JP4043651B2 - アウトレットボックス用防火処理部材及び防火型アウトレットボックス - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、屋内配線に用いられるアウトレットボックスに防火機能をもたせるための防火処理部材と、それを用いた防火型アウトレットボックスに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
アウトレットボックスの一般的な使用状態を図6に示す。図において、10は建築物の間仕切り用の支柱(軽量鉄骨)、12、12は支柱10の両側に取り付けられた耐火ボード、14は支柱10に取り付けられたアウトレットボックス、16は耐火ボード12、12の間の空間に配管された電線管、18は電線管16に挿通された電線、20は耐火ボード12のアウトレットボックス14に相当する位置に形成された開口、22は図示しない手段によりアウトレットボックスに固定されたコンセント、24は耐火ボード12の表面に開口20を塞ぐように取り付けられたコンセントカバーである。
【0003】
室内の壁面に取り付けられるコンセントやスイッチは、プラスチック製の部品を多用している。このため万一、室内で火災が発生した場合、コンセントやスイッチが溶融、変形して、アウトレットボックス内に火が入ることがある。アウトレットボックス内に火が入ると、その中に引き込まれている電線(の被覆)が燃焼する可能性がある。電線は1箇所が燃焼すると、長手方向に延焼するので、隣室にも炎や煙を伝える危険性がある。またアウトレットボックス内に火が入った場合、アウトレットボックスの穴から間仕切り壁の内部空間に炎や煙が入り、熱の伝導が進んで延焼が拡大する危険性もある。
【0004】
この点を改良したものとして本発明者は先に、アウトレットボックスの内面に熱発泡性耐火材を取り付けた防火型アウトレットボックスを提案した(特開平7−298449号公報)。これは、火災時の熱でアウトレットボックスが加熱されると熱発泡性耐火材が発泡してアウトレットボックス内に充満し、炎や煙の侵入を防ぐようにしたものである。しかしアウトレットボックスは大きさが決まっているため、内面に熱発泡性耐火材を取り付けると内容積が小さくなり、配線作業が困難になるという問題のあることが分かった。
【0005】
またアウトレットボックスの外面に熱発泡性耐火材を取り付けることも提案したが(同公報)、この構造は、熱発泡性耐火材が発泡したときにアウトレットボックスの外部空間に膨張していくため、必ずしも期待どおりの防火性能が得られない場合のあることが分かった。
【0006】
本発明の目的は、以上のような問題点に鑑み、アウトレットボックスの内容積を小さくすることなく、確実に防火機能を発揮できるアウトレットボックス用防火処理部材と、それを用いた防火型アウトレットボックスを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明に係るアウトレットボックス用防火処理部材は、一端側にアウトレットボックスへの取付け部を有する筒体と、この筒体内に挿入された熱発泡性耐火材と、この熱発泡性耐火材と前記筒体の他端側のバネ止め部との間に軸線方向に縮められた状態で介挿された形状記憶合金バネとからなり、前記形状記憶合金バネは火災の熱で一定温度以上になると伸長して熱発泡性耐火材を筒体から押し出すようになっていることを特徴とするものである。
【0008】
また本発明に係る防火型アウトレットボックスは、上記のような防火処理部材をアウトレットボックスの外に位置させて、前記防火処理部材の筒体の一端側の取付け部を、アウトレットボックスの電線を挿通しない穴に取り付けたことを特徴とするものである。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下本発明の実施形態を図面を参照して詳細に説明する。
図1及び図2は本発明に係るアウトレットボックス用防火処理部材の一実施形態を示す。この防火処理部材30は、筒体32と、この筒体32内に挿入された熱発泡性耐火材34及び形状記憶合金バネ36とから構成される。
【0010】
筒体32は、一端側外周にアウトレットボックス14への取付け部38を有し、他端側にバネ止め部40を有する構造である。形状記憶合金バネ36は、このバネ止め部40と熱発泡性耐火材34との間に軸線方向に縮められた状態で配置されている。形状記憶合金バネ36と熱発泡性耐火材34の間には、形状記憶合金バネ36の反発力が熱発泡性耐火材34の端面に均一にかかるように金属等の耐熱材で出来た円板42を介在させてある。
【0011】
筒体32の取付け部38は雄ねじ部38aと鍔部38bで構成され、バネ止め部40は筒体32の端面壁で構成されている。ただし、これらは後述するように他の構造であってもよい。
【0012】
熱発泡性耐火材34は、火災時の熱で加熱されると発泡して3〜50倍に膨張し、かつ膨張した状態で耐火性を保持するもので、このようなものとしては、例えばブチルゴム等のベース樹脂と、熱膨張性黒鉛などの膨張剤と、ポリカーボネート等の加熱された後に炭化物等の残渣を残す樹脂とからなる組成物などが公知である。市販品では株式会社古河テクノマテリアル製のダンシールD(商品名)などがある。熱発泡性耐火材34の量は、発泡したときにアウトレットボックスの内部空間を埋め尽くすのに十分な量とする。
【0013】
形状記憶合金バネ36は、火災の熱で加熱され、一定温度(例えば70℃)以上になると記憶形状(バネが伸長した形)に復元しようとして大きな反発力を発揮するが、常温では復元力はないので、図2のように軸線方向に縮められた状態で筒体32内に収納されていても熱発泡性耐火材34を押し出す力はない。熱発泡性耐火材34は筒体32の内面との摩擦力により図示の位置に保たれている(接着その他の手段で筒体32に仮止めされていてもよい)。
【0014】
筒体32の形状記憶合金バネ36を収納する部分には複数の窓44が形成されている。これは火災の熱が形状記憶合金バネ36に伝わり易いようにするためである。また筒体32は火災の熱が形状記憶合金バネ36に伝わり易いように熱伝導性の良好な金属例えばアルミニウムで形成することが好ましい。
【0015】
図3は上記のように構成された防火処理部材30をアウトレットボックス14に取り付けた防火型アウトレットボックスを示している。アウトレットボックス14には、周方向の一部が不連続な円形の切り込み46が多数形成されており、切り込み46の中の円板部48をドライバー等で起こして取り除くことによって簡単に通線用の穴が形成できるようになっている。円形の切り込み46は、どの方向からでも電線を引き込めるようにアウトレットボックス14の各面に分散させて形成されているが、実際に通線穴として使用されるのは僅かであり、通線穴として使用しないものの方が多い。防火処理部材30は通線しない穴を選んで取り付けられる。アウトレットボックス14の穴への取付けは図1及び図2に示すように、雄ねじ部をアウトレットボックス14の穴に挿入し、内側からナット50を締め付けることにより行うことができる。
【0016】
アウトレットボックス14に図3のように防火処理部材30を取り付けておくと、火災が発生して、防火処理部材30の温度が上昇し、一定温度以上になった時に、形状記憶合金バネ36が記憶形状に復元しようとして(伸長しようとして)大きな反発力を発生する。このため熱発泡性耐火材34は図4のように筒体32からアウトレットボックス14内に押し出される。
【0017】
その後、さらに温度が上昇すると、熱発泡性耐火材34が発泡膨張してアウトレットボックス14内に充満し、アウトレットボックス14に炎や煙が入るのを防ぐことになる。したがってアウトレットボックス14からの火災の拡大を防止できる。また防火処理部材30はアウトレットボックス14の外側に取り付けられているので、アウトレットボックス14の内容積を縮小することはなく、配線作業は支障なく行うことができる。
【0018】
次に試作、試験結果を説明する。外径20mm、長さ100 mmのアルミ製筒体に、70℃で伸長する形状記憶合金バネと、厚さ0.5 mmの金属円板と、外径18mm、長さ75mmの熱発泡性耐火材(株式会社古河テクノマテリアル製のダンシールD)を挿入して、防火処理部材を作製した。この防火処理部材を図3のようにアウトレットボックスの上面に取り付けた。アウトレットボックスを軽量鉄骨支柱に取り付け、アウトレットボックス内にFケーブルを2本引き込み、 100V、2口コンセントを取り付けた。支柱の両側に厚さ12mmの石膏ボードを張り、アウトレットボックスに相当する位置に開口を形成し、そこにプラスチック製のコンセントカバーを取り付けた。この状態で耐火試験を行った。試験条件はJIS A1304で2時間である。試験終了後、アウトレットボックス内には熱発泡性耐火材が発泡して十分に充満し、防火、防煙性能が十分であることが確認された。
【0019】
なお上記実施形態では、筒体32の取付け部38が雄ねじ部38aと鍔部38bで構成され、バネ止め部40が筒体32の端面壁で構成されている場合を示したが、これらは他の形態であってもよい。例えば取付け部38は図5(a)〜(b)に示すように、アウトレットボックス14の穴52の縁の内側に引っ掛かる爪部54aを有する弾性係止片54と、前記穴52の縁の外側に突き当たる鍔状のストッパー56とで構成することもできる。またバネ止め部40は筒体32の端部の一部を内側に折り曲げた爪片等で構成することもできる。
【0020】
【発明の効果】
以上説明したように本発明の防火処理部材を使用すれば、平常時は熱発泡性耐火材がアウトレットボックスの外に位置しているため、アウトレットボックスの内容積を縮小することがなく、配線作業を容易に行うことができると共に、火災発生時には熱発泡性耐火材がアウトレットボックス内に押し出されて発泡膨張し、確実にアウトレットボックス内を防火構造することができる。したがってアウトレットボックスを通じての火災の拡大を防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係るアウトレットボックス用防火処理部材の一実施形態を示す側面図。
【図2】 図1の防火処理部材の断面図。
【図3】 本発明に係る防火型アウトレットボックスの一実施形態を示す斜視図。
【図4】 図1の防火処理部材が加熱されて熱発泡性耐火材が押し出された状態を示す断面図。
【図5】 本発明の防火処理部材における筒体のアウトレットボックスへの取付け部の構造の他の例を示す、(a)は平面図、(b)は正面図、(c)は底面図。
【図6】 アウトレットボックスの一般的な使用状態を示す断面図。
【符号の説明】
14:アウトレットボックス
18:電線
22:コンセント
30:アウトレットボックス用防火処理部材
32:筒体
34:熱発泡性耐火材
36:形状記憶合金バネ
38:取付け部
40:バネ止め部
42:円板
44:窓
46:切り込み
48:円板部
50:ナット
【発明の属する技術分野】
本発明は、屋内配線に用いられるアウトレットボックスに防火機能をもたせるための防火処理部材と、それを用いた防火型アウトレットボックスに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
アウトレットボックスの一般的な使用状態を図6に示す。図において、10は建築物の間仕切り用の支柱(軽量鉄骨)、12、12は支柱10の両側に取り付けられた耐火ボード、14は支柱10に取り付けられたアウトレットボックス、16は耐火ボード12、12の間の空間に配管された電線管、18は電線管16に挿通された電線、20は耐火ボード12のアウトレットボックス14に相当する位置に形成された開口、22は図示しない手段によりアウトレットボックスに固定されたコンセント、24は耐火ボード12の表面に開口20を塞ぐように取り付けられたコンセントカバーである。
【0003】
室内の壁面に取り付けられるコンセントやスイッチは、プラスチック製の部品を多用している。このため万一、室内で火災が発生した場合、コンセントやスイッチが溶融、変形して、アウトレットボックス内に火が入ることがある。アウトレットボックス内に火が入ると、その中に引き込まれている電線(の被覆)が燃焼する可能性がある。電線は1箇所が燃焼すると、長手方向に延焼するので、隣室にも炎や煙を伝える危険性がある。またアウトレットボックス内に火が入った場合、アウトレットボックスの穴から間仕切り壁の内部空間に炎や煙が入り、熱の伝導が進んで延焼が拡大する危険性もある。
【0004】
この点を改良したものとして本発明者は先に、アウトレットボックスの内面に熱発泡性耐火材を取り付けた防火型アウトレットボックスを提案した(特開平7−298449号公報)。これは、火災時の熱でアウトレットボックスが加熱されると熱発泡性耐火材が発泡してアウトレットボックス内に充満し、炎や煙の侵入を防ぐようにしたものである。しかしアウトレットボックスは大きさが決まっているため、内面に熱発泡性耐火材を取り付けると内容積が小さくなり、配線作業が困難になるという問題のあることが分かった。
【0005】
またアウトレットボックスの外面に熱発泡性耐火材を取り付けることも提案したが(同公報)、この構造は、熱発泡性耐火材が発泡したときにアウトレットボックスの外部空間に膨張していくため、必ずしも期待どおりの防火性能が得られない場合のあることが分かった。
【0006】
本発明の目的は、以上のような問題点に鑑み、アウトレットボックスの内容積を小さくすることなく、確実に防火機能を発揮できるアウトレットボックス用防火処理部材と、それを用いた防火型アウトレットボックスを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明に係るアウトレットボックス用防火処理部材は、一端側にアウトレットボックスへの取付け部を有する筒体と、この筒体内に挿入された熱発泡性耐火材と、この熱発泡性耐火材と前記筒体の他端側のバネ止め部との間に軸線方向に縮められた状態で介挿された形状記憶合金バネとからなり、前記形状記憶合金バネは火災の熱で一定温度以上になると伸長して熱発泡性耐火材を筒体から押し出すようになっていることを特徴とするものである。
【0008】
また本発明に係る防火型アウトレットボックスは、上記のような防火処理部材をアウトレットボックスの外に位置させて、前記防火処理部材の筒体の一端側の取付け部を、アウトレットボックスの電線を挿通しない穴に取り付けたことを特徴とするものである。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下本発明の実施形態を図面を参照して詳細に説明する。
図1及び図2は本発明に係るアウトレットボックス用防火処理部材の一実施形態を示す。この防火処理部材30は、筒体32と、この筒体32内に挿入された熱発泡性耐火材34及び形状記憶合金バネ36とから構成される。
【0010】
筒体32は、一端側外周にアウトレットボックス14への取付け部38を有し、他端側にバネ止め部40を有する構造である。形状記憶合金バネ36は、このバネ止め部40と熱発泡性耐火材34との間に軸線方向に縮められた状態で配置されている。形状記憶合金バネ36と熱発泡性耐火材34の間には、形状記憶合金バネ36の反発力が熱発泡性耐火材34の端面に均一にかかるように金属等の耐熱材で出来た円板42を介在させてある。
【0011】
筒体32の取付け部38は雄ねじ部38aと鍔部38bで構成され、バネ止め部40は筒体32の端面壁で構成されている。ただし、これらは後述するように他の構造であってもよい。
【0012】
熱発泡性耐火材34は、火災時の熱で加熱されると発泡して3〜50倍に膨張し、かつ膨張した状態で耐火性を保持するもので、このようなものとしては、例えばブチルゴム等のベース樹脂と、熱膨張性黒鉛などの膨張剤と、ポリカーボネート等の加熱された後に炭化物等の残渣を残す樹脂とからなる組成物などが公知である。市販品では株式会社古河テクノマテリアル製のダンシールD(商品名)などがある。熱発泡性耐火材34の量は、発泡したときにアウトレットボックスの内部空間を埋め尽くすのに十分な量とする。
【0013】
形状記憶合金バネ36は、火災の熱で加熱され、一定温度(例えば70℃)以上になると記憶形状(バネが伸長した形)に復元しようとして大きな反発力を発揮するが、常温では復元力はないので、図2のように軸線方向に縮められた状態で筒体32内に収納されていても熱発泡性耐火材34を押し出す力はない。熱発泡性耐火材34は筒体32の内面との摩擦力により図示の位置に保たれている(接着その他の手段で筒体32に仮止めされていてもよい)。
【0014】
筒体32の形状記憶合金バネ36を収納する部分には複数の窓44が形成されている。これは火災の熱が形状記憶合金バネ36に伝わり易いようにするためである。また筒体32は火災の熱が形状記憶合金バネ36に伝わり易いように熱伝導性の良好な金属例えばアルミニウムで形成することが好ましい。
【0015】
図3は上記のように構成された防火処理部材30をアウトレットボックス14に取り付けた防火型アウトレットボックスを示している。アウトレットボックス14には、周方向の一部が不連続な円形の切り込み46が多数形成されており、切り込み46の中の円板部48をドライバー等で起こして取り除くことによって簡単に通線用の穴が形成できるようになっている。円形の切り込み46は、どの方向からでも電線を引き込めるようにアウトレットボックス14の各面に分散させて形成されているが、実際に通線穴として使用されるのは僅かであり、通線穴として使用しないものの方が多い。防火処理部材30は通線しない穴を選んで取り付けられる。アウトレットボックス14の穴への取付けは図1及び図2に示すように、雄ねじ部をアウトレットボックス14の穴に挿入し、内側からナット50を締め付けることにより行うことができる。
【0016】
アウトレットボックス14に図3のように防火処理部材30を取り付けておくと、火災が発生して、防火処理部材30の温度が上昇し、一定温度以上になった時に、形状記憶合金バネ36が記憶形状に復元しようとして(伸長しようとして)大きな反発力を発生する。このため熱発泡性耐火材34は図4のように筒体32からアウトレットボックス14内に押し出される。
【0017】
その後、さらに温度が上昇すると、熱発泡性耐火材34が発泡膨張してアウトレットボックス14内に充満し、アウトレットボックス14に炎や煙が入るのを防ぐことになる。したがってアウトレットボックス14からの火災の拡大を防止できる。また防火処理部材30はアウトレットボックス14の外側に取り付けられているので、アウトレットボックス14の内容積を縮小することはなく、配線作業は支障なく行うことができる。
【0018】
次に試作、試験結果を説明する。外径20mm、長さ100 mmのアルミ製筒体に、70℃で伸長する形状記憶合金バネと、厚さ0.5 mmの金属円板と、外径18mm、長さ75mmの熱発泡性耐火材(株式会社古河テクノマテリアル製のダンシールD)を挿入して、防火処理部材を作製した。この防火処理部材を図3のようにアウトレットボックスの上面に取り付けた。アウトレットボックスを軽量鉄骨支柱に取り付け、アウトレットボックス内にFケーブルを2本引き込み、 100V、2口コンセントを取り付けた。支柱の両側に厚さ12mmの石膏ボードを張り、アウトレットボックスに相当する位置に開口を形成し、そこにプラスチック製のコンセントカバーを取り付けた。この状態で耐火試験を行った。試験条件はJIS A1304で2時間である。試験終了後、アウトレットボックス内には熱発泡性耐火材が発泡して十分に充満し、防火、防煙性能が十分であることが確認された。
【0019】
なお上記実施形態では、筒体32の取付け部38が雄ねじ部38aと鍔部38bで構成され、バネ止め部40が筒体32の端面壁で構成されている場合を示したが、これらは他の形態であってもよい。例えば取付け部38は図5(a)〜(b)に示すように、アウトレットボックス14の穴52の縁の内側に引っ掛かる爪部54aを有する弾性係止片54と、前記穴52の縁の外側に突き当たる鍔状のストッパー56とで構成することもできる。またバネ止め部40は筒体32の端部の一部を内側に折り曲げた爪片等で構成することもできる。
【0020】
【発明の効果】
以上説明したように本発明の防火処理部材を使用すれば、平常時は熱発泡性耐火材がアウトレットボックスの外に位置しているため、アウトレットボックスの内容積を縮小することがなく、配線作業を容易に行うことができると共に、火災発生時には熱発泡性耐火材がアウトレットボックス内に押し出されて発泡膨張し、確実にアウトレットボックス内を防火構造することができる。したがってアウトレットボックスを通じての火災の拡大を防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係るアウトレットボックス用防火処理部材の一実施形態を示す側面図。
【図2】 図1の防火処理部材の断面図。
【図3】 本発明に係る防火型アウトレットボックスの一実施形態を示す斜視図。
【図4】 図1の防火処理部材が加熱されて熱発泡性耐火材が押し出された状態を示す断面図。
【図5】 本発明の防火処理部材における筒体のアウトレットボックスへの取付け部の構造の他の例を示す、(a)は平面図、(b)は正面図、(c)は底面図。
【図6】 アウトレットボックスの一般的な使用状態を示す断面図。
【符号の説明】
14:アウトレットボックス
18:電線
22:コンセント
30:アウトレットボックス用防火処理部材
32:筒体
34:熱発泡性耐火材
36:形状記憶合金バネ
38:取付け部
40:バネ止め部
42:円板
44:窓
46:切り込み
48:円板部
50:ナット
Claims (2)
- 一端側にアウトレットボックス(14)への取付け部(38)を有する筒体(32)と、この筒体(32)内に挿入された熱発泡性耐火材(34)と、この熱発泡性耐火材(34)と前記筒体(32)の他端側のバネ止め部(40)との間に軸線方向に縮められた状態で介挿された形状記憶合金バネ(36)とからなり、前記形状記憶合金バネ(36)は火災の熱で一定温度以上になると伸長して熱発泡性耐火材(34)を筒体(32)から押し出すようになっていることを特徴とするアウトレットボックス用防火処理部材。
- 請求項1記載の防火処理部材(30)をアウトレットボックス(14)の外に位置させて、前記防火処理部材(30)の筒体(32)の一端側の取付け部(38)を、アウトレットボックス(14)の電線を挿通しない穴に取り付けたことを特徴とする防火型アウトレットボックス。
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---|---|---|---|
JP21170499A JP4043651B2 (ja) | 1999-07-27 | 1999-07-27 | アウトレットボックス用防火処理部材及び防火型アウトレットボックス |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP21170499A JP4043651B2 (ja) | 1999-07-27 | 1999-07-27 | アウトレットボックス用防火処理部材及び防火型アウトレットボックス |
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Publication Number | Publication Date |
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JP2001037045A JP2001037045A (ja) | 2001-02-09 |
JP4043651B2 true JP4043651B2 (ja) | 2008-02-06 |
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ID=16610218
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Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP21170499A Expired - Fee Related JP4043651B2 (ja) | 1999-07-27 | 1999-07-27 | アウトレットボックス用防火処理部材及び防火型アウトレットボックス |
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KR100908408B1 (ko) | 2009-03-12 | 2009-07-20 | (주)도원엔지니어링건축사사무소 | 공동주택내에 설치되는 케이블 지지 트레이의 화재확산 방지장치 |
JP5616816B2 (ja) * | 2010-02-17 | 2014-10-29 | 積水化学工業株式会社 | アウトレットボックスの防火措置構造およびその施工方法 |
CN112185053A (zh) * | 2020-10-27 | 2021-01-05 | 赖圣利 | 一种消防节能式报警器 |
-
1999
- 1999-07-27 JP JP21170499A patent/JP4043651B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
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