく設定してある。この理由は、転写後のカード2と前記中間記録媒体7の基材シートの剥離を可能な限り低温の状態で行った方が良い結果となることを経験上知っており、前述の設定にすればカード2の後端が前記ニップ位置を通過した後に所定の時間停止することによって十分な冷却が行え、結果、良好な転写ができるからである。
【0051】
画像が転写されたカード2は前記中間記録媒体7と貼り付いた状態で搬送され、前記ガイド部材30cの位置で剥離、次工程のカード反り矯正部400に移送される。カード反り矯正部400は前記第2の加熱部300に用いた前記ヒートローラ14と同形態のヒートローラ130を押圧ローラ131に圧接・離間可能にカード2の画像転写面と反対面に設けて、第2の加熱部300における転写時に発生するカード2の熱収縮歪みを反対面からも加熱して歪みを除去させるものである。カード反り矯正部400を通過したカード2はカード排出ローラ110cを経て装置外に排出される。
【0052】
以上のようにカード搬送部は、カード2の短手方向を搬送方向として略垂直上方に一枚ずつ分離してカード2を繰り出すようにしたホッパー部100を記録装置の最下部に配置し、繰り出されたカード2を保持しカード2の向きを変換するカード反転部150と、カード反転部150から送り出されたカード2を所定の位置で停止させ、カード2の情報記録部に情報を記録再生する情報記録再生部200とカード2に画像を転写する第2の加熱部300を順に前記ホッパー部100の上に配置した構成としている。
【0053】
即ち、ホッパー部100がインクシート1、中間記録媒体7及び加熱部300よりも下部に配置され、更に、手前に引き出すことにより着脱自在であるため、カード2を補充する際の作業性が良い。
【0054】
次に、前記中間記録媒体7にインク像を形成する過程からカード2にインク像を転写する迄をさらに詳しく説明する。前記中間記録媒体7を搬送するステップモータ31及びDCモータ32を駆動し中間記録媒体7をその巻取りリール9で巻き取る際、中間記録媒体7上の一定間隔の検出マーク7aをマークセンサ33にて検出し、この検出結果及び各リール径の変化に基づきステップモータ駆動周波数及びDCモータ32に印加する電圧を設定する。
【0055】
そして、前記中間記録媒体7のフレームと前記インクフィルムの先頭色(第1色目)の位置を合わせて、プラテンローラ4をサーマルヘッド3に圧接しながらインクフィルム1及び中間記録媒体7を搬送する。プラテンローラ4は駆動力を持ってなく中間記録媒体7との摩擦力で回転する。
【0056】
この状態で、サーマルヘッド3に所定の電流を流すことによりインクフィルム1のインクを溶融あるいは昇華させて中間記録媒体7の受像層に転写する。フルカラーのインク像を形成する場合は、中間記録媒体7を3往復あるいは4往復してそれぞれのインクを重ね合わせる。
【0057】
インク像を形成したら中間記録媒体7及びインクフィルム1の搬送を停止し、(この時ステップモータ31をホールド状態にしつつDCモータ32には巻き取り電圧を印加して中間記録媒体7に適正なテンションを付与している)プラテンローラ4をサーマルヘッド3から離間させる。
【0058】
次にステップモータ31を駆動し、中間記録媒体7を巻き取りリール9に巻き取りながらステップモータ31のパルス数を所定数カウントしたところで停止させる。このパルス数は、インク像形成前に求めた駆動周波数と第1の加熱部500から第2の加熱部300迄の距離とから算出することができる。
【0059】
ここでカード2をヒートローラ14と押圧ローラ15のニップ上迄搬送し、ヒートローラ14を圧接すると略同時に押圧ローラ14の回転と中間記録媒体7の搬送を行いカード2にインク像を転写させる。転写が終了したらヒートローラ14を押圧ローラ15から離間させる。
【0060】
カード2の両面にインク像を転写する場合には、カード2と中間記録媒体7を貼り付けた状態で中間記録媒体7を巻戻しながらガイド部材30bのところでカード2と中間記録媒体7を剥離させ、前記カード反転部150側へ回転している搬送ローラ110b、110aを経てカード反転部150内でカード2の搬送を停止させ、カード反転部150を180度回転させてカード2の表裏を変え、前述同工程を経てインク像を転写する。
【0061】
尚、両面にインク像を転写した場合には、両面から加熱されるので前述した熱収縮歪みは発生しない。よって反り矯正部400のヒートローラ130は加熱しなくて良い。以下前述した工程を経てカード2を排出する。
【0062】
なお、インク像を形成していない透明受像層を複数回転写することでカード2に転写された画像の耐摩耗性をアップさせることができる。即ち、前記中間記録媒体7に転写されたインク像を前記記録媒体に再転写させた後、前記中間記録媒体7の第1の加熱部500におけるインク像形成工程を省略するか、サーマルヘッド3に電流を流さないでインク像を形成しない透明受像層を前記第2の加熱部300で再度転写することにより、画像の耐摩耗性をアップさせることができる。
【0063】
なお、その際には、前述の両面にインク像を転写する工程と同様に、搬送ローラ110bをカード反転部150側へ回転させてカード2を所定の箇所まで搬送し、第2の加熱部300側に再度搬送すれば良いことは言うまでもない。
【0064】
【発明の効果】
本発明に係るカード記録装置によれば、カード状記録媒体が収納される収納部が、画像情報を記録媒体に転写する転写部よりも下部に配置され、更に、長手方向に磁気ストライプが設けられたカード状記録媒体の短手方向の搬送を一時的に停止して磁気情報を記録するようにしているため、装置を小型化することが可能となる。
また、第1の供給及び巻き取りリールとインクフィルムとを収容した第1のカセットと、第2の供給及び巻き取りリールと中間記録媒体とを収容した第2のカセットとが、開口部を介して着脱可能であるため、インク及び中間記録媒体等の消耗品を交換する際に、その作業性が増すという効果を奏する。
更に、収納部は、手前に引き出すことにより着脱自在であるため、カード状記録媒体の補充も容易に行うことができるという効果を奏する。
更に、消耗品の交換作業を行う際には、ヒートローラが開口部から露出していないため、シャッターや金属への被膜処理を施す必要がなく、また、これら消耗品の交換作業を安全に行うことができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に係るカード記録装置を示す正面図である。
【図2】本発明の実施例に係るカード記録装置を示す断面図である。
【図3】本発明の実施例に係るカード記録装置を示す部分斜視図である。
【図4】中間記録媒体カセットの斜視図である。
【図5】本発明の実施例に係るカード記録装置の第2の加熱部を示す断面図である。
【図6】本発明の実施例に係るカード記録装置を示す外観正面図である。
【図7】本発明の実施例に係るカード記録装置の第1及び第2の加熱部のモード切り替えを示す図である。
【図8】従来のカード記録装置を示す正面図である。
【図9】従来のカード記録装置における消耗品の交換を説明するための図である。
【符号の説明】
1…インクフィルム
5、8…供給リール
6、9…巻き取りリール
7…中間記録媒体
200…情報記録部
300…第2の加熱部
400…反り矯正部
500…第1の加熱部

Claims (6)

  1. 長手方向に磁気ストライプが設けられたカード状記録媒体に画像情報及び磁気情報を記録するカード記録装置であり、
    前記カード状記録媒体が厚み方向に積層して収納される収納部と、
    前記収納部から搬送される前記カード状記録媒体の搬送方向を変更する搬送方向変更部と、
    前記カード状記録媒体の短手方向を搬送方向として前記搬送方向変更部から搬送された前記カード状記録媒体に前記画像情報を転写記録する転写部と
    前記カード状記録媒体の短手方向を搬送方向として前記搬送方向変更部から搬送された前記カード状記録媒体に磁気情報を記録する際に、前記カード状記録媒体の搬送を一時的に停止する搬送停止手段と、
    前記カード状記録媒体の搬送が一時的に停止した際に、前記磁気ストライプの長手方向に沿って磁気情報を記録する磁気情報記録手段とを備え、
    前記収納部は、前記カード状記録媒体の厚み方向を水平方向にして、前記搬送方向変更部及び前記転写部よりも下部に配置されることを特徴とするカード記録装置。
  2. 前記搬送方向変更部は、前記カード状記録媒体の搬送方向を略90度変更することを特徴とする請求項1記載のカード記録装置。
  3. 前記収納部は、手前に引き出すことにより着脱自在であることを特徴とする請求項1記載のカード記録装置。
  4. 第1の供給リールと第1の巻き取りリールとの間に張架されるインクフィルムに塗布されたインクを、第2の供給リールと第2の巻き取りリールとの間に張架される中間記録媒体に一旦転写した後に、前記カード状記録媒体に再転写することを特徴とする請求項1記載のカード記録装置。
  5. 前記第1の供給リールと前記第1の巻き取りリールと前記インクフィルムとを収容した第1のカセットと、
    前記第2の供給リールと前記第2の巻き取りリールと前記中間記録媒体とを収容した第2のカセットと、
    前記第1のカセット及び前記第2のカセットを着脱可能に設けた開口部とを備え、
    前記開口部は、前記各リールの外周曲線に沿った曲線状開口部と前記インクフィルム及び前記中間記録媒体の張架経路に沿った直線状開口部とにより構成されることを特徴とする請求項記載のカード記録装置。
  6. 前記転写部は、前記インクフィルムに塗布された前記インクを前記中間記録媒体に転写させる第1の加熱部と、前記中間記録媒体に転写されている前記インクを前記カード状記録媒体に転写させる第2の加熱部とを備え、
    前記第2の加熱部に設けられるヒートローラは、前記インクを前記カード状記録媒体に転写していない期間には、前記開口部から離れた位置に待避させられることを特徴とする請求項記載のカード記録装置。
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