JP3613201B2 - キャビネット - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、シンクキャビネット等のキャビネットに関し、特に、天板をキャビネット本体の前面開口を通してスライドし、キャビネット本体の上面に載置して取り付け、あるいは取り外す構造のものであり、その前面開口に取り付けられる幕板の取り付け構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、システムキッチンのシンクキャビネットに設けられたシンク幕板は固定されている。キャビネットを設置する際に、キャビネットの上方に収納棚等があると、それが障害となって天板を上から落とし込むようにして設置することができない。そこで、キャビネット本体の前方からスライドして設置する方法が考えられるが、幕板が固定されていると、天板に付設されたシンクが幕板に当たってしまい施工できないという問題がある。
【0003】
これを解決するためには、幕板をキャビネット本体の左右の側板の間に着脱可能に取り付けられる構成として、天板を前方からスライドして取り付け、後から幕板を取り付ける構成とすることが考えられている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、左右の側板の間に幕板を入れて取り付けるに際して次のような問題がある。
▲1▼幕板を左右の側板の間に入れていくと、側板間の間隔が広がりやすく、幕板と側板を互いに密着保持ししっかりと固定しくい。
▲2▼左右の側板の間に幕板を入れるに際して、幕板を側板間に位置決めすることは面倒であり、又左右の側板間の間隔が幕板より狭くなっているような場合には押し広げるようにして幕板を入れなくてはならない。
▲3▼天板の前縁部と幕板の間に隙間が生じ、前方から見て見栄がよくない
【0005】
本発明は、上記従来の問題を解決することを目的とし、キャビネット本体へ幕板を取り付ける構造を、側板と幕板を互いに密着して取り付けられようにし、左右の側板間に幕板を差し込む際の位置決めが簡単に行われ、しかも側板間が幕板より狭いような場合は、幕板を側板間方向に押し込むと側板が自動的に広がりしかも位置決めされ、さらに天板の前縁部と幕板の間に隙間が生じないようにすることを課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記課題を解決するために、前面及び上面に開口部を形成し、前記上面に天板が載置され、前記前面の開口部の上部に幕板を備え、前記幕板がキャビネット本体の左右の側板の間に前面より取り付け、取り外し可能で、取り付けた際に前記側板と前記幕板の密着を保持する密着保持手段を備えたキャビネットにおいて、前記密着保持手段は、前記側板の内面に固着されたテーパピンと、前記幕板の内面に取り付けられテーパ付き開口を有するガイド孔が形成された幕板金具とを備えており、前記テーパピンが前記テーパ付き開口を通して前記ガイド孔に挿入されることにより、前記幕板を取り付けた際に該幕板と前記側板が密着保持される構成であることを特徴とするキャビネットを提供する。
【0007】
本発明は上記課題を解決するために、前面及び上面に開口部を形成し、前記上面に天板が載置され、前記前面の開口部の上部に幕板を備え、前記幕板がキャビネット本体の左右の側板の間に前面より取り付け、取り外し可能で、取り付けた際に前記側板と前記幕板の密着を保持する密着保持手段を備えたキャビネットにおいて、前記密着保持手段は、前記側板の内面に固着された鼓型ピンと、前記幕板の内面に取り付けられテーパ付き開口を有するガイド孔が形成された幕板金具とを備えており、前記鼓型ピンが前記テーパ付き開口を通して前記ガイド孔に挿入されることにより、前記幕板を取り付けた際に該幕板と前記側板が密着保持される構成であることを特徴とするキャビネットを提供する。
【0008】
本発明は上記課題を解決するために、前面及び上面に開口部を形成し、前記上面に天板が載置され、前記前面の開口部の上部に幕板を備え、前記幕板がその上部を支点としてキャビネット本体の左右の側板に対して回動し、その下部に前記側板に対して係脱可能な係止部材を備え、キャビネット本体の左右の側板の間に前面より取り付け、取り外し可能で、前記側板と前記幕板の密着を保持する密着保持手段を備えたキャビネットにおいて、前記密着保持手段は、前記側板の内面に固着されたテーパピンと、前記幕板の側端部に形成され内面にテーパ面が形成された枢着孔とを備え、前記テーパピンが前記枢着孔に挿入されることにより、前記幕板を取り付けた際に前記側板と幕板の密着が保持される構成であることを特徴とするキャビネットを提供する。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明に係るキャビネットの実施の形態を実施例に基づいて図面を参照して以下説明する。図1は、本発明の概要を説明する図である。図1(a)は、本発明に係るキャビネットの具体例であるシンクキャビネットの断面図である。図1(b)は、図1(a)を矢印A方向に見た要部を示す図である。
【0011】
図1(a)、(b)において、シンクキャビネット(以下、単に「キャビネット」という。)のキャビネット本体1は、天板2を載置しない状態では上面に開口部3を有し、前面にも左右の側板7の間でなす開口部4を有している。キャビネット本体1の上面には天板2が載置され、開口部3を閉じるように装着される。そして、前面の開口部4の上部には、それを閉じるようにシンク幕板5(以下、単に「幕板」という。)が取り付けられている。前面の開口部4の中で幕板で閉じられる部分の下の開口部分には、特に図示はしないが、引き出しや扉等が取り付けられる。
【0012】
一般的にキャビネット本体に取り付けられる天板は、いろいろなタイプの天板があるが、図1に示す天板2は、シンク6を備えている。天板2は幕板5を取り付ける前に、図1(a)において想像線で示すように、前方からキャビネット本体1の前面の開口部4を通してスライドし、キャビネット本体1の上面に載置して開口部3を閉じるように装着する。天板2をキャビネット本体1に装着した後で、幕板5が左右の側板7の間に前面から開口部4の上部を閉じるように取り付けられる。
【0013】
なお、左右の側板7としては、キャビネット本体1全体の左右両側端の側板の場合もあるし、キャビネット本体の中を仕切る仕切用側板の場合もある。図1に示すキャビネット本体1では、図1(b)に示すように、左右の側板は、キャビネット本体1の左側端側板と仕切用の側板である。
【0014】
以上の通り、本発明に係るキャビネットは、天板2をキャビネット本体1の前方からスライドして上面に載置し、さらに幕板5を左右の側板の前面に取り付けるものである。この場合、本発明に係るキャビネットは、左右の側板7と幕板5とを互いに密着して保持する密着保持手段により、左右の側板7と幕板5をしっかりと固定する取付構造を特徴とする。このような取付構造を特徴とするキャビネットを以下実施例1〜4で説明する。
【0015】
(実施例1)
図2は、本発明に係るキャビネットの実施例1を説明する図である。図2(a)は、上述したようにキャビネット本体1の上面の開口部に、すでに天板2が取り付けられているキャビネットの要部(左側の側板7に天板2を載せた前面部分)を示している。図2(b)はこの天板2に加えて、幕板5が取り付けられている状態の要部を示している。図2(c)は幕板金具13の斜視図である。図2(d)はテーパピン8を示す図である。
【0016】
側板7の内面には、その上方に側板7に向かって細く形成された円錐載頭形のテーパピン8が固着されており、その下方に断面L型の金具9が、その垂直部10がネジ止めされて固着されている。金具9の水平部11にはタップが切られた孔12が形成されている。
【0017】
一方、幕板5の上部内面には、幕板5の左右側端部に位置して幕板金具13が取り付けられている。この幕板金具13は、図2(c)に斜視図で示すように、下部の取り付け部14と上部のガイド部15とから一体に形成されている。ガイド部15には、ガイド孔16が形成されている。
【0018】
このガイド孔16は、水平方向に形成され正面に拡開したテーパ付き開口17、縊れ部18及びスリット19、さらに垂直方向に形成された微調整用長孔20が一体的に連通して形成されている。このように側板7の内面に設けたテーパピン8及び金具9、並びに幕板5に取り付けられる幕板金具13は、本発明に係る密着保持手段を構成するものである。さらに、本発明に係るキャビネットの具体的な構成を説明するために、幕板5を側板7の前面に取り付ける手順について説明する。
【0019】
図2(a)において、幕板5を前方から左右の側板7(図2(a)、(b)では左の側板7のみ示す。)の前面に向けて矢印X方向に移動し、さらに、幕板5を、幕板金具13のテーパ付き開口17からテーパピン8をガイド孔16内に挿入するように、押し込む。幕板金具13は、テーパ付き開口17の幅Wを、図2(d)に示すテーパピン8の最大径Rより大きい構成とすることで、テーパピン8の長手方向のどこの部分でもテーパ付き開口17に挿入することができる。
【0020】
幕板5をさらに矢印X方向に押し込んでいくと、テーパピン8がテーパ付き開口17から縊れ部18に相対的に挿入される。この縊れ部18からスリット19及び微調整用長孔20にかけてのガイド孔16は、その孔の幅wはテーパピン8の最小径rよりやや大きく、テーパピン8の最小径部が挿入できる程度の寸法である。従って、テーパピン8が縊れ部18に位置するまで幕板5をX方向に押し込むと、テーパピン8の最小径部の位置が幕板金具13の位置になるように側板7がキャビネットの左右方向に移動して幕板5に引き寄せられる。
【0021】
ところで、側板7は、その下端部がキャビネット本体の底板に固定されているが、その上部では若干フリー状態である。よって、上記のとおり側板7が幕板5に引き寄せられると、側板7の上部がキャビネットの左右方向に移動し、幕板5と側板7とが互いに密着して保持され、左右の側板7の間の間隔(間口)が幕板5の横幅寸法となるように固定される。
【0022】
この状態で、幕板5を図2(a)の矢印Y方向(上方)に移動する。すると、テーパピン8は、微調整用長孔20内を幕板金具13に対して相対的に移動し、幕板金具13の取付部14が金具9の水平部11の下面に当接し、幕板5は、図2(b)に示す位置になる。この位置で、金具9の水平部11に取付部14をねじ21で固定する。
【0023】
この位置では、幕板5の上端部は天板2の前縁垂直部22(天板の前縁部であって、この実施例では垂直部として構成されている部分。)の内側に長さgだけ重なり、前方からキャビネットを観察した場合に、前縁垂直部22と幕板5との間には隙間がない。このように、幕板5の上端が天板2の前縁垂直部22と長さgだけ重なるようにし、又幕板5を取り付けた状態からはずせるようにするためには、微調整用長孔20の長さhを重なり長さgより大きくする必要がある。
【0024】
そして、微調整用長孔20の長さhの範囲内で、幕板5と前縁垂直部22の重なり長さgを調整することができる。要するに、重なり長さgを十分取りたい場合は、微調整用長孔20の長さhの範囲内で、テーパピン8が微調整用長孔20の最も奥にくるような位置まで相対的に幕板5を上方に移動すればよい。
【0025】
通常、幕板5を左右の側板7の間に押し入れていくと、左右の側板7の間隔は広がるが、この実施例1では側板7は幕板5に引き寄せられ、側板7と幕板5は互いに密着して保持され、左右の側板7の間の間口が固定される。しかも、幕板5をさらに上方に持ち上げることで、幕板5の上端は天板2の前縁垂直部22の内側において、重なるように位置するから、幕板5は天板2との隙間が生じることなく取り付けられる。
【0026】
(実施例2)
図3は、本発明に係るキャビネットの実施例2を説明する図である。図3(a)はキャビネット本体の上面の開口にすでに天板2が取り付けられている要部(左側の側板7に天板2を載せた前面部分)を示し、図3(b)はこの天板2に加えて、幕板5が取り付けられている状態の要部を示している。図3(c)は幕板金具13の斜視図である。図3(d)は鼓型ピン23を示す図である。
【0027】
この実施例2は、実施例1と全体的にほぼ同じ構成であり、図3中の符号も殆ど図2と同じ符号を付したが、実施例1ではテーパピン8は、一方向のみにテーパ面が形成されている円錐載頭形のピンであるが、実施例2では、二方向にテーパ面が形成された鼓型状に形成された鼓型ピン23を側板7の内面に取り付けた構成をその特徴とする。
【0028】
鼓型ピン23を設けたことを特徴とする実施例2のキャビネットの具体的な構成を説明するために、幕板5をキャビネット本体の前面に取り付ける手順を図4で説明する。図4(a)〜(c)は、側板7に対する幕板5の取付を順を追って平面的に説明する図であり、図4(a’)〜(c’)は、図4(a)〜(c)に対応して側板7に対する幕板5の取付を説明する側面図である。図4(d)は幕板5の取付完了状態を示す側面図である。
【0029】
図4(a)、(a’)に示すように、側板7の前方から幕板5を矢印X方向に移動する。この場合、左右の側板7の間口が幕板5の横幅に対して狭すぎる場合、あるいは、左右の側板7に対して、その間に入れるように幕板5を位置決めすることなく大ざっぱに移動していった場合は、幕板5が側板7の前面に当たってしまう。
【0030】
この実施例2はこのような問題を解決する構成を備えている。今、幕板5を矢印X方向に移動し、幕板金具13のテーパ付き開口17に、鼓型ピン23の左側大径部24(図3(d)、図4(a)参照。)が相対的に挿入されて押し込まれる。すると、幕板金具13のガイド孔16のテーパ付き開口17と鼓型ピン23のテーパ面の作用により、側板7は間口を開くように左方向に移動して、図4(b)、(b’)に示すように、幕板金具13は鼓型ピン23の最小径部の位置に相対的に移動する。
【0031】
これにより、幕板5は側板7の左右方向内側に位置する。そして、さらに幕板5を矢印X向に押し入れていくと図4(c)、(c’)の状態となる。この状態で図4(d)に示すY方向に幕板5を持ち上げるようにして移動し、金具9に幕板金具13の取付部14をねじ止めすると、最終的に図4(d)に示すように幕板5が取り付けられる。
【0032】
このように、実施例2では、鼓型ピン23を設けることにより、実施例1のようにテーパピン8で側板7を幕板5側に引き寄せるだけでなく、幕板5に対して側板7を横方向に押し開くようにして、幕板5を左右の側板7の間に押し入れることのできる相対的位置に位置決めするとともに、左右の側板7の間隔(間口)を正確に固定することができる。このように側板7の内面に設けた鼓型ピン23及び金具9、並びに幕板5に取り付けられる幕板金具13は、本発明に係る密着保持手段を構成するものである。
【0033】
図5(a)〜(d)は、実施例2の各構成の次の(1)〜(3)の寸法的関係を説明する図である。
(1)実施例1同様に、鼓型ピン23の最大径部24が幕板金具13のテーパ付き開口17内に挿入できる程度に、鼓型ピン23の最大径Rは、幕板金具13のガイド孔開口幅Wよりやや小さい。
(2)鼓型ピン23の最小径部25が、幕板金具13の縊れ部18、スリット19及び微調整用長孔20内に挿入できる程度に、鼓型ピン23の最小径部25の外径rは、幕板金具13の縊れ部18、スリット19及び微調整用長孔20の幅wよりやや小さい。
(3)幕板5が左右の側板7の間に挿入されかつ幕板5が側板7に密着できる程度に、幕板金具13の幕板5の端部からの取付距離iは、鼓型ピン23の最小径部25から側板7内面までの距離jとほぼ同じである。
【0034】
さらに、幕板金具13の縊れ部18から微調整用長孔20迄の距離mを、幕板5の厚さtより大きく形成すると、幕板5を左右の側板7の間に押し入れる際に鼓型ピン23とガイド孔16により側板7の間で挿入可能に位置決めされ、幕板5が側板7の前面に当たることなく挿入できる。この理由を説明する。
【0035】
図4(b)、(b’)及び図5(c)において、幕板5が左右の側板7の間に入る寸前では、縊れ部18に鼓型ピン23が位置し、この時の縊れ部18から幕板5の内面までの距離pは、側板7の前面から鼓型ピン23の取付中心迄の距離qよりやや大きい。
即ち、p>q・・・▲1▼、である。
ところで、p=m+微調整用長孔20から幕板5内面までの距離n・・・▲2▼、である。
【0036】
図4(c)、(c’)及び図5(d)において、幕板5が左右の側板7内に入り、鼓型ピン23が微調整用長孔20の位置まで完全に挿入される位置では、幕板5の外面と側板7の前面がほぼ同じ位置にあるから、
q=t+n・・・▲3▼、である。
従って、▲1▼〜▲3▼式より、m>t となる。
要するに、幕板金具13の縊れ部18から微調整用長孔20迄の距離mが、幕板5の厚さtより大きいと、幕板5を左右の側板7の間に押し込む寸前に、その幕板金具13が鼓型ピン23で挿入可能状態に位置決めされて、幕板5が側板7に当たることなく押し入れることができる。
【0037】
(実施例3)
図6は、本発明に係るキャビネットの実施例3を説明する図である。図6(a)は、キャビネットの上面にすでに天板2が取り付けられている状態の要部(左側の側板7に天板2を載せた前面部分)を示し、図6(b)は、幕板26を取り付ける状態を示している。図6(c)は幕板26の要部の斜視図である。図6(d)、(e)は、図6(c)をそれぞれ矢印A及びB方向から見た幕板26の枢着用孔27の正面図及び平面図である。
【0038】
この実施例3では、左右の側板7の内面に、実施例1と同様の円錐載頭形のテーパピン8が取り付けられており、その下方に円柱状の係止ピン28が取り付けられている。一方、幕板26の上面左右側端部には、図6(c)〜(e)に示す形状の枢着用孔27が形成されている。さらに、幕板26の下部内面左右には、図6(c)に示すような係止用孔29が形成されている。
【0039】
枢着用孔27は、テーパピン8が挿入され幕板26の枢支部を構成する孔であり、図6(c)〜(e)に示すように、幕板26の上面の開口幅uはテーパピン8の最大径Rよりやや大きく、開口長さvはテーパピン8の長さkよりやや大きく形成されている。
【0040】
又、枢着用孔27は、幕板26の側端面(図6(c)は左側端面を示している。)では、底部に向かうに従い開口幅が小さくなりテーパピン8の最小径rとほぼ同じ寸法まで狭くなる。そして、幕板26の左右方向(横幅方向)の奥に向かうに従いその底部は広くなり、最奥部ではテーパピン8の最大径Rとほぼ同じ寸法まで広がる。要するに、枢着用孔27の内面には、テーパー面が形成されている。
【0041】
幕板26の係止用孔29は、図6(b)、(c)に示すように、係止ピン28が挿脱自在に係入可能なように、係止ピン28に対応した寸法で形成され、その断面がほぼΩ状に形成され、開口部、縊れ部及び孔部から成り、幕板26の下部内面に開口するように構成されている。このような側板7の内面に設けたテーパピン8及び係止ピン28、並びに幕板26に形成される枢着孔27は、本発明に係る密着保持手段を構成するものである。
【0042】
実施例3において、幕板26を左右の側板7の間に取り付ける場合は、図6(b)の矢印X方向に幕板26を移動して、テーパピン8を枢着用孔27内に挿入させる。そして、テーパピン8を枢着用孔27内に挿入後、矢印Y方向に幕板26を回転して、幕板26の係止用孔29に係止ピン28を係入し幕板26の取付が完了する。ところで、テーパピン8を枢着用孔27内に挿入させるに際して、テーパピン8は、枢着用孔27の開口のどの位置でも挿入可能であるが、枢着用孔27の内面がテーパ面となっているために、枢着用孔27の底部に近づくに従って、実施例1と同様の原理で、幕板26に側板7が引き寄せられ、側板7と幕板26の端面とは密着して保持される。この結果、実施例1と同様に、側板7と幕板26が互いに密着して保持され、左右側板7の間の間口を固定することができる。
【0043】
(参考例)
図7は、本発明に係るキャビネットの参考例を説明する図である。図7(a)は、キャビネット本体1において、天板2は載置されているが、幕板30はセットされていない状態の断面図を示し、図7(b)は幕板30が最終的にセットされている要部を示し、図7(c)は図7(b)のA−A断面図である。
【0044】
幕板30は、その下端部において、左右の側板7の内面に枢軸31により回動可能に枢着されている。幕板30の上部内面に係止部材32が取り付けられている。この係止部材32は、くわえ込み金具や湾曲状のクリップ等であり、側板7の内側に突設された実施例3同様の構造の係止ピン28が係脱可能に係入する構成である。このような側板7の内面に設けた係止ピン28、並びに幕板5に取り付けられる係止部材32は、本発明に係る密着保持手段を構成するものである。
【0045】
参考例によると、図7(a)に示すように、幕板30を枢軸31を中心に下方に垂らしセットしていない状態では、シンク6を有する天板2をキャビネット本体1の前方からスライドしてキャビネット本体1の上面に載置して取り付けることもできるし、逆に前方に引き出すようにして取り外すことも可能である。
【0046】
天板2を取り付けた後に、幕板30を図7(a)に示すように矢印方向に回転し、図7(b)、(c)に示すように、係止ピン28を係止部材32内に係入させて係止し、幕板30を最終的にセットして取り付けることができる。 図7(b)に示す状態で、幕板30を、天板2の前縁垂直部22の下端に当たらないが隙間ができない程度の長さに形成して、且つ枢着位置(枢軸31に幕板30を枢着する位置)を決めれば、隙間が前方からでも見えない。
【0047】
以上、本発明に係るキャビネットの実施の形態を実施例に基づいて説明したが、本発明は特にこのような実施例に限定されることなく、特許請求の範囲記載の技術的事項の範囲内でいろいろな実施例があることはいうまでもない。なお、本発明に係るキャビネットは、キッチン用のキャビネットをはじめとして、洗面化粧台用のキャビネット等幅広い応用が可能である。
【0048】
【発明の効果】
本発明に係るキャビネットは上記のような構成であるから、次のような効果が生じる。
(1)幕板を左右の側板の間に入れていくと、側板が幕板に自動的に引き寄せられるから、側板と幕板が互いに密着して保持され、幕板と側板が互いにしっかりと固定される。
(2)左右の側板の間に幕板を入れる際に、幕板を側板間に押し入れるように容易に位置決めすることができ、左右の側板間の間隔が幕板より狭くなっているような場合でも、幕板が左右の側板間に入る前にその間隔を押し広がりしかも位置決めされるから、容易に幕板を側板間にて押入れることができる。
(3)天板の前縁部と幕板の間に隙間が生じない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るキャビネットの全体構成を示す図である。
【図2】本発明に係るキャビネットの実施例1を説明する図である。
【図3】本発明に係るキャビネットの実施例2を説明する図である。
【図4】本発明に係るキャビネットの実施例2の取付手順を説明する図である。
【図5】本発明に係るキャビネットの実施例2の要部の寸法を説明する図である。
【図6】本発明に係るキャビネットの実施例3を説明する図である。
【図7】本発明に係るキャビネットの参考例を説明する図である。
【符号の説明】
1 キャビネット
2 天板
3 キャビネット本体の上面の開口部
4 キャビネット本体の前面の開口部
5、26、30 幕板
6 シンク
7 左右の側板
8 テーパピン
9 L型の金具
13 幕板金具
14 取付部
15 ガイド部
16 ガイド孔
17 テーパ付き開口
18 縊れ部
19 スリット
20 微調整用長孔
22 前縁垂直部
23 鼓型ピン
27 枢着用孔
28 係止ピン
29 係止用孔
31 枢軸
32 係止部材
Claims (3)
- 前面及び上面に開口部を形成し、前記上面に天板が載置され、前記前面の開口部の上部に幕板を備え、前記幕板がキャビネット本体の左右の側板の間に前面より取り付け、取り外し可能で、取り付けた際に前記側板と前記幕板の密着を保持する密着保持手段を備えたキャビネットにおいて、
前記密着保持手段は、前記側板の内面に固着されたテーパピンと、前記幕板の内面に取り付けられテーパ付き開口を有するガイド孔が形成された幕板金具とを備えており、前記テーパピンが前記テーパ付き開口を通して前記ガイド孔に挿入されることにより、前記幕板を取り付けた際に該幕板と前記側板が密着保持される構成であることを特徴とするキャビネット。 - 前面及び上面に開口部を形成し、前記上面に天板が載置され、前記前面の開口部の上部に幕板を備え、前記幕板がキャビネット本体の左右の側板の間に前面より取り付け、取り外し可能で、取り付けた際に前記側板と前記幕板の密着を保持する密着保持手段を備えたキャビネットにおいて、
前記密着保持手段は、前記側板の内面に固着された鼓型ピンと、前記幕板の内面に取り付けられテーパ付き開口を有するガイド孔が形成された幕板金具とを備えており、前記鼓型ピンが前記テーパ付き開口を通して前記ガイド孔に挿入されることにより、前記幕板を取り付けた際に該幕板と前記側板が密着保持される構成であることを特徴とするキャビネット。 - 前面及び上面に開口部を形成し、前記上面に天板が載置され、前記前面の開口部の上部に幕板を備え、前記幕板がその上部を支点としてキャビネット本体の左右の側板に対して回動し、その下部に前記側板に対して係脱可能な係止部材を備え、キャビネット本体の左右の側板の間に前面より取り付け、取り外し可能で、前記側板と前記幕板の密着を保持する密着保持手段を備えたキャビネットにおいて、
前記密着保持手段は、前記側板の内面に固着されたテーパピンと、前記幕板の側端部に形成され内面にテーパ面が形成された枢着孔とを備え、前記テーパピンが前記枢着孔に挿入されることにより、前記幕板を取り付けた際に前記側板と幕板の密着が保持される構成であることを特徴とするキャビネット。
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