JP2014109119A - 中空壁の防火区画貫通部構造 - Google Patents

中空壁の防火区画貫通部構造 Download PDF

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Abstract

【課題】信頼性が高く、施工が容易である、熱膨張性耐火ブロックを使用した中空壁の防火区画貫通部構造を提供すること。
【解決手段】中空壁に設けられた貫通孔を長尺体が挿通し、前記貫通孔の内部と前記長尺体との間に複数の熱膨張性耐火ブロックが設置され、前記貫通孔の内部に設置された熱膨張性耐火ブロックのうち最下段の熱膨張性耐火ブロックの少なくとも一つが、剛性板を含み、最下段の熱膨張性耐火ブロックの全てが、最下段の熱膨張性耐火ブロックの上に積まれた熱膨張性耐火ブロックの重量に耐える剛性を有することを特徴とする、防火区画貫通部構造。
【選択図】図4

Description

本発明は、中空壁の防火区画貫通部構造に関する。
従来、建築物等において、建築物の壁、間仕切り壁、床、天井等の防火区画を画成する仕切部にケーブルや配管等の長尺体を配設する場合、前記仕切部に貫通孔を設ける必要がある。前記貫通孔に前記長尺体を挿通させると、前記長尺体と前記貫通孔との間に隙間が生じる。このため前記仕切部により画成された一方の防火区画で火災が発生した場合、前記長尺体と前記貫通孔との隙間を伝わって、前記仕切部の他方の防火区画に煙が拡散したり、延焼が生じたりする問題がある。
この問題に対応するために耐火ブロックを袋体に袋詰めした袋入耐火ブロックを使用して、前記長尺体と前記貫通孔との隙間を塞ぐ防火区画貫通部構造が提案されている(特許文献1)。
この防火区画貫通部構造は、前記長尺体と前記貫通孔との隙間に対して前記袋入耐火ブロックを詰めることにより得られるから施工が簡単であるとの特徴がある。
しかし前記袋入耐火ブロックの場合は、使用する袋の内部に空気が入ったり、耐火材の破片が入ったりした場合には前記袋入耐火ブロックの表面が平面ではなくなるため、前記袋入耐火ブロックの上に前記袋入耐火ブロックを多段に安定して積み上げることが容易ではない問題があった。
また耐火性ブロック等を使用する防火区画貫通部構造も提案されている。具体的には、柔軟性のある耐火性ブロックを使用する防火区画貫通部構造(特許文献2)、柔軟性のあるセラミックファイバブランケットに軟質熱膨張性耐火シートを積層し、この積層体を合成樹脂フィルムにより包んでなる防火処理用充填材を使用する防火区画貫通部構造(特許文献3)、前記積層体を可燃性の合成樹脂不織布により包んでなる防火処理用充填材を使用する防火区画貫通部構造(特許文献4)が提案されている。
通常、複数の長尺体の長手方向に対する垂直方向の断面形状は複雑である。このため前記複数の長尺体と前記耐火性ブロック等との間に隙間が生じやすい。
前記柔軟性のある耐火性ブロック等を使用する防火区画貫通部構造の場合、前記耐火性ブロック等が柔軟であることから、例えば前記仕切部に設けられた貫通孔を挿通する長尺体に密着させて前記耐火性ブロック等を設置することができるとされる。
特開2008−57647号公報 特開平8−299487号公報 特開2008−215625号公報 特開2002−247735号公報
図12〜15は、本発明者が検討した防火区画貫通部構造の問題点を説明するための模式断面図である。
先に説明した柔軟性のある耐火性ブロック等を防火区画貫通部構造に適用した場合は、図12に示されるように、建築物の壁、間仕切り壁等の壁の防火区画を画成する仕切部が、壁の内部に空間のない中実壁30の場合は、前記中実壁30に設けられた貫通孔の内部に柔軟性のある耐火性ブロック等を特に問題なく設置できる。
同様に図13および図14に示されるように前記壁の防火区画を画成する仕切部が、壁の内部に空間のある中空壁31の場合であっても、前記中空壁31の貫通孔に金属等の不燃材からなる補助支持材50,51が設置されている場合には、前記中空壁31に設けられた貫通孔の内部に柔軟性のある耐火性ブロック等を特に問題なく設置できる。
しかし本発明者が検討したところ、中空壁に設置された柔軟性のある耐火性ブロック等を使用する防火区画貫通部構造は問題があることが判明した。この問題点は次の通りである。
図15に示されるように、前記壁の防火区画を画成する仕切部が中空壁31の場合には、前記中空壁31に設置した最下段にある柔軟性のある耐火性ブロック40が、上段にある柔軟性のある耐火性ブロック40の重量によりたわみ、前記中空壁31の内部へ落下する可能性がある。
また最下段にある柔軟性のある耐火性ブロック40が前記中空壁31の内部へ落下しない場合であっても、前記中空壁31に設置した最下段にある柔軟性のある耐火性ブロック40が防火区画貫通部構造の施工後にたわむと、前記中空壁31の貫通孔内部に設置した柔軟性のある耐火性ブロック40と前記長尺体との間に隙間が生じる可能性がある。また前記中空壁31に設置した最上段の柔軟性のある耐火性ブロック40と、前記中空壁31に設けられた貫通孔との間に隙間が生じる場合も考えられる。
さらには図15に示された防火区画貫通部構造503が火災等の熱にさらされた場合には、前記中空壁31の貫通孔内部に設置した柔軟性のある耐火性ブロック40により形成された膨張残渣が、中空壁31の内部へ落下する場合も考えられる。
先の図13に示される防火区画貫通部構造501および図14に示される防火区画貫通部構造502の場合には、前記柔軟性のある耐火性ブロック40を前記中空壁31の貫通孔内部に設置する前に、それぞれ前記補助支持材50,51を前記中空壁31の内部に設置しておく必要がある。
しかし中空壁31の内部に前記補助支持部材50,51を設置することは容易ではなく、施工に時間を要する問題があった。
しかも図14に示される防火区画貫通部構造502の場合には、前記防火区画貫通部構造502に使用されている中空壁31の内部に前記補助支持部材51が実際に設置されているかどうかを、防火区画貫通部構造502を外部から観察するだけでは確認することが容易ではない。
仮に施工過程における人為的なミスにより前記防火区画貫通部構造502に使用されている中空壁31の内部に前記補助支持部材51が設置されていない場合には、図15の場合に説明したのと同様、前記防火区画貫通部構造502の施工後一定期間経過してから前記中空壁31の貫通孔内部に設置した柔軟性のある耐火性ブロック40と前記長尺体との間等に隙間が生じる可能性がある。
前記防火区画貫通部構造502に前記補助支持部材51が設置されていないと、その構造は図15に示した前記防火区画貫通部構造503と同じになる。そして前記防火区画貫通部構造503に隙間が生じると、前記防火区画貫通部構造503の隙間を火災等に伴う煙、有毒ガス等が通過することが可能となる問題が生じる。
さらに前記防火区画貫通部構造503が実際に火災等の熱にさらされて、前記柔軟性のある耐火性ブロック40による膨張残渣が形成されたとしても、その膨張残渣が前記中空壁31の内部に落下したのでは、前記防火区画貫通部構造503は期待された耐火性能を発揮することができない。
しかもこの問題は前記防火区画貫通部構造503の施工直後は顕在化せず、時間が経過してから顕在化する可能性がある。前記防火区画貫通部構造503に問題が生じていることに気が付かない場合には前記防火区画貫通部構造503が発揮するはずの本来の煙、有毒ガス等の遮断機能、耐火性能等が損なわれる。
このことから前記防火区画貫通部構造503では信頼性が低い問題があった。
本発明の目的は、信頼性が高く、施工が容易である、熱膨張性耐火ブロックを使用した中空壁の防火区画貫通部構造を提供することにある。
上記課題を解決すべく本発明者が鋭意検討した結果、中空壁に設けられた貫通孔を長尺体が挿通し、前記貫通孔の内部と前記長尺体との間に熱膨張性耐火ブロックが設置され、
前記貫通孔の内部に設置された熱膨張性耐火ブロックのうち最下段の熱膨張性耐火ブロックが、最下段の熱膨張性耐火ブロックの上に積まれた熱膨張性耐火ブロックの重量に耐える剛性を有する防火区画貫通部構造が、本発明の目的に適うことを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は、
[1]中空壁に設けられた貫通孔を長尺体が挿通し、前記貫通孔の内部と前記長尺体との間に複数の熱膨張性耐火ブロックが設置され、
前記貫通孔の内部に設置された熱膨張性耐火ブロックのうち最下段の熱膨張性耐火ブロックの少なくとも一つが、剛性板を含み、
最下段の熱膨張性耐火ブロックの全てが、最下段の熱膨張性耐火ブロックの上に積まれた熱膨張性耐火ブロックの重量に耐える剛性を有することを特徴とする、防火区画貫通部構造を提供するものである。
また本発明の一つは、
[2]前記中空壁が、一方の壁部材と他方の壁部材とを平行に対向して形成され、
前記最下段の熱膨張性耐火ブロックが、前記中空壁を形成する一方の壁部材の貫通孔端面と他方の壁部材の貫通孔端面との双方に接して設置され、
前記中空壁の表面に対する垂直方向を基準として、
前記中空壁を形成する一方の壁部材の貫通孔の内側下端部と他方の壁部材の貫通孔の内側下端部とを結ぶ基準線の長さをLとし、
前記最下段の熱膨張性耐火ブロックの最下点の前記基準線からの最大距離をaとしたときに、
最下段の熱膨張性耐火ブロックの有する剛性が(a/L)×100により表わされ、
前記(a/L)×100の値が、0以上10以下の範囲である、上記[1]に記載の防火区画貫通部構造を提供するものである。
また本発明の一つは、
[3]前記熱膨張性耐火ブロックに含まれる前記剛性板が、略水平方向に、前記貫通孔の内部に設置されている、上記[1]または[2]に記載の、防火区画貫通部構造を提供するものである。
また本発明の一つは、
[4]前記剛性板が、熱膨張性耐火シート、不燃材、可燃材および包装材からなる群より選ばれる少なくとも一つからなる、上記[1]〜[3]のいずれかに記載の、防火区画貫通部構造を提供するものである。
また本発明の一つは、
[5]前記不燃材が、無機繊維マットおよび熱膨張性樹脂組成物を分散させた無機繊維マットの少なくとも一方である、上記[4]に記載の、防火区画貫通部構造を提供するものである。
また本発明の一つは、
[6]前記熱膨張性耐火ブロックが、熱膨張性耐火シート、不燃材および可燃材からなる群より選ばれる少なくとも一つを、包装材により包装してなる、上記[4]または[5]に記載の、防火区画貫通部構造を提供するものである。
また本発明の一つは、
[7]前記包装材が、紙、布および合成樹脂フィルムからなる群より選ばれる少なくとも一つである、上記[4]〜[6]のいずれかに記載の、防火区画貫通部構造を提供するものである。
また本発明の一つは、
[8]前記長尺体と前記熱膨張性耐火ブロックとの隙間に、充填補助材が挿入されている、上記[1]〜[7]のいずれかに記載の、防火区画貫通部構造を提供するものである。
本発明に係る防火区画貫通部構造は、前記貫通孔の内部に熱膨張性耐火ブロックを積むことにより得ることができるから、簡単に施工することができる。
本発明に係る防火区画貫通部構造は、前記貫通孔の内部に設置された熱膨張性耐火ブロックのうち最下段の熱膨張性耐火ブロックが、最下段の熱膨張性耐火ブロックの上に積まれた熱膨張性耐火ブロックの重量に耐える剛性を有する。
このため、最下段に設置された熱膨張性耐火ブロックがたわむことにより、中空壁の内部に熱膨張性耐火ブロックが落下することを防止できる。また最下段に設置された熱膨張性耐火ブロックがたわむことにより、熱膨張性耐火ブロック同士の間に隙間ができたり、最上段の熱膨張性耐火ブロックと貫通孔の内面との間に隙間ができたりすることを防止できる。
この様に本発明に係る防火区画貫通部構造は、信頼性に優れる。
また本発明に使用する熱膨張性耐火ブロックが熱膨張性耐火シートを含み、前記熱膨張性耐火シートが略水平方向に前記貫通孔の内部に設置されている場合には、本発明に係る防火区画貫通部構造が火災等の熱にさらされた場合には、前記熱膨張性耐火ブロックが前記中空壁表面と平行な面を基準として上下方向に膨張する。
このため、本発明に使用される中空壁の貫通孔と長尺体との隙間を確実に閉塞することができる。
また、火災等の熱の影響により、前記中空壁を形成する壁部材に、仮に欠けた部分が生じた場合でも、前記熱膨張性耐火ブロックは前記中空壁表面と平行な面を基準として上下方向に膨張することができるから、前記中空壁を形成する壁部材の欠けた部分を閉塞することができる。
図1は、本発明に使用する長尺体および中空壁に形成された貫通孔との関係を説明するための模式要部断面図である。 図2は、本発明に使用する熱膨張性耐火ブロックが、中空壁に形成された貫通孔の内部の最下段に設置された構造を説明するための模式要部断面図である。 図3は、最下段の熱膨張性耐火ブロックの剛性について説明するための模式断面図である。 図4は、中空壁の貫通孔の内部に、熱膨張性耐火ブロックを設置した構造を説明するための模式要部断面図である。 図5は、中空壁の表面に対する垂直方向から第一の実施形態に係る防火区画貫通部構造を観察した構造を例示した模式図である。 図6は、本発明に使用する熱膨張性耐火ブロックを説明するための模式斜視図である。 図7は、実施例1に係る防火区画貫通部構造に使用する熱膨張性耐火ブロックを説明するための模式斜視図である。 図8は、実施例1に係る防火区画貫通部構造の模式断面図である。 図9は、実施例2に使用する熱膨張性耐火ブロックを説明するための模式斜視図である。 図10は、実施例3に使用する熱膨張性耐火ブロックを説明するための模式斜視図である。 図11は、実施例4に使用する熱膨張性耐火ブロックを説明するための模式斜視図である。 図12は、本発明者が検討した防火区画貫通部構造の問題点を説明するための模式断面図である。 図13は、本発明者が検討した防火区画貫通部構造の問題点を説明するための模式断面図である。 図14は、本発明者が検討した防火区画貫通部構造の問題点を説明するための模式断面図である。 図15は、本発明者が検討した防火区画貫通部構造の問題点を説明するための模式断面図である。
以下に図面を参照しつつ、本発明に係る第一の実施形態について説明する。
最初に本発明に使用する長尺体、建築物に設けられた防火区画を画成する仕切部である中空壁、および前記中空壁に形成された貫通孔との関係について説明する。
図1は、本発明に使用する長尺体および中空壁に形成された貫通孔との関係を説明するための模式要部断面図である。
図1に例示される中空壁31に使用される素材としては、例えば、コンクリート、不燃性ボード、鋼板等が挙げられる。
前記不燃性ボードとしては、例えば、無機繊維を成形した無機繊維ボード、耐熱パネル等が挙げられる。
前記無機繊維ボードとしては、例えば、グラスウール、ロックウール、セラミックウール、石膏繊維、炭素繊維、ステンレス繊維、スラグ繊維、シリカアルミナ繊維、アルミナ繊維、シリカ繊維、ジルコニア繊維等の無機繊維を焼結剤、熱可塑性樹脂、接着剤等を使用して成形して得られるボード等が挙げられる。
また前記耐熱パネルとしては、例えば、セメント系パネル、無機セラミック系パネル等が挙げられる。
前記セメント系パネルとしては、例えば、硬質木片セメント板、無機繊維含有スレート板、軽量気泡コンクリート板、モルタル板、プレキャストコンクリート板等が挙げられる。
前記無機セラミック系パネルとしては、例えば、石膏ボード、けい酸カルシウム板、炭酸カルシウム板、ミネラルウール板、窯業系板等が挙げられる。
ここで前記石膏ボードとしては、具体的には焼石膏に鋸屑やパーライト等の軽量材を混入し、両面に厚紙を貼って成形したもので、例えば、普通石膏ボード(JIS A6901準拠:GB−R)、化粧石膏ボード(JIS A6911準拠:GB−D)、防水石膏ボード(JIS A6912準拠:GB−S)、強化石膏ボード(JIS A6913準拠:GB−F)、吸音石膏ボード(JIS A6301準拠:GB−P)等が挙げられる。
前記壁に使用される素材は一種もしくは二種以上を使用することができる。
また本発明に使用する中空壁31に限定はなく、通常中空壁31に使用されるものを適宜選択して使用することができる。
前記中空壁31としては、例えば、金属フレーム、鉄骨等の枠材に、前記耐熱パネル等を固定した構造のもの等が挙げられる。
図1では、厚さ12.5mmの石膏パネル板が2枚重ねて使用されていて、それぞれ一方の壁部材32と他方の壁部材33とにより厚さ10cmの中空壁31が形成されている。
また前記中空壁31には、一方の壁部材32と他方の壁部材33とをそれぞれ水平に貫通する貫通孔10が形成されている。前記貫通孔10は、その内部に長尺体20を挿入できる形状を有する。
図1に例示した様に前記貫通孔10は矩形状に形成されていて、前記貫通孔10を長尺体20が貫通している。
本発明に使用する長尺体20としては、例えば、各種配管、ケーブル等を挙げることができる。
前記各種配管としては、例えば、給排水管、吸排気管、水道管、ガス管、冷暖房用媒体移送管等を挙げることができる。
また前記ケーブルとしては、例えば、CVケーブル、単心ケーブルを2本束ねたCVDケーブル、単心ケーブルを3本束ねたCVTケーブル等の他、他の電源ケーブル、信号ケーブル等を挙げることができる。
例えば、絶縁体として架橋ポリエチレンを使用したCVケーブルで、その公称断面積が250mmのケーブルの場合、導体の外径が約19mmで、その外周の絶縁体の厚さが2.5mm程度、さらに外側のシース厚さが約1.8mmであり、単線の直径は30mm弱程度となっている。
前記長尺体20は、吊りボルト等により天井面から吊下げて支持されたり、壁面から支持されたりして、前記貫通孔10の一定の位置に固定することができる。
また前記長尺体20として、各種配管、ケーブル等を内部に設置するケーブルラック等を使用することもできる。前記ケーブルラック等により、各種配管、ケーブル等を支持することができる。
特に図示してはいないが、本発明に使用できるケーブルラックの具体例としては、例えば、亜鉛鉄板等を折り曲げ形成した金属板材、
アルミニウム押出し材等から梯子状に形成され、左右の縦片を構成する一対の親桁材と、前記親桁材を所定の間隔で連結する多数の横材とを少なくとも備えるもの等を挙げることができる。
前記ケーブルラックの内部に各種配管、ケーブル等を載置することができる構造となっている。ケーブルラックを使用する場合には、前記ケーブルラックは吊りボルト等により天井面から吊下げて支持されたり、壁面から支持されたりして、前記貫通孔10の一定の位置に固定することができる。
図2は、本発明に使用する熱膨張性耐火ブロックが、中空壁に形成された貫通孔の内部の最下段に設置された構造を説明するための模式要部断面図である。
最初に前記中空壁31の一方の壁部材32と他方の壁部材33とのそれぞれに形成された貫通孔10に熱膨張性耐火ブロック100を設置する。
前記熱膨張性耐火ブロック100の上には複数の熱膨張性耐火ブロック100を順次積み上げることができる。図2に図示された前記熱膨張性耐火ブロック100は本発明に使用する複数の熱膨張性耐火ブロック100のうち、最下段に設置されている。
前記最下段の熱膨張性耐火ブロック100は、最下段の熱膨張性耐火ブロック100の上に積まれた熱膨張性耐火ブロック100の重量に耐える剛性を有する。
図2に示されるように前記最下段の熱膨張性耐火ブロック100が、前記中空壁31を形成する一方の壁部材32の貫通孔の内面34と他方の壁部材33の貫通孔の内面35との双方に接して設置されている。
本発明においては、前記最下段の熱膨張性耐火ブロック100の剛性は最下段の熱膨張性耐火ブロック100のたわむ割合により定義される。
図3は最下段の熱膨張性耐火ブロック100の剛性について説明するための模式断面図である。図3では、前記最下段の熱膨張性耐火ブロック100の剛性について説明する便宜上、前記熱膨張性耐火ブロック100が大きくたわんでいる様子を強調して図示してある。
前記中空壁31の表面に対する垂直方向を基準として、前記中空壁31を形成する一方の壁部材32の貫通孔10の内面34と他方の壁部材33の貫通孔10の内面35とを結ぶ基準線の長さをLとする。図3においては前記Lは、一点破線A−AおよびB−B間の距離に対応する。また前記基準線は、一点破線C−Cの一部に対応する。
前記最下段の熱膨張性耐火ブロック100の最下点101の前記基準線からの最大距離をaとする。図3においては前記aは、一点破線C−CおよびD−Dの距離に対応する。
この場合、最下段の熱膨張性耐火ブロック100の有する剛性は(a/L)×100(式1)により表わされる。
本発明において最下段の熱膨張性耐火ブロック100の有する剛性が大きいときは、(a/L)×100の値は小さくなる。
本発明においては、前記(a/L)×100の値は0以上10以下の範囲であることが好ましく、0以上5以下の範囲であればより好ましく、0以上3以下の範囲であればさらに好ましい。
前記(a/L)×100の値は0以上10以下の範囲であれば、図2に図示された前記熱膨張性耐火ブロック100は、中空壁31の内部に落下すること、大きくたわむこと等を回避することができる。
図4は、中空壁31の貫通孔10の内部に、熱膨張性耐火ブロック100を設置した構造を説明するための模式要部断面図である。
本発明に係る第一の防火区画貫通部構造1は、前記貫通孔10の内部に設置された熱膨張性耐火ブロックのうち前記最下段の熱膨張性耐火ブロック100の少なくとも一つは剛性板を含む。
このため、前記貫通孔10の内部に設置された熱膨張性耐火ブロック100のうち前記最下段の熱膨張性耐火ブロック100の全ては、前記最下段の熱膨張性耐火ブロック100の上に積まれた熱膨張性耐火ブロック100の重量に耐える剛性を有する。
また前記熱膨張性耐火ブロック100同士、前記熱膨張性耐火ブロック100と長尺20との間、前記熱膨張性耐火ブロック100と前記貫通孔10の内面との間に隙間が生じることを防ぐことができる。
前記最下段の熱膨張性耐火ブロック100は、前記最下段の熱膨張性耐火ブロック100全体として剛性を発揮することができればよい。
前記最下段の熱膨張性耐火ブロック100は全てが剛性板を備えることが好ましく、本発明に使用する熱膨張性耐火ブロック100の全てが剛性板を備えることがより好ましい。
図5は、中空壁31の表面に対する垂直方向から第一の実施形態に係る防火区画貫通部構造を観察した構造を例示した模式図である。
前記長尺体20と前記熱膨張性耐火ブロック100との隙間には複数の充填補助材200が挿入されている。
図5に示されるように、前記長尺体20と前記貫通孔10の内部との隙間は、前記熱膨張性耐火ブロック100および前記充填補助材200により隙間なく充填されている。
次に本発明に使用する熱膨張性耐火ブロックについて説明する。
本発明に使用する熱膨張性耐火ブロックは、図5に示した前記貫通孔10の内部の最下段に設置する少なくとも一つが剛性板を有することが必要である。
前記剛性板としては、例えば、剛性が高い熱膨張性耐火材、剛性が高い不燃材、剛性が高い可燃材、剛性が高い包装材等が挙げられる。
ここで「剛性が高い」とは、本発明に係る防火区画貫通部構造に使用される最下段の熱膨張性耐火ブロックの全てが先に示した式1を満たすことをいう。
前記熱膨張性耐火材としては、例えば、エポキシ樹脂、ブチルゴム等の樹脂成分、熱膨張性黒鉛、リン化合物、無機充填材等を配合した熱膨張性樹脂組成物を、3〜20mmの厚みに成形した熱膨張性耐火シート、
無機繊維を使用して前記熱膨張性樹脂組成物を分散した水中で前記無機繊維を膠着させる操作を繰り返して得られる、熱膨張性樹脂組成物が分散した無機繊維マット、
無機繊維マットを使用して前記熱膨張性樹脂組成物を分散した有機溶剤中で前記無機繊維マットを含浸させる操作を繰り返して得られる、熱膨張性樹脂組成物が分散した無機繊維マット等を挙げることができる。
前記熱膨張性耐火シートは市販品を適宜選択して使用することができる。この様な市販品としては、例えば、積水化学工業社製のフィブロック(登録商標。エポキシ樹脂やゴムと、熱膨張性黒鉛等を含有する樹脂組成物を含むシート材料)、住友スリーエム社製のファイアバリア(クロロプレンゴムとバーキュライトを含有する樹脂組成物からなるシート材料、膨張率:3倍、熱伝導率:0.20kcal/m・h・℃)、三井金属塗料化学社製のメジヒカット(ポリウレタン樹脂と熱膨張性黒鉛を含有する樹脂組成物からなるシート材料、膨張率:4倍、熱伝導率:0.21kcal/m・h・℃)等が挙げられる。
前記不燃材としては、例えば、無機繊維マット、無機パネル、金属板、金属網等が挙げられる。
本発明に使用する無機繊維としては、例えば、機繊維としては、例えば、グラスウール、ロックウール、セラミックウール、石膏繊維、炭素繊維、ステンレス繊維、スラグ繊維、シリカアルミナ繊維、アルミナ繊維、シリカ繊維、ジルコニア繊維等が挙げられる。
前記無機繊維は、一種もしくは二種以上を使用することができる。
また無機パネルは、先の中空壁に説明した場合と同様のものを使用することができる。
前記無機パネルは、一種もしくは二種以上を使用することができる。
また前記金属板、金属網等に使用される金属としては、例えば、鋼、鉄、銅、アルミの一種もしくは二種以上が挙げられる。前記金属は合金であってもよく、前記の素材に、クロム、マンガン、ニッケル、亜鉛、錫等の金属を含有するものであってもよい。
前記合金は、一種もしくは二種以上を使用することができる。
前記可燃材としては、例えば、合成樹脂板、段ボール、厚紙等が挙げられる。
本発明に使用する合成樹脂としては、例えばポリ塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、アクリル樹脂、ABS樹脂、ポリフッ化ビニリデン樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂等が挙げられる。
前記段ボール、厚紙等等に使用される紙としては、クラフト紙、和紙、Kライナー紙、離型基材等が挙げられる。
前記可燃材は、一種もしくは二種以上を使用することができる。
前記包装材としては、例えば、紙、布、合成樹脂フィルム等を挙げることができる。
前記紙は、先の段ボール、厚紙の場合と同様である。
前記布としては、例えば、織布、不織布等を挙げることができる。織布、不織布等に使用する繊維としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ナイロン、ポリ塩化ビニル、セルロース繊維等を挙げることができる。
前記合成樹脂フィルムとしては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアミド、ポリエステル、ナイロン、アクリル、塩化ビニル、塩化ビニリデン等を原料とするフィルムを挙げることができる。
前記包装材は、一種もしくは二種以上を使用することができる。
次に本発明に使用する熱膨張性耐火ブロックの具体例について説明する。
図6は、本発明に使用する熱膨張性耐火ブロックを説明するための模式斜視図である。
図6(a)に例示される熱膨張性耐火ブロック110は、熱膨張性耐火シート60と無機繊維マット70との積層体である。
図6(b)に例示される熱膨張性耐火ブロック120は、熱膨張性耐火シート60を二つの無機繊維マット70によりはさんだ積層体である。
図6(a)および図6(b)にそれぞれ示される前記熱膨張性耐火ブロック110および前記熱膨張性耐火ブロック120の場合は、前記熱膨張性耐火シート60が剛性板である。そして前記無機繊維マット70が前記熱膨張性耐火シート60を支えることにより、より剛性を発揮することができる。
前記熱膨張性耐火ブロック110および前記熱膨張性耐火ブロック120の剛性を高めるためには、例えば、前記熱膨張性耐火シート60として厚いものを選択すればよい。前記熱膨張性耐火シート60は一枚のものを使用してもよいし、薄いものを複数重ねて使用してもよい。
前記熱膨張性耐火シート60の厚みは、複数重ねて使用する場合も含めて3〜50mmの範囲であることが好ましい。
また前記無機繊維マット70として硬質のものを使用することによっても前記熱膨張性耐火ブロック110および前記熱膨張性耐火ブロック120の剛性を高めることができる。
図6(c)に例示される熱膨張性耐火ブロック130は、熱膨張性樹脂組成物が分散された無機繊維マット80からなる。
前記熱膨張性耐火ブロック130の場合は、前記熱膨張性樹脂組成物が分散された無機繊維マット80が剛性板となる。
前記熱膨張性耐火ブロック130の剛性を高めるためには、例えば、前記熱膨張性樹脂組成物に含まれる樹脂成分が、無機繊維マットに分散されたときに強度を高めるものを選択すればよい。この様な樹脂成分としては、例えば、熱硬化性樹脂等が挙げられる。
また前記熱膨張性樹脂組成物が分散された無機繊維マット80として硬質のものを使用することによっても前記熱膨張性耐火ブロック130の剛性を高めることができる。
図6(d)に例示される熱膨張性耐火ブロック140は、熱膨張性耐火シート60、無機繊維マット70、および合成樹脂板81との積層体である。
図6(e)に例示される熱膨張性耐火ブロック150は、熱膨張性耐火シート60、無機繊維マット70、および金属網82との積層体である。
図6(f)に例示される熱膨張性耐火ブロック160は、熱膨張性耐火シート60、無機繊維マット70、および段ボール83との積層体である。
図6(d)、図6(e)および図6(f)にそれぞれ示される前記熱膨張性耐火ブロック140〜前記熱膨張性耐火ブロック160の場合は、それぞれ前記合成樹脂板81、前記金属網82および前記段ボール83が剛性板である。
使用する前記合成樹脂板81、前記金属網82および前記段ボール83の強度に応じて厚みを調整することにより、前記剛性板の強度を調整することができる。
図6(g)に例示される熱膨張性耐火ブロック170は、前記熱膨張性耐火ブロック110〜160を包装材90により包装したものである。
前記包装材90の底面に、例えば段ボール等の強度のある紙等を設置することにより、前記包装材90を剛性板とすることもできる。
次に本発明に使用する充填補助材について説明する。
前記充填補助材は、本発明に係る防火区画貫通部構造に使用される長尺体と熱膨張性耐火ブロックとの隙間、熱膨張性耐火ブロック同士の隙間、熱膨張性耐火ブロックと貫通孔との隙間に挿入されて使用される。
前記充填補助材の具体例としては、例えば、パテ材、棒状の熱膨張性樹脂組成物成形体、無機繊維これらを合成樹脂袋等に封入した袋体等が挙げられる。
前記パテ材としては、例えば、JIS A5758により規定されている建築用シーリング材、JIS A6914により規定されている石膏ボード用目地処理材、モルタル等が挙げられる。
前記パテ材は、クロロプレンゴム等のゴムやシリコーン等に充填材、難燃剤等を配合してなるパテ、コーキング等であれば好ましい。
以下に実施例により、図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、本発明はこれらの実施例により何ら限定されるものではない。
図7は、実施例1に係る防火区画貫通部構造2に使用する熱膨張性耐火ブロックを説明するための模式斜視図である。
実施例1に係る防火区画貫通部構造2に使用する熱膨張性耐火ブロック170は、熱膨張性耐火シート60と無機繊維マット70とが積層されている。
前記熱膨張性耐火シート60は、ブチルゴム、熱膨張性黒鉛等を含む熱膨張性樹脂組成物を成形して得られるものであり(登録商標フィブロック。積水化学工業社製)、厚さが4mmである。
また無機繊維マット70は密度が120kg/m、厚さが50mmのロックウールからなる。
前記熱膨張性耐火シート60を上にし、前記無機繊維マット70を下にして、前記熱膨張性耐火シート60および前記無機繊維マット70をポリエステル不織布からなる包装材90により包装し、市販の接着剤により前記包装材90を固定した。
図8は、中空壁を垂直に切断した断面を示したものであり、実施例1に係る防火区画貫通部構造2の模式断面図である。
図8では、厚さ12.5mmの石膏パネル板が2枚重ねて使用されていて、それぞれ一方の壁部材32と他方の壁部材33とにより厚さが10cmの中空壁31が形成されている。
また前記中空壁31には、一方の壁部材32と他方の壁部材33とをそれぞれ水平に貫通する貫通孔10が形成されている。前記貫通孔10は、その内部に長尺体20を挿入できる形状を有する。
図8に例示した様に前記貫通孔10は矩形状に形成されていて、前記貫通孔10を長尺体20が貫通している。
図8では、前記長尺体20として複数のケーブル管が設置されている。
最下段に設置された前記熱膨張性耐火ブロック170は、一方の壁部材32と他方の壁部材33の両方に接して設置されている。また一方の壁部材32と他方の壁部材33の間には、最下段に設置された前記熱膨張性耐火ブロック170を支持するものはなく、一方の壁部材32、他方の壁部材33および最下段に設置された前記熱膨張性耐火ブロック170により、空間41が形成されている。
前記熱膨張性耐火ブロック170は、内部の前記熱膨張性耐火シート60が略水平に保たれている。また前記熱膨張性耐火シート60は、前記熱膨張性耐火ブロック170の内部で、前記熱膨張性耐火シート60側が前記長尺体に向くように設置されている。
なお本発明では、「略水平」とは、水平面を基準として、前記中空壁表面の垂線方向、および前記垂線と直交する方向に−5〜5度の角度の範囲内にあることをいう。
また先に説明した式(1)により表される最下段の熱膨張性耐火ブロック170の有する剛性は(a/L)×100の値で3未満となる。
前記貫通孔10の内部に前記熱膨張性耐火ブロック170を順次積み上げた。
また前記長尺体20と前記熱膨張性耐火ブロック170との隙間に、充填補助材200を挿入した。実施例1に使用した充填補助材200は、熱膨張性樹脂組成物を棒状に成形したものを、ポリエチレンからなる合成樹脂袋により封入した袋体からなる。
前記充填補助材200を前記長尺体20と前記熱膨張性耐火ブロック170との隙間に挿入することにより、前記貫通孔10の内部を隙間なく閉塞することができる。
実施例1に係る防火区画貫通部構造2は、簡単に施工することができる。
また前記中空壁31の一方の壁部材32と他方の壁部材33の空間41に前記熱膨張性耐火ブロック170が落下したり、落ち込んだりすることがなく、中空壁31を使用した場合でも信頼性が高い。
また実施例1に係る防火区画貫通部構造2が火災等の熱にさらされた場合には、前記熱膨張性耐火ブロック170の前記熱膨張性耐火シート60が膨張残渣を形成する。この膨張残渣と前記無機繊維マット70とが前記中空壁31の貫通孔10内部を閉塞する。
また前記中空壁31の一方の壁部材32と他方の壁部材33のいずれか、または両方が火災等の熱によりひびが入り欠ける部分が生じた場合でも、前記熱膨張性耐火ブロック170は前記中空壁31の表面の上方向と下方向の少なくとも二方向に膨張する。このため前記中空壁31の一方の壁部材32と他方の壁部材33のいずれか、または両方が火災等の熱によりひびが入り欠ける部分が生じた場合でもその欠けた部分を前記熱膨張性耐火シート60による膨張残渣と前記無機繊維マット70が閉塞する。
このため実施例1に係る防火区画貫通部構造2は耐火性に優れる。
実施例2は、実施例1に使用した前記熱膨張性耐火ブロック170に代えて、熱膨張性耐火ブロック171を使用した他は、実施例1との場合と同様である。
図9は、実施例2に使用する熱膨張性耐火ブロックを説明するための模式斜視図である。
図9に示されるように、密度が120kg/m、厚さが50mmのロックウールからなる無機繊維マット70の周囲を、厚さが4mmであり、ブチルゴム、熱膨張性黒鉛等を含む熱膨張性樹脂組成物を成形して得られる熱膨張性耐火シート60(登録商標フィブロック。積水化学工業社製)を巻き付けた。
次に前記熱膨張性耐火シート60が巻き付けられた無機繊維マット70を、ポリエステル不織布からなる包装材90により包装し、市販の接着剤により前記包装材90を固定して、熱膨張性耐火ブロック171を得た。
次に実施例1の場合と同様に、前記熱膨張性耐火ブロック171を前記中空壁31の貫通孔10内部に設置した。
実施例2に使用する熱膨張性耐火ブロック171は、側面にも前記熱膨張性耐火シート60が設置されているため上下方向の強度が向上して、前記熱膨張性耐火ブロック171を積み上げた場合でも、上部の熱膨張性耐火ブロック171を支えることができる。このため、中空壁31の貫通孔10の内部に設置された最下段の熱膨張性耐火ブロック171がたわむことを緩和することができる。
さらに実施例2に係る防火区画貫通部構造3が火災等の熱にさらされた場合には、上下方向に効率よく熱膨張性耐火シート60による膨張残渣が形成されるため、前記防火区画貫通部構造3は耐火性に優れる。
実施例3は、実施例1に使用した前記熱膨張性耐火ブロック170に代えて、熱膨張性耐火ブロック172を使用した他は、実施例1との場合と同様である。
図10は、実施例3に使用する熱膨張性耐火ブロックを説明するための模式斜視図である。
図10に示されるように、密度が120kg/m、厚さが50mmのロックウールからなる二枚の無機繊維マット70により、厚さが4mmであり、ブチルゴム、熱膨張性黒鉛等を含む熱膨張性樹脂組成物を成形して得られる熱膨張性耐火シート60(登録商標フィブロック。積水化学工業社製)を間にはさんで積層した。
次に前記無機繊維マット70−前記熱膨張性耐火シート60−前記無機繊維マット70からなる積層体を、ポリエステル不織布からなる包装材90により包装し、市販の接着剤により前記包装材90を固定して、熱膨張性耐火ブロック172を得た。
得られる熱膨張性耐火ブロック172は実施例1に使用した熱膨張性耐火ブロック170よりも剛性が高い。このため実施例3に係る防火区画貫通部構造4は、より信頼性に優れる。
実施例4は、実施例1に使用した前記熱膨張性耐火ブロック170に代えて、熱膨張性耐火ブロック173を使用した他は、実施例1との場合と同様である。
図11は、実施例4に使用する熱膨張性耐火ブロックを説明するための模式斜視図である。
ロックウールに、ブチルゴム、熱膨張性黒鉛等を含む熱膨張性樹脂組成物を分散させることにより、熱膨張性樹脂組成物を分散させた無機繊維マット80を得た。使用した熱膨張性樹脂組成物の組成は、実施例1に使用した熱膨張性耐火シート60と同じである。また前記ロックウールの密度は120kg/m、厚さが50mmである。
次に熱膨張性樹脂組成物を分散させた無機繊維マット80を、ポリエステル不織布からなる包装材90により包装し、市販の接着剤により前記包装材90を固定して、熱膨張性耐火ブロック173を得た。
得られる熱膨張性耐火ブロック173は実施例1に使用した熱膨張性耐火ブロック170よりも均等に熱膨張性樹脂組成物が存在している。このため前記熱膨張性耐火ブロック173は、中空壁31の表面の上下方向のみならず左右方向、前後方向にも広がる性質を有するため、複雑な形状の貫通孔10に使用するのに適している。
本発明の防火区画貫通部構造は、中空壁に対して簡単に耐火機能を付与することができる。このため建築物等の防火性をより効率よく高めることができる。
1,2,3,4,500,501,502,503 防火区画貫通部構造
10 貫通孔
20 長尺体
30 中実壁
31 中空壁
32,33 壁部材
34,35 貫通孔の内面
40 耐火性ブロック
41 空間
50,51 補助支持材
60 熱膨張性耐火シート
70 無機繊維マット
80 熱膨張性樹脂組成物を分散させた無機繊維マット
81 合成樹脂板
82 金属網
83 段ボール
90 包装材
100,110,120,130,140,150,160,170,171,172,173 熱膨張性耐火ブロック
101 熱膨張性耐火ブロックの最下点
200 充填補助材
a 熱膨張性耐火ブロックの基準線からの最大距離
L 基準線の長さ

Claims (8)

  1. 中空壁に設けられた貫通孔を長尺体が挿通し、前記貫通孔の内部と前記長尺体との間に複数の熱膨張性耐火ブロックが設置され、
    前記貫通孔の内部に設置された熱膨張性耐火ブロックのうち最下段の熱膨張性耐火ブロックの少なくとも一つが、剛性板を含み、
    最下段の熱膨張性耐火ブロックの全てが、最下段の熱膨張性耐火ブロックの上に積まれた熱膨張性耐火ブロックの重量に耐える剛性を有することを特徴とする、防火区画貫通部構造。
  2. 前記中空壁が、一方の壁部材と他方の壁部材とを平行に対向して形成され、
    前記最下段の熱膨張性耐火ブロックが、前記中空壁を形成する一方の壁部材の貫通孔端面と他方の壁部材の貫通孔端面との双方に接して設置され、
    前記中空壁の表面に対する垂直方向を基準として、
    前記中空壁を形成する一方の壁部材の貫通孔の内側下端部と他方の壁部材の貫通孔の内側下端部とを結ぶ基準線の長さをLとし、
    前記最下段の熱膨張性耐火ブロックの最下点の前記基準線からの最大距離をaとしたときに、
    最下段の熱膨張性耐火ブロックの有する剛性が(a/L)×100により表わされ、
    前記(a/L)×100の値が、0以上10以下の範囲である、
    請求項1に記載の防火区画貫通部構造。
  3. 前記熱膨張性耐火ブロックに含まれる前記剛性板が、略水平方向に、前記貫通孔の内部に設置されている、請求項1または2に記載の、防火区画貫通部構造。
  4. 前記剛性板が、熱膨張性耐火シート、不燃材、可燃材および包装材からなる群より選ばれる少なくとも一つからなる、請求項1〜3のいずれかに記載の、防火区画貫通部構造。
  5. 前記不燃材が、無機繊維マットおよび熱膨張性樹脂組成物を分散させた無機繊維マットの少なくとも一方である、請求項4に記載の、防火区画貫通部構造。
  6. 前記熱膨張性耐火ブロックが、熱膨張性耐火シート、不燃材および可燃材からなる群より選ばれる少なくとも一つを、包装材により包装してなる、請求項4または5に記載の、防火区画貫通部構造。
  7. 前記包装材が、紙、布および合成樹脂フィルムからなる群より選ばれる少なくとも一つである、請求項4〜6のいずれかに記載の、防火区画貫通部構造。
  8. 前記長尺体と前記熱膨張性耐火ブロックとの隙間に、充填補助材が挿入されている、請求項1〜7のいずれかに記載の、防火区画貫通部構造。
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