JP2019100148A - 区画貫通処理キット、区画貫通構造、及び区画貫通構造の施工方法 - Google Patents

区画貫通処理キット、区画貫通構造、及び区画貫通構造の施工方法 Download PDF

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彰人 土肥
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Abstract

【課題】挿通物の損傷を防止できるとともに、簡便に貫通孔の耐火処置をすることが可能な区画貫通処理キットを提供する。【解決手段】本発明の区画貫通処理キットは、区画体2の貫通孔5に挿通物3が挿通される区画貫通構造1を施工するために使用される。区画貫通処理キットは、貫通孔5を形成するために使用される筒状の型枠7と、耐火性を有する緩衝材4とを備え、型枠7の周回りに緩衝材4の長手方向の一方側が固定されている。【選択図】図1

Description

本発明は、区画体の貫通孔に挿通物が挿通される区画貫通構造を施工するために使用される区画貫通処理キット、当該区画貫通処理キットを用いて施工されている区画貫通構造、及び前記区画貫通処理キットを用いて、区画貫通構造を施工する方法に関する。
従来、建物の内部を区画する床や壁等の区画体をコンクリートを用いて施工する際に、区画体に貫通孔を形成して、貫通孔にケーブル等の挿通物を通すことが行われている。また火災時における貫通孔を介する延焼を防止すべく、区画体の貫通孔に耐火材を設置することが行われている(例えば特許文献1)。
図7や図8は、上記のように、貫通孔100にケーブル101が挿通されて、貫通孔100に耐火材Tが設置される床102の従来の施工方法を示している(図8(c)に床102の完成形を示す)。
床102は、埋設型のデッキプレート103や筒状の型枠104を用いて形成される。デッキプレート103は床102の下面を構成する。型枠104はプレート103上に固定される。
床102を施工する際には、図7(a)に示すように、上記のプレート103や型枠104が施工箇所に設置された状態で、型枠104の周囲にコンクリートCが打設される。
ついで図7(b)に示すように、プレート103に開口105が形成される。開口105は、型枠104の内部106の下側に形成されるものであり、この開口105が形成されることで、型枠104の内部106と開口105とからなる貫通孔100が形成される。なお電気工具を用いて開口105が形成されることで、開口105の内面105aはギザギザした粗い面となる。
ついで図7(c)に示すように、布団や毛布等である緩衝材110で、開口105の内面105aを覆うことが行われる。例えば、クリップ(図示せず)を用いて緩衝材110の一方側を型枠104の上部に固定し、この固定位置から緩衝材110を貫通孔100に垂れ下げることで、開口105の内面105aが緩衝材110で覆われる。
ついで図8(a)に示すように、貫通孔100にケーブル101が挿通される。この際には、開口105の内面105aが緩衝材110で覆われていることで、開口105の内面105aのギザギザによって、ケーブル101が損傷することが防止される。
ついで図8(b)に示すように、緩衝材110が取り外される。
ついで図8(c)に示すように、貫通孔100の内面とケーブル101の外面との間に耐火材Tが設置される。
特開2014−129700号公報
ところで上記従来の施工方法では、図8(a)の工程で貫通孔100にケーブル101を通した後では、緩衝材110が不要なものとなる。このため続く図8(b)の工程で、緩衝材110を取り外す必要がある。また上記従来の施工方法では、貫通孔100の耐火処理のために、耐火材Tを設置することが必須とされる。以上のことから上記従来の施工方法は多大な手間を要していた。
本発明は、上記事項に鑑みてなされたものであって、その目的は、貫通孔に挿通物が挿通される区画体を施工するために使用される区画貫通処理キットであって、挿通物の損傷を防止できるとともに、簡便に貫通孔の耐火処置をすることが可能な区画貫通処理キット、当該区画貫通処理キットを用いて区画体を施工する方法、及び区画貫通処理キットを用いて区画体を提供することである。
上記目的を達成するため、本発明は、次の項に記載の主題を包含する。
項1.区画体の貫通孔に挿通物が挿通される区画貫通構造を施工するために使用される区画貫通処理キットであって、
前記貫通孔を形成するために使用される筒状の型枠と、
耐火性を有する緩衝材とを備え、
前記型枠の周回りに前記緩衝材の長手方向の一方側が固定されている区画貫通処理キット。
項2.前記緩衝材は、前記型枠に対応した筒状を呈している項1に記載の区画処理キット。
項3.前記緩衝材は、長手方向に巻き回されて、前記型枠内に収容されている項1に又は2に記載の区画処理キット。
項4.前記緩衝材は、耐火性を有するゴムシート或いはアルミガラスクロスから形成されている項1乃至3のいずれかに記載の区画貫通処理キット。
項5.項1乃至4のいずれかに記載の区画貫通処理キットを用いて施工されている区画貫通構造であって、
貫通孔が形成される区画体と、
前記貫通孔に挿通される挿通物とを備え、
前記区画体は、外面をなすプレートに前記型枠が固定されて、前記型枠の周囲にコンクリートが打設されるものであり、前記型枠の内部及び前記プレートの開口によって前記貫通孔が構成され、
前記緩衝材が前記型枠の径方向に延ばされて、前記緩衝材の長手方向の他方側が前記挿通物に固定されることで、前記貫通孔の内面と前記挿通物の外面との間が前記緩衝材によって塞がれている区画貫通構造。
項6.前記貫通孔の内面と前記挿通物の外面との間に設置される耐火材をさらに備える項5に記載の区画貫通構造。
項7.項1乃至4のいずれかに記載の区画貫通処理キットを用いて、区画貫通構造を施工する方法であって、
前記区画貫通構造は、
貫通孔が形成される区画体と、
前記貫通孔に挿通される挿通物とを備え、
前記型枠をプレートに固定して、前記型枠の周囲にコンクリートを打設する第1工程と、
前記型枠の内部と連通する開口を前記プレートに形成することで、前記型枠の内部及び前記プレートの開口からなる前記貫通孔を形成する第2工程と、
前記開口の内面を前記緩衝材で覆う第3工程と、
前記開口の内面が前記緩衝材で覆われた状態で、前記貫通孔に前記挿通物を挿通する第4工程と、
前記緩衝材を前記貫通孔の径方向に延ばして、前記緩衝材の長手方向の他方側を前記挿通物に固定することで、前記貫通孔の内面と前記挿通物の外面との間を前記緩衝材で塞いだ状態にする第5工程と、
を有する施工方法。
項8.前記第1工程では、前記緩衝材が長手方向に巻き回されて前記型枠内に収容された状態で、前記型枠を前記プレートに固定することが行われ、
前記第3工程では、前記巻き回されている緩衝材を延ばすことで、前記開口の内面が前記緩衝材で覆われる項7に記載の施工方法。
項9.前記第5工程において、前記貫通孔の内面と前記挿通物の外面との間に耐火材を設置する工程をさらに有する項7又は8に記載の施工方法。
本発明の実施形態に係る区画貫通構造を示す概略断面図である。 本発明の実施形態に係る区画貫通処理キットを示す概略斜視図である。 本発明の実施形態に係る区画貫通処理キットを示す概略斜視図である。 本発明の実施形態に係る区画貫通処理キットを用いて、区画貫通構造を施工する方法を示す概略斜視図である。 本発明の実施形態に係る区画貫通処理キットを用いて、区画貫通構造を施工する方法を示す概略斜視図である。 本発明の変形例に係る区画貫通構造を示す概略断面図である。 貫通孔にケーブルが挿通されて、貫通孔に耐火材が設置される床の従来の施工方法を示す概略断面図である。 貫通孔にケーブルが挿通されて、貫通孔に耐火材が設置される床の従来の施工方法を示す概略断面図である。
以下、本発明の実施の形態について、添付図面を参照しながら説明する。図1は、本発明の実施形態に係る区画貫通構造を示す概略断面図である。
図1に示すように、区画貫通構造1は、区画体2と、挿通物3と、緩衝材4とを備える。
区画体2は、建物の内部を区画する床または壁である。図示例では、区画体2は、水平方向に延びて、建物内を階上と階下とに区画する床とされている。区画体2には、階上と階下を連通させる貫通孔5が形成されており、貫通孔5には配管又は配線である挿通物3が挿通される。
上記の配管は、例えば、給配水管、吸排気管、水道管、ガス管、冷暖房用の媒体移送管である。上記の配線は、例えば、絶縁体として架橋ポリエチレンを使用したCVケーブル、単心ケーブルを2本束ねたCVDケーブル、単心ケーブルを3本束ねたCVTケーブル等の他、他の電源ケーブル、信号ケーブルである。
区画体2は、埋設型のデッキプレート103や、埋設型の筒状の型枠104を用いて形成される。デッキプレート6は区画体2の下面を構成する。型枠7はプレート6上に固定されるものであり、型枠7の周囲にコンクリートCが打設される。貫通孔5は、型枠7の内部8とプレート6の開口9とから構成される(後述の図4(c)参照)。
緩衝材4は、貫通孔5の径方向に延ばされて、平面視で貫通孔5の内面と挿通物3の外面との間を塞ぐものである。緩衝材4は、耐火性を有しており、火災時に貫通孔5を介する延焼を防止する。
図2や図3は、本発明の実施形態に係る区画貫通処理キット10を示す概略斜視図である。区画貫通処理キット10は、図1に示す区画貫通構造1を施工するために使用される。以下、区画貫通処理キット10について説明する。
区画貫通処理キット10は、上記の型枠7と緩衝材4とを備えている(図2は、緩衝材4を長手方向に延ばした状態を示し、図3は緩衝材4を長手方向に巻き回した状態を示す)。
上述したように、型枠7は、筒状を呈しており、その内部8が貫通孔5を構成するものである(図4(c)参照)。型枠7は、断面矩形の筒状を呈する枠本体70と、枠本体70の下端から内外に突出する鍔部71とを有する。図1に示すように、型枠7は、デッキプレート6の上面に設置されて、ビスやボルト(図示せず)等により鍔部71がデッキプレート6に固定される。
型枠7やデッキプレート6は、例えば、鉄、鋼、銅、アルミ等の金属から形成されるものであり、上記金属には、クロム、マンガン、ニッケル、亜鉛、錫の1種或いは2種以上が含有されてもよい。なお型枠7とデッキプレート6とは、同一の材料から形成されることが好ましい。
緩衝材4は、耐火性を有するゴムシートやアルミガラスクロスから形成される。緩衝材4は、型枠7に対応する筒状を呈しており、緩衝材4の周回りの長さは、型枠7の周回り(型枠7の内周回り或いは外周回り)の長さと同等とされる。緩衝材4の長手方向の一方側4a(図2)は、型枠7の周回りに固定される。この固定は、粘着テープを用いて緩衝材4のの一方側4aの外周面を、型枠7の内周面、上端面、或いは外周面に貼り付けること、或いは、ビスを用いて緩衝材4の一方側4aを型枠7に固定すること等により行われる。
区画貫通構造1の施工のために区画貫通処理キット10が使用される以前では、図3に示すように、緩衝材4は、長手方向に巻き回されて、型枠7内に収容される。これは、緩衝材4の損傷を防止することや、区画貫通処理キット10の運搬を容易にすること等を目的とする。なお緩衝材4を巻き回した状態は、マジックテープ(登録商標)を用いて緩衝材4の外周を内周に留めることや、緩衝材4の周回りを紐で縛ること等によって維持される。
図4や図5は、区画貫通処理キット10を用いて、区画貫通構造1を施工する方法を示す概略図である。以下、図4や図5を参照して、区画貫通構造1の施工方法を説明する。
まず図4(a)に示すように、緩衝材4が長手方向に巻き回されて型枠7内に収容された状態で、型枠7をプレート6上に固定するとともに、型枠7の周囲にコンクリートCを打設することが行われる(第1工程)。
ついで図4(b)に示すように、プレート6に開口9が形成される(第2工程)。開口9は、型枠7の内部8の下側に形成されて、型枠7の内部8と連通するものであり、この開口9が形成されることで、型枠7の内部8と開口9とからなる貫通孔5が形成される。なおこの際には、電気工具を用いて開口9が形成されることで、開口9の内面9aは、ギザギザのある粗い面となる。
ついで図4(c)に示すように、巻き回されている緩衝材4を下方に延ばすことで、開口9の内面9aを緩衝材4で覆った状態にする(第3工程)。この際には開口9の内面9aを緩衝材4で覆えるように、緩衝材4の一部が型枠7の外側(型枠7の下側)に延び出るように、緩衝材4は長手方向に延ばされる。
ついで図5(a)に示すように、開口9の内面9aが緩衝材4で覆われた状態で、挿通物3を貫通孔5に挿通させることが行われる(第4工程)。この際には、開口9の内面9aが緩衝材4で覆われることで、開口9の内面9aのギザギザによって挿通物3に損傷が生じることが防止される。
ついで図5(b)に示すように、貫通孔5の径方向に緩衝材4を延ばして、緩衝材4の長手方向の他方側4bを挿通物3に固定することが行われる(第5工程)。これにより、平面視で貫通孔5の内面と挿通物3の外面との間が緩衝材4で塞がれた状態になる。なお挿通物3への緩衝材4の固定は、粘着テープやビス等を用いて行われる。
以上の作業により区画貫通構造1が完成する。この区画貫通構造1では、貫通孔5の内面と挿通物3の外面との間が緩衝材4によって塞がれることで、火災時に貫通孔5を介する延焼が防止される。
以上説明した実施形態によれば、緩衝材4が耐火性を有することで、挿通物3の損傷を防止できるとともに、簡便に貫通孔5に耐火処置をすることが可能である。
つまり、図4(c)の第3工程で開口9の内面9aを緩衝材4で覆うことで、図5(a)の第4工程で挿通物3を貫通孔5に挿通する際に、開口9の内面9aのギザギザで挿通物3に損傷が生じることを防止できる。そして緩衝材4が耐火性を有することで、図5(a)の第4工程で挿通物3を貫通孔5に挿通した後においても、緩衝材4を貫通孔5の耐火処置のために使用できる(貫通孔5の内面と挿通物3の外面との間を塞ぐ手段として、緩衝材4を使用できる)。このため従来の施工方法のように緩衝材4を取り外す工程を要しない(図8(b)のような工程を要しない)。
そして上記のように緩衝材4が貫通孔5の耐火処置に使用できることで、従来の施工方法のように、耐火材を貫通孔5に設置する工程が必須とされない(図8(c)のような工程を要しない)。
以上のことから、本実施形態によれば、挿通物3の損傷を防止できるとともに、簡便に貫通孔5の耐火処置をすることが可能とされる。
また本実施形態によれば、貫通孔5の内面と挿通物3の外面との間が緩衝材4によって塞がれることで、貫通孔5から物体が落下することも防止される。
なお本発明は、上記実施形態に限定されず、種々改変することができる。
例えば上記実施形態では、区画貫通処理キット10の使用前に緩衝材4を巻き回す例を示したが、緩衝材4を巻き回すことは必須ではない。
また上記実施形態では、型枠7の断面が矩形である例を示したが、型枠7の断面は、円形や楕円形や矩形以外の多角形であってもよい。
また緩衝材4の長さや幅は型枠7の形状等に応じて適宜調整され得る。なお開口9の内面9aを緩衝材4で覆えるように、緩衝材4は、長手方向に延ばした状態で、その一部が型枠7の外側に延び出るものとされる。
また上記実施形態に示した筒状の緩衝材4を使用する代わりに、複数の帯状の緩衝材4が使用されてもよい。この場合、緩衝材4の各々の長手方向の一方側を型枠7に固定することが、型枠7の周回りに順次行われることで、型枠7の周回り全体に緩衝材4の長手方向の一方側が固定された状態とされる。
そして図4(c)に対応する工程(第3工程)において、開口9の周回りが複数の緩衝材4によって覆われることで、図5(a)に対応する工程(第4工程)で挿通物3を貫通孔5に挿通する際に、開口9の内面9aのギザギザによって挿通物3に損傷が生じることが防止される。
そして図5(b)に対応する工程(第5工程)では、各緩衝材4を貫通孔5の径方向に延ばして、各緩衝材4の長手方向の他方側を挿通物3に固定することで、貫通孔5の内面と挿通物3の外面との間が複数の緩衝材4で塞いだ状態とされる。これにより貫通孔を介する延焼が防止される。
以上のように複数の帯状の緩衝材4を使用すれば、型枠7の断面や開口9の断面が複雑な形状を呈する場合でも、型枠7の周回りに緩衝材4を固定することや、開口9の周回りを緩衝材4で覆うことを容易に実現できる。なお上記実施形態に示したように筒状の緩衝材4を使用する場合には、型枠7の周回りに緩衝材4を固定することや、開口9の周回りを緩衝材4で覆うことや、貫通孔5の内面と挿通物3の外面との間を緩衝材4で塞ぐことを容易に実現できる。
また本発明は、従来の施工方法のように耐火材を貫通孔5に設置することを除外するものではない。すなわち本発明では、図6に示すように貫通孔5の内面と挿通物3の外面との間に耐火材Tが設置され得る。
好ましくは、耐火材Tは、区画貫通構造の施工時における落下防止手段として機能すべく、鍔部71に支持されるものとされる。この場合、耐火材Tは、枠本体70の内周に対応する平面形状を有するものとされて、耐火材Tに形成される孔に挿通物3が通される。或いは、耐火材Tは、複数の部材を組み合わせたものでもよい。この場合、各部材に形成した凹みが組み合わされることで、挿通物3を通す孔が構成される。
耐火材Tの材質としては、例えば、熱膨張性耐火材、不燃材、可燃材および包装材等が挙げられる。
熱膨張性耐火材としては、例えば、熱膨張性耐火シート、および熱膨張性樹脂組成物が分散した無機繊維マット等が挙げられる。熱膨張性耐火シートは、例えば、エポキシ樹脂、ブチルゴム、ウレタン樹脂フォーム等の熱硬化性発泡樹脂等の樹脂成分、熱膨張性黒鉛、リン化合物、無機充填材等を配合した熱膨張性樹脂組成物を、3〜20mmの厚みに成形することにより得られる。熱膨張性樹脂組成物が分散した無機繊維マットは、例えば、無機繊維を使用して熱膨張性樹脂組成物を分散した水中で無機繊維を膠着させる操作を繰り返すか、または、無機繊維マットを使用して熱膨張性樹脂組成物を分散した有機溶剤中で無機繊維マットを含浸させる操作を繰り返すことにより得られる。
熱膨張性耐火シートは、市販品を適宜選択して使用することができる。この様な市販品としては、例えば、積水化学工業社製のフィブロック(登録商標。エポキシ樹脂やゴムと、熱膨張性黒鉛等を含有する樹脂組成物を含むシート材料)、住友スリーエム社製のファイアバリア(クロロプレンゴムとバーキュライトを含有する樹脂組成物からなるシート材料、膨張率:3倍、熱伝導率:0.20kcal/m・h・℃)、三井金属塗料化学社製のメジヒカット(ポリウレタン樹脂と熱膨張性黒鉛を含有する樹脂組成物からなるシート材料、膨張率:4倍、熱伝導率:0.21kcal/m・h・℃)等が挙げられる。
不燃材としては、例えば無機繊維マット、無機パネル、金属板、金属網等が挙げられる。
無機繊維としては、例えば、グラスウール、ロックウール、セラミックウール、石膏繊維、炭素繊維、ステンレス繊維、スラグ繊維、シリカアルミナ繊維、アルミナ繊維、シリカ繊維、ジルコニア繊維等が挙げられる。無機繊維は、一種もしくは二種以上を使用することができる。
無機パネルとしては、例えば、セメント系パネル、無機セラミック系パネル等が挙げられる。セメント系パネルとしては、例えば、硬質木片セメント板、無機繊維含有スレート板、軽量気泡コンクリートC板、モルタル板、プレキャストコンクリートC板等が挙げられる。無機セラミック系パネルとしては、例えば、石膏ボード、けい酸カルシウム板、炭酸カルシウム板、ミネラルウール板、窯業系板等が挙げられる。ここで石膏ボードは、具体的には焼石膏に鋸屑やパーライト等の軽量材を混入し、両面に厚紙を貼って成形したものである。この石膏ボードとしては、例えば、普通石膏ボード(JIS A6901準拠:GB−R)、化粧石膏ボード(JISA6911準拠:GB−D)、防水石膏ボード(JIS A6912準拠:GB−S)、強化石膏ボード(JISA6913準拠:GB−F)、吸音石膏ボード(JIS A6301準拠:GB−P)等が挙げられる。
金属板や金属網に使用される金属としては、例えば、鋼、鉄、銅、アルミの一種もしくは二種以上が挙げられる。金属は合金であってもよく、上記した素材に、クロム、マンガン、ニッケル、亜鉛、錫等の金属を含有するものであってもよい。合金は、一種もしくは二種以上を使用することができる。
可燃材としては、例えば、合成樹脂板、段ボール、厚紙等が挙げられる。合成樹脂としては、例えばポリ塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、アクリル樹脂、ABS樹脂、ポリフッ化ビニリデン樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂等が挙げられる。段ボール、厚紙等に使用される紙としては、クラフト紙、和紙、Kライナー紙、離型基材等が挙げられる。可燃材は、一種もしくは二種以上を使用することができる。
包装材としては、例えば、紙、布、合成樹脂フィルム等を挙げることができる。紙は、先の段ボール、厚紙の場合と同様である。布としては、例えば、織布、不織布等を挙げることができる。織布、不織布等に使用する繊維としては、例えば、塩化ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ナイロン、セルロース繊維等を挙げることができる。合成樹脂フィルムとしては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアミド、ポリエステル、ナイロン、アクリル、塩化ビニル、塩化ビニリデン等を原料とするフィルムを挙げることができる。包装材は、一種もしくは二種以上を使用することができる。
また耐火材Tは、貫通孔5の内面と挿通物3の外面との間に充填されるものであってもよい。耐火材Tとして使用可能な充填材としては、例えば、パテ材、熱膨張性樹脂組成物の成形体、無機繊維、およびこれらを合成樹脂袋等に封入した袋体等が挙げられる。パテ材としては、例えば、JIS A5758により規定されている建築用シーリング材、JIS A6914により規定されている石膏ボード用目地処理材、モルタル等が挙げられる。パテ材は、クロロプレンゴム等のゴムやシリコーン等に充填材、難燃剤等を配合してなるパテ、コーキング等であれば好ましい。
上記の耐火材Tが使用される場合には、図5(b)に対応する工程(第5工程)で、
緩衝材4を挿通物3に固定する際に、貫通孔5の内面と挿通物3の外面との間に耐火材Tを設置することが行われる。これにより、貫通孔5の内面と挿通物3の外面との間が、緩衝材4と耐火材Tとの双方によって塞がれるので、貫通孔5を介する延焼がより確実に防止される。なお緩衝材4を挿通物3に固定することと、耐火材Tを設置することとは、いずれが先でもよいが、作業を容易にする観点から、耐火材Tの設置を先に行うことが好ましい。
なお上記の耐火材Tを使用する場合には、上述した実施形態に比べて耐火材Tを設置する手間は増えるものの、実施形態と同様、緩衝材4が耐火性を有することで、緩衝材4を耐火処置に使用でき、緩衝材4の取り外しを要しない(図8(b)のような工程を要しない)。この点から、耐火材Tを使用する場合も、従来の施工方法に比して、簡便に貫通孔5の耐火処置を行える。
また上記実施形態では、区画貫通構造1が備える区画体2が、水平方向に延びる床である例を示したが、区画貫通構造が備える区画体は、上下方向に延びる壁であってもよい。この場合、本発明の区画貫通処理キットを用いて、以下の第1工程〜第5工程が順次実施されることで、区画貫通構造が施工される。(区画貫通処理キットは、上記実施形態と同様、貫通孔を形成するために使用される筒状の型枠と、耐火性を有する緩衝材とを備え、前記型枠の周回りに前記緩衝材の長手方向の一方側が固定されたものである)。
上下方向に延びるプレートに型枠を固定して、型枠の周囲にコンクリートを打設する(第1工程)。
ついで型枠の内部と連通する開口をプレートに形成することで、型枠の内部及びプレートの開口からなり、水平方向に延びる貫通孔を形成する(第2工程)。
ついで開口の内面を緩衝材で覆う(第3工程)。
ついで開口の内面が緩衝材で覆われた状態で、水平方向に延びる貫通孔に挿通物を挿通する(第4工程)。
ついで緩衝材を貫通孔の径方向(上下方向)に延ばして、緩衝材の長手方向の他方側を挿通物に固定することで、側面視で貫通孔の内面と挿通物の外面との間を緩衝材で塞いだ状態にする(第5工程)。
以上のようにする場合には、水平方向に延びる貫通孔に挿通物を挿通する際に、開口の内面のギザギザで挿通物に損傷が生じることを防止できる。また側面視で貫通孔の内面と挿通物との間が緩衝材で塞がれることで貫通孔を介する延焼が防止される。
1 区画貫通構造、
2 区画体、
3 挿通物、
4 緩衝材、
5 貫通孔、
6 プレート、
7 型枠、
8 型枠の内部、
9 プレートの開口、
10 区画貫通処理キット、
C コンクリート、
T 耐火材

Claims (9)

  1. 区画体の貫通孔に挿通物が挿通される区画貫通構造を施工するために使用される区画貫通処理キットであって、
    前記貫通孔を形成するために使用される筒状の型枠と、
    耐火性を有する緩衝材とを備え、
    前記型枠の周回りに前記緩衝材の長手方向の一方側が固定されている区画貫通処理キット。
  2. 前記緩衝材は、前記型枠に対応した筒状を呈している請求項1に記載の区画処理キット。
  3. 前記緩衝材は、長手方向に巻き回されて、前記型枠内に収容されている請求項1に又は2に記載の区画処理キット。
  4. 前記緩衝材は、耐火性を有するゴムシート或いはアルミガラスクロスから形成されている請求項1乃至3のいずれかに記載の区画貫通処理キット。
  5. 請求項1乃至4のいずれかに記載の区画貫通処理キットを用いて施工されている区画貫通構造であって、
    貫通孔が形成される区画体と、
    前記貫通孔に挿通される挿通物とを備え、
    前記区画体は、外面をなすプレートに前記型枠が固定されて、前記型枠の周囲にコンクリートが打設されるものであり、前記型枠の内部及び前記プレートの開口によって前記貫通孔が構成され、
    前記緩衝材が前記型枠の径方向に延ばされて、前記緩衝材の長手方向の他方側が前記挿通物に固定されることで、前記貫通孔の内面と前記挿通物の外面との間が前記緩衝材によって塞がれている区画貫通構造。
  6. 前記貫通孔の内面と前記挿通物の外面との間に設置される耐火材をさらに備える請求項5に記載の区画貫通構造。
  7. 請求項1乃至4のいずれかに記載の区画貫通処理キットを用いて、区画貫通構造を施工する方法であって、
    前記区画貫通構造は、
    貫通孔が形成される区画体と、
    前記貫通孔に挿通される挿通物とを備え、
    前記型枠をプレートに固定して、前記型枠の周囲にコンクリートを打設する第1工程と、
    前記型枠の内部と連通する開口を前記プレートに形成することで、前記型枠の内部及び前記プレートの開口からなる前記貫通孔を形成する第2工程と、
    前記開口の内面を前記緩衝材で覆う第3工程と、
    前記開口の内面が前記緩衝材で覆われた状態で、前記貫通孔に前記挿通物を挿通する第4工程と、
    前記緩衝材を前記貫通孔の径方向に延ばして、前記緩衝材の長手方向の他方側を前記挿通物に固定することで、前記貫通孔の内面と前記挿通物の外面との間を前記緩衝材で塞いだ状態にする第5工程と、
    を有する施工方法。
  8. 前記第1工程では、前記緩衝材が長手方向に巻き回されて前記型枠内に収容された状態で、前記型枠を前記プレートに固定することが行われ、
    前記第3工程では、前記巻き回されている緩衝材を延ばすことで、前記開口の内面が前記緩衝材で覆われる請求項7に記載の施工方法。
  9. 前記第5工程において、前記貫通孔の内面と前記挿通物の外面との間に耐火材を設置する工程をさらに有する請求項7又は8に記載の施工方法。
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