JP4382183B2 - 自動車の車体構造 - Google Patents
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Description
【発明が属する技術分野】
この発明は、前方からの衝撃に対して乗員の安全を図るための車体構造に関し、特に、キャブオーバータイプの軽自動車のキャビンの変形を抑える車体構造に関する。
【0002】
【発明が解決しようとする課題】
一般に、キャビンがエンジンの上に張り出しているような車両形態を有しているキャブオーバータイプの軽自動車(以下、軽キャブ車という)がある。
そのような軽キャブ車は、従来にも増した前面衝突対応の要求基準を満たすためには、軽自動車の規格による車体寸法上の制約を受けるために、その形態上、キャビンやラゲージスペースなどの配置が制約を受けてしまうことがある。
【0003】
このような軽キャブ車が車体前方に衝撃を受けた場合、図4に示したように、キャビンの床面であるシートパン1上面のアップライトクロスメンバ2にボルト結合されたシートベルトのインナベルト3が、車体に加わった衝撃力やシートベルトを着用してシートに座っている乗員の慣性力、つまり運動エネルギーによって図中矢印の如く前方に引っ張られて、シートベルトの固定部であるシートベルトアンカー4を取り付けている角断面のアップライトクロスメンバ2を、図中二点鎖線で示したように前傾変位させる方向に大きな力がかかり、更に、力の影響はバックパネル5やシートパン1などにも波及するため、キャビンの変形を防止する為には多くの補強部材を設ける、又はキャビンの内部空間を小さくするなど居住性や積載量に悪影響を与える。
【0004】
更に、シートベルトアンカー4の位置には大きな力が加わる為、非常に高い強度が要求され、前述の問題を助長する虞もある。
そのため、軽キャブ車のキャビンに大がかりな補強部材を取り付けようとすると、シートベルトアンカー4の直下には、図示しないエンジンクーリング用のクーリングパイプや冷却系統の機関部品等が配設されていて、容易に組み込むことができないばかりか、シフトレバー、サイドブレーキ配索など、強度および機能構成の阻害が許されない位置であることから、容易に部品レイアウトの変更もできないため、非常に困難である。
【0005】
そこで、本発明の目的は、上記従来の軽キャブ車の前方に加わる衝撃に対する衝突安全性の問題に鑑み、軽キャブ車の前方に加わる衝撃に対してキャビンの室内空間を大幅に減少する事無くキャビンの変形量を減少させて、乗員の安全性を向上させることができる自動車の車体構造を提供するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
第1の発明による自動車の車体構造は、上記目的を達成するために、自動車の構成部材であるシートパン上面に設けられ、シートベルト固定部を有するアップライトクロスメンバの前方中央位置にサイドブレーキなどの配索部を備えた自動車の車体構造であって、前記シートパン後方にバックパネルを結合させ、前記シートパンの下面側に補強部材である一対のガセットの上端面を結合させ、且つガセットの一端面を、車体中央に設けられたサイドブレーキ配索スペースから左右方向に適宜間隔を設けた前記バックパネルの前面に結合させ、前記アップライトクロスメンバの前面に前記配索部から左右方向に適宜間隔を設けた位置に補強部材である一対の第2ガセットの一端面を結合させ、且つ前記第2ガセットのそれぞれの底面を前記シートパン上面に結合させ、前記ガセットと前記第2ガセットとは前記シートパンを挟んで対向して配置されたことを特徴とする。
【0010】
この発明による自動車の車体構造は、シートパン下面側に結合されたガセットがバックパネルを補強しているので、車体前方に加わった衝撃力に対して、シートパンの全体の変形を阻止することができるようになる。従って、この発明によれば、シートパンの効率的な荷重分散を達成することができる。更に、軽キャブ車の従来のキャビン基本構造を生かした補強構造を軽量且つ低コストに実現することができる。
【0012】
また、この発明による自動車の車体構造は、ガセットにより補強されたバックパネルにより、バックパネルおよびシートパン全体の変形を阻止することができるようになると共に、第2のガセットにより補強されたアップライトクロスメンバによりシートベルト固定部の潰れによる変形移動を阻止することができるようになる。従って、この発明によれば、シートベルトの弛みによるシートベルトの機能を損なう問題を解消することができると同時に、シートパンの効率的な荷重分散を達成することができ、更に、軽キャブ車の従来のキャビン基本構造を生かした補強構造を軽量且つ低コストに実現することができる。
【0014】
さらに、この発明による自動車の車体構造は、ガセットと第2のガセットとがシートパンを挟んで対向して配置されていることにより、ガセットのシートパン結合部と第2のシートパン結合部とが相互に補強し合い、より高い強度を達成することができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の最も好適と思われる実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明を行う。なお、従来例と同様なものについては、同一の符号を付している。
【0016】
図1〜図3は、この発明による車両構造が適用された場合の実施形態の一例を示していて、図1は、軽キャブ車の車体構造を示した概略斜視図であり、図2は、図1中の要部構成を示した側断面図、図3は、図2中の正面図である。
図1に示したように、軽キャブ車のキャビンの床面を構成するシートパン1上面には、左右一組のフロントシートFSが据え付けられると共に、シートパン1上面後部に設けられた略角断面の横材であるアップライトクロスメンバ(以下、クロスメンバという)2の前面中央位置には、サイドブレーキの配索部の挿通孔21が穿設してある。更に、クロスメンバ2の上面の適宜位置2箇所には、シートベルトのインナベルト3の固定部であるシートベルトアンカー4がそれぞれボルト結合されている。
【0017】
また、シートパン1とクロスメンバ2との後端部には、バックパネル5の上部が結合されていると共に、シートパン1には、挿通孔21にワイヤ等をスムーズに挿通する為の凹部が設けてあってワイヤ索などを容易に配索可能としている。そして、バックパネル5の下部は、床面部材であるセンタフロアパン6と結合している。
更に、シートパン1の下面側の適宜位置には、補強部材であるフレームギヤシフト7が前後方向にわたって2個取り付けられている。
【0018】
そして、クロスメンバ2の前面を補強する補強部材であって、略三角形状からなる一対のガセット8の一端面を、クロスメンバ2の前方に設けられた挿通孔21、つまり車体中央に設けられたサイドブレーキ配索スペースから左右方向に適宜間隔を設けた位置に結合させ、且つガセット8の底面をそれぞれシートパン1の上面に結合させるようにする。
【0019】
そのことにより、ガセット8を取り付けた軽キャブ車が車体前方に衝撃を受けると、シートパン1上面のクロスメンバ2にボルト結合されたシートベルトのインナベルト3は、車体に加わった衝撃力やシートベルトを着用してフロントシートFSに座っている乗員の慣性力によって図中矢印の如く前方に引っ張られても、シートベルトの固定部であるシートベルトアンカー4を取り付けているクロスメンバ2は一組のガセット8により補強されているので、クロスメンバ2が前傾変位することを阻止することができるようになる。
そして、シートベルトアンカー4の位置が変位しないので衝撃によるインナベルト3の弛みが生じることはなく、シートベルトは本来の機能をより発揮することができるようになる。
更にまた、簡素な構成のガセット8により軽キャブ車のキャビンに大がかりな補強部材を取り付けることなく、従来の基本構造を生かした補強構造を軽量でしかも安価に実現することができる。
【0020】
一方、上記構成としたガセット8ではなくて、バックパネル5を補強する補強部材であって、略三角形状の一対のガセット9の上端面を、フレームギヤシフト7を介してシートパン1の下面側に結合させ、且つガセット9の一端面を、車体中央に設けられたサイドブレーキ配索スペースから左右方向に適宜間隔を設けたバックパネル5の前面に結合させるようにした構成としてもよい。
【0021】
そのことにより、シートパン1下面側に結合されたガセット9がバックパネル5を補強することにより、車体前方に加わった衝撃力に対して、バックパネル5およびシートパン1の全体の変形を阻止することができるようになる。
【0022】
更には、上記構成としたガセット8とガセット9とからなる構成を同時に採用してもよい。
つまり、一対のガセット8の一端面を、クロスメンバ2の前方に設けられた挿通孔21から左右方向に適宜間隔を設けた位置に結合し、且つガセット8の底面をそれぞれクロスメンバ2の上面に結合させると共に、一対のガセット9の上端面を、フレームギヤシフト7を介してシートパン1の下面側に結合し、且つガセット9の一端面を、車体中央に設けられたサイドブレーキ配索スペースから左右方向に適宜間隔を設けたバックパネル5の前面に結合する。
【0023】
そのことにより、ガセット8によって補強されたクロスメンバ2によりシートベルトアンカー4の潰れによる変形移動を阻止することができてシートベルトの弛みによる問題を解消することができるようになると共に、ガセット9によって補強されたバックパネル5により、バックパネル5およびシートパン1全体の変形が阻止されて、シートパン1の効率的な荷重分散を達成することができるようになる。
従って、シートベルトの弛みによるシートベルトの機能を損なう問題を解消することができると同時に、シートパン1の効率的な荷重分散を達成することができ、更に、軽キャブ車の従来のキャビン基本構造を生かした補強構造を軽量且つ低コストに実現することができるようになる。
【0024】
【発明の効果】
以上説明したように本発明による自動車の車体構造によると、シートパンの上面およびクロスメンバの前面に結合させるようにガセットを取り付けた軽キャブ車が車体前方に衝撃を受けると、シートパン上面のアップライトクロスメンバにボルト結合されたシートベルトは、車体に加わった衝撃力やシートベルトを着用してフロントシートに座っている乗員の慣性力によって前方に引っ張られても、シートベルトの固定部を取り付けているアップライトクロスメンバは、そのガセットにより補強されているので、アップライトクロスメンバが前傾変位することを阻止することができるようになる。
そして、シートベルトアンカーの位置が変位しないので衝撃によるインナベルトの弛みが生じることはなく、シートベルトは本来の機能をより発揮することができるようになる。
また、シートパン下面側およびバックパネルの前面に結合されたガセットがバックパネルを補強しているので、車体前方に加わった衝撃力に対して、バックパネルおよびシートパンの全体の変形を阻止することができるようになる。
更にまた、軽キャブ車のキャビンに大がかりな補強部材を取り付けることなく、従来の基本構造を生かした補強構造を、軽量でしかも安価に実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した実施形態の一例を示す斜視図である。
【図2】図1のA−A矢視断面図である。
【図3】図2のB−B矢視断面図である。
【図4】従来のキャビンの側断面図である。
【符号の説明】
1 シートパン
2 アップライトクロスメンバ
3 インナベルト
4 シートベルトアンカー
5 バックパネル
8 ガセット
9 ガセット
Claims (1)
- 自動車の構成部材であるシートパン上面に設けられ、シートベルト固定部を有するアップライトクロスメンバの前方中央位置にサイドブレーキなどの配索部を備えた自動車の車体構造であって、
前記シートパン後方にバックパネルを結合させ、
前記シートパンの下面側に補強部材である一対のガセットの上端面を結合させ、且つガセットの一端面を、車体中央に設けられたサイドブレーキ配索スペースから左右方向に適宜間隔を設けた前記バックパネルの前面に結合させ、
前記アップライトクロスメンバの前面に前記配索部から左右方向に適宜間隔を設けた位置に補強部材である一対の第2ガセットの一端面を結合させ、且つ前記第2ガセットのそれぞれの底面を前記シートパン上面に結合させ、
前記ガセットと前記第2ガセットとは前記シートパンを挟んで対向して配置されたことを特徴とする自動車の車体構造。
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1999
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