JPH0511423Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、壁又は床等の電線ケーブル又はプラ
スチツク管等の貫通部防火措置構造に関するもの
である。

すなわち、壁又は床等の貫通部から突出してい
る電線、ケーブル又はプラスチツク管を内挿させ
た金属管の端部に耐熱性シール材又は熱発泡性耐
熱シール材７と、その背部及び両隣りの耐炎性熱
発泡性組成物成形体８とを長手方向に直列に組合
せた複合防火層を持つた包囲部材を装着して防火
防煙効果を付与した電線ケーブル又はプラスチツ
ク管等の壁又は床等の貫通部の防火措置構造に関
するものである。

（従来の技術） 従来、この種の電線ケーブル等の貫通部の防火
措置構造は、電線、ケーブルの床等の貫通孔内の
空隙部内に耐熱性シール材を充填するだけで措置
したものであつたが、次のような欠点があつた。
すなわち、 (イ) 形状維持性に劣る。

すなわち、挿通された電線、ケーブルやプラ
スチツク管等が、パテなどで、貫通孔の壁部と
電線、ケーブル等の貫通部の外側との間に生じ
る開口において封止られて措置されていた。従
つて施工後、大きな振動や、機械的の大きな力
を受けたりすると、充填したパテが圧縮方向に
は変形するが、引張り方向には追従せず、よつ
て開口部の穴が開く。このため貫通部防火防煙
措置機能が不完全となる可能性がある。

(ロ) プラスチツク管の貫通部の防火防煙措置の場
合、火災時の昇温により、プラスチツク管は収
縮変形するから、貫通孔の壁部と、プラスチツ
ク管の外側に生じた開口部を封止するパテは、
プラスチツク管の収縮変形に追従できず、略々
プラスチツク管の口と同じ面積の空洞ができる
可能性があり、ここより煙や炎が貫通する可能
性がある。パテは貫通部材が溶融又は焼失した
空洞を満たす作用がない。又、熱発泡性耐熱シ
ール材を使用した場合には、加熱とともに発泡
し空洞を満たす作用はあるが、その形状維持性
に劣るため大きな変形をした場合には、加熱に
よる発泡充満は不十分となる。

（考案が解決しようとする課題） 本考案は、このような従来の欠点を解消し、封
口処理したケーブル等の壁等の貫通部に容易に穴
が開いたり、火災時に煙や炎が通過するような開
口部を作ることのない壁又は床等の電線ケーブル
又はプラスチツク管等の貫通部防火措置構造を提
供しようとするものである。

（課題を解決するための手段） 本考案は、その実施例が図面にもみられるよう
に、壁又は床２等の電線ケーブル又はプラスチツ
ク管１等の貫通部３の防火措置構造において、壁
又は床２等の貫通部３に壁厚又は床厚より長目の
金属管４を挿通して耐火材で固着し、貫通部３の
入口及び出口に各々突出する前記金属管４，４′
の端末部５，５′に、軸方向に沿つて２つ割りに
取外すことが可能な円筒状の包囲部材６，６′を
連結固定し、前記金属管４，４′の端末部５，
５′を行き過ぎて前記包囲部材６，６′の中心部を
通過して挿通される電線ケーブル又はプラスチツ
ク管１等の外周を、軸線方向に、中心部を耐熱性
シール材７，７′で、その前後部を耐炎性発熱発
泡性組成物成形体８，８′で、直列一体に充填包
囲せしめ、その外側から前記包囲部材６，６′に
よつて円筒状に締付けて構成したことを特徴とす
る。

なお、該耐炎性熱発泡性組成物は、該耐熱性シ
ール材も前後部および、背後から取り囲んだ構造
でもよい。

第２図、第４ａ図及び第４ｂ図に示す実施例で
は、前記包囲部材６は２つ割りの半円筒状を呈し
フランジ９のところでボルト１０とナツト１１と
によつて互いに締付けている。しかし締付け機構
はこの例に限定されるものではない。

第３図における包囲部材６にて、金属管の端部
と該金属管中を挿通した電線ケーブル又はプラス
チツク管１等の外側に、中央部の耐熱性シール材
又は熱発泡性耐熱シール材７を前後に挟むように
囲んで配置した耐炎性熱発泡性組成物成形体８
が、いつしよに、締付けられる。

第５図にみられるように、耐炎性熱発泡性組成
物成形体８等に、電線又はプラスチツク管１にな
じみよく、又安定化をはかるため溝を設けておく
こともできる。

なお、本考案おける耐熱性シール材７として、
例えば、古河電気工業(株)会社製 商品名「ダンシ
ールＰ熱発泡性耐熱シール材として、例えば、ケ
ミエリンツ社製 商品名「INTUMEX Ｍ」を用
いると好適であり、又、耐炎性熱発泡性組成物成
形体８としては耐炎性熱発泡性組成物として例え
ば、西独バイエル社製 商品名「FOMOX」等
を用いて成形したものを用いると好適である。

（考案の効果） 以上述べた如く、本考案の壁又は床等の電線ケ
ーブル又はプラスチツク管等の貫通部防火措置構
造は、壁又は床等に固着させた壁又は床の厚さよ
り長目の金属管の両端部に、該金属管内を挿通さ
せた電線又はプラスチツク管１の外周部にまたが
つて、長手方向に、耐炎性熱発泡性組成物成形体
８を両脇に、耐熱性シール材又は熱発泡性耐熱シ
ール材７をそれらの中央部に配置して、各層を直
列に、一体に設け、外側方から包囲部材６が締付
け装着されているので、平時において形状維持性
がよく、しつかりしていて、開口部に穴が開いた
りせず、一度火災等に遭遇すると、耐炎性熱発泡
性組成物成形体が発泡して膨脹して体積を増大す
ることにより貫通孔部をより一層気密化するので
煙や炎が通過するようなことがない。簡単にして
極めて有効である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を示す断面略図であ
り、第２図は本考案の一実施例における一端末部
を示す斜視図であり、第３図は本考案の一実施例
における包囲部材を示す裏面図であり、第４ａ図
は本考案の一実施例における一端末部を示す端面
図であり、第４ｂ図はその他の実施例図であり、
耐熱性シール材を前後部および、背後から耐炎性
熱発泡性組成物で取り囲むようにした断面図であ
る。第５図は本考案の一実施例における一端末部
の包囲部材の裏側を示す斜視図である。 １……電線又はプラスチツク管、２……壁又は
床、３……貫通部、４……金属管、５……金属管
４の端末部、６……包囲部材、７……耐熱性シー
ル材又は熱発泡性耐熱シール材、８……耐炎性熱
発泡性組成物、９……フランジ、１０……ボル
ト、１１……ナツト。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 壁又は床２等の電線ケーブル又はプラスチツク
   管１等の貫通部３の防火措置構造において、 壁又は床２等の貫通部３に壁厚又は床厚より長
   目の金属管４を挿通して耐火材で固着し、貫通部
   ３の入口及び出口に各々突出する前記金属管４，
   ４′の端末部５，５′に、軸方向に沿つて２つ割に
   取外すことが可能な円筒状の包囲部材６，６′を
   連結固定し、前記金属管４，４′の端末部５，
   ５′を行き過ぎて前記包囲部材６，６′の中心部を
   通過して挿通される電線ケーブル又はプラスチツ
   ク管１等の外周を、軸線方向に、中心部を耐熱性
   シール材又は熱発泡性耐熱シール材７，７′で、
   その両脇部を耐炎性熱発泡性組成物成形体８，
   ８′で、直列一体に充填包囲せしめ、その外側か
   ら前記包囲部材６，６′によつて円筒状に締付け
   て構成したことを特徴とする壁又は床等の電線ケ
   ーブル又はプラスチツク管等の貫通部の防火措置
   構造。