JP3621866B2 - 枚葉印刷機のシートガイド装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、枚葉印刷機のシートパスラインに近接して設備し、印刷を行っているシート(枚葉紙)を安定的に移送するためのシートガイド装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
枚葉印刷機には、そのシートパスラインに近接してシートガイド装置(単に、シートガイドともいう)が設備されている。
14は一般的な枚葉印刷機の全体構成を示す概略側面図であり、図14に示すように、一般的な枚葉印刷機は、主なユニット(構成要素)として、給紙装置18,印刷装置7,排紙装置9等をそなえて構成されている。
【0003】
このうち、給紙装置18は給紙テーブル19上へ被印物であるシート(枚葉紙)1を積重させておき、該シート1を1枚ずつ順次次工程の印刷工程へ供給する装置である。
次の印刷工程には、通常、墨,藍,紅,黄色等のインキや、その他の特殊な色のインキを備えた複数組の印刷装置7a〜7n(複数組の印刷装置全体については符合7で示す)が並設されており、給紙装置18から連続的に供給されてくるシート1を、圧胴15,中間胴8に具備させた図示しない爪装置を介して順次下流へ移送し、その途上において、各印刷装置7a〜7nが分担している色のインキを転移させ、多色印刷を行なう。
【0004】
上記印刷装置7では、必要量のインキを図示しないインキ装置で調整した後、版胴20の表面に装着している刷版21へ供給し、版21の絵柄部分に転移されたインキを更にゴム胴22の表面へ転写し、このゴム胴22外周面の絵柄をゴム胴22と圧胴15との間を搬送されているシート1へ転写することにより印刷を行なう。なお、印刷終了後のシート1は下流の排紙装置9へ移送される。
【0005】
排紙装置9は、シート搬送装置とシート積重装置13とから構成されており、印刷を終了したシート1を揃えながらシート積重装置13へ積重し、適宜外部へ排出するようになっている。
このような構成により、図14に太線で示すルートに従ってシート1は搬送される。第1印刷装置7aで1色目の印刷を終えたシート1は、第1印刷装置7aの圧胴15aから中間胴8aに渡され、更に第2印刷装置の圧胴15bへ受け渡され、2色目の印刷をする。同様にして第3,第4印刷装置へ順次移載され、目的とする多色印刷が施される。
【0006】
これにより、所定の印刷を終えたシート1は、最終印刷装置7nの圧胴15nから排紙軸10を巻回して走行するエンドレスチェン12のチェングリッパ16へ受け渡され、チェングリッパ16に把持された状態で排紙テーブル14上まで移送され、排紙テーブル14上へ落下積重されるようになっている。そして、排紙テーブル14上に所定枚数のシート1が積重されると、積重されたシート1は外部へ搬出される。
【0007】
ところで、枚葉印刷機は高速でシート1を搬送するため、搬送過程でシート1の汚れ、破れ、印刷ずれ等種々トラブルの発生を抑えるべく、例えば中間胴8の下方、排紙装置9部における排紙軸10から真空車11に至る立ち上がり部等々に位置してそれぞれシートガイド装置2が設備されている。
15〜図17は、中間胴8の下方に配置した従来の枚葉印刷機用シートガイド(特開平10−109404号公報)を示すもので、図15はその概略構成を示す側面図、図16はその空気循環系統の説明図、図17はその概略構成を示す平面図であり、図15において図14と同符号は同様なものを示す。
【0008】
シートガイド装置2は、図15に示すように、中間胴8の下方に配置され、図16に示すように、エアボックス3と、エアボックス3に図17に示すような向きに形成されたノズル(エアーノズル)4と、エアボックス3に空気を供給する配管5及びブロア(空気源)6と、エアボックス3の両側部に設けられた吸引孔23及び空気吸引ボックス24とを備えている。
【0009】
これにより、ノズル4から印刷機両側に向けて吐出された空気は、印刷機両側のフレームに当るが、側外部に設けられた吸引孔23から空気吸引ボックス24に吸引されるため、印刷機両側における空気の反射が抑制され、空気の反射により発生する乱気流が規制される。このため、搬送するシート1のばたつきが防止されるようになっている。
【0010】
18は、排紙装置9の立ち上がり部に配置した従来の枚葉印刷機用シートガイドを示すものである。この枚葉印刷機用シートガイド2も、エアボックス3とノズル4と配管5とブロア6とをそなえる。なお、10は排紙軸、11は真空車、12はエンドレスチェン、16はチェングリッパである。
このほか、シートガイド装置2としては、今日種々多様な形式の装置が提案されており、シート1等がガイド等に吸着力を作用させながら、しかも接触しない様に、ガイド面から空気を吹き出す方法も提案されている。その公知例として、例えば図19(特許2667582号公報)に示すように、空気を吹き出すノズル4の配置を、列毎にノズル4の位置をずらせた千鳥状配列としたものがある。また、この他にノズル4の配置には、格子状配列としたものもある。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、シートガイド装置2においては、ノズル4から噴出する空気等の流れによって、シート1をガイドに沿わせ、且つガイドに接触させないようにし、しかも、良好な印刷をできるようにする必要がある。そのためには、単にノズル4から空気を吹き出すだけでは不十分である。例えばノズル4から吹き出した空気の噴流によって、搬送されているシート1が大きく波うっていると、多色印刷では各色とも同じ絵柄で本来巨視的には同じところへ印刷されるべきであるが、微妙にずれが起こる。このように印刷が微妙にずれるのは上述したシート1が大きく波うっているときだけでなく、激しくばたついているときも同様の課題が生じる。印刷する前のガイドにおいて微妙な変動を次行程に与えるのは、排紙部9においても紙揃え精度に影響を与えてしまう。
【0012】
この点、前述の特開平10−109404号に記載のもの(図16,図17参照)では、搬送するシート1の通路から外れた側外部に設けた吸引孔23を通じて、ノズル4から吹き出された空気を吸引して乱気流の発生を規制しているので、シート1の波うちばたつきを防止し得る。
しかし、この技術のように、機械中央を境に両サイド方向に空気を吹き出している場合には、この方法でも良いが、空気の吹き出し方向がシート1の流れ方向やこれと反対方向であったり、シート1の流れ方向やこれと反対方向の成分を多く有している場合には、空気が反射する場所がシート1の搬送経路内になり、この方法では乱気流の発生を規制するには不十分である。したがって、乱気流が発生してしまい、搬送しているシート1の変形やばたつきを十分抑えることができないので、印刷のダブリ等の不具合が発生することがある。
【0013】
なお、印刷のダブリとは、図20(印刷部分をルーペ等で拡大した拡大図)に示すように、シート(印刷紙)1に印刷した網点26の位置と1枚前(或いは数枚前)に印刷した網点26´の位置とがずれて印刷されていることをいう。ここで、代表的なダブリの発生メカニズムについて説明しておく。網点26で構成されている絵柄がゴム胴22からシート1に転写されたとき、ゴム胴22上のインキは約半分つシート1とゴム胴22とに別れる。シート1上のインキは次の印刷装置7のゴム胴22と圧胴15の間で押し付けられるので、シート1上のインキは一部分ゴム胴22に取られる。このゴム胴22に取られたインキが次のシート1上に印刷される。
【0014】
このとき、インキが同じ位置であれば問題ないが位置がずれるとダブリになる。即ち、図20に示す網点26´がそれであり、搬送されるシート1の位置がずれることによってダブリが生じるのである。もちろん、インキのずれが目視してわからない程度の微小のものであれば問題なく、ここで問題とするダブリは、目視してわかる程度にインキの位置がずれていることをいう。なお、他にもダブリの発生するメカニズムがあるがここでは省略する。
【0015】
本発明は、上述の課題に鑑み創案されたもので、搬送するシートの変形やばたつきを十分に抑制できるようにして、良好な印刷物を得ることができるようにした、枚葉印刷機のシートガイド装置を提供することを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】
このため、請求項1記載の本発明の枚葉印刷機のシートガイド装置は、複数のノズルからの吹き出し空気によって搬送中のシートをガイドに沿うように案内する枚葉印刷機のシートガイド装置において、上記の複数のノズルが格子状に配置されるとともに、各ノズルからの空気の吹き出し方向が該シートの搬送方向に対して逆方向に設定されて、格子状に配置された各ノズルの相互間のうち、該ノズルからの空気吹き出し方向の間隔が、60mm〜95mmの範囲内又は140mm〜180mmの範囲内に設定されたことを特徴としている。
【0017】
請求項2記載の本発明の枚葉印刷機のシートガイド装置は、複数のノズルからの吹き出し空気によって搬送中のシートをガイドに沿うように案内する枚葉印刷機のシートガイド装置において、上記の複数のノズルが格子状に配置されるとともに、各ノズルからの空気の吹き出し方向が該シートの搬送方向に対して逆方向に設定されて、格子状に配置された各ノズルの相互間のうち、該ノズルからの空気吹き出し方向に対し直角方向の間隔が、65mm〜95mmの範囲内に設定されたことを特徴としている。
【0018】
請求項3記載の本発明の枚葉印刷機のシートガイド装置は、複数のノズルからの吹き出し空気によって搬送中のシートをガイドに沿うように案内する枚葉印刷機のシートガイド装置において、上記の複数のノズルが格子状に配置されるとともに、各ノズルからの空気の吹き出し方向が該シートの搬送方向に対して逆方向に設定されて、格子状に配置された各ノズルの相互間のうち、該ノズルからの空気吹き出し方向の間隔が、60mm〜95mmの範囲内又は140mm〜180mmの範囲内に設定され、該ノズルからの空気吹き出し方向に対し直角方向の間隔が、65mm〜95mmの範囲内に設定されたことを特徴としている。
【0019】
なお、該ノズルからの空気の最終溜り部分近辺に、該吹き出し空気を吸い込む空気吸引孔を設けることが好ましい。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、図面により、本発明の実施の形態について説明する。
まず、本発明の第1実施形態について説明すると、図1〜図5は本発明の第1実施形態としての枚葉印刷機のシートガイド装置を示すもので、図1はその模式的な平面図及び側断面図、図2はそのシート搬送状態を示す模式的な斜視図、図3はそのノズル配置例を示す模式的な正面図、図4,図5はそのノズル配置の設定について説明するための実験結果を示す図、図6〜図9はその配置例について説明する図である。なお、これらの図中、前記した従来技術のものと共通する部品,部位については同一の符号を付し、一部説明は省略する。
【0021】
本実施形態のシートガイド装置2は、空気噴流を用いて搬送シート1を案内する空気噴流式のものであり、図1に示すように、エアボックス(エアチャンバ)3と、エアボックス3のガイド面(ガイド)3aに設けられた複数個のノズル4と、エアボックス3に圧送空気を供給する配管5と、圧送空気を発生させるブロワ(空気源)6とをそなえている。ここでは、配管5の途中に電磁弁31が介装され、空気の供給時期を制御できるようになっている。
【0022】
そして、ブロワ6で発生した圧送空気が配管5を通じてエアボックス3に供給され、ガイド面3aの各ノズル4からガイド面3aに沿うように噴射され、この空気噴流によって搬送シート1の走行姿勢の安定化を図るようになっている。つまり、空気噴流によって、搬送するシート1の上下面に空気の流速差を生じさせることにより、ガイド面3aの静圧を減少させ、シート1をガイド面3aに沿わせる吸着力を発生させ、シート1をガイド面3aの近傍に保持させる。ガイド面3aの近傍において、シート1に加わる力(自重等)と噴流とがバランスしたところでは、噴流側に接近しなくなるので、シート1は、ガイド面3aから僅かに浮上して、ガイド面3aに非接触で走行するようになっているのである。
【0023】
ここで、本シートガイド装置2では、空気を吹き出す各ノズル4の吹き出し方向をシート1の搬送方向に対して逆方向(完全に逆方向)にする(図1,図2参照)とともに、複数のノズル4を格子状に配置し、隣接する各ノズル4の相互間隔は、空気の吹き出し方向への間隔Pを60mmから95mmの範囲内(より好ましくは約80mm)とし、吹き出し方向に対し直角方向への間隔Sを65mmから95mm(より好ましくは約80mm)の範囲内としている。
なお、この設定は中型の枚葉印刷機に対応したもので、大型機械に適用する場合は、空気の吹き出し方向への間隔Pについては140mmから180mmの範囲内(より好ましくは約160mm)にしても良い。
【0024】
このような設定の根拠について説明する。
まず、上述のように、ガイド面3aに沿って空気を吹き出すことで、ガイド面3aの静圧を減少させシート1をガイド面3aに沿わせる吸着力を発生させて、シート1をガイド面3aの近傍に保持させているが、これに加えて、各ノズル4の吹き出し方向をシート1の搬送方向に対して逆方向にしているのは、以下の理由による。つまり、空気の吹き出し方向をシート1の搬送方向に対して逆方向にすると、各ノズル4からの空気噴流のシート1に対する相対速度が高くなり、上記のシート1をガイド面3aに沿わせる吸着力が高まる一方で、ガイド面3aのさらに近傍においては、相対速度の高い空気噴流による、シート1を一定以上に噴流側(ガイド面3a)に接近させないようにする作用が強まって、シート1をガイド面3aから所定の距離に安定して保持させることができるからである。
【0025】
次に、上記の各数値設定の根拠について図4,図5を参照して説明する。
図4は格子状に配置したノズル4の幅方向間隔Sを特定値に決めたときのノズル4からの空気噴流により搬送シート1に加わる吸着力の実験結果を示すもので、縦軸が吸着力に比例する係数(吸着力係数)で、横軸がノズル4の空気噴流方向の配置間隔Pを示す。実線で示すグラフは噴流速度Vが20m/sの場合を示し、一点鎖線で示すグラフは噴流速度Vが10m/sの場合を示している。
【0026】
このグラフによると、ノズル4の噴流方向配置間隔Pは約80mm近辺又は約160mm近辺で吸着力が最大になり、この近辺にノズル4を配置すると、搬送されているシート1を速やか且つ確実にガイドに沿わせ、シート1がばたつくのを抑える力が大きく、シート1をより安定させて搬送できることがわかる。
通常の枚葉印刷機においては、160mm間隔ではノズルの数が少なくなるので、約80mm近辺にするのがよく、図4に示すように、Pが略60mm〜略95mmの範囲が吸着力係数の高い領域であり、この範囲にノズル4を設けるのが良い。大型機械の場合には、160mm間隔でもノズルの数はある程度確保されるので、約80mm近辺の他に約160mm近辺にしてもよく、約160ミリメートル近辺にする場合は,図4に示すように、Pは略140mm〜略180mmの範囲が良い。
【0027】
また、図5はノズル4の吹き出し方向間隔Pを特定値に決めたときに、ノズル4の横方向間隔(空気吹き出し方向と直角方向の間隔)Sの変化に対し、空気噴流により搬送されるシート1の変形量δ、及びシート1のばたつきの強さに関係する係数である変動エネルギの実験結果をグラフにしたものである。縦軸が変形エネルギ及び変形量δを示し、横軸がノズル4の幅方向間隔Sを示す。
【0028】
実線で示すグラフはノズル4を格子配列にした場合を示し、一点鎖線で示すグラフはノズル4を千鳥配列にした場合を示す。なお、シート1の変形量δは、図2に示すように、搬送されるシート1の変形量を示す。また、格子配列は、図3(a)に示すように、ノズル4が空気の吹き出し方向に対し規則正しく格子状に配置されたものを示し、千鳥配列は、図3(b)に示すように、空気吹き出し方向に対するある列のノズル4の配置に対して次の列(隣の列)の配置が、ある列の配置の中間に位置するようなものを示す。
【0029】
図5に示すように、シート1の変形量δはノズル4を格子配列にしたものより、千鳥配列にした方が少なくなっている。シート1の搬送時変形、特に中間胴8での搬送時のシート変形量(変形量δ)が大きくなると、中間胴8から次の印刷を行う圧胴15に搬送された時その影響が残り、ダブリが発生する。ダブリの量がある程度を超える(すなわち、図5に示すダブリ不良域に達する)と印刷物を見て差異を感じる程になり、不適当な商品となる。印刷物の種類などにより許容される量は異なるが一般的な許容値があり、その値を超えないようにするのが好ましい。
【0030】
変動エネルギは搬送シート1のばたつきの強さの指数で、変動エネルギが大きいと、変形量が大きい時と同様にダブリが発生する。図5からわかるように、変動エネルギは格子配列に比べ千鳥配列のものが遥かに大きく、千鳥配列ではダブリが発生し易い。ダブリを許容できる量(ダブリ不良域との境界)を図5に示すように設定すると、シート変形量からすると格子配列のノズル4の横方向間隔Sは約95mm以下として、千鳥配列のノズル4の横方向間隔Sは110mm以下とすればよい。ところが、変動エネルギからすると、格子配列の場合はノズル4の横方向間隔Sは約65mm以上であればよいが、千鳥配列の場合は110mm以下には許容範囲がない。したがって、千鳥配列ではダブリを所定以下に抑えることができず、格子配列にして、ノズル1の横方向間隔Sを略65mmから略95mmの範囲(約80mm付近が変形量δ,変動エネルギがバランスよく低くなりより好ましい)にするのが良い。
【0031】
本発明の第1実施形態としての枚葉印刷機のシートガイド装置は、上述のように構成されているので、ノズル4の空気吹き出しによる吸引力が大きく、かつ、搬送時の変形やバタツキが少なく、従って、シート1の汚れや破れ、印刷ずれ(ダブリ,図21参照)の少ない良好な印刷を行なうことができる効果がある。
加えて、シート1の吸引力が大きく搬送するシート1を良好な状態を保つことができるので、印刷に適用できるシート1の剛性幅(厚み幅)が広がる効果がある。
【0032】
つまり、各ノズル4の吹き出し方向をシート1の搬送方向に対して逆方向に向けてガイド面3aに沿って空気を吹き出すことで、各ノズル4からの空気噴流のシート1に対する相対速度が高くなり、シート1をガイド面3aに沿わせる吸着力が高まるのとともに、ガイド面3aのさらに近傍においては、相対速度の高い空気噴流によって、シート1が一定以上に噴流側(ガイド面3a)に接近しないようにされるため、シート1がガイド面3aから所定の距離に安定した状態で走行する。
【0033】
しかも、格子状に配置したノズル4の空気噴流方向の配置間隔Pを、60mm〜95mmの範囲内、又は(特に、大型機械の場合には)140mm〜180mmの範囲内に設定しているので、上記吸着力が十分に大になり、搬送されているシート1を速やか且つ確実にガイドに沿わせ、シート1がばたつくのを抑える力が大きく、シート1をより安定させて搬送できる。したがって、シート1のばたつきも抑制され、ダブリの少ない良好な印刷を行なうことができる効果や、印刷に適用できるシート1の剛性幅(厚み幅)を広ゲルことができる効果がある。
【0034】
また、ノズル4を格子配列にし、ノズル4の横方向間隔(空気吹き出し方向と直角方向の間隔)Sを65mm〜95mmの範囲内に設定することで、中間胴8での搬送時のシート変形量(変形量δ)を抑え且つ搬送シート1のばたつきを抑えることができ、シート1の汚れや破れを防止するとともに、ダブリの発生を確実に抑えることができる効果がある。
【0039】
次に、本発明の第実施形態について説明すると、図10〜図13は本発明の第3実施形態としての枚葉印刷機のシートガイド装置を示すもので、図10はその概略構成を示す模式的な側面図、図11はその要部構成を示す図、図12,図13はそのシートガイド装置を枚葉印刷機の排紙装置部に配置した例を示す模式的な側面図である。なお、図10〜図13において、記述の符号は一部説明を省略する。
【0040】
実施形態のものが、シートガイド装置2がノズル4から空気を吹き出すだけであったのに対して、本実施形態では、これに加えて、吹き出された空気の回収経路を設けている。
つまり、図10は本実施形態のシートガイド装置2を中間胴8の下部に設けた例であるが、図10に示すように、シートガイド装置2におけるエアボックス3の下流部分(空気流の下流部分)、即ち、ノズル4から吹き出された空気の最終溜り部分の近辺に、空気吸引孔23を介してノズル4からの空気が進入し得るエアボックス24が設けられ、この空気吸引ボックス24はノズル4から吹き出す空気の送風源であるブロア6の吸引側に配管5によって接続されている。もちろん、吸引用のブロアは、送風用のブロア6とは別の例えば専用のものを用いるようにしても良い。
【0041】
これにより、ブロア6を通じて空気吸引ボックス24内は減圧され、ノズル4からの空気が空気吸引孔23からエアボックス24内に円滑に流れ込むようになっている。
なお、本実施形態のノズル4の配置は、第1実施形態と同様に、格子状配置とされ、各ノズル4の間隔P,Sは第1実施形態と同様に設定されている。また、ノズル4の噴射方向も、第1実施形態と同様にシート1の搬送方向に逆らう方向に設定されている。
【0042】
本発明の第実施形態としての枚葉印刷機のシートガイド装置は、上述のように構成されているので、第1実施形態と同様に設定されることにより第1実施形態と同様の作用・効果が得られる上に、吹き出された空気の最終的な行き場所(通路)が明確に確保されるため、空気の噴流が圧胴15等にぶつかって生じる反射流によって搬送シート1の搬送形状が乱れてしまうような不具合をより確実に防止することができ、全体の空気の流れが整流化させることから、搬送シート1の搬送形状をより安定化させる効果がある。
【0043】
なお、図11(a),(b)に示すように、シートガイド装置2のエアボックス3の下流部分近辺の幅方向両側にも空気吸引孔23,空気吸引ボックス24を設けるように構成してもよい。つまり、空気吸引孔23はエアボックス3の両側端だけでなく、隣接する印刷装置の圧胴15の端部まで設け、これに連続するように空気吸引ボックス24を設けるのである。
【0044】
かる構成によって、エアボックス3の幅方向両側にも吹き出された空気の最終的な行き場所(通路)が明確に確保されるため、搬送されるシート1の左右両縁部をより安定させることができる効果がある。
【0045】
また、空気吸引孔23,空気吸引ボックス24を適用した第実施形態のシートガイド装置2を、図12(図8に対応),図13(図9に対応)に示すように排紙装置9の上流に設けるようにしても上記と同様の作用効果を得ることができる。なお、図12,図13中には空気吸引孔23を図示しないが、図10,図11と同様に,空気が空気吸引ボックス24に円滑に進入するように空気吸引孔23が設けられるものとする。
【0046】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はこれら実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。
例えば各実施形態では、各ノズル4の間隔P,Sについていずれも数値限定しているが、各ノズル4を格子状に配置した上で、ノズル4の空気噴流方向の配置間隔Pを、60mm〜95mm(又は140mm〜180mm)の範囲内に設定するのみ(即ち、ノズル4の横方向間隔Sは65mm〜95mm外でも良い)、或いは、ノズル4の横方向間隔Sを65mm〜95mmの範囲内に設定するのみ(即ち、ノズル4の空気噴流方向の配置間隔Pは上記設定範囲外でも良い)としても、一定の効果は得られえられる。
【0047】
また、各実施形態の要部を適宜組み合わせても良い
【0048】
【発明の効果】
以上詳述したように、請求項1〜3記載の本発明の枚葉印刷機のシートガイド装置によれば、ノズルからの空気吹き出しによるシート吸引力が大きくなって、かつ、搬送時の変形やバタツキが少なくなるため、シートの汚れや破れ、印刷ずれ(ダブリ)の少ない良好な印刷を行なうことができる効果があり、また、シート吸引力が大きくシートを良好な状態を保つことができるので、印刷に適用できるシートの剛性幅(厚み幅)が広がる効果がある。
【0050】
さらに、ノズルからの空気の最終溜り部分近辺に、吹き出し空気を吸い込む空気吸引孔を設けることによって、吹き出された空気の最終的な行き場所(通路)が明確に確保されるようになり、空気の噴流が圧胴等にぶつかって生じる反射流によってシートの搬送形状が乱れてしまうような不具合をより確実に防止することができ、全体の空気の流れが整流化させることから、シートの搬送形状をより安定化させる効果がある(請求項)。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態としての枚葉印刷機のシートガイド装置を示す図であり、(a)は模式的な平面図、(b)は模式的な側断面図である。
【図2】本発明の第1実施形態としての枚葉印刷機のシートガイド装置によるシート搬送状態を示す模式的な斜視図である。
【図3】本発明の第1実施形態としての枚葉印刷機のシートガイド装置にかかるノズル配置状態を示す模式的な正面図であり、(a)は本実施形態の配置状態を示し、(b)はそれに比較する配置状態を示す。
【図4】本発明の第1実施形態としての枚葉印刷機のシートガイド装置によるノズル配置の設定について説明するための実験結果を示す図であって、ノズルの噴出方向ピッチの影響について示すグラフである。
【図5】本発明の第1実施形態としての枚葉印刷機のシートガイド装置によるノズル配置の設定について説明するための実験結果を示す図であって、ノズルの噴出方向の直角方向ピッチに対する変動エネルギ及びシートの変形量の関係について示すグラフである。
【図6】本発明の第1実施形態としての枚葉印刷機のシートガイド装置を枚葉印刷機のシート走行経路部に配置した例を示す模式的な側面図である。
【図7】図7に示す配置例のシートガイド装置の模式的な正面展開図である。
【図8】本発明の第1実施形態としての枚葉印刷機のシートガイド装置を枚葉印刷機の排紙装置部に配置した第1例を示す模式的な側面図である。
【図9】本発明の第1実施形態としての枚葉印刷機のシートガイド装置を枚葉印刷機の排紙装置部に配置した第2例を示す模式的な側面図である。
【図10】本発明の第実施形態としての枚葉印刷機のシートガイド装置の概略構成を示す模式的な側面図である。
【図11】本発明の第実施形態としての枚葉印刷機のシートガイド装置の変形例にかかる要部構成を示す図であって、(a)は模式的な側面図,(b)は模式的な正面
図である。
【図12】本発明の第実施形態としての枚葉印刷機のシートガイド装置を枚葉印刷機の排紙装置部に配置した第1例を示す模式的な側面図である。
【図13】本発明の第実施形態としての枚葉印刷機のシートガイド装置を枚葉印刷機の排紙装置部に配置した第2例を示す模式的な側面図である。
【図14】一般的な枚葉印刷機の全体構成を示す概略側面図である。
【図15】従来の枚葉印刷機用シートガイドの概略構成を示す側面図である。
【図16】図15の従来例に適用される空気循環系統の説明図である。
【図17】図15の従来例に係る枚葉印刷機用シートガイドの概略構成を示す平面図である。
【図18】従来の枚葉印刷機の排紙部入口に設備されたシートガイド装置の一例を示す模式的な側面図である。
【図19】従来のシートガイド装置におけるエアーノズルの配置例を示す平面図である。
【図20】印刷障害(ダブリ)を説明するシート(枚葉紙)の印刷部分の拡大図である。

Claims (4)

  1. 複数のノズルからの吹き出し空気によって搬送中のシートをガイドに沿うように案内する枚葉印刷機のシートガイド装置において、
    上記の複数のノズルが格子状に配置されるとともに、各ノズルからの空気の吹き出し方向が該シートの搬送方向に対して逆方向に設定されて、格子状に配置された各ノズルの相互間のうち、該ノズルからの空気吹き出し方向の間隔が、60mm〜95mmの範囲内又は140mm〜180mmの範囲内に設定されたことを特徴とする、枚葉印刷機のシートガイド装置。
  2. 複数のノズルからの吹き出し空気によって搬送中のシートをガイドに沿うように案内する枚葉印刷機のシートガイド装置において、
    上記の複数のノズルが格子状に配置されるとともに、各ノズルからの空気の吹き出し方向が該シートの搬送方向に対して逆方向に設定されて、格子状に配置された各ノズルの相互間のうち、該ノズルからの空気吹き出し方向に対し直角方向の間隔が、65mm〜95mmの範囲内に設定された
    ことを特徴とする、枚葉印刷機のシートガイド装置。
  3. 複数のノズルからの吹き出し空気によって搬送中のシートをガイドに沿うように案内する枚葉印刷機のシートガイド装置において、
    上記の複数のノズルが格子状に配置されるとともに、各ノズルからの空気の吹き出し方向が該シートの搬送方向に対して逆方向に設定されて、格子状に配置された各ノズルの相互間のうち、該ノズルからの空気吹き出し方向の間隔が、60mm〜95mmの範囲内又は140mm〜180mmの範囲内に設定され、該ノズルからの空気吹き出し方向に対し直角方向の間隔が、65mm〜95mmの範囲内に設定された
    ことを特徴とする、枚葉印刷機のシートガイド装置。
  4. 該ノズルからの空気の最終溜り部分近辺に、該吹き出し空気を吸い込む空気吸引孔を設けたことを特徴とする、請求項1〜のいずれかの項に記載の枚葉印刷機のシートガイド装置。
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