JP4259124B2 - 車体構造 - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は車体構造に係り、特に、車両前突時にキャビン(車室)前部の沈み込みを抑制する車体構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、自動車の車両の車体構造においては、フロントサイドメンバへの衝撃力を3本の腕を介して、骨格部材としての、内側トンネル部壁、フロントピラー及びロッカで支えることで、車両前突時のキャビンの変形を抑制する構造が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
【特許文献1】
特公昭60−15510号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような従来の技術では、サイドメンバの後部をキャビンの下部に沿って車体後方へ延設しており、サイドメンバの後部に上下2箇所の屈曲部を有する傾斜部(移行部)が形成されている。この結果、車両前突時に発生するキャビンの車体前方への慣性荷重が、サイドメンバの後部に作用した際に、前記上下2箇所の屈曲部のオフセットが大きいことにより、サイドメンバの後部の変形量が大きくなる。このため、車両前突時のキャビン前部の沈み込みが大きくなる。
【0005】
本発明は上記事実を考慮し、車両前突時のキャビン前部の沈み込みを抑制できる車体構造を得ることが目的である。
【0006】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の本発明は、前部が車体前後方向に沿って延びると共に後部にダッシュパネルの下方傾斜部に沿って傾斜した傾斜部を備えた閉断面部を形成する左右一対のサイドメンバと、
前記左右一対のサイドメンバとトンネル部上部とを連結する連結部材と、
を備え、前記サイドメンバの後端部を前記ダッシュパネルの下方傾斜部の下端部までとしたことを特徴とする。
【0007】
従って、車両前突時に発生するキャビンの車体前方への慣性荷重の一部は、連結部材によりトンネル部上部から閉断面部を形成する左右一対のサイドメンバに伝達される。また、サイドメンバの後端部はダッシュパネルの下方傾斜部の下端部までとなっている。この結果、サイドメンバの後部をキャビンの下部に沿って車体後方へ延設した従来構造の荷重伝達経路に比べて、荷重伝達経路の上下オフセットを小さくできる。このため、サイドメンバの変形量が小さくなり、車両前突時のキャビン前部の沈み込みを抑制できる。
【0008】
請求項2記載の本発明は、前部が車体前後方向に沿って延びると共に前部と後部との間にダッシュパネルの下方傾斜部に沿って傾斜した移行部を備え、後部が車体前後方向に沿って延びる閉断面部を形成する左右一対のサイドメンバと、
前記左右一対のサイドメンバに連結または固定されたエンジンルーム内構造物と、
前記エンジンルーム内構造物とトンネル部上部とを連結する連結部材と、
を備えたことを特徴とする。
【0009】
従って、車両前突時に発生するキャビンの車体前方への慣性荷重の一部は、連結部材によりトンネル部上部から、閉断面部を形成する左右一対のサイドメンバに連結または固定されたエンジンルーム内構造物に伝達され、前突相手物に伝達される。この結果、前突時の慣性荷重の一部が、トンネル部上部から、連結部材により、左右一対のサイドメンバに連結または固定されたエンジンルーム内構造物に伝達される荷重伝達経路に分散されることによって、サイドメンバの前部と後部との間の移行部に作用する前突時の慣性荷重を低減できる。このため、サイドメンバの移行部の変形量が小さくなり、車両前突時のキャビン前部の沈み込みを抑制できる。
【0010】
請求項3記載の本発明は、請求項2に記載の車体構造において、前記エンジンルーム内構造物はエンジンであり、前記エンジンの後部に前記連結部材との連結部が形成されていることを特徴とする。
【0011】
従って、車両前突時に発生するキャビンの車体前方への慣性荷重の一部は、連結部材によりトンネル部上部から、閉断面部を形成する左右一対のサイドメンバに固定されたエンジンに伝達され、前突相手物に伝達される。この結果、前突時の慣性荷重の一部が、トンネル部上部から、連結部材により、左右一対のサイドメンバに固定されたエンジンに伝達される荷重伝達経路に分散されることによって、サイドメンバの前部と後部との間の移行部に作用する前突時の慣性荷重を低減できる。このため、サイドメンバの移行部の変形量が小さくなり、車両前突時のキャビン前部の沈み込みを抑制できる。
【0012】
請求項4記載の本発明は、請求項2に記載の車体構造において、前記エンジンルーム内構造物はサスペンションメンバであることを特徴とする。
【0013】
従って、請求項2に記載の内容に加えて、エンジンルーム内構造物をサスペンションメンバとすることで、連結部材によってサスペンションメンバとトンネル部上部を容易に連結できる。
【0014】
請求項5記載の本発明は、請求項1〜4の何れか1つに記載の車体構造において、シートレールの車体への取付部を車体上方へ延設し、前記トンネル部の上壁部に固定したことを特徴とする。
【0015】
従って、請求項1〜4の何れか1つに記載の内容に加えて、車両前突時に発生するシートとシートに着座した乗員の車体前方への慣性荷重の一部を、シートレールの車体への取付部によりトンネル部上部に効果的に伝達できる。また、シートレールの車体への取付部を車体上方へ延設し、トンネル部の上壁部に固定することで、シートの取付位置を下方に設定できる。
【0016】
請求項6記載の本発明は、請求項1〜4の何れか1つに記載の車体構造において、フロアにトンネル部とロッカとを連結するビードを形成したことを特徴とする。
【0017】
従って、請求項1〜4の何れか1つに記載の内容に加えて、フロアに形成したトンネル部とロッカとを連結するビードにより、車両前突時に発生する車体前方への慣性荷重によるトンネル部またはロッカの変形を抑制できる。
【0018】
【発明の実施の形態】
本発明における車体構造の第1実施形態を図1及び図2に従って説明する。
【0019】
なお、図中矢印FRは車体前方方向を、矢印UPは車体上方方向を、矢印INは車幅内側方向を示す。
【0020】
図1に示される如く、本実施形態の車体前部10には、車幅方向両端下部近傍に車体前後方向に沿ってサイドメンバとしての左右一対のフロントサイドメンバ12が配設されており(車体左側のフロントサイドメンバ12は図示省略)、フロントサイドメンバ12は車体前後方向へ延びる閉断面部16を形成している。また、フロントサイドメンバ12の前部12Aはエンジンルーム内に配設されており、エンジンルーム内構造物となっている。
【0021】
フロントサイドメンバ12の後部は、ダッシュパネル14の下方傾斜部14Aに沿って、車体前方上部から車体後方下部に向って傾斜した傾斜部12Bとなっており、開口部を上方に向けたハット型断面とされている。また、フロントサイドメンバ12の傾斜部12Bの開口縁部に形成された接合フランジ12Cは、ダッシュパネル14に接合されている。
【0022】
図2に示される如く、フロントサイドメンバ12の閉断面部16における後端部16Aは、ダッシュパネル14の下方傾斜部14Aの下端部14Bで終わっている。即ち、フロントサイドメンバ12の閉断面部16における後端部16Aは、キャビン20の前端下部(フロア足溜まり領域)20Aの傾斜面までとなっている。
【0023】
また、フロントサイドメンバ12の前部12Aにおける傾斜部12B近傍の部位の車幅方向内側面12Dには、連結部材としてのブレース22の前端部22Aが上下2本のボルト等の固定手段24によって固定されている。なお、ブレース22は、例えば、直線状のスチールパイプ材で構成されており、前端部22Aと後端部22Bが平坦化されている。
【0024】
図1に示される如く、ブレース22の後端部22Bは、フロア28の車幅方向中央部に車体前後方向に沿って形成されたトンネル部30に固定されており、ブレース22の後端部22Bは、上下2本のボルト等の固定手段34によって、キャビン20の外側となるトンネル部30の側壁部30Aにおける上部30Bの前端部30Cに固定されている。
【0025】
従って、ブレース22によって、車両前突時に発生するキャビン20の車体前方への慣性荷重の荷重伝達経路の上下オフセットL(図2参照)が小さくなっている。
【0026】
なお、車体左側のフロントサイドメンバ(図示省略)においても同様の構造となっている。
【0027】
次に、本実施形態の作用を説明する。
【0028】
本実施形態では、車両前突時に発生するキャビン20の車体前方への慣性荷重の一部は、ブレース22により、フロア28に形成されたトンネル部30の内側壁部30Aにおける上部30Bの前端部30Cから、フロントサイドメンバ12の前部12Aにおける傾斜部12B近傍の部位の車幅方向内側面12Dに伝達される。また、フロントサイドメンバ12の閉断面部16における後端部16Aが、ダッシュパネル14の下方傾斜部14Aの下端部14Bで終わっている。
【0029】
この結果、図2に一点鎖線で示すように、フロントサイドメンバの後部31をキャビン20の下部に沿って車体後方へ延設した構造の荷重伝達経路に比べて、本実施形態では、荷重伝達経路の上下オフセットLを小さくすることができる。
【0030】
即ち、本実施形態では、車両前突時に発生するキャビン20の車体前方への慣性荷重の一部が、比較的小さなオフセット関係を持って、フロントサイドメンバ12の前部12Aへ伝達される。
【0031】
このため、フロントサイドメンバ12の傾斜部12Bの変形量が小さくなり、車両前突時のキャビン前部における沈み込みを抑制できる。
【0032】
また、エンジンルーム内構造物をフロントサイドメンバ12の前部12Aとしたことで、ブレース22によってフロントサイドメンバ12とトンネル部30の上部を容易に連結できる。
【0033】
なお、図3及び図4に示される如く、フロントサイドメンバ12の閉断面部16における後端部16Aをダッシュパネル14の下方傾斜部14Aの下端部14Bより車体後方へ僅かに延設し、フロントサイドメンバ12の閉断面部16における後端部16Aをフロア28より車体下方へ膨出させた構成としても良い。
【0034】
また、本実施形態では、ブレース22の後端部22Bを、トンネル部30の内側壁部30Aにおける上部30Bの前端部30Cに上下2本のボルト等の固定手段34によって固定したが、これに代えて、図5に示される如く、ブレース22の後端部22Bを、トンネル部30の上壁部30Dの前端部30Eに左右2本のボルト等の固定手段34によって固定した構成としても良い。なお、この場合には、図5に示される如く、左右のブレース22の後端部22Bを一体としても良い。
【0035】
なお、図6には実施形態でなく参考例が示されており、フロントサスタワー38の車幅方向内側壁部38Aの下部に、ブレース22の前端部22Aを上下2本のボルト等の固定手段24によって固定されている。
【0036】
次に、本発明の車体構造の第2実施形態を図7に従って説明する。
【0037】
なお、第1実施形態と同一部材に付いては、同一符号を付してその説明を省略する。
【0038】
図7に示される如く、本実施形態では、フロントサイドメンバ12の後部12Eがキャビン20の下部に沿って車体後方へ延設されており、前部12Aと後部12Eとの間に移行部12Fが形成されている。
【0039】
また、エンジン40の後部40Aの車体後方側に隣接してエンジンルーム内構造物としてのサスペンションメンバ42が配設されており、サスペンションメンバ42は車幅方向に沿って延びる閉断面構造とされている。なお、図示を省略したが、サスペンションメンバ42の車幅方向両端部には、それぞれ二又に車体前後方向へ分岐した取付脚部が形成されており、サスペンションメンバ42は、これらの取付脚部を介してフロントサイドメンバ12に連結されている。
【0040】
サスペンションメンバ42の上面の車幅方向中央部42Aには、ブレース22の前端部22Aがボルト等の固定手段24によって固定されている。また、ブレース22の後端部22Bは、トンネル部30の上壁部30Dの前端部30Eにボルト等の固定手段34によって固定されている。
【0041】
次に、本実施形態の作用を説明する。
【0042】
本実施形態では、車両前突時にフロントサイドメンバ12が車体前後方向に潰れると、エンジン40の後部40Aとサスペンションメンバ42とが当接する。この結果、車両前突時に発生するキャビン20の車体前方への慣性荷重の一部は、フロア28に形成されたトンネル部30の上部から、ブレース22により、サスペンションメンバ42とエンジン40に伝達され、エンジン40またはエンジン40が固定されたフロントサイドメンバ12を介して前突相手物に伝達される。
【0043】
即ち、本実施形態では、前突時の慣性荷重の一部が、トンネル部30の上部から、ブレース22により、サスペンションメンバ42とエンジン40に伝達される荷重伝達経路に分散されることによって、フロントサイドメンバ12の前部12Aと後部12Eとの間の移行部12Fに作用する前突時の慣性荷重を低減できる。
【0044】
このため、フロントサイドメンバ12の移行部12Fの変形量が小さくなり、車両前突時のキャビン前部における沈み込みを抑制できる。
【0045】
また、エンジンルーム内構造物をサスペンションメンバ42としたことで、ブレース22によってサスペンションメンバ42とトンネル部30の上部を容易に連結できる。
【0046】
なお、本実施形態では、ブレース22の後端部22Bを、トンネル部30の上壁部30Dの前端部30Eに左右2本のボルト等の固定手段34によって固定したが、これに代えて、図8に示される如く、ブレース22の後端部22Bを、トンネル部30の内側壁部30Aにおける上部30Bの前端部30Cに上下2本のボルト等の固定手段34によって固定した構成としても良い。
【0047】
次に、本発明の車体構造の第3実施形態を図9に従って説明する。
【0048】
なお、第2実施形態と同一部材に付いては、同一符号を付してその説明を省略する。
【0049】
図9に示される如く、本実施形態では、ブレース22の前端部22Aが、軸44と軸44の外周部に配設されたゴム46とカラー48とから成る周知の防振支持構造となっており、エンジンルーム内構造物としてのエンジン40の後部40Aに形成した連結部40Bに連結されている。
【0050】
また、ブレース22の後端部22Bも前端部22Aと同じ防振構造となっており、トンネル部30の上壁部30Dの前端部30Eに連結されている。
【0051】
次に、本実施形態の作用を説明する。
【0052】
本実施形態では、車両前突時に発生するキャビン20の車体前方への慣性荷重の一部は、フロア28に形成されたトンネル部30の上部から、ブレース22によりエンジン40に伝達され、エンジン40またはエンジン40が固定されたフロントサイドメンバ12を介して前突相手物に伝達される。
【0053】
即ち、本実施形態では、前突時の慣性荷重の一部が、トンネル部30の上部から、ブレース22によりエンジン40に伝達される荷重伝達経路に分散されることによって、フロントサイドメンバ12の前部12Aと後部12Eとの間の移行部12Fに作用する前突時の慣性荷重を低減できる。
【0054】
このため、フロントサイドメンバ12の移行部12Fの変形量が小さくなるので、車両前突時のキャビン前部における沈み込みを抑制できる。
【0055】
なお、エンジン40に代えてエンジンルーム内構造物としてのミッションにブレース22の前端部22Aを連結した構成としても良い。
【0056】
次に、本発明の車体構造の第4実施形態を図10に従って説明する。
【0057】
なお、第1実施形態と同一部材に付いては、同一符号を付してその説明を省略する。
【0058】
図10に示される如く、本実施形態では、フロントシートのシートレール50が、トンネル部30の内側壁部30Aの上下方向中央部30Fに隣接して車体前後方向に沿って配設されており、シートレール50の前端部50A及び後端部50Bには、一体または別体で取付部52が形成されている。
【0059】
これらの取付部52は車体上方へ延設されており、上端部に車幅方向内側へ屈曲したフランジ52Aが形成されている。また、取付部52のフランジ52Aは、ボルト等の固定手段54によって、トンネル部30の上壁部30Dに固定されている。
【0060】
次に、本実施形態の作用を説明する。
【0061】
本実施形態では、第1実施形態の作用効果に加えて、次の作用効果がある。
【0062】
車両前突時に発生するフロントシートとフロントシートに着座した乗員の車体前方への慣性荷重の一部を、シートレール50の前端部50A及び後端部50Bに設けた取付部52によりトンネル部30の上壁部30Dに効果的に伝達できる。
【0063】
また、取付部52の上端部に形成したフランジ52Aをトンネル部30の上壁部30Dに固定することで、シートの取付位置を下方に設定できる。
【0064】
このため、特に車高の低いセダンで重要であるシートクッションの位置を低い位置に保ちながら、車両前突時に発生するフロントシートとフロントシートに着座した乗員の車体前方への慣性荷重の一部を、トンネル部30の上壁部30Dに効果的に伝達できる。
【0065】
なお、本実施形態では、上記シートレール50の取付構造を第1実施形態に適用したが、上記シートレール50の取付構造を第2実施形態または第3実施形態に適用しても良い。
【0066】
次に、本発明の車体構造の第5実施形態を図11に従って説明する。
【0067】
なお、第1実施形態と同一部材に付いては、同一符号を付してその説明を省略する。
【0068】
図11に示される如く、本実施形態では、フロア28にトンネル部30とロッカ60とを連結するビード62が形成されており、ビード62は車幅方向に沿って延び、車体前後方向に所定の間隔を開けて複数本形成されている。従って、車体側面視において、ビード62は、トンネル部30とロッカ60と重なる位置に配設されている。
【0069】
次に、本実施形態の作用を説明する。
【0070】
本実施形態では、第1実施形態の作用効果に加えて、次の作用効果がある。
【0071】
車両前突時に、例えば、ロッカ60の変形が、トンネル部30の変形に比べて早く進む場合には、通常、ロッカ60はその前部60Aが変形するため、ロッカ60の他の部位60Bがトンネル部30に比べて前方へ相対変位する。
【0072】
この時、ビード62はそれ自身剛であるため、ビード62がトンネル部30を前方へ引っ張る。即ち、ロッカ60の変位をトンネル部30によって抑制できる。
【0073】
また、ビード62がフロア28に形成されているため、他部材をフロア28に配設する構成に比べて、重量増が少なく且つ密に配設することができる。この結果、ロッカ60の前部60Aが変形した後も、ロッカ60の他の部位60Bに連結した複数のビード62により、ロッカ60の変形を十分に抑制できる。
【0074】
なお、トンネル部30の変形がロッカ60の変形に比べて早く進む場合にもビード62が同様に作用し、トンネル部30の変位をロッカ60によって抑制できる。
【0075】
また、本実施形態では、ビード62を車幅方向に延設したが、これに代えて、図12に示される如く、ビード62をトンネル部30からロッカ60へ、車体斜め後方へ向って形成しても良い。また、図13に示される如く、ビード62をトンネル部30からロッカ60へ、車体斜め前方へ向って形成しても良い。
【0076】
また、本実施形態では、ビード62を第1実施形態に適用したが、本実施形態のビード62を第2実施形態または第3実施形態に適用しても良く、これらの場合には、ビード62は、車体側面視において、トンネル部30、ロッカ60及びフロントサイドメンバ12の後部12Eと重なる位置となる。
【0077】
以上に於いては、本発明を特定の実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内にて他の種々の実施形態が可能であることは当業者にとって明らかである。例えば、エンジンルーム内構造物は、エンジン40、サスペンションメンバ42に限定されない。
【0078】
【発明の効果】
請求項1記載の本発明は、前部が車体前後方向に沿って延びると共に後部にダッシュパネルの下方傾斜部に沿って傾斜した傾斜部を備えた閉断面部を形成する左右一対のサイドメンバと、左右一対のサイドメンバとトンネル部上部とを連結する連結部材と、を備え、サイドメンバの後端部をダッシュパネルの下方傾斜部の下端部までとしたため、車両前突時のキャビン前部の沈み込みを抑制できるという優れた効果を有する。
【0079】
請求項2記載の本発明は、前部が車体前後方向に沿って延びると共に前部と後部との間にダッシュパネルの下方傾斜部に沿って傾斜した移行部を備え、後部が車体前後方向に沿って延びる閉断面部を形成する左右一対のサイドメンバと、左右一対のサイドメンバに連結または固定されたエンジンルーム内構造物と、エンジンルーム内構造物とトンネル部上部とを連結する連結部材と、を備えたため、車両前突時のキャビン前部の沈み込みを抑制できるという優れた効果を有する。
【0080】
請求項3記載の本発明は、請求項2に記載の車体構造において、エンジンルーム内構造物はエンジンであり、エンジンの後部に連結部材との連結部が形成されているため、車両前突時のキャビン前部の沈み込みを抑制できるという優れた効果を有する。
【0081】
請求項4記載の本発明は、請求項2に記載の車体構造において、エンジンルーム内構造物はサスペンションメンバであるため、請求項2に記載の効果に加えて、連結部材によってサスペンションメンバとトンネル部上部を容易に連結できるという優れた効果を有する。
【0082】
請求項5記載の本発明は、請求項1〜4の何れか1つに記載の車体構造において、シートレールの車体への取付部を車体上方へ延設し、トンネル部の上壁部に固定したため、請求項1〜4の何れか1つに記載の効果に加えて、車両前突時に発生するシートとシートに着座した乗員の車体前方への慣性荷重の一部をトンネル部上部に効果的に伝達できると共にシートの取付位置を下方に設定できるという優れた効果を有する。
【0083】
請求項6記載の本発明は、請求項1〜4の何れか1つに記載の車体構造において、フロアにトンネル部とロッカとを連結するビードを形成したため、請求項1〜4の何れか1つに記載の効果に加えて、車両前突時に発生する車体前方への慣性荷重によるトンネル部またはロッカの変形を抑制できるという優れた効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1実施形態に係る車体構造を示す車体斜め内側前方から見た斜視面図である。
【図2】 本発明の第1実施形態に係る車体構造を示す側断面図である。
【図3】 本発明の第1実施形態の変形例に係る車体構造を示す車体斜め内側前方から見た斜視面図である。
【図4】 本発明の第1実施形態の変形例に係る車体構造を示す側断面図である。
【図5】 本発明の第1実施形態の他の変形例に係る車体構造を示す車体斜め内側前方から見た斜視面図である。
【図6】 参考例に係る車体構造を示す車体斜め内側前方から見た斜視面図である。
【図7】 本発明の第2実施形態に係る車体構造を示す側断面図である。
【図8】 本発明の第2実施形態の変形例に係る車体構造を示す側断面図である。
【図9】 本発明の第3実施形態に係る車体構造を示す側断面図である。
【図10】 本発明の第4実施形態に係る車体構造を示す車体斜め前方から見た斜視面図である。
【図11】 本発明の第5実施形態に係る車体構造を示す車体斜め前方から見た斜視面図である。
【図12】 本発明の第5実施形態の変形例に係る車体構造を示す車体斜め前方から見た斜視面図である。
【図13】 本発明の第5実施形態の他の変形例に係る車体構造を示す車体斜め前方から見た斜視面図である。
【符号の説明】
12 フロントサイドメンバ(サイドメンバ)
12A フロントサイドメンバの前部(エンジンルーム内構造物)
12B フロントサイドメンバの傾斜部
12F フロントサイドメンバの移行部
14 ダッシュパネル
14A ダッシュパネルの下方傾斜部
16 フロントサイドメンバの閉断面部
20 キャビン
22 ブレース(連結部材)
22A ブレースの前端部
22B ブレースの後端部
28 フロア
30 トンネル部
38 フロントサスタワー(エンジンルーム内構造物)
40 エンジン(エンジンルーム内構造物)
42 サスペンションメンバ(エンジンルーム内構造物)
50 シートレール
52 取付部
60 ロッカ
62 ビード

Claims (6)

  1. 前部が車体前後方向に沿って延びると共に後部にダッシュパネルの下方傾斜部に沿って傾斜した傾斜部を備えた閉断面部を形成する左右一対のサイドメンバと、
    前記左右一対のサイドメンバとトンネル部上部とを連結する連結部材と、
    を備え、前記サイドメンバの後端部を前記ダッシュパネルの下方傾斜部の下端部までとしたことを特徴とする車体構造。
  2. 前部が車体前後方向に沿って延びると共に前部と後部との間にダッシュパネルの下方傾斜部に沿って傾斜した移行部を備え、後部が車体前後方向に沿って延びる閉断面部を形成する左右一対のサイドメンバと、
    前記左右一対のサイドメンバに連結または固定されたエンジンルーム内構造物と、
    前記エンジンルーム内構造物とトンネル部上部とを連結する連結部材と、
    を備えたことを特徴とする車体構造。
  3. 前記エンジンルーム内構造物はエンジンであり、前記エンジンの後部に前記連結部材との連結部が形成されていることを特徴とする請求項2に記載の車体構造。
  4. 前記エンジンルーム内構造物はサスペンションメンバであることを特徴とする請求項2に記載の車体構造。
  5. シートレールの車体への取付部を車体上方へ延設し、前記トンネル部の上壁部に固定したことを特徴とする請求項1〜4の何れか1つに記載の車体構造。
  6. フロアにトンネル部とロッカとを連結するビードを形成したことを特徴とする請求項1〜4の何れか1つに記載の車体構造。
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