JP3617290B2 - 自動車のフロア構造 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は自動車のフロア構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の自動車においては、フロアパネルの中央にフロアトンネルを前後方向に隆起形成したものがある。このフロアトンネルの上壁には、一般に、パーキングブレーキレバーが設置してある。フロアトンネルの上壁はパーキングブレーキレバーの操作荷重を繰り返し受けるため、何らかの補強が必要になる。そこで、例えば特開平7−172350号公報に示すように、フロアトンネルの上壁裏面にレインフォースメントを接合してパーキングブレーキレバー取付部分の強度を高めている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、この構造は、単にフロアトンネルにレインフォースメントを接合しただけであるため、強度的に必ずしも充分ではなく、特にパーキングブレーキレバーの回動方向にかかるモーメントに対し、十分な補強がなされているとはいい難い。パーキングブレーキレバーの操作荷重によるフロアパネルの変形を防止するためには、レインフォースメントの肉厚を大きくしなければならず、車体重量の増加を招くことになる。
【0004】
本発明は、このような事情に鑑み、フロアパネルのパーキングブレーキレバー取付部分の強度を高めた自動車の車体構造を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するための本発明は、フロアパネルの上面にフロアトンネルと交差させて前後一対のクロスメンバーを接合するとともに、該クロスメンバーを跨ぐようにして上記フロアトンネルの上壁部裏面にレインフォースメントを接合し、さらに該レインフォースメントと上記フロアパネルとの間に前後のクロスメンバーを跨ぐようにして左右一対の閉断面を形成し、上記フロアパネルの上面であって、上記クロスメンバー,レインフォースメントとフロアパネルとの間に形成される閉断面によって井桁状に囲まれた領域に操作レバー装置を設置したことを特徴とする。
【0006】
上記操作レバー装置はパーキングブレーキレバーであってもよい。
【0007】
上記レインフォースメントとその閉断面を後方側のクロスメンバーよりもさらに後方まで延長してもよい。
【0008】
上記レインフォースメントの延長部分に、操作レバー装置に連係したコントロールケーブルを支持してもよい。
【0009】
【発明の効果】
本発明によれば、前後左右の閉断面によって井桁状に囲まれたフロアパネルの補強領域に、操作レバー装置の操作荷重が入力されるので、この操作荷重はフロアパネルの補強領域外に全体的に分散される。よって、レインフォースメントの肉厚を大きくしなくても、フロアパネルの変形を確実に防止することができ、車体の軽量化に役立つ。
【0010】
請求項3のような構成にすると、操作荷重の後方への分散が効果的に行われ、さらに強度的に有利になる。
【0011】
請求項4のような構成にすると、レインフォースメントの後方延長部分を利用してコントロールケーブルを支持することになるので、ケーブル支持用のブラケットを別途設ける必要がなくなり、部品点数の削減が図られる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施例を添付図面を参照しながら詳細に説明する。
【0013】
図1はフロアパネルのパーキングブレーキレバー取付部分を示す平面図である。同図において、1はフロントフロアパネルで、その車体幅方向の中央部には、前後に延びるフロアトンネル2を隆起形成してある。フロントフロアパネル1の上面には、フロアトンネル2と交差させて前後一対のクロスメンバー3,4を接合してある。これらクロスメンバー3,4は前後のフランジ部3a,4aをフロントフロアパネル1に接合して閉断面5,6をそれぞれ形成してある(図2参照)。
【0014】
フロアトンネル2の上壁部2aの裏面には、前後のクロスメンバー3,4を跨ぐようにしてレインフォースメント7を接合してある。該レインフォースメント7は前端を前方側のクロスメンバー3と一致させる一方、その後端は後方側のクロスメンバー4よりも後方に延長させてある。さらに、レインフォースメント7は、前後のクロスメンバー3,4を跨ぐようにして左右一対の閉断面8,9をフロントフロアパネル1との間に形成してある。このうち、左側の閉断面8はレインフォースメント7の全長に亙って形成してあるが、右側の閉断面9は後端が途中で途切れて後述のコントロールケーブル取付スペースを確保している。
【0015】
フロントフロアパネル12の上面であって、前後のクロスメンバー3,4、レインフォースメント7とフロントフロアパネル1との間に形成される閉断面5,6,8,9によって井桁状に囲まれた領域には、操作レバー装置としてのパーキングブレーキレバー10を設置してある。該パーキングブレーキレバー10には、左右の後輪ブレーキに接続されるコントロールケーブル11,12のインナワイヤー11a,12aがイコライザー13を介して接続してある。これらコントロールケーブル11,12のアウタケーシング11b,12bの前端は、レインフォースメント7のクロスメンバー4よりも後方へ延長した部分7aに支持してある(図2参照)。
【0016】
後方側のクロスメンバー4の上壁4bであって、レインフォースメント7とフロントフロアパネル1との間に形成される左右の閉断面8,9の真上には、シートベルトアンカー14をそれぞれ設置してある。さらに、これらシートベルトアンカー14,14の後方に隣接する箇所には、フロントシートのスライドレール取付孔15をそれぞれ一対設けてある。また、レインフォースメント7の左右の閉断面8,9を構成する部分には、図3に示すようにプロペラシャフト16を支承するセンターベアリング17の保持用ブラケット18の両端をそれぞれボルト19,19で取り付けてある。
【0017】
本実施例の構造によれば、前後左右の閉断面5,6,8,9によって井桁状に囲まれたフロントフロアパネル1の補強領域に、パーキングブレーキレバー10の操作荷重が入力されるので、この操作荷重はフロントフロアパネル1の補強領域外に全体的に分散されるこいなる。よって、レインフォースメント7の肉厚を大きくしなくても、フロントフロアパネル1の変形を確実に防止ことができ、車体の軽量化に役立つ。
【0018】
さらに、レインフォースメント7とその閉断面8,9を後方側のクロスメンバー4よりも後方に延長してあるので、リアフロアパネル(図示せず)側への操作荷重の分散が効果的に行われ、強度的に有利になる。
【0019】
また、レインフォースメント7の延長部分7aを利用してコントロールケーブル11,12を支持してあるので、ケーブル支持用のブラケットを別途設ける必要がなくなり、部品点数の削減が図られる。
【0020】
さらにまた、後方側のクロスメンバー4の上壁4bで、左右の閉断面8,9の真上にシートベルトアンカー14をそれぞれ設置してあるので、これらシートベルトアンカー14,14に作用する衝撃荷重を、直交する閉断面6,8,9を介してフロントフロアパネル1の全体に分散さるこができ、強度的に有利になる。
【0021】
なお、本実施例では、前後左右の閉断面5,6,8,9によって井桁状に囲まれた領域にパーキングブレーキレバー10を設置してあるが、設置する操作レバー装置は変速シフトレバーであってもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の構造を示す平面図。
【図2】図1のA−A線による断面図。
【図3】図1のB−B線による断面図。
【符号の説明】
1・・・フロントフロアパネル
2・・・フロアトンネル
2a・・・上壁
3・・・クロスメンバー
4・・・クロスメンバー
5・・・閉断面
6・・・閉断面
7・・・レインフォースメント
8・・・閉断面
9・・・閉断面
10・・・パーキングブレーキレバー

Claims (4)

  1. フロアパネルの上面にフロアトンネルと交差させて前後一対のクロスメンバーを接合するとともに、該クロスメンバーを跨ぐようにして上記フロアトンネルの上壁部裏面にレインフォースメントを接合し、さらに該レインフォースメントと上記フロアパネルとの間に前後のクロスメンバーを跨ぐようにして左右一対の閉断面を形成し、上記フロアパネルの上面であって、上記クロスメンバー,レインフォースメントとフロアパネルとの間に形成される閉断面によって井桁状に囲まれた領域に操作レバー装置を設置したことを特徴とする自動車のフロア構造。
  2. 上記操作レバー装置がパーキングブレーキレバーであることを特徴とする請求項1に記載の自動車のフロア構造。
  3. 上記レインフォースメントとその閉断面を後方側のクロスメンバーよりもさらに後方まで延長したことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の自動車のフロア構造。
  4. 上記レインフォースメントの延長部分に、操作レバー装置に連係したコントロールケーブルを支持したことを特徴とする請求項3に記載の自動車のフロア構造。
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