JP3621349B2 - ディスク装置用シャーシの角部補強装置 - Google Patents

ディスク装置用シャーシの角部補強装置 Download PDF

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Description

技術分野
この発明は、ディスク装置用シャーシの折り曲げ加工された角部を補強するとともに、ディスク再生ユニットを外部振動から保護するディスク装置用シャーシの角部補強装置に関するものである。
背景技術
光ディスクを再生するディスク装置は、ターンテーブルやピックアップを搭載したディスク再生ユニットを、コイルスプリングなどのダンパー部材を介してシャーシ内に移動自在に収納し、シャーシに加わる外部振動や衝撃などの影響がディスク再生ユニットに及ばないように工夫がなされている。特に車載用のディスク装置にあっては、定常的に振動が加わりやすいために、上記ダンパー部材の工夫などがなされている。
一方、上記シャーシは板金曲げ加工によって立設した側板部を備え、隣接する2枚の独立した側板部によって形成される角部を備えている。このシャーシの角部及び側板部は、落下衝撃などを受けると独立した側板部が倒れて変形するおそれがある。これを防止するために、側板部同士をかしめて固定したり、側板部に板材を掛け渡してねじ止め固定することにより、角部の補強を行っていた。
第18図は従来のディスク装置のシャーシを示す平面図、第19図は第18図のシャーシをE方向から見た側面図、第20図は第18図のシャーシをF方向から見た側面図である。
図において、11はシャーシ、12はシャーシ11の側面部を形成するために折り曲げ加工によって立設された側板部、13は光ディスク、14は光ディスク13を再生するディスク再生ユニットであり、コイルスプリング及びダンパーを介してシャーシ11内に移動自在に収納されている。14aはディスク再生ユニット14に設けられた係合ピン、15はシャーシ11の角部を補強するために側板部12,12同士をかしめたカシメ部、16は粘性流体が封入されたダンパーであり、例えば、特開平7−272470号公報に開示されたものが利用されている。17はダンパー16を側板部12に固定するネジである。
次に動作について説明する。
シャーシ11の角部は、カシメ部15によって補強されている。
なお、ディスク再生ユニット14は、シャーシ11に加わる外部振動を受けて当該シャーシ11に対して相対的に位置変位する。その際、ダンパー部16は自身の弾性変形と封入された粘性流体の粘性とにより、係合ピン14aに制動作用を与え、それ外部振動を吸収する。
従来のディスク装置用シャーシの角部補強装置は以上のように構成されているので、カシメ部15を形成してシャーシ11の角部を補強しなければならず、シャーシ11を順送金型で生産できないためコスト高となるなどの課題があった。
また、カシメ部15で側板部12,12を固定することによって上記角部を補強する代わりに、図示しない板材を側板部12,12に掛け渡してねじ止め固定する場合には、部品点数が増加するとともに固定作業に手間がかかり、コスト高となるなどの課題があった。
この発明は上記のような課題を解決するためになされたもので、順送金型で生産したシャーシの角部を容易に補強でき、コスト低減を実現できるディスク装置用シャーシの角部補強装置を得ることを目的とする。
発明の開示
この発明は、シャーシの角部を形成する2枚の独立した側板部に係合固定され当該角部を補強する補強基部と、前記補強基部に設けられ、ディスク再生ユニットの振動を吸収するダンパー部とを備えたものである。
このことによって、順送金型で生産したシャーシの角部を補強基部によって容易に補強できるとともに、当該補強基部をシャーシに固定することにより、同時にダンパー部を配設できるので、組立作業性が格段に向上するほか部品点数を大幅に削減でき、コスト低減を実現できる効果がある。
この発明は、補強基部は、シャーシの側板部に形成された係合片を嵌入する係合孔を備えたものである。
このことによって、シャーシの係合片と補強基部とを容易に係合できる効果がある。
この発明は、補強基部の係合孔は、独立した側板部の係合片に形成された係合孔に係合する突起部を備えたものである。
このことによって、シャーシの係合片と補強基部とを容易かつ強固に係合できる効果がある。
この発明は、補強基部とダンパー部とを2色成形によって形成したものである。
このことによって、材質の異なる硬質素材の補強基部と軟質素材のダンパー部とを一体成形でき、大量に製造できるので、コスト低減を実現できる効果がある。
【図面の簡単な説明】
第1図はこの発明の実施の形態1によるディスク装置用シャーシの角部補強装置の補強基部とシャーシとの係合状態を示す部分断面図である。
第2図はダンパー部とディスク再生ユニットとの係合状態を示す部分断面図である。
第3図はディスク装置用シャーシの角部補強装置を示す正面斜視図である。
第4図はディスク装置用シャーシの角部補強装置を示す裏面斜視図である。
第5図はディスク装置用シャーシの角部補強装置を示す平面図である。
第6図は補強基部を示す部分断面図である。
第7図はダンパー部を示す部分断面図である。
第8図はディスク装置のシャーシを示す平面図である。
第9図は第8図のシャーシをA方向から見た側面図である。
第10図は第8図のシャーシをB方向から見た側面図である。
第11図は第8図のシャーシをC方向から見た側面図である。
第12図は第8図のシャーシをD方向から見た側面図である。
第13図はこの発明の実施の形態2によるディスク装置用シャーシの角部補強装置の補強基部とシャーシとの係合状態を示す部分断面図である。
第14図はダンパー部とディスク再生ユニットとの係合状態を示す部分断面図である。
第15図はディスク装置用シャーシの角部補強装置を示す正面斜視図である。
第16図は補強基部を示す部分断面図である。
第17図はダンパー部を示す部分断面図である。
第18図は従来のディスク装置のシャーシを示す平面図である。
第19図は第18図のシャーシをE方向から見た側面図である。
第20図は第18図のシャーシをF方向から見た側面図である。
発明を実施するための最良の形態
以下、この発明をより詳細に説明するために、この発明を実施するための最良の形態について、添付の図面にしたがって説明する。
実施の形態1.
第1図はこの発明の実施の形態1によるディスク装置用シャーシの角部補強装置の補強基部とシャーシとの係合状態を示す部分断面図、第2図はダンパー部とディスク再生ユニットとの係合状態を示す部分断面図、第3図はディスク装置用シャーシの角部補強装置を示す正面斜視図、第4図はディスク装置用シャーシの角部補強装置を示す裏面斜視図、第5図はディスク装置用シャーシの角部補強装置を示す平面図、第6図は補強基部を示す部分断面図、第7図はダンパー部を示す部分断面図、第8図はディスク装置のシャーシを示す平面図、第9図は第8図のシャーシをA方向から見た側面図、第10図は第8図のシャーシをB方向から見た側面図、第11図は第8図のシャーシをC方向から見た側面図、第12図は第8図のシャーシをD方向から見た側面図である。
図において、1は順送金型によって製造されたシャーシ、2はシャーシ1の側面部を形成するために折り曲げ加工によって立設された独立した側板部、2aは独立した側板部2に形成された係合片、2bは係合片2aの先端に形成された段部、3は光ディスク、4は光ディスク3を再生するために図示しないターンテーブルやピックアップなどを搭載したディスク再生ユニットであり、図示しないコイルスプリングを介してシャーシ1内に移動自在に収納されている。4aはディスク再生ユニット4に設けられた係合ピンである。
5は独立した側板部2の係合片2aに係合固定され、側板部2,2によって形成される角部を補強する補強基部であり、例えば、硬質樹脂によって形成されている。5aは係合片2aを嵌入可能に形成した係合孔、5bは係合片2aの段部2bと係合する段部である。
6はディスク再生ユニット4の振動を吸収するダンパー部であり、2色成形によって、上述した補強基部5と一体的に形成されている。このダンパー部6は、第2図および第7図に示すように、例えばブチルゴムなどの弾性素材によって密閉された筒状に形成されており、その内部にシリコンオイルなどの粘性流体6aが充填されている。6bはディスク再生ユニット4の係合ピン4aと係合する係合凹部である。
また、第8図および第12図において、7はダンパ取付用板金の一部を立設した係合片であり、補強基部5の係合孔5aに嵌入されるものである。
以上のような補強基部5およびダンパー部6からなるディスク装置用シャーシの角部補強装置は、第8図に示すように、独立した側板部2,2によって形成される2カ所の角部と、シャーシ1の中心部付近に配設されている。
次に動作について説明する。
独立した各側板部2の係合片2aと補強基部5の係合孔5aとを係合させると、独立した側板部2同士が補強基部5によって連結され、独立した側板部2の相対的な移動が当該補強基部5によって規制されるので、角部が容易に補強されることとなる。
また、係合片2aに段部2bを設けるとともに係合孔5aに段部5bを設けたので、これらによって嵌入時の動作を規制でき、補強基部5を容易に位置決めできる。
また、補強基部5を上記位置に配設することにより、同時にダンパー部6も配設されることとなり、従来のようにダンパー部材を配設するためのねじ部材などが不要となるので、部品数を削減でき、作業労力も大幅に軽減できる。
ディスク再生ユニット4は、シャーシ1に加わる外部振動を受けて当該シャーシ1に対して相対的に位置変位する。その際、ダンパー部6は自身の弾性変形と粘性流体6aの粘性とにより、係合ピン4aに制動作用を与え、その外部振動を吸収する。そして、ダンパー部6は、制動作用を呈した後、その弾性復帰力により元の状態に戻る。
以上のように、この実施の形態1によれば、順送金型で生産したシャーシ1の角部を補強基部5によって容易に補強できるとともに、当該補強基部5をシャーシ1に固定することにより、同時にダンパー部6を配設できるので、組立作業性が格段に向上するほか、部品点数を大幅に削減でき、コスト低減を実現できる効果が得られる。
また、補強基部5とダンパー部6とを2色成形によって形成したので、材質の異なる両者を容易に一体成形でき、大量に製造できるので、コスト低減を実現できる効果が得られる。
なお、上記実施の形態1においては、本発明をディスク装置に適用するものとして説明したが、これに限られず、シャーシの角部の補強と防振機能とが要請される種々の装置に適用でき、同様の効果が期待できる。
実施の形態2.
第13図はこの発明の実施の形態2によるディスク装置用シャーシの角部補強装置の補強基部とシャーシとの係合状態を示す部分断面図、第14図はダンパー部とディスク再生ユニットとの係合状態を示す部分断面図、第15図はディスク装置用シャーシの角部補強装置を示す正面斜視図、第16図は補強基部を示す部分断面図、第17図はダンパー部を示す部分断面図である。なお、以下の説明において、既に説明したものと同一のものには同一の符号を付して重複説明を省略する。
図において、2cは係合片2aに設けられた係合孔、5cは係合孔2cに係合するように係合孔5aの中に設けられた突起部である。
次に動作について説明する。
独立した各側板部2の係合片2aを補強基部5の係合孔5aに嵌入すると、突起部5cが係合孔2cに係合するので、補強基部5と係合片2aとが容易かつ強固に固定され、補強基部5が係合片2aから脱落するのを防止できる。その他の動作は上記実施の形態1の場合と同様であるので、説明を省略する。
以上のように、この実施の形態2によれば、上記実施の形態1の場合と同様の効果が得られるほか、補強基部5が係合片2aから脱落するのを防止できる効果が得られる。
産業上の利用可能性
以上のように、この発明に係るディスク装置用シャーシの角部補強装置は、順送金型で生産したシャーシの角部を容易かつ安価に補強したいディスク装置に適している。

Claims (4)

  1. シャーシの角部を形成する2枚の独立した側板部に係合固定され当該角部を補強する補強基部と、前記補強基部に設けられ、前記シャーシ内に移動自在に収納されたディスク再生ユニットの一部に当接し当該ディスク再生ユニットの振動を吸収するダンパー部とを備えたディスク装置用シャーシの角部補強装置。
  2. 補強基部は、シャーシの独立した側板部に形成された係合片を嵌入する係合孔を備えたことを特徴とする請求の範囲第1項記載のディスク装置用シャーシの角部補強装置。
  3. 補強基部の係合孔は、独立した側板部の係合片に形成された係合孔に係合する突起部を備えたことを特徴とする請求の範囲第1項記載のディスク装置用シャーシの角部補強装置。
  4. 補強基部とダンパー部とを2色成形によって形成したことを特徴とする請求の範囲第1項記載のディスク装置用シャーシの角部補強装置。
JP2000572848A 1998-09-29 1998-09-29 ディスク装置用シャーシの角部補強装置 Expired - Lifetime JP3621349B2 (ja)

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