JP3613287B2 - 厨芥処理装置 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
この発明は厨芥の処理装置に係り、特に加熱、乾燥処理することで厨芥を軽量で扱いやすい状態にする装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
家庭やレストラン等の厨房から発生する生ゴミをゴミ収集車が収集するまでの間保管しているが、放置しておくと悪臭を伴うためその処理に非常に苦労していた。
この不便を解消するために生ゴミ等の厨芥を処理する装置が種々提案されているが、その中の1つの方式として厨芥を加熱、乾燥することで減量、軽量化して貯蔵、運搬の取扱いの容易化を図ったものがある。
【0003】
例えば、特開昭59−162957号公報に示されるようにヒータにより加熱することで水分を蒸発させ軽量化させるのであるが、蒸気と臭気は外部に放出しなくてはいけない。蒸気と臭気はそのまま放出すれば室内に設置することは出来ないので排気に関して何らかの対策が必要となる。
【0004】
排気に関しては特開平1−189383号や特開平4−29793号あるいは特開平5−94870号公報等で種々の方式が開示されているが、本質的には水蒸気は水として排出し、臭気は脱臭材やオゾン分解を利用して臭気を弱めて外部に放出している。
特に図12で示した特開平1−189383号に記載されるような構成をとれば水分と脱臭が同時に行えて都合が良い。
しかしながらこの従来例の場合、送気ファン57が釜58の中の空気を引き込む構成をとっているため釜58の内部が蒸気により高圧時には送気ファン57を要しなくてもすみやかに排気されるものの、ある程度乾燥が進み内部の圧力がさほど高圧でなくなった場合、送気ファン57の能力を十分強力なものにしないと排気が良好に行われず、また送気ファン57が排気路59内に介在するため、該ファン57に蒸気の水分とともに細かな塵埃が付着するおそれがあり、故障の原因となる。
【0005】
その点、図13に示す特開平4−29793号に開示されているものでは、ポンプ61を用いて内釜62内に空気を送り込む方式を採用してあるので、内部の圧力が低下しても送り込まれる空気により高圧状態を保持でき、速やかな排気が処理完了まで行える。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながらこのポンプ61を用いて内釜62内に空気を送り込むものでは、送風が冷たいと内釜62内の温度低下を来すので熱交換部63により排出通路64の熱と送風通路65の熱の熱交換を行っているが、内釜62を収納した外ケースよりも外方で熱交換を行っているので、熱交換の効率が悪く、またレイアウト的にも問題が多くてコンパクトにまとまらない欠点がある。
【0007】
この発明の目的は、コンパクトな構成で、ポンプ部から内容器内に送り込む前の空気の予備加熱を十分に行うことができる厨芥処理装置を提供するにある。
この発明の目的は、内容器の省電力化を図ることのできる厨芥処理装置を提供するにある。
この発明の目的は、生ゴミの乾燥効率、および排気効率の向上を図ることのできる厨芥処理装置を提供するにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
この発明は、生ゴミを受け入れる内釜1と、これの上方を開閉する内蓋9と、これらを加熱するための加熱手段と、内蓋9及び加熱手段より外周側にある外ケース22と、外気を内釜1内に送り込むためのポンプ部16と、外気を内釜1内に吹き込む送気口18と、内釜1内の気体を外部に排気する排気口19とを備えた厨芥処理装置において、加熱手段が、内蓋9に設けられた上部ヒータ8を含んでおり、上記ポンプ部16と内釜1の間が送気路11を介して連通されており、送気路11と上部ヒータ8とが、内蓋9と外ケース22の間の空間Sに配設されており、送気口18と排気口19とがそれぞれ内蓋9に設けてあって、送気口18は内釜1内の中央上部に、排気口19は内釜1内の中央上部から外側方へずれた偏心位置にそれぞれ配設されていることを特徴とする。
【0012】
【作用】
ポンプ部16により内釜1内に送り込まれる前の外気は内容器を加熱するための加熱手段3・7・8により充分に予備加熱することができる。
【0013】
内容器と外ケース22の間の送気路11は熱交換機能を発揮するので、内容器の熱が外ケース22の外へ放散するのを低減できる。
【0014】
内釜1内に送り込まれる前の外気は触媒コンバータ27の表面を通すことによりその表面からの放熱で充分に予備加熱することができる。
【0015】
内釜1内の上方の内蓋9に配設された送気口18から内釜1内に吹き込まれる空気は内釜1内の生ゴミにぶつかると反転し、反転後内釜1の内壁に沿うよう上昇する対流移動を引き起こす。上記内蓋9に配設された排気口19からは生ゴミの乾燥中に発生する蒸気が前記反転後の上昇空気と同伴して釜外へ速やかに流出する。
【0016】
【実施例】
この発明に係る厨芥処理装置の実施例を図面に基づいて説明する。
(実施例1)
図1はこの発明に係る厨芥処理装置の一実施例を示す一部切欠き断面図であり、内蓋9と内釜1からなる内容器内に処理される生ゴミが投入されるものであり、該内釜1の外周に、空気層2を介して加熱手段としての側面加熱ヒータ3が巻回された外釜4が設けられている。
【0017】
外釜4の外周は断熱材5により覆われており、外部への放熱を軽減している。なお内蓋9の周側方および上部を覆う外蓋20の内部にも断熱材5が充填されており、同様の効果を有す。この外蓋20と、外釜4の周側方および底部を覆う外壁23により外ケース22が構成されるが、この外ケース22において構成された断熱材5は必ずしも必要でなく、後述する送気路11の熱交換作用により省略することも出来る。6は回転翼であり、内釜1の内底中央に取付けてモータ10と連結させており、内釜1内の生ゴミを攪拌して乾燥を促進させる働きをする。
【0018】
上記した側面加熱ヒータ3以外に、外釜4の底面に底部加熱ヒータ7を、また内蓋9に上部ヒータ8をそれぞれ設けており、空気層2の存在の効果により、内釜1を均一に加熱している。上部ヒータ8は内蓋9の上面側に設けられているが、内蓋9の加熱を目的とすれば、特に配置は限定されず、ヒータを内蓋9の下面に配置したり、内蓋9に埋め込む構成であっても良い。なお、底部加熱及び側面加熱は、ヒータ3・7に代え、電磁加熱を用いることもできる。
【0019】
加熱手段としての各ヒータ3・7・8の加熱は図示しない制御部により厳格に制御されており、内釜1内の生ゴミが内釜1の内壁に焦げつかない程度の加熱乾燥を効率良く行っている。
内蓋9には送気路11からの空気を内釜1内に送り込むための送気口18と内釜1内の蒸気を排出するための排気口19が開設される。この場合、送気口18は内釜1内の中央上部に、排気口19は内釜1内の中央上部から外側方へずれた偏心位置にそれぞれ位置するよう配設する。
【0020】
16は上記送気口18へ空気を送り込むためのエアーポンプ等から成るポンプ部であり、酸素を含んだ空気が含まれることで排気時の触媒脱臭効果が高められる。触媒脱臭効果を更に高めるためにオゾン発生器15を併設し、オゾンを含んだ空気を送風口18へ送り込んでもよい。17は逆止弁であり、内釜1内の圧力が高圧となった際の逆流を防止している。
【0021】
次に使用状態について説明する。
生ゴミを投入し、図示しない駆動スイッチをONすると、モータ10が回転を始め、回転翼6が生ゴミを攪拌するとともに、各ヒータ3・7・8が加熱する。各ヒータ3・7・8の加熱効果により、内釜1内の温度が上昇し、生ゴミの水分が蒸発し始める。蒸発した水分は臭気とともに、排気口19から排気管12を通って水タンク13内へ排出される。この時は内圧の上昇分があるので、排気は自動的に行われ、ポンプ部16の駆動は必ずしも必要ではないが、この時点から排気をより一層促進させるため、あるいは触媒による臭気の脱臭効果を向上させるために酸素を含んだ空気を内釜1内に送り込んでも良い。
【0022】
蒸発がある程度進み内釜1の内圧が低下してくると、水分を多量に含んだ空気が滞留したままとなるのでポンプ部16が駆動し、空気を送気口18から吹き込んで排気を促進させる。この場合、送気口18は内釜1の中央上部に設けられているので、その送気口18から吹き込まれる空気は内釜1の中央上部から生ゴミの全体に均一に効率的に吹き付けられ、生ゴミからはねかえる空気は内釜1の内壁に沿うよう上昇し、生ゴミから発生する蒸気を排気口19から速やかに排出させる。
【0023】
図2に示すように、上記送気路11は内蓋9と外蓋20の間をうず巻き状にして意図的に長い距離で介在するようにしている。
外蓋20は断熱材5により断熱性を有しているので、外蓋20と内蓋9の間に形成される空間Sは上部ヒータ8により加熱された状態となっており、したがって内蓋9の内面の結露を防止出来るだけでなく、送気路11も空間Sに介在している間に加熱されるので、ポンプ部16から送られる空気を十分加熱して送気口18から送り込むことが可能となる。
【0024】
送気口18は空気を噴出可能とするために下向き先端を細く絞った形のノズル46を備えている。空気はノズル46を介して噴出状態で内釜1内に送り込むことにより速やかに生ゴミの存在する内釜下部側まで到達し、乾燥が促進されるとともに排気口19から短絡的に直接送り込まれた空気が出ていくという不都合も解消できる。
【0025】
排気口19から排出される蒸気や臭気は排気路12を通って外部の温度や図示しない強制冷却手段で徐々に冷やされながら、水タンク13内に送られる。水タンク13内では水蒸気が水として蓄えられ、臭気は触媒14を充填した排気口21から脱臭され排気される。
【0026】
所定の時間運転されると、各ヒータ3・7・8による内釜1内の加熱を停止させ、生ゴミの乾燥が終了する。内釜1の冷却を進めるためにはヒータ3・7・8の加熱停止後も暫くの間ポンプ部16を作動させておくと良い。
【0027】
十分冷却がされると、使用者は外蓋20、内蓋9を開け、内釜1を取り出し処理済みの生ゴミを処分する。水タンク13に貯溜された水は、適宜排水しなければならないが、排水を忘れると水タンク13内が満杯となり、水タンク13の破裂のおそれが出てくるので、水タンク13を設けずに直接排気管12からの水蒸気の水分をシステムキッチン等の排水路に連結してもよい。
【0028】
上記送気路11の内蓋9上での迂回の形状は、渦巻形状以外にも種々考えられる。勿論、送気路11先端の空間Sに直接開放し、この空間Sに送気口18を接続すれば、空間Sのほぼ全域を有効に活用でき、送気路11の途中の迂回形状を省略することができる。また、この場合、送気路11の開放先端と送気口18との間の空間S内に、内蓋9または外蓋20の少なくともいずれか一方側から、あるいは空間S内に別体の迂回用リブ体を設ければ、空気の流れの短絡を抑制でき予備加熱効果を高めることができる。
【0029】
(実施例2)
また送気路11は側面加熱ヒータ3や底部加熱ヒータ7の近傍である内釜1と外壁23の間を通過するものであっても良く、図3に示すように内釜1の外周の空気層2のスペースを利用して送気路11を配設するようにすればコンパクトな構成で予備加熱が十分行えることになり、又内釜1の熱が外部へ放散されるのを防止する効果も向上し、断熱材5の省略や軽量化が実現できる。
【0030】
図3において空気層2のスペースを利用した実施例としたが、断熱材5のスペースに配設しても同様の効果が得られる。
特に空気層2を利用して送気路11を配設した場合は、内釜1の内壁の温度の均一性向上に寄与し、またヒータ3・7の外周と断熱材5の間に送気路11を配設した場合は断熱効果の向上に寄与することになり、いずれの実施例でもあるいは両者を組み合わせた実施例でも極めて優れた乾燥式の厨芥処理装置を提供出来る。
【0031】
(実施例3)
図4はこの発明の第3実施例を示しており、内蓋26の内釜1側において送気路25を迂回させて配設したものである。24は加熱手段としてのヒータであり、内蓋26の内側か外側のいずれかに近接して備えられる。この場合、内釜1の熱の外部放散の防止作用はなくなるが、送気される空気の予備加熱効果はヒータ24の加熱効果と内釜1内の高温状態にさらされることが相まって十分に得られ、また加熱手段により内蓋26と送気路25のいずれをも同時に加熱することができ、内蓋26の内釜1外への露付きを防止できる。
【0032】
(実施例4)
図5ないし図11はこの発明の第4実施例を示す。この実施例では、図5ない図7に示すよう、内蓋9と外蓋20の間において内蓋9に設けた排気口19に一端を連結した排気管12の他端に、排出蒸気に触媒作用を及ぼして脱臭する触媒コンバータ27を直列的に設置する。この触媒コンバータ27はセラミックなどからなる担体に貴金属系触媒を担持させた触媒体28を触媒筒29に充てんし、この触媒体28の中央にヒータ30を貫通させて構成する。ヒータ30は、生ゴミ乾燥時に触媒を活性化するために触媒温度を500℃位に維持する。
上記触媒筒29の蒸気入口31に排気管12が接続され、触媒筒29の蒸気入口31と反対側に設けた出口32は外蓋20の後側部に設けた外部排気口33に臨ませている。
この実施例のポイントは、ポンプ部16で内釜1内に送り込む空気の予備加熱源として、上記触媒コンバータ27の表面からの放熱を利用する点である。そのために触媒筒29の外側は内外蓋9・20間に配管される送気管路の中途に一体形成される断熱筒34で覆って、両筒29・34間に予熱室35を形成する。断熱筒34に設けた空気入口36は外壁23内に配管された送気路11の端11aと接続し、断熱筒34の空気入口36と反対側に設けた出口37は送気口18に連通させる。図8に示すように内外蓋9・20はヒンジH回りに開閉自在であるので、これを閉じたとき断熱筒34の空気入口36と送気路11の端11aが突き合わされて連通する。図9に示すように送気路11の端11aの内部には逆止弁38を入れてある。
触媒筒29の外側を断熱筒34で覆っておくと、触媒筒29の表面からの放熱損失を減少させることもできるので、触媒の加熱効率を向上させるうえでも有利である。なお、内釜1を加熱するための加熱手段たるヒータ7は外釜4の内底部に設け、このヒータ7の発熱で内外釜1・4間の空間内の空気の温度が上昇し、その熱で内釜1が生ゴミを焦げつかせない程度に熱せられるようにしてある。
【0033】
また、この第4実施例においても、第1実施例の場合と同様に送気口18が内釜1内の中央上部に位置するように内蓋9の中央に、また排気口19が内釜1内の上部中央から外側方へずれた偏心位置に位置するように内蓋9の偏心位置にそれぞれ設けられる。この場合、送気口19の内部には温風を内釜1内の生ゴミに吹き付けるための送風ファン39を設置する。この送風ファン39は内外蓋9・20の間に収納配備したくま取りコイル誘導モータなどのファン駆動モータ40で駆動される。この駆動モータ40は上下端に軸41・42を有し、下端側の軸42上に前記送風ファン39が固定され、上端側の軸41上には排気攪拌用ファン43が固定されている。排気攪拌用ファン43は内蓋9と外蓋20の間の空間を更に隔壁44で上下に二分割形成してこの上側の空間45内に配備され、このファン43の駆動により触媒コンバータ27の出口32から排出される蒸気が空間45に連通状態に形成された上記外部排気口33に向けてスムーズに排出されるようにしている。また、この排気攪拌用ファン43は外蓋20の表面温度が上昇するのを低減するという冷却機能をも発揮する。
【0034】
上記くま取りコイル誘導モータなどファン駆動モータ40はこのコアから放熱するため、送気口18に送る前の空気を予熱させるための加熱源としてその放熱を利用することもできる。この場合、図6に示すようにファン駆動モータ40のコアと送気口18との間に熱伝導性に優れるアルミニウムなどの熱伝導体56を介在させ、この熱伝導体56を介してファン駆動モータ40のコアからの放熱で送気口18に送る前の空気を、上記触媒筒29の表面からの放熱と相まって予熱させることができる。
【0035】
上記送気口18は、第1実施例の場合と同様に下向き先端側を細く絞るノズル46を備えて温風が流速で内釜1が深くてもこの内底にまで十分に達するようにしてあるが、特にこのノズル46の先端46aは、図5に示すように排気口19の下向き先端19aよりも内釜1内に向けて長く突出するように設定することにより、送気口18から吹き出される温風が、生ゴミの乾燥に十分使われずに、そのまま排気口19に排出されるようなことがないようにしてある。
【0036】
内釜1の内底に取り付けてある回転翼6の上端には半球形状あるいは弾頭形状に形成した頭部47を付けることにより、この上に生ゴミが滞留することのないように、また送気口18から吹き出される温風が内釜1の内底に向けてスムーズに流れるように整流作用を発揮する。
図5、図10および図11において、上記回転翼6は上下2枚の羽根板48・49を有する。上下の羽根板48・49共にこれの回転方向先行側端縁48a・49aが、攪拌駆動軸50上に固定された羽根板保持筒51の円周接線上にほぼ合致する曲線状に形成し、これにより攪拌時に生ゴミが内釜1内の径方向中央付近に滞留することなく、その径方向外方の内壁1aに向かって移動するようにしてある。
下側の羽根板49はこれの回転方向先行側端縁49aよりも回転方向後行側端縁49bが高くなるように、その傾斜角度θが15〜30°位に設定して取り付ける。これら回転方向先行側端縁49aの径方向外端部と回転方向後行側端縁49bの径方向外端部とをつなぐ外周縁49cは内釜1の内壁1aに沿うように平面視において円弧状に形成するとともに、一個あるいは数個の切欠部52を有する形に形成する。
下側の羽根板49の形状をこのように形成することにより、攪拌時に生ゴミを回転方向先行側端縁49aですくい上げながら回転方向後行側端縁49bの方向へ持ち上げて内釜1の内壁1aに接触加熱させる機会を増大させ、切欠部52から下方へ内釜1の内壁1aに沿わせて落下させる。
【0037】
上側の羽根板48は、下側の羽根板49とは反対に、これの回転方向先行側端縁48aが回転方向後行側端縁48bよりも高くなるように上記傾斜角度θと同じく15〜30°位の傾斜状態に取り付ける。これら回転方向先行側端縁48aの径方向外端部と回転方向後行側端縁48bの径方向外端部とは、下側の羽根板49の場合と同様に、内釜1の内壁1aに沿うよう平面視において円弧状につなぐ外周縁48cでつなぎ、この外周縁48cに一個あるいは数個の切欠部52を設ける。
従って、攪拌時に上側の羽根板48はこの上に位置する生ゴミを回転方向後行側端縁48bの方向へずり下げながら内釜1の内壁1aに接触加熱させる機会を増大させ、切欠部52から下方へ内釜1の内壁1aに沿わせて落下させる。
【0038】
内釜1の内壁1aには、図5に示すように生ゴミがこびりつきにくくするために耐熱性、非ぬれ性、すべり性に優れるふっ素樹脂53をコーティングする。ふっ素樹脂53としてはポリ四ふっ化エチレン、ポリ塩化三ふっ化エチレン、四ふっ化エチレン・六ふっ化プロピレン共重合体、エチレン・四ふっ化エチレン共重合体、あるいは四ふっ化エチレン・パーフロロアルキルビニルエーテル共重合体などが挙げられる。
この場合、内釜1の内壁1aに無数の凹凸部54・55を設け、この凹部54のみにふっ素樹脂53を埋入して凸部55の頂部55aでは内釜1の地肌が露出するようにする。こうした場合は内釜1の地肌が露出する頂部55aで生ゴミへの熱伝導を十分に確保しながらこびりつきを防止できる。たとえ、生ゴミが頂部55aに焦げついても点状であるため、焦げつきの少ないものにすることができる。
【0039】
なお、第4実施例において外気は内釜1内にポンプ部16のみで、または送風ファン39のみで送り込むようにすることもできる。
【0040】
【発明の効果】
以上説明したようにこの発明によれば、ポンプ部16により内釜1内に送り込まれる前の外気を予熱させるための加熱源として、内釜1と内蓋9からなる内容器を加熱するための加熱手段3・7・8を利用してあるので、コンパクトな構成で、しかもその予備加熱を十分に行うことができる。
【0041】
内容器と外ケース22の間の送気路11は熱交換機能を発揮するので内容器の熱の外ケース22外への放散を軽減するできて内容器の省電力化を図ることができる。
【0042】
内釜1内に送り込まれる前の外気を予熱させるための加熱源として、排気系に配設した触媒コンバータ27の表面からの放熱を利用してあると、コンパクトな構成で、しかもその予備加熱を十分に行うことができる。
【0043】
内釜1内の上方の内蓋9に配設された送気口18は、空気を内釜1内の生ゴミの全体に均一に効率的に吹き付けることができ、また排気口19からは、生ゴミの乾燥中に発生する水蒸気を滞留させることなく、前記吹き付け空気が生ゴミにぶつかって反転する対流によって速やかに釜外へ排出できて、乾燥効率および排気効率を上げることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施例を示す厨芥処理装置の一部切欠き断面図である。
【図2】第1実施例の厨芥処理装置の一部分解斜視図である。
【図3】第2実施例を示す厨芥処理装置の一部切欠き断面図である。
【図4】第3実施例を示す厨芥処理装置の一部切欠き断面図である。
【図5】第4実施例を示す厨芥処理装置の縦断正面図である。
【図6】第4実施例の厨芥処理装置の縦断側面図である。
【図7】図6におけるA−A線断面図である。
【図8】第4実施例の厨芥処理装置の内外蓋の開き途上の状態を示す断面図である。
【図9】第4実施例の厨芥処理装置の送気経路の一部断面図である。
【図10】第4実施例の厨芥処理装置の回転翼の平面図である。
【図11】第4実施例の厨芥処理装置の回転翼の正面図である。
【図12】従来例を示す断面図である。
【図13】他の従来例を示す構成図である。
【符号の説明】
1 内釜
3・7・8 加熱手段
9 内蓋
11 送気路
16 ポンプ部
18 送気口
19 排気口
22 外ケース
27 触媒コンバータ
Claims (1)
- 生ゴミを受け入れる内釜1と、これの上方を開閉する内蓋9と、これらを加熱するための加熱手段と、内蓋9及び加熱手段より外周側にある外ケース22と、外気を内釜1内に送り込むためのポンプ部16と、外気を内釜1内に吹き込む送気口18と、内釜1内の気体を外部に排気する排気口19とを備えた厨芥処理装置において、
加熱手段が、内蓋9に設けられた上部ヒータ8を含んでおり、
上記ポンプ部16と内釜1の間が送気路11を介して連通されており、
送気路11と上部ヒータ8とが、内蓋9と外ケース22の間の空間Sに配設されており、
送気口18と排気口19とがそれぞれ内蓋9に設けてあって、送気口18は内釜1内の中央上部に、排気口19は内釜1内の中央上部から外側方へずれた偏心位置にそれぞれ配設されていることを特徴とする厨芥処理装置。
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