JP3623552B2 - ２つの機能を有して駆動される振動手工具 - Google Patents

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は研摩機ヘッドが取付けられる駆動軸を備えた電動機を有する駆動ユニットを具備する駆動される振動手工具に関する。一般に、公知の研摩機は任意軌道の研摩機又は規則的な軌道の研摩機のいずれかにより説明することができる。
【０００２】
【従来の技術】
任意軌道の研摩機においては、プラテンが電動機の回転とは独立して自転することができ且つプラテンが任意の軌道を描くように、円板状プラテンは偏心軸受を具備する駆動装置により駆動される。このような研摩機は一般に比較的大量の材料を除去するために使用される。このほかに、研摩機のシューが電動機の回転と独立して回転することができず且つ従ってシューが規則的な軌道を描くようにシューを備え、偏心軸受が拘束された駆動装置を備えた規則的な軌道形式の研摩機もある。このような研摩機のシューは輪郭の範囲を研摩するのに利用することができ且つこのような研摩機は一般に比較的少量の材料を除去するために、例えば精密な作業又は仕上げ作業をするために使用される。適当な形状のシューを選択することにより、任意軌道の研摩機を用いることができない領域でも利用することができる。規則的な軌道研摩機の固定された偏心駆動装置は任意軌道の研摩機の偏心軸受を製作するよりもより安価且つより簡単である。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】
公知の研摩機は任意軌道形式の研摩機又は規則的な軌道形式の研摩機のいずれかであり、このことは、使用者がきめのあらい研摩機能と精密な研摩機能の両方を実行できるようにしたいと考えるとき、使用者にとって２つの独立した装置を購入するか、各形式の一方を購入するか、又は１つの装置のみを購入する必要があるが、いずれも不利益を招来することを意味している。
【０００４】
本発明の目的は上述した不利益を減少させるか又は実質的に除去させる研摩機を提供することである。
【０００５】
【課題を解決するための手段】
それ故、本発明は、
（ｉ）電動機及び駆動軸を有する駆動ユニットと；
（ｉｉ）駆動軸に取付けられ且つ駆動軸に対して半径方向に偏心して配置された軸受と；
（ｉｉｉ）偏心軸受に取付けられた第２の駆動軸と且つ
（ｉｖ）研摩プラテン又はシューは任意軌道の研摩のための研摩プラテン又は規則的な軌道の研摩のための研摩シューを備え且つ更に工具は研摩シューの任意の軌道を規則的な軌道に拘束するために選択的に係合可能な手段を備えることを特徴とする第２の駆動軸に研摩ヘッドを取付けるための手段とを具備することからなる２つの機能を有して駆動される振動手工具、
を提供することである。
【０００６】
【発明の実施の形態】
本発明は添付図面と関連させながら更に説明されよう。
【０００７】
図１は上部ハウジング（６）に配置された電動機（図示せず）と駆動軸（７）を含む駆動ユニット（５）を示している。駆動軸（７）に取付けられたファン（８）は下部ハウジング（１０）の口部（９）から空気を引き込むように且つ抽出ダクト（１１）を通して排出孔（１２）へと空気を案内するように配設されている。ナット（１３）は作用ヘッド（図２及び図３参照）を軸（１４）に止着するように用いられており、該軸（１４）は駆動軸（７）に関して半径方向に偏心して取付けられた軸受（１５）によりファン（８）内に設けられている。
【０００８】
２組の穴を有し、テーパ状の可撓性のあるゴム製支柱（１６）は下部ハウジング（１０）の口部（９）の周りに配置されている。各可撓性のある支柱（１６）は支柱（１６）から突出し、先端（１８）から一寸離れた位置に設けられたより可撓性のあるクランク状脚（１７）を有し、それ故脚（１７）の端部（１９）は応力のかかっていない位置では支柱（１６）の先端（１８）を越えて突出している。
【０００９】
駆動ユニット（５）は（振動する）規則的な軌道の研摩機シュー（２０）（図２参照）に取付けられるか又は任意軌道の研摩機プラテン（２１）（図３参照）に取付けられるかのいずれかである。
【００１０】
図２にみられるように、可撓性のある支柱（１６）の先端（１８）に支持されるシュー（２０）は、軸（７，１４）を経由する電動機により駆動される。この場合クランク状脚（１７）は可撓性のある支柱（１６）から屈曲し、シュー（２０）の上表面の位置に横たわる。穿孔されたサンドペーパーシート（図示せず）は、例えばＶＥＬＣＲＯ（登録商標）として販売されているようなフック−ループ形式の織物片を表面（２２）に接着して用いることにより、シュー（２０）の外側表面に取付けられてもよい。シュー（２０）を貫通する孔（２３）は、シュー（２０）を介して研摩表面から、粉塵等の除去を促進させ、該粉塵等は抽出ダクト（１１）を介して排出孔（１２）より排出される。抽出ホース（図示せず）を排出孔（２１）に取付けてもよい。
【００１１】
図３にみられるように、プラテン（２１）は軸（７，１４）を介して電動機により駆動される。
【００１２】
再度、穿孔されたサンドペーパーシート（図示せず）は、例えばフック−ループ形式の織物片を表面（２４）に接着して用いることにより、プラテン（２１）の外表面（２４）に取付けられてもよい。プラテン（２１）を貫通する孔（２３）は、再度、プラテン（２１）を介して排出孔（１２）へと粉塵等の除去を促進させる。この場合、クランク状脚（１７）の端部（１９）がプラテン（２１）と接触するために可撓性のある支柱（１６）はプラテン（２１）から離れて支持されている。作動時、脚（１７）の端部（１９）は制動効果を発揮するために回転するプラテン（２１）に対して引きずられる。
【００１３】
本発明はこのようにして駆動調節をすることなく規則的な軌道の研摩機ヘッドを又は効率的に制動された任意軌道の研摩機ヘッドを容易に取付けることができる駆動される振動手工具を提供する。
【００１４】
添付図面の図４から図６に示される第２の実施の形態において、図１から図３と同様の構成要素には同様の数字が付されている。
【００１５】
図４からみることができるように、駆動ユニット（５）、上部ハウジング（６）、駆動軸（７）、ファン（８）、口部（９）、下部ハウジング（１０）、ダクト（１１）、排出孔（１２）、ナット（１３）、軸（１４）及び軸受（１５）は図１から図４と関連して記載されている。
【００１６】
包囲体（４２）は、下部ハウジング（１０）内で、ファン（８）を囲繞し、且つ包囲体（４２）の壁（４６）の下端部にはフランジ（４４）が設けられている。複数個の溝（４８）がフランジ（４４）に形成され且つ環状制動リング（５２）の対応する突起（５０）を受けるようになっている。この制動リング（５２）は可撓性部材、例えばゴムにより作られ、且つ包囲体（４２）に取付けられるとき該包囲体から独立しており且つ下部ハウジング（１０）を越えて突出している。
【００１７】
駆動ユニット（５）は規則的な軌道の研摩機シュー（５４）（図５）に取付けられるか又は任意軌道の研摩機プラテン（５６）（図６）に取付けられるかのいずれかである。
【００１８】
図５にみることができるように、シュー（５４）は軸（７，１４）を介して電動機により駆動される。熱可塑性材から適当に作られる溝（５８）は、シュー（５４）の上側表面（６０）に設けられ、且つ好ましくはシューの背当て板（６２）と一体的にモールドされる。シュー（５４）は軸（１４）に取付けられているので、制動リング（５２）は溝（５８）に係合する。
【００１９】
図６から判るように、シュー（５４）は除去されてもよく且つ任意軌道プラテン（５６）と置換えてもよい。熱可塑性材から適当に作られ且つ、プラテンの背当て板（６６）と一体的にモールドされる突出リング（６４）は、プラテン（５６）の上側表面（６８）に設けられる。プラテン（５６）は軸（１４）に取付けられているので、突出リング（６４）は制動リング（５２）に係合する。
【００２０】
作動時、規則的な軌道モードにおいて、制動リング（５２）は溝（５８）に係合し且つシュー（５４）の動きを通常の軌道の動きに拘束する。任意の軌道モードにおいて、突出リング（６４）は係合し、且つ制動リング（５２）の内周の周りを自転し、従って、プラテン（５６）の回転速度を制限し且つユニットへの電源が遮断されたとき停止時間を充分に減少させるようになっている。
【００２１】
添付図面の図７から図９に示される第３の実施の形態において、図１から図６に示される同様の構成要素には再度同様の数字が付されている。
【００２２】
この実施の態様において、図７から判るように、４個の直立した栓部材（７２）が電動機ハウジングの床（７４）の下側に設けられている。これらの栓部材（７２）は熱可塑性材から適当に作られており且つ好ましくは電動機ハウジングの床（７４）と一体的にモールドされている。
【００２３】
駆動ユニット（５）は規則的な軌道の研摩機シュー（７６）（図８）に取付けられるか又は任意軌道の研摩機プラテン（７８）（図９）に取付けられるかのいずれかである。
【００２４】
図８から判るように、４個の脚（８０）がシュー（７６）の背当て板に設けられている。シュー（７６）は軸（１４）に取付けられているため、各脚（８０）は対応する栓部材（７２）と係合する。脚（８０）は栓部材（７２）と係合するように形成されており且つ何らかの熱可塑性材、例えばゴム又は合成プラスチック材から作られてもよく、また一体的に、溶接、螺着、接着、モールド又は適当な手段でシュー（７６）に固定してもよい。
【００２５】
図９から判るように、シュー（７６）は除去してもよく且つ任意軌道の研摩機プラテン（７８）と置換してもよい。もし任意軌道モードにおいて研摩機に制動装置を設置したいとすれば、そのときは独立した制動装置を公知の方法で設置する必要がある。
【００２６】
作動時、規則的な軌道モードにおいて、各脚（８０）は対応する栓部材（７２）に係合し且つシューの動きは通常の規則的な動きに拘束される。任意の軌道モードにおいて、プラテンは任意の軌道を自由に回転する。
【００２７】
図７から図９に示される実施例において、脚はシューに取付けられ且つ駆動ユニット内の栓部材に係合する。しかしながら、脚にとって駆動ユニットに取付けられ且つシューの背当て板上の栓部材と係合することは本発明の範囲内である。この変形に関し、脚にとって任意の軌道モードにおいて制動効果を発揮させることは可能であり、従って、独立した制動要素の必要性を除去することができる。
【００２８】
本発明の駆動される振動手工具は特に任意軌道の研摩プラテン及び軌道の研摩機シューのような研摩ヘッドを備えて使用されるが、更に選択的な振動ヘッドを取付けることができる工具を設置することも勿論本発明の範囲内のことである。
【図面の簡単な説明】
【図１】作動ヘッドを備えずに示した、本発明の手工具の第１の実施の形態の駆動ユニットの部分断面側面図である。
【図２】軌道の研摩機シューを取付けたときの図１の駆動ユニットの下端部の側面図である。
【図３】任意軌道の研摩機プラタンを取付けたときの図１の駆動ユニットの下端部の側面図である。
【図４】作動ヘッドを備えずに示した、本発明の手工具の第２の実施の形態の駆動ユニットの部分断面側面図である。
【図５】軌道の研摩機シューを取付けたときの図４の駆動ユニットの下端部の側面図である。
【図６】任意軌道の研摩機プラタンを取付けたときの図４の駆動ユニットの下端部の側面図である。
【図７】作動ヘッドを備えずに示した、本発明の手工具の第３の実施の形態の駆動ユニットの部分断面側面図である。
【図８】軌道の研摩機シューを取付けたときの図７の駆動ユニットの下端部の側面図である。
【図９】任意軌道の研摩機プラタンを取付けたときの図７の駆動ユニットの下端部の側面図である。
【符号の説明】
５…駆動ユニット
７…駆動軸
１３…ナット
１４…駆動軸
１５…軸受
１６…可撓性のある構成要素（可撓性のある支柱）
１７…固い構成要素（クランク状脚）
２０，５４，７６…研摩シュー
２１，５６，７８…研摩プラテン
５２…可撓性のある構成要素（環状制動リング）
５８…固い構成要素（溝）
７２…固い構成要素（栓部材）
８０…可撓性のある構成要素（脚）

Claims (5)

1. ハウジング（６、１０）と第１の駆動軸（７）とを有する駆動ユニット（５）と、
   上記第１の駆動軸（７）に取付けられ且つ該駆動軸に対して半径方向に偏心して配置された軸受（１５）と、
   上記偏心軸受（１５）に取付けられ且つ該偏心軸受の軸線の周りに回転可能な第２の駆動軸（１４）であって、上記ハウジング（６、１０）が上記第１の駆動軸（７）と当該第２の駆動軸（１４）のための開口部を有している、第２の駆動軸（１４）と、
   上記第２の駆動軸（１４）に相互に交換可能に取付け可能な第１及び第２の研摩プラテンであって、該第１及び第２の研摩プラテンのうちの一方は、上記駆動ユニット（５）と連結する連結手段との協働により上記軸受（１５）の軸線の周りにおける上記の一方の研摩プラテンの自由な回転が防止され、上記第１及び第２の研摩プラテンのうちの他方は、上記第２の駆動軸に取付けられた時に、上記軸受（１５）の軸線に対して自由に回転するように構成されていて、上記連結手段が複数の固い構成要素（７２）と複数の可撓性のある支柱（１６、８０）とからなっていて該複数の各支柱は固い構成要素（７２）と協働可能であり、上記可撓性のある支柱（１６、８０）または固い構成要素（７２）の一方が上記の一方の研摩プラテンに固定され且つ上記可撓性のある支柱（１６、８０）または固い構成要素（７２）の他方がハウジング（６、１０）に固定されることと、上記可撓性のある支柱が上記開口部（９）のまわりに配置されることとを特徴とする、第１及び第２の研摩プラテンと、
   を備えていて、
   自由な回転が防止された上記の一方の研摩プラテンが取付けられた時にだけ、上記可撓性のある支柱及び固い構成要素は係合する一方、上記の他方の研摩プラテンは上記のような連結手段を一切有しておらず、且つ
   研摩プラテンの上記駆動ユニット（５）への取付けについては、一方の研摩プラテンの他方の研摩プラテンに対するもしくはその逆の直接的な置換を可能とすることを除いて、上記駆動ユニットに対して如何なる適合化をも必要としない、二機能動力式振動手工具。
2. 上記の複数の可撓性のある支柱（１６、８０）の各々が対応する固い構成要素（７２）と、各々の固い構成要素によって画成される固定的位置設定ポイント内に上記の各支柱を挿入することによって協働することを特徴とする、請求項１に記載の二機能動力式振動手工具。
3. 上記の複数の可撓性のある支柱（８０）の各々が中空であり、対応する上記固い構成要素（７２）が、中空の上記支柱（８０）と係合するボスを含んでいることを特徴とする、請求項１に記載の二機能動力式振動手工具。
4. 上記の第１及び第２の研摩プラテンの一方が上記軸受（１５）の軸線に関して自由に回転するように構成される時に作用するブレーキ（１７）を更に含むことによって特徴付けられる、請求項１から３の何れか一項に記載の二機能動力式振動手工具。
5. 上記の複数の支柱（８０）が駆動ユニット（５）上に配置され、上記ブレーキ（１７）の構成要素であることを特徴とする、請求項４に記載の二機能動力式振動手工具。

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