JP4299899B2 - 自動車の車体フロア構造 - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、車体フロア構造に関し、特に車体フロアに形成されるトンネル部に補強部材が配設された自動車の車体フロア構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、自動車の車体フロアには車体前後方向に延在するトンネル部が形成され、トンネル部を隔てて左右に延設された各フロア面上に例えば運転席シート及び助手席シートが設けられると共に、トンネル部にシートベルトを取付支持するためのシートベルトアンカ取付部が形成されている。
【0003】
車体フロアは、例えば実公平1−41660号公報に開示され、かつ図8に要部断面図を示すように、車体フロア101には前後方向に延在するトンネル部102が形成され、トンネル部102の両側にフロア面103が形成されている。
【0004】
そして、トンネル部102の下面に嵌合する断面逆U字形の膨出部104a及び該膨出部104aの両端からフロア面103の下面に重合可能に延設された延出部104bを有する略断面ハット状の補強部材104を、フロア101のトンネル部102及びフロア面103の下面に重合せしめて溶接結合して車体フロア101を補剛し、剛性が確保されたトンネル部102及び補強部材104の側面にボルト105及びナット106によってシートベルトアンカ120を取り付けている。
【0005】
従って、トンネル部102に形成されるシートベルトアンカ取付部が補強部材104によって補強され、シートベルトアンカ120を充分な剛性をもって取付支持することができ、更に左右のフロア面103及びトンネル部102が補強部材104によって補強され車体フロア101の剛性が確保される。
【0006】
一方、例えば車体前方から所定値以上の衝撃荷重が作用した際、エンジンルーム等の車体前部をクラッシュさせることによって、衝撃エネルギーを充分に吸収することによって車室内への影響を回避する方策が採られている。
【0007】
また、車体前部の全長が比較的小さく車体前部のクラッシュストロークが充分に確保し得ない場合には、車体前部のクラッシュのみでは吸収しきれない残余の衝撃エネルギーを車体フロア部分の変形によって吸収して残留エネルギーを効率よく分散吸収させる必要がある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記実公平1−41660号公報に開示される先行技術によると、左右のフロア面103及びトンネル部102の下面に連続して配設された補強部材104によって車体フロア101が補強されて、車体フロア101の該部形状が拘束される。
【0009】
この結果、上記車体前部のクラッシュ等で吸収しきれない残余の衝撃エネルギーを、車体フロアの変形によって吸収することが困難であり、残余の衝撃エネルギーは乗員への衝撃に変換されてしまう可能性がある。
【0010】
従って、かかる点に鑑みなされた本発明の目的は、車体前部のクラッシュによって吸収しきれない残余の衝撃エネルギーを車体フロアによって充分に吸収して乗員への過度の衝撃を回避し得る安全性に優れた自動車の車体フロアを提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成する請求項1に記載の自動車の車体フロア構造の発明は、車体前後方向に延在するトンネル部が形成され、該トンネル部の両側にシートが搭載されるフロア面が形成された自動車用車体フロア構造において、左右のシート間において上記トンネル部の上部下面互いに互いの上端縁間が離間すると共に、各々トンネル部の上部下面からトンネル部の側部内面を経てフロア面の下面に亘って配設された一対の補強部材を備えたことを特徴とする。
【0012】
この請求項1の発明によると、トンネル部及びトンネル部近傍のフロア面に亘って補強部材による補強によってフロアの剛性が確保される一方、互いに離間する各補強部材の上端縁間におけるトンネル部の範囲は各補強部材によって補剛されることなく、該部に脆弱部が形成されることから、例えば車体前方から所定値以上の衝撃荷重が作用した際、エンジンルーム等の車体前部のクラッシュによって吸収することができなかった残余の衝撃エネルギーは、乗員への影響が極めて少ないトンネル部に形成された脆弱部の変形によって吸収される。
【0013】
この結果、車体フロア構造の過度の変形が防止されて車体フロア構造から効率的に衝撃荷重を他の車体部材に分散伝達されて車室内の乗員が衝撃から保護される。
【0014】
請求項2に記載の発明は、請求項1の自動車の車体フロア構造において、シートベルトのシートベルトアンカを取付支持する上記トンネル部に形成されたシートベルトアンカ取付部が、上記補強部材によって補剛されたことを特徴とする。
【0015】
請求項2の発明によると、トンネル部に形成されたシートベルトアンカ取付部が補強部材によって補剛され、シートベルトアンカ取付部を補強するために専用の補強部材を取り付ける必要がなくなり、構成の簡素化及び車体フロアの軽量化が得られる。
【0016】
請求項3に記載の発明は、請求項1または2の自動車の車体フロア構造において、ハンドブレーキ操作装置を取付支持する上記トンネル部に形成されたハンドブレーキ取付部が、上記補強部材によって補剛されたことを特徴とする。
【0017】
請求項3の発明によると、トンネル部に形成されたハンドブレーキ取付部が補強部材によって補剛され、ハンドブレーキ取付部を補強するために専用の補強部材を省略でき、構成の簡素化及び車体フロアの軽量化が得られる。
【0018】
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3の自動車の車体フロア構造において、プロペラシャフトのセンターベアリングを支持するプロペラシャフト取付ブラケットが、上記両補強部材の下端間に架設されたことを特徴とする。
【0019】
請求項4の発明によると、両補強部材の下端間にセンターベアリングを支持するプロペラシャフト取付ブラケットを取り付けることから、プロペラシャフト取付ブラケットを取付支持するための専用の取付部材を別途配設する必要がなくなり、構成の簡素化及び車体フロアの軽量化が得られる。
【0020】
請求項5に記載の発明は、請求項1に記載の自動車の車体構造において、上記各補強部材は、上記トンネル部の上部下面に結合される上面部と、上記フロア面の下面に結合される下面部と、上記上面部及び下面部の各両端部間を連結する上記トンネル部の側部内面に沿って配設された一対の側面部とを有する基部と、該基部の両側面部に連結されて上記上面部から下面部に亘ってトンネル部内側にビード状に膨出形成された膨出部とを備えたことを特徴とする。
【0021】
この請求項5の発明は、上記請求項1の補強部材を具体的形状にしたものであって、基部に膨出形成されたビード状の膨出部によって補強部材の剛性が確保され、かつトンネル部の上部下面に上面部と、トンネル部の側部に側面部を、またフロア面の下面に下面部を結合することによってトンネル部及びフロア面に確実に補強部材を配設することができ、上記残余の衝撃エネルギーによる上記トンネル部の上部に形成された脆弱部の変形を確実にして乗員への影響をより回避できる。
【0022】
請求項6に記載の発明は、請求項5の自動車の車体フロア構造において、シートベルトのシートベルトアンカーを取付支持するシートベルトアンカー取付部が上記トンネル部の上部下面に結合される補強部材の上面部と、各側面部の上部とによって囲まれ、かつ上記膨出部に対応してトンネル部上面部に形成されたことを特徴とする。
【0023】
請求項6の発明によると、シートベルトアンカ取付部を囲むようにトンネル部に結合された上面部及び側面部の上部によってシートベルトアンカ取付部を効率的に補剛でき、かつシートベルトアンカ取付部の下面にアンカ取付用のナット等を配設することが可能になると共に、シートベルトアンカ取付部を補強するために専用の補強部材が省略でき、構成の簡素化及び車体フロアの軽量化が得られる。
【0024】
請求項7に記載の発明は、請求項5または6の自動車の車体フロア構造において、ハンドブレーキ操作装置を取付支持するハンドブレーキ取付部が、上記トンネル部の上部下面に結合される補強部材の上面部に近接してトンネル部上面部に形成されたことを特徴とす。
【0025】
請求項7の発明によると、ハンドブレーキ操作装置を取り付けるハンドブレーキ取付部の近傍のトンネル部上部に補強部材の上面を結合することから、該ハンドブレーキ取付部が補剛され、ハンドブレーキ操作装置を取り付けるための補強部材が省略でき、構成の簡素化及び車体フロアの軽量化が得られる。
【0026】
請求項8に記載の発明は、請求項5〜7に記載の自動車の車体フロア構造において、プロペラシャフトのセンターベアリングを支持するプロペラシャフト取付ブラケットが、上記両補強部材に形成された膨出部の下端間に架設されたことを特徴とする。
【0027】
請求項8の発明によると、プロペラシャフト取付ブラケットを補強部材の膨出部の下端に取り付けることによってプロペラシャフト取付ブラケットが強固に取り付けられ、プロペラシャフトを安定した状態で支持することができると共に、プロペラシャフト取付ブラケットを取付支持するための専用の取付部材を別途配設する必要がなくなり、構成の簡素化及び車体フロアの軽量化が得られる。
【0028】
請求項9に記載の発明は、請求項8の自動車の車体フロア構造において、上記プロペラシャフト取付ブラケットは、上記プロペラシャフトと補強部材との間に作用する所定値以上の相対荷重によって補強部材から離脱するプロペラシャフト脱落機構によって両補強部材の膨出部の下端間に架設されたことを特徴とする。
【0029】
請求項9の発明によると、プロペラシャフトと補強部材との間に作用する相対荷重によってプロペラシャフト取付ブラケットによる両補強部材の拘束は解除されて、上記車体前方から所定値以上の衝撃荷重が作用した際の上記脆弱部の変形による残余の衝撃エネルギーの吸収が確実に行われる。
【0030】
請求項10の発明は、請求項1の自動車の車体フロアの構造において、平面視状態で上記補強部材は、フロア面の上面に配置されるシート取付用のシートブラケットと離間して配設されたことを特徴とする。
【0031】
請求項10の発明によると、平面視状態で補強部材とシートブラケットとの間が離間して、該部に脆弱部が形成されることから、例えば車体前方から所定値以上の衝撃荷重が作用した際、上記トンネル部に形成された脆弱部と共に、該部においても残余の衝撃エネルギーを吸収することができる。
【0032】
【発明の実施の形態】
以下、本発明による自動車の車体フロアの実施の形態を図1乃至図7によって説明する。
【0033】
図1は、本実施の形態の概要を示す車体フロア構造1の概略斜視図であり、符号10はフロントフロアであり、矢印Fは車体前方方向を示しているる。
【0034】
フロントフロア10は、車体前後方向に延在する断面略逆U字形状のトンネル部11が形成され、該トンネル部11の両側にフロア面12が延設され、左右のフロア面12の両側縁は各々車体前後方向に延在するサイドシル18(一方のみ図示)に結合されている。
【0035】
フロントフロア10の前端縁は、車室内とエンジンルームとを区画するトーボード(図示せず)の下端に連結されると共に、フロントフロア10の後端縁はリヤフロア(図示せず)に連結されている。
【0036】
左右のフロア面12及びトンネル部11の上面に車体幅方向に延在して溶接結合され、かつ両端が各々左右のサイドシル18の側面に溶接結合されたクロスメンバ13が設けられると共に、該クロスメンバ13の後方においてフロア面12上に外側端がサイドシル18の側面に溶接結合され、内側端14aがトンネル部11の側面11B近傍に達するシート取付用ブラケット14が溶接結合されている。
【0037】
これらクロスメンバ13とシート取付用ブラケット14に溶接結合されて架設されたシートスライドレール(図示せず)を介して運転席シート及び助手席シートが設けられている。
【0038】
トンネル部11の下面には、上記シート取付用ブラケット14と車体前後方向に対応する部位の下面に一対の補強部材20が配設されている。
【0039】
次に、この補強部材20を、図2に図1のI−I線拡大断面図を示し、図3に図2の矢視A方向からの側面図、図4に図2の矢視B方からの要部側面図を示し、かつ図5に補強部材20の斜視図によって説明する。
【0040】
補強部材20は、トンネル部11の上部11Aの下面略車幅方向中央からトンネル部11の側部11Bの下面を経由してフロア面12の下面に倣って形成された正面視滑らかに湾曲する略S字形状乃至Z字形状で、かつ側面視略矩形に形成され、トンネル部11の上部11A下面に重合可能な上面部21Aと、トンネル部11近傍のフロア面12下面部分に重合可能な下面部21Bと、上面部21Aと下面部21Bの各両端間に架設されてトンネル部11の側部11Bの内面に重合可能な一対の側面部21Cとからなる基部21を有している。
【0041】
更に、基部21の中央部には上面部21Aから側面部21Cを介して下面部21Bに亘ってトンネル部11の内方にビード状に膨出する膨出部22が形成されて補強部材20の剛性が確保されている。
【0042】
この膨出部22は、トンネル部11の上部11Aの側部11B近傍に形成されるシートベルトアンカ取付部11Cの下面に溶接結合され、シートベルトアンカ31をボルト33によって取付支持するナット32を膨出部22の上部22A内に収容可能に形成されている。換言すると、シートベルトアンカ取付部11Cの下面に溶接結合されたナット32を補強部材20の上面部21A及び両側面部21Cの上部分によって囲むように形成されている。
【0043】
更に、膨出部22の下部には、下面部21Bと連続する略水平面を有するプロペラシャフト支持部22Cが形成されている。
【0044】
このように形成された一対の補強部材20は、図2乃至図4に示すように各々の上端縁20a、即ち上面部21Aの端縁を互いに所定寸法a離間した状態で上面部21Aはトンネル部11の上部11Aの下面に溶接結合され、かつ両側面部21Cが側部11Bに溶接結合され、更に下面部21Bがフロア面12の下面に溶接されてトンネル部11及びフロア面12に強固に結合される。
【0045】
即ち基部21の連続する周囲がトンネル部11及びフロア面12に溶接結合されて補強部材20がフロントフロア10に強固に取り付けられる。この補強部材20の下面部21Bの側端部20bと上記シート取付用ブラケット14の内方端部14aとは平面視状態で所定寸法離間するよう形成されている。
【0046】
従って、トンネル部11に形成された上記シートベルトアンカ取付部11Cは、トンネル部11及びフロア面12の広範囲に亘って強固に取り付けられた補強部材20の上面部21A及び両側面部21Cによって囲まれて補強され、シートベルトの使用に充分対応し得る剛性が確保される。
【0047】
図1及び図2に示すようにフロントフロア10のトンネル部11に取り付けられた両補強部材20のプロペラシャフト支持部22C間には、前端がトランスミッション(図示せず)に連結された前部プロペラシャフト41aの後端と、後端がデファレンシャル装置に連結された後部プロペラシャフト41bの前端を連結するセンタベアリング42を支持するプロペラシャフト取付ブラケット43が架設されている。
【0048】
補強部材20のプロペラシャフト支持部21Cとプロペラシャフト取付ブラケット43の結合は、プロペラシャフト取付ブラケット43に穿孔されたボルト挿通孔43aに挿通するボルト45a及び補強部材20に溶接結合されたナット45bからなる締結具45によって結合することによってなされている。
【0049】
なお、このプロペラシャフト取付ブラケット43には、プロペラシャフト脱落機構44が形成されている。脱落機構としては公知技術を適用したものであり、公知技術の例として、ボルト45aを挿通するボルト挿通孔43aとプロペラシャフト取付ブラケット43の前縁との間に連続するスリット44aが形成されたものを適用する。プロペラシャフト41或いは補強部材20の少なくとも一方に衝撃荷重が作用してプロペラシャフト取付ブラケット43と補強部材20との間に所定値以上の相対荷重が生じた場合に、プロペラシャフト取付ブラケット43のスリット44a及びボルト挿通孔43a等が変形して補強部材20からプロペラシャフト取付ブラケット43が離脱して前部プロペラシャフト41a及び後部プロペラシャフト41bから成るプロペラシャフト41が脱落する。
【0050】
更に、トンネル部11の上部11Aには、図6にトンネル部11の平面図を示し、図7に図6の側面図を示すように、両補強部材20の上面部21Aが溶接結合される一対の補強部材結合部11D上或いは該補強部材結合部11Dに近接して後部ハンドブレーキ取付部11Eが形成され、かつ後部ハンドブレーキ取付部11Eの前方に前部ハンドブレーキ取付部11Fが形成されている。
【0051】
そして、後部ハンドブレーキ取付部11Eと前部ハンドブレーキ取付部11Fとの間にハンドブレーキ取付ブラケット51が架設され、該ブラケット51の後端及び前端に折曲形成された後部取付部51a及び前部取付部51bが各々後部ハンドブレーキ取付部11E及び前部ハンドブレーキ取付部11Fに重合して各重合部をボルト55a及びナット(図示せず)による締結具55によって結合されてハンドブレーキ装置50がトンネル部11の上部11Aに取り付け支持されている。
【0052】
なお、符号53はハンドブレーキ装置50のブレーキレバー52の操作力を調整して各ブレーキ装置(図示せず)に分散伝達するイコライザである。
【0053】
従って、トンネル部11に形成されたハンドブレーキ取付部、特に後部ハンドブレーキ取付部11Eは、トンネル部11及びフロア面12に亘って強固に取り付けられた補強部材20の上面部21Aが結合された補強部材結合部11Dに重複乃至補強部材結合部11Dに近接配置されて補強され、ハンドブレーキ装置50の使用に充分対応し得る剛性が確保される。
【0054】
このように形成された車体フロア構造1によると、シートベルトアンカ31を取付支持する上記シートベルトアンカ取付部11D及びハンドブレーキ装置50を取付支持するハンドブレーキ取付部、特に後部ブレーキ取付部11Eがトンネル部11及びフロア面12に結合された強補強部材20によって充分に補剛され、シートベルトの使用及びハンドブレーキ装置50の使用に充分対応し得る剛性が確保される。
【0055】
一方、トンネル部11の上部11Aは、各補強部材20に形成された上面部21Aの上端縁20a間の離間寸法aに対応する範囲が補強部材20によって補剛されることなく該部に脆弱部αが形成されることから、例えば車体前方から所定値以上の衝撃荷重が作用した際、エンジンルーム等の車体前部のクラッシュによって吸収することができなかった残余の衝撃エネルギーは、乗員への影響ない、或いは影響が極めて少ないトンネル部11の上記脆弱部の変形によって吸収する。
【0056】
これらの脆弱部の変形は、上記プロペラ脱落機構44によってプロペラシャフト41を支持するプロペラシャフト取付ブラケット43が補強部材20から脱落して、両補強部材20相互間の相対移動が許容されて、これら脆弱部の上記変形はプロペラシャフト取付ブラケット43による拘束が解除されて確保される。
【0057】
この結果、車体フロア構造1の過度の変形が防止されて車体フロア構造1から効率的に衝撃荷重を他の車体部材に分散伝達され、かつ運転席シート及び助手席シートが取り付けられる車体フロア構造1の部分がクロスメンバ13とシート取付用ブラケット14によって形状が拘束されて変形が防止されることと相俟ってして車室内の乗員が保護される。
【0058】
また、更に過度の衝撃荷重が車体フロア構造1に作用した際には、乗員への影響が少ないシート取付ブラケット14の内方端部14aと補強部材20の側端部20bとの間に位置するフロントフロア20の部位に形成された脆弱部βが変形して残余の衝撃エネルギーを吸収して車体フロアの過剰の変形を阻止して車室内の乗員の安全が確保される。
【0059】
上記説明では、車体前方から衝撃荷重が作用した場合を例に説明したが、車体側方から所定値以上の衝撃荷重が作用した場合にも同様に、トンネル部11に形成された補強部材20間の脆弱部α及びフロントフロア10に形成された脆弱部βの変形によって衝撃エネルギーが吸収され、過度の車体フロア1の変形が防止されて効率的に荷重を他の車体部材に分散伝達されて乗員の安全が確保される。
【0060】
また、センターブラケット42を支持するプロペラシャフト取付ブラケット43が結合される補強部材20によってトンネル部11に形成されるシートベルトアンカ取付部11C及びハンドブレーキ取付部、特に後部ブレーキ取付部11Eも補剛され、これらシートベルトアンカ取付部11C及び後部ブレーキ取付部11Eを補剛する補強部材を別途配設する必要がなく、構造の簡素化及び軽量化が得られ、製造コストの削減が得られる。
【0061】
上記実施の形態では、トンネル部11の上部11Aに形成したシートベルトアンカ取付部11Cに設けられたナット32を補強部材20の上面部21A及び両側面部21Cによって囲むようにしてシートベルトアンカ取付部11Cを補剛したが、ナット32を補強部材20の上面部21Aの下面に設けることも可能であり、本発明は上記の実施の形態に限定されることなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。
【0062】
【発明の効果】
以上説明した自動車の車体フロア構造によると、トンネル部及びトンネル部近傍のフロア面に亘って補強部材による補強によってフロアの剛性が確保される一方、互いに離間する各補強部材の上端縁間におけるトンネル部の範囲は各補強部材によって補剛されることなく、該部に脆弱部が形成されることから、車体に所定値以上の衝撃荷重が作用した際、エンジンルーム等の車体前部のクラッシュによって吸収することができなかった残余の衝撃エネルギーは、乗員への影響が極めて少ないトンネル部に形成された脆弱部の変形によって吸収され、車体フロア構造の過度の変形が防止されて車体フロア構造から効率的に衝撃荷重を他の車体部材に分散伝達されて車室内の乗員の安全性が確保され、自動車の安全性向上に貢献すること大なるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による車体フロア構造の実施の形態の概要を示す斜視図である。
【図2】図1におけるI−I線拡大断面図である。
【図3】図2の矢視A方向から見た側面図である。
【図4】図2の矢視B方向から見た平面図である。
【図5】本実施の形態に使用される補強部材の斜視図である。
【図6】車体フロアのトンネル部を示す平面図である。
【図7】図6の側面図である。
【図8】従来の車体フロア構造の要部を示す断面図である。
【符号の説明】
1 車体フロア構造
10 フロントフロア(フロア)
11 トンネル部
11A 上部
11B 側部
11C シートベルトアンカ取付部
11E 後部ハンドブレーキ取付部(ハンドブレーキ取付部)
12 フロア面
20 補強部材
20a 上端縁
21 基部
21A 上面部
21B 下面部
21C 側面部
22 膨出部
22C プロペラシャフト支持部
31 シートベルトアンカ
43 プロペラシャフト取付ブラケット
44 プロペラシャフト脱落機構

Claims (10)

  1. 車体前後方向に延在するトンネル部(11)が形成され、該トンネル部(11)の両側にシートが搭載されるフロア面(12)が形成された自動車用車体フロア構において、
    左右のシート間において上記トンネル部(11)の上部(11A)下面互いの上端縁(20a)間が離間すると共に、各々トンネル部(11)の上部(11A)下面からトンネル部(11)の側部(11B)内面を経てフロア面(12)の下面に亘って配設された一対の補強部材(20)を備えたことを特徴とする自動車の車体フロア構造。
  2. シートベルトのシートベルトアンカ(31)を取付支持する上記トンネル部(11)に形成されたシートベルトアンカ取付部(11C)が、上記補強部材(20)によって補剛されたことを特徴とする請求項1に記載の自動車の車体フロア構造。
  3. ハンドブレーキ操作装置(50)を取付支持する上記トンネル部(11)に形成されたハンドブレーキ取付部(11E)が、上記補強部材(20)によって補剛されたことを特徴とする請求項1または2に記載の自動車の車体フロア構造。
  4. プロペラシャフトのセンターベアリング(42)を支持するプロペラシャフト取付ブラケット(43)が、上記両補強部材(20)の下端間に架設されたことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の自動車の車体フロア構造。
  5. 上記各補強部材(20)は、
    上記トンネル部(11)の上部(11A)下面に結合される上面部(21A)と、
    上記フロア面の下面に結合される下面部(21B)と、
    上記上面部(21A)及び下面部(21B)の各両端部間を連結する上記トンネル部(11)の側部(11B)内面に沿って配設された一対の側面部(21C)とを有する基部(21)と、
    該基部(21)の両側面部(21C)に連結されて上記上面部(21A)から下面部(21B)に亘ってトンネル部(11)内側にビード状に膨出形成された膨出部(22)と、
    を備えたことを特徴とする請求項1に記載の自動車の車体フロア構造。
  6. シートベルトのシートベルトアンカ(31)を取付支持するシートベルトアンカ取付部(11c)が上記トンネル部(11)の上部(11A)下面に結合される補強部材(20)の上面部と、各側面部(21C)の上部とによって囲まれ、かつ上記膨出部(22)に対応してトンネル部(11)上面部に形成されたことを特徴とする請求項5に記載の自動車の車体フロア構造。
  7. ハンドブレーキ操作装置(50)を取付支持するハンドブレーキ取付部(11E)が、
    上記トンネル部(11)の上部(11A)下面に結合される補強部材(20)の上面部(21A)に近接してトンネル部(11)上面部に形成されたことを特徴とする請求項5または6に記載の自動車の車体フロア構造。
  8. プロペラシャフト(41)のセンターベアリング(42)を支持するプロペラシャフト取付ブラケット(43)が、
    上記両補強部材(20)に形成された膨出部(22)の下端間に架設されたことを特徴とする請求項5〜7のいずれか1項に記載の自動車の車体フロア構造。
  9. 上記プロペラシャフト取付ブラケット(43)は、
    上記プロペラシャフト(41)と補強部材(20)との間に作用する所定値以上の相対荷重によって補強部材(20)から離脱するプロペラシャフト脱落機構(44)によって両補強部材(20)の膨出部(22)の下端間に架設されたことを特徴とする請求項8に記載の自動車の車体フロア構造。
  10. 平面視状態で上記補強部材(20)は、フロア面(12)の上面に配置されるシート取付用のシートブラケット(14)と離間して配設されたことを特徴とする請求項1に記載の自動車の車体フロア構造。
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