JP5209253B2 - 中空壁における延焼防止構造 - Google Patents

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Description

本発明は、ケーブル挿通孔から配線ボックスの内部に引き込まれたケーブルの延焼を防止するため中空壁に設けられる延焼防止構造に関する。
例えば、建築物の間仕切壁(中空壁)の内部において、コンセントやスイッチ等の配線端末となる部分には、一面に開口する有底箱状の配線ボックスが配設されている。また、配線ボックスは配管接続口を有し、その配管接続口にはコネクタが装着されている。さらに、配線ボックスは、間仕切壁に設けられる開口部に向けて開口するように該間仕切壁の内部に配設される。そして、間仕切壁の内部において、配線ボックスの外側に位置する前記コネクタの一端開口に、可撓電線管等の配管材の端部を接続するとともに、コネクタの他端開口から前記配管材への内部挿通部材であるケーブル等の端部を取出して露出し、該ケーブルを間仕切壁の開口部に取り付けられる配線端末に電気的に接続するようにしている。
このような間仕切壁において、コネクタは合成樹脂等の可燃性材料よりなり、ケーブルは、金属製の芯材を合成樹脂等の可燃性材料製の被覆膜で覆って形成されている。このため、万一、火災等が発生し、火炎が間仕切壁の開口部に取付けた配線端末を燃焼し、該開口部を経て配線ボックスの内部に進入した場合、ケーブルの被覆膜が延焼してしまう虞がある。
そこで、特許文献1には、火災時等に配線ボックスの内部に火炎が進入した場合に、ケーブルの延焼を防止することができる配線ボックスの配設構造が開示されている。特許文献1において、配線ボックスの側壁に形成された貫通孔には合成樹脂製のコネクタが取着され、該コネクタには合成樹脂製の電線管が接続される。ケーブルは電線管及びコネクタの内部を通って配線ボックスの内部に引き込まれている。そして、この特許文献1においては、配線ボックスの内部空間へのコネクタの突出部及び該突出部に螺着されたナットの外面全体を所定厚の耐火材によって覆っている。さらに、耐火材はコネクタの突出部及びナットの内側にまで埋め込まれている。このため、特許文献1の配線ボックスの配設構造によれば、火災等が発生し、火炎が配線ボックスの内部空間に進入した場合、火炎の熱を受けて耐火材が配線ボックスの内部空間に向けて発泡、膨張する。すると、発泡、膨張した耐火材によってコネクタの燃焼が防止されるとともに、ケーブルが押し潰され、ケーブルの延焼が防止される。
特開2007−14045号公報
ところで、耐火材は、熱を受けると全方位に向けて膨張する。このため、耐火材が規制なく全方位に向けて膨張すると、耐火材が膨張してもケーブルを押し潰しにくくなる虞がある。よって、特許文献1に開示の配線ボックスの配設構造においては、膨張した耐火材によってケーブルを押し潰し可能とするため、耐火材をコネクタの突出部の内側に埋め込み、該コネクタによって耐火材の外側へ向けた膨張を規制し、耐火材がケーブルに向けて膨張するようにしている。すなわち、特許文献1の配設構造を形成するには、耐火材の膨張を規制するコネクタを必要とし、コストが嵩むという問題があった。
本発明は、前記の問題に鑑みてなされたものであって、その目的は、ケーブルの延焼防止のための構造をコストを抑えて形成することができる中空壁における延焼防止構造を提供することにある。
上記問題点を解決するために、請求項1に記載の発明は、耐火性を有し、周壁にケーブル挿通孔が形成された配線ボックスを配設した中空壁に設けられ、前記ケーブル挿通孔から配線ボックスの内部に引き込まれたケーブルの延焼を防止する延焼防止構造であって、前記ケーブルには、耐熱材料に熱膨張する膨張材を含有させた耐熱膨張材よりなる延焼防止部がケーブルの周面に密着するとともにケーブルの軸方向に沿って延びるように設けられ、該延焼防止部は、前記配線ボックスの外側でケーブルの一部を軸方向に延びるように覆うとともに、前記ケーブル挿通孔から配線ボックスの内側に露出し、かつケーブルの周面とケーブル挿通孔の周面との隙間を閉鎖するためケーブル挿通孔の周面に密着するように前記ケーブル挿通孔に設けられて、前記ケーブルの径方向に沿った配線ボックスの外側に位置する前記延焼防止部の厚みは、ケーブルの周面側に位置する熱膨張部の厚みを確保するとともに該熱膨張部の外周側において延焼防止部の外形形状を維持する外形維持部の厚みを確保することで、火災等の発生時に、前記延焼防止部の熱膨張部がケーブル内方へ向けて膨張するとともに、外方へは前記延焼防止部の外形維持部が一定時間膨張せずに外形を維持することを要旨とする。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の中空壁における延焼防止構造において、前記延焼防止部は、シート状の耐熱膨張材をケーブルの周面に巻回して形成されることを要旨とする。
請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の中空壁における延焼防止構造において、前記延焼防止部は、粘着性を有し、かつ可塑性を有する耐火膨張材をケーブルの周面に付着させて形成されることを要旨とする。
請求項に記載の発明は、請求項1〜請求項のうちいずれか一項に記載の中空壁における延焼防止構造において、前記延焼防止部は、前記周壁の外面から配線ボックスの外側への突出長さが、前記周壁の内面から配線ボックスの内側への突出長さより長くなっていることを要旨とする。
請求項に記載の発明は、請求項1〜請求項のうちいずれか一項に記載の中空壁における延焼防止構造において、前記延焼防止部には、配線ボックスの外側に位置する該延焼防止部のケーブルの径方向に沿った外方への熱膨張を規制する規制部材が装着されていることを要旨とする。
本発明によれば、ケーブルの延焼防止のための構造をコストを抑えて形成することができる。
以下、本発明を中空壁としての軽量間仕切壁に設けられた延焼防止構造に具体化した一実施形態を図1〜図5にしたがって説明する。
図1に示すように、軽量間仕切壁Wにおける延焼防止構造Kは、耐火性を有する配線ボックス11と、該配線ボックス11の内部に引き込まれたケーブル40の周面に装着された延焼防止部20とから構成される。そして、延焼防止構造Kは、火災等の発生時に、配線ボックス11の内部に引き込まれたケーブル40の延焼を防止するために軽量間仕切壁Wに設けられるものである。なお、ケーブル40は、金属製の芯材40aを合成樹脂等の可燃性材料製の被覆膜40bで覆って形成されている。
まず、前記軽量間仕切壁Wについて説明する。図1及び図4に示すように、軽量間仕切壁Wは、複数の軽量形鋼材P(図1及び図4では一本の軽量形鋼材Pのみ図示)と、該軽量形鋼材Pを挟むように立設される壁材Waとから構築されている。前記壁材Waは石膏ボードが用いられる。前記軽量形鋼材Pは、薄鋼板からなり、軽量形鋼材Pの立設方向に対して直交する方向への平断面視が略C字状をなすC型鋼である。そして、軽量間仕切壁Wを構築するには、まず、複数の軽量形鋼材Pを立設する。次に、軽量形鋼材Pを挟むように壁材Waを立設し、壁材Waをビスによって軽量形鋼材Pに固定すると、軽量間仕切壁Wが構築される。この軽量間仕切壁Wにおいて、対となる壁材Waの間には中空部Tが形成され、軽量間仕切壁Wは中空部Tを有する中空壁となっている。
次に、軽量間仕切壁W内に配設される配線ボックス11の構成について説明する。図1に示すように、金属材料製の耐火性を有する配線ボックス11は、一面に開口する有底四角箱状に形成されている。詳細には、配線ボックス11は、長方形状をなす底壁12と、該底壁12の四側周縁から立設された四つの側壁13a〜13dとから形成されている。なお、四つの側壁13a〜13dは、図1の上下に対向する上側壁13a及び下側壁13bと、図1の右左に対向する右側壁13c及び左側壁13dである。そして、前記底壁12と、四つの側壁13a〜13dによって配線ボックス11の周壁が形成され、底壁12と四つの側壁13a〜13dによって配線ボックス11が開口を有する四角箱状に形成されている。
上側壁13a及び下側壁13bには、ケーブル40を挿通可能とするケーブル挿通孔15が二つずつ形成されている。各ケーブル挿通孔15はノック部14によって閉鎖され、ノック部14を上側壁13a及び下側壁13bから除去することによりケーブル挿通孔15が開放されるようになっている。また、上側壁13a及び下側壁13bの内面には、配線端末41(図4参照)を配線ボックス11に取り付けるために用いられるボス部19が形成されている。
次に、延焼防止部20について説明する。図3に示すように、延焼防止部20は、矩形状及びシート状をなす耐熱膨張材をケーブル40の周面に装着することにより形成されている。前記耐熱膨張材は、120℃以上の熱を受けると体積が加熱前の2倍以上に膨張する膨張材(膨張黒鉛や水ガラス)を含有する耐熱材料(ゴムや合成樹脂)よりなる。なお、本実施形態では、耐熱膨張材は、前記膨張材を混入し、所定形状に成形した(成形工程を経た)耐熱材料(熱膨張性ゴム)に加硫工程を経てなるものである。前記加硫工程とは、成形工程を経た耐熱材料に熱を加え、加硫(架橋)反応や接着反応を起こさせ、ゴム弾性を有する製品を得る工程である。よって、延焼防止部20は可撓性を有するとともにゴム弾性を有する。
延焼防止部20は、前記シート状の耐熱膨張材を、その一辺方向がケーブル40の軸方向に沿って延びるようにケーブル40の周面に巻き付けて装着されている。すなわち、延焼防止部20は、シート状の耐熱膨張材をケーブル40の軸方向に沿って延びる筒状に成形しながらケーブル40に巻き付けることでケーブル40に装着されている。そして、延焼防止部20がケーブル40に装着された状態では、延焼防止部20は、ケーブル挿通孔15内に挿入されるとともに上側壁13aを貫通している。
よって、図4に示すように、延焼防止部20は、上側壁13a(周壁)の外面より配線ボックス11の外側で、配線ボックス11の外側に位置するケーブル40の一部を全周に亘って覆い、延焼防止部20の内周面は該ケーブル40の周面に密着している。また、延焼防止部20は、上側壁13aの内面より配線ボックス11の内側でもケーブル40の一部を全周に亘って覆い、延焼防止部20の内周面はケーブル40の周面に密着しているとともにケーブル挿通孔15から配線ボックス11の内側に露出している。延焼防止部20における上側壁13aの外面からの突出長さは、延焼防止部20における上側壁13aの内面からの突出長さより長くなっている。
延焼防止部20において、ケーブル40の径方向に沿った延焼防止部20の厚みは、所要の厚みに設定されている。延焼防止部20は、その外周面側に延焼防止部20の円筒状(外形形状)を維持する外形維持部20aを備えるとともに、内周側(ケーブル40側)に熱膨張部20bを一体に備えている。すなわち、延焼防止部20の厚みには火災等で発生した熱により膨張する熱膨張部20bの厚みが確保されるとともに、該熱膨張部20bの外周側において火災等の発生時に延焼防止部20の外形形状を維持する外形維持部20aの厚みが確保されている。
このため、延焼防止部20の厚みは、外形維持部20aの厚みと熱膨張部20bの厚みの和となっている。なお、本実施形態では、外形維持部20aは延焼防止部20の厚みの1/2であり、熱膨張部20bの厚みも延焼防止部20の厚みの1/2となっている。そして、延焼防止部20において、熱膨張部20bは延焼防止部20の内周面から熱を受けたとき、膨張して延焼防止部20の内周面とケーブル40の周面との間を密封閉鎖し、延焼防止部20における熱膨張部20b以外の部位が外形維持部20aとなる。
延焼防止部20、すなわち、シート状の耐熱膨張材の厚みは、ケーブル40の周面と、該周面に対向するケーブル挿通孔15の周面との間隔より僅かに大きくなるように設定されている。このため、延焼防止部20がケーブル挿通孔15に挿入された状態では、延焼防止部20の内周面はケーブル40の周面の全周に亘って密着し、延焼防止部20の外周面はケーブル挿通孔15の周面の全周に亘って密着(圧接)している。このため、ケーブル40の周面と、該周面に対向するケーブル挿通孔15の周面との間の隙間は、延焼防止部20によって閉鎖されている。また、延焼防止部20がケーブル挿通孔15の周面に圧接することにより、延焼防止部20は上側壁13aに取着され、ケーブル挿通孔15から脱落しないようになっている。
図2〜図4に示すように、延焼防止部20において、上側壁13aの外面より突出した部位には金属板よりなる規制部材30が装着されている。この規制部材30は、火災等の発生時に、延焼防止部20のケーブル40の径方向に沿った外方への熱膨張を規制する。このため、規制部材30の厚み及び材質は、延焼防止部20の熱膨張に打ち勝つ強度を有するものが選択される。
次に、軽量間仕切壁Wにおける延焼防止構造Kの形成方法について説明する。
まず、図1に示すように、軽量間仕切壁Wの表側に向けて配線ボックス11が開口するように、配線ボックス11を配設し、左側壁13dを貫通させたビスBを軽量形鋼材Pに螺入して配線ボックス11を軽量形鋼材Pに直接固定する。なお、配線ボックス11は、軽量形鋼材Pに固定されたボックス固定具(図示せず)やその他の支持具等を介して軽量形鋼材Pに取り付けられていてもよい。
次に、配線ボックス11において、上側壁13aに開放されたケーブル挿通孔15に、ケーブル40を挿通し、配線ボックス11の内部にケーブル40を引き込む。次に、シート状の耐熱膨張材の一辺がケーブル40の軸方向に沿うようにし、ケーブル40の周面に巻き付ける。そして、耐熱膨張材の一辺側の端縁同士を突き合わせ、ケーブル40の一部周面を全周に亘って延焼防止部20で覆うようにしてケーブル40の周面に密着させて延焼防止部20をケーブル40に装着する。さらに、延焼防止部20をケーブル挿通孔15内に挿入し、延焼防止部20の外周面をケーブル挿通孔15の周面に密着(圧接)させる。すると、図4に示すように、延焼防止部20によって、ケーブル挿通孔15の周面と、ケーブル40の周面との間の隙間が閉鎖される。次に、配線ボックス11の外側に位置する延焼防止部20の外周面に規制部材30を装着する。
その後、軽量形鋼材Pを挟むように一対の壁材Waが立設され、軽量間仕切壁Wが構築される。すると、軽量間仕切壁Wの裏側(中空部T)に延焼防止構造Kが形成されるとともに、配線ボックス11及び延焼防止部20(規制部材30)が中空部Tに露出した状態に設置される。そして、軽量間仕切壁Wの表側に位置する壁材Waに配線孔Wbが穿設され、配線ボックス11が軽量間仕切壁Wの表側に向けて開口する。その後、配線ボックス11内のケーブル40に配線端末41が接続され、さらに、配線端末41を保持した保持枠42がボス部19を利用して壁材Waに取り付けられる。
次に、上記構成の延焼防止構造Kの作用を説明する。
さて、軽量間仕切壁Wの表側で火災等が発生し、配線端末41及び保持枠42が消失し、ケーブル40における被覆膜40bが燃えたとする。火災等により発生した熱は、配線ボックス11の内部やケーブル40から延焼防止部20に伝播する。このとき、延焼防止部20は、一部が配線ボックス11の内側に露出し、残り全部が配線ボックス11の外側に突出している。このため、延焼防止部20は、配線ボックス11の内側に露出した部位が直接加熱される一方で、中空部Tに突出した部位は配線ボックス11の内側より冷やされている。
そして、図5に示すように、加熱された延焼防止部20は、熱膨張部20bが配線ボックス11の内側、さらにケーブル40に向けて膨張し、ケーブル40を全周側から押し潰す。このとき、外形維持部20aにより延焼防止部20の外形形状が維持されるとともに規制部材30によって延焼防止部20が厚みを増す方向(外方)へ外形が膨張することが規制される。すると、熱膨張部20bのケーブル40に向けた膨張によってケーブル40(被覆膜40b)の延焼が防止されるとともに、ケーブル40の周面と延焼防止部20の内周面との間の隙間が熱、煙の経路となることが阻止される。
上記実施形態によれば、以下のような効果を得ることができる。
(1)配線ボックス11に引き込まれたケーブル40に延焼防止部20が装着された状態では、延焼防止部20は配線ボックス11の外側に位置するケーブル40の一部を覆うとともに、配線ボックス11の内側に位置するケーブル40の一部を覆い、ケーブル挿通孔15から配線ボックス11の内側に露出している。そして、配線ボックス11の外側に位置する延焼防止部20は中空部Tに突出して冷やされており、配線ボックス11の内側から火災等の熱を受けても延焼防止部20は外方へ向けて膨張しにくくなっている。よって、延焼防止部20は、配線ボックス11の内側に露出した部位の内周面側がケーブル40に向けて膨張することとなり、延焼防止部20によってケーブル40を押し潰してその延焼を防止することができる。したがって、背景技術のように、膨張した耐火材でケーブルを押し潰し可能とするために延焼防止部20の外方へ向けた膨張を規制するコネクタを必要とする場合に比して、ケーブル40の延焼防止構造Kのためのコストを抑えることができる。
(2)ケーブル40に延焼防止部20が装着された状態では、延焼防止部20の内周面がケーブル40の周面の全周に亘って密着している。よって、延焼防止構造Kが形成された状態で、ケーブル40の周面と延焼防止部20の内周面との間に隙間が形成されず、延焼防止構造Kが形成された状態において延焼防止部20を介して配線ボックス11の内部に埃等が侵入することを防止することができる。
(3)延焼防止部20がケーブル40に装着された状態では、延焼防止部20の内周面がケーブル40の周面に密着し、延焼防止部20の外周面がケーブル挿通孔15の周面の全周に亘って密着してケーブル挿通孔15を閉鎖している。このため、配線端末41、保持枠42、ケーブル40の被覆膜40b等が燃焼し、有毒ガスが発生したとき、ケーブル挿通孔15を介して有毒ガスが配線ボックス11外へ洩れることを防止することができる。
(4)延焼防止部20の厚みとして熱膨張部20bの厚みと外形維持部20aの厚みを確保した。このため、延焼防止部20が加熱されたとき、熱膨張部20bを膨張させつつも外形維持部20aによって延焼防止部20の外形形状が維持され、膨張した熱膨張部20bによってケーブル40を押し潰すことができる。
(5)配線ボックス11の外側に位置する延焼防止部20には、規制部材30が装着されている。このため、規制部材30によっても延焼防止部20が外方へ向けて膨張することが規制される。よって、延焼防止部20を中空部Tに突出させて外方への膨張を規制させる作用とともに延焼防止部20の外方への膨張を効果的に規制することができる。したがって、延焼防止部20をケーブル40に向けて確実に膨張させることができ、ケーブル40の延焼を確実に防止することができる。
(6)延焼防止部20は、シート状をなす耐熱膨張材をケーブル40に巻回するだけでケーブル40に装着され、延焼防止部20を容易に形成することができる。また、シート状の耐熱膨張材を延焼防止構造Kの施工現場に運搬する際、容易に運搬できるとともに、嵩張らない。
(7)延焼防止部20は、配線ボックス11の外側に位置する部位の上側壁13aからの突出長さが、配線ボックス11の内側に位置する部位の上側壁13aからの突出長さより長くなっている。このため、延焼防止部20の配線ボックス11外へ突出する部位を大きく確保することにより延焼防止部20を加熱されにくくし、延焼防止部20を外方へ膨張させにくくすることができる。
なお、上記実施形態は以下のように変更してもよい。
○ 図6に示すように、延焼防止部50は、粘着性を有し、かつ可塑性を有する耐火膨張材をケーブル40の周面に付着させて形成してもよい。このとき、延焼防止部50は、配線ボックス11の外側でケーブル40の一部を覆うとともに、ケーブル挿通孔15から配線ボックス11の内側に露出し、かつケーブル40の周面とケーブル挿通孔15の周面との隙間を閉鎖するようにケーブル40に付着される。また、延焼防止部50は、ケーブル40の周面側に位置する熱膨張部50bの厚みを確保するとともに該熱膨張部50bの外周側において延焼防止部50の外形形状を維持する外形維持部50aの厚みを確保して設けられる。すなわち、延焼防止部50は、火災等の発生時、熱膨張部50bがケーブル40(内方)に向けて膨張するとともに、外方へは一定時間膨張せず、外形を維持するようになっている。なお、延焼防止部50は、膨張によってケーブル40を押し潰してケーブル40の延焼を防止可能となれば(一定時間経過後)、外方へ向けて膨張してもよい。さらに、延焼防止部50は、上側壁13aの外面から配線ボックス11の外側への突出長さが、上側壁13aの内面から配線ボックス11の内側への突出長さより長くなっている。
このように構成しても、配線ボックス11の外側に位置する延焼防止部50は中空部Tに露出して冷やされており、延焼防止部50は外面側が外方へ向けて膨張しにくくなっている。よって、延焼防止部50は、配線ボックス11の内側に露出した部位がケーブル40に向けて膨張することとなり、ケーブル40を押し潰して延焼を防止することができる。したがって、背景技術のように、膨張した耐火材でケーブルを押し潰し可能とするために延焼防止部50の外方へ向けた膨張を規制するコネクタを必要とする場合に比して、ケーブル40の延焼防止構造Kのためのコストを抑えることができる。
○ 図7に示すように、延焼防止部20を形成するシート状の耐熱膨張材は実施形態に比して厚みが薄く形成されている。そして、延焼防止部20を、シート状の耐熱膨張材を複数層重ねて所要の厚みを有するようにして形成してもよい。このように構成すると、ケーブル40の直径やケーブル挿通孔15の直径に依存して、ケーブル40の周面とケーブル挿通孔15の周面との間の隙間の大きさが異なるが、耐熱膨張材の巻回数を調整することにより、前記隙間を延焼防止部20によって確実に塞ぐことができる。なお、図示しないが、規制部材30を延焼防止部20に装着してもよい。
○ 実施形態において、規制部材30は無くてもよい。
○ 延焼防止部20の上側壁13aの外面から配線ボックス11の外側への突出長さと、上側壁13aの内面から配線ボックス11の内側への突出長さを同じにしてもよい。但し、延焼防止部20を中空部Tに露出させ、該延焼防止部20の外形を維持できるように上側壁13aの外面からの突出長さは確保する必要がある。
○ 延焼防止部20は、配線ボックス11の外側でケーブル40の一部を覆うようにケーブル40に装着されるとともに、配線ボックス11の内側に突出せず、上側壁13aの内面と面一となるようにケーブル挿通孔15から配線ボックス11内に露出していてもよい。
○ 延焼防止部20は、該延焼防止部20とは別体の固定部材等を用いて上側壁13aに固定してもよい。
○ 建築物の壁として、中空部Tを有する中空壁に延焼防止構造を設置する際、本実施形態の延焼防止構造を用いてもよい。なお、中空壁は、軽量形鋼材P以外の造営材と、石膏ボード以外の壁材Waとからなるものであってもよい。
○ 耐火性を有する配線ボックスとして、合成樹脂材料よりなる配線ボックスの外面及び内面の少なくとも一方に耐火材が塗布されたものを使用してもよい。
○ 配線ボックス11において、周壁としての底壁12にケーブル挿通孔15が形成され、底壁12のケーブル挿通孔15に挿通されたケーブル40に延焼防止部20を装着して延焼防止構造Kを形成してもよい。
○ 壁材Waにボックスカバーを取り付け、該ボックスカバーによって配線端末41を壁表側に臨ませつつ配線孔Wbを覆ってもよい。
○ 延焼防止部20,50の厚みにおいて、外形維持部20a,50aの厚みと熱膨張部20b,50bの厚みは、火災等の発生時に、ケーブル40を押し潰すことができるとともに、外形維持部20a,50aが膨張せず、外形形状が維持されるのであれば、外形維持部20a,50a及び熱膨張部20b,50bの厚みは任意に変更してもよい。
実施形態の軽量間仕切壁における延焼防止構造を示す斜視図。 実施形態の軽量間仕切壁における延焼防止構造を示す正面図。 規制部材、耐熱膨張材、及びケーブルを示す分解斜視図。 延焼防止構造を示す断面図。 延焼防止部が膨張した状態を示す断面図。 別例の延焼防止部を示す断面図。 別例の延焼防止部を示す断面図。
符号の説明
K…延焼防止構造、W…中空壁としての軽量間仕切壁、11…配線ボックス、12…周壁を形成する底壁、13a〜13d…周壁を形成する側壁、15…ケーブル挿通孔、20,50…延焼防止部、21…本体、20a,50a…外形維持部、20b,50b…熱膨張部、30…規制部材、40…ケーブル。

Claims (5)

  1. 耐火性を有し、周壁にケーブル挿通孔が形成された配線ボックスを配設した中空壁に設けられ、前記ケーブル挿通孔から配線ボックスの内部に引き込まれたケーブルの延焼を防止する延焼防止構造であって、
    前記ケーブルには、耐熱材料に熱膨張する膨張材を含有させた耐熱膨張材よりなる延焼防止部がケーブルの周面に密着するとともにケーブルの軸方向に沿って延びるように設けられ、
    該延焼防止部は、前記配線ボックスの外側でケーブルの一部を軸方向に延びるように覆うとともに、前記ケーブル挿通孔から配線ボックスの内側に露出し、かつケーブルの周面とケーブル挿通孔の周面との隙間を閉鎖するためケーブル挿通孔の周面に密着するように前記ケーブル挿通孔に設けられて、前記ケーブルの径方向に沿った配線ボックスの外側に位置する前記延焼防止部の厚みは、ケーブルの周面側に位置する熱膨張部の厚みを確保するとともに該熱膨張部の外周側において延焼防止部の外形形状を維持する外形維持部の厚みを確保することで、火災等の発生時に、前記延焼防止部の熱膨張部がケーブル内方へ向けて膨張するとともに、外方へは前記延焼防止部の外形維持部が一定時間膨張せずに外形を維持することを特徴とする中空壁における延焼防止構造。
  2. 前記延焼防止部は、シート状の耐熱膨張材をケーブルの周面に巻回して形成される請求項1に記載の中空壁における延焼防止構造。
  3. 前記延焼防止部は、粘着性を有し、かつ可塑性を有する耐火膨張材をケーブルの周面に付着させて形成される請求項1に記載の中空壁における延焼防止構造。
  4. 前記延焼防止部は、前記周壁の外面から配線ボックスの外側への突出長さが、前記周壁の内面から配線ボックスの内側への突出長さより長くなっている請求項1〜請求項3のうちいずれか一項に記載の中空壁における延焼防止構造。
  5. 前記延焼防止部には、配線ボックスの外側に位置する該延焼防止部のケーブルの径方向に沿った外方への熱膨張を規制する規制部材が装着されている請求項1〜請求項4のうちいずれか一項に記載の中空壁における延焼防止構造。
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