JP3619566B2 - 長尺体貫通部の防火措置装置 - Google Patents

長尺体貫通部の防火措置装置 Download PDF

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、建築物の床や壁等(防火区画体)に貫通配置されている樹脂製パイプ、ケーブル等の長尺体を引き替工事したり、長尺体を増設したりする場合に、その貫通部に防火措置を施したり、常設の本格的な防火措置を施したりするのに使用される長尺体貫通部の防火措置装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
工場、ビル等の建物では防火区画体に貫通孔を開設してケーブルや樹脂製パイプ等の長尺体を貫通配置させてある。この場合、火災における延焼防止の観点から、貫通孔と長尺体との間の隙間を耐火材で埋め戻す等して防火措置を施すことが義務付けられている。
【0003】
このような防火区画体の防火措置としては従来から各種のものがある。その主なものとして図13、図15、図16に示すようなものがある。
図13に示す装置を用いた工法では、床(防火区画体)Aの開口部B内を貫通する長尺体Cの周囲にロックウールDを詰め、防火区画体Aの上下にケイ酸カルシウム製板(ケイカル板)による蓋Eを配置する。その後、上下両蓋Eをアンカーボルトで防火区画体Aに固定し、ケーブルCと蓋Eとの間の隙間に耐火パテFを詰めてシールする。
【0004】
図15に示す装置を用いた工法では、防火区画体Aの開口部B内を貫通する長尺体Cの周囲にケイカル板による蓋Eを被せて開口部Bと長尺体Cの間の隙間を小さくし、その蓋Eの上に長尺体Cを囲むようにケイカル板Gを立てる。そして、そのケイカル板Gと蓋EとケーブルCで囲まれる所定容積の収容部J内に、難燃性発泡ポリウレタン、難燃性発泡シリコン等の柔軟性のある耐火材をガラスクロス等の不燃性シートで包んだ耐火材製ブロックHを詰めて隙間を塞ぐ。
【0005】
図16に示す装置を用いた工法では、防火区画体Aの開口部B内を貫通する長尺体Cの外周に、耐火性パテを袋詰めして帯状にした帯状耐火材Iを巻き付けて貫通口Bを塞ぐ。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、図13に示す防火措置装置では、防火区画体Aに貫通配置されている長尺体Cを引替え工事したり、増設工事したりするには、ロックウールD、蓋E、耐火性パテF等の防火措置用部品を図14にように全部取り除く必要がある。しかも、それらの引替え工事には通常は数日〜数週間かかるため、通常はその間の夜間は防火措置用部品を取り除いて貫通口Bを開放状態にある。従って、その状態で火災が発生すると、この貫通口Bから煙が吹き抜け炎が延焼するおそれがあった。
【0007】
また、図15または図16の防火措置装置を用いた工法では、図13の防火措置装置を用いた工法よりも施工時間が短くてすむ。しかし、それでも長尺体Cの引替え工事や増設工事において、作業開始時に防火措置装置を短時間で解体し、作業終了時に再び同じ防火措置装置を短時間で施工し直す(仮設する)ことは難しい。
【0008】
これらの課題を解決する長尺体貫通部の防火措置工法として、特開平5−277,202号公報に示す工法が提案されている。
しかしながら、この公報に開示してある工法を含めて、従来の工法では、耐火材製ブロックの材料として、柔軟性に優れている発泡シリコンを使用することがあり、その場合、火災時にその中から、シロキサンガスが揮散し、電子部品等の接点に付着すると、接点障害を発生させるおそれがある。
【0009】
一方、シリコン以外の材質を用いた柔軟性のある耐火材製ブロックは、いずれも、加熱時に目減りあるいは収縮がみられるので、防火措置としての性能に不安がある。
本発明の目的は、ケーブル等の長尺体の引替え工事や増設工事の際に解体された防火区画体の防火措置構造の解体跡の開口部に、再度短時間で手軽に高い防火性能を持った防火措置を施すことのできる装置を提供することにある。また、これに限らず、新設の場合にも十分のその防火性能を発揮することができ、しかも施工、解体が容易で、その上、防火区画体を貫通している長尺体やケーブルラックのサイズが多少変わっても、それらの外周に密接して隙間を完全に閉鎖できるようにした防火措置装置を提供することにある。
【0010】
本発明は、さらに、発泡シリコン以外の、柔軟性のある材料を耐火性ブロックとして使用可能にすることができる防火措置装置を提供することも目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明に係る長尺体貫通部の防火措置装置は、建築物の床や壁などの防火区画体に開けられた開口部内を貫通するケーブルなどの長尺体の周囲に配置される複数の耐火性ブロックと、これら耐火性ブロックを、前記長尺体方向に押圧させるように保持する保持手段とを有し、前記耐火性ブロックが、全体として弾性を確保しつつ変形可能な柔軟性本体と、加熱時に膨張する熱膨張材と、前記柔軟性本体および熱膨張材を包む不燃性シートとを有するものである。
熱膨張材は柔軟性本体の内部に配置すると良いが、柔軟性本体の外面に重ねて配置しても良い。
柔軟性本体としては、難燃性プラスチックや難燃性エラストマーからなるものが用いられる。特に前記材料からなる発泡体が好適である。
【0012】
前記耐火性ブロックは、前記保持手段とは別個に準備されるものであっても良いし、前記保持手段の一部を構成する耐火ユニット内に予め取り付けてあっても良い。
前記耐火性ブロックは、前記防火区画体の上に配置された耐火性板の上に、加熱時に膨張する熱膨張材で構成された熱膨張材シートを介して装着されても良い。
【0013】
【作用】
本発明に係る長尺体貫通部の防火措置装置を用いた工法では、防火区画体に形成された開口部の上に、必要に応じて、収容凹部を持つ耐火性板を配置し、その上に、必要に応じて、熱膨張材シートを敷く。なお、開口部には、ケーブルなどの長尺体が予め貫通してある。または、長尺体は、施工時に開口部に貫通させても良い。
【0014】
次に、防火区画体の上、あるいは必要に応じて配置された耐火性板の上で、長尺体の周囲に、耐火性ブロックを複数配置する。その後、保持手段により、これら耐火性ブロックを、長尺体方向に押圧させるように保持する。
ケーブル等の長尺体の引替え工事や増設工事の際には、保持手段を解除すれば、耐火性ブロックを容易に解体することができ、耐火性ブロックを交換あるいは増設することにより、短時間でしかも手軽に、高い防火性能を持った防火措置装置を施工することができる。
【0015】
前記耐火性ブロックが保持手段の一部を構成する耐火ユニット内に予め取り付けられた発明では、耐火ユニットを保持手段により組み合わせるのみで、短時間でしかも手軽に、高い防火性能を持った防火措置装置を施工することができる。また、ケーブル等の長尺体の引替え工事や増設工事の際の解体もきわめて容易である。
【0016】
本発明に係る長尺体貫通部の防火措置装置では、耐火性ブロックが、全体として弾性を確保しつつ変形可能な柔軟性本体と、加熱時に膨張する熱膨張材が配置してある構成なので、次のように作用する。火災時などには、その熱により耐火性ブロックを構成する柔軟性本体が、目減りあるいは収縮するおそれがあるが、他方、その熱により熱膨張材が膨張し、耐火性ブロックと長尺体との間に隙間が発生することはない。したがって、煙、火炎の貫通を抑えることができ、耐火性を維持させることができる。
【0017】
防火区画体の上に配置された耐火性板の上に、加熱時に膨張する熱膨張材で構成された熱膨張材シートを配置し、その上に耐火性ブロックを配置した構成の発明では、火災などの加熱時に、熱膨張材シートも膨張し、煙、火炎の貫通防止効果がさらに向上する。
【0018】
【実施例】
以下、本発明に係る長尺体貫通部の防火措置装置を、図面に示す実施例に基づき、詳細に説明する。
図1は本発明の一実施例に係る長尺体貫通部の防火措置装置の概略斜視図、図2は図1の要部断面図、図3は図1,2に示す耐火性板の要部斜視図、図4は図1,2に示す耐火性ブロックの一部破断斜視図、図5は加熱による膨張時を示す耐火性ブロックの要部断面図、図6は本発明の他の実施例に係る長尺体貫通部の防火措置装置の概略斜視図、図7は図6の要部断面図、図8は図6,7で用いる耐火性ユニットの一部破断斜視図、図9は耐火性ユニットを構成するブロック保持具の斜視図、図10は本発明の他の実施例に係る長尺体貫通部の防火措置装置の概略断面図、図11は図10に示す実施例で用いる熱膨張材シートの斜視図、図12は図10に示す実施例における加熱状態を示す要部断面図である。
【0019】
第1実施例
図1〜5および図11を参照して、本発明の第1実施例に係る長尺体貫通部の防火措置装置について説明する。
図1,2に示すように、建築物の壁あるいは床を構成する防火区画体Aには、開口部Bが形成してあり、この開口部Bには、ラック8に沿ってケーブルC(長尺体)が貫通してある。ラック8は、図1に示すように、所定間隔離して平行に配置してある二本の長尺な親桁9の間にコ字状の梁10を渡した梯子状のものである。
【0020】
開口部Bが形成された付近の防火区画体Aの上には、図3に示すように、分割された耐火性板1が、図2のように長尺体Cを両外側から挟むように配置され、開口部BとケーブルCの間の隙間を概略閉塞する。耐火性板1としては、耐火性に優れたケイ酸カルシウム製板体(以下単にケイカル板と記す)が使用される。
【0021】
図3に示す耐火性板1のうち一方のもの(図3の左側)には、長方形のケイカル板の対向面11にラック8の親桁9が嵌入するラック嵌入溝12が形成してある。他方の耐火性板1(図3の右側)には、長方形のケイカル板の対向面13に長尺体Cを収容する収容凹所14が一段凹陥して形成してある。
【0022】
そして、耐火性板1を長尺体Cの両外側に配置する場合は、図3に示すように、二枚の耐火性板1の対向面11と13との間に隙間15を開け、その隙間15にスペーサ16を嵌入して同隙間15を保持する。この隙間15を設けることにより、ケーブルCと収容凹所14との間に多少の空間を設けることができるので、後日の工事により、順次増加する長尺体Cを、耐火性板を加工することなしに、その空間に後から挿入することができる。
【0023】
図3では、スペーサ16を収容凹所14より右側の隙間15にしか嵌入してないが、実際は図1のように、収容凹所14より左側の隙間15にも嵌入する。また、隙間15に嵌入するスペーサ16の数も、隙間15の長さとか、スペーサ16のサイズ等によって適宜選定する。
【0024】
スペーサ16は、金属板等の取付け板17にケイ酸カルシウム製の直方体のブロック18をネジ止めしており、このブロック18を図5の隙間15に嵌入できるようにしてある。取付け板17およびブロック18の寸法は、隙間15の寸法に合わせて選定する。一例としては、取付け板17を1辺が100mmの正方形とし、ブロック18は長さ100mm、幅50mm、厚さ40mm程度とする。
【0025】
本実施例では、図2,3に示す耐火性板1の上面に、耐火性ブロック2を、図1に示すように、ケーブルCの全周を取り囲むように所望数並べ、その耐火性ブロック群の対向する両外側に、図1および図2に示すように、長尺な一枚物の硬質材製ブロック保持具3(保持手段の一部)を配置する。硬質材製ブロック保持具3には鉄鋼ステンレス、銅合金等の金属や強化プラスチック等が使用される。
【0026】
耐火性ブロック2は、図4に示すように、弾性を確保しつつ変形可能な柔軟性本体41と、柔軟性本体41の内部に配置されて、加熱時に膨張する熱膨張材44と、柔軟性本体41の外周を被覆する不燃性シート46とを有する。本実施例では、柔軟性本体41は、難燃性発泡ニトリルゴムで構成される第1板材40と、難燃性発泡ポリエチレンで構成される第2および第3板材42a,42bとが積層して構成される。本実施例において、本体41を、難燃性発泡ニトリルゴムと、難燃性発泡ポリエチレンとの二種類の材質で構成するのは、後者が弾性クリープを起こし易く、全体ブロックとしての弾性を確保するため(つまり、復元性が良くない)などの理由による。
【0027】
不燃性シート46は、ガラス繊維織物、カーボン繊維織物等で構成され、耐火性を有すると共に、本体41の形崩れ、損傷等を防止するようにしてある。この場合、本体41におけるケーブルとの接触面45(難燃性発泡ポリエチレン材)を波形の凹凸にして、ケーブルCへの追従性を良くすることもできる。
【0028】
本実施例では、加熱時に膨張する熱膨張材44は、本体41の内部に埋め込まれることが可能なシート状であり、その材質としては、たとえば熱発泡性材料である「ダンシールF」(商品名:古河電気工業株式会社製)などを用いることができる。このダンシールFは既にある程度発泡した発泡体であり、熱容量が小さく且つ体積発泡率が高い。従ってその内部の熱が速やかに伝導されて素早く、しかも大きく膨張する。しかも、発泡後は断熱性に富んだ灰化生成物に変化するため、非常に断熱効果が高いという利点もある。
【0029】
また、熱膨張材44としては「ダンシールD」(商品名:古河電気工業株式会社製)等のシートまたはブロックを使用してもよい。このダンシールDは発泡していない粘土状の組成物であり、熱容量が大きく且つ密度が高い。従って、加熱時には、比較的低速ではあるが強力な押圧力が発生する。しかも前記ダンシールFと同様に、発泡後は断熱性に富んだ灰化生成物に変化するため、非常に断熱効果が高い。
【0030】
熱膨張材44としては前記以外に、例えばダンシールFT(古河テクノマテリアル(株)開発の熱膨張性パテ)、フォモックス(商品名:西独バイエル社)や、ファイヤーストップ(商品名:米国ダウ・コーニング社)などが使用できる。図1,2に示すように、対向する硬質材製ブロック保持具3の間には、締付け具5(保持手段)が架け渡してある。この締付け具5を締付けることにより、耐火性ブロック2群を圧縮して、個々の耐火性ブロック2を互いに圧接させると共にケーブルCの外周に圧接させて、ケーブルCの周辺部の隙間を閉塞する。
【0031】
締付け具5としては種々のものが考えられるが、例えば、ガラス繊維または有機繊維等のベルト26の様なもの、または図1に示すような締付け治具27等が例示される。締付け治具27としては、例えば市販のものが使用される。
図1,2に示す締め付け治具27では、スライドアーム30の一端に固定係止具31が固定され、他端に移動係止具32がスライドアーム30に沿ってスライド可能に取付けられている。図2に示すように、摘み33を回して螺子34を回転させると移動係止具32が固定係止具31側にスライドして、ケーブルCを挟んで対向する二枚の硬質材製ブロック保持具3が互いに締付けられる。
【0032】
締付け治具27で硬質材製ブロック保持具3を締付けるとき、同パネル3の長手方向両端だけを締付け具5で締付けると、同パネル3が長い場合はその長手方向中央部が外側に膨らんで、同中央部の締付けが不充分になることがある。この場合は同パネル3の長手方向中央部にも締付け具5を掛けて締付ける。
【0033】
本実施例に係る長尺体貫通部の防火措置装置を用いた工法では、図1,2に示す防火区画体Aに形成された開口部Bの上に、まず、耐火性板1を配置する。図3に示すように、本実施例では、分割された耐火性板1を、図2のようにケーブルCを両外側から挟むように配置し、開口部Bと長尺体Cの間の隙間を概略閉塞する。
【0034】
次に、図3に示すように、耐火性板1,1間に形成された隙間15にスペーサ17を配置する。その後、耐火性板1,1の上で、ケーブルCの周囲に、図1,2に示すように、耐火性ブロック2を複数配置する。その後、耐火性ブロック群の対向する両外側に、図1および図2に示すように、硬質材製ブロック保持具3を配置する。
【0035】
次に、図1,2に示すように、対向する硬質材製ブロック保持具3の間に、締付け具5(保持手段)を架け渡す。この締付け具5を締付けることにより、耐火性ブロック2群を圧縮して、個々の耐火性ブロック2を互いに圧接させると共にケーブルCの外周に圧接させて、ケーブルCの周辺部の隙間を閉塞し、防火措置装置が完成する。
【0036】
ケーブルCの引替え工事や増設工事の際には、締め付け具5を解除すれば、耐火性ブロック2を容易に解体することができ、耐火性ブロック2を交換あるいは増設することにより、短時間でしかも手軽に、高い防火性能を持った防火措置装置を再施工することができる。
【0037】
本実施例に係る長尺体貫通部の防火措置装置では、図4に示すように、耐火性ブロック2が、弾性を有し、変形可能な柔軟性本体41内に、加熱時に膨張する熱膨張材44が配置してある構成なので、次のように作用する。火災時などには、その熱により耐火性ブロック2を構成する柔軟性本体41が、目減りあるいは収縮するおそれがあるが、図5に示すよう、その熱により熱膨張材44が膨張し、耐火性ブロック2とケーブルCとの間に隙間が発生することはない。したがって、煙、火炎の貫通を抑えることができ、耐火性を向上させることができる。
【0038】
第2実施例
次に、図6〜9を参照して、本発明の第2実施例について説明する。
本実施例に係る長尺体貫通部の防火措置装置において、前記第1実施例の装置と共通する部材には、共通する符号を付し、その説明は一部省略する。
【0039】
本実施例では、図8に示すように、前記実施例と同様な耐火性ブロック2を、硬質材製ブロック保持具3aに予め取付けた耐火ユニット4を用いる。
図6に示すように、ケーブルCの本数が多いために耐火ユニット4の耐火性ブロック2でケーブルCの外周の隙間を十分に閉塞し切れない場合は、同耐火ユニット4の耐火性ブロック2の内側に、前記実施例と同様な耐火性ブロック2を単体で所望数配置する。
【0040】
耐火ユニット4は、図8に示すように、耐火性ブロック2を、図9に示すような硬質材製ブロック保持具3aに、たとえば2個取付け、この硬質材製ブロック保持具3aの連結板20を、図8のように蝶ボルト23で連結したものである。このユニット4は、ナットを使用しないため、落下の危険性がなく、工具も使用せず、作業者の手のみで組立られる。硬質材製ブロック保持具3aは、鉄鋼、ステンレス、銅合金等の金属や強化プラスチック等で構成することができる。その構造は、図9のように片側を受皿構造とし、反対側に連結板20を突設し、その連結板20の根元に三角形の補強リブ21を取付けてある構造である。
【0041】
硬質材製ブロック保持具3aへの耐火性ブロック2の取付け方法は種々考えられるが、例えば、硬質材製ブロック保持具3aの受皿に接着剤を塗布して耐火性ブロック2を接着固定する方法が考えられる。あるいは、図8,9に示すように、受皿と耐火性ブロック2の双方に脱着可能テープ22(たとえばマジックテープ;商品名)を張り付け、それを互いに接着して固定する方法、あるいは受け皿に配置した耐火性ブロック2を紐で縛るなどの方法が例示できる。
【0042】
本実施例では、図3に示すように、前記実施例と同様にして、耐火性板1,1を開口部Bが形成された防火区画体Aの上に配置し、スペーサ16を隙間に配置する。その後、耐火性板1,1の上に、図6,7に示すように、ケーブルCの両側に、耐火ユニット4を配置する。また、必要に応じて、耐火ユニット間に、単体の耐火性ブロック2を複数配置する。そして、締付け具5で締付け、耐火性ブロック2をケーブルCの外周に圧接させて変形させると共に、ケーブルCの周辺部の隙間を閉塞する。
【0043】
締付け具5としては、図1,2に示す第1実施例のものと同じものを用いることができる。また、その他の方法として、図6中の二点鎖線に示すように、ユニット3a,3aの両端にベルト53をかけ、ユニットの中間位置で中介物54を入れ、ベルト53を締め上げ、中央を押しつけることでも、中央を圧縮することができる。
【0044】
本実施例に係る長尺体貫通部の防火措置装置では、耐火性ブロック2が、前記第1実施例と同様な構成なので、前記第1実施例と同様な作用を有する。さらに、本実施例では、耐火ユニット4に耐火性ブロックが予め保持してあるので、防火措置装置の施工性がさらに向上する。また、ケーブル等の長尺体の引替え工事や増設工事の際の解体もきわめて容易である。
【0045】
なお、本実施例において、耐火ユニット4は、耐火性ブロック2を硬質材製ブロック保持具3に2個取付け、しかもその硬質材製ブロック保持具3aを所望数連結したものである。しかしながら、本発明では、耐火ユニット4は、同質材製ブロック保持具3aに耐火性ブロック2を1個又は3個以上の任意数取り付けても良い。また、硬質材製ブロック保持具3aを所望数連結するのではなく、硬質材製ブロック保持具3aを一枚の長い板状にして連結せずに使用しても良い。
【0046】
第3実施例
次に、図10,11を参照して、本発明の第3実施例について説明する。
本実施例に係る長尺体貫通部の防火措置装置において、前記第1実施例及び第2実施例の装置と共通する部材には、共通する符号を付し、その説明は一部省略する。
【0047】
本実施例では、図10に示すように、開口部Bが形成された防火区画体Aの上には、脚部52を有する耐火性板1a,1aが設置される。しかも、図11に示すように、耐火性板1a,1aの上には、それらに形成されたラック嵌入溝12および収容凹所14の形状に合わせた形状の熱膨張材シート50a,50bが敷設される。熱膨張材シート50a,50bは、加熱により膨張するシートであり、たとえば前記実施例の熱膨張材44(図4参照)と同様な材質で構成される。
【0048】
熱膨張材シート50A,50Aの上には、前記第2実施例と同様にして、防火措置装置が組み立てられる。
本実施例では、耐火性ブロック2が、前記第1実施例と同様な構成なので、前記第1実施例と同様な作用を有する。さらに、本実施例では、耐火ユニット4に耐火性ブロックが予め保持してあるので、防火措置装置の施工性がさらに向上する。また、ケーブル等の長尺体の引替え工事や増設工事の際の解体もきわめて容易である。
【0049】
さらに本実施例では、火災などの加熱時に、図12に示すように、熱膨張材シート50a,50bも膨張し、煙、火炎の貫通防止効果がさらに向上する。
なお、本発明は、上述した実施例に限定されるものではなく、本発明の範囲内で種々に改変することができる。
【0050】
たとえば、耐火性ブロック2の構成は、図4に示す実施例に限定されず、柔軟性本体41として、難燃性発泡ニトリルゴムと、難燃性発泡ポリエチレンとの二種類の材質で構成の他に、難燃性発泡ニトリルゴム等発泡シリコン以外の難燃性プラスチック、難燃性エラストマ−、あるいはその他の柔軟性本体(不燃性あるいは難燃性を有する)を用いることができる。また、図4に示す実施例では、配置の容易性などの観点から、ブロック2の全体形状を直方体形状としているが、ブロック2の全体形状は、直方体以外でもよい。
【0051】
【発明の効果】
以上説明してきたように、本発明に係る長尺体貫通部の防火措置装置によれば、火災時などには、その熱により耐火性ブロックを構成する柔軟性本体が、目減りあるいは収縮するおそれがあるが、その熱により熱膨張材が膨張し、耐火性ブロックと長尺体との間に隙間が発生することはない。したがって、煙、火炎の貫通を抑えることができ、耐火性を向上させることができる。また、本発明では、発泡シリコン以外の、柔軟性のある材料を耐火性ブロックの柔軟性本体として使用可能にすることができる。
【0052】
防火区画体の上に配置された耐火性板の上に、加熱時に膨張する熱膨張材で構成された熱膨張材シートを配置し、その上に耐火性ブロックを配置した構成の本発明では、火災などの加熱時に、熱膨張材シートも膨張し、煙、火炎の貫通防止効果がさらに向上する。
【0053】
耐火性ブロックが保持手段の一部を構成する耐火ユニット内に予め取り付けられた本発明では、耐火ユニットを保持手段により組み合わせるのみで、短時間でしかも手軽に、高い防火性能を持った防火措置装置を施工することができる。また、ケーブル等の長尺体の引替え工事や増設工事の際の解体もきわめて容易である。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明の一実施例に係る長尺体貫通部の防火措置装置の概略斜視図である。
【図2】図2は図1の要部断面図である。
【図3】図3は図1,2に示す耐火性板の要部斜視図である。
【図4】図4は図1,2に示す耐火性ブロックの一部破断斜視図である。
【図5】図5は加熱による膨張時を示す耐火性ブロックの要部断面図である。
【図6】図6は本発明の他の実施例に係る長尺体貫通部の防火措置装置の概略斜視図である。
【図7】図7は図6の要部断面図である。
【図8】図8は図6,7で用いる耐火性ユニットの一部破断斜視図である。
【図9】図9は耐火性ユニットを構成するブロック保持具の斜視図である。
【図10】図10は本発明の他の実施例に係る長尺体貫通部の防火措置装置の概略断面図である。
【図11】図11は図10に示す実施例で用いる熱膨張材シートの斜視図である。
【図12】図12は図10に示す実施例における加熱状態を示す要部断面図である。
【図13】図13は従来例に係る防火措置装置の要部断面図である。
【図14】図14は図13に示す装置の問題点を示す要部断面図である。
【図15】図15は他の従来例に係る防火措置装置の要部断面図である。
【図16】図16はその他の従来例に係る防火措置装置の要部断面図である。
【符号の説明】
A… 防火区画体
B… 開口部
C… ケーブル(長尺体)
1… 耐火性板
2… 耐火性ブロック
3,3a… ブロック保持具(保持手段)
4… 耐火ユニット
5… 締付け具5(保持手段)
41… 柔軟性本体
44… 熱膨張材
46… 不燃性シート
50a,50b… 熱膨張材シート

Claims (4)

  1. 建築物の床や壁などの防火区画体に開けられた開口部内を貫通するケーブルなどの長尺体の周囲に配置される複数の耐火性ブロックと、これら耐火性ブロックを、前記長尺体方向に押圧させるように保持する保持手段とを有し、前記耐火性ブロックが、全体として弾性を確保しつつ変形可能な柔軟性本体と、加熱時に膨張する熱膨張材と、前記柔軟性本体および熱膨張材を包む不燃性シートとを有するものであることを特徴とする長尺体貫通部の防火措置装置。
  2. 前記耐火性ブロックが発泡シリコン以外の難燃性プラスチックや難燃性エラストマ−で構成されていることを特徴とする請求項1に記載の長尺体貫通部の防火措置装置。
  3. 前記耐火性ブロックが、前記保持手段の一部を構成する耐火ユニット内に予め取り付けてある請求項1または2に記載の長尺体貫通部の防火措置装置。
  4. 前記耐火性ブロックが、前記防火区画体の上に配置された耐火性板の上に、加熱時に膨張する熱膨張材で構成された熱膨張材シートを介して装着される請求項1〜3のいずれかに記載の長尺体貫通部の防火措置装置。
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