JP5813497B2 - 配線ボックスにおけるケーブル引込口の遮音方法、遮音構造、及び遮音部材 - Google Patents
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Description
請求項7に記載の発明は、請求項4〜請求項6のうちいずれか一項に記載の遮音部材において、前記ケーブル引込口には、前記ケーブルが挿通される配管材を前記配線ボックスに接続させるためのコネクタが接続されており、前記コネクタの軸方向に沿った前記遮音部材の長さは、前記コネクタの軸方向全体にわたって前記遮音部材を収容可能な長さに形成されてなることを要旨とする。
以下、本発明を具体化した第1の実施形態を図1〜図12に従って説明する。
まず、遮音性配線ボックス1が設置される壁Wについて説明する。
遮音構造Kは、前面に開口11を有する配線ボックス10と、該配線ボックス10を覆う遮音カバー15と、ケーブルCが挿通される配管材としての電線管30と、該電線管30を配線ボックス10に接続させるためのコネクタ35と、コネクタ35の内部に挿入(圧入)されるとともに、ケーブルCを挟み込む遮音部材としての遮音材40と、によって構成されている。
図1及び図2(a)に示すように、配線ボックス10は、矩形板状の底壁12と、この底壁12の周縁から立設された四つの側壁12a〜12dとから前面(一面)に開口11を有する有底四角箱状に形成されている。そして、底壁12及び側壁12a〜12dにより配線ボックス10の周壁が形成されている。なお、以下の説明において、図1の上下に対向する側壁を上側壁12a及び下側壁12bとし、図1の左右に対向する側壁を右側壁12c及び左側壁12dとする。そして、側壁12a〜12dにおける開口11の端面は同一平面上に位置し、該端面が位置する平面によって配線ボックス10の開口面H1が形成されている(図2(a)の2点鎖線参照)。また、配線ボックス10は合成樹脂製である。
図1及び図2(b)に示すように、遮音カバー15は、一面に開口部15aを有する有底四角箱状に形成されている。遮音カバー15は、特殊オレフィン系発泡材のようにオレフィンに高比重材を充填し、かつ気泡を有する材料によって形成されている。すなわち、遮音カバー15は防火性能を有しない遮音性材料より形成され、前記気泡は遮音性材料の比重を低くすることがないように微細な気泡となっている。なお、遮音カバー15を形成する遮音性材料は防火性能を有しないことから、パテ状の耐熱シール材と異なり、配線ボックス10が壁Wに設置されても経時とともに硬化、劣化しない。
図1に示すように、電線管30は長筒状に形成されている。電線管30は、合成樹脂材料により形成された可撓管であり、その周方向に突出する同一径のリング状をなす凸条部30aと、同一径のリング状をなす凹条部30bとが繰り返し連続形成されて、電線管30の内側及び外側が凹凸状に形成されている。そして、電線管30内にはケーブルCが挿通される。
図12に示すように、コネクタ35は、一端側(図12では下端側)が先割れ状に形成されている一方で、他端(図12では上端側)が円形に開口して形成されている。コネクタ35は、合成樹脂材料により形成される。また、コネクタ35は、円形に開口して形成された側の端部に、合成樹脂製の電線管30を接続可能な接続部35aが形成されている。一方、コネクタ35において、先割れ状に形成された側の端部は、ケーブル挿通孔13に挿通される挿通部35bとなり、コネクタ35の先割れ状部分の端面には、上側壁12aの内側からケーブル挿通孔13周りに係止する係止片35cが突設されている。
図6(c)に示すように、遮音材40は、矩形シート状に形成されている。遮音材40は、発泡性材料からなる。該遮音材40の短辺方向に沿った長さは、長さN1に設定され、この長さN1は、図12に示すコネクタ35の軸方向に沿った長さN2と略同一に設定されている。これにより、遮音材40を、その短辺方向がコネクタ35の軸方向に沿うようにコネクタ35内に挿入した際には、コネクタ35の軸方向全体にわたって遮音材40が収容されることになる。
まず、図4に示すように、遮音カバー15におけるフランジ18を、基端を中心として底部16から離れる側に向けて傾倒させ、フランジ18の先端が底部16から離れる側へ延びるようにフランジ18を傾斜させる。次に、遮音性配線ボックス1を柱Hに固定する。すなわち、固定部20の両固定孔20aに固定ビス22を挿通し、該固定ビス22を柱Hに強制的に螺入する。すると、固定部20を介して遮音性配線ボックス1が柱Hに固定される。なお、固定部20を柱Hに固定するとき、固定部20は、壁表側となる壁材W1が設置される側に位置する柱Hの外面より若干後退した位置に固定される。これは、遮音カバー15の開口面H2を、柱Hにおいて壁材W1が立設される側の面とを同一平面上に位置させるためである。なお、遮音性配線ボックス1は、柱に固定されたボックス固定具(図示せず)やその他の支持具等を介して柱Hに取り付けられていても良い。
壁表で発生した音は、壁表に形成された貫通孔W2から配線ボックス10内に伝わる。そして、音は、配線ボックス10の周壁に伝播し、周壁を振動させようとする。さらに、周壁としての上側壁12aに接続されているコネクタ35及び電線管30を振動させようとする。このとき、コネクタ35の内部には、ケーブルCを遮音材40の凹部41に配置した状態で二つに折り畳み、さらに、折畳された状態でケーブルCの周面に巻き付けられた遮音材40が収容されている。この遮音材40の反発力によって、コネクタ35の内部と遮音材40が密着状態となるとともに、ケーブルCの周面と遮音材40が密着状態となる。このような密着状態を生じさせることで、コネクタ35の内部とケーブルCの周面との隙間が遮音材40によって密閉される。そして、遮音材40によって、コネクタ35の振動が抑制され、振動に伴うコネクタ35を介した配線ボックス10外への音漏れが遮られる。
(1)発泡性材料からなるシート状の遮音材40を折畳した状態で、ケーブル挿通孔13に挿通されたケーブルCを挟む。そして、ケーブルCを挟んだ状態で遮音材40をケーブルCに巻回し、遮音材40をケーブルCに沿わせて移動させてコネクタ35に挿入した。このように、シート状の遮音材40を折り畳んだ状態でケーブルCに巻回することで、ケーブルCの周面、及びコネクタ35内部への密着性が増し、遮音性を向上させることができる。そして、遮音材40を折り畳んだ状態でケーブルCに巻回する方法であれば、製造工程で遮音材40の一部に破れや欠損などが生じたとしても、折り畳んでかつ巻回すれば、問題なくケーブルCの周面、及びコネクタ35内部を遮音材40で密閉することができる。
(5)通線部40aを凹設することで、遮音材40とケーブルCとの密着性がより向上する。また、通線部40aの直径は、ケーブルCの長径よりも短いので、通線部40aが余ることなくケーブルCに密着する。
(10)遮音材40は、発泡性材料からなるシート状とした。これによれば、遮音材40を高比重エラストマー等で形成する場合と比べると、遮音材40を軽量にすることができる。また、シート状かつ軽量であるため、遮音材40をケーブルCに装着するまでの持ち運びの邪魔となり難い。
次に、本発明を具体化した第2の実施形態を図13及び図14に従って説明する。なお、以下に説明する実施形態では、既に説明した第1の実施形態と同一構成については、同一符号を付すなどして、その重複する説明を省略又は簡略する。
(11)複数本のケーブルC1,C2を、間隔を空けて遮音材40で挟み、ケーブルC1,C2を挟んだ状態で各ケーブルC1,C2の周面に遮音材40を巻き付けた。これによれば、遮音材40を巻き付けるだけで各ケーブルC1,C2に密着させることができるので、ケーブルC1,C2の本数を問わず、コネクタ35を介した配線ボックス10外への音漏れを遮ることができる。また、ケーブルC1,C2の本数に関わらず、同一の遮音材40を用いることができるため、遮音材40の汎用性を高めることができる。
次に、本発明を具体化した第3の実施形態を図15(a),(b)に従って説明する。
図15(a),(b)に示すように、本実施形態の遮音材50では、通線部40aが複数(この例では2個)形成されている。具体的に説明すると、図15(b)に示すように、遮音材50内面において、凹部41を中心とした長辺方向における対称位置には、遮音材40の一対の長辺同士の間を短辺方向に沿って延びるように形成された1対の凹部42が離間形成されている。この一対の凹部42は、図15(a)に示すように凹部41を中心に二つに折り畳まれた状態で、通線部40aと同一径の通線部40bを形成し得るように、その凹幅が設定されている。
したがって、上記第3の実施形態によれば、第1の実施形態の(1)〜(10)と同様の効果に加え、以下のような効果を得ることができる。
○ 各実施形態において、コネクタ35の内部に遮音材40,50を収容した後に、壁材W1を立設しても良い。
○ 各実施形態において、通線部40a,40bを削除しても良い。つまり、凹部が形成されていない面一のシートであっても良い。また、ガイド部は、凹設されていなくても良く、単なる切込みであっても良い。
○ 各実施形態において、コネクタ35の内部に遮音材40,50を収容することができるのであれば、ケーブルCの周面に遮音材40,50を巻回する必要はなく、無理矢理コネクタ35の内部に遮音材40,50を押し込むことで収容させても良い。
Claims (7)
- 周壁にケーブル引込口が形成された配線ボックスにおける前記ケーブル引込口の遮音方法であって、
発泡性材料からなるシート状の遮音部材を二つに折畳した状態で前記ケーブル引込口に挿通されたケーブルを前記遮音部材で挟み、前記ケーブルを挟んだ状態で前記二つに折畳した遮音部材を前記ケーブルに巻回し、前記遮音部材を前記ケーブルに沿わせて移動させて前記ケーブル引込口に挿入する遮音方法。 - 複数本のケーブルを間隔を空けて前記遮音部材で挟み、
複数本のケーブルを挟んだ状態で前記遮音部材を各ケーブルに巻回する請求項1に記載の遮音方法。 - 周壁にケーブル引込口が形成された配線ボックスにおける前記ケーブル引込口の遮音構造であって、
前記ケーブルには、発泡性材料からなるシート状の遮音部材が二つに折畳された状態で取り付けられるとともに、前記ケーブルを挟んだ状態で該ケーブルの周面に密着するように、前記二つに折畳した遮音部材が巻回され、前記巻回された遮音部材が前記ケーブル引込口に挿入されている遮音構造。 - 配線ボックスの周壁に形成されたケーブル引込口に挿入される遮音部材であって、
発泡性材料からなるシート状に形成されているとともに、二つに折り畳まれて成形され、前記配線ボックス内に引き込まれたケーブルを二つに折畳して挟むことができるとともに二つに折畳した状態で前記ケーブルの周面に巻回可能に形成されてなる遮音部材。 - 前記ケーブルを挟む位置を案内するガイド部を備えた請求項4に記載の遮音部材。
- 前記ガイド部は、凹設されてなる請求項5に記載の遮音部材。
- 前記ケーブル引込口には、前記ケーブルが挿通される配管材を前記配線ボックスに接続させるためのコネクタが接続されており、
前記コネクタの軸方向に沿った前記遮音部材の長さは、前記コネクタの軸方向全体にわたって前記遮音部材を収容可能な長さに形成されてなる請求項4〜請求項6のうちいずれか一項に記載の遮音部材。
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