JP3624661B2 - 媒体投入口および自動改札機 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、切符、定期券等の異種媒体を受入れる券投入口のような媒体投入口に関し、さらに詳しくは異種媒体の共通取込み構造を簡素化した媒体投入口および自動改札機に関する。
【0002】
【従来の技術】
以下、自動改札機の券投入口を例にとって説明すると、この券投入口は小さな切符や回数券等の小型乗車券と比較的大きな定期券や乗車カード等の大型乗車券とを共通して改札処理するため、利用される券種の最大投入幅を有して開口している。
【0003】
しかしこの場合は、図4に示すように、投入された小型乗車券41や大型乗車券42を内部で全て搬送基準面43に幅寄せし、この搬送基準面43に各種の乗車券41,42を揃えてから内方の磁気データ処理部に導くため、幅寄せ用の傾斜ベルト44や偏心ローラ45等の大掛かりな幅寄せ機構46を要して大きな配置スペースを要し、また多くの部品点数を要してコスト高となっていた。
【0004】
このため、図5に示すように、投入口51の搬送基準面52側に小型乗車券53だけを専用に受入れる小型乗車券幅の凹部通路54を段付き形成して設け、これに小型乗車券53を位置合わせして投入することにより、搬送基準面52に沿って取込まれ、また大型乗車券55のときはそのままの投入操作で搬送基準面52に沿って取込まれる。
【0005】
しかしこの場合は、小型乗車券の投入時に改札利用者に投入位置を間違わないように利用者自身に協力してもらうため、改札利用者の負担が増え、不慣れな改札利用者の場合は戸惑ったり、投入位置を間違って投入することがあり、このときは内部でのデータ処理エラーが発生することがあった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
そこでこの発明は、大きさが異なる複数種類の媒体を内方の搬送基準面に導くための大掛かりな機構を省略することができ、しかも媒体毎に応じた独立した投入口を設けて媒体の挿入位置を間違わないようにした媒体投入口および自動改札機の提供を目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明は、投入された媒体を媒体搬送系の取込み駆動により内方の搬送基準面に導く媒体投入口であって、上記媒体の大きさが異なる媒体別に独立して開口した小型投入口と大型投入口とを形成し、該小型投入口と該大型投入口とを共通通路により内方で上下に連通し、前記各投入口より投入された媒体を検知する媒体検知センサを、上記共通通路の上記小型投入口に対応する位置にのみ配設し、上記媒体検知センサで上記媒体の投入を検知したとき、媒体搬送系を取込み駆動させて上記媒体を内方へ導く媒体投入口であることを特徴とする。
【0008】
請求項記載の発明は、小型投入口を上側に配置し、大型投入口を下側に配置したことを特徴とする。
【0009】
請求項記載の発明は、このような投入口を改札機本体の券投入口に備えた自動改札機であることを特徴とする。
【0010】
【発明の作用および効果】
この発明によれば、大きさの異なる媒体別に独立して開口した小型投入口と大型投入口があるため、媒体投入時には、その媒体の大きさに見合う略同じ大きさに開口する投入口に投入すればよく、大きさの異なる投入口別に明確に区別して投入することができる。従って、不慣れな利用者であっても間違わずに正確に投入操作できる。
【0011】
また、各投入口の内方を合流させるので、各投入口に投入された異種媒体をそれぞれ内方の搬送基準面へと導くことができる。このため、異種媒体を搬送基準面で確実に揃えることができ、これより内方に正確に取込むことができる。また、搬送基準面に導くための大掛かりな機構を省略できるため、部品点数の削減に伴う低コスト化および配置スペースの縮小に伴う装置全体の小型化を図ることができる。
【0012】
さらに、投入された媒体を検知する媒体検知センサを小型投入口に対応する内方合流位置に配設するので、大型媒体が投入されたときと、小型媒体が適正な位置から投入されたときに検知することができ、不適な位置から小型媒体が投入されたときは未検知となるため、小型媒体の投入位置の適否を正確に検知できる。
加えて、不適な投入位置と判定した場合には、内部の媒体搬送系を停止したまま取込み駆動しないので、直ちに投入操作をやり直しさせることができる。
【0013】
また、小型投入口を上側に配置し、大型投入口を下側に配置した場合は、上下に開口する両投入口の存在を上方空間から容易に視認して区別することができる。また、外部の両投入口の一側面と内部の搬送基準面とを揃えた場合は、この外部の投入口の時点で、両投入口を搬送基準面の位置に揃えることができ、投入口より媒体をそのまま直進させるだけで搬送基準面に導くことができ、投入口の内方では直進搬送構造だけで媒体を搬送基準面に導くことができる。
【0014】
このような投入口を自動改札機の券投入口に備えた場合は、切符等の小型乗車券と定期券等の大型乗車券との大きさの異なる乗車券利用に適した券投入口となり、また内部の券処理構造を簡素化することができる。
【0015】
【実施例】
この発明の一実施例を以下図面に基づいて詳述する。
図1は鉄道の駅務に設置される自動改札機11を示し、この自動改札機11は改札機本体12の前後に通り抜け制御用の開閉扉13,14を配設し、また改札機本体12の上面前後位置に乗車券の投入口15と放出口16を配設し、さらに改札機本体12の上面後部側に改札時の利用案内情報を表示する改札表示器17を配設している。
【0016】
図2は投入口15を示し、この投入口15は小さな切符や回数券等の小型乗車券T1 を投入許容する小型投入口15aと、比較的大きな定期券や乗車カード等の大型乗車券T2 を投入許容する大型投入口15bとを上下位置に独立して開口している。
【0017】
上方に独立する小型投入口15aは改札機本体内部の搬送基準面と同方向の外部位置に対応させて開口し、この開口した一側面を投入基準面18にして小型乗車券T1 を斜め上方から投入許容する小型乗車券T1 の大きさに適した横長の開口部を有している。また、この小型投入口15aの上方位置には、小型乗車券T1 の投入口である旨を表示案内する銘板19を傾斜配設しており、改札利用者が前面上方より視認し易い傾斜角度に設定している。
【0018】
下方に独立する大型投入口15bは上述の投入基準面18を共通する基準面にして、大型乗車券T2 を略水平に投入許容する大型乗車券T2 の大きさに適した横長の開口部を有している。また、この大型投入口15bの下方位置には、大型乗車券T2 の投入口である旨を表示案内する銘板20を傾斜配設しており、改札利用者が前面上方より視認し易い傾斜角度に設定している。さらに、この大型投入口15bの上方の小型投入口15aと隣合う側を凹状に切欠いた切欠き凹部21を設け、この切欠き凹部21を設けることにより上方から改札利用者が大型投入口15bの位置を確実に視認できるようにしている。
【0019】
また、小幅の小型投入口15aを上側に配置し、大幅の大型投入口15bを下側に配置することにより、上下に独立して開口する両投入口15a,15bの存在を上方から容易に視認できるようにし、またその大きさ別から双方の投入位置を区別できるようにしている。
【0020】
このように大きさの異なる2種類の乗車券別に独立した2つの投入口15a,15bが開口しているため、乗車券の投入時には、銘板19,20の投入案内に加えてその乗車券の大きさに見合う略同じ大きさに開口する投入口に投入すればよく、大きさの異なる投入口別に明確に区別して投入操作することができ、それゆえ不慣れな利用者であっても間違わずに投入操作できる。
【0021】
また、両投入口15a,15bの投入基準面18と内部の搬送基準面とを同方向に直線的に結んで揃えることにより、乗車券の投入時点で乗車券を搬送基準位置に揃えることができ、小型乗車券T1 および大型乗車券T2 をそのまま直進させるだけで内方の搬送基準面に導くことができる。従って、両投入口15a,15bの内方では直進搬送路を接続するだけの簡素化構成が図れ、これに基づいて部品点数の削減に伴う低コスト化および配置スペースの縮小に伴う装置全体の小型化を図ることができる。
【0022】
図3は両投入口15a,15bの内方で連通する共通通路22を示し、この共通通路22の小型投入口15a側と対応する内方位置には乗車券検知センサSを配設しており、この乗車券検知センサSで全幅に渡って投入される大型乗車券T2 の投入を検知し、また小型乗車券T1 が適正な位置から投入されたことを検知する。これに対し、不適な位置から小型乗車券T1 が投入されたときは未検知となり、このときは取込み反応しない。従って、この1つのセンサSで小型乗車券の投入位置の適否を正確に検知することができる。
【0023】
このように構成された自動改札機11に備えられる投入口15の乗車券処理動作を次に説明する。
今、自動改札機11の投入口15に改札利用者が乗車券を投入するとき、大きさの異なる上下の投入口15a,15b別に改札利用者は視認して明確に区別することができ、小型乗車券T1 と大型乗車券T2 を区別して投入することができる。
【0024】
そして、小型乗車券T1 を持った改札利用者が小型投入口15aに投入したときは、この投入に伴って内方の乗車券検知センサSが検知確認して、その小型乗車券T1 を取込み駆動する。
【0025】
このとき、改札利用者が誤って小型乗車券T1 を大型投入口15bに投入したとき、乗車券検知センサSで検知不能な投入基準面18と離れた位置の場合は不適な投入位置と判定して内部の搬送系を停止したまま取込み駆動せず、直ちに投入操作をやり直しさせることができる。
【0026】
また、大型乗車券T2 が大型投入口15bに投入された場合は、その旨を乗車券検知センサSで検知確認して大型乗車券T2 を取込み駆動する。この取込まれた大型乗車券T2 はそのまま内方の搬送基準面に導かれ、これより適正位置のまま後段の磁気データ処理位置へと搬送される。
【0027】
上述のように、大きさの異なる2種類の乗車券別に独立した大小の投入口があるため、乗車券投入時には銘板の投入案内に加えて、その乗車券の大きさに見合う略同じ大きさに開口する投入口に投入すればよく、大きさの異なる投入口別に明確に区別して投入することができる。従って、不慣れな利用者であっても間違わずに正確に投入操作ができる。また、両投入口の内方は合流して投入口に投入された大小の乗車券をそれぞれ直進させて内方の搬送基準面へと導くことができるため、2種類の乗車券を内方の搬送基準面で揃えて後段の磁気データ処理位置へと取込み搬送することができる。また、搬送基準面に導くための大掛かりな機構を省略できるため、部品点数の削減に伴う低コスト化および配置スペースの縮小に伴う装置全体の小型化を図ることができる。
【0028】
また、小型投入口と大型投入口との2種類に区別することにより、乗車券の投入すべき開口部の大きさが明確に異なって容易に区別でき、投入間違いを確実に解消することができる。さらに、乗車券検知センサを小型投入口の内方合流位置に配設することによって、小型乗車券の投入適否を区別することができ、この1つのセンサで小型乗車券の不適な投入位置に対処できる。また、両投入口の内方では直進搬送路を接続するだけで大きさの異なる小型乗車券と大型乗車券との取込みに対処できるため、内方の搬送基準面に導くための大掛かりな幅寄せ機構等を省略することができ、内部の券処理構造を簡素化することができる。
【0029】
この発明と、上述の一実施例の構成との対応において、
この発明の媒体投入口および券投入口は、実施例の投入口15に対応し、
以下同様に、
媒体は、小型乗車券T1 と大型乗車券T1 に対応し、
媒体検知センサは、乗車券検知センサSに対応するも、
この発明は請求項に示される技術思想に基づいて応用することができ、上述の一実施例の構成のみに限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の自動改札機を示す外観斜視図。
【図2】この発明の投入口の乗車券投入状態を示す要部拡大斜視図。
【図3】この発明の投入口の乗車券投入状態を示す要部拡大縦断面図。
【図4】従来の幅寄せ機構を示す要部平面図。
【図5】従来の投入口を示す要部拡大斜視図。
【符号の説明】
11…自動改札機
12…改札機本体
15…投入口
15a…小型投入口
15b…大型投入口
18…投入基準面
T1 …小型乗車券
T2 …大型乗車券

Claims (3)

  1. 投入された媒体を媒体搬送系の取込み駆動により内方の搬送基準面に導く媒体投入口であって、
    上記媒体の大きさが異なる媒体別に独立して開口した小型投入口と大型投入口とを形成し、
    該小型投入口と該大型投入口とを共通通路により内方で上下に連通し、
    前記各投入口より投入された媒体を検知する媒体検知センサを、上記共通通路の上記小型投入口に対応する位置にのみ配設し、
    上記媒体検知センサで上記媒体の投入を検知したとき、媒体搬送系を取込み駆動させて上記媒体を内方へ導く
    媒体投入口。
  2. 小型投入口を上側位置に設定し、大型投入口を下側位置に設定して形成した
    請求項記載の媒体投入口。
  3. 請求項1、または2記載の媒体投入口を改札機本体の券投入口に備えた自動改札機。
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