JP2014129701A - 防火区画貫通部構造の施工方法 - Google Patents

防火区画貫通部構造の施工方法 Download PDF

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Abstract

【課題】施工が簡単で、熱膨張性耐火ブロックを均等に設置することができる防火区画貫通部構造の施工方法を提供すること。
【解決手段】区画に設けられた貫通孔を長尺体が挿通している構造に対し、前記貫通孔の内部と前記長尺体との間に複数の熱膨張性耐火ブロックを設置する際に、熱膨張性耐火ブロック支持体を使用する施工方法であって、
前記熱膨張性耐火ブロック支持体が、本体部と、本体部から一方向に突き出た第一の支持部と、本体部から前記第一の支持部とは反対側に突き出た第二の支持部と、を有し、
(1)前記熱膨張性耐火ブロック支持体の第一の支持部を、前記貫通孔外部の区画に掛ける工程と、
(2)前記熱膨張性耐火ブロック支持体の第二の支持部に支持棒材を設置する工程と、
を少なくとも有する、防火区画貫通部構造の施工方法。
【選択図】図6

Description

本発明は、防火区画貫通部構造の施工方法に関する。
従来、建築物等において、建築物の壁、間仕切り壁、床、天井等の防火区画を画成する仕切部にケーブルや配管等の長尺体を配設する場合、前記仕切部に貫通孔を設ける必要がある。前記貫通孔に前記長尺体を挿通させると、前記長尺体と前記貫通孔との間に隙間が生じる。このため前記仕切部により画成された一方の防火区画で火災が発生した場合、前記長尺体と前記貫通孔との隙間を伝わって、前記仕切部の他方の防火区画に煙が拡散したり、延焼が生じたりする問題がある。
この問題に対応するために耐火ブロックを袋体に詰めた袋入耐火ブロックを使用して、前記長尺体と前記貫通孔との隙間を塞ぐ防火区画貫通部構造が提案されている(特許文献1)。
この防火区画貫通部構造は、前記長尺体と前記貫通孔との隙間に対して前記袋入耐火ブロックを詰めることにより得られるから施工が簡単であるとの特徴がある。
しかし前記袋入耐火ブロックの場合は、使用する袋の内部に空気が入ったり、耐火材の破片が入ったりした場合には前記袋入耐火ブロックの表面が平面ではなくなるため、前記袋入耐火ブロックの上に前記袋入耐火ブロックを多段に安定して積み上げることが容易ではない問題があった。
また耐火性ブロック等を使用する防火区画貫通部構造も提案されている。具体的には、柔軟性のある耐火性ブロックを使用する防火区画貫通部構造(特許文献2)、柔軟性のあるセラミックファイバブランケットに軟質熱膨張性耐火シートを積層し、この積層体を合成樹脂フィルムにより包んでなる防火処理用充填材を使用する防火区画貫通部構造(特許文献3)、前記積層体を可燃性の合成樹脂不織布により包んでなる防火処理用充填材を使用する防火区画貫通部構造(特許文献4)が提案されている。
通常、複数の長尺体の長手方向に対する垂直方向の断面形状は複雑である。このため前記複数の長尺体と前記耐火性ブロック等との間に隙間が生じやすい。
前記柔軟性のある耐火性ブロック等を使用する防火区画貫通部構造の場合、前記耐火性ブロック等が柔軟であることから、例えば前記仕切部に設けられた貫通孔を挿通する長尺体に密着させて前記耐火性ブロック等を設置することができるとされる。
この一方、前記貫通孔内部に充填される耐火充填材を受け止めるための充填支持具と、貫通孔内に設置される充填材受け止め用ネットを備えた防火区画貫通部構造も提案されている(特許文献5)。
この先行技術によれば、貫通孔内に充填材受け止め用ネットが設置されていることから、前記貫通孔内部に充填される耐火充填材が、貫通孔内から脱落、落下することを防止できるとされる。
特開2008−57647号公報 特開平8−299487号公報 特開2008−215625号公報 特開2002−247735号公報 特開2008−99428号公報
ところが本発明者が検討したところ、従来の防火区画貫通部構造は以下の問題点があることが分かった。
図42および図43は、本発明者が検討した防火区画貫通部構造の問題点を説明するための模式断面図である。
図42に示されるように、建築物の床、天井等の防火区画を画成する仕切部が水平区画である床30の場合は、前記床30に設けられた貫通孔10の内部に前記柔軟性のある耐火性ブロック50を設置することが簡単ではない。貫通孔の内部に前記柔軟性のある耐火性ブロック50を設置する際に、下階へ前記柔軟性のある耐火性ブロック50を落下させてしまう可能性があるためである。
下階へ前記柔軟性のある耐火性ブロック50を落下させる事故を防止するために、通常は図43に示されるように、従来の防火区画貫通部構造501では前記貫通孔10の内部に貫通孔の外径に合致する筒状の支持枠体60を設置し、この筒状の支持枠体60の底部に網状支持体61を設置する。
前記網状支持体61が前記貫通孔10の内部に設置される柔軟性のある耐火性ブロック50を支持するため、下階へ前記柔軟性のある耐火性ブロック50を落下させる事故を防止することができる。
しかし実際の施工現場では床30に設けられた貫通孔10は多数あり、しかも前記貫通孔10の形状、大きさは一定ではない場合がある。この場合には、それぞれの施工現場毎に、形状、大きさの異なる筒状の支持枠体60、網状支持体61等を設置する必要があり、施工に手間が掛かる問題があった。
また形状、大きさの異なる筒状の支持枠体60、網状支持体61等を準備すると防火区画貫通部構造501の施工に要する費用を押し上げる結果になることから、施工現場ではより簡単かつ安価に施工することのできる防火区画貫通部構造の登場が期待されている。
図44は、本発明者が検討した防火区画貫通部構造の問題点を説明するための模式断面図である。
図44に示されるように、建築物の壁等の防火区画を画成する仕切部が垂直区画である壁40の場合は、前記壁40に設けられた貫通孔10の内部に柔軟性のある耐火性ブロック50を設置した際に、それぞれの柔軟性のある耐火性ブロック50が突き出たり、窪んだりする場合がある。
前記壁40の一方の側に前記柔軟性のある耐火性ブロック50が突き出ている場合には、その突き出ている前記柔軟性のある耐火性ブロック50を反対側へ押し込むことは、耐火性ブロック50が柔軟であるために難しい。
また仮に突き出ている前記柔軟性のある耐火性ブロック50を反対側へ押し込むことができたとしても、突き出ている前記柔軟性のある耐火性ブロック50の上下の前記柔軟性のある耐火性ブロック50が、突き出ている前記柔軟性のある耐火性ブロック50の動きに合わせて移動する。このため前記柔軟性のある耐火性ブロック50の全ての端面を前記貫通孔10の内部で揃えることは難しい。
この様に、それぞれの柔軟性のある耐火性ブロック50が突き出たり、窪んだりしている状態を解消することは簡単ではない問題がある。
また先に説明した貫通孔内に充填材受け止め用ネットが設置された防火区画貫通部構造の場合は、貫通孔内の充填材を強く押すと、前記充填材受け止め用ネットが外れたり切れたりする問題があった。
本発明の目的は、施工が簡単で、熱膨張性耐火ブロックを均等に設置することができる防火区画貫通部構造の施工方法を提供することにある。
上記課題を解決すべく本発明者が鋭意検討した結果、区画に設けられた貫通孔を長尺体が挿通している構造に対し、前記貫通孔の内部と前記長尺体との間に複数の熱膨張性耐火ブロックを設置する際に、熱膨張性耐火ブロック支持体を前記貫通孔内部に設置する工程と、前記熱膨張性耐火ブロック支持体に支持棒材を設置する工程と、を少なくとも含む施工方法が、本発明の目的に適うことを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は、
[1]区画に設けられた貫通孔を長尺体が挿通している構造に対し、前記貫通孔の内部と前記長尺体との間に複数の熱膨張性耐火ブロックを設置する際に、熱膨張性耐火ブロック支持体を使用する施工方法であって、
前記熱膨張性耐火ブロック支持体が、本体部と、本体部から一方向に突き出た第一の支持部と、本体部から前記第一の支持部とは反対側に突き出た第二の支持部と、を有し、
(1)前記熱膨張性耐火ブロック支持体の第一の支持部を、前記貫通孔外部の区画に掛ける工程と、
(2)前記熱膨張性耐火ブロック支持体の第二の支持部に支持棒材を設置する工程と、
を少なくとも有する、防火区画貫通部構造の施工方法を提供するものである。
また本発明の一つは、
[2](2)前記熱膨張性耐火ブロック支持体の第二の支持部に支持棒材を設置する工程が、
(3)前記熱膨張性耐火ブロック支持体の第二の支持部に架橋板を設置してから、前記架橋板の上に、支持棒材を設置する工程である、上記[1]に記載の防火区画貫通部構造の施工方法を提供するものである。
また本発明の一つは、
[3]前記熱膨張性耐火ブロック支持体が、前記本体部の一端に第一の支持部を備え、前記本体部の他端に第二の支持部を備え、前記第一の支持部と第二の支持部が平行であり、
前記複数の熱膨張性耐火ブロックの全てが、前記区画の水平方向を基準として、前記区画と水平の両端面を有し、
前記複数の熱膨張性耐火ブロックの全てのそれぞれの端面を、前記区画のそれぞれの表面と平行に設置する工程を含む、上記[1]または[2]に記載の防火区画貫通部構造の施工方法を提供するものである。
また本発明の一つは、
[4]前記長尺体と前記熱膨張性耐火ブロックとの隙間に、充填補助材を挿入する工程を含む、上記[1]〜[3]に記載の、防火区画貫通部構造の施工方法を提供するものである。
また本発明の一つは、
[5]区画の一方の側から、前記複数の熱膨張性耐火ブロックを前記貫通孔の内部に設置する工程を含む、上記[1]〜[4]のいずれかに記載の防火区画貫通部構造の施工方法を提供するものである。
また本発明の一つは、
[6]前記支持棒材の形状が、円柱、楕円柱、多角柱、円筒、楕円筒および多角筒からなる群より選ばれる少なくとも一つである、上記[1]〜[5]のいずれかに記載の防火区画貫通部構造の施工方法を提供するものである。
また本発明の一つは、
[7]前記支持棒材が、合成樹脂、紙、金属および無機材からなる群より選ばれる少なくとも一つである、上記[1]〜[6]のいずれかに記載の防火区画貫通部構造の施工方法を提供するものである。
また本発明の一つは、
[8]前記熱膨張性耐火ブロックが、熱膨張性耐火シート、不燃材、可燃材および包装材からなる群より選ばれる少なくとも一つを含む、上記[1]〜[7]のいずれかに記載の、防火区画貫通部構造の施工方法を提供するものである。
また本発明の一つは、
[9]前記不燃材が、無機繊維マットおよび熱膨張性樹脂組成物を分散させた無機繊維マットの少なくとも一方である、上記[8]に記載の、防火区画貫通部構造の施工方法を提供するものである。
また本発明の一つは、
[10]前記熱膨張性耐火ブロックが、熱膨張性耐火シート、不燃材および可燃材からなる群より選ばれる少なくとも一つを、包装材により包装してなる、上記[8]または[9]に記載の、防火区画貫通部構造の施工方法を提供するものである。
また本発明の一つは、
[11]前記包装材が、紙、布および合成樹脂フィルムからなる群より選ばれる少なくとも一つである、上記[8]〜[10]のいずれかに記載の、防火区画貫通部構造の施工方法を提供するものである。
本発明に係る防火区画貫通部構造の施工方法によれば、熱膨張性耐火ブロック支持体を使用して前記貫通孔の内部に支持棒材を設置することができる。
この支持棒材が存在することにより、前記貫通孔から前記熱膨張性耐火ブロックが突き出ることを防ぐことができるから、簡単に前記熱膨張性耐火ブロックを設置することができる。このため本発明の施工方法によれば、防火区画貫通部構造を簡単に施工することができる。
また前記熱膨張性耐火ブロック支持体に架橋板を設置し、前記架橋板の上に支持棒材を設置することもできる。
前記支持棒材を使用することにより、前記熱膨張性耐火ブロックを貫通孔の内部に均等に設置することができ、各熱膨張性耐火ブロックが突き出たり、窪んだりすることを防ぐことができる。
さらに前記支持棒材が存在することにより、前記熱膨張性耐火ブロックを前記貫通孔内部に設置する際に強く押しても、前記熱膨張性耐火ブロックが前記貫通孔の反対側へ落下することを防止できるから、前記貫通孔内部に前記熱膨張性耐火ブロックを簡単に整えて設置することができる。
また本発明に係る防火区画貫通部構造の施工方法によれば、区画の一方の側から施工することが可能であるから、簡単に施工することができる。
図1は、本発明に使用する長尺体および床に形成された貫通孔との関係を説明するための模式要部断面図である。 図2は、熱膨張性耐火ブロック支持体を使用して、支持棒材を区画に形成された貫通孔の内部に設置した構造を説明するための模式要部断面図である。 図3は、本発明に使用する熱膨張性耐火ブロック支持体の構造を説明するための模式斜視図である。 図4は、本発明に使用する支持棒材の構造を説明するための模式斜視図である。 図5は、区画の垂直方向から第一の実施形態に係る防火区画貫通部構造を示した模式図である。 図6は、第一の実施形態に係る防火区画貫通部構造を説明するための模式要部断面図である。 図7は、区画の垂直方向から第一の実施形態に係る防火区画貫通部構造を示した模式図である。 図8は、熱膨張性耐火ブロック支持体を使用して、架橋板を区画に形成された貫通孔の内部に設置した構造を説明するための模式要部断面図である。 図9は、本発明に使用する熱膨張性耐火ブロック支持体の構造を説明するための模式斜視図である。 図10は、本発明に使用する架橋板の構造を説明するための模式斜視図である。 図11は、床30の表面に対する垂直方向から貫通孔の内部を観察した構造を例示した模式図である。 図12は、架橋板を使用して、支持棒材を区画に形成された貫通孔の内部に設置した構造を説明するための模式要部断面図である。 図13は、第二の実施形態に係る防火区画貫通部構造を説明するための模式要部断面図である。 図14は、区画の垂直方向から第一の実施形態に係る防火区画貫通部構造を示した模式図である。 図15は、本発明に使用する熱膨張性耐火ブロック支持体の変形例を例示した模式斜視図である。 図16は、本発明に使用する架橋板の変形例を例示した模式斜視図である。 図17は、本発明に使用する熱膨張性耐火ブロックを説明するための模式斜視図である。 図18は、実施例1に係る防火区画貫通部構造に使用する熱膨張性耐火ブロック支持体を説明するための模式斜視図である。 図19は、実施例1に係る防火区画貫通部構造に使用する熱膨張性耐火ブロック支持体を説明するための模式斜視図である。 図20は、実施例1に係る防火区画貫通部構造に使用する熱膨張性耐火ブロックを説明するための模式斜視図である。 図21は、実施例1に係る防火区画貫通部構造の施工方法を説明するための模式断面図である。 図22は、実施例1に係る防火区画貫通部構造の施工方法を説明するための模式断面図である。 図23は、実施例1に係る防火区画貫通部構造の施工方法を説明するための模式断面図である。 図24は、床の表面に対する垂直方向から実施例1に係る防火区画貫通部構造を観察した構造を例示した模式図である。 図25は、床の表面に対する垂直方向から実施例1に係る防火区画貫通部構造を観察した構造を例示した模式図である。 実施例2に係る防火区画貫通部構造に使用する熱膨張性耐火ブロック支持体を説明するための模式斜視図である。 図27は、実施例2に係る防火区画貫通部構造に使用する架橋板を説明するための模式斜視図である。 図28は、実施例2に係る防火区画貫通部構造の施工方法を説明するための模式断面図である。 図29は、実施例2に係る防火区画貫通部構造の施工方法を説明するための模式断面図である。 図30は、実施例2に係る防火区画貫通部構造の施工方法を説明するための模式断面図である。 図31は、実施例2に係る防火区画貫通部構造の施工方法を説明するための模式断面図である。 図32は、床の表面に対する垂直方向から実施例2に係る防火区画貫通部構造を観察した構造を例示した模式図である。 図33は、床の表面に対する垂直方向から実施例2に係る防火区画貫通部構造を観察した構造を例示した模式図である。 図34は、貫通孔の内部に支持棒材を設置した状態を説明するための模式図である。 図35は、実施例4に使用する熱膨張性耐火ブロックを説明するための模式斜視図である。 図36は、実施例5に使用する熱膨張性耐火ブロックを説明するための模式斜視図である。 図37は、実施例6に係る防火区画貫通部構造に使用する熱膨張性耐火ブロックを説明するための模式斜視図である。 図38は、実施例7に使用したケーブルラックの構造を説明するための模式部分斜視図である。 図39は、床の表面に対する垂直方向から実施例5係る防火区画貫通部構造7を観察した構造を示した模式図である。 図40は、床の表面に対する垂直方向から実施例5係る防火区画貫通部構造7を観察した構造を示した模式図である。 図41は、床の表面に対する垂直方向から実施例5係る防火区画貫通部構造7を観察した構造を示した模式図である。 図42は、本発明者が検討した防火区画貫通部構造の問題点を説明するための模式断面図である。 図43は、本発明者が検討した防火区画貫通部構造の問題点を説明するための模式断面図である。 図44は、本発明者が検討した防火区画貫通部構造の問題点を説明するための模式断面図である。
以下に図面を参照しつつ、本発明に係る第一の実施形態について説明する。
最初に本発明に使用する長尺体、建築物に設けられた区画、および前記区画に形成された貫通孔との関係について説明する。
図1は、本発明に使用する長尺体および区画に形成された貫通孔との関係を説明するための模式要部断面図である。
本発明に使用される区画としては、例えば、外壁、内壁等の垂直区画、床、天井等の水平区画等が挙げられる。第一の実施形態に係る防火区画貫通部構造1では、区画として、水平区画である床30が使用されている。
図1に例示される床30は、例えば、コンクリート、不燃性ボード、鋼板等が挙げられる。
前記不燃性ボードとしては、例えば、無機繊維を成形した無機繊維ボード、耐熱パネル等が挙げられる。
前記無機繊維ボードとしては、例えば、グラスウール、ロックウール、セラミックウール、石膏繊維、炭素繊維、ステンレス繊維、スラグ繊維、シリカアルミナ繊維、アルミナ繊維、シリカ繊維、ジルコニア繊維等の無機繊維を焼結剤、熱可塑性樹脂、接着剤等を使用して成形して得られるボード等が挙げられる。
また前記耐熱パネルとしては、例えば、セメント系パネル、無機セラミック系パネル等が挙げられる。
前記セメント系パネルとしては、例えば、硬質木片セメント板、無機繊維含有スレート板、軽量気泡コンクリート板、モルタル板、プレキャストコンクリート板等が挙げられる。
前記無機セラミック系パネルとしては、例えば、石膏ボード、けい酸カルシウム板、炭酸カルシウム板、ミネラルウール板、窯業系板等が挙げられる。
ここで前記石膏ボードとしては、具体的には焼石膏に鋸屑やパーライト等の軽量材を混入し、両面に厚紙を貼って成形したもので、例えば、普通石膏ボード(JIS A6901準拠:GB−R)、化粧石膏ボード(JIS A6911準拠:GB−D)、防水石膏ボード(JIS A6912準拠:GB−S)、強化石膏ボード(JIS A6913準拠:GB−F)、吸音石膏ボード(JIS A6301準拠:GB−P)等が挙げられる。
前記床30に使用される素材は一種もしくは二種以上を使用することができる。
また本発明に使用する床30に限定はなく、通常区画に使用されるものを適宜選択して使用することができる。
図1では、床30として厚さ20cmのコンクリート構造の床が使用されている。
また前記床30には、前記床30を垂直方向に貫通する貫通孔10が形成されている。前記貫通孔10は、その内部に長尺体20を挿入できる形状を有する。
図1に例示される前記貫通孔10は矩形状に形成されていて、前記貫通孔10を長尺体20が貫通している。
本発明に使用する長尺体20としては、例えば、各種配管、ケーブル等を挙げることができる。
前記各種配管としては、例えば、給排水管、吸排気管、水道管、ガス管、冷暖房用媒体移送管等を挙げることができる。
また前記ケーブルとしては、例えば、CVケーブル、単心ケーブルを2本束ねたCVDケーブル、単心ケーブルを3本束ねたCVTケーブル等の他、他の電源ケーブル、信号ケーブル等を挙げることができる。
例えば、絶縁体として架橋ポリエチレンを使用したCVケーブルで、その公称断面積が250mmのケーブルの場合、導体の外径が約19mmで、その外周の絶縁体の厚さが2.5mm程度、さらに外側のシース厚さが約1.8mmであり、単線の直径は30mm弱程度となっている。
前記長尺体20は、吊りボルト等により天井面から吊下げて支持されたり、壁面から支持されたりして、前記貫通孔10の一定の位置に固定することができる。
図2は、熱膨張性耐火ブロック支持体を使用して、支持棒材を区画に形成された貫通孔の内部に設置した構造を説明するための模式要部断面図である。
また図3は、本発明に使用する熱膨張性耐火ブロック支持体の構造を説明するための模式斜視図であり、図4は、本発明に使用する支持棒材の構造を説明するための模式斜視図である。
図2に示されるように、前記熱膨張性耐火ブロック支持体100の本体部101は、前記貫通孔10の内面11に接して設置される。
前記熱膨張性耐火ブロック支持体100の第一の支持部102は、前記床30の上側の表面に掛けられている。
なお前記熱膨張性耐火ブロック支持体100の第一の支持部102を、例えば埋め込みボルト等の固定手段により床30に固定することもできる。
また前記熱膨張性耐火ブロック支持体100の第二の支持部103に支持棒材を設置することができる。
図3に示されるように、第一の実施形態に使用する熱膨張性耐火ブロック支持体100は、本体部101、本体部101から一方向に突き出た第一の支持部102、および本体部101から前記第一の支持部102とは反対側に突き出た第二の支持部103を有する。
なお前記熱膨張性耐火ブロック支持体100の表面の一部または全部には粘着層を設けることができる。前記熱膨張性耐火ブロック支持体100の表面に粘着層を設ける方法としては、例えば、両面粘着テープを前記熱膨張性耐火ブロック支持体100の表面に貼付する方法、粘着剤を前記熱膨張性耐火ブロック支持体100の表面に塗布する方法等が挙げられる。
また図3に示される前記熱膨張性耐火ブロック支持体100の素材としては、例えば、不燃材、可燃材等を挙げることができる。
前記不燃材としては、例えば、金属、無機材等を挙げることができる。
前記金属としては、例えば、鋼、鉄、銅、アルミの一種もしくは二種以上が挙げられる。前記金属は合金であってもよく、前記の素材に、クロム、マンガン、ニッケル、亜鉛、錫等の金属を含有するものであってもよい。
前記合金は、一種もしくは二種以上を使用することができる。
前記無機材としては、例えば、ガラス、セラミック等を挙げることができる。前記無機材は一種もしくは二種以上を使用することができる。
前記可燃材としては、例えば、合成樹脂、木板、段ボール、厚紙等が挙げられる。
本発明に使用する合成樹脂としては、例えばポリ塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、アクリル樹脂、ABS樹脂、ポリフッ化ビニリデン樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂等が挙げられる。
前記段ボール、厚紙等に使用される紙としては、クラフト紙、和紙、Kライナー紙、離型基材等が挙げられる。
前記可燃材は、一種もしくは二種以上を使用することができる。
図4(a)に示される通り、本発明に係る第一の実施形態に使用した前記支持棒材300の形状は円柱である。なお前記支持棒材300の形状は円柱以外に、例えば、図4(b)〜(f)に示されるように、長手方向の断面が楕円の楕円柱の支持棒材310、長手方向の断面が三角形の支持棒材320、断面が正方形の支持棒材330、断面が六角形の支持棒材340、断面が平行四辺形の支持棒材350等の多角柱、円筒の支持棒材301、楕円筒の支持棒材311、三角筒の支持材棒321、四角筒の支持材棒331、六角筒の支持材棒341、長手方向の断面が平行四辺形の支持材棒等の多角筒等を使用することもできる。
また図4示される前記支持棒材300の素材としては、例えば、不燃材、可燃材等を挙げることができる。
前記不燃材、可燃材等の具体例は、先に説明した熱膨張性耐火ブロック支持体100の場合と同様である。
前記支持棒材300の素材は、簡単に切断して長さを整えることができることから、合成樹脂、紙等であることが好ましい。
また合成樹脂を使用する場合は、単位体積当たりの重量を軽減できることから、内部に気泡を含む発泡合成樹脂を使用することがより好ましい。
図5は、区画の垂直方向から第一の実施形態に係る防火区画貫通部構造を示した模式図であり、図6は、第一の実施形態に係る防火区画貫通部構造を説明するための模式要部断面図である。
前記熱膨張性耐火ブロック支持体100を前記貫通孔10に設置してから、前記熱膨張性耐火ブロック支持体100の第二の支持部103に直交するように支持棒材300を設置した。さらに前記支持棒材300の上に熱膨張性耐火ブロック400を設置した。
本発明に係る第一の実施形態に使用した前記熱膨張性耐火ブロック400の形状は直方体である。
なお前記熱膨張性耐火ブロック400の形状は直方体以外に、例えば、断面が正方形、三角形、六角形、平行四辺形等の多角柱形状等を使用することもできる。
図5に示されるように、前記熱膨張性耐火ブロック支持体100の第二の支持部103に支持棒材300が設置されることにより、前記貫通孔10の内部に簡単に熱膨張性耐火ブロックを設置することができる。
前記支持棒材300により前記熱膨張性耐火ブロックを支えることができるため、前記熱膨張性耐火ブロックが落下することを防止できる。
図7に示されるように、前記長尺体20と前記熱膨張性耐火ブロック400との隙間には複数の充填補助材600が挿入されている。
前記長尺体と前記貫通孔10の内部との隙間は、前記熱膨張性耐火ブロック400および前記充填補助材600により隙間なく充填されている。
次に本発明に係る第二の実施形態について説明する。
図8は、熱膨張性耐火ブロック支持体を使用して、架橋板を区画に形成された貫通孔の内部に設置した構造を説明するための模式要部断面図である。
また図9は、本発明に使用する熱膨張性耐火ブロック支持体の構造を説明するための模式斜視図であり、図10は、本発明に使用する架橋板の構造を説明するための模式斜視図である。
先の第一の実施形態の場合は、前記熱膨張性耐火ブロック支持体100の第二の支持部102に支持棒材300が設置されていた。
これに対し、第二の実施形態の場合は、熱膨張性耐火ブロック支持体110の第二の支持部112に架橋板200を設置してから、前記架橋板200の上に、支持棒材300が設置されている点が異なる。
また前記熱膨張性耐火ブロック支持体110は、先の第一の実施形態に使用した前記熱膨張性耐火ブロック支持体100の場合と同様に、本体部111、本体部111から一方向に突き出た第一の支持部112、および本体部111から前記第一の支持部112とは反対側に突き出た第二の支持部113を有する。
先の第一の実施形態に使用した前記熱膨張性耐火ブロック支持体100の場合は、第一の支持部102に対して第二の支持部103が長いものであった。
これに対して第二の実施形態に使用した前記熱膨張性耐火ブロック支持体110は、第一の支持部112と第二の支持部113とがほぼ同じ長さになっている点が異なる。
それ以外は第一の実施形態の場合と同様である。
また図10に示される架橋板200の形状は直方体である。前記架橋板200の素材としては、先に説明した前記熱膨張性耐火ブロック支持体100の場合と同様である。
前記架橋板200は、不燃材を使用する場合には金属板であることこが好ましく、可燃材を使用する場合には、前記可燃板としての強度の面から合成樹脂板、木板等を使用することが好ましい。
図11は、床30の表面に対する垂直方向から貫通孔の内部を観察した構造を例示した模式図である。なお説明の便宜上、架橋板200は破線にて示してある。
前記熱膨張性耐火ブロック支持体110の第二の支持部113,113の上に前記架橋板200を設置することにより、貫通孔10の内部に簡単に支持棒材300を設置することができる。
前記熱膨張性耐火ブロック支持体110の第二の支持部113,113が前記架橋板を支持していることから、前記架橋板200は落下することがない。
前記熱膨張性耐火ブロック支持体110の第二の支持部113,113に前記架橋板200を設置する際には、粘着テープ、接着剤等の固定手段により、前記熱膨張性耐火ブロック支持体110の第二の支持部113,113に対して前記架橋板200を固定することもできる。
図12は、架橋板を使用して、支持棒材を区画に形成された貫通孔の内部に設置した構造を説明するための模式要部断面図である。
架橋板200を使用することにより、より簡単に貫通孔10の内部に支持棒材300を設置することができる。
図13は、第二の実施形態に係る防火区画貫通部構造を説明するための模式要部断面図であり、図14は、区画の垂直方向から第二の実施形態に係る防火区画貫通部構造を示した模式図である。
本発明に係る第二の実施形態に使用した前記熱膨張性耐火ブロック400は、先の第一の実施形態に使用したものと同じ形状の直方体である。
図13に示されるように、前記熱膨張性耐火ブロック支持体110の第二の支持部113に架橋板200が設置され、さらに前記架橋板の上に支持棒材300が設置されることにより、前記貫通孔10の内部に簡単に熱膨張性耐火ブロックを設置することができる。
前記支持棒材300により前記熱膨張性耐火ブロック400を支えることができるため、前記熱膨張性耐火ブロック400が落下することを防止できる。
図14に示されるように、前記長尺体20と前記熱膨張性耐火ブロック400との隙間には複数の充填補助材600が挿入されている。
前記長尺体と前記貫通孔10の内部との隙間は、前記熱膨張性耐火ブロック400および前記充填補助材600により隙間なく充填されている。
次に本発明に使用する熱膨張性耐火ブロック支持体の変形例について説明する。
図15は、本発明に使用する熱膨張性耐火ブロック支持体の変形例を例示した模式斜視図である。
本発明に使用する熱膨張性耐火ブロック支持体は、先の図3に例示した熱膨張性耐火ブロック支持体100の形状に限定されず、例えば図15(a)に例示されるように、本体部121が複数ある熱膨張性耐火ブロック支持体120の形状であってもよいし、図15(b)に例示されるように、本体部131、第一の支持部132、および第二の支持部133がそれぞれ複数ある熱膨張性耐火ブロック支持体130の形状であってもよい。
また図15(c)に例示されるように、第二の支持部143の両端に、それぞれ本体部141,141が設置されていて、前記本体部141,141の端部に第一の支持部132,132が設置されている熱膨張性耐火ブロック支持体140の形状であってもよい。
次に本発明に使用する架橋板の変形例について説明する。
図16は、本発明に使用する架橋板の変形例を例示した模式斜視図である。
本発明に使用する架橋板は、先の図10に例示した架橋板200の形状に限定されず、例えば、図16(a)に例示されるように、両端に突起部211,211,212,212を備えた架橋板210の形状であってもよいし、図16(b)に例示されるように、窪み部分221,222を備えた架橋板220の形状であってもよい。
図16(a)に例示された両端に突起部211,211,212,212を備えた架橋板210は、前記突起部211,211,212,212の部分がそれぞれ断面コ字状となる。このコ字状の部分を前記熱膨張性耐火ブロック支持体100の第二の支持部103,103に嵌め合わせることにより、簡単に前記熱膨張性耐火ブロック支持体100の第二の支持部103,103に架橋板210を設置することができる。
また図16(b)に例示された窪み部分221,222を備えた架橋板220,220を二つ組み合わせることにより、十字状に架橋板220,220をより強固に前記熱膨張性耐火ブロック支持体100の第二の支持部103,103に架橋板220,220を設置することができる。
図16(b)の場合は、それぞれの架橋板220,220に窪み部分221,222が設けられていたが、一方の架橋板のみに窪みもしくは架橋板を折り曲げて窪みを形成し、その窪みの深さと一致する架橋板を組み合わせて使用することもできる。
また図16(b)の場合は、それぞれの架橋板220,220は直交しているが、両者を斜めに交わるように設置することもできる。
次に本発明に使用する熱膨張性耐火ブロックについて説明する。
本発明に使用する熱膨張性耐火ブロックは、例えば、板状体を含むもの等を挙げることができる。
前記板状体に使用される素材としては、例えば、熱膨張性耐火材、不燃材、可燃材、包装材等が挙げられる。
前記熱膨張性耐火材としては、例えば、エポキシ樹脂、ブチルゴム、ウレタン樹脂フォーム等の熱硬化性発泡樹脂等の樹脂成分、熱膨張性黒鉛、リン化合物、無機充填材等を配合した熱膨張性樹脂組成物を、3〜20mmの厚みに成形した熱膨張性耐火シート、
無機繊維を使用して前記熱膨張性樹脂組成物を分散した水中で前記無機繊維を膠着させる操作を繰り返して得られる、熱膨張性樹脂組成物が分散した無機繊維マット、
無機繊維マットを使用して前記熱膨張性樹脂組成物を分散した有機溶剤中で前記無機繊維マットを含浸させる操作を繰り返して得られる、熱膨張性樹脂組成物が分散した無機繊維マット等を挙げることができる。
前記熱膨張性耐火シートは市販品を適宜選択して使用することができる。この様な市販品としては、例えば、積水化学工業社製のフィブロック(登録商標。エポキシ樹脂やゴムと、熱膨張性黒鉛等を含有する樹脂組成物を含むシート材料)、住友スリーエム社製のファイアバリア(クロロプレンゴムとバーキュライトを含有する樹脂組成物からなるシート材料、膨張率:3倍、熱伝導率:0.20kcal/m・h・℃)、三井金属塗料化学社製のメジヒカット(ポリウレタン樹脂と熱膨張性黒鉛を含有する樹脂組成物からなるシート材料、膨張率:4倍、熱伝導率:0.21kcal/m・h・℃)等が挙げられる。
前記不燃材としては、例えば、無機繊維マット、無機パネル、金属板、金属網等が挙げられる。
本発明に使用する無機繊維としては、例えば、グラスウール、ロックウール、セラミックウール、石膏繊維、炭素繊維、ステンレス繊維、スラグ繊維、シリカアルミナ繊維、アルミナ繊維、シリカ繊維、ジルコニア繊維等が挙げられる。
前記無機繊維は、一種もしくは二種以上を使用することができる。
また無機パネルは、先の区画に説明した場合と同様のものを使用することができる。
前記無機パネルは、一種もしくは二種以上を使用することができる。
また前記金属板、金属網等に使用される金属としては、例えば、鋼、鉄、銅、アルミの一種もしくは二種以上が挙げられる。前記金属は合金であってもよく、前記の素材に、クロム、マンガン、ニッケル、亜鉛、錫等の金属を含有するものであってもよい。
前記合金は、一種もしくは二種以上を使用することができる。
前記可燃材としては、例えば、合成樹脂板、段ボール、厚紙等が挙げられる。
本発明に使用する合成樹脂としては、例えばポリ塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、アクリル樹脂、ABS樹脂、ポリフッ化ビニリデン樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂等が挙げられる。
前記段ボール、厚紙等に使用される紙としては、クラフト紙、和紙、Kライナー紙、離型基材等が挙げられる。
前記可燃材は、一種もしくは二種以上を使用することができる。
前記包装材としては、例えば、紙、布、合成樹脂フィルム等を挙げることができる。
前記紙は、先の段ボール、厚紙の場合と同様である。
前記布としては、例えば、織布、不織布等を挙げることができる。織布、不織布等に使用する繊維としては、例えば、塩化ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ナイロン、セルロース繊維等を挙げることができる。
前記合成樹脂フィルムとしては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアミド、ポリエステル、ナイロン、アクリル、塩化ビニル、塩化ビニリデン等を原料とするフィルムを挙げることができる。
前記包装材は、一種もしくは二種以上を使用することができる。
次に本発明に使用する熱膨張性耐火ブロックの具体例について説明する。
図17は、本発明に使用する熱膨張性耐火ブロックを説明するための模式斜視図である。
図17(a)に例示される熱膨張性耐火ブロック410は、熱膨張性耐火シート70と無機繊維マット80との積層体である。
図17(b)に例示される熱膨張性耐火ブロック420は、熱膨張性耐火シート70を二つの無機繊維マット80によりはさんだ積層体である。
図17(a)および図17(b)にそれぞれ示される前記熱膨張性耐火ブロック410および前記熱膨張性耐火ブロック420の場合は、前記熱膨張性耐火シート70が板状体である。そして前記無機繊維マット80が前記熱膨張性耐火シート70を支えることにより、高い強度を発揮することができる。
前記熱膨張性耐火ブロック410および前記熱膨張性耐火ブロック420の強度を高めるためには、例えば、前記熱膨張性耐火シート70として厚いものを選択すればよい。前記熱膨張性耐火シート70は一枚のものを使用してもよいし、薄いものを複数重ねて使用してもよい。
前記熱膨張性耐火シート70の厚みは、複数重ねて使用する場合も含めて3〜50mmの範囲であることが好ましい。
また前記無機繊維マット80として硬質のものを使用することによっても前記熱膨張性耐火ブロック410および前記熱膨張性耐火ブロック420の強度を高めることができる。
図17(c)に例示される熱膨張性耐火ブロック430は、熱膨張性樹脂組成物が分散された無機繊維マット81からなる。
前記熱膨張性耐火ブロック430の場合は、前記熱膨張性樹脂組成物が分散された無機繊維マット81が前記熱膨張性耐火ブロック430の強度を高める。
前記熱膨張性耐火ブロック430の強度を高めるためには、例えば、前記熱膨張性樹脂組成物に含まれる樹脂成分が、無機繊維マットに分散されたときに強度を高めるものを選択すればよい。この様な樹脂成分としては、例えば、熱硬化性樹脂等が挙げられる。
また前記熱膨張性樹脂組成物が分散された無機繊維マット81として硬質のものを使用することによっても前記熱膨張性耐火ブロック430の強度を高めることができる。
図17(d)に例示される熱膨張性耐火ブロック440は、熱膨張性耐火シート70、無機繊維マット80、および合成樹脂板82との積層体である。
図17(e)に例示される熱膨張性耐火ブロック450は、熱膨張性耐火シート70、無機繊維マット80、および金属網83との積層体である。
図17(f)に例示される熱膨張性耐火ブロック460は、熱膨張性耐火シート70、無機繊維マット80、および段ボール84との積層体である。
図17(d)、図17(e)および図17(f)にそれぞれ示される前記熱膨張性耐火ブロック440〜460の場合は、それぞれ前記合成樹脂板82、前記金属網83および前記段ボール84が剛性板である。
使用する前記合成樹脂板82、前記金属網83および前記段ボール84の強度に応じて厚みを調整することにより、それぞれの熱膨張性耐火ブロック440〜460の強度を調整することができる。
図17(g)に例示される熱膨張性耐火ブロック470は、前記熱膨張性耐火ブロック410〜460のいずれか一つを包装材90により包装したものである。
前記包装材90の底面に、例えば段ボール等の強度のある紙等を設置することにより、前記包装材90の強度を高めることもできる。
次に本発明に使用する充填補助材について説明する。
前記充填補助材は、本発明に係る防火区画貫通部構造に使用される長尺体と熱膨張性防火ブロックとの隙間、熱膨張性防火ブロック同士の隙間、熱膨張性耐火ブロックと貫通孔に挿入されて使用される。
前記充填補助材の具体例としては、例えば、パテ材、棒状の熱膨張性樹脂組成物成形体、無機繊維これらを合成樹脂袋等に封入した袋体等が挙げられる。
前記パテ材としては、例えば、JIS A5758により規定されている建築用シーリング材、JIS A6914により規定されている石膏ボード用目地処理材、モルタル等が挙げられる。
前記パテ材は、クロロプレンゴム等のゴムやシリコーン等に充填材、難燃剤等を配合してなるパテ、コーキング等であれば好ましい。
以下に実施例により、図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、本発明はこれらの実施例により何ら限定されるものではない。
図18は、実施例1に係る防火区画貫通部構造3に使用する熱膨張性耐火ブロック支持体を説明するための模式斜視図である。
実施例1に使用した熱膨張性耐火ブロック支持体100は、本体部101の垂直方向の長さが105mm、第一の支持部102が長さが30mmおよび第二の支持部103の水平方向の長さが190mmである。
また前記熱膨張性耐火ブロック支持体100は鋼製である。
図19は、実施例1に係る防火区画貫通部構造3に使用する支持棒材を説明するための模式斜視図である。
実施例1に使用した支持棒材301は円筒であり、ポリ塩化ビニルにより形成されている。
図20は、実施例1に係る防火区画貫通部構造3に使用する熱膨張性耐火ブロックを説明するための模式斜視図である。
実施例1に係る防火区画貫通部構造3に使用する熱膨張性耐火ブロック470は、熱膨張性耐火シート70と無機繊維マット80とが積層されている。
前記熱膨張性耐火シート70は、ブチルゴム、熱膨張性黒鉛等を含む熱膨張性樹脂組成物を成形して得られるものであり(登録商標フィブロック。積水化学工業社製)、厚さが4mmである。
また無機繊維マット80は密度が120kg/m、厚さが50mmのロックウールからなる。
前記熱膨張性耐火シート70を上にし、前記無機繊維マット80を下にして、前記熱膨張性耐火シート70および前記無機繊維マット80をポリエステル不織布からなる包装材90により包装し、市販の接着剤にて前記包装材90を固定した。
前記熱膨張性耐火ブロック470として、奥行、幅、厚さがそれぞれ異なる4つのものを準備した。具体的には下記の(1)〜(4)の四種類である。
(1)100mm×50mm×50mm
(2)100mm×100mm×50mm
(3)100mm×150mm×50mm
(4)100mm×150mm×50mm
図21〜23は、実施例1に係る防火区画貫通部構造3の施工方法を説明するための模式断面図である。
図21に示されるように、貫通孔10の内面に前記熱膨張性耐火ブロック支持体100の本体部101を接触させ、前記熱膨張性耐火ブロック支持体100の第一の支持部102を床30の表面に掛けた。
前記熱膨張性耐火ブロック支持体100の本体部101および前記第一の支持部102に接着剤を塗ることにより、前記熱膨張性耐火ブロック支持体100を貫通孔10に固定することができる。
次に図22に示されるように、前記熱膨張性耐火ブロック支持体100の第二の支持部103,103に直交するように前記支持棒材301を設置した。前記支持棒材301を設置する際は、使用する支持棒材301同士が互いに接触するようにした。
また図23に示されるように、前記貫通孔10の内部と前記長尺体20との間に複数の熱膨張性耐火ブロック470を設置した。
前記熱膨張性耐火ブロック470は、前記支持棒材301に支持されることから簡単に前記貫通孔10の内部と前記長尺体20との間に複数の熱膨張性耐火ブロック470を設置することができる。
また前記熱膨張性耐火ブロック470を強く押しても前記支持棒材301が前記熱膨張性耐火ブロック470を支持していることから問題は生じない。
図24および図25は、床の表面に対する垂直方向から実施例1に係る防火区画貫通部構造を観察した構造を例示した模式図である。
図24に示されるように、前記支持棒材301を適宜切断して長さを調整して、前記貫通孔10の内部に前記支持棒材301を設置した。
続いて図25に示されるように、熱膨張性耐火ブロック470と長尺体20との隙間に充填補助材600を挿入した。
実施例1に使用した充填補助材600は、熱膨張性樹脂組成物を棒状に成形したものを、ポリエチレンからなる合成樹脂袋により封入した袋体からなる。
前記充填補助材600を前記長尺体20と前記熱膨張性耐火ブロック470との隙間に挿入することにより、前記貫通孔10の内部を隙間なく閉塞することができる。
上記の通り、実施例1に係る防火区画貫通部構造3は、簡単に施工することができる。
また前記熱膨張性耐火ブロック支持体100、架橋板200および支持棒材301を使用することにより、前記熱膨張性耐火ブロック470を貫通孔の内部に均等に設置することができるから、各熱膨張性耐火ブロック370が前記貫通孔10の内部から外部に突き出たり、窪んだりすることを防ぐことができる。
また実施例1に係る防火区画貫通部構造3の施工方法によれば、区画の一方の側から施工することが可能であるから、簡単に施工することができる。
実施例1により得られる防火区画貫通部構造3は、火災等の熱にさらされると前記熱膨張性耐火ブロック470に含まれる熱膨張性耐火シート70が膨張して膨張残渣を形成する。
この膨張残渣が前記貫通孔10の内部を閉塞することから、前記防火区画貫通部構造3は耐火性に優れる。
実施例1の場合は、床30として床、天井等に使用される水平区画の場合を例にとって説明した。これに対し、床30に代えて、外壁、内壁等の壁等の垂直区画を使用した場合にも、同様の手順により、垂直区画の一方の側から防火区画貫通部構造を得ることができる。この点は以下の実施例の場合も同様である。
実施例1の場合は、前記熱膨張性耐火ブロック支持体100の第二の支持部103に前記支持棒材301を設置した。
これに対し、実施例2の場合は、前記熱膨張性耐火ブロック支持体100の第二の支持部103に架橋板200を設置し、前記架橋板200の上に支持棒材301を設置した点が異なる。
図26は、実施例2に係る防火区画貫通部構造4に使用する熱膨張性耐火ブロック支持体を説明するための模式斜視図である。
実施例2に使用した熱膨張性耐火ブロック支持体110は、本体部111の垂直方向の長さが105mm、第一の支持部112および第二の支持部113の水平方向の長さが30mmである。
また前記熱膨張性耐火ブロック支持体110は鋼製である。
図27は、実施例2に係る防火区画貫通部構造4に使用する架橋板を説明するための模式斜視図である。
実施例1に使用した架橋板200は、厚みが2mm、幅が30mm、長さがほぼ貫通孔10の長さに合致する。また長さが異なるものも適宜併用した。
また前記架橋板200は合成樹脂製である。
実施例2に係る防火区画貫通部構造4に使用する支持棒材301および熱膨張性耐火ブロック470は実施例1に使用したものと同様である。
図28〜31は、実施例2に係る防火区画貫通部構造4の施工方法を説明するための模式断面図である。
図28に示されるように、貫通孔10の内面に前記熱膨張性耐火ブロック支持体110の本体部111を接触させ、前記熱膨張性耐火ブロック支持体110の第一の支持部112を床30の表面に掛けた。
前記熱膨張性耐火ブロック支持体110の本体部111および前記第一の支持部112に接着剤を塗ることにより、前記熱膨張性耐火ブロック支持体110を貫通孔10に固定することができる。
次に図29に示されるように、前記熱膨張性耐火ブロック支持体110の第二の支持部113,113に架橋板200を、接着剤を用いて固定した。
実施例2の場合は、前記架橋板200の全てを一方向に平行に設置したが、前記架橋板同士が直交するようにそれぞれの架橋板200を設置してもよい。
前記熱膨張性耐火ブロック支持体110を適宜選択することにより、全ての前記架橋板200の表面を略同一表面上に設置することができる。
次に図30に示されるように、前記架橋板200に対して前記支持棒材301を直交させて、前記架橋板200の上に前記支持棒材301を設置した。図30に示されるように使用する支持棒材301同士が互いに接触するようにした。
次に図31に示されるように、前記貫通孔10の内部と前記長尺体20との間に複数の熱膨張性耐火ブロック470を設置した。
前記熱膨張性耐火ブロック470は、前記支持棒材300に支持されることから簡単に前記貫通孔10の内部と前記長尺体20との間に複数の熱膨張性耐火ブロック470を設置することができる。
また前記熱膨張性耐火ブロック470を強く押しても前記支持棒材301が前記熱膨張性耐火ブロック470を支持していることから問題は生じない。
図32および図33は、床の表面に対する垂直方向から実施例2に係る防火区画貫通部構造を観察した構造を例示した模式図である。
前記貫通孔10の内部に設置した前記架橋板200の上に前記支持材棒200を直交させて設置した後に、前記熱膨張性耐火ブロック470を設置した。
また図33に示されるように、実施例1の場合と同様に熱膨張性耐火ブロック470と長尺体20との隙間に充填補助材600を挿入した。
前記充填補助材600を前記長尺体20と前記熱膨張性耐火ブロック470との隙間に挿入することにより、前記貫通孔10の内部を隙間なく閉塞することができる。
上記の通り、実施例2に係る防火区画貫通部構造4は、前記架橋板200を使用することにより、より簡単に施工することができる。
実施例3は、実施例2の変形例である。
実施例2の場合は、使用する支持棒材301同士が互いに接触するように、前記貫通孔10の内部に前記支持棒材301を設置した。
これに対し実施例3の場合は、使用する支持棒材301同士に隙間を設けて前記貫通孔10の内部に前記支持棒材301を設置した点が異なる。
それ以外は実施例2の場合と同様である。
図34は、前記貫通孔10の内部に前記支持棒材301を設置した状態を説明するための模式図である。
図34に示されるように、前記支持棒材300は前記貫通孔10の内部に隙間なく設置する必要はなく、前記支持棒材301と301とに隙間を設けて前記貫通孔10の内部に前記支持棒材301を設置することができる。
前記支持棒材301と301との隙間は、使用する前記熱膨張性耐火ブロック470を支持することができる範囲で適宜設定することができる。
この様に、前記支持棒材301と301とに隙間を設けた防火区画貫通部構造5を得ることもできる。
なお実施例3の場合は前記支持棒材301を具体例に挙げて説明したが、支持棒材の形状、材質等は適宜選択して使用することが可能である。
実施例4は、実施例2の変形例である。
実施例4は、実施例2に使用した前記熱膨張性耐火ブロック470に代えて、熱膨張性耐火ブロック480を使用した他は、実施例2との場合と同様である。
図35は、実施例3に使用する熱膨張性耐火ブロック480を説明するための模式斜視図である。
図35に示されるように、密度が120kg/m、厚さが50mmのロックウールからなる二枚の無機繊維マット80により、厚さが4mmであり、ブチルゴム、熱膨張性黒鉛等を含む熱膨張性樹脂組成物を成形して得られる熱膨張性耐火シート70(登録商標フィブロック。積水化学工業社製)を間にはさんで積層した。
次に前記無機繊維マット80−前記熱膨張性耐火シート70−前記無機繊維マット80からなる積層体を、ポリエステル不織布からなる包装材90により包装し、市販の接着剤にて前記包装材90を固定して、熱膨張性耐火ブロック480を得た。
次に実施例2の場合と同様に、前記熱膨張性耐火ブロック480を、前記熱膨張性耐火シート70がある面を前記長尺体20と水平方向となるようにして、前記床30の貫通孔10内部に設置した。
実施例4の場合も実施例2の場合と同様、簡単に防火区画貫通部構造6を得ることができる。
実施例5は、実施例2の変形例である。
実施例5は、実施例2に使用した前記熱膨張性耐火ブロック470に代えて、熱膨張性耐火ブロック481を使用した他は、実施例2との場合と同様である。
図36は、実施例5に使用する熱膨張性耐火ブロック481を説明するための模式斜視図である。
ロックウールに、ブチルゴム、熱膨張性黒鉛等を含む熱膨張性樹脂組成物を分散させて無機繊維マット81を得た。使用した熱膨張性樹脂組成物の組成は、実施例2に使用した熱膨張性耐火シート70と同じである。また前記ロックウールの密度は120kg/m、厚さが50mmである。
次に熱膨張性樹脂組成物を分散させた無機繊維マット81を、ポリエステル不織布からなる包装材90により包装し、市販の接着剤にて前記包装材90を固定して、熱膨張性耐火ブロック481を得た。
得られる熱膨張性耐火ブロック481は実施例2に使用した熱膨張性耐火ブロック481よりも均等に熱膨張性樹脂組成物が存在している。このため前記熱膨張性耐火ブロック481は、床30の表面の上下方向のみならず左右方向、前後方向にも広がる性質を有するため、複雑な形状の貫通孔10に使用するのに適している。
次に実施例2の場合と同様に、前記熱膨張性耐火ブロック481を、前記床30の貫通孔10内部に設置した。
実施例5の場合も実施例2の場合と同様、簡単に防火区画貫通部構造7を得ることができる。
実施例6は、実施例2の変形例である。
実施例6は、実施例2に使用した前記熱膨張性耐火ブロック470に代えて、熱膨張性耐火ブロック482を使用した他は、実施例2との場合と同様である。
図37は、実施例6に係る防火区画貫通部構造8に使用する熱膨張性耐火ブロックを説明するための模式斜視図である。
まず表1に示した配合に従い、熱膨張性樹脂フォーム85をA成分とB成分とに分けて、それぞれの成分を遊星式攪拌機を用いて攪拌した。
具体的には前記熱膨張性樹脂フォームとしてウレタン樹脂フォームを使用した。A成分の樹脂成分としてウレタン樹脂フォームの硬化剤であるポリエーテルポリオールを用い、B成分の樹脂成分としてウレタン樹脂フォームの主剤であるポリイソシアネート化合物を用いた。
前記ウレタン樹脂フォームの主剤であるポリイソシアネート化合物と硬化剤であるポリエーテルポリオールとを、ポリオール化合物中の活性水素基(OH)とポリイソシアネート化合物中の活性イソシアネート基(NCO)の割合(NCO/OH)が当量比で、1.64:1となる様に調整した。
次にA成分とB成分との粘度を測定した。粘度測定にはB型回転式粘度計(ビスコテック社製)を用いて25℃における粘度を測定した。測定の際のB型回転式粘度計の回転数は10rpmとし、R5のスピンドルを使用した。
得られたA成分とB成分とのそれぞれの粘度を、A成分とB成分との重量比の割合で加算して全体粘度を得た。この値を表1に示す。
前記A成分とB成分とを金型に注入し、前記A成分とB成分とが発泡しながら硬化した。硬化物を金型から取り出して、ウレタン樹脂フォームからなる熱膨張性樹脂フォーム85を得た。
実施例6に使用した熱膨張性耐火ブロック482は、熱膨張性樹脂フォーム85からなる。実施例6では前記熱膨張性耐火ブロック482はウレタン樹脂フォームブロックである。
次に実施例2の場合と同様に、前記熱膨張性耐火ブロック482を、前記床30の貫通孔10内部に設置した。
実施例6の場合も実施例2の場合と同様、簡単に防火区画貫通部構造8を得ることができる。
Figure 2014129701
実施例7は、実施例2の変形例である。
実施例2の場合は長尺体20として、ケーブルが使用されていた。これに対し実施例7の場合は前記長尺体20に加えて、ケーブルラック21が長尺体として使用されている点が異なる。
図38は、実施例7に使用したケーブルラックの構造を説明するための模式部分斜視図である。
前記ケーブルラック21は、各種配管、ケーブル等を内部に設置することができ、各種配管、ケーブル等にかかる力を分散することができる等の利点がある。前記ケーブルラック等により、各種配管、ケーブル等を支持することができる。
実施例7に使用したケーブルラック21は、亜鉛鉄板等を折り曲げ形成した金属板材や、アルミニウム押出し材等から梯子状に形成され、左右の縦片を構成する一対の親桁材22と、前記親桁材を所定の間隔で連結する多数の横材23とを少なくとも備えるものである。
図38に示される通り、実施例7に使用したケーブルラック21の前記親桁材22は、突起部22a,22bを備えている。前記親桁材22の長手方向に対する垂直面による断面は略コ字状となっていて、一対の親桁材22と横材23とが互いに垂直に成形されている。
特に図示していないが、ケーブルラック21を使用する場合には、前記ケーブルラック21は吊りボルト等により天井面から吊下げて支持されたり、壁面から支持されたりして、前記貫通孔10の一定の位置に固定することができる。
図39〜38は、床の表面に対する垂直方向から実施例7に係る防火区画貫通部構造9を観察した構造を示した模式図である。
実施例2の場合と同様に、前記貫通孔10に前記熱膨張性耐火ブロック支持体100を設置してから、前記熱膨張性耐火ブロック支持体100の第二の支持部103,103に架橋板200を、接着剤を用いて固定した。
続いて図40に示されるように、前記架橋板200に対して前記支持棒材300を直交させて、前記架橋板200の上に前記支持棒材300を設置した。
次に図41に示されるように、前記貫通孔10の内部、前記長尺体20およびケーブルラック21との間に実施例2の場合と同様に複数の熱膨張性耐火ブロック470を設置した。
図41に示されるように、実施例2の場合と同様、前記貫通孔10の内部、前記長尺体20および前記ケーブルラック21の間に複数の熱膨張性耐火ブロック470を設置してから、熱膨張性耐火ブロック470、長尺体20およびケーブルラック21の隙間に充填補助材600を挿入して、実施例6に係る防火区画貫通部構造7を得た。
前記長尺体がケーブルラック21を含む場合でも本発明に係る防火区画貫通部構造9を得ることができる。
本発明の防火区画貫通部構造の施工方法は、先に説明した熱膨張性耐火ブロック支持体、架橋板、支持棒材等を使用して、貫通孔の片側から簡単に耐火機能を付与することができる。このため建築物等の防火性をより効率よく高めることができる。
特に前記熱膨張性耐火ブロック支持体、架橋板、支持棒材等は体積が比較的小さいため運搬が容易であり、施工現場の貫通孔のサイズ等に柔軟に対応できることから、簡単に防火区画貫通部構造を施工することができる。
1,2,3,4,5,6,7,8,9,500,501,502 防火区画貫通部構造
10 貫通孔
11 貫通孔の内面
20 長尺体
21 ケーブルラック
22 親桁材
22a,22b 突起部
30 床
33 横材
40 壁
50 耐火性ブロック
60 筒状の支持枠体
61 網状支持体
70 熱膨張性耐火シート
80 無機繊維マット
81 熱膨張性樹脂組成物が分散された無機繊維マット
82 合成樹脂板
83 金属網
84 段ボール
85 熱膨張性樹脂フォーム
90 包装材
100,110,120,130,140 熱膨張性耐火ブロック支持体
101,111,121,131,141 本体部
102,112,122,132,142 第一の支持部
103,113,123,133,143 第二の支持部
200,210,220 架橋板
211,212 突起部
221,222 窪み部分
300,301,310,311,320,321,330,331,340,341,350,351 支持棒材
400,410,420,430,440,450,460,470,480,481,482 熱膨張性耐火ブロック
600 充填補助材

Claims (11)

  1. 区画に設けられた貫通孔を長尺体が挿通している構造に対し、前記貫通孔の内部と前記長尺体との間に複数の熱膨張性耐火ブロックを設置する際に、熱膨張性耐火ブロック支持体を使用する施工方法であって、
    前記熱膨張性耐火ブロック支持体が、本体部と、本体部から一方向に突き出た第一の支持部と、本体部から前記第一の支持部とは反対側に突き出た第二の支持部と、を有し、
    (1)前記熱膨張性耐火ブロック支持体の第一の支持部を、前記貫通孔外部の区画に掛ける工程と、
    (2)前記熱膨張性耐火ブロック支持体の第二の支持部に支持棒材を設置する工程と、
    を少なくとも有する、防火区画貫通部構造の施工方法。
  2. (2)前記熱膨張性耐火ブロック支持体の第二の支持部に支持棒材を設置する工程が、
    (3)前記熱膨張性耐火ブロック支持体の第二の支持部に架橋板を設置してから、前記架橋板の上に、支持棒材を設置する工程である、請求項1に記載の防火区画貫通部構造の施工方法。
  3. 前記熱膨張性耐火ブロック支持体が、前記本体部の一端に第一の支持部を備え、前記本体部の他端に第二の支持部を備え、前記第一の支持部と第二の支持部が平行であり、
    前記複数の熱膨張性耐火ブロックの全てが、前記区画の水平方向を基準として、前記区画と水平の両端面を有し、
    前記複数の熱膨張性耐火ブロックの全てのそれぞれの端面を、前記区画のそれぞれの表面と平行に設置する工程を含む、請求項1または2に記載の防火区画貫通部構造の施工方法。
  4. 前記長尺体と前記熱膨張性耐火ブロックとの隙間に、充填補助材を挿入する工程を含む、請求項1〜3のいずれかに記載の防火区画貫通部構造の施工方法。
  5. 区画の一方の側から、前記複数の熱膨張性耐火ブロックを前記貫通孔の内部に設置する工程を含む、請求項1〜4のいずれかに記載の防火区画貫通部構造の施工方法。
  6. 前記支持棒材の形状が、円柱、楕円柱、多角柱、円筒、楕円筒および多角筒からなる群より選ばれる少なくとも一つである、請求項1〜5のいずれかに記載の防火区画貫通部構造の施工方法。
  7. 前記支持棒材が、合成樹脂、紙、金属および無機材からなる群より選ばれる少なくとも一つである、請求項1〜6のいずれかに記載の防火区画貫通部構造の施工方法。
  8. 前記熱膨張性耐火ブロックが、熱膨張性耐火シート、不燃材、可燃材および包装材からなる群より選ばれる少なくとも一つを含む、請求項1〜7のいずれかに記載の防火区画貫通部構造の施工方法。
  9. 前記不燃材が、無機繊維マットおよび熱膨張性樹脂組成物を分散させた無機繊維マットの少なくとも一方である、請求項8に記載の防火区画貫通部構造の施工方法。
  10. 前記熱膨張性耐火ブロックが、熱膨張性耐火シート、不燃材および可燃材からなる群より選ばれる少なくとも一つを、包装材により包装してなる、請求項8または9に記載の防火区画貫通部構造の施工方法。
  11. 前記包装材が、紙、布および合成樹脂フィルムからなる群より選ばれる少なくとも一つである、請求項8〜10のいずれかに記載の防火区画貫通部構造の施工方法。
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