JPS627764Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は耐火断熱性パネルを構造体に取付ける
ための固定具に関する。

耐火断熱性パネルで壁体を構成する建屋等にお
いて、パネルの取付けで断熱性および耐火性を損
わず且つ取付け作業の容易なことが望まれる。例
えば通しボルトで表面板を挾むようにして胴縁等
の構造体に固定すると、表面板間にヒートブリツ
ジを形成して断熱性を損うことになる。またこれ
を防ぐために断熱性の樹脂等のボルト座を表面板
に取付け、ボルト座間にてボルトを締め付けて構
造体に固定すると、火災等の熱でボルト座が焼損
したりパネル心材の炭化・焼損によつて表面板の
係止が外れ、パネルが脱落する等の危険がある。

本考案の目的はこのように断熱性および耐火性
を損うことなくパネルを確実に固定できる固定具
を提供することである。

このために本考案の固定具は一方の表面板側に
配置される金属製のボルト頭抱持部と、他方の表
面板側に配置される金属性の補強座と、両者間に
配置される硬質合成樹脂製の筒状の断熱部材と、
前記ボルト頭抱持部内に断熱座を介してボルト頭
を嵌装され、断熱棒を通して配置される第１のボ
ルトと、前記補強座側から固定部分を通して挿入
される第２のボルトとを有してなり、第１および
第２のボルト同志の螺合あるいは第１および第２
のボルトをそれぞれ補強座に螺合させることでパ
ネルを締め付ける如く構成し、これにより固定部
分に対するパネルの固定を行うようにしたことを
特徴とする。

以下に本考案の実施例につき図面を参照して説
明する。

第１図〜第３図に示す実施例の固定具は、ボル
ト頭を収容する内部空間を有するボルト頭抱持部
１と、補強座２と、これら両者間に配置されるス
ペーサとせる断熱部材３と、ボルト頭抱持部１内
にボルト頭用断熱キヤツプ４が取付けられたボル
ト頭を嵌装される第１のボルト５と、補強座２側
から挿入される第２のボルト６とを含む。さらに
ボルト頭抱持部１はキヤツプ４および第１のボル
ト５を抱持した状態にて取付板７に溶接等で固定
されている。この固定に際し、ボルト頭抱持部１
内の空間に断熱材を充填しておくことも好まし
い。ボルト頭抱持部１は第１のボルト５と回転止
め係合される必要があり、このために例えば第１
Ａ図に示す如く六角形状等のボルト頭抱持部１Ａ
およびこれに嵌装する六角形状等のボルト頭用断
熱キヤツプ４Ａとなすことが好ましい。補強座２
はパネルの表面板に当接するフランジ２Ｂを有す
る。ボルト頭抱持部１、補強座２、ボルト５およ
び６、および取付板７は何れも金属性とされ、こ
れに対し断熱部材３および断熱キヤツプ４は断熱
性の合成樹脂で作られている。ここでボルト５に
は先端に軸線方向のねじ孔５Ａが形成されてお
り、このねじ孔５Ａにボルト６が螺合するように
なつている。また、第２図および第３図に示すよ
うに、ボルト頭抱持部１のボルト挿通孔１Ａをば
か穴とし、このばか穴１Ａ内に断熱部材３の突出
部３Ａを嵌め込む構成とすることがボルト頭抱持
部１と第１のボルト５との接触を完全に防止する
ために必要である。

このような固定具は第２図および第３図に示す
如くパネルに組付けられてそれを胴縁８に固定せ
る適当な固定部分ここではブラケツト９に対し固
定する。すなわち、取付板７を表面板１０の内面
に溶接等で固定し、断熱部材３をパネルの耐火層
１１Ａ、断熱層１２、耐火層１１Ｂを貫通せる取
付穴１３内に挿入する。他側の表面板１０には外
面から補強座２を配置し、ブラケツト９を通して
外方から第２のボルト６を挿入して第１のボルト
５のねじ孔５Ａに螺合させ、この締め付けによつ
てパネルをブラケツト９に固定する。

以上の如き固定具によるパネルの固定によれ
ば、両側の表面板の間のヒートブリツジを形成し
ないので断熱性を損うことがない。また火災時に
高熱を受けても、第１および第２のボルトにより
パネル表面板１０が確実に保持されるので脱落せ
ず、類・延焼を防止できて安全である。また固定
具の構造が簡単であり、組立て作業も容易である
ので、製造コストおよびパネル組立て工数の低減
を達成できて経済的である。

第４図は他の実施例を示し、これにおいてはボ
ルト頭抱持部１′がフランジ１′Ａを有し、このフ
ランジ１′Ａを表面板１０の外面に密着支持させ
たこと、第１のボルト５の挿入後にキヤツプ１４
を取り付けるようにし、これにより前述の如き組
立体とするための溶接工程等を削除したこと、第
１および第２のボルト５，６を互いに螺合させる
代わりに、両者を補強座２′に対してそれぞれ螺
合させるように補強座２′にねじ孔２′Ａを形成し
たこと、が相違する。

この構成によれば、固定具をなす各部材を事前
組立てする必要がなく、また表面板に対する溶接
固定も不要となることから、作業性はより向上す
る。

第５図はさらに他の実施例を示し、表面板１０
にボルト頭抱持部２０の取付け溝を有する取付け
部材２１を予め溶接しておき、この取付け部材２
１にボルト頭抱持部２０を嵌め込んだ後かしめて
固定する例を示す。

以上述べたように本考案によれば耐火断熱性パ
ネルの両表面板を第１および第２のボルトによつ
て少ない部材で容易で確実に保持できるので耐火
性が向上でき、且つ断熱性を損わず、しかも火災
時に熱を受けてもパネルの脱落がなく、延焼を防
げるので一般の建物の他に冷蔵庫や冷凍倉庫等に
簡単で安価に利用できる等の効果を得られる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の固定具の一実施例とせる分解
斜視図、第１Ａ図はボルト頭抱持部およびボルト
頭用断熱キヤツプの変形例を示す斜視図、第２図
は固定状態を示す部分的正面断面図、第３図は第
２図の側面断面図、第４図は他の実施例の固定具
の固定状態を示す断面図、第５図はさらに他の実
施例におけるボルト抱持部の拡大断面図。 １，１′，１Ａ……ボルト頭抱持部、２……補
強座、３……断熱部材、４，４Ａ……ボルト頭用
断熱キヤツプ、５……第１のボルト、６……第２
のボルト、７……取付板、８……胴縁、９……ブ
ラケツト、１０……表面板、１１Ａ，１１Ｂ……
耐火層、１２……断熱層、２０……ボルト頭抱持
部、２１……取付け部材。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 耐火断熱性パネルを構造体に取付けるための固
   定具であつて、 上記パネルの一方の表面板に直接または関節的
   に固定される金属性のボルト頭抱持部と、該ボル
   ト頭抱持部に連結する合成樹脂の筒状で内部に通
   し孔を有する断熱部材と、前記ボルト頭抱持部内
   に断熱キヤツプを介してボルト頭が嵌装され、ね
   じ部またはねじ孔を先端に有し前記断熱部材の通
   し孔に貫通する第１のボルトと、パネルの他方の
   表面板側に配設され前記パネルの他方の表面板に
   当接するフランジを有する金属製の補強座と、該
   補強座を通して挿入され前記第１のボルトと螺合
   してパネルを締め付ける第２のボルトからなる耐
   火断熱性パネルの固定具。